JPH069487B2 - アスパルテームを安定に含有する練製品又は飲料 - Google Patents

アスパルテームを安定に含有する練製品又は飲料

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JPH069487B2
JPH069487B2 JP58157509A JP15750983A JPH069487B2 JP H069487 B2 JPH069487 B2 JP H069487B2 JP 58157509 A JP58157509 A JP 58157509A JP 15750983 A JP15750983 A JP 15750983A JP H069487 B2 JPH069487 B2 JP H069487B2
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宏一 滝沢
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アスパルテーム(α−L−アスパルチル−L
−フェニルアラニンメチルエステル)を含有する食品に
関し、更に詳しくは、レシチンにより、比較的高pHの食
品の系におけるアスパルテームの保存安定性を高める方
法に関する。
近年、低カロリーの飲料や健康食品が増加の傾向にあ
り、低カロリー甘味料中、アスパルテームは、甘味質及
び甘味度において極めて有効であることから、これらの
飲料や食品に対する利用が期待されている。ところで、
これらの飲食品にアスパルテームを添加する場合、特に
アスパルテームを水分の存在下で保持する際の問題点と
してpHや保存温度等の影響により、アスパルテームの保
存安定性が低下することが指摘されている。即ち、弱酸
性〜アルカリ性の条件下で水分とアスパルテームが共存
する飲食品の場合、製造過程乃至は保存流通段階におい
て、アスパルテームが分解し、無毒で全く安全であるが
甘味とないジケトピペラジン化し、甘味ロスを生じる。
また、pHの如何によらず、高水分含量のアスパルテーム
含有食品及び飲料の系においても、特に比較的高温下で
アスパルテームを保持する場合には、アスパルテームの
甘味ロスを生じ易い。そして、このようなアスパルテー
ムの保存安定性の低下は、甘味料の消費量が多く、低カ
ロリー甘味料に対する需要の高いソフトドリンク類をは
じめとする各種の甘味食品にアスパルテームを利用する
上での隘路となるおそれがあるため、アスパルテームの
保存安定性の向上は、加工食品へのアスパルテーム利用
上、極めて重要な課題になっている。
かかる課題に対する取組としては、低温保存、pH調整
(アスパルテームの安定領域pH4〜4.5)、Ca又はMg
イオン放出物質の添加(特開昭50-77569)、カプセル化
(特開昭57-202268、特公昭57-53063)等が知られてい
るが、保存中におけるpHの変化その他の環境変化に対し
ても、アスパルテームを安定に保持し、かつ、比較的高
pH領域の飲食品にも広く適用可能で、高い安定化効果が
得られるという観点では未だ満足できるものとはいえな
い実情にある。
本発明者らは、このような現状を背景に、アスパルテー
ムの安定化を図るべく鋭意研究を重ねた結果、レシチン
が、弱酸性〜アルカリ条件下におけるアスパルテームの
安定性を大きく向上するとと知見を得た。
本発明は、かかる知見に基づき完成されたものであり、
即ち、pH4.0以上でかつレシチンをホスファチジルコ
リンの重量に換算してアスパルテーム重量に対し、50
%以上含有することを特徴とするアスパルテームを安定
に含有する練製品又は飲料である。
本発明において使用するレシチンは、(1)ホスファチジ
ルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン
(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)等のリ
ン脂質とトリグリセリドとから成り、工業的にいわゆる
レシチンと呼ばれる混合脂質と、(2)上記PC、PE、
PI、特にPCに代表されるリン脂質のいずれであって
もよい。
レシチンは、その主成分であるPC、PE、PI等が1
分子中に親水性と親油性の両方の官能基を有することか
ら、乳化作用があり、乳化剤として多くの用途に利用さ
れている他、湿潤性、酸化防止作用、フレーバー保留作
用、デンプン類に対する老化防止作用、キャラメルに対
する剥離防止作用なども知られているが、アスパルテー
ム等の熱やアルカリ等に不安定な物質の安定化に関する
知見は存在しない。
レシチンとしては、大豆レシチンをはじめ、菜種レシチ
ン、とうもろこしレシチン、卵黄レシチン、綿実レシチ
ンその他特にその種類を限定されず使用可能であり、こ
れらのレシチンを各単独で或いは組合せて配合するレシ
チンは、上記各種と油糧種子、卵黄等から分離精製され
るため、リン脂質以外の不純物、特にトリグリセリドを
含有する場合が多い。上述の如く、本発明におけるレシ
チンは、これらの不純物を含有する精製度と低いもので
も使用できるが、脱臭、脱酸、脱色等の精製を十分に行
ったリン脂質比率の高い精製レシチンを使用することに
より、アスパルテームの安定性はより向上する。尚、ア
セチル化レシチン、部分加水分解レシチン、ヒドロキシ
ル化レシチン、その他と各種と改質処理したレシチン
を、レシチンの全部又は一部として代替可能なことはい
うまでもない。
上記レシチンは、粉末、顆粒、液状その他、いずれの形
態であっても使用可能である。
レシチンの添加量は、含有するPC重量に換算してアス
パルテーム重量の50%以上の含有量となるよう設定す
る。即ち、既に原料中にレシチンが存在する場合には、
不足量を上積み添加すれば一応と安定化効果は得られる
が、好ましくは、精製レシチンをPCに換算して、アス
パルテームに対し、等量以上添加するようにする。レシ
チンの含有量が多すぎる場合、味、風味、食感が損なわ
れることがあり、逆にPCの含有量がアスパルテームに
対し50重量%以下では安定化効果に欠ける。
レシチンを添加する食品のpHは4.0以上であり、pHが
それ以下の場合、レシチンによるアスパルテームの安定
化は図れず、例えばpH3.0の場合、レシチンの添加に
よりアスパルテームの安定性は影響を受けない。この場
合、食品のpHは、原料混合時から製品の保存流通時に至
る間のpH、特に保存流通時におけるpHをいう。従って、
原料混合時乃至は製品の製造直後のpHが4.0以下で、
その後の保存によっても、pH上昇がないものは本発明の
対象から除かれる。一方、保存後のpHがアスパルテーム
の安定領域であっても、製造中乃至は製造直後のpHがア
スパルテームの不安定領域である飲食品、例えば、製造
直後のpHが6.5で、保存後のpHが4〜5である食品を
はじめとし、飲食に供される間にpHが4以上となるすべ
ての飲料、練製品が本発明の対象となり、特に、飲用に
供される間にpHが4.5以上となる食品の系においてレ
シチン添加による安定化効果が高い。
このような食品としては、コーヒー、コーヒー牛乳、等
の飲料(缶詰、瓶詰、パウチ詰、パック詰その他)、か
まぼこ、ソーセージ等の練製品であり、水分の不存在下
でアスパルテームを保持できる食品を除くすべてのpH
4.0以上の食品が含まれ特に、pH4.5〜10の食品
において実効が高い。
レシチンの添加方法、添加時期については、最終製品の
水性と区分に均一に分散するような方法、時期であれば
よく、特に限定はないが、例えば、製造工程において、
アスパルテームを水分の共存下で加熱する場合、或いは
熟成工程を含む等でアスパルテームの安定性が低下する
ような場合には、少なくとも、アスパルテームの添加よ
り前又は同時にレシチンを添加しておくことが効果的で
ある。また、サイクロデキストリン(特願昭57-11130
4)、ショ糖脂肪酸エステル(特願昭58-23459)等のア
スパルテームの対水安定性向上効果を有する成分を併用
する、或いは、pHが高い場合には、味、物性等に影響を
与えない範囲で可及的にpHをアスパルテームの安定領域
に近い値に低下させるようにpH調整を行うことも有効で
ある。
尚、アスパルテームの濃度は、目的とする食品の甘味度
に応じて適宜設定すればよく、特に限定はない。また、
他の甘味料、例えば、ショ糖その他の糖類、糖アルコー
ル、ステビオサイド、アセスルファムK、サッカリン等
の天然又は人工甘味料と併用可能なことはいうまでもな
い。
次に実験例及び実施例により本発明を更に説明する。
実験例1 アスパルテーム50mg/dl含有水溶液に精製レシチン
0.1重量%を添加混合し、pHを3.0(実験区1)及
び6.5(実験区2)に調整したものをサンプルとし、
精製レシチン無添加でpHを3.0(対照区1)及び6.
5(対照区2)に調整したアスパルテーム50mg/dl含
有水溶液をコントロールとして、サンプル及びコントロ
ールをそれぞれボトリングし、次いで80℃で15分間
加熱処理を行ってから44℃の恒温槽に入れ、アスパル
テームの保存安定性を測定した。結果を第1表に示す
が、精製レシチンを0.1重量%添加したpH6.5の実
験区2では20日間経過後も70%以上のアスパルテー
ムが残存していたが、無添加のpH6.5の対照区1で
は、20%以下であった。即ち、pH6.5の場合、精製
レシチンの添加によりアスパルテームの残存量は約4倍
に増大した。一方、pH3.0の場合、レシチン添加区
(実験区1)と無添加区(対照区1)との間にアスパル
テームの残存量における差異は認められなかった。
*精製レシチン 大豆レシチンをアセトン処理して中性油を除いた後、9
5%エタノール水溶液でPC区分を分画したもので、P
C83%、中性油7%を含んだものを用いた。
実験例2 アスパルテーム50mg/dl含有水溶液に精製レシチン*
(PC83含有)及びアセチル化レシチン(PC20%
含有)を添加混合し、pHを6.5に調製したものをサン
プルとし、実験例1と同様な方法でコントロールと共に
80℃で15分間加熱処理した後、44℃の恒温槽に入
れ、アスパルテームの保存安定性を測定した。結果を第
2表に示すが、精製レシチン,アセチル化レシチンのい
ずれもPC添加量がアスパルテームの50重量%程度で
もアスパルテームの安定化効果が得られるが、特に、P
C添加量が0.05%以上に於てアスパルテームの残存
量が著しく向上した。このことから添加するレシチンの
種類又はその添加量でなく、それに含まれるPCの添加
量によってアスパルテームの安定性が決定されることが
認められた。尚アセチル化レシチルを0.5%添加した
ものは25日保存後に油の分離が認められた。従ってレ
シチンの添加量を決定する際にレシチン中に含まれる中
性油の含量を考慮して好ましくは、PC添加量が0.0
5%以上(アスパルテームと等量以上)になるようにす
る必要がある。* アセチル化レシチン 大豆レシチンに無水酢酸を加えて加熱反応後、真空蒸留
により副生した酢酸を留去したもので、PC20%、中
性油38%を含んだものを用いた。
実施例1 コーヒー抽出液480g、市乳120g、インスタント
コーヒー3g、粉末カラメル1g、重曹1.0gを溶解
した液に、アスパルテーム0.4g、精製レシチル(P
C83%含有)1.0g、シュガーエステル1.0g、
水390gを別途混合溶解した液を加えて充分に攪拌混
合してコーヒー乳液(実験区)を調製した。(溶液のpH
は6.3)。
またコントロールとして精製レシチンを配合しないコー
ヒー乳液(対照区)を上記と同様な方法で調製した。
(溶液のpHは6.2)。それぞれのコーヒー乳液を15
0mlずつ缶詰に詰め、122℃で22分間レトルト加熱
殺菌(F0値30)した後、室温にて4ケ月間保存し
て、アスパルテームの保存安定性を測定した。
結果を第3表に示すが、精製レシチンを添加した実験区
では製造直後で80%以上のアスパルテームが残存して
おり、対照区と比較してアスパルテームの残存量は約4
倍に増大した。また4ケ月経過後も約70%のアスパル
テームの残存が認められ対照区と比較して著しいアスパ
ルテームの安定性向上が認められ、コーヒー飲料として
充分満足出来る呈味を保っていることが確認出来た。
実施例2 助宗スリ身10kg、食塩300g、グルタミン酸ソーダ
100g、みりん300g、卵白300g、澱粉500
g、水1.4kgおよびあらかじめアスパルテーム0.4
g、大豆レシチン(PC20%含有)2gを水100g
中に攪拌混合した液をミキサーに投入し、からずりを1
5分間並びに塩ずりを10分間行って得た混練物を板付
けし、85℃下、40分間加熱してかまぼこを製造し
た。
対照として、大豆レシチンを添加せずに上記と同様の原
料、工程により、かまぼこを製造し、これら2種類のか
まぼこのアスパルテーム残存量を測定した。結果を第4
表に示す。
大豆レシチンを添加しない対照区ではアスパルテームは
完全分解して甘味は全く感じられないが、大豆レシチン
を添加した実験区では75%のアスパルテームが残存
し、充分満足出来る甘味を呈することが認められた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】pH4.0以上で、かつ、レシチンをホスフ
    ァチジルコリン重量に換算して、アスパルテーム重量に
    対し50%以上含有することを特徴とするアスパルテー
    ムを安定に含有する油脂無添加練製品又は飲料。
JP58157509A 1983-08-29 1983-08-29 アスパルテームを安定に含有する練製品又は飲料 Expired - Lifetime JPH069487B2 (ja)

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