JPH0696785B2 - プレス成形性、化成処理性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

プレス成形性、化成処理性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板

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JPH0696785B2
JPH0696785B2 JP2088696A JP8869690A JPH0696785B2 JP H0696785 B2 JPH0696785 B2 JP H0696785B2 JP 2088696 A JP2088696 A JP 2088696A JP 8869690 A JP8869690 A JP 8869690A JP H0696785 B2 JPH0696785 B2 JP H0696785B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プレス成形性、化成処理性、溶接性に優れた
亜鉛系めっき鋼板に関するものである。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 亜鉛めっき鋼板のプレス成形性を向上させる方法として
は、例えば、特開昭62−15883号公報記載の如く、めっ
き鋼板表面に電解クロメート処理を施し、Cr2O3の酸化
物皮膜を生成せしめる方法や、特開昭62−192597号公報
記載の如く、鉄亜鉛合金めっきを施す方法等の亜鉛系め
っき鋼板上に硬い皮膜を形成し、プレス時のめっきとダ
イスのかじりを防止してプレスの潤滑性の向上をはかる
ことが開示されている。
又、特開平1−136952号公報記載の如く、めっき鋼板の
表面に有機潤滑皮膜や潤滑油等の有機物を塗布または被
覆し、プレス成形性を向上させることが開示されてい
る。
しかしながら、このような製品は自動車ユーザー等の使
用において、以下のような不十分な点がある。
自動車ユーザーでの使用工程の概略は、鋼板を油で洗浄
する工程、プレス工程、脱脂工程、化成処理工程、塗装
工程からなっており、電解クロメート処理鋼板の場合
は、化成処理工程で化成処理皮膜が形成せず、また潤滑
油や潤滑皮膜などを塗布した鋼板の場合には、洗浄工程
で油が落ちるので十分な潤滑性能を発揮せず、さらに
は、化成処理前の脱脂工程に負荷がかかりコストが高く
なる。また一方、亜鉛系めっき鋼板に鉄亜鉛合金フラッ
シュめっきを施したものは、電解クロメート処理に比較
して鋼板のコストが高くなるという問題点があり、低コ
ストで、化成処理が可能で、脱脂等の工程に負荷をかけ
ず、プレス成形性に優れる亜鉛系めっき鋼板の開発が望
まれている。又、溶接性向上については、従来時にその
対策が講ぜられたことはなく、プレス成形性、化成処理
性と相俟って溶接性の向上も強く望まれている。
本発明はこのような要求を有利に解決し得る亜鉛系めっ
き鋼板を提供することを目的とするものである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の要旨とするところは、Zn酸化物3〜500mg/m
2(Znとして)、Mn酸化物5〜500mg/m2(Mnとして)及
びその他酸化物からなる皮膜を表面に被覆してなるプレ
ス成形性、化成処理性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼
板にある。
本発明の対象とする亜鉛系めっき鋼板とは、例えば溶接
めっき法、電気めっき法、蒸着めっき法、溶射法などの
各種の製造方法によるものがあり、めっき組成としては
純Znの他、ZnとFe,ZnとNi,ZnとAl,ZnとMn,ZnとCr,ZnとT
i,ZnとMgなどZnを主成分として、耐食性などの諸機能の
向上のためFe,Ni,Co,Al,Pb,Sn,Sb,Cu,Ti,Si,B,P,N,S,O
等の1種ないし2種以上の合金元素および不純物元素を
含み、また、SiO2,Al2O3などのセラミックス微粒子、Ti
O2,BaCrO4などの酸化物、アクリル樹脂などの有機高分
子をめっき層中に分散させたものがあり、めっき層の厚
み方向で単一組成のもの、連続的あるいは層状に組成が
変化するものがあり、さらに多層めっき鋼板では、最上
層に、めっき組成としては純Znの他、ZnとFe,ZnとNi,Zn
とAl,ZnとMn,ZnとCr,ZnとTi,ZnとMgなどZnを主成分とし
て、耐食性など諸機能の向上のため1種ないし2種以上
の合金元素および不純物元素を含み、また、SiO2,Al2O3
などのセラミックス微粒子、TiO2,BaCrO4などの酸化
物、アクリル樹脂などの有機高分子をめっき層中に分散
させたものがある。
例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、蒸着亜鉛めっき鋼板、鉄
−亜鉛合金化溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛を主とするアル
ミニウム、鉄などの合金溶融亜鉛めっき鋼板、めっき層
断面方向で下層が合金化されている合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板(一般にハーフアロイと称する)、片面鉄−亜鉛
合金化溶融亜鉛めっき層、他面溶融亜鉛めっき層からな
るめっき鋼板、これらのめっき層上に電気めっき、蒸着
めっき等により亜鉛、または亜鉛を主成分とし、鉄、ニ
ッケルを含有する金属をめっきした鋼板、あるいは、電
気亜鉛めっき鋼板、亜鉛、ニッケル、クロム等合金電気
めっき鋼板等、更に単一合金層又は多層合金電気めっき
鋼板、亜鉛および亜鉛含有金属の蒸着めっき鋼板等があ
る。その他、SiO2,Al2O3などのセラミックス微粒子、Ti
O2酸化物微粒子及び有機高分子などを亜鉛又は亜鉛合金
めっき中に分散させた分散めっき鋼板がある。
このような亜鉛系めっき鋼板表面に、前記の如く、Zn酸
化物とMn酸化物及びその他酸化物からなる皮膜を被覆し
て、プレス成形性、化成処理性、溶接性を向上させよう
とするものである。
(作 用) このような効果を奏しうる理由は以下の如くである。
プレス成形に際しての潤滑性をめっき鋼板に付与するに
は、めっき鋼板表面に硬質の皮膜を形成する方法が有効
である。この点で電解クロメート処理、鉄亜鉛合金めっ
きは有効であるが、前者は化成処理皮膜が形成できず、
後者は処理量が多くコスト高になる。
これらの解決には、めっき鋼板表面の硬質皮膜としては
酸化物皮膜であって、かつ化成処理液中で溶解し、化成
処理皮膜を形成できるとともに、皮膜成分が化成処理液
に溶け出しても化成処理に悪影響を与えないものである
ことが必要である。
本発明者らは、このような観点から、亜鉛系めっき鋼板
表面にMn酸化物皮膜を形成すれば良いことを見出した。
Mn酸化物皮膜はクロメート皮膜と同様ガラス状の皮膜と
なり、プレス時にめっきのダイスへのかじりを抑制し、
摺動性を良好とする。さらに、化成処理液には溶解する
ためクロメート皮膜と異なり、化成処理皮膜を形成する
ことができ、また、化成処理液に溶出しても悪影響はな
い。
Zn酸化物は、単独では湿式法でプレス摺動性改善皮膜を
形成し難いが、Mn酸化物との混晶状態ではプレス摺動性
を著しく向上できる。また、Zn酸化物も化成処理皮膜を
形成することができ、化成処理液に溶出しても悪影響は
ない。
Mn及びZn酸化物皮膜の構造は明確ではないが、Mn−O,Zn
−O結合からなるネットワークが主体で、部分的に−O
H,CO3,PO4基等が結合し、さらにはめっきから供給され
る金属が置換したアモルファス状の巨大分子構造であろ
うと推定している。
また、この皮膜は酸化物皮膜のため、油による洗浄工程
や、脱脂工程でも溶解しないので、潤滑性能の低下や、
他の工程に負荷をおよぼさない。
この皮膜の密着性や成膜性を良好にするためにりん酸、
ほう酸、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸や、それらから
なる塩を添加することは効果的である。
さらに、この皮膜中には、処理浴中やめっきに含まれる
物資を不純物として含んでいてもよい。これら不純物と
してはZn,Al,Cr,Co,Mn,Pb,Sn,Cu,Ti,Si,B,N,S,P,Cl,K,N
a,Mg,Ca,Ba,In,C,Fe,V,W,Niなどがある。
次に、本発明の皮膜の皮膜量範囲について述べる。
この皮膜の皮膜量はプレス成形性を良好とするには、Mn
酸化物(Mnとして)5mg/m2以上有すればよいが、皮膜量
が500mg/m2を越えると化成処理皮膜の形成が不十分とな
ることがある。
ゆえに、適正なMn酸化物皮膜量は、Mnとして5mg/m2以上
500mg/m2以下である。
次に溶接性を向上するためにZn酸化物を混入する。この
酸化物の生成量としては、酸化物皮膜中のZn量(片面あ
たり)として、3〜500mg/m2とする。3mg/m2未満では効
果がなく、又500mg/m2超になると、電気抵抗が大とな
り、チップが軟化変形を生じ易くなり、チップ寿命が短
命になるので好ましくない。即ち溶接等においては、そ
の加熱により、めっき金属が溶融状態となり、次いで、
鋼板との合金化へと進行するが、先のめっき金属が溶融
状態のとき電極チップと直接接触すると、チップ組成の
銅とめっき組成の亜鉛が選択的に反応し、硬く脆い銅−
亜鉛合金層を形成して、チップが損耗し、電極チップ寿
命を短命にすることになる。
この溶融状態のめっき金属は、前記めっき鋼板表面に生
成せしめた酸化物皮膜により、チップとの接触を断た
れ、めっき金属のチップとの直接接触による溶損等を防
止するとともに、さらに、溶融状態のめっき金属が鋼板
の鉄と合金化され、主として鉄−亜鉛合金となり、これ
が酸化物皮膜の亀裂部等を通して、あるいは、酸化物皮
膜と一緒に電極チップ先端部へ付着し、堆積してチップ
の保護金属膜となり、理由は明確ではないが、溶接を継
続しても保護膜の厚み、形状等には変化がなく、常時良
好な溶接ができ、かつチップの損傷も防止できる。ここ
で電極保護金属とは、めっき金属と地鉄との合金を主体
とするもので、平均濃度としてFe:20〜60%、Zn:40〜80
%程度の場合が多いが、一般にFe濃度の高い方が好まし
く、特に、高濃度Zn部分が局部的に存在するような場合
は好ましくない。また、電極保護金属はめっき金属の成
分、Mn,Sなどの鋼板成分、およびCuなどの電極チップの
成分を含むことがある。
また、この電極保護金属膜は、チップ先端形状を凸状に
保つ効果を有するので、チップが同程度に軟化損傷した
場合でも、低電流で溶接ができ、チップ保護膜をチップ
先端表面の50%以上の面積に付着させると、電極チップ
寿命を大幅に延長することができる。すなわち、亜鉛め
っき表面に電極保護金属を付着させるZnOを主体とする
酸化物皮膜を生成せしめ、溶接熱によりめっき金属と鋼
板との合金を上記酸化物皮膜を通して、あるいは、酸化
物皮膜と一緒に諸電極保護金属を電極チップへ付着させ
つつ溶接するものである。
Mn酸化物がZn酸化物と複合して皮膜形成していても、上
記Zn酸化物と同様に溶接性改善効果が認められる。Mn−
Znの複合酸化物の電気抵抗がそれほど大きくならないこ
とによるものと推察している。
かくして、MnとZnの酸化物を主体とする皮膜を亜鉛系め
っき鋼板上に同時に形成させることにより、プレス成形
性と溶接性をもとに向上でき、化成処理も可能となる。
次に上記の如きMn酸化物とZn酸化物を生成する方法の一
例について説明する。
過マンガン酸カリウム1〜70g/、硝酸亜鉛100〜800g/
の水溶液中へ亜鉛系めっき鋼板を浸漬するか又は該水
溶液を散布する等により水溶液と接触させるか、あるい
は該水溶液中で亜鉛系めっき鋼板を陰極電解処理するこ
とにより、同時にMn酸化物とZn酸化物を混合生成させる
ことができる。
このようにして酸化物皮膜を生成する際に、めっき層及
びめっき層中の合金金属等の一部が酸化物となり、その
他酸化物として混入する。
上記水溶液中へエッチング剤として硫酸、硝酸、過塩素
酸、りん酸等の1種又は2種以上を1〜50g/添加する
ことにより、生成酸化物皮膜の密着性等を向上させるこ
とができ好ましい。
(実施例) 次に本発明の実施例を比較例と共に第1表に示す。
注1)めっき鋼板の種類:AS:合金化溶融亜鉛めっき鋼板
(Fe10%,Al0.25%,残Zn),EG:電気亜鉛めっき鋼板、G
I:溶融亜鉛めっき鋼板(Al0.3%,Fe0.8%,Pb,0.1%,残
Zn),HA:半合金化溶融亜鉛めっき鋼板(Fe5%,Al0.3
%,残Zn),鋼板厚はいずれも0.8mmの普通鋼。
注2)プレス成形性(摩擦係数) サンプルサイズ:17mm×300mm,引張り速度:500mm/min,角
ビード肩R:1.0/3.0mm,摺動長:200mm,塗油:ノックスラ
スト530F40,1g/m2の条件で、面圧を100〜600kgfの間で
数点試験を行い、引き抜き加重を測定し、面圧と引き抜
き加重の傾きから摩擦係数を求めた。
注3)化成処理性 化成処理液にはSD5000(日本ペイント社製)を用い、処
方どうり脱脂、表面調整を行った後化成処理を行った。
化成処理皮膜の判定は、SEM(2次電子線像)により、
均一に皮膜が形成されているものは○、部分的に皮膜形
成されているものは△、皮膜が形成されていないものは
×と判定した。
注4)製造条件は、過マンガン酸カリウム5g/、エッ
チング剤(りん酸)10g/、硝酸亜鉛350g/、液温40
℃の水溶液中でめっき鋼板を陰極として電解処理(8A/d
m2で、電解時間を調整)又は該水溶液中で浸漬処理して
酸化物皮膜を被覆した。
注5)溶接条件 溶接条件は下記による。
1) 加圧力:250kgf 2) 初期加圧時間:40Hr 3) 通電時間:12Hr 4) 保持時間:5Hr 5) 溶接電流:11kA 6) チップ先端径:5.0φ(円錐台頭型) 7) 電極寿命終点判定:溶接電流の85%でのナゲット
径が3.6mmを確保できる打点数 8) 電極材質:Cu-Cr(一般に用いられているもの) 溶接は、めっき鋼板の片面を上、他面を下として、2枚
重ね合わせて連続打点数をとった。
注6)酸化物の測定はGDS(グロー放電分光法)、ICAP
(イオンプラズマ発行分析法)により行った。
(発明の効果) 本発明によれば、プレス成形においては摺動性を冷延鋼
板並以上に向上し、かつ化成処理皮膜も形成可能とする
ことができ、又溶接性をも向上することができる。これ
によって、従来より低コストで、またユーザーの工程に
おける負荷を低減でき、生産性を向上させることができ
るなどの優れた効果が奏される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Zn酸化物3〜500mg/m2(Znとして)、Mn酸
    化物5〜500mg/m2(Mnとして)及びその他酸化物からな
    る皮膜を表面に被覆してなるプレス成形性、化成処理
    性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板。
JP2088696A 1989-12-12 1990-04-03 プレス成形性、化成処理性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板 Expired - Lifetime JPH0696785B2 (ja)

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