JPH0698730B2 - エンジン部品 - Google Patents

エンジン部品

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JPH0698730B2
JPH0698730B2 JP1193107A JP19310789A JPH0698730B2 JP H0698730 B2 JPH0698730 B2 JP H0698730B2 JP 1193107 A JP1193107 A JP 1193107A JP 19310789 A JP19310789 A JP 19310789A JP H0698730 B2 JPH0698730 B2 JP H0698730B2
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廣士 西川
隆一 石田
始夫 佐藤
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジン部品に関し、詳細には、制振鋼板を
締結部材により組み立てたエンジン部品に関し、特に、
締結部材による締付力が低下し難いエンジン部品に関す
る。
(従来の技術) 近年、各種機械及び交通機関等で振動により発生する騒
音の軽減対策が重要課題になり、該対策として騒音発生
源に振動減衰性を有する金属板、即ち制振金属板が使用
されるようになってきた。例えば自動車のオイルパンや
ダッシュパネル、ホッパーのシュート部、汎用エンジン
カバー、金属加工機械の振動低減部材等に、制振鋼板等
の制振金属板が使用されてきている。
かかる制振金属板は、積層構造を有し、2枚以上の複数
の金属板と、これら各々の金属板の間に挿入されて該金
属板を接合する粘弾性高分子樹脂層とからなるものであ
る。即ち、金属板間に粘弾性高分子樹脂がラミネートさ
れてなる。尚、金属板が2枚の場合と、3枚以上の場合
とがある。上記樹脂層の機能は金属板を接合させ、且つ
制振性能を持たせる事にある。上記金属板には鋼板、各
種めっき鋼板、ステンレス鋼板等の鋼板類の他、Al板、
チタン板、銅板やその他非鉄金属板などが使用される。
この金属板として鋼板類が使用されたものは制振鋼板と
呼ばれる。
ところが、前記従来の制振鋼板等の制振金属板は、金属
板間の樹脂の強度が金属板の強度に比して低いので、制
振金属板をボルト等により締付けて機器等を組立た後、
該ボルト等による締付力が低下するという問題点があ
る。該締付力低下は、オイルパン等ではエンジン油洩
れ、他の機器等では締付部でのガタ(緩み)の発生に繋
がるので、極めて重要かつ深刻な問題点である。尚、該
締付力低下現象は高温になるとより加速される。
上記締付力低下は、常温域では樹脂強度の向上により該
低下度合を10%以下に押さえられるとの報告もある。高
温で使用される場合は他の対策を要するとの問題提起が
なされている。しかし、対策技術は提案されておらず、
定期的増し締めにて対応しているのが現状である。
又、従来の制振金属板を比較的高温で運転される循環系
機器に使用した場合は、制振金属板の端部から樹脂がは
み出し、循環系に入って機器の故障を生じさせるという
問題点がある。
以上の如く、制振金属板をボルト等の締結部材により締
付けて機器等を組立た後の締付力の低下は、機器がオイ
ルパン等のエンジンまわりの部品である場合に、エンジ
ン油洩れ等の発生に繋がるので、極めて重要かつ深刻な
問題点であり、その解決が強く望まれる。尚、この場
合、同時に、制振性能に優れている方が好ましいが、制
振性能の大幅低下を招かなければよく、制振性能が多少
低下したとしても、制振性能の大幅低下を招くことな
く、締付力の低下を極力軽減することが重要であると考
えられる。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、この様な事情に着目してなされたものであっ
て、その目的は、前記の如き従来の制振鋼板をボルト等
の締結部材により締付けて組み立てられる機器の中、機
器の自動車のオイルパン、タイミングベルトカバー、ダ
ッシュパネル等の自動車エンジンのまわりの部品、小型
発電機や芝刈機等の汎用エンジンのカバー等の汎用エン
ジンまわりの部品(以降、これらをエンジン部品とい
う)である場合についての問題点を解消し、制振鋼板を
締結部材により組み立てたエンジン部品であって、制振
性能を劣化させることなく(制振性能の大幅低下を招く
ことなく)、比較的広範囲の温度域において締付力低下
が生じ難い(耐圧縮性に優れた)エンジン部品を提供し
ようとするものである。
(課題を解決するための手段) 上記の課題を達成するために、本発明に係るエンジン部
品は次のような構成としている。
即ち、請求項1に記載のエンジン部品は、無機質のフィ
ラーを均一分散して含む粘弾性高分子樹脂が2枚の鋼板
間にラミネートされてなる制振鋼板を締結部材により組
み立てたエンジン部品であって、前記制振鋼板のフィラ
ーの強度が25〜250Kg f/mm2、ラミネート前のフィラー
径とラミネート後の樹脂厚みとの比が1.2〜2.5、前記樹
脂中のフィラーの量が1〜5容量%であると共に、締結
部材による締付後の締付力の低下率が10%以下であるこ
とを特徴とするエンジン部品である。
請求項2に記載のエンジン部品は、前記フィラーの強
度、径および量が更に下記式および式を充たすこと
を特徴とする請求項1に記載のエンジン部品である。
15≦(d/t−1)×σf≦60 … 50≦σf×C≦250 ……… 但し、上記式および式において、dはラミネート前
のフィラー径(mm),tはラミネート後の樹脂厚み(m
m),σfはフィラー強度(Kg f/mm2),Cは樹脂中のフ
ィラー量(容量%)を示すものである。
(作 用) 前記の如き制振金属板(制振鋼板等)の締付力低下の原
因について詳細に調査した結果、鋼板等の金属板の間に
ラミネートされた粘弾性高分子樹脂のクリープにより締
付力低下が生じ、該樹脂のクリープ強度を高める事によ
り締付力低下の度合を小さくし得ることが判った。しか
し、高温では樹脂が軟化し、クリープ強度が極めて低く
なるだけでなく、制振性能劣下をも来すので、上記樹脂
のクリープ強度による方策には限界があり、広範囲の温
度域において問題点を解決するには到り得ない。
本発明は上記締付力低下の原因究明の結果に基づき、上
記樹脂のクリープ強度向上とは別の観点から研究して完
成されたものであり、制振鋼板全体のクリープ強度を向
上し得、それにより制振性能の劣化(大幅低下)を招く
ことなく、広範囲の温度域において締付力低下を生じ難
くし得るものである。
即ち、本発明に係るエンジン部品は、以上説明したよう
に、無機質のフィラーを均一分散して含む粘弾性高分子
樹脂が2枚の鋼板間のラミネートされてなる制振鋼板を
締付部材により組み立てたエンジン部品であって、上記
制振鋼板のフィラーの強度を25〜250Kg f/mm2、ラミネ
ート前のフィラー径(d)とラミネート後の樹脂厚み
(t)との比(以降、d/tという)を1.2〜2.5、前記樹
脂中のフィラーの量を1〜5容量%としており、又、締
結部材による締付後の締付力の低下率を10%以下にして
いる。
上記d/tは1より大きいので、前記制振鋼板における前
記樹脂とフィラーからなるラミネート層中のフィラーの
径は該ラミネート層の厚みと同等になり得る。又、上記
フィラーの強度は前記樹脂の強度に比して極めて高い。
故に、上記フィラーは、ボルト等で締付けられた場合の
如く制振鋼板の圧縮方向の変形に対し強い抵抗力を発揮
し得、ラミネート層の耐圧縮性を高める。換言すると制
振鋼板全体のクリープ強度を向上し得る。このとき、前
述の如く制振性能の劣化(大幅低下)を招くことなく、
締付力低下が生じ難くし得、耐圧縮性を向上し得る。
従って、本発明に係るエンジン部品は、その制振鋼板の
制振性能の劣化(大幅低下)を招くことなく、締付力低
下が生じ難くなり、締結部材による締付後の締付力の低
下率を10%以下にし得る。さらに上記フィラーは無機質
であり、高温でも比較的高い強度を有するもの、例えば
金属を使用すると、広範囲の温度域において締付力低下
を生じ難くし得るようになる。
前記フィラー強度を25〜250Kg f/mm2としているのは、2
5 Kg f/mm2未満では樹脂強度との差が小さくなり、前記
クリープ強度や耐圧縮性の改善効果が充分でなくなり、
250Kg f/mm2超ではラミネート施工する際にフィラーが
変形し難くなり、ラミネート出来なくなるからである。
尚、かかるフィラー強度を有するフィラーとしては、例
えば、後述の実施例からも判る如く鉄粉、合金鉄粉、ス
テンレス鋼粉、軟質フラックス粉(この順にフィラー強
度は32、45、56、121Kg f/mm2)等がある。ここで、フ
ィラー強度が高い場合は制振性能が低下する可能性があ
るが、上記フィラー強度:25〜250Kg f/mm2の範囲内にお
いては、制振性能の劣化(大幅低下)を招くことはな
く、エンジン部品として充分な制振性能を有し得る。
前記d/tを1.2〜2.5としているのは、1.2未満では耐圧縮
性改善効果が不充分になり、2.5超ではラミネート出来
なくなるからである。
前記樹脂中のフィラー量を1〜5容量%としているの
は、1%未満では耐圧縮性改善効果が不充分になり、5
%超ではラミネート層と鋼板との接着強度が低下して不
充分になり、又、制振性能の低下が大きくて制振性能が
不充分になるからである。
又、前記締付力の低下率を10%以下としているのは、10
%超では前述のエンジン油洩れや、締付部でのガタの発
生という不具合が生じるようになるからである。
前記フィラーの強度、径および量に関して更に詳細な多
数の実験を行ったところ、前記フィラーの強度,径およ
び量の範囲内において、これらの強度,径および量を更
に第1図及び第2図に示すハッチング部(即ち、第1図
の領域A,第2図の領域B)の範囲に調整すると、より確
実にさらに高水準の耐圧縮性を有する(締付力低下が生
じ難い)エンジン部品となることが判った。上記領域A,
Bはいづれも前記フィラー強度,径,量の範囲内であっ
て、領域Aについては下記式を充たし、領域Bについ
ては下記式を充たす範囲である。従って、前記フィラ
ーの強度、径および量をさらに下記式および式を充
たす範囲にすることが望ましい。
15≦(d/t−1)×σf≦60 … 50≦σf×C≦250 ……… 但し、上記および式においてdはラミネート前のフ
ィラー径(mm),tはラミネート後の樹脂厚み(mm),σ
fはフィラー強度(Kg f/mm2),Cは樹脂中のフィラー量
(容量%)を示すものである。尚、上記式中のd/t−
1は、ラミネート前後でのフィラーの偏平率に相当す
る。
本発明において、前記フィラーとしては金属系だけでな
く、非金属系のものも使用できる。形状は粒状又はファ
イバ状のものが望ましい。
前記粘弾性高分子樹脂としては、制振鋼板用に一般的に
用いられる樹脂を使用できる。
前記ラミネート層の厚みは、10〜200μmがよく、好ま
しくは30〜100μmがよい。10μm未満では制振性能が
急激に減少し、200μm超ではエンジン部品製造の際の
制振鋼板のプレス加工等の成形性が悪くなる。
本発明は、エンジン部品の性振鋼板として3枚以上の鋼
板と樹脂層とからなるものも適用し得るものである。
(実施例) 実施例1 鉄紛,ステンレス鋼紛またはフラックス紛(フィラ
ー):2.0容量%を均一分散して含むポリオレフィン系樹
脂を、板厚:0.8mmのアルミキルド鋼板2枚の間にラミネ
ートしてラミネート層厚:50μmの制振鋼板を多数得
た。尚、フィラー強度は鉄紛で32,ステンレス鋼紛で56,
フラックス紛で210Kg f/mm2である。各フィラーの粒径
は、45,53,63,75,96,115及び140μmの7段階に変化さ
せた。
上記制振鋼板が締結部材により組み立てらてエンジン部
品となった場合の特性を調べるため、上記制振鋼板につ
いて下記の如き試験を行った。
即ち、上記制振鋼板を50mm角に切断し、該切断材の中央
部に6.5mmФの孔を開け、常温で第3図に示す如くM6ボ
ルトにより350Kg fの軸力で締付け、次いで前記樹脂が
最高の制振性能を発揮する温度の80℃の24Hr保持した
後、締結部材(本実施例ではボルトナット)による締付
後の締付力の低下率を求めるため、軸力を測定し、その
低下率(%)を求めた。又、ラミネート層と鋼板との接
着強度を測定し、フィラーを含まない場合の接着強度に
対する該測定値の百分率、即ち接着強度(%)を求め
た。尚、第3図において、(1)はボルト、(2)
(5)(6)はワッシャ、(3)は制振鋼板、(4)は
ブロック、(7)はナット、(8)は軸力測定のための
歪みゲージを示すものである。該歪みゲージ(8)には
デジタル静歪計(9)が接続されている。
前記d/tと上記軸力低下率(%)との関係を第4図に、
前記d/tと上記接着強度(%)との関係を第5図に示
す。尚、第4〜5図においてフィラーが鉄粉の場合を○
印で、ステンレス鋼粉の場合を×印で、フラックス粉の
場合を△印で示している。第4図から判る如く、d/tが
小さくなると軸力低下率が大きくなり、1.2〜2.5未満に
なると該低下率は10%程度になる。
第5図から判る如く接着強度(%)はd/tが大きくなる
と低下し、フィラー鉄粉の場合ではd/tが2.5超になると
接着強度は95%以下になる。
実施例2 合金鉄粉,または軟質フラックス粉(フィラー)を含む
ポリオレフィン系樹脂を、板厚:0.8mmのアルミキルド鋼
板2枚の間にラミネートしてラミネート層厚:50μmの
制振鋼板を多数得た。尚、フィラー強度は合金鉄粉で4
5,軟質フラックス粉で121Kg f/mm2である。各フィラー
の量は1,2,3,4,5,6容量%の6段階に変化させた。d/tは
いづれの場合も1.4にした。
上記制振鋼板について実施例1と同様の試験を行った。
フィラー量と軸力低下率との関係を第6図に、フィラー
量と接着強度(%)との関係を第7図に示す。尚、第6
〜7図においてフィラーが合金鉄粉の場合を●印で、軟
質フラックス粉の場合を▲印で示している。フィラー量
が1容量%未満になると軸力低下率が急激に大きくな
る。フィラー量が多くなると接着強度は低下し、合金鉄
粉の場合では5容量%超になると接着強度は95%以下に
なる。
(発明の効果) 本発明に係るエンジン部品によれば、その制振鋼板の制
振性能の大幅低下を招くことなく、比較的広範囲の温度
域において締付力低下が生じ難くなり、又、締付け後の
制振鋼板端部からの樹脂のはみ出しも生じ難くなる。従
って、比較的高温で使用されるエンジン部品における制
振鋼板の締付力低下や樹脂はみ出し等の問題点を解決し
得るようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は,制振鋼板の耐圧縮性がより高水準
となるフィラーの強度,径および量の範囲(領域A,領域
B)を示す図である。尚、第1図においてdはラミネー
ト前のフィラー径,tはラミネート後の樹脂厚みを示すも
のである。 第3図は,実施例1〜2に係る制振鋼板のボルトによる
締付け試験の状態を示す側面図、第4図は,実施例1に
係るラミネート前のフィラー径とラミネート後の樹脂厚
みとの比(d/t)と軸力低下率(%)との関係を示す
図、第5図は,実施例1に係る上記(d/t)と接着強度
(%)との関係を示す図、第6図は,実施例2に係るフ
ィラー量と軸力低下率との関係を示す図、第7図は,実
施例2に係るフィラー量と接着強度(%)との関係を示
す図である。尚、第5図及び第7図における前記接着強
度(%)は、フィラー非含有の制振鋼板の接着強度に対
するフィラー含有制振鋼板の接着強度の百分率である。
第4〜7図において各印は使用したフィラーの種類を区
別するものであり、○印は鉄粉,×印はステンレス鋼
粉,△印はフラックス粉,●印は合金鉄粉,▲印は軟質
フラックス粉の場合を示すものである。 (1)……ボルト、(2)(5)(6)……ワッシャ (3)……制振鋼板、(4)……ブロック (7)……ナット、(8)……歪みゲージ (9)……デジタル静歪計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郡田 和彦 兵庫県神戸市須磨区友が丘4―1―37 (56)参考文献 特開 昭63−170031(JP,A) 特開 平1−171937(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機質のフィラーを均一分散して含む粘弾
    性高分子樹脂が2枚の鋼板間にラミネートされてなる制
    振鋼板を締結部材により組み立てたエンジン部品であっ
    て、前記制振鋼板のフィラーの強度が25〜250Kg f/m
    m2、ラミネート前のフィラー径とラミネート後の樹脂厚
    みとの比が1.2〜2.5、前記樹脂中のフィラーの量が1〜
    5容量%であると共に、締結部材による締付後の締付力
    の低下率が10%以下であることを特徴とするエンジン部
    品。
  2. 【請求項2】前記フィラーの強度、径および量が更に下
    記式および式を充たすことを特徴とする第1請求項
    に記載のエンジン部品。 15≦(d/t−1)×σf≦60 … 50≦σf×C≦250 ……… 但し、上記式および式において、dはラミネート前
    のフィラー径(mm),tはラミネート後の樹脂厚み(m
    m),σfはフィラー強度(kg f/mm2),Cは樹脂中のフ
    ィラー量(容量%)を示すものである。
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