JPH0699175B2 - プラスチック粉末を含むセメント系硬化体とその製造方法 - Google Patents

プラスチック粉末を含むセメント系硬化体とその製造方法

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JPH0699175B2
JPH0699175B2 JP23259190A JP23259190A JPH0699175B2 JP H0699175 B2 JPH0699175 B2 JP H0699175B2 JP 23259190 A JP23259190 A JP 23259190A JP 23259190 A JP23259190 A JP 23259190A JP H0699175 B2 JPH0699175 B2 JP H0699175B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、骨材あるいは混和材料の一部として微粉末状
乃至粒子状の熱硬化性プラスチック粉末からなる有機高
分子物質を利用し、セメントペースト,モルタル材ある
いはコンクリート材中に混入させて成形したセメント系
硬化体に関するものである。
なお、本出願において熱硬化性プラスチックとは既に成
形・固化された熱硬化性樹脂の成形品を指し、またセメ
ント系硬化体とは、板,ブロック等のセメント製品だけ
でなく建築や土木の構造物などに利用されるセメントを
硬化させて製造したあらゆる物品を指すものである。
従来の技術 セメントペースト,モルタルあるいはコンクリートから
作られるセメント系製品は、機械的強度を保持しなけれ
ばならないのは勿論のこと、それと共に寒冷地では製品
中に含まれる水分の凍結融解に対しても、高い抵抗力を
示すことが必要である。特に一日の気温差が大きい地域
においては、吸収されている水分の凍結融解の繰り返し
でセメント製品か破壊され、使用不能になることが極め
て多い。この凍結融解現象は製品中に含有された水分が
凍結されて膨張することによって引き起こされる。
ところで、広く一般に使用されている各種軽量ブロッ
ク,重量ブロック,軽量気泡コンクリート(ALC)など
の機械的特性を向上させるための手段としては、種々の
方法がとられている。それらは骨材の種類,品質,水/
セメント比,砂/セメント比などの配合の調節,作り
方,養生方法などによって行なわれている。
本発明が特に効果を発揮する軽量モルタルや軽量コンク
リートは、一般に塀,敷石,床材,壁材,天井材として
広く使用されている。これらの軽量モルタルやコンクリ
ートは、粗骨材として火山噴出物である軽石が用いら
れ、それに細骨材である砂を混合してセメントで凝結さ
せたもので、軽石と砂との混合割合を種々変化させるこ
とにより、密度と強度の異なるものを作っている。例え
ば、A種軽量ブロックでは軽石のみを使い、その単位体
積重量は1.4ton/m3以下で圧縮強度は40kgf/cm2以上であ
る。B種軽量ブロックは軽石と砂から作られ単位体積重
量は1.4ton/m3以上で圧縮強度40〜80kgf/cm2,C種軽量ブ
ロックは、砂を骨材として密度を高くしたものである。
その他に、軽石を利用しない各種の重量ブロックも存在
する。
軽量建材の一つに軽量気泡コンクリート(ALC)があ
る。これはセメントモルタル中に、金属アルミニウム粉
末を分散させ、加熱して発泡させたり、あるいは界面活
性剤で発泡させるなどして全体を軽量化したものであ
る。ALC自体の特性は、単位体積重量0.5ton/m3と小さ
い。しかし、曲げ強度は10kgf/cm2程度、圧縮強度は30k
gf/cm2程度にしか過ぎないので、材料中に鉄製の金網あ
るいは鋼材などを入れて補強している。一方、ALCは、
材料内に独立気泡及び連続気泡が多数あるから、吸水率
が高くなるのは避けられないし、これが凍結した場合に
前記特性を低下させることになる。
このように、凍結融解に対する性能を向上させるために
は、ALCやブロック材に撥水性を与えることが効果的で
あるので、高価なシリコン樹脂を塗布したり、あるいは
含浸させたりすることが一部で行なわれている。
発明が解決しようとする課題 本発明は、前述のような事実を踏まえ、軽量でしかも凍
結融解に対して強い抵抗性を示すと共に従来にない大き
な曲げ強度,圧縮強度を持ち、変形,収縮,亀裂等の欠
陥が極めて少ないセメント系硬化体を提供しようとする
ものである。
更に、本発明は産業廃棄物となった熱硬化性プラスチッ
ク、特にガラス繊維強化熱硬化性プラスチック(GFRP)
を、本出願の発明者らが開発した微粉砕装置によって粉
末化して利用することができるので、資源の再利用に役
立ち、環境保護や公害対策の面でも多いに貢献しようと
するものである。
課題を解決するための手段 前記課題を解決するための本出願のセメント系硬化体と
その製造方法について説明する。
先ず、本出願のセメント系硬化体は、微粉末状乃至粒子
状の熱硬化性プラスチック粉末を、全量の10〜50wt%含
むセメント系硬化体において、少なくとも該硬化体中の
熱硬化性プラスチック粉末が該プラスチックの熱変形温
度以上の熱処理により、セメント凝結物または骨材の表
面に接着・固化した状態にあることを特徴とするもので
ある。また、本出願のプラスチック粉末を含むセメント
系硬化体の製造方法は、全量の10〜50wt%の微粉末状乃
至粒子状の熱硬化性プラスチック粉末を、セメントペー
スト,モルタル材あるいはコンクリート材中に分散さ
せ、それを所定形状に成形・養生させた後に、少なくと
も該成形表面を前記熱硬化性プラスチックの熱変形温度
以上に加熱処理することを特徴とするものである。
本出願の発明の熱硬化性プラスチックは、不飽和ポリエ
ステル樹脂,エポキシ樹脂,フエノール樹脂などの熱硬
化性合成樹脂からなるプラスチックである。これらのプ
ラスチックの一度使用して廃棄物となったプラスチック
を粉砕したものでも適用が可能である。更に上記熱硬化
性プラスチックをガラス繊維,炭素繊維,ケブラー繊維
など各種繊維で補強した繊維強化熱硬化性プラスチック
(FRP)でもかまわない。
セメント系硬化体中に含有させるプラスチックの形状
は、微粉末状乃至粒子状てその大きさは、粒径10μm〜
10mm,望ましくは50μm〜500μmである。また、熱硬化
性プラスチック粉末の量は製造されるセメント系硬化体
の強度の面から、全量の10〜50wt%か好ましい。
一方、加熱温度は100℃から350℃、望ましくは130℃〜2
50℃である。従って使用する熱硬化性プラスチックは、
これらの温度で熱変形するものであれば、使用可能であ
る。
また、加熱手段としては、乾燥機中で3時間程度充分に
加熱して成形硬化体の中心部のプラスチック粉末まで完
全に熱変形することが好ましいが、硬化体の用途に応じ
て、例えば単に成形硬化体の表面をバーナー等で加熱し
て少なくとも表面に存材するプラスチック粉末を熱変形
させるのみでもよいものである。
作用 セメント系硬化体中に単に熱硬化性プラスチック粉末を
均一に分散させることによっても、ブロック等の硬化体
の内部に分散した熱硬化性プラスチック粉末が水に対し
て撥水性を示すことから、材料の吸水率を低下させ、凍
結融解に対してもある程度の性能を持たせることができ
る。しかし、その程度は余り高くない。それに対して、
本出願の発明は、更にその熱硬化性プラスチック粉末が
熱変形する温度以上に硬化体に熱処理を加えるので、セ
メント系硬化体の材料内に均一に分布している熱硬化性
プラスチック粉末は熱変形し、あるいは一部分解、流動
化することによって形状変化が生じ、その結果として、
プラスチックが骨材あるいはセメント凝結物の表面に接
着・固化することになる。
即ちフロック等の硬化体中に存在する細孔構造の表面上
に撥水性の皮膜を形成すると共に、骨材と骨材,あるい
は骨材とセメント凝結物,あるいはセメント凝結物どう
しの接触点を被覆することによって、一種の接着剤とし
ても作用することになる。その結果として、硬化全体に
撥水処理と接着剤塗布処理を同時に行なったようにな
り、材料全体の強度を向上させると共に吸水率を低下さ
せ耐凍結融解性の向上に結びつくことになる。
本出願の発明の硬化体は、このように骨材として全量の
10〜50wt%のプラスチック粉末を含むものであるので、
少なくとも硬化体の表面に対して熱硬化性プラスチック
粉末の熱変形温度以上に加熱処理すると、加熱された部
分のプラスチックが熱変形乃至は融解して各骨材あるい
はセメント凝結物の表面を被覆することになり、その部
分の撥水処理が達成される。それによって吸水率が低く
なると共に、加熱された部分では各結合点が接着され、
ブロック材等の硬化体の強度の向上もはかられる。
実施例 本出願の発明を実施例に基いて具体的に説明する。本実
施例はモルタル材であって、細骨材として砂と共に用い
る熱硬化性プラスチック粉末としては、本出願の発明者
らが開発した粉砕装置を利用して産業廃棄物であるFRP
の廃材から作られた粉末を用いた。
次にその詳細を説明すると、モルタルには普通ポルトラ
ンドセメントと豊浦標準砂を用い、骨材−セメント比を
2.0,水−セメント比を0.65とした。その砂の一部をFRP
粉末(ガラス繊維/不飽和ポリエステル樹脂,平均粒径
44μm)で置換えた。その量は骨材量の10%,20%,お
よび30%とした。セメント,砂,FRP粉末の三者を充分に
混合したものに水を加え、モルタルミキサーで混合し
た。なお、FRP置換量が30%の場合には流動性がなくな
るので、高性能減水剤(花王マイテイ‐FD)をセメント
重量の3%を添加した。
フロー値を測定後、型枠(4cm×4cm×16cm)に入れ、締
め固めを行った。これを空中養生の後脱型し、水中で養
生して供試体を作った。供試体は、材令28日に水中から
取り出し、気乾した後の重量および密度を求めると共
に、曲げ強度および圧縮強度を測定した。更に、気乾し
た後に、各供試体を200℃に加熱した乾燥機中に入れ3
時間熱処理した。室温にまで冷却した後に、供試体の重
量を測定し、曲げ強度および圧縮強度を測定し、得られ
た結果を表1に示す。
表中には、加熱処理前後の強度から算出した強度の増加
倍率を求め記した。供試体を200℃に加熱することによ
って、各供試体とも11%程度重量が減少した。200℃に
加熱した後の供試体には、変形,収縮,膨張,亀裂,着
色等は見られなかった。曲げ強度および圧縮強度は、供
試体を、200℃に加熱することで、いずれの場合も高く
なった。その増加倍率はFRP粉末を入れないモルタル自
体よりも大きく、FRP粉末の含有率が多くなる程増加し
た。
なお、本出願の発明のセメント系硬化体に対して更にシ
リコン樹脂を塗布したり、あるいはフッ素化合物処理な
どを行っても構わない。
発明の効果 本出願の発明によれば、微粉末状乃至粒子状の熱硬化性
プラスチック粉末を、セメントペースト,モルタル材あ
るいはコンクリート材の中に混合させ、前記プラスチッ
クの熱変形温度以上に加熱することにより、従来にない
曲げ強度,圧縮強度の増強が得られ、しかも変形,収
縮,膨張,亀裂等の欠陥がなく、軽量で、しかも凍結融
解性に強い優れたセメント系硬化体を提供することがで
きる また、本出願の発明は、熱硬化性プラスチック粉末とし
て、廃棄されたFRPなどの熱硬化性プラスチックの廃材
を利用することができるので、先細りが問題になってい
る軽石や砂などの骨材資源の枯渇を防ぎ、地球資源の確
保,地球環境の保全の面からも社会的に大いに貢献する
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微粉末状乃至粒子状の熱硬化性プラスチッ
    ク粉末を全量の10〜50wt%含むセメント系硬化体におい
    て、少なくとも該硬化体の表面の熱硬化性プラスチック
    粉末が該プラスチックの熱変形温度以上の熱処理によ
    り、セメント凝結物または骨材の表面に接着・固化した
    状態にあることを特徴とするプラスチック粉末を含むセ
    メント系硬化体
  2. 【請求項2】全量の10〜50wt%の微粉末状乃至粒子状の
    熱硬化性プラスチック粉末をセメントペースト,モルタ
    ル材あるいはコンクリート材中に混入させ、それを所定
    形状に成形・養生した後に、少なくとも該成形表面を前
    記プラスチックの熱変形温度以上に、加熱処理すること
    を特徴とするプラスチック粉末を含むセメント系硬化体
    の製造方法
JP23259190A 1990-09-04 1990-09-04 プラスチック粉末を含むセメント系硬化体とその製造方法 Expired - Lifetime JPH0699175B2 (ja)

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