JPH0699478B2 - プロタミン塩類の採取方法 - Google Patents

プロタミン塩類の採取方法

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JPH0699478B2
JPH0699478B2 JP61029748A JP2974886A JPH0699478B2 JP H0699478 B2 JPH0699478 B2 JP H0699478B2 JP 61029748 A JP61029748 A JP 61029748A JP 2974886 A JP2974886 A JP 2974886A JP H0699478 B2 JPH0699478 B2 JP H0699478B2
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隆三 上野
龍男 金山
博 小堺
克彦 乾
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株式会社上野製薬応用研究所
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、魚の白子からプロタミン塩類を採取する方法
に関する。
従来技術 プロタミンは分子量(約4000〜約10000)の比較的小さ
い塩基性蛋白質であり、ニシン、サケ、マスなどの魚の
精子中に核酸(DNA)と結合した核蛋白として存在す
る。
プロタミン塩類、特にその硫酸塩は、ヘパリンの血液凝
固を阻止する作用や、インシュリンの薬効を持続させる
働き、酵素を安定化する働きあるいは抗生物質を安定化
する働き等が知られており、それらの性質を利用して各
種医薬品等に使用されている。
従来、魚の白子からプロタミン塩類を得る方法として
は、白子を硫酸等の希鉱酸の水溶液で処理し、プロタミ
ンおよびその他の蛋白(以下、他の蛋白を「夾雑蛋白」
という)を抽出し(以下、以上の過程を「抽出工程」と
いい、該工程で得られた溶液を「抽出液」という)、次
いで該抽出液にメタノール等のアルコールを添加して硫
酸プロタミンおよびその他の夾雑蛋白を沈澱させ、次に
その沈澱物を分離、乾燥し、さらに得られた固体を温水
により抽出し、該温水を冷却してプロタミン塩類を析出
させて、その析出物を溶液から分離し(以下、以上の過
程を「分離工程」という)、さらに分離した固体を精製
(以下、この工程を「精製工程」と云う)する方法が知
られている。
従来の分離工程においては、抽出液にアルコールを添加
して沈澱させたプロタミン塩類(以下、代表的な硫酸プ
ロタミンについて説明する)はそれを一旦取り出してア
ルコールを留去し乾燥させねばならないため、操作が繁
雑でありかつ作業の流れが非常に悪い。
また沈澱の際、硫酸プロタミンのみならず、夾雑蛋白も
一緒に沈澱してくるためにさらに硫酸プロタミンと夾雑
蛋白を分離しなければならない。硫酸プロタミンは、前
記の沈澱物を温水により抽出し該溶液を冷却し析出させ
ることにより夾雑蛋白から分離されるが、その時同時に
夾雑蛋白も程度の差はあれ同じ様に温水に抽出されそれ
が冷却されると析出してくるため、得られた硫酸プロタ
ミンは必然的に夾雑蛋白が混入した純度の悪いものとな
る。実用に耐ええる程度の純度を有する硫酸プロタミン
を得るにはさらに精製工程が必要である。硫酸プロタミ
ンは、冷却される温度においてもある程度の溶解度があ
るために希鉱酸で抽出された硫酸プロタミンをすべて回
収することはできず収量が悪くなるという問題点もあ
る。
さらに従来方法において収量を上げるためには、該沈澱
物の温水による抽出を繰り返さなければならないため、
操作が繁雑であるという問題点も存在する。
硫酸プロタミンを分離する別の方法としては、たとえば
特公昭59-31519号公報、特公昭59-31518号公報、特開昭
55-2603号公報、特開昭55-2612号公報あるいは特開昭55
-2634号公報等に一連に記載されている。
これらに開示された分離工程は、抽出液に縮合リン酸塩
を加えて難溶性のプロタミンリン酸塩として沈澱させ、
この沈澱物を高濃度の硫酸アンモニウム溶液で複分解し
て硫酸プロタミンを分離する方法である。
しかしこの方法はプロタミンリン酸塩として一旦取り出
さなければならいため、作業の流れが悪く、工程が繁雑
になるという欠点がある。
縮合リン酸塩を使用して抽出液から蛋白質を沈澱させる
と、プロタミンのみならず他の多量の夾雑蛋白も一緒に
沈澱してくる。そのためにそれを複分解して得た硫酸プ
ロタミンはどうしても夾雑蛋白を含有し純度が非常に悪
いものとなる。そのために実用に供する程度の純度を有
した硫酸プロタミンを得るには、分離工程の後に必ず精
製工程を必要とした。精製工程は分離された硫酸プロタ
ミンの酸性希薄水溶液を吸着剤で処理した後、有機溶剤
で分別沈澱される繁雑なものである。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは硫酸プロタミンをより簡便にしかも効率よ
く得る方法を鋭意検討した結果、硫酸水溶液における硫
酸プロタミンの溶解度は、水溶液の温度の著しく依存す
るのに対し、夾雑蛋白の溶解度は温度に対する依存性の
ないことを知見した。この新たな知見を利用することに
より前記のような問題点をすべて解消し、純度の高い硫
酸プロタミンを簡便にしかも効率良く得ることのできる
方法を完成するに至った。
問題点を解決するための手段 すなわち本発明は、プロタミンを含有する魚の白子を鉱
酸で抽出し、該抽出液を0〜10℃に冷却することによ
り、プロタミン鉱酸塩を析出採取することを特徴とする
プロタミン塩類の採取方法に関する。
本発明に使用しうる魚の白子は、プロタミンを含有する
魚の白子、たとえばニシン、サケ、マスあるいはサバ等
の白子であればよく特に限定されるものではない。
白子は希鉱酸により処理する。処理は一般に摩砕した白
子、あるいは摩砕していない白子を希鉱酸、たとえば、
硫酸等の水溶液に浸漬することにより行えばよく、この
方法自体、公知の抽出方法を採用すればよい。
希鉱酸としては硫酸水溶液が望ましい。
希鉱酸の濃度は3〜20%、特に6〜18%が適当であり、
処理温度は30℃以下、特に20〜30℃が好ましい。処理時
間は3時間以内で充分である。
希鉱酸の白子に対する割合は1〜5倍量を使用する。
得られたプロタミン抽出液は夾雑蛋白を多量に含んでい
るため、この抽出液を冷却することにより、プロタミン
鉱酸塩のみを析出沈澱させる。
抽出液の処理温度は0〜10℃である。10℃を越えるとプ
ロタミン鉱酸塩の析出が不十分である。処理時間は特に
限定されない。
沈澱したプロタミン塩類は遠心分離等により、抽出液か
ら分離することにより透明油状の物質として得られ、そ
れを凍結乾燥することにより白色の粉末として得られ
る。
以上のようにして得られたプロタミン塩類は、さらに精
製しなくても充分実用に供することのできる程度の純度
を有している。
本発明の分離方法における作用を以下に述べる。第1図
および第2図に硫酸水溶液1リットルに対して、水溶液
の温度変化にともなう硫酸プロタミンおよび夾雑蛋白の
溶解度(重量%)曲線を示した。第1図は5%硫酸水溶
液を、第2図は10%硫酸水溶液を使用した時の溶解度曲
線である。図中(1)は硫酸プロタミンの溶解度曲線
を、(2)は夾雑蛋白の溶解度曲線を示す。
抽出溶液は通常硫酸プロタミンを0.5〜7重量%含むも
のである。
本発明における分離工程は、第1図および第2図からわ
かるように10℃以下の5%あるいは10%硫酸水溶液中で
は硫酸プロタミンは、その溶解度が著しく低減し析出沈
澱するが、夾雑蛋白は完全に溶解していることをを利用
したものである。
実施例1 冷凍した鮭の白子を解凍、水洗い、水切りを行い摩砕し
た。
摩砕した鮭の白子1kgを10%(1N)硫酸1000mlに添加
し、室温20℃で1時間攪拌した。攪拌後、残渣を遠心分
離により取り除き硫酸プロタミン抽出液1530mlを得た。
該抽出液を2℃に冷却、16時間放置し硫酸プロタミンを
析出させた。
析出した硫酸プロタミンの上澄み液を傾瀉して取り除
き、透明油状の硫酸プロタミンを得た。これを水に溶解
し、水酸化ナトリウム(1N)で中和後、凍結乾燥し、白
色の硫酸プロタミン71.5gを得た(収率7.15%)。
実施例2 実施例1で得た硫酸プロタミンを試料とし、その純度を
測定した。
純度はクロマトグラフィー、吸光分析、硫酸プロタミン
を水に溶かした時の溶液の状態および抗菌活性により検
討した。
クロマトグラフィーは高速液体クロマトグラフィーを使
用した。試料の純度は和光純薬工業製硫酸プロタミン
(鮭製)を標品とし、その純度を1.00として比較したHP
LC純度として示した。またHPLC純度と試料の収率を掛け
たものを標品換算収率として示した。ここで標品換算収
率とは白子100gから得られる硫酸プロタミンの量を標品
程度の純度を有した硫酸プロタミン量に換算した場合の
収率を言い、硫酸プロタミンの分離効率比較の尺度と考
えて良い。それらの結果を表1中に示した。
抗菌活性は和光純薬工業製硫酸プロタミン(鮭製)を標
品に使用し、ペーパーディスク法において枯草菌(B.su
btilis IAM 1069株)に対する抗菌活性を1.00として比
較し抗菌力比活性として示した。また抗菌力比活性と試
料の収率を掛けたものを標品換算活性収率として示し
た。標品換算活性収率とは白子100gから得られる硫酸プ
ロタミンの量に対して同等の抗菌力を示すために必要と
する標品の量に換算した場合の収率を言い硫酸プロタミ
ンの分離効率比較の尺度と考えて良い。それらの結果を
表1中に示した。
吸光分析は夾雑蛋白に起因する。288nmでの吸光度を測
定した。測定は試料の濃度0.1重量%の水溶液を温度20
℃で行なった。その結果を表2中に示した。純粋な硫酸
プロタミンは220nm以上の光に対しては吸収がない。表
2からわかるように本発明に従い得られた硫酸プロタミ
ンは夾雑蛋白の量が非常に少ないことがわかる。
溶液状態の目視観察は、試料の2%水溶液(20℃)で行
なった。本発明に従い得られた硫酸プロタミンは、完全
に溶解し、不溶物の存在が認められなかった(第2参
照)。
実施例3 冷凍した鮭の白子を解凍、水洗い、水切りを行い摩砕し
た。
摩砕した鮭の白子500gを10%硫酸500mlに添加し、室温2
0℃1時間撹拌した。撹拌後、残渣を遠心分離により取
り除き硫酸プロタミン抽出液740mlを得た。
該抽出液を100mlずつ3試料に分け、それぞれ2℃、5
℃、10℃に冷却し、16時間放置後、それぞれ硫酸プロタ
ミンの沈澱を得た。
実施例4 冷凍した鮭の白子を解凍、水洗い、水切りを行い摩砕し
た。
摩砕した鮭の白子500gを18%硫酸500mlに添加し、室温2
6℃1時間撹拌した。撹拌後、残渣を遠心分離により取
り除き硫酸プロタミン抽出液750mlを得た。
該抽出液を100mlずつ3試料に分け、それぞれ2℃、5
℃、10℃に冷却し、16時間放置後、それぞれ硫酸プロタ
ミンの沈澱を得た。
実施例5 実施例3および実施例4で得た抽出液および硫酸プロタ
ミン沈澱後の上澄み液を試料とし、吸光分析、クロマト
グラフィーにより、その性状を検討した。
吸光分析、夾雑蛋白に起因する280nmでの吸光度を測定
した。測定は試料の濃度0.1重量%の水溶液を温度20℃
で行なった。
その結果を表3中に示した。純粋な硫酸プロタミンは22
0nm以上の光に対しては吸収がない。表3からわかるよ
うに本発明に従い得られた硫酸プロタミンの沈澱には夾
雑蛋白がほとんど含まれないことがわかる。
硫酸プロタミン濃度を和光純薬工業製硫酸プロタミン
(鮭製)を標品として高速液体クロマトグラフィーによ
り定量した。
表3からわかるように本発明に従い得られた硫酸プロタ
ミン沈澱後の上澄み液には硫酸プロタミンがほとんど残
存しないことがわかる。
発明の効果 本発明によると、抽出液からのプロタミン塩類の分離が
きわめて容易であり、純度の高いプロタミン塩類を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は硫酸プロタミンの溶解度を示す図
である。 図中、(1)は硫酸プロタミンの溶解度曲線、(2)は
夾雑蛋白の溶解度曲線をそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭49−16880(JP,B1) 特公 昭59−31518(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロタミンを含有する魚の白子を鉱酸で抽
    出し、該抽出液を0〜10℃に冷却することによりプロタ
    ミン鉱酸塩を析出採取することを特徴とするプロタミン
    塩類の採取方法。
JP61029748A 1986-02-12 1986-02-12 プロタミン塩類の採取方法 Expired - Fee Related JPH0699478B2 (ja)

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JPS5931518A (ja) * 1982-08-17 1984-02-20 三菱電機株式会社 部品取付方法

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