JPH0699529B2 - シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合樹脂の製造方法 - Google Patents

シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合樹脂の製造方法

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JPH0699529B2
JPH0699529B2 JP60141969A JP14196985A JPH0699529B2 JP H0699529 B2 JPH0699529 B2 JP H0699529B2 JP 60141969 A JP60141969 A JP 60141969A JP 14196985 A JP14196985 A JP 14196985A JP H0699529 B2 JPH0699529 B2 JP H0699529B2
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貞男 伊熊
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    • C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08F212/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F212/02—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F212/04—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
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    • C08F212/08—Styrene
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物
共重合樹脂の製造方法に関するものである。さらに詳し
くは、本発明は、水を分散媒体とする懸濁重合法によ
り、シアン化ビニル化合物の含有率が高く、組成が均一
で、透明性、ガス遮断性および耐薬品性等の優れたシア
ン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合樹脂を、
工業的有利に製造する方法を提供するものである。
「従来の技術」 組成が均一なシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合
物共重合樹脂は、透明性、熱安定性ならびに機械的諸性
質が優れており、殊に、シアン化ビニル化合物を高度な
割合で含有するときは、前記の特性に加え、ガス遮断性
および耐薬品性において極めて優れた特性を有すること
から、組成が均一で、シアン化ビニル化合物含有率の高
いシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合樹
脂の、工業的に有利な製造方法の開発が期待されてき
た。
周知のように、生成する共重合樹脂の組成は、その反応
系におけるモノマー組成比とモノマー反応性比に依存
し、或るモノマー組成比の反応系より共重合反応を進行
させると、モノマー組成比がアゼオトロープ組成である
場合を除き、未反応モノマーの組成比とこれから生成す
る共重合樹脂の組成は、共重合反応の進行とともに変化
していく。シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物
共重合樹脂の一例であるアクリロニトリル/スチレン共
重合樹脂を懸濁重合法で製造する場合、初期仕込みのア
クリロニトリルとスチレンの組成比を、アクリロニトリ
ル24重量%(アゼオトロープ組成)以上、例えば96重量
%にすると、共重合反応初期においてはアクリロニトリ
ル含有率65重量%の共重合樹脂が得られる。しかし、モ
ノマー反応性比の関係から、共重合反応の進行ととも
に、未反応アクリロニトリルに対する未反応スチレンの
割合が次第に減少し、必然的に共重合反応の末期に生成
する共重合樹脂は、アクリロニトリル含有率が非常に高
いものとなってしまい、一連の共重合反応で得られる共
重合樹脂の組成分布は極めて広いものとなる。また組成
分布の広い共重合樹脂は、成分相互の相溶性が悪いた
め、透明性が劣ったものとなり、また成分の不均一性に
由来するその他の欠点もあらわれる。
以上のような背景から、組成が均一で品質的に優れた、
目的組成の共重合樹脂を製造するには、モノマー反応性
比に適合するモノマー化合物組成比で初期仕込みを行っ
て、共重合反応を開始させ、以後、共重合反応の進行に
伴って、消費速度の速いモノマー化合物を反応系に追加
供給することによって、共重合反応が終結するまで共重
合反応開始時のモノマー化合物組成比を維持することが
重要である。
懸濁重合法において、芳香族ビニル化合物を反応系へ追
加供給して、シアン化ビニル化合物含有率の比較的高い
シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合樹脂
を製造する方法がいくつか提案されている。
例えば、特公昭51−36315号公報には、共重合反応中の
反応熱を検出し、その熱量に応じてビニル芳香族化合物
を供給していく方法が記載されているが、この方法で
は、反応熱の測定誤差が大きく、組成が不均一な共重合
樹脂ができやすく、その上、芳香族ビニル化合物の供給
量が時々刻々変化するので、共重合反応の運転操作が極
めて煩雑になる等の欠点を有する。
また、米国特許明細書第4,088,811号には、アゾビスイ
ソブチロニトリル等の重合開始剤を用いて、芳香族ビニ
ル化合物を連続的に追加供給しながら比較的低温の70〜
90℃で共重合反応を行う方法が記載されているが、反応
熱に抗して反応系を70〜90℃に維持することが重合装置
によっては困難となり、特別な除熱方法を採用しなけれ
ばならず、また重合工程に続く残留モノマーストリッピ
ング工程では通常130〜150℃まで昇温するが、重合温度
が低いとストリッピング温度への昇温に長時間を要し、
すなわ、昇温待ち時間が長くなり生産効率が低下する等
の欠点を有する。
これらのほか、重合率ごとに段階的に反応温度を設定し
て共重合する方法(特公昭46−27808号公報)、塊状重
合と懸濁重合を組合せる方法(特公昭49−37836号公
報)、特定の重合開始剤を複数組合せて段階的に昇温す
る方法(特公昭50−33917号公報)等が提案されている
が、いづれも組成が均一で、シアン化ビニル化合物含有
率の高いシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共
重合樹脂を工業的有利に製造する方法として満足できる
ものとは言い難い。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明者は、組成が均一で、シアン化ビニル化合物を高
度な割合で含有するシアン化ビニル化合物/芳香族ビニ
ル化合物共重合樹脂の工業的製造方法について鋭意検討
を重ねた結果、モノマー反応性比に適合するモノマー化
合物組成比よりなる初期反応系より出発し、重合開始剤
の存在下、芳香族ビニル化合物を反応系に連続的に供給
しつつ、特定の昇温パターンで共重合反応を行わしめる
ことによって、前記従来技術の欠点を解消し、容易かつ
安定的に目的とする共重合樹脂が製造できることを見出
し、本発明を完成したものである。
「問題点を解決するための手段」 しかして本発明の要旨とするところは、シアン化ビニル
化合物の含有率が50〜85重量%の、実質的に組成が均一
なシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合樹
脂を、懸濁重合法によって製造するにあたり、シアン化
ビニル化合物の全量と芳香族ビニル化合物の一部量と
を、得られる共重合樹脂のシアン化ビニル化合物含有率
が50〜85重量%の範囲内であって目的とする含有率とな
る組成比で初期仕込みを行う第1工程、次いでその初期
仕込みの反応系を、次の(I)式、すなわち [(I)式において、tは重合開始剤を添加し、芳香族
ビニル化合物の連続供給を開始した時を起点とした共重
合反応開始後の経過時間(分)を、t0は芳香族ビニル化
合物を連続供給する時間より2分以上長い任意の時間
(分)を意味し、Tは使用する重合開始剤の分解半減期
(分)を意味する。] で示され、t=0として算出される重合開始剤の分解半
減期(T)に対応し、第1図に例示される分解半減期〜
温度線図より求められる対応温度(θ)まで昇温したの
ち、この反応系に重合開始剤を添加して共重合反応を開
始させる第2工程、共重合反応開始後の反応系に、直ち
に残部の芳香族ビニル化合物を連続的に供給しつつ、反
応系の温度を、前記の(I)式で示される重合開始剤の
分解半減期(T)に対応し、第1図に例示される分解半
減期〜温度線図より求められる対応温度(θ)に沿って
昇温しつつ共重合反応を行う第3工程よりなることを特
徴とするシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共
重合樹脂の製造方法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてシアン化ビニル化合物とは、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリルまたはこれらの混合物をい
い、また芳香族ビニル化合物とは、スチレン、α−メチ
ルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、ハロゲン化スチレンまたはこれらの混合物をいう。
本発明方法においては、これら2種類の原料モノマー化
合物のほか、得られる共重合樹脂の改質のため、第三成
分として、少量のアクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、マレイミド等のモノマーまたはポリブタジエ
ン、アクリロニトリル‐ブタジエン共重合物、ポリアク
リル酸エステル等のゴム成分、および、ジ−t−ブチル
パラクレゾール等の酸化防止剤、ステアリン酸ブチル等
の加工性改良剤を共重合反応開始前からまたは共重合反
応途中で反応系に添加することができる。
本発明方法では、得られる共重合樹脂のシアン化ビニル
化合物の含有率を50〜85重量%とする。これは重合樹脂
中のシアン化ビニル化合物の含有率が50重量%未満であ
ると、共重合樹脂のガス遮断性、耐薬品性が不充分で、
発明の目的が達成されないからである。シアン化ビニル
化合物の含有率が85重量%を超えると、共重合樹脂の成
形性、成形加工時の熱安定性が著しく劣ったものとな
り、実用的でない。
本発明方法では、まず、第1工程において、シアン化ビ
ニル化合物の全量と芳香族ビニル化合物の一部量とを、
得られる共重合樹脂のシアン化ビニル化合物含有率が50
〜85重量%の範囲内であって目的とする含有率となる組
成比で水性媒体中に初期仕込みを行うことが必要であ
る。
得られる共重合樹脂のシアン化ビニル化合物の含有率が
目的とする含有率となる比率、すなわち、初期仕込みの
モノマー化合物組成比は、Youngの表(“Polymer Hand
book",2nd Ed.,John Wiley,New York,1975)等に詳し
く記載されているモノマー反応性比、または共重合実験
を実施し、その結果に基づいて決定することができる。
例えば、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂の製造
において、アクリロニトリルの含有率が50重量%の共重
合樹脂を得たい場合には、アクリロニトリル89重量部、
スチレン11重量部、また、アクリロニトリルの含有率が
85重量%の共重合樹脂を得たい場合には、アクリロニト
リル99重量部、スチレン1重量部のモノマー化合物組成
比で初期仕込みを行えばよい。
次に第2工程では、以後の共重合反応を酸素の不存在下
で行うほうが有利であるため、第1工程の初期仕込みの
反応系を窒素等の不活性ガスで置換した後、前記の
(I)式で示され、t=0として算出される重合開始剤
の分解半減期、Tに対応し、第1図に例示される分解半
減期〜温度線図より求められる重合開始温度まで昇温し
たのち、この反応系に重合開始剤を添加して重合を開始
させる。
ここで、重合開始温度の求め方を例示すると次のとおり
である。すなわち、本発明方法では、芳香族ビニル化合
物の連続供給を終了する時間は2〜8時間が好ましいと
ころから、いまt0=300(分)とすると、使用する重合
開始剤の分解半減期、Tは207.6分となり、用いる重合
開始剤が1−t−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサ
ンである場合には、第1図の分解半減期〜温度線図の直
線Aよりこの分解半減期に対応する温度は106℃であ
り、106℃がこの場合の重合開始温度である。
本発明方法において用いられる重合開始剤としては、共
重合反応操作および得られる共重合樹脂の品質面から、
95℃における分解半減期が2時間以上のアゾ系重合開始
剤が好適である。この条件を満足する重合開始剤として
は、1−t−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサン、
1,1′−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2−
t−ブチルアゾ−1−シアノブタン等を挙げることがで
き、これらの分解半減期と温度の関係は第1図に示した
とおりである。95℃での分解半減期が2時間未満の場合
は、共重合反応温度が低くなり、反応熱の除熱効率が悪
化し、反応制御が非常に困難となり好ましくない。また
有機過酸化物系の重合開始剤を用いると、得られる共重
合物の色相、透明性が不満足なものとなり好ましくな
い。
重合開始剤は、反応系に一括して添加するのが好まし
く、その添加量は、第3工程における芳香族ビニル化合
物の連続供給期間、重合開始温度およびモノマー化合物
組成比等によって異なるが、初期仕込みおよび追加供給
の全仕込みモノマー化合物100重量部に対して、0.05〜
0.5重量部の範囲とするのが一般的であり、好ましく
は、0.1〜0.5重量%の範囲が実用的である。
引続き第3工程では、重合開始後の反応系に、直ちに残
部の芳香族ビニル化合物を連続的に供給しつつ、反応系
の温度を、前記の(I)式で示される重合開始剤の分解
半減期、Tに対応し、第1図に例示される分解半減期〜
温度線図より求められる温度に沿って昇温しつつ共重合
反応を進行させる。この場合、芳香族ビニル化合物の連
続供給速度は一定であることが好ましく、その時間は2
〜8時間の範囲が一般的であり、好ましい。芳香族ビニ
ル化合物の連続供給時間が2時間より短いと、反応熱の
除熱が困難となり、好ましくなく、8時間を超えると生
産性が悪くなり、好ましくない。
第3工程で連続的に供給する芳香族ビニル化合物の総量
は、用いる重合開始剤、連続供給の時間等によって若干
変動するが、次の(II)式で示される経験式から算出さ
れる量を基準として実験し、その結果に基づいて決定す
ることができる。
[(II)式において、Wsaは第3工程で連続供給する芳
香族ビニル化合物の総量(kg)を意味し、Wan,Wsiは第
1工程でのシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化
合物の初期仕込み量(kg)をそれぞれ意味する。また、
ηは使用したモノマー化合物の総量を基準とした、共重
合樹脂の収率を、Xanは得ようとする共重合樹脂のシア
ン化ビニル化合物の含有率を意味する。] 次に、重合開始後の反応系の昇温方法について説明する
に、前記の(I)式に用いるt0は、芳香族ビニル化合物
の連続供給時間(分)に5〜100分を加えた値が好まし
く、更に好ましくは、芳香族ビニル化合物の連続供給時
間の約1.1倍程度とするのがよい。第2図に、t0が300
(分)で重合開始剤として1−t−ブチルアゾ−1−シ
アノシクロヘキサンを用いた場合の、共重合反応開始後
の経過時間とそれに対する温度との関係を例示した。
第2図は、(I)式においてt0を300に固定し、経過時
間、tに対応する分解半減期、Tを算出し、第1図の分
解半減期〜温度線図の直線A(1−t−ブチルアゾ−1
−シアノシクロヘキサン)を用いて分解半減期、Tに対
応する温度、θ(℃)を求めtとθの関係をプロットし
たものである。同様の手順によって、設定するt0および
使用する重合開始剤の分解半減期〜温度線図より、tと
θの関係を求めることができる。本発明方法において
は、このようにして求められたtとθの関係、すなわ
ち、共重合反応温度曲線に沿って反応系を昇温しつつ共
重合反応を進行させることが必要である。
第3工程では、反応系を、この共重合反応温度曲線に沿
って昇温するのが理想的であるが、実用的には、この共
重合反応温度曲線によって表される温度を中心として、
温度の振れを±5℃程度に温度制御するのが好ましい。
反応系の温度がこれより大きく振れると、得られる共重
合樹脂の透明性が損われ、好ましくない。
本発明方法においては、芳香族ビニル化合物の反応系へ
の連続供給を終了したのち、直ちに未反応モノマーをス
トリッピングにより反応系から除去し、以後、常法に従
い、脱水、洗浄、乾燥することによりビーズ状の高品質
のシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合樹
脂が得られる。
以上、本発明方法について詳細に説明したが、上記以外
の製造に関する条件、すなわち水/モノマー化合物の仕
込み比、懸濁安定剤の選定、分子量調節剤の選定につい
ては特に制約するものではない。水/モノマー化合物の
仕込み比は通常の場合のように、0.5/1〜5/1の範囲から
選べばよい。懸濁安定剤としては、粘土、タルク、硫酸
バリウム、燐酸バリウム、水酸化マグネシウム、などの
無機物あるいは、これらと微量の界面活性剤との組合
せ、ポリビニルアルコール、ポリメチルビニルエーテ
ル、カルボキシメチルセルローズ、蛋白質、ポリアクリ
ルアミドおよびアクリル酸系共重合体等の水溶性ポリマ
ーなどが挙げられ、これら公知のものから適宜選び使用
することができる。また分子量調節剤としては、t−ド
デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のア
ルキルメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、
ターピノレン等のテルペン類等が挙げられ、これら公知
の連鎖移動剤の中から適宜選んで使用することができ
る。
このようにして得られる。本発明によるシアン化ビニル
化合物/芳香族ビニル化合物共重合樹脂は、組成が均一
で、高度な割合でシアン化ビニル化合物を含有している
ため、通常の機械的性質に加え、透明性、ガス遮断性、
耐薬品性、熱安定性も極めて優れており、射出成形、押
出成形、圧縮成形、差圧成形等によって各種成形品、包
装容器等の製造に好適に使用できる。
「発明の効果」 本発明は、以上詳細に説明したとおり、組成が均一で極
めて高品質な、シアン化ビニル化合物を高度な割合で含
有するシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重
合樹脂の製造方法を提供し、その製造方法は、従来技術
の欠点を解消し、次のような顕著な効果を奏し、その産
業上の利用価値は極めて大である。
(1) 本発明方法によるときは、反応熱の測定、重合
率ごとに段階的に反応温度を設定する等の複雑な反応制
御を必要としないため、測定や設定誤差に伴う品質振れ
が発生しない。
(2) 本発明方法によるときは、実質的に、予め定め
た初期仕込みのモノマー化合物組成比および予め定めた
共重合反応温度曲線に基づいて反応操作を行うので、操
作が容易で、得られる製品の品質が極めて安定したもの
となる。
(3) 本発明方法によるときは、重合温度が高いの
で、冷却媒体との温度差が充分とれ、通常容易に入手可
能な冷却媒体である冷却水で容易かつ効率的に反応熱の
除熱が可能である。
(4) 本発明方法によるときは、共重合反応の終点に
おける温度がストリッピング工程の温度に極めて近くな
るため、ストリッピング工程への昇温時間、すなわち昇
温待ち時間を極めて短くすることができるので生産効率
が高い。
(5) 本発明方法によるときは、シアン化ビニル化合
物の含有率が50〜85重量%と極めて高く、組成が均一で
透明性に優れたシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化
合物共重合樹脂が得られ、この共重合樹脂は、優れたガ
ス遮断性、耐薬品性を有しているので、このような特性
が要求される成形品の成形材料としての利用価値は極め
て大きい。
「実施例」 次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが
本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定され
るものではない。
実施例1 容量が30で、バッフルおよびわん曲タービン型攪拌翼
を備えたジャケット付ステンレス製オートクレーブに、
次の処方で初期仕込みを行い、攪拌して反応系を均一に
した。
アクリロニトリル 7.0kg スチレン 0.3kg ターピノレン 60g ジ−t−ブチルパラクレゾール 2g 水 7.0kg アクリル酸−アクリル酸オクチルコポリマー 3g 硫酸ナトリウム 40g 次に、窒素の圧入と開放を数回繰返し、オートクレーブ
内を窒素置換した後、反応系の温度を106℃に昇温し、
反応系を攪拌しつつ、少量のスチレンに溶解した1−t
−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサン15gを、窒素
で圧入し添加し、共重合反応を開始した。
その後直ちにオートクレーブ上側に別途準備したスチレ
ン供給ボンベのスチレン供給口を開いて、反応系へのス
チレンの連続供給を開始し、0.6kg/時の一定速度で4.5
時間継続し、2.7kgのスチレンを供給した。この間、反
応温度は、第2図の共重合反応温度曲線に沿って、重合
開始時点(t=0)の106℃から128℃まで昇温した。
スチレンの反応系への連続供給を終了したのち、直ちに
未反応モノマーをストリッピング法により反応系から除
去しながら45分かけて145℃昇温し、更にこの温度で1
時間ストリッピングを行った。以後は通常の方法に従っ
て反応系を冷却し、分離、洗浄後、乾燥し、8.7kgのビ
ーズ状共重合樹脂を得た。
得られた共重合樹脂のアクリロニトリル含有率は66重量
%で、このビーズ状共重合樹脂からテストピースを作成
し、JIS K7105に準拠して透明性の尺度であるヘーズ
(曇価)を測定したところ、3%であった。この値は、
現在市販されているアクリロニトリル含有率25〜30重量
%のアクリロニトリル/スチレン共重合樹脂のヘーズと
較べて遜色のないものであり、透明性の優れた「ハイニ
トリルスチレン系樹脂」が得られた。
実施例2 実施例1において使用したと同一のオートクレーブに次
の処方で初期仕込みを行い、同例におけると同一の手
順、同一の条件で共重合反応を開始した。
アクリロニトリル 6.0kg スチレン 0.49kg ターピノレン 60g ジ−t−ブチルパラクレゾール 2g 水 7.0kg アクリル酸−アクリル酸オクチルコポリマー 3g 硫酸ナトリウム 40g 以後は、スチレンの連続供給速度を0.78kg/時に変更し
た以外は、実施例1におけると同一の手順、同一の条件
で共重合反応、ストリッピング、分離、洗浄、乾燥を行
い、8.7kgのビーズ状共重合樹脂を得た。
得られた共重合樹脂のアクリロニトリル含有率は55重量
%で、実施例1に記載した方法に準拠してヘーズを測定
したところ、2.5%で、良好な透明性を示した。
比較例1 実施例1において使用したと同一のオートクレーブに、
同例と同一の処方で初期仕込みを行った。次に、実施例
1におけると同じ要領でオートクレーブ内を窒素置換
し、115℃に昇温した後、同例におけると同じ要領で1
−t−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサン15gを添
加し、共重合反応を開始した。
共重合反応開始直後より、スチレンを実施例1における
と同じ要領で、すなわち、0.6kg/時の一定速度で4.5時
間、供給した。
但し、この間の反応温度は、115℃の一定温度に保っ
た。引続き、未反応モノマーをストリッピングしながら
75分かけて145℃に昇温し、更にこの温度で1時間のス
トリッピングを行った。以後は実施例1におけると同一
の手順で後処理を行い、8.5kgのビーズ状共重合樹脂を
得た。
得られた共重合樹脂のアクリロニトリル含有率は65重量
%で、実施例1に記載した方法に準拠してヘーズを測定
したところ17%で、透明性の劣った共重合樹脂しか得ら
れなかった。
以上の結果から、本発明方法によるときは、透明性の優
れた、すなわち、組成が均一な、アクリロニトリル/ス
チレン共重合樹脂が得られるが、本発明方法の要件を満
たさない方法によるときは、透明性の劣った、すなわち
組成が不均一な、アクリロニトリル/スチレン共重合樹
脂しか得られないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図:重合開始剤の分解半減期〜温度線図であり、横
軸に温度、縦軸に分解半減期を目盛り、本発明方法にお
いて使用可能な重合開始剤の例を図示した。 第2図:共重合反応温度曲線の概略図であり、横軸に共
重合反応開始後の経過時間(分)、縦軸に経過時間に対
応すべき共重合反応温度を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シアン化ビニル化合物の含有率が50〜85重
    量%の、実質的に組成が均一なシアン化ビニル化合物/
    芳香族ビニル化合物共重合樹脂を、懸濁重合法によって
    製造するにあたり、シアン化ビニル化合物の全量と芳香
    族ビニル化合物の一部量とを、得られる共重合樹脂のシ
    アン化ビニル化合物含有率が50〜85重量%の範囲内であ
    って目的とする含有率となる組成比で初期仕込みを行な
    う第1工程、次いでその初期仕込みの反応系を、次の (I)式、すなわち [(I)式において、tは重合開始剤を添加し、芳香族
    ビニル化合物の連続供給を開始した時を起点とした共重
    合反応開始後の経過時間(分)を、t0は芳香族ビニル化
    合物を連続供給する時間より2分以上長い任意の時間
    (分)を意味し、Tは使用する重合開始剤の分解半減期
    (分)を意味する。] で示され、t=0として算出される重合開始剤の分解半
    減期(T)に対応し、第1図に例示される分解半減期〜
    温度線図より求められる対応温度(θ)まで昇温したの
    ち、この反応系に重合開始剤を添加して共重合反応を開
    始させる第2工程、共重合反応開始後の反応系に、直ち
    に残部の芳香族ビニル化合物を連続的に供給しつつ、反
    応系の温度を、前記の(I)式で示される重合開始剤の
    分解半減期(T)に対応し、第1図に例示される分解半
    減期〜温度線図より求められる対応温度(θ)に沿って
    昇温しつつ共重合反応を行う第3工程よりなることを特
    徴とするシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共
    重合樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】第2工程において添加する重合開始剤が95
    ℃における分解半減期2時間以上のアゾ系重合開始剤で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の
    シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合樹脂
    の製造方法。
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