JPH0699782B2 - 焼結ステンレス鋼とその製造方法 - Google Patents
焼結ステンレス鋼とその製造方法Info
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- JPH0699782B2 JPH0699782B2 JP59114427A JP11442784A JPH0699782B2 JP H0699782 B2 JPH0699782 B2 JP H0699782B2 JP 59114427 A JP59114427 A JP 59114427A JP 11442784 A JP11442784 A JP 11442784A JP H0699782 B2 JPH0699782 B2 JP H0699782B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は、マトリクスと分散相とからなる焼結ステンレ
ス鋼であって、オーステナイト系金属組織からなるマト
リクスに、マトリクスとは成分の異なるオーステナイト
系金属組織が分散する耐応力腐食割れ性の著しく優れた
焼結オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法
に関する。
ス鋼であって、オーステナイト系金属組織からなるマト
リクスに、マトリクスとは成分の異なるオーステナイト
系金属組織が分散する耐応力腐食割れ性の著しく優れた
焼結オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法
に関する。
特にCO2−H2Sを含む塩化物含有環境(CO2−H2S−Cl-)
下において著しくすぐれた耐応力腐食割れ性を有する焼
結オーステナイト系ステンレス鋼に関する。
下において著しくすぐれた耐応力腐食割れ性を有する焼
結オーステナイト系ステンレス鋼に関する。
(従来技術) 最近のエネルギー事情は年々深部での油井・ガス井開発
を促しており、使用される油井掘削用、原油・天然ガス
採取用の継目無鋼管(以下、油井管と総称する)に要求
される性能は益々厳しくなっている。こうした油井環境
の特徴は益々スウィート化、サワー化していることであ
り、また高温・高圧化していることである。つまり、こ
のことは、多量のCO2ガスと、H2Sガスならびに高濃度の
Cl-イオンを含有する高温・高圧の湿潤環境下で油井管
が使用されることを意味している。
を促しており、使用される油井掘削用、原油・天然ガス
採取用の継目無鋼管(以下、油井管と総称する)に要求
される性能は益々厳しくなっている。こうした油井環境
の特徴は益々スウィート化、サワー化していることであ
り、また高温・高圧化していることである。つまり、こ
のことは、多量のCO2ガスと、H2Sガスならびに高濃度の
Cl-イオンを含有する高温・高圧の湿潤環境下で油井管
が使用されることを意味している。
多量のCO2ガスと極微量のH2SガスやCl-を含む環境下で
は従来の低いCr鋼にかわりマルテンサイト系の13Crステ
ンレス鋼が使用されているが、深井戸の高温環境下では
13Crステンレス鋼といえども全面腐食や孔食が問題であ
り、また高強度化しているものは微量のH2Sでの硫化物
応力腐食割れ(以下、単に“SCC"という)を起こしやす
い欠点を有している。
は従来の低いCr鋼にかわりマルテンサイト系の13Crステ
ンレス鋼が使用されているが、深井戸の高温環境下では
13Crステンレス鋼といえども全面腐食や孔食が問題であ
り、また高強度化しているものは微量のH2Sでの硫化物
応力腐食割れ(以下、単に“SCC"という)を起こしやす
い欠点を有している。
このように、H2Sガス濃度がやや高い油井・ガス井環境
では13Crステンレス鋼といえども充分な性能を有してい
るとは言いがたく、したがって、ここ数年来はH2Sガス
濃度がやや高くSCCの危険性がある場合には13Crステン
レス鋼にかわり22〜25%Crを含有するフェライト−オー
ステナイトの二相ステンレス鋼が使用されるようになっ
てきている。
では13Crステンレス鋼といえども充分な性能を有してい
るとは言いがたく、したがって、ここ数年来はH2Sガス
濃度がやや高くSCCの危険性がある場合には13Crステン
レス鋼にかわり22〜25%Crを含有するフェライト−オー
ステナイトの二相ステンレス鋼が使用されるようになっ
てきている。
二相ステンレス鋼の特徴はSCC限界応力値が同等成分の
オーステナイト系ステンレス鋼ならびにフェライト系ス
テンレス鋼に比べ高く、耐SCC性に優れていること、な
らびに高強度、高靱性であることである。
オーステナイト系ステンレス鋼ならびにフェライト系ス
テンレス鋼に比べ高く、耐SCC性に優れていること、な
らびに高強度、高靱性であることである。
第1図は、発明者の一人が二相ステンレス鋼の耐応力腐
食割れ(以下、耐SCC)特性について「防食技術」vol.3
0,No.4(pp.218〜226)に報告したものである。25Cr−6
Ni二相ステンレス鋼(○印)とそのフェライト相相当成
分を有する28Cr−4Niフェライトステンレス鋼(●印)
およびオーステナイト相相当成分を有する21Cr−9Niオ
ーステナイトステンレス鋼(△印)の3鋼種を別々に溶
解し、耐SCC性を427K、45%MgCl2溶液中で評価した結果
をまとめたものである。縦軸は耐力に対するSCC限界応
力値の比(σth/σ0.2)を示し、高い方が耐SCC性は優
れている。横軸は破断に至るまでの時間であり長い方が
優れている。25Cr−6Ni二相ステンレス鋼(○印)はオ
ーステナイト相相当成分鋼(△印)およびフェライト相
相当成分鋼(●印)いずれよりも破断時間が600hr以上
となるσth/σ0.2が高く、耐SCC性に対し著しく優れて
いることを示している。
食割れ(以下、耐SCC)特性について「防食技術」vol.3
0,No.4(pp.218〜226)に報告したものである。25Cr−6
Ni二相ステンレス鋼(○印)とそのフェライト相相当成
分を有する28Cr−4Niフェライトステンレス鋼(●印)
およびオーステナイト相相当成分を有する21Cr−9Niオ
ーステナイトステンレス鋼(△印)の3鋼種を別々に溶
解し、耐SCC性を427K、45%MgCl2溶液中で評価した結果
をまとめたものである。縦軸は耐力に対するSCC限界応
力値の比(σth/σ0.2)を示し、高い方が耐SCC性は優
れている。横軸は破断に至るまでの時間であり長い方が
優れている。25Cr−6Ni二相ステンレス鋼(○印)はオ
ーステナイト相相当成分鋼(△印)およびフェライト相
相当成分鋼(●印)いずれよりも破断時間が600hr以上
となるσth/σ0.2が高く、耐SCC性に対し著しく優れて
いることを示している。
このように二相ステンレス鋼のSCC抵抗性が高い理由と
しては最初Fontanaらによりフェライト相のKeying効果
が考えられ、またUhligら、Shimodairaらによりその機
構が検討された。発明者の一人は先の報告の中におい
て、二相ステンレス鋼の耐SCC性はフェライトおよびオ
ーステナイト各相の化学組成ではなく二相混合共存の組
織によるところが大きく、マトリクスに島状に分布して
いるオーステナイト相のKeying効果によると報告した。
しては最初Fontanaらによりフェライト相のKeying効果
が考えられ、またUhligら、Shimodairaらによりその機
構が検討された。発明者の一人は先の報告の中におい
て、二相ステンレス鋼の耐SCC性はフェライトおよびオ
ーステナイト各相の化学組成ではなく二相混合共存の組
織によるところが大きく、マトリクスに島状に分布して
いるオーステナイト相のKeying効果によると報告した。
第2図は、二相ステンレス鋼のSCCの伝播の様子を模式
的に示したものであるが、SCCは、図中、太黒線で示す
ように、フェライト相内を伝播し、島状に分布するオー
ステナイト相を迂回して、オーステナイト相で伝播を阻
止(Keying効果)されるのが特徴である。
的に示したものであるが、SCCは、図中、太黒線で示す
ように、フェライト相内を伝播し、島状に分布するオー
ステナイト相を迂回して、オーステナイト相で伝播を阻
止(Keying効果)されるのが特徴である。
ところで、第3図は、発明者の一人がCO2−H2S−Cl-環
境におけるフェライト−オーステナイト二相ステンレス
鋼の耐食性、特に耐SCC性について種々実験を重ねて検
討した結果得たデータを、J.MATERIALS FOR ENERGY SYS
TEMS,vol.5,No.1,June 1983,pp.59〜66に報告したもの
である。現在市販されている代表的な二相ステンレス鋼
としては22Cr系二相ステンレス鋼と25Cr系二相ステンレ
ス鋼とがあり、それぞれ22Cr−5Ni−3Mo、25Cr−7Ni−3
Moの成分系を有している。第3図は、このうちの25Cr系
の二相ステンレス鋼の30atm CO2、25%NaCl溶液中で温
度とPH2Sを変化させながら耐SCC性を評価した結果であ
る。図中、 がSCCを発生したことを示す。第3図よりPH2Sはおよそ
0.1atmが使用環境としての上限であることがわかる。SC
Cの発生した試験片にはフェライト相の選択溶解とこれ
を起点とするSCCが認められた。
境におけるフェライト−オーステナイト二相ステンレス
鋼の耐食性、特に耐SCC性について種々実験を重ねて検
討した結果得たデータを、J.MATERIALS FOR ENERGY SYS
TEMS,vol.5,No.1,June 1983,pp.59〜66に報告したもの
である。現在市販されている代表的な二相ステンレス鋼
としては22Cr系二相ステンレス鋼と25Cr系二相ステンレ
ス鋼とがあり、それぞれ22Cr−5Ni−3Mo、25Cr−7Ni−3
Moの成分系を有している。第3図は、このうちの25Cr系
の二相ステンレス鋼の30atm CO2、25%NaCl溶液中で温
度とPH2Sを変化させながら耐SCC性を評価した結果であ
る。図中、 がSCCを発生したことを示す。第3図よりPH2Sはおよそ
0.1atmが使用環境としての上限であることがわかる。SC
Cの発生した試験片にはフェライト相の選択溶解とこれ
を起点とするSCCが認められた。
Cr含有量を増加させることにより耐食性をさらに一層改
善した二相ステンレス鋼も成分的には考えられるが、σ
相生成に伴う製造上の問題より製品化は困難である。
善した二相ステンレス鋼も成分的には考えられるが、σ
相生成に伴う製造上の問題より製品化は困難である。
したがって、現在のところ二相ステンレス鋼を使用した
のでは耐食性の点で問題のあるようなより厳しい油井環
境では、Hastelloy C276(15Cr−16Mo−3.4W−1.0CO−6
0Ni−Bal.Fe)、MP 35N(20Cr−10Mo−35Co−35Ni−Ba
l.Fe)といった高合金が用いられている。これらの高合
金は高価なMoあるいはCoおよびNiを多量に含有するため
それ自体極めて高価であるばかりなく、熱間加工性も極
めて悪く、製造性も悪い。
のでは耐食性の点で問題のあるようなより厳しい油井環
境では、Hastelloy C276(15Cr−16Mo−3.4W−1.0CO−6
0Ni−Bal.Fe)、MP 35N(20Cr−10Mo−35Co−35Ni−Ba
l.Fe)といった高合金が用いられている。これらの高合
金は高価なMoあるいはCoおよびNiを多量に含有するため
それ自体極めて高価であるばかりなく、熱間加工性も極
めて悪く、製造性も悪い。
(発明の目的) 本発明の第一の目的は、CO2およびH2Sを含む塩化物含有
環境下で、従来のフェライト−オーステナイト二相系ス
テンレス鋼に比較して耐SCC性を顕著に改善したステン
レス鋼を提供することである。
環境下で、従来のフェライト−オーステナイト二相系ス
テンレス鋼に比較して耐SCC性を顕著に改善したステン
レス鋼を提供することである。
本発明の別の目的は、CO2およびH2Sを含む塩化物含有環
境下で、Niを多量に含有するオーステナイト系ステンレ
ス鋼の耐SCC性を飛躍的に改善したオーステナイト系ス
テンレス鋼を提供することである。
境下で、Niを多量に含有するオーステナイト系ステンレ
ス鋼の耐SCC性を飛躍的に改善したオーステナイト系ス
テンレス鋼を提供することである。
さらに本発明の別の目的は、従来はMo、WおよびNiとい
った高価な合金元素を多量に含有する高合金しか使用で
きなかったCO2−H2S−Cl-湿潤環境においても使用でき
る安価で高耐食性の耐SCC性に著しく優れたオーステナ
イト系ステンレス鋼を提供することにある。
った高価な合金元素を多量に含有する高合金しか使用で
きなかったCO2−H2S−Cl-湿潤環境においても使用でき
る安価で高耐食性の耐SCC性に著しく優れたオーステナ
イト系ステンレス鋼を提供することにある。
さらに本発明の別の目的は、従来Mo、W、Ni等を多量に
含有するため熱間加工性が極めて悪かった高合金の熱間
加工性を著しく改善する方法を提供することを目的とす
る。
含有するため熱間加工性が極めて悪かった高合金の熱間
加工性を著しく改善する方法を提供することを目的とす
る。
さらに本発明の別の目的は、飛躍的に耐SCCが改善され
靱性にも優れた粉末冶金法による焼結ステンレス鋼を製
造する方法を提供することにある。
靱性にも優れた粉末冶金法による焼結ステンレス鋼を製
造する方法を提供することにある。
(発明の要約) 重量%で22〜25%のCrを含有する従来のフェライト−オ
ーステナイト二相系ステンレス鋼では微量のH2Sを含有
したCO2−Cl-環境においても全面腐食、孔食ならびにSC
C発生の問題があり、硫化水素分圧がおよそ0.1atm以上
のCO2−H2S−Cl-環境においては多量のNi、Mo、W等を
含有する高価なオーステナイト系高合金が用いられてい
る。本発明者らは二相ステンレス鋼の耐食性改善を試み
たが、フェライト−オーステナイト二相系ステンレス鋼
の耐食性劣化の原因がフェライト相の選択腐食であり、
また高Cr、高Moの高耐食性フェライト系ステンレス鋼で
もCO2−H2S−Cl-環境においては良好な耐食性を発揮で
きないことから、フェライト−オーステナイト二相系ス
テンレス鋼では耐食性の劣化は避けがたいと考えた。
ーステナイト二相系ステンレス鋼では微量のH2Sを含有
したCO2−Cl-環境においても全面腐食、孔食ならびにSC
C発生の問題があり、硫化水素分圧がおよそ0.1atm以上
のCO2−H2S−Cl-環境においては多量のNi、Mo、W等を
含有する高価なオーステナイト系高合金が用いられてい
る。本発明者らは二相ステンレス鋼の耐食性改善を試み
たが、フェライト−オーステナイト二相系ステンレス鋼
の耐食性劣化の原因がフェライト相の選択腐食であり、
また高Cr、高Moの高耐食性フェライト系ステンレス鋼で
もCO2−H2S−Cl-環境においては良好な耐食性を発揮で
きないことから、フェライト−オーステナイト二相系ス
テンレス鋼では耐食性の劣化は避けがたいと考えた。
他方で本発明者らは、多量のCO2ガス、H2Sガス、Cl-イ
オンを含有する油井環境においてオーステナイト系高合
金の耐食性と鋼中Cr、Ni、Moの効果を検討してきた。第
4図ないし第6図は発明者の一人が20%NaCl+0.5%CH3
COOH−1.0MPaCO2−PH2S−250℃でのPH2Sの影響とCr、N
i、Moの影響を種々実験、検討して得たデータをNACE CO
RROSION′84で報告したものである。これらの結果か
ら、PH2Sに関係なく、少なくとも、重量%で、20%以上
のCrと、20%以上のNiと、3%以上のMoを含有すること
が耐食性を確保するうえで必要であることを確認でき
た。その後、第7図に示すように、オーステナイト系ス
テンレス鋼には温度条件に応じて、Cr量とNi量との間に
は耐SCC性に関し一定の相関関係があることを見い出す
に至り(図中、斜線領域は、20%NaCl+0.5%CH3COOH、
1.0MPaH2S−1.0MPaCO2の条件下で良好な耐SCC性を示す
領域である)、それらの知見にもとずいて何種かの新規
なオーステナイト系高合金を開発するに至ったが、すで
に述べたような二相ステンレス鋼のKeying効果によるSC
C限界応力値改善効果を最大限に発揮させたより安価な
オーステナイト系高合金を開発することはできないかと
いう思いは強く、その後もその開発手段を追求しつづけ
てきた。その結果、CO2−H2S−Cl-環境下で良好な耐食
性を発揮するオーステナイト系ステンレス鋼をそれぞれ
別々に溶解し、これを粉末として凝固させた後に所定の
割合で混合して焼結することにより、二相ステンレス鋼
にみるような分散相によるKeying効果を最大限に活用す
ることによって混合前の各鋼粉の組成にそれぞれ相当す
る組成を有する各オーステナイト系ステンレス鋼以上の
優れた耐SCC性を発揮することができることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
オンを含有する油井環境においてオーステナイト系高合
金の耐食性と鋼中Cr、Ni、Moの効果を検討してきた。第
4図ないし第6図は発明者の一人が20%NaCl+0.5%CH3
COOH−1.0MPaCO2−PH2S−250℃でのPH2Sの影響とCr、N
i、Moの影響を種々実験、検討して得たデータをNACE CO
RROSION′84で報告したものである。これらの結果か
ら、PH2Sに関係なく、少なくとも、重量%で、20%以上
のCrと、20%以上のNiと、3%以上のMoを含有すること
が耐食性を確保するうえで必要であることを確認でき
た。その後、第7図に示すように、オーステナイト系ス
テンレス鋼には温度条件に応じて、Cr量とNi量との間に
は耐SCC性に関し一定の相関関係があることを見い出す
に至り(図中、斜線領域は、20%NaCl+0.5%CH3COOH、
1.0MPaH2S−1.0MPaCO2の条件下で良好な耐SCC性を示す
領域である)、それらの知見にもとずいて何種かの新規
なオーステナイト系高合金を開発するに至ったが、すで
に述べたような二相ステンレス鋼のKeying効果によるSC
C限界応力値改善効果を最大限に発揮させたより安価な
オーステナイト系高合金を開発することはできないかと
いう思いは強く、その後もその開発手段を追求しつづけ
てきた。その結果、CO2−H2S−Cl-環境下で良好な耐食
性を発揮するオーステナイト系ステンレス鋼をそれぞれ
別々に溶解し、これを粉末として凝固させた後に所定の
割合で混合して焼結することにより、二相ステンレス鋼
にみるような分散相によるKeying効果を最大限に活用す
ることによって混合前の各鋼粉の組成にそれぞれ相当す
る組成を有する各オーステナイト系ステンレス鋼以上の
優れた耐SCC性を発揮することができることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、最も広義には、マトリクスと分散
相とからなる焼結ステンレス鋼であって、オーステナイ
ト系金属組織からなるマトリクスに、マトリクスとは成
分は異なるが同じオーステナイト系金属組織からなる分
散相が分散する耐応力腐食割れ性に優れた焼結オーステ
ナイト系ステンレス鋼にある。
相とからなる焼結ステンレス鋼であって、オーステナイ
ト系金属組織からなるマトリクスに、マトリクスとは成
分は異なるが同じオーステナイト系金属組織からなる分
散相が分散する耐応力腐食割れ性に優れた焼結オーステ
ナイト系ステンレス鋼にある。
本発明によれば、上記マトリクスおよび/または分散相
のNi濃度が重量%で20%以上であり、あるいは前記マト
リクスおよび/または分散相のCrの濃度が重量%で20%
以上、Ni濃度が重量%で20%以上60%以下、かつMo濃度
が重量%で3%以上であり、あるいは前記マトリクスお
よび/または分散相のN濃度が重量%で0.02%以上であ
る。
のNi濃度が重量%で20%以上であり、あるいは前記マト
リクスおよび/または分散相のCrの濃度が重量%で20%
以上、Ni濃度が重量%で20%以上60%以下、かつMo濃度
が重量%で3%以上であり、あるいは前記マトリクスお
よび/または分散相のN濃度が重量%で0.02%以上であ
る。
ここに、マトリクス相、分散相のいずれを問わず、少な
くとも一方においてKeying効果を発揮させるためには、
使用環境下においてSCCが発生しないものでなければな
らず、そのためには、添加するオーステナイト系ステン
レス鋼粉の少なくとも1種をNi濃度20重量%以上のもの
とする。Ni濃度が20%未満では環境によってはSCCが発
生する場合があるからである。同様にCr、Moについても
それぞれ20重量%以上、3.0重量%以上含むものが好ま
しくは使用される。ただし、Ni濃度は水素脆性を防止す
るためには60.0%以下に制限するのが好ましい。Nはオ
ーステナイト生成元素として必要に応じ0.02重量%以上
添加するものである。
くとも一方においてKeying効果を発揮させるためには、
使用環境下においてSCCが発生しないものでなければな
らず、そのためには、添加するオーステナイト系ステン
レス鋼粉の少なくとも1種をNi濃度20重量%以上のもの
とする。Ni濃度が20%未満では環境によってはSCCが発
生する場合があるからである。同様にCr、Moについても
それぞれ20重量%以上、3.0重量%以上含むものが好ま
しくは使用される。ただし、Ni濃度は水素脆性を防止す
るためには60.0%以下に制限するのが好ましい。Nはオ
ーステナイト生成元素として必要に応じ0.02重量%以上
添加するものである。
さらに、別の特徴によれば本発明の要旨とするところ
は、成分の異なる2種以上のオーステナイト系ステンレ
ス鋼粉を混合し、しかる後圧粉成形して焼結することを
特徴とする耐応力腐食割れ性に優れた焼結オーステナイ
ト系ステンレス鋼の製造方法において、上述のように成
分のことなる2種以上のオーステナイト系ステンレス鋼
粉を混合するに際してNi濃度が重量%で20%以上である
オーステナイト系ステンレス鋼粉を1種以上混合しても
よく、あるいはCr濃度が重量%で20%以上、Ni濃度が重
量%で20%以上60%以下、かつMo濃度が重量%で3%以
上であるオーステナイト系ステンレス鋼粉を少なくとも
1種以上混合してもよく、さらにはN濃度が重量%で0.
02%以上であるオーステナイト系ステンレス鋼粉を少な
くとも1種以上混合してもよい。
は、成分の異なる2種以上のオーステナイト系ステンレ
ス鋼粉を混合し、しかる後圧粉成形して焼結することを
特徴とする耐応力腐食割れ性に優れた焼結オーステナイ
ト系ステンレス鋼の製造方法において、上述のように成
分のことなる2種以上のオーステナイト系ステンレス鋼
粉を混合するに際してNi濃度が重量%で20%以上である
オーステナイト系ステンレス鋼粉を1種以上混合しても
よく、あるいはCr濃度が重量%で20%以上、Ni濃度が重
量%で20%以上60%以下、かつMo濃度が重量%で3%以
上であるオーステナイト系ステンレス鋼粉を少なくとも
1種以上混合してもよく、さらにはN濃度が重量%で0.
02%以上であるオーステナイト系ステンレス鋼粉を少な
くとも1種以上混合してもよい。
なお、各オーステナイト系ステンレス鋼粉を配合する場
合の量的関係は未だ十分解明されていないが、分散相と
しての鋼粉は合計量がほぼ10重量%以上あれば、マトリ
クス相にSCCが発生するときでも十分なKeying効果が発
揮されると考えられる。好ましくはマトリクス相、分散
相を等量含有する。
合の量的関係は未だ十分解明されていないが、分散相と
しての鋼粉は合計量がほぼ10重量%以上あれば、マトリ
クス相にSCCが発生するときでも十分なKeying効果が発
揮されると考えられる。好ましくはマトリクス相、分散
相を等量含有する。
さらに本発明の別の態様によれば、前述の圧粉成形と焼
結の工程が熱間押出法により行われてもよく、あるいは
圧粉成形と焼結の工程が熱間静水圧法により行われても
よく、さらにまた圧粉成形が冷間静水圧法により行われ
てもよい。
結の工程が熱間押出法により行われてもよく、あるいは
圧粉成形と焼結の工程が熱間静水圧法により行われても
よく、さらにまた圧粉成形が冷間静水圧法により行われ
てもよい。
冷間静水圧法(HIP)の具体的条件については使用する
ステンレス鋼粉の成分により最適条件は変化する。十分
な緻密化と焼結が進行する条件を選択する必要がある。
また金属間化合物の生成も考慮に入れる必要がある。こ
こで上記の条件をみたすかぎりは低い温度の方が望まし
いことは言うまでもなく、作業性の点からも望ましい。
ステンレス鋼粉の成分により最適条件は変化する。十分
な緻密化と焼結が進行する条件を選択する必要がある。
また金属間化合物の生成も考慮に入れる必要がある。こ
こで上記の条件をみたすかぎりは低い温度の方が望まし
いことは言うまでもなく、作業性の点からも望ましい。
本発明によれば、使用する環境に応じてマトリクス成
分、ならびに分散相の成分を自由に選択できる。さらに
マトリクス中に島状に分散した分散相のKeying効果によ
りSCCの限界応力値はフェライト−オーステナイト二相
系ステンレス鋼の場合と同様、マトリクスおよび分散相
それぞれが単独で、つまり単一相として存在する場合に
比べ著しく高くなる。
分、ならびに分散相の成分を自由に選択できる。さらに
マトリクス中に島状に分散した分散相のKeying効果によ
りSCCの限界応力値はフェライト−オーステナイト二相
系ステンレス鋼の場合と同様、マトリクスおよび分散相
それぞれが単独で、つまり単一相として存在する場合に
比べ著しく高くなる。
マトリクス相に比べ分散相の耐食性が良好である場合に
は、たとえマトリクス相の側にSCCが発生したとして
も、SCCは分散相を迂回して伝播する結果、分散相で伝
播が停止する。逆にマトリクス相に比べ分散相の耐食性
が劣る場合には、今度は分散相側にSCCが発生したとし
てもマトリクス相側でSCCの伝播が停止されることにな
る。
は、たとえマトリクス相の側にSCCが発生したとして
も、SCCは分散相を迂回して伝播する結果、分散相で伝
播が停止する。逆にマトリクス相に比べ分散相の耐食性
が劣る場合には、今度は分散相側にSCCが発生したとし
てもマトリクス相側でSCCの伝播が停止されることにな
る。
これらの機構は第8図および第9図に模式的に示す。第
8図はマトリクス相に比べ分散相の耐食性が良好である
場合を示すが、図中太黒線で示すSCCの伝播はマトリク
ス相を経て分散相に向かい、これを迂回して進行できる
場合には再びマトリクス相内を進むが、分散相が大きく
て迂回しきれない場合には、その箇所でSCCの伝播は停
止する。一方、第9図に示すように、マトリクス相に比
べ分散相の耐食性が劣る場合には、図中、黒太線で示す
SCCの伝播はマトリクス相で停止してしまう。
8図はマトリクス相に比べ分散相の耐食性が良好である
場合を示すが、図中太黒線で示すSCCの伝播はマトリク
ス相を経て分散相に向かい、これを迂回して進行できる
場合には再びマトリクス相内を進むが、分散相が大きく
て迂回しきれない場合には、その箇所でSCCの伝播は停
止する。一方、第9図に示すように、マトリクス相に比
べ分散相の耐食性が劣る場合には、図中、黒太線で示す
SCCの伝播はマトリクス相で停止してしまう。
一方、本発明に係る鋼を熱間加工性の面よりみると、一
般には高Cr、高Ni、高Moで耐食性が良好であればある
程、それだけ熱間加工性は劣化するが、本発明鋼の場合
には熱間加工性が異なる2種以上のステンレス鋼粉を混
合するため、熱間加工性に優れる少なくともひとつのま
たは1種のステンレス鋼が示す熱間加工時の潤滑効果に
より材料全体の熱間加工性は良好となる。
般には高Cr、高Ni、高Moで耐食性が良好であればある
程、それだけ熱間加工性は劣化するが、本発明鋼の場合
には熱間加工性が異なる2種以上のステンレス鋼粉を混
合するため、熱間加工性に優れる少なくともひとつのま
たは1種のステンレス鋼が示す熱間加工時の潤滑効果に
より材料全体の熱間加工性は良好となる。
他方、焼結鋼の特徴のひとつである高強度化も本発明鋼
の場合容易に実現される。
の場合容易に実現される。
(発明の態様) 本発明に係る焼結ステンレス鋼は、基本的製造工程とし
て圧粉成形、冷間静水圧プレス(Cold,Isostatic,Press
ing以下略して、“CIP"という)、焼結、熱間静水圧プ
レス(Hot,Isostatic,Pressing以下略して、“HIP"とい
う)、冷間押出し、冷間抽伸、熱間押出し、鍛造、圧延
等のうち1種以上の工程を経て製造された焼結ステンレ
ス鋼と、これに必要に応じて適宜熱処理を施して得られ
た焼結ステンレス鋼を包含する。
て圧粉成形、冷間静水圧プレス(Cold,Isostatic,Press
ing以下略して、“CIP"という)、焼結、熱間静水圧プ
レス(Hot,Isostatic,Pressing以下略して、“HIP"とい
う)、冷間押出し、冷間抽伸、熱間押出し、鍛造、圧延
等のうち1種以上の工程を経て製造された焼結ステンレ
ス鋼と、これに必要に応じて適宜熱処理を施して得られ
た焼結ステンレス鋼を包含する。
また、本発明において云うオーステナイト相にはオース
テナイト単相は云うまでもなく、本発明の趣旨に反しな
い限り例えば微量のマルテンサイト相あるいは他の析出
相の存在する金属組織相も包含されることは明らかであ
る。さらにマトリクス相および分散相には通常のステン
レス鋼に含有される不純物の他に、Ti、Nb、Zr等の安定
化元素ならびにS、Pb、Se、La、Te、Ca等の被削性改善
成分を含有させても良い。またAlを合金元素として添加
しても良い。
テナイト単相は云うまでもなく、本発明の趣旨に反しな
い限り例えば微量のマルテンサイト相あるいは他の析出
相の存在する金属組織相も包含されることは明らかであ
る。さらにマトリクス相および分散相には通常のステン
レス鋼に含有される不純物の他に、Ti、Nb、Zr等の安定
化元素ならびにS、Pb、Se、La、Te、Ca等の被削性改善
成分を含有させても良い。またAlを合金元素として添加
しても良い。
なお、各ステンレス鋼粉の製造履歴さらにはステンレス
鋼粉の形能、粒度分布についても、本発明の趣旨に反し
ない限り、特に制限されない。
鋼粉の形能、粒度分布についても、本発明の趣旨に反し
ない限り、特に制限されない。
実施例1 第1表に示した各ステンレス鋼粉を第2表に示した混合
割合で混合した後鋼製カプセルに充填後、加熱しながら
真空に引いて内部を脱気して密閉した。真空引きの条件
は1×10-5mmHgで500℃×1hrである。保持温度は室温で
も良いが、内部の水分を除去する目的より加熱した方が
より効果的である。その場合の加熱は500℃以下でも十
分である。
割合で混合した後鋼製カプセルに充填後、加熱しながら
真空に引いて内部を脱気して密閉した。真空引きの条件
は1×10-5mmHgで500℃×1hrである。保持温度は室温で
も良いが、内部の水分を除去する目的より加熱した方が
より効果的である。その場合の加熱は500℃以下でも十
分である。
次いで、これを熱間静水圧法(HIP)により2000気圧の
圧力をかけながら1080℃で1時間焼結を実施した。
圧力をかけながら1080℃で1時間焼結を実施した。
得られた焼結体は1200℃に加熱してから1時間保持した
後、厚さ30mm×幅60mm×長さ70mmの仕上げ寸法にまで熱
間鍛造した。次いでこの鍛造材を大気中て1200℃に再度
加熱したのち厚さ7mm×幅60mmにまで熱間圧延し、1120
℃×30分保持後、水冷した。その後40%の冷間加工を加
えた。
後、厚さ30mm×幅60mm×長さ70mmの仕上げ寸法にまで熱
間鍛造した。次いでこの鍛造材を大気中て1200℃に再度
加熱したのち厚さ7mm×幅60mmにまで熱間圧延し、1120
℃×30分保持後、水冷した。その後40%の冷間加工を加
えた。
このようにして得た焼結ステンレス鋼の板材から試験片
を切り出して常温での引張試験、シャルピー衝撃試験、
耐SCC評価試験を実施した。
を切り出して常温での引張試験、シャルピー衝撃試験、
耐SCC評価試験を実施した。
平行部が直径3mm、長さ20mmの丸棒引張試験片について
常温での引張試験を実施した。
常温での引張試験を実施した。
シャルピー衝撃試験は2Vノッチ付JIS4号ハーフサイズ
(5mmt)を用い−20℃で実施した。
(5mmt)を用い−20℃で実施した。
耐SCC性は第10図に示すいわゆるT型治具を使った4点
拘束試験片を使って行った。試験片としては中央部にU
字切欠きを設けたものを使用した。試験片寸法は75×10
×2mmで中央部の切欠きは0.25Rであった。かかる形状の
試験片を用いて20%NaCl+0.5%CH3COOH、10atmH2S+H1
0atmCO2、pH2の環境下で耐食性を評価した。試験時間は
2000hrであり、温度は150℃および250℃の2条件であ
る。付加応力は1.0×σyとした。付加応力の計算式は
第11図に示す通りである。
拘束試験片を使って行った。試験片としては中央部にU
字切欠きを設けたものを使用した。試験片寸法は75×10
×2mmで中央部の切欠きは0.25Rであった。かかる形状の
試験片を用いて20%NaCl+0.5%CH3COOH、10atmH2S+H1
0atmCO2、pH2の環境下で耐食性を評価した。試験時間は
2000hrであり、温度は150℃および250℃の2条件であ
る。付加応力は1.0×σyとした。付加応力の計算式は
第11図に示す通りである。
結果をまとめて第2表に示したが、フェライト系ステン
レス鋼粉とオーステナイト系ステンレス鋼粉を混合した
比較鋼4は耐SCC評価試験でフェライト相の選択溶解を
起こしSCCを発生した。100%A鋼粉を使用した比較鋼7
は150℃および250℃のいずれの環境下においてもSCCを
発生したが、本発明に係る鋼はいずれの場合にも優れた
耐SCC性を発揮した。
レス鋼粉とオーステナイト系ステンレス鋼粉を混合した
比較鋼4は耐SCC評価試験でフェライト相の選択溶解を
起こしSCCを発生した。100%A鋼粉を使用した比較鋼7
は150℃および250℃のいずれの環境下においてもSCCを
発生したが、本発明に係る鋼はいずれの場合にも優れた
耐SCC性を発揮した。
実施例2 第1表に示したステンレス鋼粉を用い継目無鋼管を製造
した。
した。
第2表に示した混合割合でステンレス鋼粉を混合した
後、鋼製の(外径200mm−内径60mm)×長さ30mmのカプ
セルに装入し、500℃に加熱しながら内部を真空引きし
た。真空引きの条件は1×10-5mmHgである。加熱、真空
引きの状態で3hr保持した後カプセルを密閉した。
後、鋼製の(外径200mm−内径60mm)×長さ30mmのカプ
セルに装入し、500℃に加熱しながら内部を真空引きし
た。真空引きの条件は1×10-5mmHgである。加熱、真空
引きの状態で3hr保持した後カプセルを密閉した。
カプセルを密閉後、冷間静水圧法(CIP)により常温、6
000kg/cm2×1min保持の条件でカプセル内の密度を均一
とし低気孔率化した。次に電気炉で1250℃に加熱した
後、熱間押出しにより外径73mm、肉厚7mmの継目無鋼管
とした。これを1130℃で40分保持後水冷し、その後30%
の冷間加工を加えて試験に共した。
000kg/cm2×1min保持の条件でカプセル内の密度を均一
とし低気孔率化した。次に電気炉で1250℃に加熱した
後、熱間押出しにより外径73mm、肉厚7mmの継目無鋼管
とした。これを1130℃で40分保持後水冷し、その後30%
の冷間加工を加えて試験に共した。
耐SCC性をC−リング型試験片を用いて実施例1の場合
と同一条件で評価した。このC−リングテストはASTM G
38−73に準じて行った。試験片形状は第12図に示す通り
である。
と同一条件で評価した。このC−リングテストはASTM G
38−73に準じて行った。試験片形状は第12図に示す通り
である。
結果は同じく第2表にまとめて示す。実施例1で示した
板材の場合と同様、フェライト系ステンレス鋼粉とオー
ステナイト系ステンレス鋼粉を混合した比較鋼4はフェ
ライト相の選択溶解を起こし貫通性のSCCを発生した。
板材の場合と同様、フェライト系ステンレス鋼粉とオー
ステナイト系ステンレス鋼粉を混合した比較鋼4はフェ
ライト相の選択溶解を起こし貫通性のSCCを発生した。
100%A鋼粉を使用した比較鋼7は150℃および250℃環
境いずれにおいてもSCCを発生したが、本発明によれ
ば、発明鋼6の250℃環境の場合を除き、いずれも優れ
た耐SCC性を発揮した。
境いずれにおいてもSCCを発生したが、本発明によれ
ば、発明鋼6の250℃環境の場合を除き、いずれも優れ
た耐SCC性を発揮した。
なお、発明鋼6は150℃環境ではSCCを発生しておらず発
明鋼6については適用の限界条件付近での評価になった
と判断される。
明鋼6については適用の限界条件付近での評価になった
と判断される。
以上説明したように本発明によれば、SCC発生の問題よ
り従来の二相ステンレス鋼が使用困難であるため多量の
Mo、WおよびNiを含有する高価な高合金であるオーステ
ナイト系ステンレス鋼を用いざるを得なかったような、
多量のCO2ガス、H2SガスおよびCl-イオンを含有する高
温、高圧環境下でも優れた耐食性を発揮する耐SCC性に
優れた安価なオーステナイト系ステンレス鋼が得られ
る。
り従来の二相ステンレス鋼が使用困難であるため多量の
Mo、WおよびNiを含有する高価な高合金であるオーステ
ナイト系ステンレス鋼を用いざるを得なかったような、
多量のCO2ガス、H2SガスおよびCl-イオンを含有する高
温、高圧環境下でも優れた耐食性を発揮する耐SCC性に
優れた安価なオーステナイト系ステンレス鋼が得られ
る。
このことからも本発明は産業上の利用性が極めて高いと
言わざるを得ない。
言わざるを得ない。
第1図は、従来の二相ステンレス鋼、オーステナイト系
ステンレス鋼およびフェライト系ステンレス鋼の耐SCC
性を示すグラフ; 第2図は、SCC伝播の機構を模式的に示す略式説明図; 第3図は、従来のフェライト−オーステナイト二相系ス
テンレス鋼の耐SCC性を示すグラフ; 第4図ないし第6図は、それぞれCr(%)、Ni(%)お
よびMo(%)と耐SCC性との関係を示すグラフ; 第7図は、Cr(%)とNi(%)とが耐SCCに及ぼす影響
を示すグラフ; 第8図および第9図は、本発明に係る焼結オーステナイ
ト系ステンレス鋼にみられるSCC伝播機構を模式的に示
す略式説明図;および 第10図ないし第12図は、本発明に係る鋼の耐SCC性評価
試験の試験要領を示す略式説明図である。
ステンレス鋼およびフェライト系ステンレス鋼の耐SCC
性を示すグラフ; 第2図は、SCC伝播の機構を模式的に示す略式説明図; 第3図は、従来のフェライト−オーステナイト二相系ス
テンレス鋼の耐SCC性を示すグラフ; 第4図ないし第6図は、それぞれCr(%)、Ni(%)お
よびMo(%)と耐SCC性との関係を示すグラフ; 第7図は、Cr(%)とNi(%)とが耐SCCに及ぼす影響
を示すグラフ; 第8図および第9図は、本発明に係る焼結オーステナイ
ト系ステンレス鋼にみられるSCC伝播機構を模式的に示
す略式説明図;および 第10図ないし第12図は、本発明に係る鋼の耐SCC性評価
試験の試験要領を示す略式説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西口 勝 兵庫県尼崎市西長洲本通1丁目3番地 住 友金属工業株式会社中央技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−138409(JP,A) 特開 昭56−139604(JP,A) 特開 昭57−57860(JP,A) 特開 昭57−169002(JP,A)
Claims (9)
- 【請求項1】マトリクスと分散相とからなる焼結ステン
レス鋼であって、オーステナイト系金属組織からなるマ
トリクスに、マトリクスとは成分が異なるオーステナイ
ト系金属組織からなる分散相が分散し、前記マトリクス
および/または分散相のNi濃度が重量%で20%以上であ
ることを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れた焼結オー
ステナイト系ステンレス鋼。 - 【請求項2】前記マトリクスおよび/または分散相のCr
濃度が重量%で20%以上、Ni濃度が重量%で20%以上60
%以下、かつMo濃度が重量%で3%以上であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の耐応力腐食割れ性
に優れた焼結オーステナイト系ステンレス鋼。 - 【請求項3】前記マトリクスおよび/または分散相のN
濃度が重量%で0.02%以上であることを特徴とする第1
項または第2項記載の耐応力腐食割れ性に優れた焼結オ
ーステナイト系ステンレス鋼。 - 【請求項4】成分の異なる2種以上のオーステナイト系
ステンレス鋼粉を混合し、しかる後圧粉成形して焼結す
る方法において、Ni濃度が重量%で20%以上であるオー
ステナイト系ステンレス鋼粉を1種以上混合することを
特徴とする耐応力腐食割れ性に優れた焼結オーステナイ
ト系ステンレス鋼の製造方法。 - 【請求項5】Cr濃度が重量%で20%以上でかつ、Ni濃度
が重量%で20%以上60%以下、かつMo濃度が重量%で3
%以上であるオーステナイト系ステンレス鋼粉を少なく
とも1種以上混合することを特徴とする、特許請求の範
囲第4項記載の耐応力腐食割れ性に優れた焼結オーステ
ナイト系ステンレス鋼の製造方法。 - 【請求項6】N濃度が重量%で0.02%以上であるオース
テナイト系ステンレス鋼粉を少なくとも1種以上混合す
ることを特徴とする特許請求の範囲第4項または第5項
記載の耐応力腐食割れ性に優れた焼結オーステナイト系
ステンレス鋼の製造方法。 - 【請求項7】圧粉成形と焼結の工程が熱間押出法により
行われる特許請求の範囲第4項ないし第6項のいずれか
記載の焼結オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。 - 【請求項8】圧粉成形と焼結の工程が熱間静水圧法によ
り行われる特許請求の範囲第4項ないし第6項のいずれ
か記載の焼結オーステナイト系ステンレス鋼の製造方
法。 - 【請求項9】圧粉成形が冷間静水圧法により行われる特
許請求の範囲第4項ないし第6項のいずれか記載の焼結
オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59114427A JPH0699782B2 (ja) | 1984-06-06 | 1984-06-06 | 焼結ステンレス鋼とその製造方法 |
| DE8585106911T DE3572695D1 (en) | 1984-06-06 | 1985-06-04 | Sintered stainless steel and production process therefor |
| EP85106911A EP0167822B1 (en) | 1984-06-06 | 1985-06-04 | Sintered stainless steel and production process therefor |
| CA000483111A CA1240537A (en) | 1984-06-06 | 1985-06-04 | Sintered stainless steel and production process therefor |
| US06/741,185 US4770703A (en) | 1984-06-06 | 1985-06-04 | Sintered stainless steel and production process therefor |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59114427A JPH0699782B2 (ja) | 1984-06-06 | 1984-06-06 | 焼結ステンレス鋼とその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60258452A JPS60258452A (ja) | 1985-12-20 |
| JPH0699782B2 true JPH0699782B2 (ja) | 1994-12-07 |
Family
ID=14637442
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59114427A Expired - Fee Related JPH0699782B2 (ja) | 1984-06-06 | 1984-06-06 | 焼結ステンレス鋼とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0699782B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS52138409A (en) * | 1976-05-17 | 1977-11-18 | Nippon Kouden Kougiyou Kk | Electrode material for use in living body |
| JPS56139604A (en) * | 1980-03-31 | 1981-10-31 | Toshiba Corp | Iron sintered parts |
| JPS5757860A (en) * | 1980-09-25 | 1982-04-07 | Mazda Motor Corp | Wear resistant sintered alloy and its manufacture |
| JPS57169002A (en) * | 1981-04-06 | 1982-10-18 | Nippon Seisen Kk | Sintered body |
-
1984
- 1984-06-06 JP JP59114427A patent/JPH0699782B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60258452A (ja) | 1985-12-20 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |