JPH0699834B2 - 耐テンションパッド性に優れた電気Znメッキ鋼板 - Google Patents

耐テンションパッド性に優れた電気Znメッキ鋼板

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JPH0699834B2
JPH0699834B2 JP1195332A JP19533289A JPH0699834B2 JP H0699834 B2 JPH0699834 B2 JP H0699834B2 JP 1195332 A JP1195332 A JP 1195332A JP 19533289 A JP19533289 A JP 19533289A JP H0699834 B2 JPH0699834 B2 JP H0699834B2
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義博 川西
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、テンションパッド機を通板してもメッキ外観
を損なうことがない耐テンションパッド性に優れた電気
Znメッキ鋼板に関する。
(従来の技術) 鋼板ストリップをスリットする際、鋼板には所定の張力
が必要であるが、その際の張力付加方法として、テンシ
ョンパッド機を使用してテンションパッドにて鋼板を抑
え付けて引きぬく方法が広く一般的に使用されている。
しかし、このテンションパッド機に、硬度の低いZnメッ
キ鋼板を通すと、鋼板表面と接するテンションパッドに
より表面Znが削られ、鋼板が黒変し、またテンションパ
ッドキズが発生するなど、外観上の問題がある。通常、
このパッドはフェルトから作られている。
以下、このテンションパッドによる黒変、あるいは、キ
ズ付き易さを「テンションパッド性」と呼び、それに対
する抵抗性を「耐テンションパッド性」と呼ぶ。
このように鋼板が黒変し、テンションパッドキズが発生
すると、クロメート処理等の後処理をしたZnメッキ鋼板
においては、外観が劣化するのみならず、表面Znが削ら
れることにより、耐食性等の製品性能上の問題も生じ
る。そこで耐テンションパッド性に優れた表面処理鋼板
が望まれる。
従来、電気Znメッキ鋼板における耐テンションパッド性
の向上には、メッキ液中へ添加剤を入れることにより、
メッキのZn配向性を変える方法(特公昭63−60836号公
報)がある。この方法は、加工時に容易に剥離してしま
うZnのすべり面である(002)面への配向性を選択的に
抑えることにより、耐テンションパッド性を改善する方
法である。
また、クロメート処理、あるいは、樹脂コーティング等
の後処理により、鋼板表面の潤滑性を上げることによ
り、耐テンションパッド性を向上させる方法も考えられ
るが、このような、後処理による改善は、ユーザーにお
ける鋼板ストリップの使用用途を考えると、必ずしも好
ましいとは言えない。
(発明が解決しようとする課題) 従って、本発明の第1の目的は、後処理法を改善するこ
となく、電気Znメッキ鋼板自体の耐テンションパッド性
が改善された電気Znメッキ鋼板を提供することである。
かかる目的達成には、従来法のようにメッキ層のZnの配
向性を変えるだけでは十分とは言えない。そこで、本発
明の第2の目的は、パッドの材質や、パッド圧、あるい
は鋼板を引き抜くスピード如何によっても、耐テンショ
ンパッド性に優れた電気Znメッキ鋼板を提供することで
ある。
鋼板表面の潤滑性を上げるために鋼板表面にオイルを塗
布するいわゆるオイリング法も考えられるが、かかるオ
イリングをすることによっても著しくテンションパッド
性が劣化する場合がある。したがって、本発明の第3の
目的は、あらゆる条件下でも後処理することなく効果的
な耐テンションパッド性を完全に発揮できる電気Znメッ
キ鋼板を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、耐テンションパッド性に影響を与える因子
として、種々検討した結果、鋼板表面の粗さ(表面の形
状)が、耐テンションパッド性に対し、非常に大きな影
響を持っているという知見を得、さらに詳細に検討をし
た結果、鋼板表面粗度を、中心線平均粗さRaで0.9μm
以上、ピークカウントPPIで100以上有し、かつある程度
凹凸がはっきりした表面を有すること、つまり適度の凹
凸感をもっていることが、耐テンションパッド性に対し
て有効であることが判明した。
ここに、上述の鋼板表面の凹凸感を表す指標として、 を凹部残存率Dとおいた。本発明によれば、このD値が
0.125以上あると、耐テンションパッド性に対し有効で
ある。
即ち、本発明の要旨とするところは、電気Znメッキ鋼板
において、メッキ後の表面粗度を中心線平均あらさRaで
0.9μm以上、PPIで100以上を有し、かつ最大山高さか
ら4μmの地点で前記中心線に平行に切った時、その切
り口の直線のうち、メッキの凹部に対応する谷部の直線
の長さの総和をΣln、前記切り口の直線の測定長さを
L、下記の式により求めたDを凹部残存率とすると、 凹部残存率Dが0.125以上あることを特徴とする耐テン
ションパッド性に優れた電気Znメッキ鋼板である。
(作用) 次に、本発明を具体的に説明する。
まず、テンションパッド機を通すことにより、黒変、あ
るいはパッドキズが発生する正確な機構は、詳細は不明
であるが、テンションパッドによってやわらかい極く表
面のZnが削りとられ、このつぶれて削られた領域の面積
が目視でとらえられる程の割合で削られると黒変とな
る。さらに削られたZn粉が凝集していくとメッキ表面を
この凝集Znがキズを付け、このキズ部が多数集まるとテ
ンションパッドキズとなると推測される。
従って、本発明において表面粗度がテンションパッド性
に及ぼす作用は、以下の通りであると考えられる。
Raを0.9μm以上と規定するのは、Raを大きくすること
により、メッキ表面の凹凸が大きくなり、そのためテン
ションパッドにより削りとられたZn粉が、凹部にたまっ
たり、Zn粉の抜けがよくなるために、Zn粉の凝集が抑え
られるからである。従って、ある程度の黒変は起こるも
のの、Zn粉凝集による一層の黒変、テンションパッドキ
ズの発生は無くなるためである。好ましくは、Raは1.1
μm以上である。
PPI(Peak Per Inch)を100以上と規定するのは、PPIを
大きくすることにより、表面の山数、つまりテンション
パッドにより削られる面積を小さく、あるいは分散させ
ることができ黒変の発生を防止するためである。
また、耐テンションパッド性に対しては、Ra、PPIだけ
でなく、表面の形状、つまり凹凸感が非常に重要であ
り、それぞれ凹凸を大きくし、凸部をできるだけ少なく
することが有望であり、テンションパッドによって削ら
れる可能性のある領域をメッキ鋼板の最表層から、4μ
mの深さの領域であることを確認し、前述のD値(凹部
残存率)という概念を導入し、整理するとさらにテンシ
ョンパッド性が良好に整理できる。
第1図は、このD値の測定要領を説明する図であって、
鋼板断面図の表面部分を拡大した図である。表面凹凸の
チャートプロファイルにおいて最大山高さから下方(鋼
板内部方向)へ4μmの距離で基準線(中心線平均あら
さ測定のときの中心線)に平行な直線(測定直線とも記
載する)を引き、このときの谷部つまり測定直線が空間
を横切る部分の距離l1,l2,l3,l4,・・・・を合計
し(Σln)、それに対する測定長さつまり測定直線の長
さLの比を凹部残存率(D値)とするのである。
つまり、本発明にあっては上記定義の凹部残存率を用い
ることで鋼板の断面形状を規定するのである。
このD値で表される凹凸感については、D=0.125未満
というように、凹凸感が小さい、つまり鋼板の凹凸がそ
れぞれ小さいとテンションパッドにより削られたZnが谷
部にたまらずテンションパッドで持ち出され、Zn粉の鋼
板表面における凝集を進める結果となり好ましくない。
したがって、D値は0.125以上とする。好ましくはD値
は0.200以上である。
ところで、耐テンションパッド性に対するRa、PPI、D
値の上限は特になく、むしろ、製品としての二次加工性
あるいは外観(塗装後外観も含む)等から規定される。
ところで、本発明にかかる表面処理鋼板が所定の表面粗
度を得る方法としては、鋼板をダルロールにて圧延後、
電気Znメッキをする方法でも、メッキ後圧延する方法で
もどちらでもよいが、メッキ後圧延する方法は、メッキ
層を破壊するし、クロメート処理した電気Znメッキ鋼板
では、クロメート皮膜の破壊もあるため、耐食性、塗膜
密着性の劣化という問題が有り好ましくない。
なお、電気Znメッキ鋼板においては、メッキ後の表面粗
度(Ra、PPI)とメッキ前鋼板の表面粗度との間には、
ほとんど差は認められないため、冷延仕上げ段階で表面
粗度を調整すること、そのため冷延仕上ロールとして使
用するダルロールには、本発明において規定する表面粗
度のダルロールを使用することが望ましい。
また、そのとき使用される鋼板冷間仕上げ圧延用ダルロ
ールとしては、特に制限はなく、ロール加工方法として
もショットブラスト加工、放電ダル加工、レーザビーム
加工、電子ビーム加工等、いずれであってもよい。
使用できる鋼板としては、電気Znメッキ鋼板であるが、
クロメート処理等の後処理の有無は特に規定はない。
本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例) 電気Znメッキ鋼板の耐テンションパッド性を実験室で簡
便に評価できる方法として、JIS H 8503の耐摩耗性試験
方法で使用するテーバ式摩耗試験装置を用い、そのとき
摩耗輪に研磨紙のかわりに濾紙をはり付けて試験を行っ
た。一方、同じ電気Znメッキ鋼板を実際の製造ラインに
おいてテンションパッドにより張力を与え、そのときの
鋼板の耐テンションパッド性を評価した。その結果、第
2図に示すように、このラボテストの結果と実際の製造
ラインでのテストの結果の間には、非常に良好な相関が
認められることが判明した。
第2図における評点は次のような基準によって定めた。
従って、本発明による具体的な実施例として各種表面粗
度の異なる電気Znメッキ鋼板(Zn付着量20〜60g/m2)お
よびさらにクロメート皮膜を設けた電気Znメッキ鋼板を
前述したラボテストおよび一部実際の製造ラインでテン
ションパッドによる張力付加を行い、そのときの耐テン
ションパッド性の評価結果を第2表にまとめて示す。
また、第3図に第2表のラボ評点と表面粗度(PPIおよ
びRa)とを関連させてグラフで示す。なお、第1図の結
果からラボ評点と実際のラインでの耐テンションパッド
性の評点とは一致することが分かっているから、第3図
の結果もそのまま実際の製造ラインに当てはめて考える
ことができる。
これらの結果からも明らかなように、耐テンションパッ
ド性と表面粗度(Ra、PPI、D)の間には非常に良好な
相関が認められることが判明した。
また、具体的データでもって示さないが、クロメート皮
膜を設けた場合のCr付着量、Zn目付量あるいはダルロー
ルの加工方法の違いによる耐テンションパッド性の違い
も認められないことも判明した。
(発明の効果) 前述した通り、本発明によれば、電気Znメッキ鋼板にお
いて、表面粗度をRaで0.9μm以上、PPIで100以上、そ
してD値0.125以上とすることにより、特に後処理が施
こされても非常に耐テンションパッド性に優れることが
判明した。また、これまで適切な基準のなかった耐テン
ションパッド性について表面粗度による一定の基準を与
えることにもなり、本発明の産業上の有用性は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、凹部残存率の計測要領の説明図; 第2図は、実際の製造ラインにおける耐テンションパッ
ド性の試験結果と実験室における耐テンションパッド性
の試験結果との相関を示すグラフ;および 第3図は、表面粗度と耐テンションパッド性との相関を
示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気Znメッキ鋼板において、メッキ後の表
    面粗度を中心線平均あらさRaで0.9μm以上、PPIで100
    以上を有し、かつ最大山高さから4μmの地点で前記中
    心線に平行に切った時、その切り口の直線のうち、メッ
    キの凹部に対応する谷部の直線の長さの総和をΣln、前
    記切り口の直線の測定長さをL、下記の式により求めた
    Dを凹部残存率とすると、 凹部残存率Dが0.125以上あることを特徴とする耐テン
    ションパッド性に優れた電気Znメッキ鋼板。
JP1195332A 1989-07-27 1989-07-27 耐テンションパッド性に優れた電気Znメッキ鋼板 Expired - Lifetime JPH0699834B2 (ja)

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