JPH07101500B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁気記録媒体

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JPH07101500B2
JPH07101500B2 JP61043151A JP4315186A JPH07101500B2 JP H07101500 B2 JPH07101500 B2 JP H07101500B2 JP 61043151 A JP61043151 A JP 61043151A JP 4315186 A JP4315186 A JP 4315186A JP H07101500 B2 JPH07101500 B2 JP H07101500B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、高分子フィルム基板上にCo−Cr系強磁性合金
層が被着形成されてなる垂直磁気記録媒体に係り、特に
磁気ヘッドタッチや走行性等へ悪影響をおよぼすカー
ル、しわ等の発生を防止した垂直磁気記録媒体に関す
る。
(従来の技術) 近年、磁気記録媒体の媒体面に垂直な方向の残留磁化を
利用して磁気記録を行う垂直磁気記録方式が原理的に高
密度記録に適する方式として注目されている。
この垂直磁気記録に用いる垂直磁気記録媒体の代表的な
ものとしては、膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有する
Co−Cr系強磁性合金層を高分子フィルム上にスパッタリ
ングや蒸着により形成して磁性層としたものが知られて
いる。
このような垂直磁気記録媒体は、第1図に示すように、
ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリ
アミド等の耐熱性高分子フィルムからなる基板1と、こ
の基板1の少くとも一方の表面にCo−Cr系合金などから
なる強磁性合金層2を形成し、この強磁性合金層2上に
保護膜3および潤滑層4を順に設けて構成されており、
磁気テープやフロッピーディスクへの使用が考えられて
いる。
上記Co−Cr系強磁性合金層は一般にアルゴン雰囲気中で
通常のコンベンショナル・スパッタリング法あるいはマ
グネトロン・スパッタリング法で形成されている。そし
てこのようにして形成されたCo−Cr系強磁性合金層はC
軸に配向された柱状構成となり、磁気特性は主としてCo
−Cr系強磁性合金層の組成によって決まる飽和磁化Msの
他に膜面に垂直な磁気異方性エネルギーKu、膜面に垂直
方向の保持力Hc1がそれぞれ大きく高密度記録が可能と
なる条件を備えている。
しかしながら上述した製造方法によって所望の磁気特性
を有するCo−Cr系強磁性合金層を形成する場合、基板で
ある高分子フィルムを真空中で80〜200℃に加熱する必
要があり、このため第2図(a)、(b)に示したよう
な、高分子フィルム5と強磁性合金層6の熱膨脹係数の
違いに由来するカールを生じ、特に熱膨脹係数があまり
違いすぎるとしわが発生するようになる。このようなカ
ールやしわは磁気記録媒体と使用する際の磁気ヘッドタ
ッチや走行性等を悪くするという問題を引き起す。この
カール現象では、膜厚5000ÅのCo−Cr系強磁性合金層を
75μm厚の異なる線膨脹係数を有する高分子フィルムに
形成した場合、すなわち、高分子フィルムの片面のみに
磁性層を形成した場合、Co−Cr系強磁性合金層より線膨
脹係数の大きいフィルムは強磁性合金層6が外側になる
アウターカールを生じ、逆に線膨脹係数が小さい耐熱性
フィルムは強磁性合金層6が内側になるインナーカール
を生じる。Co−Cr強磁性合金層の形成は、通常、量産性
を考慮して、第3図に示すようなロール式連続スパッタ
リング装置を用いてCo−Crターゲット7a、7bと対向した
円筒状ロール8a、8bの周側面に沿って前後の供給ロール
9および巻取りロール10を用いて張力をかけながら高分
子フィルム12を走行させ、円筒状ロール8a、8bによって
高分子フィルム温度を制御しながら行われる。第3図中
の符号13a、13b、13cはフィルム転送のための補助ロー
ラである。この場合、80〜200℃という強磁性合金層の
成膜時の高い温度から成膜後室温にまで温度が変化する
際のCo−Cr合金層と高分子フィルムの収縮量が異なるた
め片面媒体の場合、Co−Cr系強磁性合金層(線膨脹係数
約11×10-6/℃)より線膨脹係数の大きい高分子フィル
ムでは、アウターカールを生じ、逆に線膨脹係数が小さ
いフィルムではインナーカールを生じることになる。
したがってカールのない媒体を作る方法として以下のよ
うな方法が考えられる。
高分子フィルムの両面に同じ厚さの磁性層を形成す
る(両面化媒体)。
磁性層と同程度の線膨脹係数を有する高分子フィル
ムを用いる。
高分子フィルムの磁性層と反対側の面に非磁性金属
層を形成する。
フロッピーディスクのような記録媒体を考えた場合、記
録容量を増加させる上での両面に磁性層を形成させる
ことが望ましいが、このためには片面づつ磁性層を被着
させる必要があり、片面に磁性層がついた状態では線膨
脹係数が複合化されたり、高分子フィルムの熱覆歴、熱
収縮性等の問題により高分子フィルム自体の線膨脹係数
が異なってくるため、同じ膜厚でカールをなくすること
は難しい。またの磁性層と同じ線膨脹係数の高分子フ
ィルムを用いる方法でも、高分子フィルムの熱覆歴、熱
収縮性等の熱的特性が非直線性を示すため難しい。さら
にの方法でもの場合と同様の問題があるうえに、被
着された非磁性層はカール防止以外に何の機能も持たな
いため、機能まで考慮したトータルコストが高くなると
いう問題があった。
また特開昭58−159243公報には基板の線膨脹係数を1.0
×10-5〜2.9×10-5/℃とし、キャン(ロール)の周側面
温度を150〜300℃とすることによりカールを防止するよ
うにした方法が開示されている。この方法では9〜26μ
mと薄い基板の上に片面に磁性層が形成されたものであ
り、またカールの値も4%以下とカール許容値の非常に
大きいものを対象としており、例えば3.5インチフロッ
ピーディスクの場合のように、0.6%以下でかつその等
方性も必要であるものには適用が難しい。
また基板フィルムの線膨脹係数として10×10-6〜29×10
-6/℃が示されているが、この値は蒸着時のロール温度
が150〜300℃と高く、フィルム走行速度が10m/minと速
い場合の例を示したものであって、温度範囲が80〜200
℃の通常の蒸着条件で使用される基板フイルムのものを
示したものではない。
いずれにしても磁気記録媒体においては、媒体のカール
やしわをなくすことが重要であるが、線膨脹係数の異な
る物質による複合フィルムにおけるカールやしわの発生
防止は、高分子フィルムの熱的挙動が前後の熱処理条件
で変化しやすいため非常に難しい。
本発明者はこのような従来の難点を解消すべく研究をす
すめたところ、高分子フィルムからなる基板上に、Co−
Cr系強磁性合金層を通常の加熱条件、すなわち温度範囲
80〜200℃で、かつロール走行速度を1〜20mm/minと遅
くしてロール温度とフィルム温度とをほぼ一致した状態
でスパッタまたは蒸着させる際に、高分子フィルムとし
てその線膨脹係数が4.5×10-6〜9.5×10-6/℃で、かつ
前記線膨脹係数が基板平面に関してほぼ等方的であるも
のを用いた場合に、直径85mmの円板状媒体としたときカ
ールの高さが2mm以下[(l0−l)/l0では0.6%以下。
ただし、l0:カールのない場合の媒体直径(85mm)(第
4図aを参照)、l:カールを生じた場合の最短媒体直径
(第4図bを参照)。以下同じ]となり、カールやしわ
が事実上解消することを見出した。
本発明はこのような従来の難点を解消すべくなされたも
ので、カールやしわの発生がなく磁気ヘッドタッチおよ
び走行性のよい垂直磁気記録媒体を提供することを目的
とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明の垂直磁気記録媒体は、高分子フィルムからなる
基板上に、強磁性合金層を被着形成させてなる垂直磁気
記録媒体において、前記基板の線膨脹係数が4.5×10-6
〜9.5×10-6/℃で、かつ前記線膨脹係数が基板平面に関
して等方的であることを特徴としている。
本発明に使用される高分子フィルムとしては、ポリイミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド等
の耐熱性高分子フィルムが適している。そして本発明に
はこれらの高分子フィルムのうち線膨脹係数が4.5〜9.5
×10-6/℃のものが使用される。このような線膨脹係数
を有する高分子フィルムは構成ポリマー分子の骨格調
整、共重合化及びその比率調整、合成時の反応方法、分
子量の調整、延伸率の調整、熱処理等により得ることが
できる。なおフロッピーディスクのような円板状で使用
される場合もあり、カール状態も等方的に無いことが望
まれるので、線膨脹係数は基板平面内で等方的なものが
使用される。
また本発明の強磁性合金層に使用される強磁性合金とし
ては、Co−Cr系強磁性合金が適しており、特にCrの含有
率が10〜30原子%のCo−Cr系強磁性合金が適している。
なお磁性層を例えばNi−Fe(原子%約80:20)軟磁性層
とCo−Cr強磁性層のような二層構造としたものでも、下
地層の線膨脹係数がCo−Cr強磁性層と著しく異ならない
場合には(Ni−Fe(80:20)の線膨脹係数は約12×10-6/
℃)、本発明を適用することができる。
ここで満足しうるカールとしては上記高さが2mm以下で
あり、(l0−l)/l0では0.6%以下に相当する。
また、この発明において線膨脹係数が基板平面に関して
実質的に等方的であるとは、線膨脹係数が基板平面に関
して等しい、もしくはカールの高さが各所で2mm以下で
ある、または(l0−l)/l0では0.6%以下に設定される
ものを意味する。上表に示した結果はCo−Cr合金層の厚
さを2000Åから7500Åまで、またフィルム厚を30μmか
ら100μmまで変化させてもほぼ同じであった。この場
合のロール温度はフィルムがロールと接触している時間
およびロール走行速度が1〜20mm/minと遅いことからほ
ぼフィルム温度と一致している。
また高分子フィルムを成膜前に一度10-5torrよりよい真
空中で100〜300℃の温度で5分〜1時間加熱処理するこ
とによってさらにカール防止の安定性を向上させること
ができる。この熱処理によって、熱覆歴性、熱収縮性な
どが解除され、次に熱を加える時の線膨脹特性が安定な
ものとなる。
(作 用) 本発明によってカールの発生がなくなることの理由は必
ずしも明確ではないが、磁性膜と高分子フィルムの厚
さ、ヤング率の違い、磁性膜の内部応力、高分子フィル
ムの熱膨脹特性の非直線性、高分子フィルムの熱変形
性、磁性膜との線膨脹係数の差等の影響を加味したと
き、通常のスパッタまたは蒸着条件である温度範囲80〜
200℃で磁性膜を形成する場合に、たまたまこの範囲で
カールの生じない[カールの高さが2mm以下[(l0−
l)/l0では0.6%以下]条件が現れたものと考えられ
る。なおカール防止の安定性は高分子フィルムを成膜前
に一度10-5torr以下の真空中で100〜300℃の温度で5分
〜1時間加熱処理することによってさらに向上させるこ
とができる。これは高分子フィルムの熱履歴の除去によ
る効果である。
すなわち、高分子フィルムの両面にCo−Cr系強磁性層を
温度範囲80〜200℃で形成される場合、従来例のような
磁性層と同等もしくはそれより大きな線膨脹係数の高分
子フィルムを用いるのではなく、本発明のような磁性層
の線膨脹係数よりわずかに小さい線膨脹係数の高分子フ
ィルムを用いることによってカールを抑制した磁気記録
媒体を得ることができる。
なお本発明はCo−Cr合金層の厚さを2000Åから7500Åま
で、またフィルム厚を30μmから100μmまで変化させ
ても同様の効果が得られる。
さらに本発明では、線膨脹係数が基板平面内でほぼ等方
的とされているので、わずかに生ずるカールも磁気記録
媒体の特性に影響をおよぼすようなことがほとんどな
く、特にフロッピーディスクのような円板状で使用する
場合に有利である。
(実施例) [実験例] まず第3図に示したロール式連続スパッタリング装置を
用いて、75μm厚さの高分子フィルムを10-5torrより低
い真空度の中で温度100〜300℃で5分間〜1時間加熱処
理した後、アルゴン雰囲気中でCo−Cr強磁性合金層を基
板の両面に5000Åの厚さに形成した。そして3.5インチ
のフロッピーディスク状に打ち抜き反り側を上にして平
坦なガラス板の上にのせ最外周部におけるガラス板から
離れている高さを測定することによりカール状態を評価
した。以上の方法を異なる線膨脹係数を有する高分子フ
ィルムに対してロール温度も変えて適用した結果を次表
に示す。
なお上表の線膨脹係数の値は一旦200℃程度に加熱した
後、室温まで冷却し、再度室温から200℃まで昇温させ
たときの平均線膨脹係数を示している。この測定は熱機
械分析装置を用いて乾燥窒素雰囲気中で昇温速度5℃/m
inで行った結果である。
なおこの実験においては、ロールと接触している時間お
よびロール走行速度が1〜20mm/minと遅いことからフィ
ルム温度はほぼロール温度と一致している。
上表の結果からCo−Cr合金層の磁気特性を確保するのに
必要なロール温度80〜200℃の磁性層形成温度範囲にお
いて、高分子フィルムの線膨脹係数を4.5〜9.5×10-6/
℃にすることによってカールおよびしわのない媒体が得
られることがわかる。
なおこの実験では、Co−Cr強磁性合金層の厚さを2000Å
から7500Åまで、またフィルム厚を30μmから100μm
まで変化させても同様の効果が得られた。
またカール防止の安定性は高分子フィルムを成膜前に一
度10-5torrより良い真空中で100〜300℃の温度で5分〜
1時間加熱処理することによってさらによくなる。これ
は、この熱処理によって、熱覆歴性、熱収縮性などが解
除され、次に熱をかける時の線膨脹特性が安定するため
である。
実施例1 基板として線膨脹係数が7.0×10-6/℃で等方的な厚さ75
μmのポリイミド系フィルムを用いて第3図に示すよう
なロール式連続スパッタ装置でCo−Cr系強磁性合金層の
形成前に10-7torrの真空中で200℃で40分間程度の加熱
処理を行うようなフィルム走行速度でフィルムを走行さ
せた。その後Co−Cr系強磁性合金層をアルゴン雰囲気中
でスパッタリング法により5000Åずつ両面に形成した。
このときのロール温度は150℃とした。この実施例の磁
気記録媒体のカール(高さ)は1mm以下であった。
実施例2 基板として線膨脹係数が7.0×10-6/℃で等方的な厚さ75
μmのポリイミド系フィルムを用いて、Co−Cr強磁性合
金層の厚さを3000Åに変えた以外は実施例1と同様の方
法で磁気記録媒体を作成した。この実施例のカールは1m
m以下であった。
実施例3 基板として線膨脹係数が6.8×10-6/℃でかつ等方的な厚
さ45μmのポリイミド系の耐熱性高分子フィルムを用い
た以外は、実施例1と同じ条件で磁気記録媒体を作成し
た。この実施例で作成した3.5インチ媒体のカールは1mm
以下であった。
比較例1 基板として、線膨脹係数が22×10-6/℃で等方的でない
厚さ75μmのポリイミド系フィルムを用いて実施例1と
同じ条件で磁気記録媒体を作成した。この比較例のカー
ルは6mmであった。
比較例2 基板として線膨脹係数が44×10-6/℃で等方的でない厚
さ75μmのポリイミド系フィルムを用いて実施例1と同
じ条件で媒体を作成した。この比較例では10mmのカール
が発生したほか著しくしわが発生した。
比較例3 基板として線膨脹係数が15×10-6/℃で等方性の悪い厚
さ75μmのポリエステルフィルムを用いて実施例1と同
じ条件で媒体を作成した。この比較例のカールは5mmで
あった。
[発明の効果] 以上の実施例からも明らかなように、本発明によれば、
通常のCo−Cr系強磁性合金層のスパッタまたは蒸着に用
いられる作業条件によってはカールやしわの発生がな
く、磁気ヘッドタッチ、走行性のよい垂直磁気記録媒体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は垂直磁気記録媒体を概略的に示す断面図、第2
図は片面磁性層の場合のカール状態を示す斜視図、第3
図は磁気媒体の製造に用いられる連続スパッタ装置を概
略的に示す図、第4図はカールの値を説明するための図
である。 1、5……高分子フィルム基板 2、6……磁性層 3……保護層 4……潤滑層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子フィルムからなる基板上に、Co−Cr
    系強磁性合金層を被着形成させてなる垂直磁気記録媒体
    において、 前記基板の線膨脹係数は前記Co−Cr系強磁性合金層の線
    膨脹係数よりも小さい4.5×10-6〜9.5×10-6/℃で、か
    つ前記線膨脹係数が基板平面に関して実質的に等方的で
    あることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】強磁性合金層は、高分子フィルムを80〜20
    0℃で加熱しつつスパッタリングにより形成されたもの
    である特許請求の範囲第1項記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】Co−Cr系強磁性合金が、Crの含有率が10〜
    30原子%のCo−Cr系強磁性合金である特許請求の範囲第
    1項または第2項記載の垂直磁気記録媒体。
JP61043151A 1986-02-28 1986-02-28 垂直磁気記録媒体 Expired - Lifetime JPH07101500B2 (ja)

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