JPH07103062B2 - アルキレングリコール類のクロロエチルビニルエーテルの製造方法 - Google Patents

アルキレングリコール類のクロロエチルビニルエーテルの製造方法

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JPH07103062B2
JPH07103062B2 JP21965787A JP21965787A JPH07103062B2 JP H07103062 B2 JPH07103062 B2 JP H07103062B2 JP 21965787 A JP21965787 A JP 21965787A JP 21965787 A JP21965787 A JP 21965787A JP H07103062 B2 JPH07103062 B2 JP H07103062B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は機能性高分子化合物の原料或いは架橋反応性高
分子化合物の原料として有用なアルキレングリコール類
のクロロエチル ビニル エーテルの新規な製造方法に
関する。
「従来技術」 モノエチレングリコール クロロエチル ビニル エー
テルで代表されるアルキレングリコール類のクロロエチ
ル ビニル エーテル(以下、CVE)と略す。)は反応
性の高いクロロエチル基とビニル基を有する為、種々の
高分子改質剤として用いられて来た。例えば、このビニ
ル基を利用して、ホモポリマー、或いはエチレン、スチ
レン又はアクリル酸誘導体等とのコポリマーを製造し、
側鎖として残るクロロエチル基を反応させることにより
違った性質のポリマーとしたり、又、ビニル基を残した
儘、クロロエチル基を何等かのポリマーに反応させ、し
かる後に紫外線や放射線により架橋させる事により、塗
料、インキ、接着剤等として利用されてきた。
しかし、アルキレングリコール類のCVEの製造方法とし
ては、驚くべき事に殆ど開示されておらず、僅かにZh.O
bshch.Khim.,4070頁に該当するアルキレングリコール類
のモノビニル エーテルに有機燐化合物を反応させ、こ
れにハロゲン化アルキルを反応させ製造する方法だけが
開示されている。
この有機燐化合物を用いる方法では、工程が複雑である
ために収率が低くなるだけでなく、高価且つ特殊な燐化
合物を用いる為、工業的に採用される方法とは云い難
い。
又、従来から、クロロエチル基を持つ化合物の脱塩化水
素により、ビニル基を持つ化合物を製造することは広く
知られているが、該クロロエチル基を2コ以上持つ化合
物からモノビニル化合物を製造するに当っては、通常の
脱塩化水素法では収率よく得ることが難しかった。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明者らは以上の点を考慮し、現在工業的に製造され
ている下記一般式[1]にて示されるアルキレングリコ
ール ジクロロエチル エーテル中の (ここに、R1、R2、R3及びR4は水素原子、メチル基又は
フェニル基を示し、nは1から20迄の正数を示す。) 1コのクロロエチル基からのみ脱塩化水素を効率良く行
なうべく、鋭意検討した結果、本発明に到達した。即
ち、本発明は上記一般式[I]にて示されるアルキレン
グリコール類のジクロロエチルエーテルとアルカリ金属
水酸化物、アルカリ金属及びアルカリ金属アルコラート
からなる群より選ばれる一種又は二種以上の化合物とを
反応させるに当り炭素数3乃至は10のアルコールを共存
させることを特徴とする、下記一般式[II]にて示され
(ここに、R1、R2、R3及びR4は前述と同じ基を、nは前
述と同じ範囲の正数を示す。) アルキレングリコール類のクロエチル ビニル エーテ
ルの製造方法である。
本発明方法に用いられる前記一般式[I]にて示される
化合物はアルキレングリコール単位が20以下のモノ以上
の置換又は未置換ポリアルキレングリコールの両末端の
水酸基がクロロエチル基で置換された化合物である。置
換基R1、R2、R3及びR4は前述した様に、水素原子、メチ
ル基又はフェニル基を示すが、R1とR2或はR3とR4が同時
にメチル基或はフェニル基でない方が好ましい。これら
の例として、モノ又はポリエチレンクリコール ジクロ
ロエチル エーテル、モノ又はポリプロピレングリコー
ル ジクロロエチル エーテル、モノ又はポリ(2,3−
ブチレングリコール)ジクロロエチル エーテル、モノ
又はポリスチレングリコールジクロロエチル エーテル
等及びこれらの混合物を例示出来る。
本発明で使用される脱塩化水素剤は前述した様に、アル
カリ金属水酸化物、アルカリ金属単体又はアルカリ金属
アルコラートである。アルカリ金属水酸化物としては、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化ルビジウム、水酸化セシウムを例示出来るが、工
業的に容易に入手出来る水酸化ナトリウム或いは水酸化
カリウムが好ましく用いられる。
アルカリ金属単体としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウム等が例示出来る。
更に、これらの金属アルコラートを構成するアルコール
成分としては、炭素数3乃至10のアルコールが好まし
く、更にこれらの炭素数を持った第2級或は第3級アル
コールがなお好ましい。
本発明方法を実施するに当たっては、炭素数3乃至10の
アルコールを共存させることが必須であるが、これらの
アルコールは脂肪族鎖状アルコール、或いは脂環族アル
コールであり、これらの例として、2−プロパノール、
2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノー
ル、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−ヘプタ
ノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、3−オ
クタノール、2−ノナノール、3−ノナノール等或いは
これらのアルキル置換体、シクロペンタノール、シクロ
ヘプタノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコー
ル或いはこれらのアルキル置換体、2,4−ペンタンジオ
ール、2,5−ヘキサンジオール等のジオール等を例示で
き、これらは単体或いは2種以上の混合物として使用出
来る。
これらのアルコールの共存によりCVEの収率が一般と高
められるについては詳細な理由は未だ解明されていない
が、アルカリ金属水酸化物或いはアルカリ金属単体と該
共存アルコールが反応系内で一部反応しアルコラートが
生成していることもその理由と推定される。
以上の様な理由から、上記のアルカリ金属アルコラート
を用いて本発明方法を実施する場合、共存させるアルコ
ールは必ずしも必要ではないが、使用する場合には該ア
ルコラートのアルコール成分と同じアルコールを共存さ
せると本反応実施後の目的物の分離がより簡単となる。
原料アルキレングリコール類のジクロロエチルエーテル
1モル当たりの上記に示すアルカリ金属化合物の使用量
はアルカリ金属水酸化物にあっては、0.3モル乃至は8
モルであり、好ましくは0.4モル乃至は4モルである。
又、アルカリ金属及びアルカリ金属アルコラートにあっ
ては、0.1モル乃至は4モル好ましくは0.2モル乃至は2
モルである。これらの上限を越えての使用は徒に副生物
を増加させるだけで、又、下限未満の使用量では反応が
進みにくく、共に好ましくない。
該反応にあっては、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ
金属が、このアルコールと反応しアルコラートとなり、
又アルカリ金属アルコラートを用いた場合にはそれがそ
のまま、脱離する塩化水素と反応後アルカリ金属塩化物
とアルコールとなり、更に上記と同じ反応が繰り返され
ると推定されるので、このアルコールの使用量はそれ程
多く共存させる必要はないが、その量は上記の3種のア
ルカリ金属化合物1モル当たり、0.1モル乃至は5モル
でよく、更に0.2モル乃至は2モルで十分である。下限
未満の共存量では、特に該水酸化物または該金属使用の
場合、本発明方法が示す効果が具現せず好ましくなく、
上限を越えての使用量はその必要がない。
本発明方法にあっては、もし必要なら、前記の原料に対
して不活性な溶媒を加えることができる。溶媒を添加す
ると、反応が穏やかになるだけでなく、生成する或いは
添加するアルコラートが細かく分散するので溶媒の添加
は好ましい。しかし、前記のアルコールの使用量を増加
させ、溶媒としての役目を果たせることも可能である。
この溶媒の使用量は該反応に必須の原料全体の重量に対
して、当重量から2倍重量が好ましい。当重量未満では
溶媒を添加した効果がはっきりと現れず、2倍重量を越
えての使用量は反応が遅くなったりして、共に好ましく
ない。
これらの溶媒として、ジオキサン、エチレングリコール
ジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド或いはベンゼ
ン等を例示できる。
本発明方法を実施するに当たり、アルキレングリコール
類のジクロロエチルエーテル、上記のアルカリ金属化合
物類、アルコール及び場合によっては溶媒を一括して加
えて反応を始めても良く、アルコールに予めアルカリ金
属化合物を加え、場合によっては加熱することによって
一部をアルコラートとなし更に必要なら溶媒を加え、ア
ルカリ金属化合物類を懸濁させた後、上記のクロロエチ
ルエーテル類を滴下・反応させることも出来る。
本方法にあって、反応温度は40℃以上180℃以下が好ま
しく、更に60℃以上90℃以下が尚好ましい。この反応は
通常大気圧下に行なえるが、使用する原料の沸点と反応
温度の関係から加圧下に行なうことも可能である。
この様にして反応を進めた後は、副生したアルカリ金属
塩を濾過等の公知の方法により分離し、得られた瀘液を
蒸留等の公知方法により精製すれば、容易にCVEを製造
することが出来る。
「実施例」 以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明方法を更に詳し
く説明する。尚、以下の記述に於いて「部」と記すのは
特に明記のない限り、重量部を示す。
実施例1 反応用のフラスコに2−メチル−2−プロパノール80.0
部に水酸化カリウム11.2部を加え、還流温度迄昇温し3
時間反応させた後、70℃に冷却した。その後、ジエチレ
ングリコール ジクロロエチルエーテル23.1部を30分か
けて滴下し反応させた。
滴下終了後、同一温度で更に4時間反応を続けた後、反
応を終了した。
この後、反応混合物を室温迄冷却し、副生した塩を瀘別
し、瀘液を理論段数4段の蒸溜装置で蒸溜分離を行い、
圧力1mmHgにて沸点93.5℃の溜分9.5部を得た。このもの
のガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は9
9.1%であった。
この溜分を赤外分光装置で分光分析し、得たスペクトル
を解析した所、3100cm-1、1620cm-1にビニル基、1200cm
-1にビニルエーテル基、、1120cm-1に脂肪族エーテル
基、740cm-1、660cm-1に塩素−炭素結合に基づく吸収が
認められることが判明し、同様に質量分析装置での分析
の結果、主イオンよりの分子量が194.5であり、フラグ
メントより当該分子中の塩素の数は1コであることが判
明した。以上の分析結果から総合的に判断し、該溜分が
ジエチレングリコール クロロエチル ビニル エーテ
ルであると判定した。
これらの結果、ジエチレングリコール クロロエチル
ビニル エーテルが反応率86.2%、選択率56.6%及び収
率48.8%で得られたことが判明した。
実施例2 反応容器中でカリウムと2−メチル−2−プロパノール
からのアルコラート11.2部を2−メチル−2−プロパノ
ール80.0部に懸濁させ70℃まで昇温させた。その後、ジ
プロピレングリコールジクロロエチルエーテル25.9部を
30分かけて滴下反応させた。反応終了後、反応液を取り
出し副生した塩を瀘別し、瀘液を理論段数4段の精溜塔
を有する蒸溜装置で蒸溜分離した。
ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度98.2%
の目的物と思われるこの溜分が得られた。実施例1と同
様に赤外分光分析の結果、このもののスペクトルにはビ
ニル基、メチレン基、メチン基、メチル基及び炭素−塩
素結合に由来するピークが存在し、又、質量分析の結
果、計算される分子量が222.5であった事から、この溜
分がジプロピレングリコール クロロエチル ビニル
エーテルである事が判明した。
蒸溜後のこの溜分は12.2部であり、又、6.1部の原料が
回収された。原料ジクロロエチル エーテルの反応率は
76.6%であり、目的物の収率は54.8%であり、選択率は
71.5%であった。
実施例3 オートクレーブに1−メチル−1−エタノール12.0部、
ベンゼン80.0部及び水酸化カリウム11.2部を入れ、100
℃迄加熱して2時間反応させた後このオートクレーブを
冷却、開封し、1,11−ジクロロ−4,5.7,8−テトラメチ
ル−3,6,9−トリオキサウンデカン28.7部を加え、この
オートクレーブを再び封じた後、70℃にて4時間加熱反
応させた。
反応終了後、副生塩を瀘別し、瀘液を理論段数4段の精
溜塔を有する蒸溜装置で蒸溜分離した。
この溜分はガスクロマトグラフィーによる分析の結果、
純度97.9%の目的物と思われた。更に赤外分光分析によ
り解析した結果、ビニル基、メチル基、メチレン基、メ
チン基及び塩素−酸素結合がこのものに存在している事
が判明し、質量分析の結果、このものが11−クロロ−4,
5,7,8−テトラメチル−3,6,9−トリオキサウンデセン−
1であると断定された。
この目的化合物の反応率は83.9%、収率は38.1%、選択
率は45.4%であった。
実施例4 80部のトルエンに金属カリウム7.8部と2−メチル−2
−プロパノール15部をオートクレーブに封入し、ゆっく
りと150℃迄昇温・反応させた。2時間後冷却・開封
し、38.3部の1,11−ジクロロ−5,8−ジフェニル−3,6,9
−トリオキサウンデカンを加え、再び封じて100℃にて
4時間加熱・反応させた。
この後、実施例1に記載されたものと同様の方法で処理
し、分析した結果、蒸溜溜分が実質的に11−クロロ−5,
8−ジフェニル−3,6,9−トリオキサウンデセン−1であ
ることが判明した。反応率は98.2%、選択率39.7%そし
て収率は39.0%であった。
実施例5〜8 第1表に示す原料を用い、同表に示す反応条件で実施例
1記載の方法を繰返し、その結果を第3表に示した。
比較例1 アルコールを共存させず、第1表に示す原料を用い、同
表に示す反応条件で実施例1記載の方法を繰返し、その
結果を第3表に示した。
実施例9〜10 第1表に示す原料を用い、同表に示す反応条件で実施例
2記載の方法を繰返し、その結果を第3表に示した。
実施例11 第2表に示す原料を用い、同表に示す反応条件で実施例
3記載の方法を繰返し、その結果を第3表に示した。
比較例2 アルコールを共存させず、第2表に示す原料を用い、同
表に示す反応条件で実施例3記載の方法を繰返し、その
結果を第3表に示した。
実施例12 第2表に示す原料を用い、同表に示す反応条件で実施例
4記載の方法を繰返し、その結果を第3表に示した。
比較例3 アルコールを共存させず、第2表に示す原料を用い、同
表に示す反応条件で実施例4記載の方法を繰返し、その
結果を第3表に示した。
第3表の結果を比べれば、明らかな様に、前述の如き特
定のアルコールを添加しなければ、本反応の収率が低下
することが明らかである。
「発明の効果」 本発明方法は特定のアルコールを共存させることにより
高分子化合物に機能性或いは架橋改質性を与え得るアル
キレングリコール類のクロロエチル ビニル エーテル
を能率よく製造することが出来る新規な製法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[I]にて示される (ここに、R1、R2、R3及びR4は水素原子、メチル基又は
    フェニル基を示し、nは1から20迄の正数を示す。) アルキレングリコール類のジクロロエチル エーテルと
    アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属及びアルカリ金属
    アルコラートからなる群より選ばれる一種又は二種以上
    の化合物とを反応させるに当り、炭素数3乃至は10のア
    ルコールを共存させることを特徴とする、下記一般式
    [II]にて示される (ここに、R1、R2、R3及びR4は前述と同じ基を、nは前
    述と同じ範囲の正数を示す。) アルキレングリコール類のクロロエチル ビニル エー
    テルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記アルコールが第2級又は第3級アルコ
    ールである特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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