JPH07106897B2 - 酸化物系超電導材料の製造方法 - Google Patents

酸化物系超電導材料の製造方法

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JPH07106897B2
JPH07106897B2 JP62210946A JP21094687A JPH07106897B2 JP H07106897 B2 JPH07106897 B2 JP H07106897B2 JP 62210946 A JP62210946 A JP 62210946A JP 21094687 A JP21094687 A JP 21094687A JP H07106897 B2 JPH07106897 B2 JP H07106897B2
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alkoxide
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は酸化物系超電導材料の製造方法に関する。
[従来の技術] 従来から知られている超電導材料としては金属系のもの
が最も一般的であり、その中でNb3Geが23.2Kという最高
の超電導転移温度(臨界温度)を有するものであった。
一方、金属酸化物系超電導材料は一般に金属系のものよ
りも臨界温度が低く、最高の臨界温度を有するBaPb1-xB
ixO3でもせいぜい13K程度であった。
ところが、最近臨界温度の高い酸化物系超電導材料とし
てLa−Sr−Cu−O系の材料(約40K)およびY−Ba−Cu
−O系の材料(約90K)が見出され、高温超電導材料開
発ブームをまきおこしている。
これらの酸化物系超電導材料の製造方法としては、「ツ
ァイトシュリフト・ヒュア・フィジーク・ビー −コン
デンスド・マター(Zeitschrift fr Physik B−Conde
nsed Matter),Vol.64,P189(1986)」、「ジャパニー
ズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス(Japa
nese Journal of Applied Physics),Vol.26,No.3,PL19
6(1987)および同Vol.26,No4,PL314(1987)」などに
見られるように、いわゆる乾式(粉末)法と共沈法とが
一般に広く行なわれている。
乾式法は、La、Y、Ba、Sr、Cuなどの酸化物や炭酸塩の
粉末試薬を乳鉢やミルを用いて機械的に混合したのち焼
成して、酸化物の焼結体をうるという方法である。
また共沈法は、上記のような各金属の硝酸塩を水溶媒中
に均一に混合溶解させたのち、しゅう酸やアンモニアな
どを添加してそれぞれの混合沈澱物を同時にうるという
方法である。
さらに、それぞれの元素を金属アルコキシドとして用い
るアルコキシドプロセスによって酸化物系超電導材料を
うる方法も検討されている。
[発明が解決しようとする問題点] 前記のごとき従来から行なわれている乾式法では、用い
る各粉末の純度が特級試薬であっても98〜99.9%(重量
%、以下同様)程度とさほど高くないため、焼成後の超
電導材料に不純物が混入してしまうことおよび各粉末の
単なる機械的な混合では混合状態の均一化に限界があっ
て真に均一に混合させることができないため、焼成後の
超電導材料に高温超電導相以外の有害な相が混在するこ
となどの欠点がある。そのため、乾式法で製造された酸
化物系超電導材料では、臨界温度の低下、転移幅の増大
および臨界電流密度が小さいことなどの超電導特性のわ
るいものしかえられないことは不可避である。
一方、共沈法では、混合水溶液をアルカリ性にしないと
アルカリ土類金属イオンが沈澱しにくいので、アルカリ
土類金属イオンを沈澱させやすくするためにアンモニア
などが添加されるが、アンモニアなどを添加すると銅が
錯イオンとなって沈澱しにくくなるという欠点がある。
そのため、共沈法は所定の目的とする組成の酸化物系超
電導材料をうるには不適当であることが、最適指摘され
ている(「応用物理、第56巻、第5号、P606(1987)」
など)。したがって、共沈法によっても超電導特性のよ
い焼結体がえがたいという問題がある。
またアルコキシドプロセスには、一般に金属アルコキシ
ドは溶媒に溶解しにくく、なかにはほとんど溶解しない
ものがあり、取扱いにくく、均質な混合物をえにくいと
いう問題がある。
本発明は上記のような問題点を解消するためになされた
ものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、従来の方法に比べて超電導状態に転移する温
度(臨界温度)が高く、その転移温度幅が狭く、かつ臨
界電流密度(臨界温度以下での電流密度)を大きくとれ
るなどの超電導特性の優れた酸化物系超電導材料を製造
する方法を提供するためになされたものであり、周期律
表II a族元素のうちのMg、Ca、SrおよびBaから選ばれた
1種以上の元素、III a族元素のうちのSc、Yおよびラ
ンタノイドから選ばれた1種以上の元素ならびにCuの合
計少なくとも3種の元素を含む均質な溶液、分散液また
は懸濁液であって、前記少なくとも3種の元素のうちの
少なくとも1種の元素の少なくとも一部をX-(Xはハロ
ゲン原子)を有する金属アルコキシドとして含有し、の
こりを金属アルコキシドとして含有する均質な溶液、分
散液または懸濁液に含まれる金属アルコキシドならびに
X-(Xはハロゲン原子)を有する金属アルコキシドを、
アルカリを添加して加水分解させたのち、酸を添加して
生成させた混合物が含まれたものを中性にし、つぎに該
混合物を洗浄し、えられた混合物を焼成することを特徴
とする酸化物系超電導材料の製造方法に関する。
[作 用] 本発明では、使用される金属アルコキシドのうちの少な
くとも1種の少なくとも一部を、X-(Xはハロゲン原
子)を有する金属アルコキシドとして使用するため金属
アルコキシドの溶解性が改良され、有機溶媒中に均質に
混合させることができる。この均質混合物にアルカリを
添加することによって金属アルコキシドを加水分解し、
ゾルからゲルを経て金属の水和物(水酸化物)、酸化物
の粒子などを生成させるため、均質な金属の水和物、酸
化物の粒子などの混合物がえられる。さらに、えられた
均質な混合物が含まれたものに酸を添加して中性にした
のち洗浄するので、ハロゲンイオンやアルカリ金属イオ
ンなどを充分に除去することができる。したがって、こ
の混合物を焼成すると良好な超電導特性を有する酸化物
系超電導材料がえられる。
なお、本発明の方法でえられた加水分解生成物はX線分
析法によると一般に金属の水和物でアモルファスである
ことが多いが、焼成によってすべて金属酸化物になるこ
とが実験により確認されている。
[実施例] 本発明に用いる金属アルコキシドは、Mg、Ca、Sr、Ba、
Sc、Y、ランタノイドまたはCuからのアルコキシドであ
って、少なくとも一部はX-(Xはハロゲン原子、以下同
様)を有する金属アルコキシド(以下、特定の金属アル
コキシドという)として含有される。
前記金属アルコキシドまたは特定の金属アルコキシドを
形成するアルコキシ基の炭素数はいくつのものであって
も、また多価アルコールからのアルコキシ基であっても
用いることができる。このようなアルコキシ基の好まし
い具体例としては、たとえばメトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第3級
ブトキシ基、第2級ブトキシ基などがあげられるが、こ
れらに限定されるものではない。
本発明における特定の金属アルコキシドは、たとえば前
記金属アルコキシドの溶液、分散液または懸濁液にX-
生ずるHX、X2のごとき物質を金属アルコキシドのモル数
に対して10〜100%モル数、好ましくは20〜80%モル数
程度添加して室温付近で混合したり、金属または金属塩
化物などとメタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、ペン
タノール、ヘキサノールなどのアルコールとを反応させ
て金属アルコキシドの製造する際に前記HX、X2などをア
ルコールの重量に対して1/2倍以下の範囲で共存せしめ
て反応させることによって製造することができる。
このような特定の金属アルコキシドの構造などにはとく
に限定はなく、金属元素にアルコキシ基が少なくとも1
つ結合しており、X-を有するものであるかぎり使用しう
る。
上記のようにしてえられる特定の金属アルコキシドは、
推測ではあるがたとえばつぎの式で示されるようなもの
であると考えられる。
Y(OCH33-xClx La(OCH33-xBrx Ba(OC2H52-xBrx Sr(OC2H52-xClx Cu(OCH32-xClx なお、特定の金属アルコキシドは金属アルコキシドに比
してエタノール、イソプロパノール、ブタノール、メタ
ノール、テトラヒドロフラン、エーテルなどへの溶解性
が著しく改善され、均質混合物の調製が容易になる。し
かしアルコキシ基がなくなると加水分解しにくくなる。
本発明においては、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれた1
種以上の元素を含む金属アルコキシドおよび(または)
特定の金属アルコキシド、Sc、Yおよびランタノイドか
ら選ばれた1種以上の元素を含む金属アルコキシドおよ
び(または)特定の金属アルコキシドならびにCuの金属
アルコキシドおよび(または)特定の金属アルコキシド
を含む均質な溶液、分散液または懸濁液であって、前記
金属のうちの少なくとも一種が特定の金属アルコキシド
として含有される液が調製される。
前記金属のうちのどの金属を特定の金属アルコキシドと
して含有せしめるかについてはとくに限定はないが、特
定の金属アルコキシドにすると溶解性が著しく大きくな
るため、溶解性の低い金属アルコキシドを特定の金属ア
ルコキシドとして使用するのが好ましい。
所定の特定の金属アルコキシドを含む混合液を調製する
方法にはとくに限定はないが、たとえば1種の金属を特
定の金属アルコキシドとして使用したいばあいには、該
金属のアルコキシドの分散液または懸濁液を調製したの
ち、HX、X2などを所定量加えて特定の金属アルコキシド
を形成し、ついで他の金属アルコキシドを加えて混合液
にしてもよく、金属アルコキシドの所定量が特定の金属
アルコキシドになるように調節して製造したアルコキシ
ドを他の金属アルコキシドとともに溶解、分散または懸
濁せしめて調製してもよい。もちろん、すべての金属ア
ルコキシドを分散または懸濁せしめたのちHX、X2などを
加えて特定の金属アルコキシドを含む溶液、分散液また
は懸濁液にして使用してもよい。
混合液中における金属アルコキシドと特定の金属アルコ
キシドとの比率にはとくに限定はなく、混合液が均質な
溶液、分散液または懸濁液として使用しうるかぎりいか
なる比率でもよいが、通常金属アルコキシド/特定の金
属アルコキシドの割合がモル比で1/1以下であるのが好
ましい。
なお、本明細書にいう均質とは、溶液のように完全な均
一なばあいのみならず乳化物や分散物のように実質的に
均一なものとして使用しうる状態であることも含む概念
である。
また、Hg、Ca、SrおよびBaから選ばれた1種以上の元素
のアルコキシド(以下、II a族系アルコキシドとい
う)、Sc、Yおよびランタノイドから選ばれた1種以上
の元素のアルコキシド(以下、III a族系アルコキシド
という)ならびにCcアルコキシドを混合する割合にもと
くに限定はなく、目的とする酸化物系超電導材料がえら
れるかぎりいかなる組成割合で混合してもよいが、たと
えばIII a族元素としてYを用いるばあいにはII a族系
アルコキシド/Yアルコキシド/Cuアルコキシド=2〜10/
1/3〜10(金属の原子比)程度で混合するのが好まし
く、またIII a族元素としてLaを用いるばあいには(II
a族系アルコキシド+Laアルコキシド)/Cuアルコキシド
=2/1(金属の原子比)程度で混合するのが好ましい。
なおII a族系アルコキシドとLaアルコキシドとの金属の
原子比率にはとくに限定はない。
前記溶液、分散液または懸濁液の調製に使用しうる溶媒
としては、たとえばメタノール、エタノール、イソプロ
パノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテルなど
があげられる。
本発明においては、このようにしてえられた溶液、分散
液または懸濁液に含まれる所定の金属アルコキシドおよ
び特定の金属アルコキシドを、アルカリを要すれば水と
ともに添加することによって加水分解させる。該アルカ
リの添加量にはとくに限定はなく、溶液、分散液または
懸濁液のpHを7〜13、さらに8〜9.5にするような量が
好ましい。
前記アルカリにはとくに限定はなく、その具体例として
は、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニア、水酸化リチウム、水酸化バリウム、水酸化マグ
ネシウムなどがあげられる。
加水分解を行なう際の金属アルコキシドおよび特定の金
属アルコキシドの濃度、水の量、加水分解する際の条件
などにはとくに限定はない。たとえば加水分解する際の
水の添加量は、金属アルコキシドを加水分解しうる化学
量論量よりも過剰であればよいが、大過剰であるのが好
ましく、温度は60゜程度以上であるのが好ましい。
元素によっては加水分解生成物が金属酸化物であるばあ
いもあるが、一般にはアモルファス状の水和物(水酸化
物を含む)であることが多く、これらは焼成によって比
較的低温(200〜500℃)で金属酸化物になるものが大部
分である。
つぎに、このようにして調製された加水分解生成物の混
合物は、超電導特性に好ましくない影響を与えるアルカ
リ金属イオン、ハロゲンイオンなどを除去するため、該
混合物が含まれたものに、酸が要すれば水とともに添加
されて中性にされたのち、蒸留水やイオン交換水、さら
にはメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン
のように水とよく混合する有機溶媒を添加した含水溶媒
などで洗浄される。
前記のごとく酸の添加による中性化を行なったのち洗浄
することにより、最終焼結体中に混入するハロゲンイオ
ンやアルカリ金属イオンなどの不純物を、酸を添加しな
いでそのまま洗浄したばあいよりもさらに減少させるこ
とができる。
前記酸にはとくに限定はなく、その具体例としては、た
とえば酢酸などの他のカルボン酸、硫酸、炭酸、塩酸、
硝酸などがあげられる。これらの酸のなかでは、酢酸が
ハロゲン原子やイオウ原子を含有せず、かつ酸化性がな
いのでとくに好ましい。
えられた加水分解生成物の混合物(金属酸化物または水
和物)が含まれているものが液状のばあいには、過・
乾燥後水などで洗浄する、溶媒を蒸発させたのち洗浄す
る、遠心分離・溶媒を加える操作を繰返すなどすること
によって洗浄される。またゲル状のばあいには、そのま
ま洗浄する、ばあいによっては溶媒を蒸発させたり、
過・乾燥後洗浄するなどすることによってアルカリ金属
イオン、ハロゲンイオンなどの除去がはかれる。
えられた洗浄済の混合物は焼成され、酸化物系超電導材
料が製造される。
前記焼成条件(温度、回数、雰囲気など)にはとくに限
定はなく、通常、800〜1000℃、好ましくは900〜950℃
で2時間以上、好ましくは4時間以上のごとく条件が採
用される。なお、焼成する際に、えられた加水分解生成
物の混合物を800〜1000℃、好ましくは900〜950℃で2
時間以上、好ましくは4時間以上仮焼し、つぎに粉砕し
たのち成形して850〜1000℃、好ましくは900〜950℃で
2時間以上、好ましくは4時間以上本焼成(焼結)させ
てもよい。
成形時にかける圧力にもとくに限定はないが高い方が好
ましく、通常、0.5kg/cm2−G以上が好ましい。焼成時
の雰囲気はいずれも酸素雰囲気中、空気中などを用いる
ことができるが、超電導特性の良好な材料をうるために
は酸素が豊富な雰囲気が好ましい。
焼成後の冷却条件にもとくに限定はなく、ヒビが入った
りなどしない限り空気中で自然放冷させたり、酸素気流
中、5時間程度で冷却させたりすればよい。
つぎに本発明の方法を実施例に基づき説明する。
実施例1および比較例1 Laプロポキシド 18mmolに1N HBrインプロパノール溶液
9mlを添加したイソプロパノール溶液100ml(一部は分
散)を調製した。また、Srエトキシド 2mmolに1N HCl
エタノール溶液1mlを添加したエタノール溶液100ml(一
部は分散)を調製した。さらにCuメトキシド 10mmolに
1N HIメタノール溶液5mlを添加したメタノール溶液100m
l(一部は分散)を調製した。
目的とする酸化物系超電導材料の組成が (La0.9Sr0.12CuO4となるように、3つの溶液に均質
に混合した。金属アルコキシドは合計30mmol、溶媒は合
計300mlであった。この溶液(一部は分散)を80℃に調
節したのち、NaOH 1gが添加された大過剰のイオン交換
水(100ml)を1時間かけて滴下しながら加水分解を行
なったところ、ゲル状の黒茶色沈澱が生成した。つい
で、この液が中性を示すまで酢酸を添加したのち、イオ
ン交換水で充分(洗浄後のNaの炎色反応を示さなくなる
まで)洗浄し、乾燥した。えられた乾燥物をX線回折装
置を用いて分析したところ、La、Sr、Cuの各水酸化物の
混合物を主成分とし、各酸化物、アモルファス状物を含
有するものであることが判明した。
沈澱の乾燥物を空気中、910℃で2時間仮焼し、多孔質
の仮焼物をえた。これを乳鉢で粉砕したのち、錠剤成形
機を用いて直径10mm、厚さ1.5mmのペレットに成形し
た。このペレットを再び酸素気流中、920℃で7時間焼
結して緻密な焼結体をえた。
比較のため、いずれも試薬特級を使用してLa2O3、SrC
O3、CuOの粉末の混合物を前記と同一のプロセスで仮焼
および焼結を行ない、従来の乾式法による焼結体を作製
した(比較例1)。
えられた2種のサンプルにそれぞれインジウムを用いて
1.5mm間隔で4つの電極を形成してクライオスタット中
に入れ、液体ヘリウムで徐々に冷却しながら4端子法に
よって各サンプルの抵抗率の温度変化を測定した。結果
を第1図に示す。
第1図において、曲線(A)は本発明の方法、曲線
(B)は従来の乾式法によるサンプルの特性である。各
サンプルの抵抗率が超電導状態へ向けて急激に低下し始
める温度(オンセット)、完全に抵抗率が0となる温度
(オフセット)および両者の差(転移幅)を第1表にま
とめて示した。また、超電導状態(4.3K)において各サ
ンプルへの印加電圧を上げることによって流れる電流値
を徐々に上昇させ、超電導状態が破れて常電導状態に移
行する際の臨界電流密度を求め、第1表に示した。
第1図から明らかなように、本発明の方法による酸化物
系超電導材料は、従来の乾式法によるものと比べると冷
却にともなって急激に抵抗率が0、すなわち超電導状態
に転移する。
第1表の結果から、本発明の製造方法による酸化物系超
電導材料は、従来の乾式法によるものと比べて抵抗率が
完全に0となる温度が高いばかりでなく、常電導状態か
ら超電導状態への転移幅が非常に小さく、かつ臨界電流
密度が非常に大きいという実用上極めて有利な特性を有
するものであることがわかる。これに対して、従来の乾
式法によるものは、オフセット温度、転移幅、臨界電流
密度のいずれについても不充分な特性しか有さないもの
であることがわかる。
実施例1および比較例1の焼結体サンプルについて、X
線回折法などにより構造解析を行なったところ、本発明
の方法によるものは、いわゆるほぼK2NiF4型の(La0.9S
r0.12CuO4のほぼ均一な単相からなる焼結体であるこ
とが判明した。一方、従来の乾式法によるものは、K2Ni
F4型の相以外にABO3(A、Bは金属元素)型のペロブス
カイト構造やその他の相が比較的多く混在していること
が判明した。したがって、第1図および第1表に示した
ように従来の乾式法による酸化物系超電導材料の特性が
良好でない原因は、上記の組成的なずれなどが影響して
いると考えられる。
本発明の方法による加水分解によって生成するゲル状の
La、Sr、Cuの混合水酸化物を主成分とするものおよびそ
の200〜500℃程度の温度での焼成物は、それぞれ数10〜
数100Å程度の純粋で均一な超微粒子からなることが分
析(走査型電子顕微鏡による観察)により判明した。す
なわち、このような性質が目的とする組成の焼結体をう
るために有効に作用するものと推察される。
実施例2および比較例2 Yメトキシド 10mmolに1N HClメタノール溶液3mlを添
加したメタノール溶液100ml(一部は分散)を調製し
た。また、Baエトキシド 20mmolに1N HBrエタノール溶
液10mlを添加したエタノール溶液100ml(一部は分散)
を調製した。さらに、Cuメトキシド 30mmolに1N HClメ
タノール溶液15mlを添加したメタノール溶液200ml(一
部は分散)を調製した。
目的とする酸化物系超電導材料の組成がYBa2 Cu3 O7
なるように、3つの溶液を均質に混合した。金属アルコ
キシドは合計60mmol、溶媒は合計400mlであった。この
溶液(一部は分散)を80℃に調節したのち、KOH 1gを添
加した大過剰の蒸留水200mlを1時間かけて滴下して加
水分解を行ない、その混合生成物のゲルをえた。ついで
このゲルが含まれた液が中性を示すまで硝酸を添加した
のち、ゲルを蒸留水で充分(別したゲルを3の水で
繰返し)洗浄した。水洗されたゲルを空気中、500℃で
2時間予備焼成したのち酸素気流中、950℃で3時間仮
焼し、粗い仮焼物をえた。えられた仮焼物を粉砕したの
ち実施例1と同様にしてペレット状サンプルを成形し
た。このペレットを酸素気流中、950℃で7時間焼結を
行ない、緻密な焼結体をえた(実施例2)。
比較のため、実施例1のばあいと同様にY2O3、BaCO3、C
oOを用いて従来の乾式法によるサンプルを作製し、上記
と同様に仮焼および焼結プロセスを経て焼結体をえた
(比較例2)。
えられた2種のサンプルについて実施例1と同様の方法
で抵抗率の温度変化および臨界電密度を測定した。結果
を第2図および第2表に示す。
第2図において、曲線(C)は本発明の方法、曲線
(D)は従来の乾式法によるものの特性である。なお臨
界電流密度は液体チッ素温度(77.4K)における値を示
した。
第2図および第2表の結果から、本発明の製造方法によ
る酸化物系超電導材料は従来の乾式法によるものと比べ
ると超電導状態になる臨界温度が高く、転移幅が狭く、
かつ臨界電流密度が大きいという実用上極めて優れた超
電導特性を有することがわかる。これに対して従来の乾
式法によるものは臨界温度、転移幅、臨界電流密度が不
充分な特性しか有さないものであることがわかる。
従来の方法による酸化物系超電導材料が良好な特性を示
さない理由は、実施例1と同様のX線回折などの分析の
結果、高温超電導相以外の有害相を比較的多く含有する
ことによることがわかった。
なお、実施例1〜2でえられたサンプルについてその磁
化率を測定したところ、それぞれの抵抗率が0になる温
度以下ではいずれもマイスナー効果を確認した。
[発明の効果] 本発明の方法によると、転移温度が高く、転移幅が狭
く、かつ臨界電流密度の大きな酸化物系超電導材料を製
造することができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図ならびに第2図は、それぞれ本発明の実施例1お
よび比較例1ならびに実施例2および比較例2でえられ
た酸化物系超電導材料の抵抗率と温度との関係を示すグ
ラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 39/12 ZAA C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期律表II a族元素のうちのMg、Ca、Srお
    よびBaから選ばれた1種以上の元素、III a族元素のう
    ちのSc、Yおよびランタノイドから選ばれた1種以上の
    元素ならびにCuの合計少なくとも3種の元素を含む均質
    な溶液、分散液または懸濁液であって、前記少なくとも
    3種の元素のうちの少なくとも1種の元素の少なくとも
    一部をX-(Xはハロゲン原子)を有する金属アルコキシ
    ドとして含有し、のこりを金属アルコキシドとして含有
    する均質な溶液、分散液または懸濁液に含まれる金属ア
    ルコキシドならびにX-(Xはハロゲン原子)を有する金
    属アルコキシドを、アルカリを添加して加水分解させた
    のち、酸を添加して生成させた混合物が含まれたものを
    中性にし、つぎに該混合物を洗浄し、えられた混合物を
    焼成することを特徴とする酸化物系超電導材料の製造方
    法。
JP62210946A 1987-08-24 1987-08-24 酸化物系超電導材料の製造方法 Expired - Lifetime JPH07106897B2 (ja)

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