JPH0710894A - ビニルエステルホスホニウム塩化合物およびその製造方法 - Google Patents

ビニルエステルホスホニウム塩化合物およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0710894A
JPH0710894A JP15384093A JP15384093A JPH0710894A JP H0710894 A JPH0710894 A JP H0710894A JP 15384093 A JP15384093 A JP 15384093A JP 15384093 A JP15384093 A JP 15384093A JP H0710894 A JPH0710894 A JP H0710894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
alkyl group
vinyl ester
salt compound
phosphonium salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15384093A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Hashimoto
一吉 橋本
Yoshiko Inaba
佳子 稲葉
Seiji Shimura
征爾 志村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemical Industrial Co Ltd filed Critical Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP15384093A priority Critical patent/JPH0710894A/ja
Publication of JPH0710894A publication Critical patent/JPH0710894A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 例えばビノキシカルボニルメチルトリn−オ
クチルホスホニウムクロライドである一般式(I)のビ
ニルエステルホスホニウム塩化合物。この化合物は例え
ばクロロ酢酸ビニルとトリn−オクチルホスフィンとを
重合禁止剤の存在下で反応させ、続いて極性溶媒と非極
性溶媒との混合溶媒中で振盪して精製処理して不純物1
0重量%以下で得られる。 (Yは低級アルキル基、mは0〜3の整数、nは0〜1
8の整数、R,RおよびRは水素原子、C1〜1
8の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基で置換さ
れたアルキル基、アリール基およびアラルキル基、X
はアニオンを表す) 【効果】 様々な菌類に対して優れた抗菌剤を提供でき
る。又高純度で簡単な操作でビニルホスホニウム塩化合
物を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビニルエステルホスホ
ニウム塩化合物に関するものである。また本発明は、優
れた抗菌作用を有するビニルエステルホスホニウム塩化
合物を有効成分とする抗菌剤に関するものである。さら
に本発明は、簡単な操作において、前記ビニルエステル
ホスホニウム塩化合物が高純度で得られる製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】我々の生活環境において、また工業、農
業、食品等の各種の産業分野において、殺菌、除菌する
ことの要求が強くなっており、現在、無機系又は有機系
の多様な抗菌剤が使用されている。最近では、有機系抗
菌剤において水に不溶で毒性をほとんど示さないポリマ
ー型の固定化抗菌剤が開発されている。ポリマー型の固
定化抗菌剤は、ポリビニル、ポリアクリレート、ポリメ
タクリレート、ポリエステルおよびポリアミド等のポリ
マーにペンダント型に抗菌剤を固定したものが報告され
ている。例えば、ポリビニル鎖には、アルキルピリジニ
ウム塩およびアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩
が固定され、ポリアクリレート鎖およびポリメタクリレ
ート鎖には、ビグアナイド類が固定され、またポリエス
テル鎖およびポリアミド鎖には、アルキルピリジニウム
塩が固定されている。これらの中で実用化あるいは研究
中の固定化抗菌剤のほとんどが四級アンモニウム塩系で
ある。
【0003】ホスホニウム塩系固定化抗菌剤としては、
例えば、最近ポリビニルベンジルホスホニウム塩が提案
されている。(WO92/14865) また、ある種のホスホニウム塩化合物は、種々の含窒素
化合物と同様に、細菌類、真菌類、藻類に対して広い活
性スペクトルをもっている(特開昭57−204286
号、特開昭63−60903号、特開平1−9359
6、特開平2−240090号、特開昭62−1149
03号)ことから、生物学的活性化学物質として知られ
ている。従来、ビニルエステルホスホニウム塩化合物の
製造方法としては、例えばトリアルキルホスフィンとク
ロロ酢酸ビニルとを反応させてビノキシカルボニルメチ
ルトリアルキルホスホニウム塩を得る方法が知られてい
る(J.Org.Chem.,27,43(1962年))。なお、本発明のよ
うに抗菌活性を有する化合物としてビニルエステルホス
ホニウム塩化合物を使用することは何ら開示または示唆
されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記反
応は反応収率が低いため、未反応原料が反応液中に残っ
てしまい、これらを機能性材料として、あるいは高分子
材料のモノマーとして使用する場合、好ましくない。本
発明は、従来技術では全く開示または示唆されていない
ビニルエステルホスホニウム塩化合物およびこれを有効
成分とする抗菌剤を提供することを目的とするものであ
る。さらに本発明は、簡単な操作において、前記化合物
が高純度で得られる製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0006】
【化6】
【0007】(式中、Yは低級アルキル基を表し、mは
0〜3の整数を表し、nは0〜18の整数を表し、
1、R2およびR3は水素原子、炭素原子数1〜18の
直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基、アラル
キル基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基で置換された
アルキル基、アリール基およびアラルキル基を表し、X
-はアニオンを表す)で表される、ビニルエステルホス
ホニウム塩化合物を提供するものである。
【0008】また本発明は、下記一般式(1)
【0009】
【化7】
【0010】(式中、Y’は水素原子、低級アルキル基
またはアリール基を表し、mは0〜3の整数を表し、n
は0〜18の整数を表し、R1、R2およびR3は水素原
子、炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基または
アルコキシ基で置換されたアルキル基、アリール基およ
びアラルキル基を表し、X-はアニオンを表す)で表さ
れるビニルエステルホスホニウム塩化合物を有効成分と
する、抗菌剤を提供するものである。
【0011】さらに本発明は、下記一般式(2)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、Y’は水素原子、低級アルキル基
またはアリール基を表し、mは0〜3の整数を表し、n
は0〜18の整数を表し、Xは陰イオンとなり得る1価
の原子または化合物を表す)で表されるビニル化合物誘
導体と、下記一般式(3)
【0014】
【化9】
【0015】(式中、R1、R2およびR3は水素原子、
炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル
基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基またはア
ルコキシ基で置換されたアルキル基、アリール基および
アラルキル基を表す)で表されるトリオルガノホスフィ
ンとを重合禁止剤の存在下で反応させて一般式(1)
【0016】
【化10】
【0017】(式中、Y’は水素原子、低級アルキル基
またはアリール基を表し、mは0〜3の整数を表し、n
は0〜18の整数を表し、R1、R2およびR3は水素原
子、炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基または
アルコキシ基で置換されたアルキル基、アリール基およ
びアラルキル基を表し、X-はアニオンを表す)で表さ
れるビニルエステルホスホニウム塩化合物を生成せし
め、次いで、得られた該ビニルエステルホスホニウム塩
化合物を、極性溶媒および非極性溶媒の混合溶媒中で精
製処理を行うことを特徴とする、前記のビニルエステル
ホスホニウム塩化合物の製造方法を提供するものであ
る。
【0018】さらにまた、本発明は、不純物含有量が得
られたビニルエステルホスホニウム塩化合物に対して1
0重量%以下である、前記の製造方法を提供するもので
ある。
【0019】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の抗菌剤である上記一般式(1)のビニルエステル
ホスホニウム塩化合物において、式中のY’は、水素原
子;メチル基、エチル基、プロピル基等の低級アルキル
基;またはフェニル基等のアリール基であり、好ましく
は水素原子、低級アルキル基である。なお、式中のY’
が低級アルキル基である場合は、従来技術において全く
開示または示唆されていない化合物となる。
【0020】mは0〜3の整数を表し、例えばメチレン
基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基が挙げ
られる。
【0021】nは0〜18の整数を表し、例えばメチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、アミレ
ン基等のアルキレン基が挙げられ、好ましくはnが0〜
8である。
【0022】X-はアニオンであり、例えば、フッ素、
塩素、臭素またはヨウ素のハロゲンイオン;ギ酸、酢
酸、蓚酸等のカルボキシルイオン;硫酸イオン;メチル
またはジメチルリン酸イオン、エチルまたはジエチルリ
ン酸イオン等のリン酸イオン、フッ化アンチモンイオ
ン;フッ化リンイオン;フッ化ヒ素イオン;フッ化ホウ
素イオン;過塩素酸イオン等が挙げられ、中でもハロゲ
ンイオンが好ましい。
【0023】R1、R2およびR3は、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基
等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等
のアリール基;ベンジル基、フェニチル基等のアラルキ
ル基;前記アルキル基、アリール基、アラルキル基をヒ
ドロキシル基またはアルコキシ基で置換した基等が挙げ
られ、中でも好ましくは、ヘプチル、オクチル等のアル
キル基、フェニル、トリル等のアリール基、さらには好
ましくは、オクチル、フェニル基であるのがよい。ま
た、R1、R2およびR3は、同一の基であっても、そう
でなくてもよい。なお、R1〜R3が3つとも同種よりも
その1つが異種のもの、また、同種または異種を問わ
ず、炭素数が6以上、特にアルキル基にあっては、オク
チル基、ドデシル基とアルキル鎖が長くなるにしたがっ
て抗菌活性が高くなる傾向にある。また、上記R1〜R3
およびX-を変えることにより水溶性、水分散性、不溶
性殺菌剤として使用目的に応じて抗菌剤を設計でき、例
えば、R1〜R3がヘキシル、オクチル等の高級アルキル
基になるほど水に対する溶解度が減少する、またX-
フッ化リンイオン、フッ化ホウソイオンまたは過塩素酸
イオンとした場合は、R1〜R3をいずれの基にしても、
水に不溶性となる。
【0024】本発明のビニルエステルホスホニウム塩化
合物の製造方法 本発明のビニルエステルホスホニウム塩化合物の製造方
法は、まず、一般式(2)
【0025】
【化11】
【0026】(式中、Y’、m、nおよびXは前記と同
義である)で表されるビニル化合物誘導体と、一般式
(3)
【0027】
【化12】
【0028】(式中、R1、R2およびR3は前記と同義
である)で表されるトリオルガノホスフィンとを溶媒の
存在下で反応させる。
【0029】反応溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トル
エン等の非極性溶媒が好ましく、その使用量は特に制限
されない。
【0030】また、上記反応において、反応時に重合し
ないように、必要に応じて、例えばp−メトキシフェノ
ール、ジフェニルピクリルヒドラジル、ジ−p−フルオ
ルフェニルアミン、ベンゾキノン、クロラニル、t−ブ
チルカテコール、ヒドロキノン、m−ジニトロベンゼ
ン、ニトロベンゼン、p−フェニルジアミン等の重合禁
止剤を添加して反応を行う必要があるが、その使用量は
とくに制限されない。
【0031】反応条件は、原料の物性、溶媒の種類によ
って異なるが、反応温度は室温以下、好ましくは0℃以
下であり、反応時間は通常0.5〜24時間、好ましく
は1〜15時間である。反応は常圧または加圧下のいず
れで行ってもよい。
【0032】ビニル化合物誘導体とトリオルガノホスフ
ィンとの反応時におけるモル比は、1:1ないし1:5
モル、好ましくは1:1ないし1:3モルが適当であ
る。反応終了後、反応溶媒は減圧蒸留にて回収してもよ
いし、しなくともよい。
【0033】本発明のビニルエステルホスホニウム塩化
合物の製造方法のもう一つの特徴は、上記反応で(1)
式に示されるビニルエステルホスホニウム塩化合物を生
成させた後、次いで下記のような溶媒を用いた精製処理
をすることである。その精製処理に使用される溶媒は、
使用する反応溶媒やその操作に条件によって異なるが、
生成したビニルエステルホスホニウム塩化合物に対し
て、極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒である。非極性
溶媒としては、誘電率の低いもので、例えばn−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベン
ゼン、トルエン等の非極性溶媒が挙げられる。また、極
性溶媒としては、誘電率の高いもので、例えばメタノー
ル、エタノール、アセトン、n−プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール等が挙げられる。なお、その選
択に際して、非極性と極性溶媒との混合溶媒の誘電率の
差(x)は大きい方がよく、少なくとも2層に分離する
ものでなければならない。誘電率の差を大きくするため
に、必要に応じて水を加えることもできる。その組合せ
は、例えば、メタノールとn−ヘキサン(x=31.31(20
℃))、メタノールとn−ペンタン(x=31.36(20
℃))、エタノールとn−ヘキサン(x=25.11(℃))、
アセトンとトルエン(x=19.02(20℃))と水などが挙
げられる。
【0034】実際における上記混合溶媒を用いる精製処
理は、例えば上記混合溶媒の入った分液漏斗等の適当な
器具に、未精製のビニルエステルホスホニウム塩化合物
を入れ、続いて振盪・静置することにより容易に行うこ
とができる。すなわち、極性溶媒中に本発明の抗菌剤で
あるビニルエステルホスホニウム塩化合物が、非極性溶
媒中に不純物である未反応原料が例えば振盪によりそれ
ぞれ溶解し、静置後、2層に分離した混合溶媒のうち、
極性溶媒を取り出して行うことができる。なお、未精製
のビニルホスホニウム塩化合物を得るために用いた反応
溶媒をそのまま非極性溶媒として用い、その後の精製処
理を行うこともできる。上記精製処理を必要に応じ数回
繰り返すことにより、不純物量が10重量%以下の高純
度なビニルエステルホスホニウム塩化合物を得ることが
できる。精製処理後、溶媒を除去し製品とする。
【0035】上記の製造方法で得られる、一般式(1)
で表されるビニルエステルホスホニウム塩化合物は、例
えば、ビノキシカルボニルメチルトリn−ブチルホスホ
ニウムクロライド、ビノキシカルボニルメチルトリn−
オクチルホスホニウムクロライド、ビノキシカルボニル
メチルジメチルn−オクタデシルホスホニウムクロライ
ド、アリロキシカルボニルメチルトリn−ブチルホスホ
ニウムクロライド、アリロキシカルボニルメチルトリn
−オクチルホスホニウムクロライド、2−(ビノキシカ
ルボニル)−エチルトリn−ブチルホスホニウムクロラ
イド、2−(ビノキシカルボニル)−エチルトリn−オ
クチルホスホニウムクロライド、3−(ビノキシカルボ
ニル)−プロピルトリn−ブチルホスホニウムクロライ
ド、3−(ビノキシカルボニル)−プロピルトリn−オ
クチルホスホニウムクロライド、ビノキシカルボニルメ
チルトリn−オクチルホスホニウムブロマイド、ビノキ
シカルボニルメチルトリn−オクチルホスホニウムテト
ラフルオボレート、ビノキシカルボニルメチルトリn−
オクチルホスホニウムパークロレート、ビノキシカルボ
ニルメチルトリn−オクチルホスホニウムフルオホスフ
ェート3'−メチル−3'−ブテニルオキシカルボニルメ
チルトリn−オクチルホスホニウムクロライド、3'−
メチル−3'−ブテニルオキシカルボニルメチルトリn
−オクチルホスホニウムブロマイド、2−(メタロキシ
カルボニル)エチルトリn−ブチルホスホニウムブロマ
イド、2−(メタロキシカルボニル)エチルトリn−ブ
チルホスホニウムヨーダイド、メタロキシカルボニルメ
チルトリn−オクチルホスホニウムブロマイド、メタロ
キシカルボニルメチルトリn−オクチルホスホニウムヨ
ーダイド、などが挙げられる。
【0036】本発明の上記一般式(1)で表されるビニ
ルエステルホスホニウム塩化合物を有効成分とする抗菌
剤は、様々な細菌類、真菌類、藻類、ウィルス等に有効
な幅広い抗菌活性スペクトルを示し、特に耐性黄色ブド
ウ球菌(MRSA)に対しても優れた抗菌力を示す。
【0037】本発明の抗菌剤は、ビニルエステルホスホ
ニウム塩の物性の如何によって水溶性又は油溶性のいず
れも採りうるので、その使用にあっては、用途目的に応
じてその化合物自体を直接粉体として使用することは勿
論、所望の溶媒又は粉体などの担体により水溶性、水和
剤、乳化剤又は粉剤などの任意の製剤で提供することが
できる。また、製剤においては、担体のほかに、必要に
応じ例えば、界面活性剤、結合剤、色材、分散剤、湿潤
剤等の助剤や他の有機又は無機抗菌剤を配合しても差し
支えない。
【0038】本発明のビニルエステルホスホニウム塩化
合物は、熱に対して第四級アンモニウム塩や他の有機化
合物に比較しても安定であり、例えばオクチル基をもつ
ビニルエステルホスホニウム塩化合物にあっては、分解
温度が350℃付近と高いものであり、また化学的にも
安定性があるものである。
【0039】本発明に係るビニルエステルホスホニウム
塩化合物の最小殺菌濃度(MIC)は、ビニルエステル
ホスホニウム塩化合物の種類、製剤あるいは各種の菌類
の種類や環境によって一様ではないけれども、ビニルエ
ステルホスホニウム塩化合物の濃度が0.1ppm以上
でその効果が発揮され、一般に第四級アンモニウム塩系
の周知抗菌剤に比べて抗菌活性は高い。
【0040】本発明のビニルエステルホスホニウム塩化
合物は、製剤の形態によって各種の産業分野、例えば製
紙におけるスライム防止又はコントロール材、水、油
脂、エマルジョン、紙、木材、ゴム、プラスチックス、
繊維、フィルム、塗料等の防腐、抗菌性の機能を付与さ
せることができる。また、同時に帯電防止性、難燃性、
防汚性も付与することができる。また、本発明に係るビ
ニルエステルホスホニウム塩化合物は、前記一般式
(1)が示すように付加重合できるモノマーでもあるの
で、その重合体又は他のモノマーとの共重合体として抗
菌機能を付与させることができる。さらに他のポリマー
材料へグラフト重合化させて抗菌化させることができ
る。例えば、増感剤としてベンゾフェノンを用い、高圧
水銀灯を用いるなどの光グラフト重合反応させてポリプ
ロピレンの如きポリマー基材表面に抗菌性を付与させる
こともできる。
【0041】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに説明す
る。実施例 1(ビノキシカルボニルメチルトリn−オクチ
ルホスホニウムクロライドの製造) 300ml容のフラスコを十分窒素置換しながら、トリn
−オクチルホスフィン(純度95.40%)34.74g
(0.088mol)とベンゼン60ml、重合禁止剤として
p−メトキシフェノール0.15gをそれぞれ加え溶解さ
せた。次いで該溶液を−5℃以下にし、クロロ酢酸ビニ
ル(純度98.0%)11.34g(0.092mol)を滴下し
た。滴下終了後、フラスコ内液温を−5℃以下で30分
間撹拌し反応を行った。次いで、該溶液を室温で4時間
熟成し、反応終了は、未反応のトリn−オクチルホスフ
ィンと二硫化炭素との呈色反応によって確認をおこなっ
た。反応終了後、該反応液を50±0.2℃、5Torr以
下で、ベンゼンの回収を行った。次いで、メタノール2
00mlとn−ヘキサン400ml、脱塩水5mlの混合溶媒
を、ベンゼン回収後の粗製品に添加して、振盪後静置し
2層を分離し、不純物層(n−ヘキサン層)を除去し
た。さらに、メタノール層をn−ヘキサン200mlで数
回洗浄をおこなった。洗浄後、洗浄液に重合禁止剤p−
メトキシフェノール0.15gを加えてメタノールを回収
し、ビノキシカルボニルメチルトリn−オクチルホスホ
ニウムクロライドを40.64gを得た(純度91.89%、
収率86.91%)。化合物の確認は、1H−NMR、FAB
−MASSで行った。
【0042】実施例 2(アリロキシカルボニルメチルト
リn−オクチルホスホニウムクロライドの合成) 実施例1のトリn−オクチルホスフィン(純度95.40
%)を35.12g(0.090mol)、クロロ酢酸ビニル
の代わりにクロロ酢酸アリル(純度98.0%)12.98g
(0.095mol)を使用した他は、実施例1と同様に行
った結果、アリロキシカルボニルメチルトリn−オクチ
ルホスホニウムクロライド42.84gを得た(純度94.1
1%、収率88.67%) 化合物の確認は、1H−NMR、FAB−MASSで行
った。
【0043】実施例 3(2−(ビノキシカルボニル)
−エチルトリn−ブチルホスホニウムクロライドの合成 実施例1のトリn−オクチルホスフィンの代わりにトリ
n−ブチルホスフィン(純度97.6%)28.19g(0.
136mol)、クロロ酢酸ビニルの代わりに、3−クロ
ロプロピオニルビニル(純度97.0%)19.81gを使用
した他は、実施例1と同様な操作で行った結果、2−
(ビノキシカルボニル)−エチルトリn−ブチルホスホ
ニウムクロライド42.32gを得た(純度93.38%、収
率86.25%)。 化合物の確認は、1H−NMR、FAB−MASSで行
った。
【0044】実施例 4(3−(ビノキシカルボニル)
−プロピルトリn−ブチルホスホニウムクロライドの合
実施例1のトリn−オクチルホスフィンの代わりにトリ
n−ブチルホスフィン(純度97.6%)27.78g(0.
134mol)、クロロ酢酸ビニルの代わりに、4−クロ
ロブチリルビニル(純度97.0%)21.60gを使用した
他は、実施例1と同様な操作で行った結果、3−(ビノ
キシカルボニル)−プロピルトリn−ブチルホスホニウ
ムクロライド42.30gを得た(純度95.12%、収率85.
57%) 化合物の確認は、1H−NMR、FAB−MASSで行
った。
【0045】実施例 5(ビノキシカルボニルメチルジ
メチルn−オクタデシルホスホニウムクロライドの合成 実施例1のトリn−オクチルホスフィンの代わりにジメ
チルn−オクタデシルホスフィン(純度94.2%)40.
29g(0.121mol)、またクロロ酢酸ビニル(純度9
8.0%)15.63g(0.127mol)を使用した他は、実施
例1と同様な操作で行った結果、ビノキシカルボニルメ
チルジメチルn−オクダデシルホスホニウムクロライド
47.08gを得た(純度93.22%、収率83.37%)。化合
物の確認は、1H−NMR、FAB−MASSで行っ
た。
【0046】実施例 6(ビノキシカルボニルメチルト
リn−ブチルホスホニウムブロマイドの合成 実施例1のトリn−オクチルホスフィンの代わりにトリ
n−ブチルホスフィン(純度97.6%)29.64g(0.
143mol)、クロロ酢酸ビニルの代わりにブロモ酢酸
ビニル(純度98.0%)25.28gを使用した他は、実施
例1と同様な操作で行った結果、ビノキシカルボニルメ
チルトリn−ブチルホスホニウムブロマイド48.97g
を得た(純度96.78%、収率90.23%)。化合物の確認
は、1H−NMR、FAB−MASSで行った。
【0047】実施例 7(3'−メチル−3'−ブテニル
オキシカルボニルメチルトリn−オクチルホスホニウム
ブロマイドの合成 実施例1のトリn−オクチルホスフィン(純度95.4%)
を25.15g(0.065mol)、クロロ酢酸ビニルの代
わりにブロモ酢酸3−メチル−3−ブテニル(純度98.0
%)を14.42g(0.068mol)を使用した他は、実
施例1と同様な操作で行った結果、3'−メチル−3'−
ブテニルオキシカルボニルメチルトリn−オクチルホス
ホニウムブロマイド35.08gを得た(純度93.7%、収
率88.3%)。化合物の確認は、1H−NMR、FAB−
MASSで行った。
【0048】実施例 8(2−(メタロキシカルボニ
ル)エチルトリn−ブチルホスホニウムヨーダイドの合
成) 実施例1のトリn−オクチルホスフィンの代わりにトリ
n−ブチルホスフィン(純度97.6%)14.36g(0.
069mol)、クロロ酢酸ビニルの代わりに3−ヨード
プロピオン酸メタリル(純度98.0%)18.78g(0.
072mol)を使用した他は、実施例1と同様な操作で
行った結果、2−(メタロキシカルボニル)エチルトリ
n−ブチルホスホニウムヨーダイド28.69gを得た
(純度95.7%、収率87.2%)。化合物の確認は、1H−
NMR、FAB−MASSで行った。
【0049】実施例 9(メタロキシカルボニルメチル
トリn−オクチルホスホニウムヨーダイドの合成) 実施例1のトリn−オクチルホスフィン(純度95.40
%)を24.99g(0.063mol)、クロロ酢酸ビニル
の代わりにヨード酢酸メタリル(純度98.0%)16.2
0g(0.066mol)を使用した他は、実施例1と同様
な操作で行った結果、メタロキシカルボニルメチルトリ
n−オクチルホスホニウムヨーダイド33.79gを得た
(純度96.1%、収率80.6%)。化合物の確認は、1H−
NMR、FAB−MASSで行った。
【0050】[抗菌試験]グラム陽性菌の代表として、
スタフィロコッカス・オーレウス(Staphylococcusaureu
s)IF012732、およびグラム陰性菌の代表としてエシエリ
ヒア・コリ(Escherichia coli)IF03806に対して、表1
および2に示した濃度および作用時間で、各実施例によ
り得られた各種のビニルホスホニウムクロライドを作用
させた。得られた抗菌活性の結果を、表1および2に示
す。なお、抗菌活性の評価は、所定量の菌を摂取し接触
させて、その後の菌数を測定する溶液希釈法で行った。
接触時間に対し、菌数の減少が著しいほど殺菌活性が強
いことを示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、様
々な菌類に対して優れた抗菌作用を有するビニルエステ
ルホスホニウム塩化合物の抗菌剤を提供できる。さら
に、高純度で且つ簡単な操作でビニルエステルホスホニ
ウム塩化合物を製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Yは低級アルキル基を表し、mは0〜3の整数
    を表し、nは0〜18の整数を表し、R1、R2およびR
    3は水素原子、炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐
    状のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキ
    シ基またはアルコキシ基で置換されたアルキル基、アリ
    ール基およびアラルキル基を表し、X-はアニオンを表
    す)で表される、ビニルエステルホスホニウム塩化合
    物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) 【化2】 (式中、Y’は水素原子、低級アルキル基またはアリー
    ル基を表し、mは0〜3の整数を表し、nは0〜18の
    整数を表し、R1、R2およびR3は水素原子、炭素原子
    数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリー
    ル基、アラルキル基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基
    で置換されたアルキル基、アリール基およびアラルキル
    基を表し、X-はアニオンを表す)で表されるビニルエ
    ステルホスホニウム塩化合物を有効成分とする、抗菌
    剤。
  3. 【請求項3】 下記一般式(2) 【化3】 (式中、Y’は水素原子、低級アルキル基またはアリー
    ル基を表し、mは0〜3の整数を表し、nは0〜18の
    整数を表し、Xは陰イオンとなり得る1価の原子または
    化合物を表す)で表されるビニル化合物誘導体と、下記
    一般式(3) 【化4】 (式中、R1、R2およびR3は水素原子、炭素原子数1
    〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール
    基、アラルキル基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基で
    置換されたアルキル基、アリール基およびアラルキル基
    を表す)で表されるトリオルガノホスフィンとを重合禁
    止剤の存在下で反応させて一般式(1) 【化5】 (式中、Y’は水素原子、低級アルキル基またはアリー
    ル基を表し、mは0〜3の整数を表し、nは0〜18の
    整数を表し、R1、R2およびR3は水素原子、炭素原子
    数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリー
    ル基、アラルキル基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基
    で置換されたアルキル基、アリール基およびアラルキル
    基を表し、X-はアニオンを表す)で表されるビニルエ
    ステルホスホニウム塩化合物を生成せしめ、次いで、得
    られた該ビニルエステルホスホニウム塩化合物を、極性
    溶媒および非極性溶媒の混合溶媒中で精製処理を行うこ
    とを特徴とする、請求項1または2に記載のビニルエス
    テルホスホニウム塩化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 不純物含有量が得られたビニルエステル
    ホスホニウム塩化合物に対して10重量%以下である、
    請求項3に記載の製造方法。
JP15384093A 1993-06-24 1993-06-24 ビニルエステルホスホニウム塩化合物およびその製造方法 Pending JPH0710894A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15384093A JPH0710894A (ja) 1993-06-24 1993-06-24 ビニルエステルホスホニウム塩化合物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15384093A JPH0710894A (ja) 1993-06-24 1993-06-24 ビニルエステルホスホニウム塩化合物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0710894A true JPH0710894A (ja) 1995-01-13

Family

ID=15571253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15384093A Pending JPH0710894A (ja) 1993-06-24 1993-06-24 ビニルエステルホスホニウム塩化合物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0710894A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8919947B2 (en) 2012-05-31 2014-12-30 Ricoh Company, Ltd. Photopolymerizable inkjet ink, ink cartridge, and inkjet printing device
US10414150B2 (en) 2015-07-08 2019-09-17 Ricoh Company, Ltd. Active-energy-ray-curable composition, composition stored container, two-dimensional or three-dimensional image forming apparatus, method for forming two-dimensional or three-dimensional image, and cured product
US10829575B2 (en) 2014-06-06 2020-11-10 Ricoh Company, Ltd. Photopolymerizable composition, photopolymerizable ink, composition container, image or cured product forming method, image or cured product forming device, and image or cured product
US10995226B2 (en) 2015-06-22 2021-05-04 Ricoh Company, Ltd. Active-energy-ray-curable composition, active-energy-ray-curable ink composition, composition stored container, two-dimensional or three-dimensional image forming apparatus, method for forming two-dimensional or three-dimensional image, cured product, and laminated cured product

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8919947B2 (en) 2012-05-31 2014-12-30 Ricoh Company, Ltd. Photopolymerizable inkjet ink, ink cartridge, and inkjet printing device
US10829575B2 (en) 2014-06-06 2020-11-10 Ricoh Company, Ltd. Photopolymerizable composition, photopolymerizable ink, composition container, image or cured product forming method, image or cured product forming device, and image or cured product
US10995226B2 (en) 2015-06-22 2021-05-04 Ricoh Company, Ltd. Active-energy-ray-curable composition, active-energy-ray-curable ink composition, composition stored container, two-dimensional or three-dimensional image forming apparatus, method for forming two-dimensional or three-dimensional image, cured product, and laminated cured product
US10414150B2 (en) 2015-07-08 2019-09-17 Ricoh Company, Ltd. Active-energy-ray-curable composition, composition stored container, two-dimensional or three-dimensional image forming apparatus, method for forming two-dimensional or three-dimensional image, and cured product

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2000071501A1 (fr) POLYALCOXYAMINES ISSUES DE NITROXYDES β-SUBSTITUES
EP0495802A1 (fr) Compose de phosphonium, composition le contenant et procede de desinfection
JP3332920B2 (ja) 抗菌剤
JP2001515085A (ja) ホスフィン化合物の製造方法
JPH0710894A (ja) ビニルエステルホスホニウム塩化合物およびその製造方法
Ayfer et al. Synthesis and antibacterial activities of new quaternary ammonium monomers
DE60224678T2 (de) Hochsiedende inhibitoren für destillierbare polymerisierbare monomere
JP3559053B2 (ja) アクリル基を有するホスホニウム塩化合物およびその製造方法
JPH0710717A (ja) 抗菌剤およびその製造方法
DE1618985B2 (de) 4-acetoxy-alkylbenzylidenmalonsaeuredinitrile, verfahren zu ihrer herstellung und sie enthaltende fungizide mittel
JPH0439473B2 (ja)
JP3562825B2 (ja) 殺菌殺藻剤
DE2114367C3 (de) Organische Zinnverbindungen und deren Verwendung als Herbizide
US3244710A (en) Iodine complexes of hexamethylene-tetramine quaternary salts
JPH0692811A (ja) 抗菌剤
DE69418676T2 (de) Deprotonierung von Cyclopentadienylderivate
CA1164883A (en) Bis(substituted phenyl)alkyltin compounds
JP3154075B2 (ja) 抗菌剤
US2968668A (en) Organic compounds containing phosphorus and sulphur
JPH0753316A (ja) 抗菌剤
JP3179192B2 (ja) 殺菌剤
JP3138768B2 (ja) 新規なダイマー型の第四級アンモニウム塩化合物及びその製造法
US3312588A (en) Method of preserving aqueous organic dispersions from microbial attack
EP0229745B1 (de) Substituierte o-Phthalaldehyde
FR2479215A1 (fr) Oxo-2 halogeno-4 oxetannes et procede pour les preparer