JPH0711031A - ポリプロピレン樹脂成形品 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂成形品

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JPH0711031A
JPH0711031A JP4359789A JP35978992A JPH0711031A JP H0711031 A JPH0711031 A JP H0711031A JP 4359789 A JP4359789 A JP 4359789A JP 35978992 A JP35978992 A JP 35978992A JP H0711031 A JPH0711031 A JP H0711031A
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JP
Japan
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polypropylene resin
reactive
molded product
ultraviolet absorber
resin molded
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Application number
JP4359789A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Yamakido
正義 山木戸
Makoto Nakahira
誠 中平
Hirobumi Takase
博文 高瀬
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Takiron Co Ltd
Original Assignee
Takiron Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紫外線吸収剤や光安定剤が殆ど揮散せず、長
期間に亘って優れた耐紫外線性と外観を維持できるポリ
プロピレン樹脂成形品と、長期間に亘って優れた耐紫外
線性を発揮する表面の硬化塗膜の密着性が良好なポリプ
ロピレン樹脂成形品を提供する。 【構成】 第一のポリプロピレン樹脂成形品は、ポリプ
ロピレン樹脂のポリマー分子に反応型紫外線吸収剤及び
反応型光安定剤のいずれか一方又は双方を反応させて固
定化する。第二のポリプロピレン樹脂成形品は、上記の
反応型紫外線吸収剤等を配合した電子線硬化型樹脂塗料
の硬化塗膜を、ポリプロピレン樹脂の成形品本体の表面
に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外装用建材などの用途
に好適に使用されるポリプロピレン樹脂成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、テラスや車庫の屋根材その他
の外装用建材として、ガラス繊維を埋入したポリ塩化ビ
ニル樹脂板やポリカーボネート樹脂板などの樹脂成形品
が使用されている。これらの樹脂板は強度や耐熱性が良
好であるが、廃棄物として安全に焼却しにくく、また、
屋根材などの外装用建材として使用すると、耐紫外線性
に劣るため短期間で劣化しやすいという欠点がある。そ
のため、樹脂板中に紫外線吸収剤を含有させたり、樹脂
板の表面に耐紫外線性の良好なアクリル樹脂フィルムを
ラミネートしたりして、耐紫外線性の向上を図ってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紫外線
吸収剤を含有させた前記の樹脂板は、溶融成形時に紫外
線吸収剤が揮散しやすく、成形後も紫外線吸収剤が徐々
に揮散し続けるため、耐紫外線性を長期間持続させ難い
という問題があり、しかも紫外線吸収剤を約3重量%以
上含有させると、紫外線吸収剤が樹脂板表面に析出して
外観を著しく損なうという問題があった。
【0004】一方、アクリル樹脂フィルムを表面にラミ
ネートした前記の樹脂板は、両者の相溶性や親和性が十
分でないため、界面での密着性が不安定でアクリル樹脂
フィルムが剥離しやすいという問題があり、気温の変化
による収縮差で割れやすいという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め、第一の発明に係るポリプロピレン樹脂成形品は、ポ
リプロピレン樹脂のポリマー分子に反応型紫外線吸収剤
及び反応型光安定剤のいずれか一方又は双方を反応させ
てあることを要旨とするものであり、また、第二の発明
に係るポリプロピレン樹脂成形品は、ポリプロピレン樹
脂の成形品本体の表面に、反応型紫外線吸収剤及び反応
型光安定剤のいずれか一方又は双方を配合した電子線硬
化型樹脂塗料の硬化塗膜を形成したことを要旨とするも
のである。
【0006】
【作用】第一発明のポリプロピレン樹脂成形品のよう
に、反応型紫外線吸収剤や反応型光安定剤をポリプロピ
レン樹脂のポリマー分子に反応させると、この紫外線吸
収剤や光安定剤が側鎖としてポリマー分子に結合し、固
定化される。そのため、反応した紫外線吸収剤や光安定
剤は、揮散することなくポリプロピレン樹脂成形品中に
含有保持され、紫外線吸収剤や光安定剤が成形品の表面
へ移動して析出することはない。従って、このポリプロ
ピレン樹脂成形品は、内部に長期間保有される多量の紫
外線吸収剤によって紫外線が十分に吸収され、光安定剤
によって劣化時に発生するラジカルが十分に捕捉される
ので、長期間に亘って優れた耐紫外線性を発揮し、紫外
線による強度劣化や黄変化を生じることが殆どない。し
かも、紫外線吸収剤や光安定剤が表面に析出しないの
で、長期間に亘って良好な外観を維持できる。また、こ
の成形品は実質的にポリプロピレン樹脂よりなるもので
あるから表面滑性が大であり、低温になっても割れにく
く、成形時や賦形時の保形性も良好である。
【0007】一方、第二発明のようにポリプロピレン樹
脂の成形品本体の表面に電子線硬化型樹脂塗料の硬化塗
膜を形成したポリプロピレン樹脂成形品は、該塗膜中に
含まれる反応型紫外線吸収剤や反応型光安定剤が電子線
硬化時に塗料の樹脂成分と反応して固定化されるため、
上記と同様に長期間に亘って優れた耐紫外線性を発揮
し、紫外線による劣化を生じることが殆どない。しか
も、上記塗料に含まれる反応型紫外線吸収剤、反応型光
安定剤、粘度調整用の反応性モノマー等の一部は塗布時
に成形品本体の表層部に浸透するので、電子線照射によ
り塗膜を硬化させると密着性の良い硬化塗膜が形成さ
れ、剥離の恐れは殆どなくなる。また、成形品本体がポ
リプロピレン樹脂よりなるものであるから、低温になっ
ても割れにくく、成形時や賦形時の保形性も良好であ
る。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0009】図1は第一発明の一実施例の断面図で、平
板状に溶融成形したポリプロピレン樹脂成形品1を示し
ている。成形品1の形状は、実施例のような平板状の
他、波板状、シート状、管状、異形状など、所望の形状
とすることができる。
【0010】この成形品1のポリプロピレン樹脂は、反
応型紫外線吸収剤及び反応型光安定剤のいずれか一方又
は双方を反応させることにより、そのポリマー分子に紫
外線吸収剤や光安定剤を側鎖として結合させ、固定化し
たものである。このように固定化されていると紫外線吸
収剤や光安定剤が揮散せず、また、その含有量が多くて
も成形品1の表面へ移動して析出することはない。従っ
て、上記のようなポリプロピレン樹脂で成形した成形品
1は、その内部に長期間保有される多量の紫外線吸収剤
によって紫外線が十分に吸収され、また光安定剤によっ
て劣化時に発生するラジカルが十分捕捉されるので、長
期間に亘って優れた耐紫外線性を発揮し、紫外線による
強度劣化や黄変化を生じることが殆どない。
【0011】反応型紫外線吸収剤としては、分子中に不
飽和結合を一つ以上有するベンゾフェノン系又はベンゾ
トリアゾール系の紫外線吸収剤、例えば2−ヒドロキシ
−4−(2′−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−(2′−アクリロイル
オキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロ
キシ−3′−アリル−5′−t−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−アリ
ル−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソプロペニル−
5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−イソプロペニル−5′−t
−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−アクリロイルオキシ−5′−メチル)ベンゾトリアゾ
ールなどが使用される。
【0012】また、反応型光安定剤としては、例えば
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメ
タクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート等が使用
される。
【0013】これらの反応型紫外線吸収剤や反応型光安
定剤は、ラジカル反応開始剤の作用によりポリプロピレ
ン樹脂のポリマー分子中に発生したラジカルに側鎖とし
て結合され固定化されるので、成形品1の表面へ移動し
て析出することはない。従って、これらの反応型紫外線
吸収剤や反応型光安定剤は、ポリプロピレン樹脂に対
し、それぞれ単独で又は合計して約10重量%程度まで
配合可能である。しかし、あまり多量に配合しても耐紫
外線性がそれほど変わらず、未反応の紫外線吸収剤や光
安定剤が増えるだけであるから、ポリプロピレン樹脂に
対してそれぞれ単独で又は合計して0.01〜10重量
%、好ましくは0.05〜5重量%程度配合して反応さ
せるのがよい。この程度の配合量とすれば、一部揮散す
るものがあっても優れた耐紫外線性を長期間に亘って発
揮するポリプロピレン樹脂成形品1を得ることができ
る。
【0014】また、この成形品1は上記のようなポリプ
ロピレン樹脂より成るものであるから、従来の合成樹脂
板等に比べると表面の滑性が大きく、低温でも割れにく
い。従って、例えば積雪地域の屋根材等として使用する
と、雪下ろし作業がし易くなり、雪の重み等で破損する
ことも少なくなる。
【0015】図2は上記ポリプロピレン樹脂成形品1の
製造法の一例を示す説明図である。これによれば、予め
ポリプロピレン樹脂のペレットにラジカル反応開始剤と
反応型紫外線吸収剤及び/又は反応型光安定剤をドライ
ブレンドし、このブレンド物2を押出成形機3のホッパ
ー3aから投入して、成形機内部でポリプロピレン樹脂
の融点以上(但し熱分解温度以下)に加熱しながら1〜
15分程度溶融混練し、先端の押出口3bから板状に押
出す。そして、押出した板状成形物1aを上下の冷却ロ
ール4,4で冷却してから、ベルトコンベア5で切断機
6まで搬送し、所定の長さに切断して平板状のポリプロ
ピレン樹脂成形品1を製造する。尚、ラジカル反応開始
剤としては、過酸化ベンゾイル、アゾ−bis−イソブ
チロニトリル、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、オクタノイルパーオキサイド等が使用される。
【0016】上記のようにブレンド物2を成形機3の内
部で溶融混練すると、ラジカル反応によってポリプロピ
レン樹脂のポリマー分子に反応型紫外線吸収剤や反応型
光安定剤が側鎖として結合して固定化されるので、既述
したように長期にわたって耐紫外線性の良好なポリプロ
ピレン樹脂成形品1を得ることができる。
【0017】この製造法では、押出成形機3の内部で反
応型紫外線吸収剤等をラジカル反応させているが、予め
反応型紫外線吸収剤等をラジカル反応させたポリプロピ
レン樹脂のペレットを準備し、このペレットを押出成形
機3に投入して押出成形してもよい。また、この製造法
では、反応型紫外線吸収剤等を反応させたポリプロピレ
ン樹脂を単層で押出成形しているが、例えば共押出成形
機を用いて、反応型紫外線吸収剤等を反応させたポリプ
ロピレン樹脂を上層とし、該上層よりも反応型紫外線吸
収剤等が少ないか又は全く含まないポリプロピレン樹脂
を中間層又は下層として共押出成形すれば、表面に紫外
線吸収剤等を反応させた耐紫外線性の良好なポリプロピ
レン樹脂層を有する二層ないし三層構造のポリプロピレ
ン樹脂成形品を製造することもできる。
【0018】図3は第二発明の一実施例を示す断面図
で、このものは一般のポリプロピレン樹脂で成形した成
形品本体10の表面に、前記の反応型紫外線吸収剤及び
反応型光安定剤のいずれか一方又は双方を配合した電子
線硬化型樹脂塗料を塗布し、その塗膜を電子線照射によ
り硬化させて硬化塗膜7を形成したものである。この硬
化塗膜7は成形品本体1の両面に形成してもよい。
【0019】硬化塗膜7の厚みは5μm以上とすること
が肝要で、これより薄くなると、硬化塗膜に含まれる反
応型紫外線吸収剤や反応型光安定剤の含有量が不足して
十分な耐紫外線性を発揮し難くなり、また厚みの制御も
難しくなる。硬化塗膜の厚みについては上限はないが、
あまり厚くしても耐紫外線性がそれほど変わらず、塗料
の無駄使いとなるので、最大限でも100μm程度まで
とするのがよい。好ましい厚み範囲は20〜50μm程
度であり、この程度の厚みがあれば優れた耐紫外線性を
発揮することができる。
【0020】硬化塗膜7の形成に用いる電子線硬化型樹
脂塗料は、(メタ)アクリロイル基を含んだポリエステ
ル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト、ポリウレタン(メタ)アクリレートなどのアクリル
変性樹脂のオリゴマー又はプレポリマーをベースレジン
とし、これに粘度調整用の反応性モノマーと反応型紫外
線吸収剤や反応型光安定剤を混合したものであって、そ
の粘度が1000cps以下、好ましくは10〜500
cpsの範囲に調整されたものが使用される。塗料の粘
度が1000cpsを越えると塗布特性や延展性が低下
し、上記厚みの塗膜を形成しにくくなるからである。
【0021】粘度調整用の反応性モノマーとしては、例
えば官能基数が1のアクリル酸、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチルや、官能基数が2のヘキサンジオールジ
アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレートや、官能基数
が3のトリメチロールプロパントリアクリレート、グリ
セロールプロポキシトリアクリレート等のアクリレート
系モノマーが使用される。これらの反応性モノマーは、
上記粘度の塗料が得られるように適量配合すればよい。
【0022】電子線硬化型樹脂塗料に含まれる反応型紫
外線吸収剤や反応型光安定剤は、既述したように塗料硬
化時に塗料中の樹脂成分、即ち上記のベースレジンや反
応性モノマーと反応して固定化されるため、配合量が多
くても塗膜表面に移行して析出することはない。従っ
て、反応型紫外線吸収剤や反応型光安定剤は、塗料の樹
脂成分に対し、それぞれ単独で又は合計して約50重量
%程度まで配合可能である。しかし、あまり多量に配合
しても耐紫外線性がそれほど変わらず、未反応の紫外線
吸収剤や光安定剤が増えるだけであるから、樹脂成分に
対してそれぞれ単独で又は合計して1〜30重量%、好
ましくは2.5〜20重量%程度配合するのがよい。こ
の程度の配合量とすれば、優れた耐紫外線性を長期間に
亘って発揮することができる。
【0023】また、この塗料は電子線硬化型樹脂塗料で
あるから、光の透過を阻害するフィラーであっても電子
線が透過するものであれば、塗料中に配合することがで
きる。従って、必要とあらばガラスマイクロバルーンや
炭酸カルシウムなどのフィラーを塗料中の樹脂成分に対
して3〜50重量%程度配合し、スリガラスのような半
透明の硬化塗膜を形成することもできる。
【0024】このような硬化塗膜7をポリプロピレン樹
脂の成形品本体10の表面に有する成形品は、該成形品
本体10の表面に前記の電子線硬化型樹脂塗料を例えば
バーコーター等で塗布し、これをコンベア等で移動させ
ながら電子線加速機で電子線を照射して該塗膜を硬化さ
せることにより、効率良く製造することができる。電子
線照射の条件は塗膜の厚みや成分によって変化するが、
例えば塗膜の厚みが20〜30μmである場合には、加
速電圧を100〜300KV程度、照射量を3〜15M
rad程度に設定するのが望ましい。加速電圧が100
KVより低いと、塗膜の表面は反応、硬化するが、塗膜
内部の硬化が不十分となり、逆に加速電圧を上げ過ぎる
と、電子線によってポリプロピレン樹脂成形品10が劣
化するなどの不都合を生じるからである。また、照射量
が少ない場合も塗膜の硬化が不十分となり、例えば3M
rad以下の照射量では塗膜が殆ど硬化しない。
【0025】このように電子線照射により塗膜を硬化さ
せると、塗膜中の反応型紫外線吸収剤や反応型光安定剤
が樹脂成分(前記のベースレジンや反応性モノマー)と
反応して固定化され、硬化塗膜7の表面からの揮散や析
出を生じることなく長期間に亘って塗膜中に含有保持さ
れる。しかも、反応性モノマー、反応型紫外線吸収剤、
反応性光安定剤などの一部が塗布時にポリプロピレン樹
脂の成形品本体10の表層部に浸透するので、耐剥離強
度(密着性)の大きい硬化塗膜7が形成されることにな
る。従って、このような硬化塗膜7を成形品本体10の
表面に形成した成形品は、硬化塗膜7の剥離を生じるこ
とが殆どなく、しかも硬化塗膜7中に長期間保有される
多量の紫外線吸収剤によって紫外線が十分に吸収され、
また光安定剤によって劣化時のラジカルが十分に捕捉さ
れるため、長期間に亘って優れた耐紫外線性を発揮し、
強度劣化や黄変化を生じることが殆どない。
【0026】図1に例示した第一発明のポリプロピレン
樹脂成形品1は、その内部にガラス繊維ネットやガラス
繊維マット等の補強繊維を埋入してもよい。このように
補強繊維を埋入すると、成形品1の剛性や耐衝撃強度が
向上し、成形時や賦形時の保形性も良好となる。補強繊
維を埋入した成形品1を製造する場合は、例えば図4に
示すように補強繊維8を供給ロール9から連続供給する
と共に、両側の押出成形機3,3から反応型紫外線吸収
剤等を反応させたポリプロピレン樹脂1b,1bを連続
して押出し、これを一対のロール4,4で両側から挟圧
して融着一体化すればよい。同様に、図3に例示した第
二発明のポリプロピレン樹脂成形品も、成形品本体10
の内部に補強繊維を埋入してもよい。
【0027】次に、具体的な実施例と比較例を説明す
る。 (実施例1)
【0028】ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、
反応型紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−(2′
−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノンを
1.5重量部と、ラジカル反応開始剤として過酸化ベン
ゾイルを1.0重量部加えてドライブレンドした。この
ブレンド物を押出成形機に投入し、230℃に加熱して
溶融混練しながら5分間反応させ、シート状に押出して
ポリプロピレン樹脂成形品を製造した。そして、この成
形品を切断して試験片(50×100×1mm)を作成
した。
【0029】この試験片について促進耐候性試験を行
い、照射時間と黄変度(ΔYI)、紫外線吸収剤の残存
率との関係を調べた。その結果を表1に示す。尚、促進
耐候試験はキセノンウェザオメーター(アトラス社製)
を用いて100hr,500hr,1000hr照射に
よる促進試験を行い、ΔYIはΣ90カラーメジャーリ
ングシステム(日本電色株式会社製)により測定して求
めたものである。また、残存率は、可視紫外分光光度計
UV−3100(株式会社島津製作所製)を用いて、そ
れぞれの照射時間における試験片のキャストフィルムの
紫外線吸光度を測定し、それぞれの紫外線吸収剤の最大
吸収波長の吸光度変化を、照射時間0hrのときの残存
率を100として計算した値である。
【0030】また、この試験片について、ポリマー分子
と反応して結合している紫外線吸収剤の割合(反応率)
を以下の測定方法で求めたところ、反応率は約9.0×
10-2モル%であった。 (反応率の測定方法)
【0031】試験片をアセトンで10時間、ソックスレ
ー抽出を行なって未反応の反応型紫外線吸収剤又は反応
型光安定剤を除去し、抽出後の試験片について赤外分光
光度計(FT−IR)を用いて反応率の測定を行う。こ
こでポリプロピレンの1ユニットを1モルとするので、
1モル=42として反応型紫外線吸収剤との反応率をモ
ル%で示す。
【0032】実施例1において反応型紫外線吸収剤の2
−ヒドロキシ−4−(2′−メタクリロイルオキシエト
キシ)ベンゾフェノンを反応させたポリプロピレンは、
図5に示すように、1720cm-1付近にポリプロピレ
ンには吸収のないエステル(C=O)の伸縮振動のピー
ク(A)が見られる。このピークと840cm-1付近に
ある主鎖のC−Hの変角振動のピーク(B)とのピーク
比(A/B)より、反応型紫外線吸収剤のポリプロピレ
ンに対する反応率を求める。その他の反応型紫外線吸収
剤の反応率を求めるときも同様である。その場合、予め
ポリプロピレンとそれぞれの反応型紫外線吸収剤数種類
の配合をつくり、それぞれのキャストフィルムを作成す
る。そして各フィルムを赤外分光光度計を用いて測定を
行い、縦軸に反応率、横軸にピーク比(A/B)をとっ
た検量線を作成し、これに基づいて試験片のキャストフ
ィルムの赤外分光光度計を用いて測定したピーク比(A
/B)を求めることにより、反応率を求める。 (実施例2)
【0033】ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、
反応型光安定剤として1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジルメタクリレートを2.0重量部と、
ラジカル反応開始剤として過酸化ベンゾイルを1.0重
量部加えてドライブレンドした。このブレンド物を押出
成形機に投入して実施例1と同様に板状のポリプロピレ
ン樹脂成形品を製造し、試験片(50×100×1m
m)を作成した。
【0034】この試験片について実施例1と同様にして
促進耐候性試験を行い、照射時間と黄変度(ΔYI)と
の関係を調べた結果を表1に示す。また、この試験片に
ついて実施例1と同様の方法で光安定剤の反応率を求め
たところ、反応率は約0.157モル%であった。 (実施例3)
【0035】ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、
反応型紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−(2′
−アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノンを1.
5重量部と、反応型光安定剤として1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレートを1.0
重量部と、ラジカル反応開始剤として過酸化ベンゾイル
を1.0重量部加えてドライブレンドした。このブレン
ド物を押出成形機に投入して実施例1と同様に板状のポ
リプロピレン樹脂成形品を製造し、試験片(50×10
0×1mm)を作成した。
【0036】この試験片について実施例1と同様にして
促進耐候性試験を行い、照射時間と黄変度(ΔYI)、
紫外線吸収剤の残存率との関係を調べた結果を表1に示
す。また、この試験片について実施例1と同様の方法で
光安定剤の反応率を求めたところ、反応率は約0.10
7モル%であった。 (比較例1)
【0037】ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、
従来の非反応型の紫外線吸収剤である2−ヒドロキシ−
4−(2′−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフ
ェノンを1.5重量部加えてドライブレンドし、このブ
レンド物を押出成形機に投入して実施例1と同様に板状
のポリプロピレン樹脂成形品の試験片(50×100×
1mm)を作成した。
【0038】この試験片について実施例1と同様に促進
耐候性試験を行い、照射時間と黄変度(ΔYI)、紫外
線吸収剤の残存率との関係を調べた結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1から、実施例1及び3の試験片は、1
000hr照射による促進試験後も、紫外線吸収剤の残
存率が比較例のものより遥かに高く、長期間に亘って優
れた耐紫外線性を維持していることが判る。 (実施例4)
【0041】ベースレジンのポリエステルアクリレート
オリゴマーにヘキサンジオールジアクリレートを添加し
て粘度を55cps/25℃に調整し、この樹脂成分9
0重量部に対し反応型紫外線吸収剤として2−ヒドロキ
シ−4−(2′−メタクリロイルオキシエトキシ)ベン
ゾフェノンと、反応型光安定剤として1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートをそ
れぞれ5重量部づつ混合して、電子線硬化型樹脂塗料を
調製した。
【0042】そして、ポリプロピレン樹脂板(100×
300×1mm)の表面に、上記の塗料をバーコーター
で塗膜が25μmになるように塗布し、コンベアで5m
/minの速度で移動させながら、電子線加速機を用い
て加速電圧100KV、照射量 Mrad、電子流5
mAの条件下に電子線を照射し、表面に電子線硬化型樹
脂塗料の硬化塗膜を有するポリプロピレン樹脂板を製造
した。
【0043】この樹脂板について促進耐候試験(硬化塗
膜を形成した面を暴露面としてキセノンウェザオメータ
ーで500時間、1000時間照射)を行い、暴露前と
暴露後の黄色度及び層間密着性(耐剥離性)を調べた。
その結果を表2に示す。
【0044】尚、黄変度はJISK5400に基拠した
ものであり、層間密着性は碁盤目テープ剥離試験におけ
る残存マス目数を調べたものである。また、表面硬度は
硬化塗膜を形成した面の暴露前の鉛筆硬度を示したもの
である。 (比較例2)
【0045】実施例4の反応型紫外線吸収剤及び反応型
光安定剤に代えて、塗料用として汎用されている非反応
型の紫外線吸収剤であるメチル−3−[3−t−ブチル
−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレング
リコールと、非反応型の光安定剤であるビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケー
トを配合した以外は同様にして塗料を調製した。そし
て、ポリプロピレン樹脂板(100×300×1mm)
の表面に該塗料を塗布し、実施例4と同様に電子線を照
射して、表面に硬化塗膜を有するポリプロピレン樹脂板
を得た。この樹脂板について実施例4と同様に促進耐候
試験を行い、暴露前と暴露後の黄変度及び層間密着性を
調べた。その結果を表2に示す。 (比較例3)
【0046】ベースレジンのポリエステルアクリレート
オリゴマーと反応性モノマーのヘキサンジオールジアク
リレートのみからなる電子線硬化型樹脂塗料を調製し
て、該塗料を実施例4と同様にポリプロピレン樹脂板
(100×300×1mm)の表面に塗布し、電子線を
照射して、表面に硬化塗膜を有するポリプロピレン樹脂
板を得た。このシートについて実施例4と同様に促進耐
候試験を行い、暴露前と暴露後の黄変度及び層間密着性
を調べた。その結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】この表2から、本発明の実施例4の樹脂板
は、500時間,1000時間暴露しても黄色度(ΔY
I)が0.03〜0.06で暴露前と殆ど変わらない数
値であり、硬化塗膜によって優れた耐紫外線性が発揮さ
れ、黄変化が十分に抑制されていることが判る。これに
対し、反応型紫外線吸収剤も反応型光安定剤も含まない
硬化塗膜を形成した比較例3の樹脂板は、1000時間
暴露後の黄変度が5.60で黄変化が著しく進行してお
り、また、非反応型の紫外線吸収剤と光安定剤を含む硬
化塗膜を形成した比較例2の樹脂板は、1000時間暴
露後の黄変度が2.04であり、耐紫外線性が経時的に
低下して黄変化の抑制が不十分であることが判る。
【0049】また、比較例3の樹脂板は1000時間暴
露後の硬化塗膜の密着性(耐剥離性)が50/100と
大幅に低下するのに対し、反応型の紫外線吸収剤及び光
安定剤を含む硬化塗膜を形成した実施例4の樹脂板や、
非反応型の紫外線吸収剤及び光安定剤を含む硬化塗膜を
形成した比較例2の樹脂板は、暴露前も暴露後も硬化塗
膜が優れた密着性を維持し、剥離の恐れが殆どないこと
が判る。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、ポリプ
ロピレン樹脂のポリマー分子に反応型紫外線吸収剤や反
応型光安定剤を反応させた本発明のポリプロピレン樹脂
成形品は、該紫外線吸収剤や光安定剤が殆ど揮散するこ
となく長期間に亘って優れた耐紫外線性を発揮し、外装
用建材等として使用しても紫外線による強度劣化や黄変
化を殆ど生じないといった顕著な効果を奏し、また、該
紫外線吸収剤や光安定剤が析出しないので良好な外観を
維持できるといった効果を奏する。しかも、このような
ポリプロピレン樹脂成形品は表面滑性が大きく、低温に
なっても割れにくいので、例えば積雪地域の屋根材その
他の外装用建材等として好適に使用することができる。
【0051】また、ポリプロピレン樹脂の成形品本体の
表面に反応型紫外線吸収剤や反応型光安定剤を配合した
電子線硬化型樹脂塗料の硬化塗膜を形成した本発明のポ
リプロピレン樹脂成形品は、該硬化塗膜の密着性(耐剥
離性)が大きく、該硬化塗膜中に保有される紫外線吸収
剤や光安定剤によって優れた耐紫外線性を長期間に亘っ
て発揮するため、同様に紫外線による強度劣化や黄変化
を生じることが殆どないといった顕著な効果を奏し、し
かも成形品本体がポリプロピレン樹脂であるから低温で
も割れにくいといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一発明のポリプロピレン樹脂成形品の一実施
例を示す断面図である。
【図2】同実施例のポリプロピレン樹脂成形品の一製造
法の説明図である。
【図3】第二発明のポリプロピレン樹脂成形品の一実施
例を示す断面図である。
【図4】補強繊維を埋入した第一発明のポリプロピレン
樹脂成形品の一製造法の説明図である。
【図5】反応型紫外線吸収剤の2−ヒドロキシ−4−
(2′−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノ
ンを反応させたポリプロピレン樹脂と、反応させていな
いポリプロピレン樹脂について赤外分光光度計で測定し
たグラフである。
【符号の説明】
1 反応型紫外線吸収剤及び反応型光安定剤の何れか一
方又は双方を反応させたポリプロピレン樹脂成形品 7 硬化塗膜 10 ポリプロピレン樹脂の成形品本体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン樹脂のポリマー分子に反応
    型紫外線吸収剤及び反応型光安定剤のいずれか一方又は
    双方を反応させてあることを特徴とするポリプロピレン
    樹脂成形品。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン樹脂の成形品本体の表面
    に、反応型紫外線吸収剤及び反応型光安定剤のいずれか
    一方又は双方を配合した電子線硬化型樹脂塗料の硬化塗
    膜を形成したことを特徴とするポリプロピレン樹脂成形
    品。
JP4359789A 1992-12-29 1992-12-29 ポリプロピレン樹脂成形品 Pending JPH0711031A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001114842A (ja) * 1999-10-21 2001-04-24 Mitsubishi Chemicals Corp オレフィン系樹脂組成物及びこれを含有する熱可塑性樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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