JPH07111028B2 - 導電性繊維およびその製造法 - Google Patents

導電性繊維およびその製造法

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JPH07111028B2
JPH07111028B2 JP61154752A JP15475286A JPH07111028B2 JP H07111028 B2 JPH07111028 B2 JP H07111028B2 JP 61154752 A JP61154752 A JP 61154752A JP 15475286 A JP15475286 A JP 15475286A JP H07111028 B2 JPH07111028 B2 JP H07111028B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は機能性複合材料用素材として有用な高導電性繊
維及びその製造法に関するもので、導電性塗料、イン
キ、電気メツキ用複合材料、静電気除去材料、帯電防止
材料、静電記録材料、電波シールド材等の各種の導電性
複合材料に適用できるものである。
(従来の技術) 科学技術の発達とニーズの多様化に伴ない高性能、多機
能素材の開発が活発に行われ、この線に沿つて、導電性
繊維としては、炭素繊維、金属繊維、導電性チタン酸ア
ルカリ繊維等について種々開発され、他方高分子化学の
発達に伴ない、ポリアセチレン、ポリチアジル、ポリピ
ロール等各種の導電性高分子が提案されている。
これら従来技術において、金属繊維は酸化腐蝕等使用環
境による変質を受けやすく、高導電性素材としては炭素
質素材が適したものであるが、炭素繊維は繊維長を均質
に揃えるのが困難であり、アスペクト比が不揃いとなる
ため、成型加工性が悪く、また成型品の表面平滑性及び
研摩性において劣り、導電性高分子材料では、成型加工
性が不充分であり、直接成型加工品をつくるのは困難で
あり、他のプラスチツクスと共用できる繊維形状のもの
も得られていない。但し、これら導電性高分子材料は、
炭素物質の導電性以外に炭素分子間の結合による電子移
動型の導電物質であり、ドーピング剤により高導電化が
可能なことから将来技術として期待され、フイルム基材
等各種基材表面に導電性高分子膜を蒸着させる試みもな
されており、導電性高分子膜で被覆されたフイルム、繊
維等も提案されつつある。本発明者はこれら従来技術と
は別途の技術として、複合素材用充填剤として優れた補
強性、耐熱性、表面平滑性を付与する機能性充填剤であ
るチタン酸アルカリ繊維に着目し、導電性チタン酸アル
カリ繊維の開発を図り、種々提案してきた。
本発明者等の斯る技術において、特に特開昭58−135129
では、チタン酸アルカリと炭素物質とからなる混合物を
非酸化性雰囲気下で焼成することにより、チタン酸アル
カリが還元されると同時にこれらの一部がチタン酸アル
カリの表面に炭素物質として析出することを利用し導電
性チタン酸アルカリ繊維を得る技術を開示、さらにこれ
らの技術の改良法として、繊維質成分の表面を炭化水素
液で処理後、非酸化性雰囲気で焼成して炭素質膜を形成
させる導電性繊維の製造技術を開発したが、これらの技
術において炭素物質として脂肪族炭化水素を用いると、
反応条件により均質な炭素蒸着膜が得られ、気相反応よ
り、前もつて繊維質表面を炭化水素物質で表面処理する
方法がより緻密で、超微細な炭素粒子となり導電性の優
れた炭素蒸着膜を形成することが明らかとなつたが、い
ずれの方法でも析出した炭素に粒界が存在し、炭素繊維
が示す高導電領域のものが得にくく、高導電性のものを
得るには高度の熟練および製造工程の管理が必要であつ
た。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は耐熱性、補強性、成形加工性等に優れた
高導電性繊維およびその製造法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は繊維質成分の表面に芳香族化合物の重合体から
なる多環式化合物の炭化した被膜を形成してなる導電性
繊維に係り、該導電性繊維は繊維質成分と芳香族化合物
を非酸化性雰囲気下で接触加熱することにより得られ
る。
本発明において繊維質成分とは、アスペクト比(繊維長
と繊維径の比)が10以上の繊維形状を有するものであ
り、非酸化性雰囲気で焼成されることから、耐熱性が優
れたものであり、一般に無機質繊維から選択され、加熱
焼成炉中で焼成される点及び複合材料として利用される
時の加工性等から、繊維長は1μm〜300mm,繊維径は0.
1μm〜1mm程度のものが好ましく、繊維径が細すぎると
補強効果が不足し、繊維長が長すぎると、解繊に多大の
労を用し、複合材料用素材として利用するとき、成型加
工性及び均質性が低下するとともにアスペクト比が低減
し、補強性が不充分となりやすいためであり、具体的に
は酸アルカリ金属繊維が使用される。
本発明では繊維質表面の被覆層の導電性を利用するの
で、繊維質素材の導電性は余り重要ではないが、繊維質
成分が絶縁性であるより、導電性を示すものの方が良結
果を示すことが多い。尚、本発明の繊維質成分である、
チタン酸ナトリウム繊維、チタン酸リチウム繊維、チタ
ン酸カリウム繊維等として例示されるチタン酸アルカリ
繊維に関し、チタン酸カリウム繊維、その中でもK2O・6
TiO2で表わされる6チタン酸カリウム繊維は、耐火、断
熱性、機械的強度に優れ、しかも充填剤として用いたと
き、製品の表面平滑性が優れている点で有利であり、繊
維長5μm以上、アスペクト比20以上、特に100以上の
ものが補強性充填剤として適している。
本発明の芳香族化合物とは、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの単核芳香族炭化水素、ナフタレン、
アントラセン、ビフェニルなどの多核芳香族炭化水素及
び上述の各種炭化水素の各種誘導体において、非酸化性
雰囲気下で重合し、多環式化合物を形成するものであ
る。
本発明において芳香族化合物の重合体からなる多環式化
合物とは、出発する芳香族化合物及び焼成条件により多
様な反応を示し、特定できないが、構造の簡単なベンゼ
ンを例にとると、ビフエニル(C12H10),o,m,p−テルフ
エニル(C18H14),トリフエニルベンゼン(C24H18),
トリフエニレン(C18H22),ナフタレン(C10H8),ア
ントラセン(C14H10),フエナントレン(C14H10),フ
ルオレン(C13H10),アセアントレン(C16H12)等が初
期重合体として検出され、以後同定不能の多環式化合物
へと重合したもので、これら初期重合体は融点60〜250
℃、沸点200〜400℃、あるいは昇華性を示すもので、初
期重合体の気化成分が繊維質表面で高重合して多環式化
合物の被覆層を形成し、これらの多環式化合物が以後の
焼成で炭化し、緻密な炭素質を主成分とする導電性被膜
を形成する。
従来の脂肪族炭化水素、特にメタン、プロパン、ブタン
等の常圧、室温下で気体である炭化水素の蒸気接触によ
る炭素蒸着膜では、これら脂肪族炭化水素が非酸化性雰
囲気下で分解した炭素粒子からなる蒸着膜であるが、本
発明では連続した多環式化合物の超高重合体等、高導電
性物質であり、炭素粒子の粒界が排除または低減される
ので、極めて高導電性を示すものである。尚、被膜の厚
さは繊維質表面が連続して被覆されておれば良く、出発
物質、利用目的等により相違し、特定されないが、通常
約0.1〜10μmの範囲が好ましい。
本発明の導電性繊維では導電性改善のために通常用いら
れるドーパントを併用しても良く、ドーパントとしては
例えばI,Br等のハロゲン類、AsF5,PF6 -,BF4 -等の弗化
物、硫酸、クロム酸等の酸類、ナトリウム、カリウム等
のアルカリ及びテトラシアノキノジメタン(TCNQ)等の
チャージコンプレツクス(TC錯体)等が代表例として例
示される。
更に本発明の導電性繊維では、複合材料用素材として用
いるときの分散性等の改善を目的とした表面処理剤、即
ちシラン系化合物、有機チタネート、リン系化合物、そ
の他各種界面活性剤等により表面処理したものであつて
もよい。
本発明の導電性繊維は繊維質成分と芳香族化合物を非酸
化性雰囲気下で接触加熱することにより、芳香族化合物
が多環式化合物に重合したものが繊維質成分の表面に浸
積被覆し、以後の加熱焼成により炭化して繊維質成分の
表面に導電性の被覆層が形成されることにより得られ
る。
本発明において非酸化性雰囲気とは、還元ガス又は不活
性ガスを導入して非酸化性雰囲気に保つことであり、還
元ガスとして水素ガス、一酸化炭素ガス、アンモニアガ
スなどが例示でき、不活性ガスとしては窒素ガスが代表
的なものであるが、アルゴン、ヘリウム、キセノン、そ
の他の不活性ガス、更には炭酸ガス等も使用でき、これ
ら還元ガス及び不活性ガスは単独、又は任意の2種以上
の混合ガスとして系内に導入でき、これらのガスによつ
て実質的に90容量%以上置換された雰囲気を示す。
本発明において、繊維質成分と芳香族化合物を接触加熱
する方法としては、雰囲気調整可能な任意の焼成炉中に
繊維質成分を導入後、非酸化性雰囲気下、芳香族化合物
を導入し、反応系を連続して又は段階的に昇温させ、芳
香族化合物が多環式化合物に重合後、炭化するのに必要
な所定温度とするが、当該所定温度として望ましい温度
は、約700〜1200℃であり、望ましい所定温度保持時間
は10〜120分程度である。
尚、これらの反応温度、時間は出発物質及び反応雰囲気
等により相違するがベンゼンの場合800℃以下では、多
環式化合物に重合したもの(以下、重合体と略す)の繊
維質成分への付着及びこれら重合体の炭化が不充分であ
つて、高導電性のものが得にくい。従つて好ましい反応
温度は850℃以上であり、850〜950℃の温度域を10〜60
分程度保持すると良い。但し、これらの反応条件も芳香
族化合物の濃度、繊維質成分との接触比等により変化
し、芳香族化合物を高濃度、高流速で反応させると芳香
族化合物が重合体とならず直接炭化、又は重合体となつ
ても繊維質表面に付着せず遊離した炭化物となるので繊
維の補強性も低減することがある。
本発明では接触加熱反応時、芳香族化合物の重合及び重
合体の炭化を助長する触媒を併用してもよく、このよう
な触媒としてはマンガン、モリブデン、タングステン、
ホウ素、鉄、ニツケル、コバルト等の化合物の1種又は
2種以上の混合物であり、塩化物、酸化物、水酸化物、
硝酸塩、更には金属アルコラート、アルキルアセトネー
ト等の有機金属塩が利用できる。尚、これらの触媒の作
用効果については重合触媒、重合体の炭化触媒のいずれ
であるか特定しにくく、重合触媒と同時に重合体の炭化
触媒として有効なものが多い。
本発明では所定温度での加熱焼成後、反応系を冷却し目
的物を採取するにあたつて、冷却工程は不活性雰囲気に
保つのが好ましく、高温で採取すると空気中の酸素と接
触し酸化燃焼することがある。
尚、本発明では水素ガス等排ガス対策に特別の注意が必
要なもの以外、排出ガスに有害物質が含まれないので開
放系とし、芳香族化合物を定常供給し、繊維質成分と芳
香族化合物の接触効率の向上を計ることが望ましく、繊
維質成分も定常供給しやすい状態に、例えばスプレード
ライ等で造粒するのが望ましい。
(実 施 例) 以下、実施例を挙げて発明実施の態様を説明する。
実施例1 ガス導入管、気化室と連結した芳香族化合物導入管を備
えたシリコニツト製管状炉にチタン酸カリウム繊維(大
塚化学製、テイスモD)5gを充填後、ガス導入管から窒
素ガスを導入しつつ炉内温度を850℃まで昇温後、窒素
ガス流量を100ml/minに調整、ベンゼン気化室からベン
ゼン蒸気20ml/minで30分間導入、この間ベンゼン2gを消
費した。次いでベンゼン蒸気の導入を停止し、窒素導入
下で炉内温度を5分を要して950℃迄昇温後、200℃まで
冷却して反応物を炉外に取り出し、黒色で体積固有抵抗
率が6.1×10-3Ω・cmの導電性チタン酸カリウム繊維5.7
gを得た。
尚、実施例1と同じ操作で、ベンゼン蒸気を導入、10分
後にベンゼンの導入を中断し急冷後反応生成物を取り出
し、ソツクスレー抽出器にて、ベンゼンで72時間抽出後
の抽出液について、NMR及びMassスペクトル分析を行つ
たところ、ベンゼン以外に、ビフエニル、テルフエニ
ル、トリフエニルベンゼン、トリフエニレンが組成比と
して10:5:4:1の割合で検出、他に微量のナフタレン、ア
ントラセン等も検出された。尚原料として用いたベンゼ
ンからはこれらのいずれの成分も検出されなかつた。
比較例1 実施例1において反応温度を750℃で一定(最高温度も7
50℃)に保つた以外実施例1と同法で行つたところ、反
応生成物は淡灰色であり、導電性も不充分であつた。
比較例2 実施例1においてベンゼンをプロパンに変更した以外同
法で行つたところ、黒色の導電性チタン酸カリウム繊維
6.2gを得たが、体積固有抵抗率は4.9×10-2Ω・cmであ
つた。
実施例2 実施例1においてベンゼンをビフエニル30ml/minに変更
(ビフエニル1.5gを消費)した以外同法で行い、黒色で
体積固有抵抗率が7.1×10-3Ω・cmの黒色の導電性チタ
ン酸カリウム繊維5.4gを得た。
実施例3 チタン酸カリウム繊維(テイスモD)と酸化モリブデン
の100:1の混合物を0.1%流動パラフインのエマルジョン
中に分散後スプレードライにより平均粒径0.1mmの造粒
品を得た。以後実施例1と同法の操作により黒色で体積
固有抵抗率が1.8×10-3Ω・cmの黒色の導電性チタン酸
カリウム繊維5.8gを得た。
実施例4 実施例3で得た導電性チタン酸カリウム繊維をガラス製
減圧容器に充填、脱気後、I2蒸気を導入し、ヨウ素ドー
プしたものの体積固有抵抗率は3.2×10-4Ω・cmであ
り、ドーピングによる導電性の改善が認められた。
試験例1 実施例1で得られた導電性繊をポリフェニレンサルファ
イド(PPS)樹脂に30重量%配合し、押し出し成形によ
り成形体を得た。この成形体の表面平滑性をサーフコム
304B(東京精密製)にて測定したところ、その中心線平
均粗さ(Ra)は0.02μmあった。一方、炭素繊維を用い
た以外は同様にして得られた成形体のRaを測定したとこ
ろ、0.18μmであった。本発明の場合、炭素繊維を用い
た場合に比し9倍程、平滑性に優れ、精密部品、摺動部
品、メッキ部品、外観部品などに極めて有用性が高いこ
とが判る。
(発明の効果) 発明に係る導電性繊維は、繊維質成分が本来持つている
諸物性、特に耐熱性、複合材料として用いた際の補強性
及び表面平滑性等の特長をそのまま保有する。そして従
来公知の方法で得られる導電性繊維に比較して遥かに優
れた高導電性を示すことから、帯電防止、静電気除去、
導電性材料等としての用途適合性が著しく改善され、特
にシート、紙、布帛、フイルム等の導電材料等の導電性
処理剤として、高い産業上の利用性を備える。更に本発
明の導電性繊維は、以上の他、プラスチツクの補強材
料、導電性塗料、導電性インキ等の種々の用途に広く利
用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−55218(JP,A) 特開 昭59−187622(JP,A) 特開 昭62−6973(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン酸アルカリ金属繊維の表面に芳香族
    化合物の重合体からなる多環式化合物の炭化した被膜を
    形成してなる導電性繊維。
  2. 【請求項2】芳香族化合物がベンゼン、トルエン、キシ
    レン、ナフタレン及びこれらの誘導体の1種又は2種以
    上の混合物である特許請求の範囲第1項記載の導電性繊
    維。
  3. 【請求項3】チタン酸アルカリ金属繊維と芳香族化合物
    を非酸化性雰囲気下で接触加熱することを特徴とするチ
    タン酸アルカリ金属繊維の表面に芳香族化合物の重合体
    からなる多環式化合物の炭化した被膜を形成してなる導
    電性繊維の製造法。
  4. 【請求項4】チタン酸アルカリ金属繊維と芳香族化合物
    を非酸化性雰囲気下で接触加熱するに際し、環化重合触
    媒を共存させる特許請求の範囲第3項記載の製造法。
  5. 【請求項5】チタン酸アルカリ金属繊維と芳香族化合物
    を非酸化性雰囲気下で接触加熱するに際し、多環式化合
    物の炭化促進触媒を共存させる特許請求の範囲第3項記
    載の製造法。
  6. 【請求項6】芳香族化合物がベンゼン、トルエン、キシ
    レン、ナフタレン及びこれらの誘導体の1種又は2種以
    上の混合物である特許請求の範囲第3〜5項のいずれか
    に記載の導電性繊維の製造法。
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