JPH0711233A - 徐放剤用担体 - Google Patents

徐放剤用担体

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JPH0711233A
JPH0711233A JP17473593A JP17473593A JPH0711233A JP H0711233 A JPH0711233 A JP H0711233A JP 17473593 A JP17473593 A JP 17473593A JP 17473593 A JP17473593 A JP 17473593A JP H0711233 A JPH0711233 A JP H0711233A
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伸二 稲垣
Yoshiaki Fukushima
喜章 福嶋
Kiyoshi Uchida
清 内田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種薬剤等を多量に含浸し、長期間にわたり
徐放させる担体の提供。 【構成】 孔径が1〜10nmの範囲にあり、かつ奥行
きが孔径の10倍〜100,000倍の範囲にある多数
の細孔を備えた多孔性の担体であって、その細孔容量が
0.1cc/g以上である徐放剤用担体。珪素四面体S
iO4 の層状結晶が波形に湾曲した状態で積層すること
によりハニカム状の多孔構造を形成するとともに、この
積層した層状結晶の層間には珪酸の脱水縮合によるSi
2 の層間架橋が形成されることにより、多孔性の担体
が構成されている徐放剤用担体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は徐放剤用担体に関し、更
に詳しくは、高分子材料用の老化防止剤や硬化剤、農
薬、肥料、殺菌剤、消毒剤、抗菌剤、防虫剤、殺虫剤、
除草剤、芳香剤、害虫忌避剤、各種の医薬や生理活性物
質等、種々の機能や作用を有する化学物質(本明細書に
おいては、以下、これらの化学物質を「薬剤等」と言
い、かつ、その分子を「機能性分子」という。)を貯留
するとともに、これらの薬剤等を経時的に徐々に放出さ
せるための徐放剤用担体に関する。
【0002】
【従来の技術】広範囲の産業分野にわたり、薬剤等を徐
放性の担体に担持させ、徐放剤として使用したいという
要求がある。
【0003】かかる目的から、従来、例えば次のような
技術が開示されている。 粒子状の薬剤等をセルロース等の分子で被覆して徐放
性のマイクロカプセルとする(特開平3−145404
号公報)。
【0004】大環状の化学構造を有する化合物を合成
し、これに機能性分子を包接させて、徐放性の包接化合
物とする(特開平4−297429号公報)。
【0005】既知の雲母、カオリン、スメクタイト系
粘土鉱物、シリカゲルやコロイダルシリカ、ゼオライ
ト、セピオライト等を徐放剤用担体とし、これに薬剤等
を含浸させる(特開昭62−57486号公報、特開昭
62−209161号公報、特開昭63−1442号公
報、特開平2−202575号公報、特開平2−239
176号公報、特開平3−229634号公報、特開平
4−91023号公報、特開平4−224511号公
報、特開平4−300801号公報)。
【0006】上記の多孔性物質に薬剤等を含浸させた
後、更に多孔性物質の表面を適当な材料で被覆してマイ
クロカプセル化する(特開平2−30038号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来技
術にはそれぞれ問題があった。
【0008】例えば、上記,のマイクロカプセル化
技術については、薬剤等の適当な放出量と放出速度とを
実現するために、薬剤等の粒子の粒径、被覆層の厚さや
被覆層の成分等を微妙に調製する必要があり、生産工程
が複雑になる。また、被覆層の材料は高価なものが多
い。
【0009】次に、上記の包接化合物については、ホ
ストとゲストとの分子サイズの適合性が厳しく要求され
るため、ゲストとして用い得る薬剤等の選択の幅が極め
て狭い。しかもホストである大環状の化学構造を有する
化合物の合成プロセスも煩雑であるため、コスト高とな
る。
【0010】更に、上記,で用いられる多孔性物質
についても、それぞれ次のような不具合がある。雲母や
カオリン等の層状粘土鉱物は、うまく乾燥させると団粒
構造を形成し、団粒の一次粒子間や二次粒子間の隙間に
薬剤等を吸着させることができる。しかし、その吸着量
は微小なものであり、しかも吸着力が弱いため薬剤等の
大部分は早期に放出されてしまう。
【0011】スメクタイト系の粘土鉱物(例えばモンモ
リロナイト,ヘクトライト)はその層間に機能性分子を
とり込んだ層間化合物を形成し得るので、上記の雲母や
カオリン等よりも薬剤等の吸着可能量が多いが、それで
もせいぜい5〜7重量%に過ぎない。しかも層間化合物
が形成されるのは、薬剤等が極性分子である場合に限ら
れる。
【0012】シリカゲルやコロイダルシリカは、その一
次粒子間の隙間による薬剤等の吸着を利用できるが、や
はり吸着量が不十分で、薬剤等の放出速度も制御し難
い。
【0013】ゼオライトやセピオライトは数Åの直径の
多数の細孔を有するため、現在までのところ、徐放剤用
担体として最も広範囲に利用されているが、細孔容量が
小さいことから薬剤等の吸着量が不十分であり、細孔直
径が小さいことから吸着可能な薬剤等の種類が限定され
るとともに一旦吸着した機能性分子を放出し難く、一
方、放出可能な小さな機能性分子を吸着した場合には細
孔の奥行きが少ないことから機能性分子を簡単に放出し
てしまい、長期間にわたる徐放効果を期待することが難
しい。
【0014】そこで本発明は、薬剤等の種類や機能性分
子の大きさに対する選択の幅が広く、これらを多量に含
浸させることができ、しかも長期間にわたる徐放効果を
期待できる徐放剤用担体を提供することを、その解決す
べき課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(第一発明の構成)上記の課題を解決するための本願第
一発明(請求項1に記載の発明)の構成は、孔径が1〜
10nmの範囲にあり、かつ奥行きが孔径の10倍〜1
00,000倍の範囲にある多数の細孔を備えた多孔性
の担体であって、その細孔容量が0.1cc/g以上で
ある徐放剤用担体である。
【0016】(第二発明の構成)上記の課題を解決する
ための本願第二発明(請求項2に記載の発明)の構成
は、珪素四面体SiO4 の層状結晶が波形に湾曲した状
態で積層することによりハニカム状の多孔構造を形成す
るとともに、この積層した層状結晶の層間には珪酸の脱
水縮合によるSiO2 の層間架橋が形成されることによ
り、前記第一発明に記載した多孔性の担体が構成されて
いる徐放剤用担体である。
【0017】
【作用】本願第一発明、第二発明の徐放剤用担体におけ
る多数の細孔の孔径は1〜10nmの範囲にある。これ
は、薬剤等の機能性分子のほとんどのものを細孔内にと
り込むことができる孔径であり、しかもゼオライトの場
合のように吸着力過剰とならず、機能性分子を容易に放
出し得る孔径でもある。
【0018】次に、細孔の奥行きが孔径の10倍〜10
0,000倍もあるので、吸着された機能性分子の大部
分が細孔の奥の方に存在する。従って機能性分子が外部
環境へ放出(空気中への気化あるいは環境水中への溶解
など)されるに当たり、細孔の開口部付近にある機能性
分子は容易に放出されるが、細孔の奥の方に存在する大
部分の機能性分子は時間をかけて細孔の開口部付近へ移
動し、徐々に放出される。即ち、これらの機能性分子が
制約のない環境下で自然に空気中へ気化したり環境水中
への溶解して拡散するのに要する時間に比し、極めて長
い時間をかけて、徐々に放出されるのである。なお、こ
のような細孔の奥行きの深さは、徐放剤用担体におい
て、珪素四面体SiO4 の層状結晶が波形に湾曲した状
態で積層することによりハニカム状の多孔構造を形成し
ている点に起因する。
【0019】また、従来の雲母、カオリン、スメクタイ
ト系粘土鉱物、シリカゲルやコロイダルシリカ、ゼオラ
イト、セピオライト等に比し、細孔容量が0.1cc/
g以上と極めて大きいので、多量の薬剤等を含浸させる
ことができる。なお、このような細孔容量の大きさは、
徐放剤用担体が薄い層状結晶により構成され、この層状
結晶がそのまま細孔の壁部となっている点に起因する。
即ち、細孔の多さ、大きさに比して細孔の壁部を構成す
る成分が少ないため、極めて大きい細孔容量が得られる
のである。
【0020】ちなみに、本発明の徐放剤用担体は、その
成分の殆どが環境や生物体に対して無害なSiO2 であ
る。またその粒子形状も顆粒状であって、人体への有害
性が云々されている繊維状や板状ではない。また、本発
明の徐放剤用担体はSiO2を主体とするため700°
C以上の耐熱性を有しているが、特に、含水率が10w
t%以上である結晶性層状珪酸塩を原料とした場合は、
800〜1000°Cの高温に耐える担体が得られる。
【0021】
【発明の効果】本発明の徐放剤用担体は、薬剤等の種類
や機能性分子の大きさに対する選択の幅が広く、これら
を多量に含浸させることができ、しかも長期間にわたる
徐放効果を期待できる。
【0022】
【実施態様】次に本願第一発明、第二発明の実施態様に
ついて説明する。
【0023】(徐放剤用担体の構成)本発明の徐放剤用
担体は、後述する製造プロセスにおいて、例えば細孔形
成用の有機物の分子サイズを選択することにより、その
細孔の孔径を種々にコントロールできる。そこで、孔径
が1〜10nmの範囲にあるようにコントロールしたも
のが良い。なぜなら、徐放剤用担体の細孔の孔径は、機
能性分子に対する最適の吸着機能を持たせるために、機
能性分子のサイズの約10倍〜約100倍程度であるこ
とが望まれ、かかる孔径が具体的には1〜10nmの範
囲に相当するからである。
【0024】上記細孔の孔径が1nm未満の場合は、孔
径の不足から、機能性分子の吸着が難しくなったり、吸
着しても放出され難くなったりする。細孔の孔径が10
0nmを超える場合は、孔径が過大であるために機能性
分子に対する吸着力が不足しがちになる。
【0025】本発明の徐放剤用担体の細孔容量は、後述
する製造プロセスにおいて、例えば細孔形成用の有機物
の使用量を選択することにより、種々にコントロールで
きる。そこで、細孔容量が0.1cc/g以上であるよ
うにコントロールしたものが良い。細孔容量がこれ以下
では、薬剤等の吸着量が必ずしも満足できないからであ
る。
【0026】本発明の徐放剤用担体における細孔の奥行
きは、後述する製造プロセスにおいて、例えば徐放剤用
担体の粒径を調製することにより、種々にコントロール
できる。そこで、細孔の奥行きが孔径の10倍〜10
0,000倍であるようにコントロールしたものが良
い。これを具体的なサイズで言えば、奥行きが10nm
〜100μmであるものが良い。奥行きが10nm未満
であると、機能性分子の長期間にわたる徐放効果を期待
し難く、奥行きが100μmを超える場合は、100μ
mを超える奥行き部分について徐放用細孔としての実質
的な機能を期待し難い。
【0027】本発明の徐放剤用担体の代表的な具体例と
して、層状シリカ多孔体、あるいは、層状シリカ金属酸
化物多孔体を挙げることができる。
【0028】図1、図2に示すように、層状シリカ多孔
体1は、珪素四面体SiO4 の層状結晶2が波形に湾曲
した状態で積層することにより、多数の細孔3を有する
ハニカム状の多孔構造を形成するとともに、この積層し
た層状結晶の層間における接合部4には珪酸の脱水縮合
によるSiO2 の層間架橋を形成したものである。即
ち、層状シリカ多孔体は、骨格の組成がSiO2 である
(図3参照)。
【0029】一方、層状シリカ金属酸化物多孔体は、前
記層状シリカ多孔体1における珪素四面体SiO4 の層
状結晶2を構成する珪素のうちの一部の珪素に、珪素以
外の金属原子(M)が結合したものである。即ち、層状
シリカ金属酸化物多孔体は、骨格の組成がSiO2 金属
複合酸化物である。
【0030】上記金属原子(M)としては、アルミニウ
ム(Al)、ジルコニウム(Zr)、ガリウム(G
a)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、イ
ットリウム(Y)、ランタン(La)、スズ(Sn)、
鉛(Pb)等が用いられる。
【0031】(層状シリカ多孔体の製造方法)次に、徐
放剤用担体の代表的な製造方法について説明する。この
方法は、層間拡張工程と、焼成工程とからなるものであ
る。但し、本発明の徐放剤用担体の範囲が、これらの製
造方法によって製造されたものに限定されることを意味
するものではない。
【0032】層間拡張工程においては、カネマイト等の
結晶性層状珪酸塩を交換性有機物イオンの水溶液中で加
熱攪拌処理することにより層状結晶の層間に有機物陽イ
オンを導入するとともに、SiO2 の層間架橋を形成さ
せる。
【0033】上記有機物陽イオンは、珪素四面体層の層
間に含まれるナトリウムイオン等のアルカリ金属イオン
との交換によって導入されるが、有機物陽イオンはアル
カリ金属イオンよりも嵩高であるため、結晶性層状珪酸
塩の層間は拡幅される。一方、有機物陽イオンが導入さ
れた部分を除く、隣合うシート層中のシラノール(Si
−OH)同士が脱水縮合され、シロキサン結合(Si−
O−Si)が形成される。このようなSiO2 の層間架
橋が形成されている部分では層間は拡幅されない。この
結果、図1、図2に示すようなハニカム状の多孔構造が
形成されるのである。なお、結晶性層状珪酸塩は粘土と
異なり水に対する膨潤性がないため、一般的な水膨潤の
手法ではかかる層間拡張は困難である。
【0034】上記の結晶性層状珪酸塩としては、珪素四
面体層の層間にナトリウムイオンを含んだ結晶性層状珪
酸ナトリウム、例えばカネマイトNaHSi2 5 ・3
2O、ジ珪酸ナトリウムNa2 5 、マカタイトNa
2 Si4 5 ・5H2 O、アイラアイトNa2 Si8
17・xH2 O、マガディアイトNa2 Si1423・xH
2 O、ケニヤアイトNa2 Si2041・xH2 O等が代
表的であるが、これらに限定されない。
【0035】層状シリカ多孔体の細孔の奥行きは、原料
である結晶性層状珪酸塩の平面芳香のサイズに一致する
ので、上記の結晶性層状珪酸塩のサイズを選択すること
により、細孔の奥行きを調整できる。そのサイズの選択
は、結晶性層状珪酸塩自体を結晶化処理により合成する
ときは結晶化の処理時間の長短により可能であり、既存
の結晶性層状珪酸塩を用いるときは適宜な手段による粉
砕処理により可能である。
【0036】上記の結晶性層状珪酸塩のうち、特にカネ
マイトのように層状結晶が単一の珪素四面体層からなる
ものは単位重量当たりの表面積が大きいので、これを用
いて製造した層状シリカ多孔体も比表面積が大きくな
る。カネマイトを用いて製造される層状シリカ多孔体の
場合、単一層構造が保持されたままで上下のシート層が
部分的に接合するので、典型的なハニカム状の多孔構造
となる。
【0037】上記の結晶性層状珪酸塩における含水率は
10wt%以上であることが望ましい。この場合、層間
拡張工程において結晶性層状珪酸塩が水に良く分散し、
層間のアルカリ金属イオンと有機物陽イオンとのイオン
交換が短時間で十分に行われる。含水率が10wt%未
満では、結晶性層状珪酸塩が凝集し易くなり、上記のイ
オン交換が起こり難くなる。
【0038】含水率が10wt%以上である結晶性層状
珪酸塩を原料に用いると、層状シリカ多孔体の比表面積
が1000m2 /g以上と特に大きくなり、またアルカ
リ金属イオンの残存量が0.2wt%以下になる。この
ため、800°C〜1000°Cの高温下でも結晶化し
難く、細孔も安定な優れた耐熱性の担体になる。
【0039】上記の有機物陽イオンの種類は限定されな
いが、好ましくは有機オニウムイオン、特にアルキルア
ンモニウムイオン等が、試料調製の容易さやイオン交換
能力の高さ等の点から優れている。他の好ましい有機物
陽イオンとして、アルキルトリメチルアンモニウムイオ
ン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、テト
ラデシルトリメチルアンモニウムイオン、ジメチルジア
ルキルアンモニウムイオン、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムイオン等を挙げることができる。
【0040】一例としてセチルトリメチルアンモニウム
イオンを用いた場合、細孔径は約3nm、細孔容量は約
1cc/gのものが得られる。
【0041】有機物陽イオンの分子サイズは層状シリカ
多孔体における細孔径を直接に規定するので、有機物陽
イオンの選択により細孔径を任意に設計することができ
る。そして、単一種類の有機物陽イオンを用いれば細孔
径の分布を狭い範囲でほぼ均一に設計でき、分子サイズ
の異なる複数種類の有機物陽イオンを用いれば細孔の径
を幅広く分布させることができる。
【0042】次いで、焼成工程においては、層間拡張工
程によって得られた固形分を濾過、乾燥し、次いでこれ
を焼成する。かかる操作によって、層間拡張工程で導入
された有機物陽イオンが層間から除去され、層状シリカ
多い孔体が完成する。
【0043】上記の焼成は、通常は500〜1000°
C位の温度で数時間行うのが良い。焼成温度が高すぎる
と多孔体構造が崩壊する恐れがあり、逆に焼成温度が低
すぎると細孔の形成が不十分となる恐れがある。
【0044】(層状シリカ金属酸化物多孔体の製造方
法)層状シリカ金属酸化物多孔体の製造に当たっては、
上記の層間拡張工程によって得られた固形分を濾過した
ところで、これを珪素と異なる金属の塩と接触させる金
属付加工程を設定し、その後焼成する。
【0045】この金属付加工程において、金属塩の種類
や使用態様は限定されず、例えば金属塩の溶液を用いた
り、上記固形分を乾燥させた粉末を金属塩の粉末と混合
して接触させても良い。
【0046】(徐放剤用担体の使用)徐放剤用担体に含
浸させる薬剤等は、用途に応じて自由に選択できる。そ
れらの一例を挙げれば、農薬用殺虫剤としてのサリチオ
ン、マラソン、ジメトエート、ダイアジノン、ジエチル
アミド、2−エチルチオメチルフェニル=メチルカルバ
メート、チオリン酸、2−メチル−3−シクロヘキセン
−1−カルボン酸等があり、殺菌剤としてはノニルフェ
ノールスルホン酸銅、ジネブ、アンゼブ、チウラム、ポ
リオキシン、シクロヘキシミド等があり、除草剤ではク
ロメトキシニル、ニトラリン、3−(3,3−ジメチル
ウレイド)フェニル=ターシャリーブチルカルバマート
等があり、抗菌剤としてはヒノキオール、害虫忌避剤と
してはフェノール系化合物、プラスチック用酸化防止剤
としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン等のビスフェノール、シクロヘキサンの縮合物、ジ
サリチルレゾルシン、亜リン酸エステル等があり、老化
防止剤としてはフェニル−β−ナフチルアミン等のアミ
ン化合物、スチレン化フェノール等のフェノール化合
物、チオ尿素誘導体、ベンゾイミダゾール類があり、肥
料としては尿素、硫安、硝安等のアンモニア系化合物、
過リン酸石灰、重過リン酸石灰等のリン化合物、カリを
含む化合物等がある。
【0047】これらの薬剤等は、目的に応じ、適当な割
合で任意に組み合わせて徐放剤用担体に含浸させても良
い。
【0048】徐放剤用担体に薬剤等を含浸させる方法は
限定がなく、任意の方法を用いることができる。そのよ
うな方法の例として、次のようなものがある。これらの
方法例は、単独に用いても良く、適宜に組み合わせて用
いても良い。
【0049】徐放剤用担体と薬剤等を容器に密封し、
加熱して機能性分子をガス化させ、徐放剤用担体をこの
ガス中に晒して、徐放剤用担体の細孔中に機能性分子を
吸着させる方法。
【0050】薬剤等を加熱して溶融させ、その溶融液
中に徐放剤用担体を浸漬して薬剤等を含浸させる方法。
【0051】薬剤等を溶媒に溶解してその溶媒を蒸発
させ、この蒸気中に徐放剤用担体を晒して、徐放剤用担
体に薬剤等を含浸させる方法。
【0052】その他、徐放剤用担体と薬剤等を適当な
量比で混合した後にその混合物を薬剤等の融点以上に加
熱する方法、薬剤等の原料物質を徐放剤用担体の細孔中
に含浸させた後に加熱等により細孔中で薬剤等を合成す
る方法。
【0053】以上のような含浸処理の後、更に、徐放剤
用担体の表面を高分子膜やデキストリン等で覆うことに
より、薬剤等の放出速度が一層遅くなるように調節する
こともできる。一方、以上のプロセスにより製造した徐
放剤の濃度が高すぎる場合には、これを粘土やシリカゲ
ル等の安価な粉体やバインダで増量しても良い。
【0054】本発明の徐放剤用担体を用いた徐放剤は、
そのまま使用され、あるいは他の徐放剤の使用方法にな
らい適宜な形状に成形したり、通気、通水性の容器に封
入されたりして、使用される。
【0055】
【実施例】
(実施例1)非晶質水和珪酸ナトリウムを700°Cで
6時間空気中で焼成し、1000mlの水に分散させ、
3時間攪拌することにより、結晶性層状珪酸塩としての
カネマイトを合成した。
【0056】次いで、0.1mol/dm3 セチルトリ
メチルアンモニウムクロライド水溶液1リットルに上記
カネマイト50gを分散させ、70°Cで3時間攪拌し
て、カネマイトをセチルトリメチルアンモニウムイオン
でイオン交換した。
【0057】その後、室温に冷却した後、2N−HCl
水溶液を加え、pHを8.5に調整し、ろ過、水洗を行
った。次いでこれを乾燥し、空気中700°Cで6時間
焼成して層状シリカ多孔体の粉末を得た。
【0058】(実施例2)ジチオリン酸−O,O−ジメ
チル−S−(1,2−ジエトキシカルボニルエチル)
(いわゆるマラソン剤)をアセトンに30wt%の濃度
で溶解し、この溶液50ccに実施例1の層状シリカ多
孔体10gを添加して攪拌した後、ろ過してアセトンを
乾燥除去した。このもののマラソン剤分子の含浸量を熱
重量分析で測定したところ、20wt%であった。
【0059】(比較例1)実施例2と同じ条件で合成ゼ
オライト(東ソー(株)製、規格No. A−3)10gに
マラソン剤を含浸させたところ、その含浸量は3wt%
であった。
【0060】(実施例3)実施例2で得られたマラソン
剤含浸層状シリカ多孔体10gをカオリン(ジョージア
カオリン社製 Hydnite-PXS )50gと乳鉢中で混合
し、内径10mmφ、長さ20mmのガラス管中に入れ
てこのガラス管の下端にろ紙を当て、室温下、送液ポン
プにより蒸留水を1cc/分の割合で上から流した。そ
してガラス管通過液中のTOC(Total Organic Carbo
n)をBeckman 社製 Model 915B TotalOrganic Carbon A
nalyzer により分析し、これに基づいてマラソン剤の水
への溶解量(層状シリカ多孔体からの放出量)を推定し
た。その結果、溶解量は10ppmであった。
【0061】(比較例2)実施例3で用いたのと同一の
カオリン50gにマラソン剤2gを乳鉢中で混合し、実
施例3と同じ試験方法でマラソン剤の水への溶解量を推
定した。その結果、溶解量は200ppmであった。
【0062】(実施例4)実施例1で得た層状シリカ多
孔体10gを大内新興化学(株)製のゴム用老化防止剤
ノクラック810−NA(N−フェニレン−N’−イソ
プロピル−P−フェニレンジアミン)5gとアルミナ製
乳鉢中で十分に混合した後、ガラス製容器に密封して、
85°Cで20分間加熱し、ノクラック810−NAの
層状シリカ多孔体への溶融、含浸を行わせた。
【0063】その後、ノクラック810−NA含浸層状
シリカ多孔体をガラス製容器から取り出して、その15
重量部に対し、天然ゴムRSS#1を100重量部、酸
化亜鉛を5重量部、ステアリン酸を1重量部、硫黄を
2.5重量部、加硫促進剤(ノクセラ−MSA−F)を
1重量部を配合し、140°C×25分の加硫処理を行
った。
【0064】そして上記の加硫処理を行ったものについ
て、所定日数経過後のノクラック810−NAの揮発量
をギヤー式老化試験機を用い、JIS63−1の空気加
熱老化試験法に準じて80°Cで処理した後の加熱減量
率(%)により調べた。その結果、層状シリカ多孔体に
含浸されたノクラック810−NAの減量率は、5日経
過後で20%、10日経過後で25%、20日経過後で
30%であった。
【0065】(比較例3)ノクラック810−NAの5
重量部に対し、天然ゴムRSS#1を100重量部、酸
化亜鉛を5重量部、ステアリン酸を1重量部、硫黄を
2.5重量部、加硫促進剤(ノクセラ−MSA−F)を
1重量部を配合し、140°C×25分の加硫処理を行
い、実施例4と同じ方法でノクラック810−NAの減
量率を調べたところ、5日経過後で60%、10日経過
後で73%、20日経過後で78%であった。
【0066】(実施例5)実施例4で得た加硫ゴムをオ
ゾン劣化試験(JIS−K−6301)に供した。即
ち、前記加硫ゴムを10%伸長した状態で50pphm
のオゾンに40°Cで5時間晒し、ゴムの亀裂の有無を
観測したが、亀裂は観測されなかった。一方、比較例3
で得た加硫ゴムを同じオゾン劣化試験に供したところ、
細かい亀裂が僅かに観測された。
【0067】(実施例6)実施例4で得た加硫ゴムと、
比較例3で得た加硫ゴムとを、それぞれ室温でアセトン
抽出(14日間、その間アセトンを3回交換)した後、
いずれも実施例5と同じ条件でオゾン劣化試験に供し
た。その結果、実施例4で得た加硫ゴムには亀裂が観測
されず、比較例3で得た加硫ゴムには多数の亀裂が発生
した。
【0068】(実施例5,6の評価)実施例5,6のオ
ゾン劣化試験は促進試験の性格があり、これらの試験結
果より、ノクラック810−NA含浸層状シリカ多孔体
はノクラック810−NAを長期間にわたり徐々に放出
することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の徐放剤用担体の多孔構造を示す図であ
る。
【図2】本発明の徐放剤用担体の多孔構造の要部を示す
図である。
【図3】本発明の徐放剤用担体の骨格構造を示す図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔径が1〜10nmの範囲にあり、かつ
    奥行きが孔径の10倍〜100,000倍の範囲にある
    多数の細孔を備えた多孔性の担体であって、その細孔容
    量が0.1cc/g以上であることを特徴とする徐放剤
    用担体。
  2. 【請求項2】 珪素四面体SiO4 の層状結晶が波形に
    湾曲した状態で積層することによりハニカム状の多孔構
    造を形成するとともに、この積層した層状結晶の層間に
    は珪酸の脱水縮合によるSiO2 の層間架橋が形成され
    ることにより、前記多孔性の担体が構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の徐放剤用担体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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