JPH07112402B2 - 生鮮食料品の貯蔵方法および装置 - Google Patents
生鮮食料品の貯蔵方法および装置Info
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- JPH07112402B2 JPH07112402B2 JP812894A JP812894A JPH07112402B2 JP H07112402 B2 JPH07112402 B2 JP H07112402B2 JP 812894 A JP812894 A JP 812894A JP 812894 A JP812894 A JP 812894A JP H07112402 B2 JPH07112402 B2 JP H07112402B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生鮮食料品の貯蔵に関
し、特に蒸散作用の激しい農産物の低温高湿度貯蔵方法
および装置に関するものである。 【0002】蒸散作用の激しい農産物とは、例えば、低
温にしても蒸散作用が激しく起こるものとしては、サク
ランボ、ブドウ(米国産)、イチゴ、アスパラガス、ホ
ウレンソウ、ナス、キュウリ、マッシュルーム、タケノ
コ、クリ、等があり、また、カビが繁殖しやすいものと
して、クリ、サツマイモ、モモ、等があり、換気の必要
なものとしてスダチ、カボス、等がある。 【0003】 【従来の技術】一般的に、貯蔵中の生鮮食料品、特に農
産物にとってはカビあるいは腐敗が大きな問題となる。
そのために、これらの食料品を貯蔵するには、低温で貯
蔵するのが一般的である。さらに蒸散の激しい食料品に
とっては低温度でかつ高湿度の雰囲気中で貯蔵すること
も一般に知られている。 【0004】例えば、本発明者等によって、温州みかん
の貯蔵法に関する報告がなされている。「農産食品の貯
蔵法に関する研究」、農業機械学会誌、第30巻第4号
(P252〜256、263)、第34巻第1号(P7
1〜79)、第37巻第1号(P66〜69)参照。 【0005】蒸散の激しい産物は、冷蔵貯蔵庫中でも蒸
散を続け、産物の重量が減少する、いわいる目減り現象
をおこす。そのために冷蔵貯蔵庫内の環境を高湿度にす
ることによって蒸散を抑制し、目減りを押えることが行
なわれている。しかしながら、蒸散の激しい産物にとっ
ては単に冷蔵貯蔵庫内の環境を高湿度とするだけでは貯
蔵産物の表面に結露状態を作り出し、かえってカビの発
生を助長することになり、カビ果撤去率も考慮すると貯
蔵期間および貯蔵効率には一定の限界があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
腐敗および蒸散が問題とされる食料品の貯蔵において、
低温高湿度の貯蔵であるにも拘らず、貯蔵産物の表面に
結露状態を作り出さないようにし、それによってカビの
発生を極力低下させ、長期間の間貯蔵したとしても目減
りも少なくカビ果撤去率も少ない貯蔵方法を得ようとす
るものである。 【0007】例えば、図18に従来一般的に行なわれて
いる低温高湿度冷蔵装置の概略見取り図を示す。 【0008】この低温高湿度冷蔵装置は点線で示された
冷蔵貯蔵室100内にユニットクーラー110と、超音
波加湿装置120とを設け、該冷蔵貯蔵室の側壁には換
気扇130と出入りの為のドア140が設けられてい
る。 【0009】貯蔵産物は貯蔵棚150、150内に適当
に積み重ねられて貯蔵されている。 【0010】このような低温高湿度冷蔵装置において
は、冷蔵貯蔵する前工程として、「予冷」が一般的に行
なわれている。 【0011】予冷とは貯蔵産物の低温貯蔵に先だって、
比較的短時間に目的の温度にまで貯蔵産物を冷却し鮮度
の保持を効果的にするものである。この予冷には、普通
予冷、冷水予冷、真空予冷、差圧予冷等が行なわれてい
るが、ここで詳細に説明することは省略する。 【0012】このような低温高湿度冷蔵装置では、低温
高湿度に維持された貯蔵庫内を換気する場合には、外気
の導入による熱負荷の増大と内部空気状態の急激な変化
とが予想される。このような従来の冷蔵装置において、
実際に貯蔵産物(本発明者の実験装置に於いては入荷
後、燻蒸されたクリ果実を予冷した後に実験に用いた)
を貯蔵した場合の具体的な実験結果を図20にグラフで
示す。 【0013】この具体例では冷蔵庫内の温度は0℃、湿
度は80〜90%に設定して貯蔵した例である。この詳
細については後においても説明する。 【0014】該グラフの表示については、クリ果実表面
温度が―△―△―で、庫内空気温度が―〇―〇―で、露
点温度が―●―●―で示されており、左側の温度(℃)
軸で数値が与えられている。 【0015】また、湿度については、計算値が―〇―〇
―で、湿度実測値が―●―●―、絶対湿度が―△―△―
で示されており、右側の相対湿度軸、絶対湿度軸で数値
が与えられている。 【0016】これに依って明かなように、クリ果実表面
温度(―△―△―)、庫内空気温度(−〇―〇―)およ
び露点温度(―●―●―)が庫内空気の換気に伴い波を
打って変化しており、特に、クリ果実表面温度(―△―
△―)と露点温度(―●―●―)との関係が逆転する時
間があり、その時間内ではクリ果実表面温度よりも露点
温度が高くなり、それによってクリ果実表面に結露する
可能性が高くなっていることが理解できる。 【0017】一旦、クリ果実表面に結露が生じると、庫
内の湿度が高いために蒸発しにくく、それがカビの発生
を助長することになる。 【0018】したがって、本発明では従来のこうした欠
点を解決し、低温高湿度の貯蔵であるにも拘らず、貯蔵
産物の表面温度、庫内空気温度および露点温度を、庫内
空気の換気によっても従来例のごとく波を打って変化せ
ずフラットな状態を維持し、貯蔵産物の表面に結露状態
を作り出さないようにした生鮮食料品の貯蔵方法および
装置を提供することを主たる目的とするものである。 【0019】 【課題を解決するための手段】従来、低温高湿度環境で
の産物の貯蔵においては、高湿度そのものが貯蔵産物の
カビの発生あるいは腐敗発生の原因であるかのごとき考
え方も見受けられたが、本発明者等は、低温高湿度の貯
蔵においては、貯蔵庫内の高湿度そのものが貯蔵産物の
カビ果発生の原因となるのではなく、貯蔵産物表面に生
ずる結露がその発生原因であるという考え方を基にして
本発明をするに至った。 【0020】つまり低温高湿度を維持し、しかも貯蔵産
物の表面に結露状態を生起させないように庫内の空気状
態(産物貯蔵環境)を管理することによって貯蔵産物を
長期間冷蔵貯蔵することを可能としたものである。 【0021】本発明においては、低温高湿度の貯蔵であ
るにも拘らず、貯蔵産物の表面に結露状態を作り出さな
いようにするために、外部環境に対して温度影響を受け
ないように外部環境から断熱的に隔離された産物貯蔵帯
域を形成し、同じく外部環境に対して温度影響を受けな
いように外部環境から断熱的に隔離された緩衝スペース
を産物貯蔵帯域とは別に形成し、産物貯蔵帯域内には被
貯蔵産物を貯蔵するための貯蔵手段を設けたものであっ
て、緩衝スペース内の環境は空気冷却手段および加湿手
段によって適当な温度と湿度を保持し、外部環境と緩衝
スペースとの間および緩衝スペースと産物貯蔵帯域との
間で相互に換気をしながら、被貯蔵産物の貯蔵を行なう
ようにしたことを特徴とするものであり、また外部環境
からの温度影響を受けないようにするために、外部環境
内に緩衝スペースによって外周を実質的に包囲された産
物貯蔵帯域を形成し、産物貯蔵帯域内には被貯蔵産物を
貯蔵するための貯蔵手段を設け、緩衝スペース内の環境
は空気冷却手段および加湿手段によって適当な温度と湿
度を保持し、外部環境と緩衝スペースとの間および緩衝
スペースと産物貯蔵帯域との間で相互に換気をしなが
ら、被貯蔵産物の貯蔵を行なうようにすることもでき
る。 【0022】さらに外部環境と緩衝スペースとの間およ
び緩衝スペースと産物貯蔵帯域との間での相互の換気
が、前者においては温度のみの熱交換を行ないながら換
気が行なわれ、後者においては温度に加えて湿度も交換
しながら換気が行なわれるようにすることによってさら
に効果が期待される。 【0023】また本発明は、低温高湿度の貯蔵であるに
も拘らず、貯蔵産物の表面温度、庫内空気温度および露
点温度を、庫内空気の換気によっても波を打って変化せ
ずフラットな状態を維持し、常に被貯蔵産物の表面温度
を露点温度よりも高く維持することによって該貯蔵産物
の表面に結露状態を作り出さないようにしたものであ
る。 【0024】本発明の装置は外側ハウジング内にそれよ
りも体積の小なる内側ハウジングを設け、それによって
該内側ハウジング外周を実質的に包囲する緩衝スペース
を形成し、外側ハウジングには外部環境と緩衝スペース
との間を相互に換気するための熱交換形の換気装置を設
け、内側ハウジングには該緩衝スペースと内側ハウジン
グ内部との間を相互に換気するための熱交換形の換気装
置を設け、さらに緩衝スペース内の適当な位置に空気冷
却装置および加湿装置を配置し、内側ハウジング内には
被貯蔵産物を貯蔵するための貯蔵棚を設けることによっ
て構成される。 【0025】さらに、外部環境と緩衝スペースとの間お
よび緩衝スペースと産物貯蔵帯域との間での相互の換気
が、前者においては温度のみの交換を行ないながら換気
をする顕熱形の換気装置によって行なわれ、後者におい
ては温度に加えて湿度も交換しながら換気をする全熱形
の換気装置によって行なわれるようにすることにとって
さらに効果が期待される。 【0026】 【作用】本発明は以上に述べたように外部環境から温度
の影響を受けないように断熱的に設けられた産物貯蔵帯
域および緩衝スペースを設けるか、あるいは外部環境内
に緩衝スペースによって外周を実質的に包囲された産物
貯蔵帯域を形成し、該産物貯蔵帯域内には被貯蔵産物を
貯蔵するための貯蔵手段を設けるかしたものであって、
該緩衝スペース内の環境は空気冷却手段および加湿手段
によって適当な温度と湿度を保持し、該外部環境と緩衝
スペースとの間および該緩衝スペースと産物貯蔵帯域と
の間で相互に換気をしながら、被貯蔵産物の貯蔵を行な
うようにし、さらに該外部環境と緩衝スペースとの間お
よび緩衝スペースと産物貯蔵帯域との間での相互の換気
が、前者においては温度のみの交換をしながら換気する
顕熱交換形の換気装置によって行なわれ、後者において
は温度に加えて湿度も交換する全熱形の換気装置によっ
て行なわれるようにしたことを基本的な作用とするもの
である。 【0027】従って、外部環境が貯蔵産物に適さない環
境、例えば高温低湿度であっても緩衝スペースが存在す
ることによって、貯蔵産物に必要な換気をしたとしても
熱負荷の急激な変化が緩衝され貯蔵室内の温度あるいは
湿度が波を打って変化せずに、フラットな状態を維持す
るという作用も達成することができるものである。 【0028】 【実施例】本発明の装置の基本構成を図1に沿って説明
する。図1に示す貯蔵装置では外側ハウジング1と内側
ハウジング2の間には外部環境と産物貯蔵帯域との間に
断熱的な隔離を達成するために緩衝スペース3が構成さ
れ、この緩衝スペース3内には空気冷却装置4加湿装置
5とが設けられている。内外のハウジングの適当な位置
には、それぞれ空気調和形の換気装置6および7が設け
られている。さらに内側ハウジング2内には貯蔵すべき
生鮮食料品の貯蔵棚8が設けられている。 【0029】この場合、外側ハウジング1に設けられた
換気装置6は顕熱交換形の換気装置であり、内側ハウジ
ング2に設けられた換気装置7は全熱交換形の換気装置
であって、これらの換気装置は同時吸排気が出来るタイ
プであるのが望ましい。 【0030】この熱交換形換気装置は、図6に概略図を
示すが、換気装置全体が50で示されている。この換気
装置50は、本体ケ−ス51内に設けられたモ−タ(図
示なし)から延びた回転軸52に対して固定され回転可
能に支承された熱交換エレメント53を設け、この熱交
換エレメント53の前後をそれぞれ前フィルタ−54お
よび後フィルタ−55によって挟み、さらにその前方を
パネル56によってカバ−したものである。また、57
はパネル止メネジ、58および59は熱交換エレメント
53を回転軸52に固定するための蝶ナットおよびワッ
シャ−、60は該換気装置の作動のためのスイッチであ
る。 【0031】この熱交換形換気装置は本発明においては
詳細を説明しないが、温度差あるいは湿度差のある内部
環境と外部環境との間での吸気と排気によって換気を行
なう際にそれぞれの気流(吸気流と排気流)が回転して
いる熱交換エレメント53を介して温度交換あるいは湿
度交換を達成する。この様な熱交換形の換気装置は作動
していない場合には自然換気をしないために、換気装置
非作動時の産物貯蔵帯域内の環境を維持するのに良好で
ある。 【0032】しかしながら、この自然換気をさらに完全
に防止するには、特に、外側ハウジング1に設けられた
換気装置6の外側部にカバ−、あるいは特別のシャッタ
−を設けることができる(当業者であれば容易に実施で
きるので図示せず)。 【0033】換気装置6は顕熱形の換気装置であり、温
度交換のみを行ないながら換気をするタイプのものであ
る。換気装置7は全熱形の換気装置であり温度に加えて
湿度をも交換しながら換気をするタイプのものである。 【0034】このような換気装置とするためには熱交換
エレメントの材質を選択する必要がある。 【0035】つまり顕熱形の換気装置6の熱交換エレメ
ントは濡れにくい材質が適当である。従って、この表面
には結露することのないように、和紙等のように濡れ易
い材質ではなくて、薄い板状に形成されたアルミ金属製
のものあるいは塩化ビニ−ル製のもの等を用いるのが望
ましい。これによって、湿度の交換はなく温度のみの交
換をしながら換気を行なうことができる。 【0036】これとは逆に、全熱形の換気装置7の熱交
換エレメントは濡れ易く、しかも乾き易い材質が望まし
い。つまり、湿度の高い側ではその湿分を吸収し湿度の
低い側でその捕捉した湿分を放出する必要がある。これ
によって、温度に加えて湿度の交換をも同時に行ないな
がら換気を達成することができる。 【0037】本発明者の実験装置においては、外側ハウ
ジング1に設けられた顕熱形の換気装置6は塩化ビニ−
ル製のエレメント、内側ハウジング2に設けられた全熱
形の換気装置7はアルミ金属製のエレメントを用いた。 【0038】さらには、このアルミ金属製エレメントの
表面にシリカ系吸湿剤を塗布あるいは蒸着することによ
って、より良好な効果が期待できる。 【0039】以上の様な熱交換エレメントを選択するこ
とにより、エレメント表面への結露状態の発生が抑制さ
れ、その結果、水滴の産物貯蔵帯域内への飛散も防止さ
れる。 【0040】緩衝スペース3内に設けられた加湿装置5
から出される水分粒子はあまりに大きいと問題であり3
μ以下の水分粒子径となる超音波加湿装置であるのが望
ましい。 【0041】空気冷却装置4はユニット形クーラーと称
されているものでよい。 【0042】図2および図3は、それぞれ、図1に示し
た貯蔵装置の基本構成を具体化した装置の概略見取り図
であり、添付数字は図1のものと同一の各要素に対応し
て用いられている。 【0043】これらの具体例においては人の出入りある
いは産物の出し入れのためのドア9、10が設けられて
いる。さらに、外側ハウジング1と内側ハウジング2と
の低部においても緩衝スペース3を形成するために、内
側ハウジング2の下部にすのこ状の保持部材11…11
を配置している。尚、12は導風板を示している。この
導風板の作用については後述する。 【0044】該内側ハウジング2の下部には緩衝スペー
スを設けないことも可能であるが、産物貯蔵帯域内の空
間が外部環境から温度の影響を受けないようにするため
には本実施例に図示のごとく、内側ハウジング2が外側
ハウジング1内で空中に浮いている状態であるのが望ま
しい。 【0045】従って、図示はしていないが内側ハウジン
グ2を外側ハウジング1の天井部分から吊り下げること
も可能である。また、外側ハウジング1の少なくとも底
面部分を断熱材20等で形成することにより同様の効果
を得ることもできる(図7)。 【0046】内側ハウジング2の内容積(産物貯蔵帯
域)は貯蔵すべき産物の量により決定されるものである
が、できるだけ大きい方が望ましい。また、緩衝スペー
ス3の内容積(Vs)と内側ハウジング2の内容積(V
o)との関係は時間当たりの換気回数によっても相違す
るが、本発明者が実際に用いた実験設備においては、V
s/Voの関係が、 11.5/9.9=1.16と、 6.3/6.7=0.94 であったが、いずれも望ましい結果を得た。 【0047】この関係は貯蔵産物によっても相違する
し、換気装置の運転状況によっても相違するものと考え
られるが、緩衝スペ−ス3の役割である外部環境から産
物貯蔵帯域への換気による内部の空気状態(温度、湿
度)の急激な変動を産物貯蔵帯域におよぼさないという
効果が十分に達成される程度の容積であれば良い。 【0048】結論として言えることは、産物貯蔵帯域に
対する換気が2〜4回程度となるように制御するのが好
ましい。 【0049】本発明者の実験において、緩衝スペース3
と内側ハウジング2内の産物貯蔵空間との間の全熱交換
形の換気装置7を40V以上(換気回数2回/時間、以
上)で作動させた場合、内側ハウジング2内の産物貯蔵
空間内に好ましくない湿度変動をきたした。そこで、換
気装置7の最低電圧を40Vにし、給気口にフィルタ−
を設けた。その結果、換気回数は1時間当たり2回以下
になったと考えられ、上記の好ましくない湿度変動もみ
られなかった。 【0050】この換気装置の運転調節はボルトスライダ
−などの調節手段によって風量制御することにより達成
される。本発明者の実験装置に於いては、電圧を0,4
0,60,80,100Vの範囲で調節して実験した。 【0051】本発明者の実験装置に於ける換気量の計算
は以下の考えかたにより算出されている。これ等の冷貯
蔵庫の自然換気量ならびに強制換気量は炭酸ガス濃度法
により測定した。 【0052】実験は濃度99.9%の液化炭酸ガスを冷
蔵庫内に充満させて(初期濃度3,000PPM程度)
換気装置を稼動させた。外気・緩衝スペースおよび緩衝
スペース・貯蔵庫内空間を換気する各々の換気装置は同
電圧出力で換気する同時作動方式を採用した。当然のこ
とながら、本発明を実施する場合には、この同時換気方
式を採用せずに適宜のサイクルで交互運転することも考
えられる。 【0053】炭酸ガス濃度の測定および記録は図14に
その具体的実施例を示す。つまり、本発明の冷蔵貯蔵装
置の緩衝スペース3と産物貯蔵帯域内にそれぞれ設けら
れた炭酸ガスコントロ−ラ71、72で測定し、記録計
73により記録した。 【0054】換気回数は以下の式で算出した。 n=Q/V =2.303×1/τ・logω(C1−Co)/(C
t−Co) ここで V :貯蔵室内容積、立方米 τ :経過時間、hr C1:τ=0時のCO2濃度、% Ct:τ時間後のCO2濃度、% Co:外気のCO2濃度、% 図4、図5には、本発明の具体的実施例である冷蔵貯蔵
装置の使用状態に於ける空気の流れ方を示している。さ
らに詳細には図4は予冷時の状態であり、図5は貯蔵時
の状態である。 【0055】本発明の実施例において、このように同一
の装置によって予冷と貯蔵の両方の用途に適用させるた
めに、具体策として、貯蔵棚8の後方壁面14の少なく
とも一部を取り外し自在に構成することにより達成し
た。 【0056】つまり、図4で示す予冷時には貯蔵棚8の
後方壁面14を取り外し、棚段13の入口部分以外は全
て密閉し、空気冷却装置4を運転して冷気を作り、該冷
気を図示の矢印のごとく貯蔵棚8内を貫通して流し貯蔵
棚8内の複数の棚段13上に置かれた貯蔵産物を短時間
に予冷する。 【0057】このとき、導風板12は空気冷却装置4か
ら吹き出された冷気を加圧し加速しながら加湿装置5に
向けて流す働きをしている。これによって、加湿装置5
から出ている微細な水分粒子がより均一に冷気流内に拡
散混合されるものである。 【0058】また、棚段13の出口を出てきた冷気の排
気を速やかに行なうために棚段13の出口に対向して邪
魔板15を設けている。この邪魔板15は下流の排気口
16に近いずくに従って通路面積が狭くなるように傾斜
させることも可能である。 【0059】さらに、冷気流の動圧を小さくするため
に、棚段13の冷気流入口より上流側に空間18を形成
することも出来る(図8)。 【0060】この予冷時には、換気装置7は運転させて
いないが、換気装置6は貯蔵産物によっては運転するこ
とも可能である。 【0061】予冷が終了すると、産物の貯蔵に移るので
あるが、この時には図5で示すように、外部環境の空気
は換気装置6によって緩衝スペース3内に換気導入され
てから、この緩衝スペース3の作用によって急激な温
度、湿度の変動を和らげられ、さらに換気装置7を介し
て産物貯蔵帯域内に換気導入される。 【0062】このために前記貯蔵棚8の後方壁面14を
取り付け、前記邪魔板15の下流部に設けられた排気口
16を適宜閉鎖して空気冷却装置4からの冷気が直接に
貯蔵棚8内に導入されないようにし、全熱交換形の換気
装置7によって緩衝スペース3内の冷気を、温度交換と
湿度交換を行ないながら換気導入するように構成してい
る。 【0063】この際、図10に示すように邪魔板15の
中央部19を外して左右に設けられた棚段13の側方部
より冷気が導入されるように構成してもよいし、図9に
示すように貯蔵棚8の上面17および邪魔板15を取り
外して内側ハウジング2内の産物貯蔵空間の換気を邪魔
しないように構成することも出来る。 【0064】本発明の効果を具体的な実験によって実証
するために、本発明者等は以下のような実験を行なっ
た。実験のフロ−チャ−トは図11に示す通りである。 【0065】実験の概要 実験装置の概要は、図2、図3に示したものを用い、対
比のために図18に示す従来形の普通冷蔵庫を用いた。
実験に使用した貯蔵産物はクリ果実を用いた。 【0066】クリ果実は農協に入荷、燻蒸されたものを
約2時間かけて運搬し、到着直後予冷を行なった。予冷
方式は真空冷却、冷水冷却(浸漬式)、差圧通風冷却に
より行なった。 【0067】この他、対照区として普通冷蔵庫内で行な
う緩慢冷却区を設けた。 【0068】いずれも品温が約2℃になった時点で冷蔵
を開始した。冷蔵区は予冷直後に包装区と無包装区に分
け、本発明方式の冷蔵貯蔵庫2室と、普通冷蔵貯蔵庫2
室で冷蔵した。クリ果実はトレイに詰めて蚕棚式に冷蔵
した。 【0069】この蚕棚式の貯蔵棚8は図15に示すよう
に、棚枠部材75…75によって概略直方体に構成され
た棚枠内に複数の棚段13を設け、この各棚段上にはそ
れぞれトレイ76…76が引出式に挿入されている。さ
らに、この貯蔵棚8は下部に移動を容易にする為に適当
数のキャスタ−77…77を設けることもできる。 【0070】ここにおいて包装とは、トレイ76にクリ
果実を詰めた上から自己粘着性軟質塩化ビニ−ルフィル
ム78(略称:PVCフィルム)でカバ−したものであ
る(図16)。この包装の他の方法としては、図17
(a)に示すように、棚枠部材75、75に対して引出
式に挿入されたトレ−76、76の側壁に案内溝79、
79が形成されており、この案内溝79、79に対して
はPVCフィルム保持枠80が差し込み自在となるよう
に構成されている。 【0071】さらに別の方法として、図17(c)に示
すようにクリ果実を直接PVCフィルムで包装する方
法、あるいは図17(d)に示すようにトレイ内に高枠
部材81を配置し、その上からPVCフィルムを包装す
る方法も考えられる。 【0072】この様にPVCフィルムで包装する理由
は、貯蔵産物に対して冷気流を直接当てないためであ
る。冷気流が貯蔵産物に直接当たると、蒸散が助長され
て目減りを速めてしまう。しかしながら完全に密封状態
にすると内部に有毒ガスが過度に溜まってしまい、逆に
障害(例えば、CO2障害)となる。従って、該フィル
ムには貯蔵産物に対しての直接の冷気流は阻止し、内部
の空気状態は良好に維持し、しかも適当な通気性、特に
有毒ガスに対しての通気性が要求される。この要求を満
足するものの一つがPVCフィルムである。 【0073】一般的に、PVCフィルムの炭酸ガス透過
度は218−848cc/m2・h・atomである。 【0074】この様にPVCフィルムによって包装する
ことによって、クリ果実に直接冷気流が当たることがな
く、クリ果実からの蒸散を、より効果的に抑制すること
ができる。また、適度にCO2ガスを逃がすのでCO2
障害を起こすこともない。CA(Controlled
Atmosphere)貯蔵に関する研究報告のいく
つかは、クリ果実を超期間冷蔵する際の最適ガス組成を 酸素:炭酸ガス=3%:6% としている。 【0075】また、PVCフィルムで包装すれば、普通
冷蔵倉庫でもかなり品質保持期間が長くなる。ところ
が、PVCフィルムを用いてそれぞれのトレイを包装す
るには手間がかかり、大規模貯蔵の場合には実用的でな
い。 【0076】このような事から、以上で説明したような
簡単で時間のかからないPVCフィルム包装手段が考え
られた。このようにPVCフィルム内の環境条件を装置
化できれば本発明の冷蔵方式に加えてPVCフィルムで
の包装手段を併用する事によってさらに良好な効果が期
待できるものである。 【0077】表1および表2に実験に供した各冷蔵区の
緒元および冷蔵条件を示す。 【0078】 【表1】 【0079】 【表2】 【0080】ここにおいて、外部環境との換気操作は全
実験区とも外部環境側に設けられた換気装置に被せた自
然換気を防止するためのカバ−(図示なし)を取り外し
て、表2に示された設定電圧で所定回数の換気を行なう
こととし、換気終了後は再び被せる方法を採用した。こ
の際の換気時間は1回15分とした。また本発明による
方式の内側に設けられた全熱形の換気装置は、最初の内
は断続運転をしていたが、一時期から連続運転に変更し
て貯蔵を継続した。 【0081】貯蔵中の品質判定は目減り(図26)、カ
ビ果撤去率(図27)、力学的特性(図28および図2
9)、官能検査(表3および表4)の項目について行な
い、それぞれの結果はそれぞれの図および表に示す通り
であった。 【0082】 【表3】 【0083】 【表4】 【0084】実験結果 1.基礎実験 1)換気量 図19に各冷蔵貯蔵庫(本発明方式の場合は産物貯蔵帯
域を示す)について換気装置の設定電圧と換気回数との
関係を示す。設定電圧0V(換気装置非作動状態)で
は、外部環境側に設けられた換気装置を稼動させない状
態で、それに被せた自然換気を防止するためのカバ−を
取り外した場合の間隙換気量を示している。 産物貯蔵
中の強制換気の調節はこれらの基礎実験の結果を基に出
力電圧を設定して行なった。それらは、表2にまとめて
表示されている。 【0085】2)クリ果実表面の結露 図20および図21には、強制換気をしない場合の、従
来の各冷蔵貯蔵庫内の温度、湿度変化および本発明の方
式の冷蔵貯蔵庫内のそれぞれの変化を示す。これによる
と、従来の普通冷蔵貯蔵庫ではクリ果実表面温度が周囲
空気の露点温度より小さくなる期間がみられる(図2
0)。この期間は肉眼では観測できなかったが、クリ果
実表面に結露していることが考えられる。これに対し
て、本発明の冷蔵貯蔵庫ではクリ果実表面温度は常に露
点温度よりも高く、しかもフラットに変動しており(図
21)、クリ果実表面に結露しない効果が認められた。 【0086】3)強制換気時の温度、湿度変化 図22から図25に、強制換気時における各実験区の冷
蔵貯蔵庫内の温度および湿度変動を示す。本発明の産物
貯蔵帯域内の空気の温度および湿度は図21に示す傾向
とほぼ同じでクリ果実表面に結露が発生するおそれのあ
る期間はみられなかった(図23および図25)。ここ
において図23は、本発明方式1区(C室)での実験結
果であり、図25は、本発明方式2区(E室)での実験
結果である。 【0087】これに対して、図22には従来の普通冷蔵
1区(B室)での実験結果を示し、図24には従来の普
通冷蔵2区(D室)での実験結果を示している。これら
によると、図20に示したものと同様にクリ果実表面の
温度と、露点温度とが激しく変動し、クリ果実表面温度
が周囲空気の露点温度より小さくなる期間がみられ、ク
リ果実表面に結露する可能性が大きい。 【0088】以上の結果からも分かるように、今回の実
験において設定した本発明方式の換気量および換気時間
は(表1および表2)、産物貯蔵時の温度および湿度を
不安定にさせることはなかった。 【0089】2.予冷、冷蔵実験 1)目減り 図26に今回の実験の全冷蔵区の目減り状態を示す。各
プロット点は全予冷区の平均値である。本発明方式によ
る冷蔵区での目減りは普通冷蔵区に比べ緩慢で、特にE
室は100日後でも十分に商品価値があった。 【0090】2)腐敗果率 図27にカビ果撤去量を示す。本発明方式による冷蔵区
のカビ果撤去量は普通冷蔵区に比べ少なく、特にE室で
は冷蔵80日後で歩留り80%近くを保つことができ
た。 【0091】3)硬度指標 図28および図29(剥皮果)にクリ果実の硬度の変化
を示す。これらによっても本発明の方式による貯蔵は従
来方式によるものよりも硬度の減少スピ−ドが遅いこと
が分かる。 【0092】4)官能(食味)検査 表3および表4に、無包装区および包装区での官能検査
の結果を示す。これは予冷方法の相違によっても大いに
相違しているが、全体的には本発明の実施例によるもの
が最良であるとの結果がでている。 【0093】 【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、産
物貯蔵帯域内の環境を低温高湿度に保っても貯蔵産物の
表面に結露を生じることがなく、超期間の冷蔵貯蔵が可
能とされるものである。
し、特に蒸散作用の激しい農産物の低温高湿度貯蔵方法
および装置に関するものである。 【0002】蒸散作用の激しい農産物とは、例えば、低
温にしても蒸散作用が激しく起こるものとしては、サク
ランボ、ブドウ(米国産)、イチゴ、アスパラガス、ホ
ウレンソウ、ナス、キュウリ、マッシュルーム、タケノ
コ、クリ、等があり、また、カビが繁殖しやすいものと
して、クリ、サツマイモ、モモ、等があり、換気の必要
なものとしてスダチ、カボス、等がある。 【0003】 【従来の技術】一般的に、貯蔵中の生鮮食料品、特に農
産物にとってはカビあるいは腐敗が大きな問題となる。
そのために、これらの食料品を貯蔵するには、低温で貯
蔵するのが一般的である。さらに蒸散の激しい食料品に
とっては低温度でかつ高湿度の雰囲気中で貯蔵すること
も一般に知られている。 【0004】例えば、本発明者等によって、温州みかん
の貯蔵法に関する報告がなされている。「農産食品の貯
蔵法に関する研究」、農業機械学会誌、第30巻第4号
(P252〜256、263)、第34巻第1号(P7
1〜79)、第37巻第1号(P66〜69)参照。 【0005】蒸散の激しい産物は、冷蔵貯蔵庫中でも蒸
散を続け、産物の重量が減少する、いわいる目減り現象
をおこす。そのために冷蔵貯蔵庫内の環境を高湿度にす
ることによって蒸散を抑制し、目減りを押えることが行
なわれている。しかしながら、蒸散の激しい産物にとっ
ては単に冷蔵貯蔵庫内の環境を高湿度とするだけでは貯
蔵産物の表面に結露状態を作り出し、かえってカビの発
生を助長することになり、カビ果撤去率も考慮すると貯
蔵期間および貯蔵効率には一定の限界があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
腐敗および蒸散が問題とされる食料品の貯蔵において、
低温高湿度の貯蔵であるにも拘らず、貯蔵産物の表面に
結露状態を作り出さないようにし、それによってカビの
発生を極力低下させ、長期間の間貯蔵したとしても目減
りも少なくカビ果撤去率も少ない貯蔵方法を得ようとす
るものである。 【0007】例えば、図18に従来一般的に行なわれて
いる低温高湿度冷蔵装置の概略見取り図を示す。 【0008】この低温高湿度冷蔵装置は点線で示された
冷蔵貯蔵室100内にユニットクーラー110と、超音
波加湿装置120とを設け、該冷蔵貯蔵室の側壁には換
気扇130と出入りの為のドア140が設けられてい
る。 【0009】貯蔵産物は貯蔵棚150、150内に適当
に積み重ねられて貯蔵されている。 【0010】このような低温高湿度冷蔵装置において
は、冷蔵貯蔵する前工程として、「予冷」が一般的に行
なわれている。 【0011】予冷とは貯蔵産物の低温貯蔵に先だって、
比較的短時間に目的の温度にまで貯蔵産物を冷却し鮮度
の保持を効果的にするものである。この予冷には、普通
予冷、冷水予冷、真空予冷、差圧予冷等が行なわれてい
るが、ここで詳細に説明することは省略する。 【0012】このような低温高湿度冷蔵装置では、低温
高湿度に維持された貯蔵庫内を換気する場合には、外気
の導入による熱負荷の増大と内部空気状態の急激な変化
とが予想される。このような従来の冷蔵装置において、
実際に貯蔵産物(本発明者の実験装置に於いては入荷
後、燻蒸されたクリ果実を予冷した後に実験に用いた)
を貯蔵した場合の具体的な実験結果を図20にグラフで
示す。 【0013】この具体例では冷蔵庫内の温度は0℃、湿
度は80〜90%に設定して貯蔵した例である。この詳
細については後においても説明する。 【0014】該グラフの表示については、クリ果実表面
温度が―△―△―で、庫内空気温度が―〇―〇―で、露
点温度が―●―●―で示されており、左側の温度(℃)
軸で数値が与えられている。 【0015】また、湿度については、計算値が―〇―〇
―で、湿度実測値が―●―●―、絶対湿度が―△―△―
で示されており、右側の相対湿度軸、絶対湿度軸で数値
が与えられている。 【0016】これに依って明かなように、クリ果実表面
温度(―△―△―)、庫内空気温度(−〇―〇―)およ
び露点温度(―●―●―)が庫内空気の換気に伴い波を
打って変化しており、特に、クリ果実表面温度(―△―
△―)と露点温度(―●―●―)との関係が逆転する時
間があり、その時間内ではクリ果実表面温度よりも露点
温度が高くなり、それによってクリ果実表面に結露する
可能性が高くなっていることが理解できる。 【0017】一旦、クリ果実表面に結露が生じると、庫
内の湿度が高いために蒸発しにくく、それがカビの発生
を助長することになる。 【0018】したがって、本発明では従来のこうした欠
点を解決し、低温高湿度の貯蔵であるにも拘らず、貯蔵
産物の表面温度、庫内空気温度および露点温度を、庫内
空気の換気によっても従来例のごとく波を打って変化せ
ずフラットな状態を維持し、貯蔵産物の表面に結露状態
を作り出さないようにした生鮮食料品の貯蔵方法および
装置を提供することを主たる目的とするものである。 【0019】 【課題を解決するための手段】従来、低温高湿度環境で
の産物の貯蔵においては、高湿度そのものが貯蔵産物の
カビの発生あるいは腐敗発生の原因であるかのごとき考
え方も見受けられたが、本発明者等は、低温高湿度の貯
蔵においては、貯蔵庫内の高湿度そのものが貯蔵産物の
カビ果発生の原因となるのではなく、貯蔵産物表面に生
ずる結露がその発生原因であるという考え方を基にして
本発明をするに至った。 【0020】つまり低温高湿度を維持し、しかも貯蔵産
物の表面に結露状態を生起させないように庫内の空気状
態(産物貯蔵環境)を管理することによって貯蔵産物を
長期間冷蔵貯蔵することを可能としたものである。 【0021】本発明においては、低温高湿度の貯蔵であ
るにも拘らず、貯蔵産物の表面に結露状態を作り出さな
いようにするために、外部環境に対して温度影響を受け
ないように外部環境から断熱的に隔離された産物貯蔵帯
域を形成し、同じく外部環境に対して温度影響を受けな
いように外部環境から断熱的に隔離された緩衝スペース
を産物貯蔵帯域とは別に形成し、産物貯蔵帯域内には被
貯蔵産物を貯蔵するための貯蔵手段を設けたものであっ
て、緩衝スペース内の環境は空気冷却手段および加湿手
段によって適当な温度と湿度を保持し、外部環境と緩衝
スペースとの間および緩衝スペースと産物貯蔵帯域との
間で相互に換気をしながら、被貯蔵産物の貯蔵を行なう
ようにしたことを特徴とするものであり、また外部環境
からの温度影響を受けないようにするために、外部環境
内に緩衝スペースによって外周を実質的に包囲された産
物貯蔵帯域を形成し、産物貯蔵帯域内には被貯蔵産物を
貯蔵するための貯蔵手段を設け、緩衝スペース内の環境
は空気冷却手段および加湿手段によって適当な温度と湿
度を保持し、外部環境と緩衝スペースとの間および緩衝
スペースと産物貯蔵帯域との間で相互に換気をしなが
ら、被貯蔵産物の貯蔵を行なうようにすることもでき
る。 【0022】さらに外部環境と緩衝スペースとの間およ
び緩衝スペースと産物貯蔵帯域との間での相互の換気
が、前者においては温度のみの熱交換を行ないながら換
気が行なわれ、後者においては温度に加えて湿度も交換
しながら換気が行なわれるようにすることによってさら
に効果が期待される。 【0023】また本発明は、低温高湿度の貯蔵であるに
も拘らず、貯蔵産物の表面温度、庫内空気温度および露
点温度を、庫内空気の換気によっても波を打って変化せ
ずフラットな状態を維持し、常に被貯蔵産物の表面温度
を露点温度よりも高く維持することによって該貯蔵産物
の表面に結露状態を作り出さないようにしたものであ
る。 【0024】本発明の装置は外側ハウジング内にそれよ
りも体積の小なる内側ハウジングを設け、それによって
該内側ハウジング外周を実質的に包囲する緩衝スペース
を形成し、外側ハウジングには外部環境と緩衝スペース
との間を相互に換気するための熱交換形の換気装置を設
け、内側ハウジングには該緩衝スペースと内側ハウジン
グ内部との間を相互に換気するための熱交換形の換気装
置を設け、さらに緩衝スペース内の適当な位置に空気冷
却装置および加湿装置を配置し、内側ハウジング内には
被貯蔵産物を貯蔵するための貯蔵棚を設けることによっ
て構成される。 【0025】さらに、外部環境と緩衝スペースとの間お
よび緩衝スペースと産物貯蔵帯域との間での相互の換気
が、前者においては温度のみの交換を行ないながら換気
をする顕熱形の換気装置によって行なわれ、後者におい
ては温度に加えて湿度も交換しながら換気をする全熱形
の換気装置によって行なわれるようにすることにとって
さらに効果が期待される。 【0026】 【作用】本発明は以上に述べたように外部環境から温度
の影響を受けないように断熱的に設けられた産物貯蔵帯
域および緩衝スペースを設けるか、あるいは外部環境内
に緩衝スペースによって外周を実質的に包囲された産物
貯蔵帯域を形成し、該産物貯蔵帯域内には被貯蔵産物を
貯蔵するための貯蔵手段を設けるかしたものであって、
該緩衝スペース内の環境は空気冷却手段および加湿手段
によって適当な温度と湿度を保持し、該外部環境と緩衝
スペースとの間および該緩衝スペースと産物貯蔵帯域と
の間で相互に換気をしながら、被貯蔵産物の貯蔵を行な
うようにし、さらに該外部環境と緩衝スペースとの間お
よび緩衝スペースと産物貯蔵帯域との間での相互の換気
が、前者においては温度のみの交換をしながら換気する
顕熱交換形の換気装置によって行なわれ、後者において
は温度に加えて湿度も交換する全熱形の換気装置によっ
て行なわれるようにしたことを基本的な作用とするもの
である。 【0027】従って、外部環境が貯蔵産物に適さない環
境、例えば高温低湿度であっても緩衝スペースが存在す
ることによって、貯蔵産物に必要な換気をしたとしても
熱負荷の急激な変化が緩衝され貯蔵室内の温度あるいは
湿度が波を打って変化せずに、フラットな状態を維持す
るという作用も達成することができるものである。 【0028】 【実施例】本発明の装置の基本構成を図1に沿って説明
する。図1に示す貯蔵装置では外側ハウジング1と内側
ハウジング2の間には外部環境と産物貯蔵帯域との間に
断熱的な隔離を達成するために緩衝スペース3が構成さ
れ、この緩衝スペース3内には空気冷却装置4加湿装置
5とが設けられている。内外のハウジングの適当な位置
には、それぞれ空気調和形の換気装置6および7が設け
られている。さらに内側ハウジング2内には貯蔵すべき
生鮮食料品の貯蔵棚8が設けられている。 【0029】この場合、外側ハウジング1に設けられた
換気装置6は顕熱交換形の換気装置であり、内側ハウジ
ング2に設けられた換気装置7は全熱交換形の換気装置
であって、これらの換気装置は同時吸排気が出来るタイ
プであるのが望ましい。 【0030】この熱交換形換気装置は、図6に概略図を
示すが、換気装置全体が50で示されている。この換気
装置50は、本体ケ−ス51内に設けられたモ−タ(図
示なし)から延びた回転軸52に対して固定され回転可
能に支承された熱交換エレメント53を設け、この熱交
換エレメント53の前後をそれぞれ前フィルタ−54お
よび後フィルタ−55によって挟み、さらにその前方を
パネル56によってカバ−したものである。また、57
はパネル止メネジ、58および59は熱交換エレメント
53を回転軸52に固定するための蝶ナットおよびワッ
シャ−、60は該換気装置の作動のためのスイッチであ
る。 【0031】この熱交換形換気装置は本発明においては
詳細を説明しないが、温度差あるいは湿度差のある内部
環境と外部環境との間での吸気と排気によって換気を行
なう際にそれぞれの気流(吸気流と排気流)が回転して
いる熱交換エレメント53を介して温度交換あるいは湿
度交換を達成する。この様な熱交換形の換気装置は作動
していない場合には自然換気をしないために、換気装置
非作動時の産物貯蔵帯域内の環境を維持するのに良好で
ある。 【0032】しかしながら、この自然換気をさらに完全
に防止するには、特に、外側ハウジング1に設けられた
換気装置6の外側部にカバ−、あるいは特別のシャッタ
−を設けることができる(当業者であれば容易に実施で
きるので図示せず)。 【0033】換気装置6は顕熱形の換気装置であり、温
度交換のみを行ないながら換気をするタイプのものであ
る。換気装置7は全熱形の換気装置であり温度に加えて
湿度をも交換しながら換気をするタイプのものである。 【0034】このような換気装置とするためには熱交換
エレメントの材質を選択する必要がある。 【0035】つまり顕熱形の換気装置6の熱交換エレメ
ントは濡れにくい材質が適当である。従って、この表面
には結露することのないように、和紙等のように濡れ易
い材質ではなくて、薄い板状に形成されたアルミ金属製
のものあるいは塩化ビニ−ル製のもの等を用いるのが望
ましい。これによって、湿度の交換はなく温度のみの交
換をしながら換気を行なうことができる。 【0036】これとは逆に、全熱形の換気装置7の熱交
換エレメントは濡れ易く、しかも乾き易い材質が望まし
い。つまり、湿度の高い側ではその湿分を吸収し湿度の
低い側でその捕捉した湿分を放出する必要がある。これ
によって、温度に加えて湿度の交換をも同時に行ないな
がら換気を達成することができる。 【0037】本発明者の実験装置においては、外側ハウ
ジング1に設けられた顕熱形の換気装置6は塩化ビニ−
ル製のエレメント、内側ハウジング2に設けられた全熱
形の換気装置7はアルミ金属製のエレメントを用いた。 【0038】さらには、このアルミ金属製エレメントの
表面にシリカ系吸湿剤を塗布あるいは蒸着することによ
って、より良好な効果が期待できる。 【0039】以上の様な熱交換エレメントを選択するこ
とにより、エレメント表面への結露状態の発生が抑制さ
れ、その結果、水滴の産物貯蔵帯域内への飛散も防止さ
れる。 【0040】緩衝スペース3内に設けられた加湿装置5
から出される水分粒子はあまりに大きいと問題であり3
μ以下の水分粒子径となる超音波加湿装置であるのが望
ましい。 【0041】空気冷却装置4はユニット形クーラーと称
されているものでよい。 【0042】図2および図3は、それぞれ、図1に示し
た貯蔵装置の基本構成を具体化した装置の概略見取り図
であり、添付数字は図1のものと同一の各要素に対応し
て用いられている。 【0043】これらの具体例においては人の出入りある
いは産物の出し入れのためのドア9、10が設けられて
いる。さらに、外側ハウジング1と内側ハウジング2と
の低部においても緩衝スペース3を形成するために、内
側ハウジング2の下部にすのこ状の保持部材11…11
を配置している。尚、12は導風板を示している。この
導風板の作用については後述する。 【0044】該内側ハウジング2の下部には緩衝スペー
スを設けないことも可能であるが、産物貯蔵帯域内の空
間が外部環境から温度の影響を受けないようにするため
には本実施例に図示のごとく、内側ハウジング2が外側
ハウジング1内で空中に浮いている状態であるのが望ま
しい。 【0045】従って、図示はしていないが内側ハウジン
グ2を外側ハウジング1の天井部分から吊り下げること
も可能である。また、外側ハウジング1の少なくとも底
面部分を断熱材20等で形成することにより同様の効果
を得ることもできる(図7)。 【0046】内側ハウジング2の内容積(産物貯蔵帯
域)は貯蔵すべき産物の量により決定されるものである
が、できるだけ大きい方が望ましい。また、緩衝スペー
ス3の内容積(Vs)と内側ハウジング2の内容積(V
o)との関係は時間当たりの換気回数によっても相違す
るが、本発明者が実際に用いた実験設備においては、V
s/Voの関係が、 11.5/9.9=1.16と、 6.3/6.7=0.94 であったが、いずれも望ましい結果を得た。 【0047】この関係は貯蔵産物によっても相違する
し、換気装置の運転状況によっても相違するものと考え
られるが、緩衝スペ−ス3の役割である外部環境から産
物貯蔵帯域への換気による内部の空気状態(温度、湿
度)の急激な変動を産物貯蔵帯域におよぼさないという
効果が十分に達成される程度の容積であれば良い。 【0048】結論として言えることは、産物貯蔵帯域に
対する換気が2〜4回程度となるように制御するのが好
ましい。 【0049】本発明者の実験において、緩衝スペース3
と内側ハウジング2内の産物貯蔵空間との間の全熱交換
形の換気装置7を40V以上(換気回数2回/時間、以
上)で作動させた場合、内側ハウジング2内の産物貯蔵
空間内に好ましくない湿度変動をきたした。そこで、換
気装置7の最低電圧を40Vにし、給気口にフィルタ−
を設けた。その結果、換気回数は1時間当たり2回以下
になったと考えられ、上記の好ましくない湿度変動もみ
られなかった。 【0050】この換気装置の運転調節はボルトスライダ
−などの調節手段によって風量制御することにより達成
される。本発明者の実験装置に於いては、電圧を0,4
0,60,80,100Vの範囲で調節して実験した。 【0051】本発明者の実験装置に於ける換気量の計算
は以下の考えかたにより算出されている。これ等の冷貯
蔵庫の自然換気量ならびに強制換気量は炭酸ガス濃度法
により測定した。 【0052】実験は濃度99.9%の液化炭酸ガスを冷
蔵庫内に充満させて(初期濃度3,000PPM程度)
換気装置を稼動させた。外気・緩衝スペースおよび緩衝
スペース・貯蔵庫内空間を換気する各々の換気装置は同
電圧出力で換気する同時作動方式を採用した。当然のこ
とながら、本発明を実施する場合には、この同時換気方
式を採用せずに適宜のサイクルで交互運転することも考
えられる。 【0053】炭酸ガス濃度の測定および記録は図14に
その具体的実施例を示す。つまり、本発明の冷蔵貯蔵装
置の緩衝スペース3と産物貯蔵帯域内にそれぞれ設けら
れた炭酸ガスコントロ−ラ71、72で測定し、記録計
73により記録した。 【0054】換気回数は以下の式で算出した。 n=Q/V =2.303×1/τ・logω(C1−Co)/(C
t−Co) ここで V :貯蔵室内容積、立方米 τ :経過時間、hr C1:τ=0時のCO2濃度、% Ct:τ時間後のCO2濃度、% Co:外気のCO2濃度、% 図4、図5には、本発明の具体的実施例である冷蔵貯蔵
装置の使用状態に於ける空気の流れ方を示している。さ
らに詳細には図4は予冷時の状態であり、図5は貯蔵時
の状態である。 【0055】本発明の実施例において、このように同一
の装置によって予冷と貯蔵の両方の用途に適用させるた
めに、具体策として、貯蔵棚8の後方壁面14の少なく
とも一部を取り外し自在に構成することにより達成し
た。 【0056】つまり、図4で示す予冷時には貯蔵棚8の
後方壁面14を取り外し、棚段13の入口部分以外は全
て密閉し、空気冷却装置4を運転して冷気を作り、該冷
気を図示の矢印のごとく貯蔵棚8内を貫通して流し貯蔵
棚8内の複数の棚段13上に置かれた貯蔵産物を短時間
に予冷する。 【0057】このとき、導風板12は空気冷却装置4か
ら吹き出された冷気を加圧し加速しながら加湿装置5に
向けて流す働きをしている。これによって、加湿装置5
から出ている微細な水分粒子がより均一に冷気流内に拡
散混合されるものである。 【0058】また、棚段13の出口を出てきた冷気の排
気を速やかに行なうために棚段13の出口に対向して邪
魔板15を設けている。この邪魔板15は下流の排気口
16に近いずくに従って通路面積が狭くなるように傾斜
させることも可能である。 【0059】さらに、冷気流の動圧を小さくするため
に、棚段13の冷気流入口より上流側に空間18を形成
することも出来る(図8)。 【0060】この予冷時には、換気装置7は運転させて
いないが、換気装置6は貯蔵産物によっては運転するこ
とも可能である。 【0061】予冷が終了すると、産物の貯蔵に移るので
あるが、この時には図5で示すように、外部環境の空気
は換気装置6によって緩衝スペース3内に換気導入され
てから、この緩衝スペース3の作用によって急激な温
度、湿度の変動を和らげられ、さらに換気装置7を介し
て産物貯蔵帯域内に換気導入される。 【0062】このために前記貯蔵棚8の後方壁面14を
取り付け、前記邪魔板15の下流部に設けられた排気口
16を適宜閉鎖して空気冷却装置4からの冷気が直接に
貯蔵棚8内に導入されないようにし、全熱交換形の換気
装置7によって緩衝スペース3内の冷気を、温度交換と
湿度交換を行ないながら換気導入するように構成してい
る。 【0063】この際、図10に示すように邪魔板15の
中央部19を外して左右に設けられた棚段13の側方部
より冷気が導入されるように構成してもよいし、図9に
示すように貯蔵棚8の上面17および邪魔板15を取り
外して内側ハウジング2内の産物貯蔵空間の換気を邪魔
しないように構成することも出来る。 【0064】本発明の効果を具体的な実験によって実証
するために、本発明者等は以下のような実験を行なっ
た。実験のフロ−チャ−トは図11に示す通りである。 【0065】実験の概要 実験装置の概要は、図2、図3に示したものを用い、対
比のために図18に示す従来形の普通冷蔵庫を用いた。
実験に使用した貯蔵産物はクリ果実を用いた。 【0066】クリ果実は農協に入荷、燻蒸されたものを
約2時間かけて運搬し、到着直後予冷を行なった。予冷
方式は真空冷却、冷水冷却(浸漬式)、差圧通風冷却に
より行なった。 【0067】この他、対照区として普通冷蔵庫内で行な
う緩慢冷却区を設けた。 【0068】いずれも品温が約2℃になった時点で冷蔵
を開始した。冷蔵区は予冷直後に包装区と無包装区に分
け、本発明方式の冷蔵貯蔵庫2室と、普通冷蔵貯蔵庫2
室で冷蔵した。クリ果実はトレイに詰めて蚕棚式に冷蔵
した。 【0069】この蚕棚式の貯蔵棚8は図15に示すよう
に、棚枠部材75…75によって概略直方体に構成され
た棚枠内に複数の棚段13を設け、この各棚段上にはそ
れぞれトレイ76…76が引出式に挿入されている。さ
らに、この貯蔵棚8は下部に移動を容易にする為に適当
数のキャスタ−77…77を設けることもできる。 【0070】ここにおいて包装とは、トレイ76にクリ
果実を詰めた上から自己粘着性軟質塩化ビニ−ルフィル
ム78(略称:PVCフィルム)でカバ−したものであ
る(図16)。この包装の他の方法としては、図17
(a)に示すように、棚枠部材75、75に対して引出
式に挿入されたトレ−76、76の側壁に案内溝79、
79が形成されており、この案内溝79、79に対して
はPVCフィルム保持枠80が差し込み自在となるよう
に構成されている。 【0071】さらに別の方法として、図17(c)に示
すようにクリ果実を直接PVCフィルムで包装する方
法、あるいは図17(d)に示すようにトレイ内に高枠
部材81を配置し、その上からPVCフィルムを包装す
る方法も考えられる。 【0072】この様にPVCフィルムで包装する理由
は、貯蔵産物に対して冷気流を直接当てないためであ
る。冷気流が貯蔵産物に直接当たると、蒸散が助長され
て目減りを速めてしまう。しかしながら完全に密封状態
にすると内部に有毒ガスが過度に溜まってしまい、逆に
障害(例えば、CO2障害)となる。従って、該フィル
ムには貯蔵産物に対しての直接の冷気流は阻止し、内部
の空気状態は良好に維持し、しかも適当な通気性、特に
有毒ガスに対しての通気性が要求される。この要求を満
足するものの一つがPVCフィルムである。 【0073】一般的に、PVCフィルムの炭酸ガス透過
度は218−848cc/m2・h・atomである。 【0074】この様にPVCフィルムによって包装する
ことによって、クリ果実に直接冷気流が当たることがな
く、クリ果実からの蒸散を、より効果的に抑制すること
ができる。また、適度にCO2ガスを逃がすのでCO2
障害を起こすこともない。CA(Controlled
Atmosphere)貯蔵に関する研究報告のいく
つかは、クリ果実を超期間冷蔵する際の最適ガス組成を 酸素:炭酸ガス=3%:6% としている。 【0075】また、PVCフィルムで包装すれば、普通
冷蔵倉庫でもかなり品質保持期間が長くなる。ところ
が、PVCフィルムを用いてそれぞれのトレイを包装す
るには手間がかかり、大規模貯蔵の場合には実用的でな
い。 【0076】このような事から、以上で説明したような
簡単で時間のかからないPVCフィルム包装手段が考え
られた。このようにPVCフィルム内の環境条件を装置
化できれば本発明の冷蔵方式に加えてPVCフィルムで
の包装手段を併用する事によってさらに良好な効果が期
待できるものである。 【0077】表1および表2に実験に供した各冷蔵区の
緒元および冷蔵条件を示す。 【0078】 【表1】 【0079】 【表2】 【0080】ここにおいて、外部環境との換気操作は全
実験区とも外部環境側に設けられた換気装置に被せた自
然換気を防止するためのカバ−(図示なし)を取り外し
て、表2に示された設定電圧で所定回数の換気を行なう
こととし、換気終了後は再び被せる方法を採用した。こ
の際の換気時間は1回15分とした。また本発明による
方式の内側に設けられた全熱形の換気装置は、最初の内
は断続運転をしていたが、一時期から連続運転に変更し
て貯蔵を継続した。 【0081】貯蔵中の品質判定は目減り(図26)、カ
ビ果撤去率(図27)、力学的特性(図28および図2
9)、官能検査(表3および表4)の項目について行な
い、それぞれの結果はそれぞれの図および表に示す通り
であった。 【0082】 【表3】 【0083】 【表4】 【0084】実験結果 1.基礎実験 1)換気量 図19に各冷蔵貯蔵庫(本発明方式の場合は産物貯蔵帯
域を示す)について換気装置の設定電圧と換気回数との
関係を示す。設定電圧0V(換気装置非作動状態)で
は、外部環境側に設けられた換気装置を稼動させない状
態で、それに被せた自然換気を防止するためのカバ−を
取り外した場合の間隙換気量を示している。 産物貯蔵
中の強制換気の調節はこれらの基礎実験の結果を基に出
力電圧を設定して行なった。それらは、表2にまとめて
表示されている。 【0085】2)クリ果実表面の結露 図20および図21には、強制換気をしない場合の、従
来の各冷蔵貯蔵庫内の温度、湿度変化および本発明の方
式の冷蔵貯蔵庫内のそれぞれの変化を示す。これによる
と、従来の普通冷蔵貯蔵庫ではクリ果実表面温度が周囲
空気の露点温度より小さくなる期間がみられる(図2
0)。この期間は肉眼では観測できなかったが、クリ果
実表面に結露していることが考えられる。これに対し
て、本発明の冷蔵貯蔵庫ではクリ果実表面温度は常に露
点温度よりも高く、しかもフラットに変動しており(図
21)、クリ果実表面に結露しない効果が認められた。 【0086】3)強制換気時の温度、湿度変化 図22から図25に、強制換気時における各実験区の冷
蔵貯蔵庫内の温度および湿度変動を示す。本発明の産物
貯蔵帯域内の空気の温度および湿度は図21に示す傾向
とほぼ同じでクリ果実表面に結露が発生するおそれのあ
る期間はみられなかった(図23および図25)。ここ
において図23は、本発明方式1区(C室)での実験結
果であり、図25は、本発明方式2区(E室)での実験
結果である。 【0087】これに対して、図22には従来の普通冷蔵
1区(B室)での実験結果を示し、図24には従来の普
通冷蔵2区(D室)での実験結果を示している。これら
によると、図20に示したものと同様にクリ果実表面の
温度と、露点温度とが激しく変動し、クリ果実表面温度
が周囲空気の露点温度より小さくなる期間がみられ、ク
リ果実表面に結露する可能性が大きい。 【0088】以上の結果からも分かるように、今回の実
験において設定した本発明方式の換気量および換気時間
は(表1および表2)、産物貯蔵時の温度および湿度を
不安定にさせることはなかった。 【0089】2.予冷、冷蔵実験 1)目減り 図26に今回の実験の全冷蔵区の目減り状態を示す。各
プロット点は全予冷区の平均値である。本発明方式によ
る冷蔵区での目減りは普通冷蔵区に比べ緩慢で、特にE
室は100日後でも十分に商品価値があった。 【0090】2)腐敗果率 図27にカビ果撤去量を示す。本発明方式による冷蔵区
のカビ果撤去量は普通冷蔵区に比べ少なく、特にE室で
は冷蔵80日後で歩留り80%近くを保つことができ
た。 【0091】3)硬度指標 図28および図29(剥皮果)にクリ果実の硬度の変化
を示す。これらによっても本発明の方式による貯蔵は従
来方式によるものよりも硬度の減少スピ−ドが遅いこと
が分かる。 【0092】4)官能(食味)検査 表3および表4に、無包装区および包装区での官能検査
の結果を示す。これは予冷方法の相違によっても大いに
相違しているが、全体的には本発明の実施例によるもの
が最良であるとの結果がでている。 【0093】 【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、産
物貯蔵帯域内の環境を低温高湿度に保っても貯蔵産物の
表面に結露を生じることがなく、超期間の冷蔵貯蔵が可
能とされるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な構成を示した概念図である。
【図2】本発明の基本的構成を具備した冷蔵貯蔵装置の
見取り図である。 【図3】本発明の基本的構成を具備した冷蔵貯蔵装置の
見取り図である。 【図4】本発明の基本的構成を具備した冷蔵貯蔵装置の
使用状態を示す断面図である。 【図5】本発明の基本的構成を具備した冷蔵貯蔵装置の
使用状態を示す断面図である。 【図6】本発明に用いられる換気装置の分解斜視図であ
る。 【図7】本発明の別の実施例を示す概略図である。 【図8】予冷時の気流の流れを説明するための説明図で
ある。 【図9】冷蔵貯蔵時の気流の流れを説明するための説明
図である。 【図10】予冷時の上方から見た気流を示す断面図であ
る。 【図11】予冷、冷蔵貯蔵実験のフロ−チャ−トであ
る。 【図12】本発明の別の基本的な概念図である。 【図13】本発明の別の基本的な概念図である。 【図14】実験設備における各種測定機の配置図であ
る。 【図15】貯蔵棚にトレ−を乗せた際の詳細図である。 【図16】トレ−にPVCフィルムを被せた包装状態の
斜視図である。 【図17】PCVフィルム包装の別の実施例である。 【図18】従来の低温高湿度冷蔵貯蔵庫を示す斜視図で
ある。 【図19】換気装置設定電圧と換気回数の関係を示した
図である。、 【図20】強制換気をしない場合の従来方式でのクリ果
実温度等の変動を示す図である。 【図21】強制換気をしない場合の本発明方式でのクリ
果実温度等の変動を示す図である。 【図22】強制換気をした場合のそれぞれの実験区での
クリ果実温度等の変動を示す図である。 【図23】強制換気をした場合のそれぞれの実験区での
クリ果実温度等の変動を示す図である。 【図24】強制換気をした場合のそれぞれの実験区での
クリ果実温度等の変動を示す図である。 【図25】強制換気をした場合のそれぞれの実験区での
クリ果実温度等の変動を示す図である。 【図26】各実験区での目減り率の変化を示す図であ
る。 【図27】各実験区でのカビ果撤去率の変化を示す図で
ある。 【図28】各実験区での硬度指標の変化を示す図であ
る。 【図29】各実験区での剥皮果の硬度指標の変化を示す
図である。 【符号の説明】 1:外側ハウジング、2:内側ハウジング、3:緩衝ス
ペース、4:空気冷却装置、5:加湿装置、6:顕熱交
換形換気装置、7:全熱交換形換気装置、8:貯蔵棚。
見取り図である。 【図3】本発明の基本的構成を具備した冷蔵貯蔵装置の
見取り図である。 【図4】本発明の基本的構成を具備した冷蔵貯蔵装置の
使用状態を示す断面図である。 【図5】本発明の基本的構成を具備した冷蔵貯蔵装置の
使用状態を示す断面図である。 【図6】本発明に用いられる換気装置の分解斜視図であ
る。 【図7】本発明の別の実施例を示す概略図である。 【図8】予冷時の気流の流れを説明するための説明図で
ある。 【図9】冷蔵貯蔵時の気流の流れを説明するための説明
図である。 【図10】予冷時の上方から見た気流を示す断面図であ
る。 【図11】予冷、冷蔵貯蔵実験のフロ−チャ−トであ
る。 【図12】本発明の別の基本的な概念図である。 【図13】本発明の別の基本的な概念図である。 【図14】実験設備における各種測定機の配置図であ
る。 【図15】貯蔵棚にトレ−を乗せた際の詳細図である。 【図16】トレ−にPVCフィルムを被せた包装状態の
斜視図である。 【図17】PCVフィルム包装の別の実施例である。 【図18】従来の低温高湿度冷蔵貯蔵庫を示す斜視図で
ある。 【図19】換気装置設定電圧と換気回数の関係を示した
図である。、 【図20】強制換気をしない場合の従来方式でのクリ果
実温度等の変動を示す図である。 【図21】強制換気をしない場合の本発明方式でのクリ
果実温度等の変動を示す図である。 【図22】強制換気をした場合のそれぞれの実験区での
クリ果実温度等の変動を示す図である。 【図23】強制換気をした場合のそれぞれの実験区での
クリ果実温度等の変動を示す図である。 【図24】強制換気をした場合のそれぞれの実験区での
クリ果実温度等の変動を示す図である。 【図25】強制換気をした場合のそれぞれの実験区での
クリ果実温度等の変動を示す図である。 【図26】各実験区での目減り率の変化を示す図であ
る。 【図27】各実験区でのカビ果撤去率の変化を示す図で
ある。 【図28】各実験区での硬度指標の変化を示す図であ
る。 【図29】各実験区での剥皮果の硬度指標の変化を示す
図である。 【符号の説明】 1:外側ハウジング、2:内側ハウジング、3:緩衝ス
ペース、4:空気冷却装置、5:加湿装置、6:顕熱交
換形換気装置、7:全熱交換形換気装置、8:貯蔵棚。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 山本 保夫
東京都新宿区下落合4丁目25番18号 ウエ
ットマスター株式会社 内
(72)発明者 田中 靖▲吉▼
東京都新宿区下落合4丁目25番18号 ウエ
ットマスター株式会社 内
(72)発明者 島元 一郎
千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号
株式会社 日立製作所 産業機器事業部内
(72)発明者 小林 和男
千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号
株式会社 日立製作所 産業機器事業部内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.外部環境内に緩衝スペースによって外周を実質的に
包囲された産物貯蔵帯域を形成し、該産物貯蔵帯域内に
は被貯蔵産物を貯蔵するための貯蔵手段を設けたもので
あって、該緩衝スペース内の環境は空気冷却手段および
加湿手段によって適当な温度と湿度を保持し、該外部環
境と緩衝スペースとの間および該緩衝スペースと産物貯
蔵帯域との間で相互に換気をしながら、被貯蔵産物の貯
蔵を行なうようにしたことを特徴とする生鮮食料品の貯
蔵方法。 2.外部環境と緩衝スペースとの間および緩衝スペース
と産物貯蔵帯域との間での相互の換気が、前者において
は温度のみの交換を行ないながら換気をし、後者におい
ては温度に加えて湿度も交換しながら換気が行なわれる
ようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
の生鮮食料品の貯蔵方法。 3.緩衝スペース内に設けられた加湿手段から放出され
る水分粒子が3μ以下の超音波加湿手段であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の生鮮食料品の貯蔵
方法。 4.外部環境内に緩衝スペースによって外周を実質的に
包囲された産物貯蔵帯域を形成し、該産物貯蔵帯域内に
は被貯蔵産物を貯蔵するための貯蔵手段を設けたもので
あって、該緩衝スペース内の環境は空気冷却手段および
加湿手段によって適当な温度と湿度を保持し、該外部環
境と緩衝スペースとの間および該緩衝スペースと産物貯
蔵帯域との間で相互に換気をし、貯蔵産物の表面温度、
庫内空気温度および露点温度を、外部空気と貯蔵庫内の
空気の換気によっても、フラットな状態で変移させるよ
うにしたことを特徴とする生鮮食料品の貯蔵方法。 5.外部環境と緩衝スペースとの間および緩衝スペース
と産物貯蔵帯域との間で相互に換気をすることによって
も、貯蔵産物の表面温度を庫内の露点温度よりも常に高
く維持したことを特徴とする特許請求の範囲第4項記載
の生鮮食料品の貯蔵方法。 6.緩衝スペース内に設けられた加湿手段から放出され
る水分粒子が3μ以下の超音波加湿手段であることを特
徴とする特許請求の範囲第4項記載の生鮮食料品の貯蔵
方法。 7.外部環境に対して断熱的に配設された外側ハウジン
グ内にそれよりも体積の小なる内側ハウジングを設け、
それによって該内側ハウジング外周を実質的に包囲する
緩衝スペースを形成し、外側ハウジングには外部環境と
緩衝スペースとの間を相互に換気するための熱交換形の
換気装置を設け、内側ハウジングには該緩衝スペースと
内側ハウジング内部との間を相互に換気するための熱交
換形の換気装置を設け、さらに緩衝スペース内の適当な
位置に空気冷却装置および加湿装置を配置し、内側ハウ
ジング内には被貯蔵産物を貯蔵するための貯蔵棚を設け
たことを特徴とする生鮮食料品の貯蔵装置。 8.外側ハウジングに設けられたは外部環境と緩衝スペ
ースとの間を相互に換気するための熱交換形の換気装置
は顕熱形の換気装置であり、内側ハウジングに設けられ
た緩衝スペースと内側ハウジング内部との間を相互に換
気するための熱交換形の換気装置は全熱形の換気装置で
あることを特徴とする特許請求範囲の第7項記載の生鮮
食料品の貯蔵装置。 9.緩衝スペース内に設けられた加湿装置が超音波加湿
装置であることを特徴とする特許請求の範囲の第7項記
載の生鮮食料品の貯蔵装置。 10.超音波加湿装置からの水分粒子が3μ以下である
ことを特徴とする特許請求の範囲第9項記載の生鮮食料
品の貯蔵装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP812894A JPH07112402B2 (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | 生鮮食料品の貯蔵方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP812894A JPH07112402B2 (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | 生鮮食料品の貯蔵方法および装置 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24740186A Division JPH0677502B2 (ja) | 1986-10-20 | 1986-10-20 | 生鮮食料品の貯蔵方法および装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07184539A JPH07184539A (ja) | 1995-07-25 |
| JPH07112402B2 true JPH07112402B2 (ja) | 1995-12-06 |
Family
ID=11684658
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP812894A Expired - Fee Related JPH07112402B2 (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | 生鮮食料品の貯蔵方法および装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07112402B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006336916A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 床冷房調整の効果測定設備 |
| KR101496839B1 (ko) * | 2013-09-06 | 2015-03-04 | 조장노 | 고기 숙성고 |
| JP6151877B2 (ja) * | 2015-03-31 | 2017-06-21 | クアン テイン グエン | 生鮮食品の保存方法および生鮮食品用貯蔵システム |
| JP7672831B2 (ja) * | 2020-04-09 | 2025-05-08 | パナソニックホールディングス株式会社 | 温度制御方法、温度制御装置、温度制御プログラム及び温度制御システム |
| CN112369463A (zh) * | 2020-11-13 | 2021-02-19 | 中国热带农业科学院热带作物品种资源研究所 | 一种木薯块根的减压贮藏方法 |
-
1994
- 1994-01-28 JP JP812894A patent/JPH07112402B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07184539A (ja) | 1995-07-25 |
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|---|---|---|---|
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