JPH0711511A - 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維束の製造法および製造装置 - Google Patents
炭素繊維用アクリル系前駆体繊維束の製造法および製造装置Info
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- JPH0711511A JPH0711511A JP15240993A JP15240993A JPH0711511A JP H0711511 A JPH0711511 A JP H0711511A JP 15240993 A JP15240993 A JP 15240993A JP 15240993 A JP15240993 A JP 15240993A JP H0711511 A JPH0711511 A JP H0711511A
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- Inorganic Fibers (AREA)
- Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】水膨潤状態にあるアクリル系繊維束に油剤を付
与した後、該繊維束を3個以上の直径5〜50mmのロ
ーラに所定角度に順次巻きつけて通過させ、その後乾燥
・緻密化することを特徴とする炭素繊維用アクリル系前
駆体繊維束の製造法。油剤付与後、乾燥・緻密化前の水
膨潤状態にあるアクリル系繊維束を所定角度に順次巻き
つけて通過させる3個以上の直径5〜50mmのローラ
を備えたことを特徴とする炭素繊維用アクリル系前駆体
繊維束の製造装置。 【効果】繊維表面に均一に油剤を付着させることがで
き、単繊維間の接着防止効果に優れるため炭素繊維の強
度が極めて高くなる。油剤が均一に付着するので、従来
より油剤の付着量を少なくでき、樹脂の堆積、焼成工程
でのタールの発生が原因となるトラブルが減少して高品
位の炭素繊維が得られる特徴を有す。
与した後、該繊維束を3個以上の直径5〜50mmのロ
ーラに所定角度に順次巻きつけて通過させ、その後乾燥
・緻密化することを特徴とする炭素繊維用アクリル系前
駆体繊維束の製造法。油剤付与後、乾燥・緻密化前の水
膨潤状態にあるアクリル系繊維束を所定角度に順次巻き
つけて通過させる3個以上の直径5〜50mmのローラ
を備えたことを特徴とする炭素繊維用アクリル系前駆体
繊維束の製造装置。 【効果】繊維表面に均一に油剤を付着させることがで
き、単繊維間の接着防止効果に優れるため炭素繊維の強
度が極めて高くなる。油剤が均一に付着するので、従来
より油剤の付着量を少なくでき、樹脂の堆積、焼成工程
でのタールの発生が原因となるトラブルが減少して高品
位の炭素繊維が得られる特徴を有す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素繊維用アクリル系前
駆体繊維束の製造法および製造装置に関するものであ
る。
駆体繊維束の製造法および製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂
などのいわゆるマトリックス材料と複合体(コンポジッ
ト)を形成することによって高度な機械的特性を有する
ことから、航空・宇宙、原子力関連からスポーツ・レジ
ャー、土木・建築関連に至るまで幅広く利用されてきて
おり、さらに比強度、比弾性率の高い炭素繊維を安価に
提供することが求められている。
などのいわゆるマトリックス材料と複合体(コンポジッ
ト)を形成することによって高度な機械的特性を有する
ことから、航空・宇宙、原子力関連からスポーツ・レジ
ャー、土木・建築関連に至るまで幅広く利用されてきて
おり、さらに比強度、比弾性率の高い炭素繊維を安価に
提供することが求められている。
【0003】炭素繊維はその前駆体であるアクリル系、
レーヨン系、ピッチ系繊維などを紡糸し、200〜30
0℃の酸化性雰囲気中で加熱焼成して酸化繊維に転換す
る耐炎化工程を経た後、さらに窒素、アルゴン、ヘリウ
ムなどの不活性雰囲気や真空中で300〜3000℃に
加熱して炭化および又は黒鉛化する工程を経ることによ
って製造する方法が工業的に幅広く採用されている。
レーヨン系、ピッチ系繊維などを紡糸し、200〜30
0℃の酸化性雰囲気中で加熱焼成して酸化繊維に転換す
る耐炎化工程を経た後、さらに窒素、アルゴン、ヘリウ
ムなどの不活性雰囲気や真空中で300〜3000℃に
加熱して炭化および又は黒鉛化する工程を経ることによ
って製造する方法が工業的に幅広く採用されている。
【0004】炭素繊維の基本特性である繊維軸方向の引
張り強度(以降は単に強度という)は炭素繊維の欠陥の
大きさや数に支配されているといわれている。この欠陥
の原因としては前駆体繊維内部のボイドや異物、前駆体
繊維表面の傷や単繊維間の接着、および前駆体繊維を焼
成して炭素繊維に転換する工程である耐炎化工程、前炭
化工程での単繊維間接着の発生などがあげられる。特に
単繊維間の接着は強度の低下が著しい上に、焼成工程で
毛羽が多発し、極端な場合は工程を全く通過できなくな
るため前駆体繊維、および焼成工程で発生するこの単繊
維間の接着を防止することがきわめて重要である。耐炎
化、前炭化工程においてはこの単繊維間の接着を防止す
るために昇温速度を出来るだけゆるやかに設定する必要
があり、炭素繊維の低生産性の一因となっている。この
ため前駆体繊維製造工程において耐熱性が高く、離型性
に優れたシリコーン系油剤を繊維表面に付与することが
一般的になっている。
張り強度(以降は単に強度という)は炭素繊維の欠陥の
大きさや数に支配されているといわれている。この欠陥
の原因としては前駆体繊維内部のボイドや異物、前駆体
繊維表面の傷や単繊維間の接着、および前駆体繊維を焼
成して炭素繊維に転換する工程である耐炎化工程、前炭
化工程での単繊維間接着の発生などがあげられる。特に
単繊維間の接着は強度の低下が著しい上に、焼成工程で
毛羽が多発し、極端な場合は工程を全く通過できなくな
るため前駆体繊維、および焼成工程で発生するこの単繊
維間の接着を防止することがきわめて重要である。耐炎
化、前炭化工程においてはこの単繊維間の接着を防止す
るために昇温速度を出来るだけゆるやかに設定する必要
があり、炭素繊維の低生産性の一因となっている。この
ため前駆体繊維製造工程において耐熱性が高く、離型性
に優れたシリコーン系油剤を繊維表面に付与することが
一般的になっている。
【0005】しかしながら、シリコーン系油剤の中でも
油剤の耐熱性、離型性と炭素繊維強度の関係において必
ずしも一致しないため過剰に油剤を付与する必要があ
り、樹脂化したシリコーン油剤が製糸工程や焼成工程の
ガイド、ローラ表面に堆積し毛羽発生の原因になり、ま
た焼成時に多量のタールが発生して毛羽発生の原因とな
り単繊維間接着防止効果の割に強度が向上しないという
問題があった。
油剤の耐熱性、離型性と炭素繊維強度の関係において必
ずしも一致しないため過剰に油剤を付与する必要があ
り、樹脂化したシリコーン油剤が製糸工程や焼成工程の
ガイド、ローラ表面に堆積し毛羽発生の原因になり、ま
た焼成時に多量のタールが発生して毛羽発生の原因とな
り単繊維間接着防止効果の割に強度が向上しないという
問題があった。
【0006】単繊維間接着を防止しつつ工程通過性の良
好な製造法として例えば性状の異なるシリコーン系油剤
を用いて2段処理する特公平1−16930号公報、特
公平1−29913号公報が提案されている。この方法
は実質的に1段目の油剤を水膨潤繊維束に付与し、乾燥
・緻密化後に2段目の油剤を付与する方法であるがいず
れも2段目の耐熱性・皮膜形成性に優れた油剤が繊維束
が集束しているために束内部へ浸透せず、単繊維表面に
均一に付着しにくいため単繊維間の接着防止効果が十分
ではなかった。
好な製造法として例えば性状の異なるシリコーン系油剤
を用いて2段処理する特公平1−16930号公報、特
公平1−29913号公報が提案されている。この方法
は実質的に1段目の油剤を水膨潤繊維束に付与し、乾燥
・緻密化後に2段目の油剤を付与する方法であるがいず
れも2段目の耐熱性・皮膜形成性に優れた油剤が繊維束
が集束しているために束内部へ浸透せず、単繊維表面に
均一に付着しにくいため単繊維間の接着防止効果が十分
ではなかった。
【0007】油剤を単繊維表面に均一に付与する方策と
して例えば処理液と繊維束を強制的に振動を与えながら
油剤処理する特公昭55−17132号公報や油剤浴中
に設けたノズルより油剤を繊維束に吹き付ける特開昭5
6−49022号公報が提案されている。この方法によ
れば油剤浴中の繊維束は開繊され、油剤浴中においては
繊維束内部まで油剤が浸透して均一に存在させることが
できる。しかし繊維軸に対する横方向からの衝撃により
繊維が少なからず損傷を受け、また単繊維同士が交絡す
るため炭素繊維の毛羽や糸切れの原因となるという難点
やニップローラによって余分な油剤を絞る工程では繊維
が水を含んだスポンジ状のため単繊維間が変形圧着さ
れ、その圧着面の油剤は絞りだされて実質的に無油剤あ
るいは極めて低付着の状態になり、その状態のままで高
温度で乾燥・緻密化されることによって実質的に無油剤
あるいは極めて低付着状態の単繊維面間で接着が発生す
るという問題があった。
して例えば処理液と繊維束を強制的に振動を与えながら
油剤処理する特公昭55−17132号公報や油剤浴中
に設けたノズルより油剤を繊維束に吹き付ける特開昭5
6−49022号公報が提案されている。この方法によ
れば油剤浴中の繊維束は開繊され、油剤浴中においては
繊維束内部まで油剤が浸透して均一に存在させることが
できる。しかし繊維軸に対する横方向からの衝撃により
繊維が少なからず損傷を受け、また単繊維同士が交絡す
るため炭素繊維の毛羽や糸切れの原因となるという難点
やニップローラによって余分な油剤を絞る工程では繊維
が水を含んだスポンジ状のため単繊維間が変形圧着さ
れ、その圧着面の油剤は絞りだされて実質的に無油剤あ
るいは極めて低付着の状態になり、その状態のままで高
温度で乾燥・緻密化されることによって実質的に無油剤
あるいは極めて低付着状態の単繊維面間で接着が発生す
るという問題があった。
【0008】本発明者らは上記のようなニップローラに
よる単繊維面間の油剤の絞り出されに着目して鋭意検討
をすすめ本発明に至った。
よる単繊維面間の油剤の絞り出されに着目して鋭意検討
をすすめ本発明に至った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前駆体
繊維に油剤を均一に付着させ、油剤の性能を十分に発揮
させてより高強度の炭素繊維を得るための製造法および
製造装置を提供することにある。
繊維に油剤を均一に付着させ、油剤の性能を十分に発揮
させてより高強度の炭素繊維を得るための製造法および
製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の製造法は、上記
課題を解決するため次の構成を有する。すなわち、水膨
潤状態にあるアクリル系繊維束に油剤を付与した後、該
繊維束を3個以上の直径5〜50mmのローラに所定角
度に順次巻きつけて通過させ、その後乾燥・緻密化する
ことを特徴とする炭素繊維用アクリル系前駆体繊維束の
製造法である。
課題を解決するため次の構成を有する。すなわち、水膨
潤状態にあるアクリル系繊維束に油剤を付与した後、該
繊維束を3個以上の直径5〜50mmのローラに所定角
度に順次巻きつけて通過させ、その後乾燥・緻密化する
ことを特徴とする炭素繊維用アクリル系前駆体繊維束の
製造法である。
【0011】また、本発明の製造装置は、次の構成を有
する。すなわち、油剤付与後、乾燥・緻密化前の水膨潤
状態にあるアクリル系繊維束を所定角度に順次巻きつけ
て通過させる3個以上の直径5〜50mmのローラを備
えたことを特徴とする炭素繊維用アクリル系前駆体繊維
束の製造装置である。
する。すなわち、油剤付与後、乾燥・緻密化前の水膨潤
状態にあるアクリル系繊維束を所定角度に順次巻きつけ
て通過させる3個以上の直径5〜50mmのローラを備
えたことを特徴とする炭素繊維用アクリル系前駆体繊維
束の製造装置である。
【0012】さらに詳細に本発明を説明する。
【0013】本発明の最も重要な点は水膨潤繊維束に油
剤を付与し、乾燥・緻密化する工程において、乾燥・緻
密化される繊維束の単繊維間の接触面において少なくと
も一方の単繊維面には単繊維面間の接着を防止するに十
分な油剤が付着している状態に改善することにある。
剤を付与し、乾燥・緻密化する工程において、乾燥・緻
密化される繊維束の単繊維間の接触面において少なくと
も一方の単繊維面には単繊維面間の接着を防止するに十
分な油剤が付着している状態に改善することにある。
【0014】このための方策としては、図1に示すごと
く油剤付与後ニップされた繊維束をジグザグに配置した
複数個のローラ群を通過させ単繊維間の圧着面を剥し、
単繊維面間の位置関係をずらすことによって実質的に無
油剤あるいは極めて低付着状態にある繊維面へ油剤が再
付着し油剤の均一付着が促進される。このローラ群の個
数は3個以上とするものであり、2個以下では開繊効果
が期待できない。
く油剤付与後ニップされた繊維束をジグザグに配置した
複数個のローラ群を通過させ単繊維間の圧着面を剥し、
単繊維面間の位置関係をずらすことによって実質的に無
油剤あるいは極めて低付着状態にある繊維面へ油剤が再
付着し油剤の均一付着が促進される。このローラ群の個
数は3個以上とするものであり、2個以下では開繊効果
が期待できない。
【0015】また、ローラ径は直径5〜50mmとする
ものである。ローラ直径は小さいほど繊維束の屈曲が大
きく開繊効果に優れるが、5mm未満では繊維束の損傷
による毛羽が発生しやすい。一方、50mmを越えると
繊維束の屈曲が不十分になり開繊効果が低下するためロ
ーラ個数を増加する必要がある。
ものである。ローラ直径は小さいほど繊維束の屈曲が大
きく開繊効果に優れるが、5mm未満では繊維束の損傷
による毛羽が発生しやすい。一方、50mmを越えると
繊維束の屈曲が不十分になり開繊効果が低下するためロ
ーラ個数を増加する必要がある。
【0016】図5に示すジグザグローラと繊維束の接触
角度θは採用するローラ径によって開繊効果と繊維束の
損傷の程度との関係から適正化する必要があり、十分な
開繊効果を得るためには120°以下とするのが好まし
い。これらのローラ群は設備面および繊維束の開繊効果
を優れたものとする観点から、駆動系よりもフリーロー
ラが好ましく採用される。
角度θは採用するローラ径によって開繊効果と繊維束の
損傷の程度との関係から適正化する必要があり、十分な
開繊効果を得るためには120°以下とするのが好まし
い。これらのローラ群は設備面および繊維束の開繊効果
を優れたものとする観点から、駆動系よりもフリーロー
ラが好ましく採用される。
【0017】さらに改善された方策としては、図4に示
すように上記ローラ群を通過する前の繊維束に水あるい
は油剤を付与することにより圧着された単繊維面間に液
が浸透し、ジグザグに配置したローラ群を通過する間に
単繊維間がほぐれ易く、油剤が再付着して油剤の均一付
着を著しく向上させることができ好ましい。水あるいは
油剤の付与方法としては処理液中に繊維束を浸漬するデ
ィップ式は乾燥・緻密化工程に多量の水分を持込み、乾
燥に長時間必要となって生産性が悪化するので好ましく
なく、例えば、ガイド給油式、キスローラ式、スプレー
式などが後で余分な油剤を絞る必要がなく比較的少量の
液を繊維束に付与できるので好ましく採用される。
すように上記ローラ群を通過する前の繊維束に水あるい
は油剤を付与することにより圧着された単繊維面間に液
が浸透し、ジグザグに配置したローラ群を通過する間に
単繊維間がほぐれ易く、油剤が再付着して油剤の均一付
着を著しく向上させることができ好ましい。水あるいは
油剤の付与方法としては処理液中に繊維束を浸漬するデ
ィップ式は乾燥・緻密化工程に多量の水分を持込み、乾
燥に長時間必要となって生産性が悪化するので好ましく
なく、例えば、ガイド給油式、キスローラ式、スプレー
式などが後で余分な油剤を絞る必要がなく比較的少量の
液を繊維束に付与できるので好ましく採用される。
【0018】以上のように本発明によれば油剤の性能を
効率的に発揮し単繊維間接着を防止できるため油剤の付
着量も従来より減少できる効果も有する特徴がある。
効率的に発揮し単繊維間接着を防止できるため油剤の付
着量も従来より減少できる効果も有する特徴がある。
【0019】本発明に用いられるアクリル系前駆体繊維
束としては、アクリロニトリルを90wt%以上有して
いればアクリロニトリルと共重合可能な他のあらゆるモ
ノマーとの共重合体が使用できる。ポリマーの溶媒、紡
糸時の凝固剤などは特に制限はなく、紡糸法も湿式、乾
湿式、乾式にかかわらず採用できる。
束としては、アクリロニトリルを90wt%以上有して
いればアクリロニトリルと共重合可能な他のあらゆるモ
ノマーとの共重合体が使用できる。ポリマーの溶媒、紡
糸時の凝固剤などは特に制限はなく、紡糸法も湿式、乾
湿式、乾式にかかわらず採用できる。
【0020】以下、実施例によりさらに具体的に説明す
る。
る。
【0021】
[実施例1]油剤付与後のニップローラを通過した繊維
束を図1に例示すように直径20mmのフリーローラ7
個を90゜の角度でジグザグに配置したローラ群を通し
た後、乾燥・緻密化ドラムへ導く以外は比較例と同様に
して前駆体繊維束を得た。この前駆体繊維束のSi付着
量は0.38wt%であり、焼成後の炭素繊維強度は5
10kg/mm2 と比較例に比べて炭素繊維強度が大幅
に向上した。結果を表1に示した。
束を図1に例示すように直径20mmのフリーローラ7
個を90゜の角度でジグザグに配置したローラ群を通し
た後、乾燥・緻密化ドラムへ導く以外は比較例と同様に
して前駆体繊維束を得た。この前駆体繊維束のSi付着
量は0.38wt%であり、焼成後の炭素繊維強度は5
10kg/mm2 と比較例に比べて炭素繊維強度が大幅
に向上した。結果を表1に示した。
【0022】
【表1】 [比較例1〜2]イタコン酸を0.7wt%共重合した
アクリロニトリル系ポリマーの20wt%DMSO溶液
を紡糸原液として、直径0.12mmの孔径を3000
個有する口金を通して一旦空気中に吐出後に凝固浴に導
く乾湿式紡糸法で紡糸した。凝固浴はDMSO30wt
%水溶液の5℃を用い、水洗後温水中で3.5倍延伸し
た。その後、図2に例示するように繊維束をゴム製ニッ
プローラを通し余分の水を絞り、シリコーン系水分散油
剤浴中に導き、再度ゴム製ニップローラを通し余分の油
剤を絞って表面温度170℃の乾燥・緻密化ドラムで乾
燥し、スチーム圧力4.5kg/cm2 ・Gの加圧スチ
ーム中で3.2倍延伸して単繊維の繊度が1デニールで
3000フィラメントの前駆体繊維束を得た。この時シ
リコーン系水分散浴の油剤濃度としては3.5wt%、
2.0wt%と変更して前駆体繊維束を採取した。この
前駆体繊維束の元素分析で得たSi付着量は乾燥繊維当
り前者が0.4wt%、後者が0.23wt%であっ
た。常法により耐炎化し最高温度1500℃で炭化した
炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸、硬化後に引張試験を行
った結果、前者の強度は454kg/mm2 、後者が4
05kg/mm2 であった。結果を表1に併せて示し
た。
アクリロニトリル系ポリマーの20wt%DMSO溶液
を紡糸原液として、直径0.12mmの孔径を3000
個有する口金を通して一旦空気中に吐出後に凝固浴に導
く乾湿式紡糸法で紡糸した。凝固浴はDMSO30wt
%水溶液の5℃を用い、水洗後温水中で3.5倍延伸し
た。その後、図2に例示するように繊維束をゴム製ニッ
プローラを通し余分の水を絞り、シリコーン系水分散油
剤浴中に導き、再度ゴム製ニップローラを通し余分の油
剤を絞って表面温度170℃の乾燥・緻密化ドラムで乾
燥し、スチーム圧力4.5kg/cm2 ・Gの加圧スチ
ーム中で3.2倍延伸して単繊維の繊度が1デニールで
3000フィラメントの前駆体繊維束を得た。この時シ
リコーン系水分散浴の油剤濃度としては3.5wt%、
2.0wt%と変更して前駆体繊維束を採取した。この
前駆体繊維束の元素分析で得たSi付着量は乾燥繊維当
り前者が0.4wt%、後者が0.23wt%であっ
た。常法により耐炎化し最高温度1500℃で炭化した
炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸、硬化後に引張試験を行
った結果、前者の強度は454kg/mm2 、後者が4
05kg/mm2 であった。結果を表1に併せて示し
た。
【0023】[実施例2]水洗、温水浴延伸後の繊維束
をニップローラを通して余分な水を絞り、その繊維束に
図3に例示すように定量ポンプで濃度2.0wt%のシ
リコーン系水分散油剤を30wt%/ポリマ付着させ、
その後実施例1のジグザグローラを通して乾燥・緻密化
ドラムに導く以外は比較例と同様にして前駆体繊維束を
得た。この前駆体繊維束のSi付着量は0.24wt%
で比較例より低付着量であったが焼成後の炭素繊維強度
は533kg/mm2 とさらに強度が向上した。結果を
表1に併せて示した。
をニップローラを通して余分な水を絞り、その繊維束に
図3に例示すように定量ポンプで濃度2.0wt%のシ
リコーン系水分散油剤を30wt%/ポリマ付着させ、
その後実施例1のジグザグローラを通して乾燥・緻密化
ドラムに導く以外は比較例と同様にして前駆体繊維束を
得た。この前駆体繊維束のSi付着量は0.24wt%
で比較例より低付着量であったが焼成後の炭素繊維強度
は533kg/mm2 とさらに強度が向上した。結果を
表1に併せて示した。
【0024】[実施例3]シリコーン系水分散油剤浴濃
度を2.5wt%としてニップ後に図4に例示すように
繊維束に定量ポンプで水を30wt%/ポリマ付着さ
せ、その後実施例1と同様にして前駆体繊維束を得た。
この前駆体繊維束のSi付着量は0.29wt%で焼成
後の炭素繊維強度は542kg/mm2 と高強度であっ
た。結果を表1に併せて示した。
度を2.5wt%としてニップ後に図4に例示すように
繊維束に定量ポンプで水を30wt%/ポリマ付着さ
せ、その後実施例1と同様にして前駆体繊維束を得た。
この前駆体繊維束のSi付着量は0.29wt%で焼成
後の炭素繊維強度は542kg/mm2 と高強度であっ
た。結果を表1に併せて示した。
【0025】[実施例4]シリコーン系水分散油剤浴濃
度を1.0wt%としてニップ後に実施例3と同様の定
量ポンプを用いて濃度0.8wt%のシリコーン系水分
散油剤を30wt%/ポリマ付着させ前駆体繊維束を得
た。この前駆体繊維束のSi含有量は0.21wt%で
焼成後の炭素繊維強度は549kg/mm2 と極めて高
いものであった。また製糸、焼成工程のローラやガイド
への樹脂化したシリコーンの堆積量も減少して毛羽の発
生が全く認められなかった。結果を表1に併せて示し
た。
度を1.0wt%としてニップ後に実施例3と同様の定
量ポンプを用いて濃度0.8wt%のシリコーン系水分
散油剤を30wt%/ポリマ付着させ前駆体繊維束を得
た。この前駆体繊維束のSi含有量は0.21wt%で
焼成後の炭素繊維強度は549kg/mm2 と極めて高
いものであった。また製糸、焼成工程のローラやガイド
への樹脂化したシリコーンの堆積量も減少して毛羽の発
生が全く認められなかった。結果を表1に併せて示し
た。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば繊維表面に均一に油剤を
付着させることができ、単繊維間の接着防止効果に優れ
るため炭素繊維の強度が極めて高くなる。さらに油剤が
均一に付着するので、従来より油剤の付着量を少なくで
き、そのため樹脂の堆積、焼成工程でのタールの発生が
原因となるトラブルが減少して高品位の炭素繊維が得ら
れる特徴を有す。
付着させることができ、単繊維間の接着防止効果に優れ
るため炭素繊維の強度が極めて高くなる。さらに油剤が
均一に付着するので、従来より油剤の付着量を少なくで
き、そのため樹脂の堆積、焼成工程でのタールの発生が
原因となるトラブルが減少して高品位の炭素繊維が得ら
れる特徴を有す。
【図1】本発明の実施態様を示す側面図。
【図2】従来の実施態様を示す側面図。
【図3】本発明の実施態様を示す側面図。
【図4】本発明の実施態様を示す側面図。
【図5】本発明に用いるローラ群と繊維束の接触角度θ
を示す側面図。
を示す側面図。
A:延伸浴出のニップローラ B:油剤浸漬浴 C:油剤浴出のニップローラ D:定量ポンプによる水または油剤の付与装置 E:ジグザグローラ群 F:乾燥・緻密化ローラ
Claims (2)
- 【請求項1】水膨潤状態にあるアクリル系繊維束に油剤
を付与した後、該繊維束を3個以上の直径5〜50mm
のローラに所定角度に順次巻きつけて通過させ、その後
乾燥・緻密化することを特徴とする炭素繊維用アクリル
系前駆体繊維束の製造法。 - 【請求項2】油剤付与後、乾燥・緻密化前の水膨潤状態
にあるアクリル系繊維束を所定角度に順次巻きつけて通
過させる3個以上の直径5〜50mmのローラを備えた
ことを特徴とする炭素繊維用アクリル系前駆体繊維束の
製造装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15240993A JPH0711511A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維束の製造法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15240993A JPH0711511A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維束の製造法および製造装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0711511A true JPH0711511A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=15539886
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15240993A Pending JPH0711511A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維束の製造法および製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0711511A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009215664A (ja) * | 2008-03-07 | 2009-09-24 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束およびその製造方法 |
| CN107653500A (zh) * | 2017-10-31 | 2018-02-02 | 中复神鹰碳纤维有限责任公司 | 提高上油工段油剂利用率的方法 |
-
1993
- 1993-06-23 JP JP15240993A patent/JPH0711511A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009215664A (ja) * | 2008-03-07 | 2009-09-24 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束およびその製造方法 |
| CN107653500A (zh) * | 2017-10-31 | 2018-02-02 | 中复神鹰碳纤维有限责任公司 | 提高上油工段油剂利用率的方法 |
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