JPH07118876A - 高強度高耐食性めっき鋼板成形品 - Google Patents
高強度高耐食性めっき鋼板成形品Info
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- JPH07118876A JPH07118876A JP26848593A JP26848593A JPH07118876A JP H07118876 A JPH07118876 A JP H07118876A JP 26848593 A JP26848593 A JP 26848593A JP 26848593 A JP26848593 A JP 26848593A JP H07118876 A JPH07118876 A JP H07118876A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 C,Si,Mn,Al,P,Bの含有量が規
定され、あるいは更にTi,Nb,Cu,Ni,Cr,
Mo,Zr,V,W等の含有量が規定され、且つ下記式
で与えられるK1 値およびK2 値が0.01以上である
鋼板に10〜200g/mm2 の亜鉛系めっきを施してな
るめっき鋼板に、高エネルギー源を照射して板厚を貫通
する凝固域を形成する。 K1 =(Mn%+250×B%)×C% K2 =(Mn%+Cr%+Mo%+250×B%)×C
% 【効果】 亜鉛系めっきによる犠牲防食効果を損なうこ
となく強度を高めることができる。そしてこの高密度エ
ネルギー処理は成形加工により製品形状とした後でも容
易に行なうことができるので成形性を悪化させることも
なく、高強度高耐食性のめっき鋼板成形品を提供する。
定され、あるいは更にTi,Nb,Cu,Ni,Cr,
Mo,Zr,V,W等の含有量が規定され、且つ下記式
で与えられるK1 値およびK2 値が0.01以上である
鋼板に10〜200g/mm2 の亜鉛系めっきを施してな
るめっき鋼板に、高エネルギー源を照射して板厚を貫通
する凝固域を形成する。 K1 =(Mn%+250×B%)×C% K2 =(Mn%+Cr%+Mo%+250×B%)×C
% 【効果】 亜鉛系めっきによる犠牲防食効果を損なうこ
となく強度を高めることができる。そしてこの高密度エ
ネルギー処理は成形加工により製品形状とした後でも容
易に行なうことができるので成形性を悪化させることも
なく、高強度高耐食性のめっき鋼板成形品を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度で且つ耐食性に優
れためっき鋼板成形品に関し、この成形品は主として自
動車ボディーのパネル材等として有用である。
れためっき鋼板成形品に関し、この成形品は主として自
動車ボディーのパネル材等として有用である。
【0002】
【従来の技術】自動車ボディー用パネル材として使用さ
れる鋼板は、プレス成形等の加工性が良好であり、且つ
部品としては衝突エネルギーを十分に吸収し得るだけの
強度を必要とし、更には耐食性においても優れたもので
あることが要求される。そのため従来は、加工性の優れ
た高強度鋼板に亜鉛もしくは亜鉛合金めっきを施し、こ
れをプレス等により成形して用いている。しかしなが
ら、最近燃費低減および排ガス量低減のため自動車の車
体軽量化の要望が高まり、それにつれて一層高強度のめ
っき鋼板が求められている。しかしながら加工性と強度
は元々相反する特性であるため、鋼板の加工性を確保し
つつ高強度化を増進することは容易でない。
れる鋼板は、プレス成形等の加工性が良好であり、且つ
部品としては衝突エネルギーを十分に吸収し得るだけの
強度を必要とし、更には耐食性においても優れたもので
あることが要求される。そのため従来は、加工性の優れ
た高強度鋼板に亜鉛もしくは亜鉛合金めっきを施し、こ
れをプレス等により成形して用いている。しかしなが
ら、最近燃費低減および排ガス量低減のため自動車の車
体軽量化の要望が高まり、それにつれて一層高強度のめ
っき鋼板が求められている。しかしながら加工性と強度
は元々相反する特性であるため、鋼板の加工性を確保し
つつ高強度化を増進することは容易でない。
【0003】こうした困難を克服するための手段とし
て、加工性に優れた軟鋼板をプレス成形し、その後高密
度エネルギーを照射することによって所望部を高強度化
する方法が提案されている(特開昭61−99629号
等)。しかし、この方法で軟鋼板にレーザー等の高密度
エネルギーを照射すると、板厚方向における熱影響の度
合いが不均一になって形状に歪を生じ、処理後の形状修
正が必要になるばかりでなく、レーザー処理の本数が非
常に多くなって処理に長時間を要するという問題が生じ
てくる。また、この様なレーザー処理を施した場合の耐
食性については全く報告されていないが、本発明者らが
確認したところによると、レーザー処理により亜鉛めっ
きが部分的に除去されて防錆効果が低下し、自動車部品
としての耐食性にも問題が生じてくる。
て、加工性に優れた軟鋼板をプレス成形し、その後高密
度エネルギーを照射することによって所望部を高強度化
する方法が提案されている(特開昭61−99629号
等)。しかし、この方法で軟鋼板にレーザー等の高密度
エネルギーを照射すると、板厚方向における熱影響の度
合いが不均一になって形状に歪を生じ、処理後の形状修
正が必要になるばかりでなく、レーザー処理の本数が非
常に多くなって処理に長時間を要するという問題が生じ
てくる。また、この様なレーザー処理を施した場合の耐
食性については全く報告されていないが、本発明者らが
確認したところによると、レーザー処理により亜鉛めっ
きが部分的に除去されて防錆効果が低下し、自動車部品
としての耐食性にも問題が生じてくる。
【0004】また特開平4−72010号公報にもレー
ザー照射により高強度化する技術が開示されているが、
この公開公報には鋼材成分のうち炭素量の影響が開示さ
れているだけであって、合金元素とレーザー処理条件や
強度上昇量の関係については全く検討されていない。更
にめっき鋼板にレーザー処理を施したときに耐食性がど
の様に変化するか、という点については全く考慮されて
いない。
ザー照射により高強度化する技術が開示されているが、
この公開公報には鋼材成分のうち炭素量の影響が開示さ
れているだけであって、合金元素とレーザー処理条件や
強度上昇量の関係については全く検討されていない。更
にめっき鋼板にレーザー処理を施したときに耐食性がど
の様に変化するか、という点については全く考慮されて
いない。
【0005】更に特開昭61−261462号公報に
は、加工性に優れたレーザー加工用鋼板に関する知見が
示されているが、レーザー切断後の加工性を解決課題と
するものであって、レーザー照射により当該照射部自体
の物性を改質するものではない。
は、加工性に優れたレーザー加工用鋼板に関する知見が
示されているが、レーザー切断後の加工性を解決課題と
するものであって、レーザー照射により当該照射部自体
の物性を改質するものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、亜鉛
系めっき鋼板に対してレーザー等の高密度エネルギーを
照射して溶融・凝固せしめ、それにより高強度で加工性
および耐食性に優れためっき鋼板成形品を提供しようと
するものである。
情に着目してなされたものであって、その目的は、亜鉛
系めっき鋼板に対してレーザー等の高密度エネルギーを
照射して溶融・凝固せしめ、それにより高強度で加工性
および耐食性に優れためっき鋼板成形品を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るめっき鋼板成形品とは、C,S
i,Mn,Al,P,Bの含有量が規定され、あるいは
更にTiおよび/もしくはNb量が規定され、更にはC
u,Ni,Cr,Mo,Zr,V,W等の含有量が規定
され、且つ後記式(1),(2)で与えられるK1 値も
しくはK2 値が0.01以上であり、主たる金属組織が
フェライトである鋼板に、10〜150g/m2 の亜鉛
系めっきを施してなるめっき鋼板に、高エネルギー源を
照射して板厚を貫通する凝固域を形成し、それにより耐
食性を低下させることなく強度を高めてなるところに要
旨が存在する。
のできた本発明に係るめっき鋼板成形品とは、C,S
i,Mn,Al,P,Bの含有量が規定され、あるいは
更にTiおよび/もしくはNb量が規定され、更にはC
u,Ni,Cr,Mo,Zr,V,W等の含有量が規定
され、且つ後記式(1),(2)で与えられるK1 値も
しくはK2 値が0.01以上であり、主たる金属組織が
フェライトである鋼板に、10〜150g/m2 の亜鉛
系めっきを施してなるめっき鋼板に、高エネルギー源を
照射して板厚を貫通する凝固域を形成し、それにより耐
食性を低下させることなく強度を高めてなるところに要
旨が存在する。
【0008】
【作用】まず本発明で使用する鋼板の化学成分を定めた
理由について述べる。 C:0.002〜0.02% Cは強度向上元素として欠くことのできない元素であ
り、且つ高密度エネルギー(以下、レーザーで代表す
る)照射による焼入れ効果を有効に発揮させるうえでも
少なくとも0.002%以上含有させなければならな
い。しかしC量が多くなり過ぎると冷間加工性が悪くな
るので、0.02%以下に抑えなければならない。
理由について述べる。 C:0.002〜0.02% Cは強度向上元素として欠くことのできない元素であ
り、且つ高密度エネルギー(以下、レーザーで代表す
る)照射による焼入れ効果を有効に発揮させるうえでも
少なくとも0.002%以上含有させなければならな
い。しかしC量が多くなり過ぎると冷間加工性が悪くな
るので、0.02%以下に抑えなければならない。
【0009】Si:0.5%以下 Siは鋼板の引張強さを高めるのに有効であるが、0.
5%を超えると表面肌を荒らす原因になるので、0.5
%を上限とする。
5%を超えると表面肌を荒らす原因になるので、0.5
%を上限とする。
【0010】Mn:1.0〜3.0% Mnはレーザー照射による溶融・凝固域の強度を高める
のに有効であり、その効果は1.0%以上含有させるこ
とによって有効に発揮される。しかし、多過ぎると鋼板
の冷間加工性を劣化させるので3.0%以下に抑えなけ
ればならない。上記元素の他、鋼材としてAlキルド鋼
を使用する場合はAlが含まれてくるが、これは鋼板に
表面傷を生じさせる原因になるので0.1%以下に抑え
なければならない。また、Pは鋼板の強度を高める作用
を有しているが、多過ぎると粒界強度の低下によって二
次加工脆化を起こす原因になるので0.2%以下に抑え
なければならない。またBは、レーザー加工後の鋼板の
強度を高めるのに有効あり、5ppm 以上含有させること
が望ましいが、含有量が50ppm を越えると母材の延性
が著しく低下して加工性が悪くなる。
のに有効であり、その効果は1.0%以上含有させるこ
とによって有効に発揮される。しかし、多過ぎると鋼板
の冷間加工性を劣化させるので3.0%以下に抑えなけ
ればならない。上記元素の他、鋼材としてAlキルド鋼
を使用する場合はAlが含まれてくるが、これは鋼板に
表面傷を生じさせる原因になるので0.1%以下に抑え
なければならない。また、Pは鋼板の強度を高める作用
を有しているが、多過ぎると粒界強度の低下によって二
次加工脆化を起こす原因になるので0.2%以下に抑え
なければならない。またBは、レーザー加工後の鋼板の
強度を高めるのに有効あり、5ppm 以上含有させること
が望ましいが、含有量が50ppm を越えると母材の延性
が著しく低下して加工性が悪くなる。
【0011】本発明で使用する鋼板の構成元素は上記の
通りであり、残部は鉄および不可避不純物からなるもの
であるが、本発明の目的を達成するには、レーザー照射
による強度向上効果を有効に発揮させるため、下記式
(1)により計算されるK1 値が0.01以上となる様
に各元素の含有率を調整しなければならない。その理由
は後で詳述する。
通りであり、残部は鉄および不可避不純物からなるもの
であるが、本発明の目的を達成するには、レーザー照射
による強度向上効果を有効に発揮させるため、下記式
(1)により計算されるK1 値が0.01以上となる様
に各元素の含有率を調整しなければならない。その理由
は後で詳述する。
【0012】 K1 =(Mn%+250×B%)×C% ・・・(1)
【0013】また本発明においては、上記元素に加えて
必要によりTiおよび/またはNbを夫々0.1%以下
含有させることができ、更には、Cu,Ni,Cr,M
o,Zr,V,Wよりなる群から選ばれる少なくとも1
種の元素を適量含有せしめ、それによりレーザー処理に
よる強度向上効果を一層高めることができる。
必要によりTiおよび/またはNbを夫々0.1%以下
含有させることができ、更には、Cu,Ni,Cr,M
o,Zr,V,Wよりなる群から選ばれる少なくとも1
種の元素を適量含有せしめ、それによりレーザー処理に
よる強度向上効果を一層高めることができる。
【0014】即ち本発明は、鋼板の成形性を確保しつつ
レーザー処理後の強度および耐食性のいずれにおいても
優れたものとするところに特徴を有するものであり、そ
のためには、炭窒化物形成元素を適量添加することによ
り鋼中のC,Nを析出固定して優れた成形加工性を確保
するのが好ましく、こうした目的のもとではTi,Nb
が最も有効に作用する。しかし、これらの元素の添加効
果は夫々0.1%で飽和するので、それ以上の添加は経
済的に無駄である。Tiの好ましい含有率は0.01〜
0.1%、Nbの好ましい含有率は0.005〜0.1
%である。
レーザー処理後の強度および耐食性のいずれにおいても
優れたものとするところに特徴を有するものであり、そ
のためには、炭窒化物形成元素を適量添加することによ
り鋼中のC,Nを析出固定して優れた成形加工性を確保
するのが好ましく、こうした目的のもとではTi,Nb
が最も有効に作用する。しかし、これらの元素の添加効
果は夫々0.1%で飽和するので、それ以上の添加は経
済的に無駄である。Tiの好ましい含有率は0.01〜
0.1%、Nbの好ましい含有率は0.005〜0.1
%である。
【0015】またCuは時効析出によって素材強度を高
める作用があるほか、耐食性の向上にも寄与するが、
2.5%を超えると表面疵を生じさせる原因になる。ま
たNiは、Cu添加による表面疵を抑える作用があるの
で、Cuを添加する場合にNiを複合添加することが望
まれる。しかしNi量はコストを考慮し、上限を1.5
%とする。
める作用があるほか、耐食性の向上にも寄与するが、
2.5%を超えると表面疵を生じさせる原因になる。ま
たNiは、Cu添加による表面疵を抑える作用があるの
で、Cuを添加する場合にNiを複合添加することが望
まれる。しかしNi量はコストを考慮し、上限を1.5
%とする。
【0016】CrおよびMoはレーザー処理後の強度を
高めるのに有効であるが、多量の添加は経済性を損なう
ので、Crは1.5%、Moは0.5%とする。またZ
r,V,Wは、鋼板の強度向上に有効に作用するが、多
過ぎると加工性に悪影響を及ぼし、経済的にも不利益を
もたらすので、夫々0.1%を上限とする。
高めるのに有効であるが、多量の添加は経済性を損なう
ので、Crは1.5%、Moは0.5%とする。またZ
r,V,Wは、鋼板の強度向上に有効に作用するが、多
過ぎると加工性に悪影響を及ぼし、経済的にも不利益を
もたらすので、夫々0.1%を上限とする。
【0017】更に希土類元素およびCaは、鋼中の介在
物形態を制限するのに添加されることがあるが、多過ぎ
ると介在物量の増大によって冷間加工性や靭性を劣化さ
せるので、夫々0.02%以下に抑えなければならな
い。またMgは水素脆化抑制作用を有しており、レーザ
ー処理部の水素割れ防止のために添加することができる
が、0.01%以上の添加は経済的に無駄である。
物形態を制限するのに添加されることがあるが、多過ぎ
ると介在物量の増大によって冷間加工性や靭性を劣化さ
せるので、夫々0.02%以下に抑えなければならな
い。またMgは水素脆化抑制作用を有しており、レーザ
ー処理部の水素割れ防止のために添加することができる
が、0.01%以上の添加は経済的に無駄である。
【0018】尚、上記成分のうちCrおよびMoを含有
する場合は、後で詳述する様な理由から下記式(2)に
よって算出されるK2 の値が0.01以上となる様に各
元素の含有率を調整しなければならない。
する場合は、後で詳述する様な理由から下記式(2)に
よって算出されるK2 の値が0.01以上となる様に各
元素の含有率を調整しなければならない。
【0019】 K2 =(Mn%+Cr%+Mo%+250×B%)×C% ・・・(2)
【0020】本発明では、上記成分組成の要件を満たす
鋼板を使用し、その表面に所定量の亜鉛もしくは亜鉛合
金めっきを施した後、レーザー処理を施して板厚貫通方
向に溶融・凝固域を形成し、当該処理域の耐食性を低下
させることなく高強度化する。以下、レーザー処理の条
件および作用効果について亜鉛系めっき付着量の限定理
由を含めて実験の経緯を追って詳述する。尚本発明にお
いて高密度エネルギー源としては、レーザー、プラズ
マ、電子ビーム等を包含するが、以下の説明でも再びレ
ーザーを代表例として説明を進める。
鋼板を使用し、その表面に所定量の亜鉛もしくは亜鉛合
金めっきを施した後、レーザー処理を施して板厚貫通方
向に溶融・凝固域を形成し、当該処理域の耐食性を低下
させることなく高強度化する。以下、レーザー処理の条
件および作用効果について亜鉛系めっき付着量の限定理
由を含めて実験の経緯を追って詳述する。尚本発明にお
いて高密度エネルギー源としては、レーザー、プラズ
マ、電子ビーム等を包含するが、以下の説明でも再びレ
ーザーを代表例として説明を進める。
【0021】図1は、C:0.005%,Si:0.0
3%,Mn:2.13%,Al(アルミキルド鋼として
の不可避不純物):0.03%,残部Feおよび不可避
不純物からなる鋼板に、45g/m2 の亜鉛めっきを施
した後合金化熱処理してなるめっき鋼板(板厚:1.4
mm)を使用し、これにレーザー照射条件を変えて溶融・
凝固域を形成した場合について、該凝固域の強度上昇量
とエネルギー密度との関係を調べた結果を示したもので
あり、この図からも明らかである様にレーザー照射時の
エネルギー密度が100J/mm2 以上になると、大きな
強度向上効果が得られている。この条件は板厚を貫通す
る溶融部が形成される条件と合致しており、レーザーが
鋼板を貫通する様に条件設定をすることにより、大幅な
強度上昇が安定して得られる。但し、上記条件を満足し
ない場合でも、レーザーの焦点位置をずらすことにより
照射面積を広げビードを太くしてやれば、エネルギー効
率は若干低下するものの強度上昇の目的は達成できる。
3%,Mn:2.13%,Al(アルミキルド鋼として
の不可避不純物):0.03%,残部Feおよび不可避
不純物からなる鋼板に、45g/m2 の亜鉛めっきを施
した後合金化熱処理してなるめっき鋼板(板厚:1.4
mm)を使用し、これにレーザー照射条件を変えて溶融・
凝固域を形成した場合について、該凝固域の強度上昇量
とエネルギー密度との関係を調べた結果を示したもので
あり、この図からも明らかである様にレーザー照射時の
エネルギー密度が100J/mm2 以上になると、大きな
強度向上効果が得られている。この条件は板厚を貫通す
る溶融部が形成される条件と合致しており、レーザーが
鋼板を貫通する様に条件設定をすることにより、大幅な
強度上昇が安定して得られる。但し、上記条件を満足し
ない場合でも、レーザーの焦点位置をずらすことにより
照射面積を広げビードを太くしてやれば、エネルギー効
率は若干低下するものの強度上昇の目的は達成できる。
【0022】上記方法によって強度上昇率をほぼ同一
(80MPa)にした亜鉛めっき鋼板を使用し、塩水噴
霧試験により耐食性を調べた。但し、使用しためっき鋼
板は図1で用いたのと同じであり、試験片サイズは18
0mm×70mm、レーザー照射によるビード数は試験片の
縦方向に10本とした。図2は、試験片が10%赤錆を
発生するまでの時間とエネルギー密度の関係をグラフ化
して示したものであり、エネルギー密度を完全貫通溶融
状態の得られる100J/mm2 以上にすると、赤錆発生
時間も著しく長くなっている。これらの実験結果からも
明らかな様に、適正な条件でレーザー照射を行なうこと
により溶融・凝固域の強度と耐食性を共に高め得ること
が分かる。
(80MPa)にした亜鉛めっき鋼板を使用し、塩水噴
霧試験により耐食性を調べた。但し、使用しためっき鋼
板は図1で用いたのと同じであり、試験片サイズは18
0mm×70mm、レーザー照射によるビード数は試験片の
縦方向に10本とした。図2は、試験片が10%赤錆を
発生するまでの時間とエネルギー密度の関係をグラフ化
して示したものであり、エネルギー密度を完全貫通溶融
状態の得られる100J/mm2 以上にすると、赤錆発生
時間も著しく長くなっている。これらの実験結果からも
明らかな様に、適正な条件でレーザー照射を行なうこと
により溶融・凝固域の強度と耐食性を共に高め得ること
が分かる。
【0023】図1,2に示す様な結果が得られた理由と
しては次の2点が考えられる。まず第1点としては、図
1にも示した様にレーザー照射エネルギー密度が低くな
ると強度上昇量も小さくなり、同程度の強度上昇量を確
保するには、レーザー照射によって形成されるビード幅
を増大しなければならなくなるが、その結果、レーザー
処理による亜鉛系めっきの蒸発量が増大し、それが図2
に示す様な赤錆発生時間の短縮(耐食性の低下)となっ
て表われたものと考えられる。
しては次の2点が考えられる。まず第1点としては、図
1にも示した様にレーザー照射エネルギー密度が低くな
ると強度上昇量も小さくなり、同程度の強度上昇量を確
保するには、レーザー照射によって形成されるビード幅
を増大しなければならなくなるが、その結果、レーザー
処理による亜鉛系めっきの蒸発量が増大し、それが図2
に示す様な赤錆発生時間の短縮(耐食性の低下)となっ
て表われたものと考えられる。
【0024】第2点目の理由は次の通りである。即ちレ
ーザー照射エネルギー密度が不足する場合は、鋼材が十
分に溶融しない。その結果、レーザー照射により与えら
れたエネルギーによって鋼板の表面、即ち亜鉛系めっき
部が加熱され、熱伝導によって鋼板内部が加熱されるこ
とになり、めっき層は広い面積に亘り高温になってめっ
きの蒸発が著しくなる。これに対し、十分なレーザー照
射エネルギー密度が与えられて板厚を貫通する溶融部が
形成される様な条件下においては、溶融部にキーホール
が形成されてレーザー光が鋼板内部を直接加熱すること
になる。その結果、亜鉛系めっき層が蒸発するのは実質
的に溶融部のみの比較的狭い範囲に限定される。
ーザー照射エネルギー密度が不足する場合は、鋼材が十
分に溶融しない。その結果、レーザー照射により与えら
れたエネルギーによって鋼板の表面、即ち亜鉛系めっき
部が加熱され、熱伝導によって鋼板内部が加熱されるこ
とになり、めっき層は広い面積に亘り高温になってめっ
きの蒸発が著しくなる。これに対し、十分なレーザー照
射エネルギー密度が与えられて板厚を貫通する溶融部が
形成される様な条件下においては、溶融部にキーホール
が形成されてレーザー光が鋼板内部を直接加熱すること
になる。その結果、亜鉛系めっき層が蒸発するのは実質
的に溶融部のみの比較的狭い範囲に限定される。
【0025】図3はその様子を模式図として示したもの
であり、また図4は、板厚を貫通する溶融部を形成した
場合の溶融凝固部における亜鉛の分布状況(マイクロ・
アナライザーによる亜鉛分布)を示したものであり、溶
融部対応位置で亜鉛量は大幅に減少しているのに対し、
溶融部近傍の亜鉛濃度の減少量は非常に少なく、溶融部
近傍位置でも亜鉛めっきが十分に残存していることが分
かる。亜鉛の沸点は910℃であり、鋼の融点よりはる
かに低いにもかかわらず鋼の溶融域近傍で亜鉛めっきが
残っているのは、上記の様な理由によるものと思われ
る。
であり、また図4は、板厚を貫通する溶融部を形成した
場合の溶融凝固部における亜鉛の分布状況(マイクロ・
アナライザーによる亜鉛分布)を示したものであり、溶
融部対応位置で亜鉛量は大幅に減少しているのに対し、
溶融部近傍の亜鉛濃度の減少量は非常に少なく、溶融部
近傍位置でも亜鉛めっきが十分に残存していることが分
かる。亜鉛の沸点は910℃であり、鋼の融点よりはる
かに低いにもかかわらず鋼の溶融域近傍で亜鉛めっきが
残っているのは、上記の様な理由によるものと思われ
る。
【0026】また本発明者らは、レーザー照射エネルギ
ーが不十分で溶融部が貫通して形成されない場合の表面
のSEM写真と、それに対応する表面の亜鉛量の分析
(マッピングアナライザーによる亜鉛分布の測定)を行
なったころ、溶融部が板厚を貫通しない場合の亜鉛消失
領域の幅は、溶融部が板厚を貫通する場合の亜鉛消失領
域の幅に比べて明らかに広くなることを確認しており、
これは、レーザー照射エネルギー密度を高くすると亜鉛
めっきの消失領域が狭くなることを表わしている。その
結果亜鉛めっきによる犠牲防食作用の低下が抑えられ、
赤錆発生時間が改善されるものと思われる。
ーが不十分で溶融部が貫通して形成されない場合の表面
のSEM写真と、それに対応する表面の亜鉛量の分析
(マッピングアナライザーによる亜鉛分布の測定)を行
なったころ、溶融部が板厚を貫通しない場合の亜鉛消失
領域の幅は、溶融部が板厚を貫通する場合の亜鉛消失領
域の幅に比べて明らかに広くなることを確認しており、
これは、レーザー照射エネルギー密度を高くすると亜鉛
めっきの消失領域が狭くなることを表わしている。その
結果亜鉛めっきによる犠牲防食作用の低下が抑えられ、
赤錆発生時間が改善されるものと思われる。
【0027】前記図1,2を比較すると、レーザー照射
エネルギー密度が100J/mm2 の前後で強度上昇量は
あまり変化していない(図1)のに対し、赤錆発生時間
は大きく変化している(図2)が、これは上記第2の効
果によるものと考えられる。尚これらの実験ではレーザ
ー照射エネルギー密度を100J/mm2 に設定したが、
該エネルギー密度は鋼板の厚みに応じて溶融・凝固部が
貫通形成される様に適宜増減すべきである。
エネルギー密度が100J/mm2 の前後で強度上昇量は
あまり変化していない(図1)のに対し、赤錆発生時間
は大きく変化している(図2)が、これは上記第2の効
果によるものと考えられる。尚これらの実験ではレーザ
ー照射エネルギー密度を100J/mm2 に設定したが、
該エネルギー密度は鋼板の厚みに応じて溶融・凝固部が
貫通形成される様に適宜増減すべきである。
【0028】ところで、板厚を貫通する溶融部が形成さ
れる条件でレーザー処理を行なった場合でも、溶融・凝
固部および熱影響部の強度上昇が不十分であるとレーザ
ー処理本数を多くしなければならなくなり、その増加分
だけ亜鉛めっき消失領域の総面積は大きくなるので、最
終製品としての耐食性は不十分になる。従って本発明で
は、上記の様なレーザー処理によって溶融・凝固部の強
度が十分に上昇し得る様な成分組成の鋼板を選択使用す
る必要があり、鋼板の成分組成を前述の様に定めたのは
こうした要求を満足するためである。
れる条件でレーザー処理を行なった場合でも、溶融・凝
固部および熱影響部の強度上昇が不十分であるとレーザ
ー処理本数を多くしなければならなくなり、その増加分
だけ亜鉛めっき消失領域の総面積は大きくなるので、最
終製品としての耐食性は不十分になる。従って本発明で
は、上記の様なレーザー処理によって溶融・凝固部の強
度が十分に上昇し得る様な成分組成の鋼板を選択使用す
る必要があり、鋼板の成分組成を前述の様に定めたのは
こうした要求を満足するためである。
【0029】鋼板の成分組成のうち特に前記式(1),
(2)で定めるK1 値およびK2 値を0.01以上に定
めたのは、レーザー照射エネルギー密度100J/mm2
以上で大幅な強度上昇を確保するためである。ちなみに
図5は、多くの実験データの中からK1 値(またはK2
値)と強度上昇率の関係を整理して示したグラフであ
り、K1 値またはK2 値が0.01以上となるように含
有元素の量を調整することによって、強度上昇率は明ら
かに急増している。尚本発明者らの確認したところで
は、レーザー処理による強度向上効果においてMn,C
r,Moは等価であるのに対し、Bは250倍の効果を
有しているので、これらを踏まえて式(1),(2)の
各係数を定めた。
(2)で定めるK1 値およびK2 値を0.01以上に定
めたのは、レーザー照射エネルギー密度100J/mm2
以上で大幅な強度上昇を確保するためである。ちなみに
図5は、多くの実験データの中からK1 値(またはK2
値)と強度上昇率の関係を整理して示したグラフであ
り、K1 値またはK2 値が0.01以上となるように含
有元素の量を調整することによって、強度上昇率は明ら
かに急増している。尚本発明者らの確認したところで
は、レーザー処理による強度向上効果においてMn,C
r,Moは等価であるのに対し、Bは250倍の効果を
有しているので、これらを踏まえて式(1),(2)の
各係数を定めた。
【0030】次に亜鉛系めっき付着量であるが、犠牲防
食作用を有効に発揮させるには少なくとも10g/m2以
上のめっき量が必要となる。ちなみに図6は、試験片サ
イズ180mm×70mmの鋼板を使用し亜鉛めっき付着量
を種々変えたものについてレーザー処理(エネルギー密
度:150J/mm2 、5mm間隔で10本)したものにつ
いて、10%赤錆発生時間を調べた結果を示したもので
ある。この図からも明らかである様に、十分な防食効果
を確保するには、めっき付着量を10g/m2以上、より
好ましくは25〜30g/m2以上にすべきであることが
分かる。
食作用を有効に発揮させるには少なくとも10g/m2以
上のめっき量が必要となる。ちなみに図6は、試験片サ
イズ180mm×70mmの鋼板を使用し亜鉛めっき付着量
を種々変えたものについてレーザー処理(エネルギー密
度:150J/mm2 、5mm間隔で10本)したものにつ
いて、10%赤錆発生時間を調べた結果を示したもので
ある。この図からも明らかである様に、十分な防食効果
を確保するには、めっき付着量を10g/m2以上、より
好ましくは25〜30g/m2以上にすべきであることが
分かる。
【0031】但し、図7に示す様にめっき付着量が20
0g/m2を超えると、レーザー照射部の強度上昇率が明
らかに低下してくる。これはレーザー照射エネルギーが
めっきの蒸着に消費されて鋼板への入熱量が減少するた
めと考えられる。従ってレーザー処理による強度上昇効
果を有効に発揮させるには、亜鉛系めっき付着量を20
0g/m2以下に抑えるべきである。
0g/m2を超えると、レーザー照射部の強度上昇率が明
らかに低下してくる。これはレーザー照射エネルギーが
めっきの蒸着に消費されて鋼板への入熱量が減少するた
めと考えられる。従ってレーザー処理による強度上昇効
果を有効に発揮させるには、亜鉛系めっき付着量を20
0g/m2以下に抑えるべきである。
【0032】これらの実験結果から、レーザー処理によ
る強度上昇効果と亜鉛めっきによる防食効果を両立させ
るための条件として、亜鉛系めっきの付着量は10〜2
00g/m2と定めたが、より好ましいのは25〜200
g/m2の範囲である。
る強度上昇効果と亜鉛めっきによる防食効果を両立させ
るための条件として、亜鉛系めっきの付着量は10〜2
00g/m2と定めたが、より好ましいのは25〜200
g/m2の範囲である。
【0033】上記の様に本発明では、化学成分の特定さ
れた鋼板を使用し、且つ犠牲防食用として設けられる亜
鉛系めっきの付着量の特定されためっき鋼板にレーザー
処理を施し、亜鉛系めっきによる防食効果を低下させる
ことなく強度上昇を図るものであり、鋼板をプレス等に
より所定形状に成形加工した後で必要箇所をレーザー処
理により選択的に強化することができる。しかし、加工
性を大きく阻害しない場合は、鋼板の適所にレーザー処
理を施し強化してから成形加工することも勿論可能であ
る。
れた鋼板を使用し、且つ犠牲防食用として設けられる亜
鉛系めっきの付着量の特定されためっき鋼板にレーザー
処理を施し、亜鉛系めっきによる防食効果を低下させる
ことなく強度上昇を図るものであり、鋼板をプレス等に
より所定形状に成形加工した後で必要箇所をレーザー処
理により選択的に強化することができる。しかし、加工
性を大きく阻害しない場合は、鋼板の適所にレーザー処
理を施し強化してから成形加工することも勿論可能であ
る。
【0034】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明の構成および作用
効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記
実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣
旨に適合し得る範囲で変更して実施することも勿論可能
であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれ
る。
効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記
実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣
旨に適合し得る範囲で変更して実施することも勿論可能
であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれ
る。
【0035】実施例 表1に示す成分組成の鋼板(厚さ1.4 mm)表面に所定量
の亜鉛系めっきを施しためっき鋼板を使用し、レーザー
処理を施した後、図8に示す形状のハット型にプレス成
形して供試材とした。レーザー照射は、出力3kw,走
査速度3m/minとし、レーザーの焦点位置を鋼板内にと
指向させて板厚を貫通する状態で直線状に走査させた
後、レーザー走査線が試験片の中央部に位置する様にJ
IS5号試験片を加工して引張試験に供した。
の亜鉛系めっきを施しためっき鋼板を使用し、レーザー
処理を施した後、図8に示す形状のハット型にプレス成
形して供試材とした。レーザー照射は、出力3kw,走
査速度3m/minとし、レーザーの焦点位置を鋼板内にと
指向させて板厚を貫通する状態で直線状に走査させた
後、レーザー走査線が試験片の中央部に位置する様にJ
IS5号試験片を加工して引張試験に供した。
【0036】図8中、太実線で示した部分はレーザー処
理部(5mm間隔で10本)を示す。各供試材を図9に示
す3点曲げ試験(クロスヘッド速度:10mm/min ,ス
トローク:20mm)および塩水噴霧試験に供し、吸収エ
ネルギー上昇率および10%赤錆発生時間を調べた。結
果を表2に示す。
理部(5mm間隔で10本)を示す。各供試材を図9に示
す3点曲げ試験(クロスヘッド速度:10mm/min ,ス
トローク:20mm)および塩水噴霧試験に供し、吸収エ
ネルギー上昇率および10%赤錆発生時間を調べた。結
果を表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1,2より次の様に考えることができ
る。No. 5〜7,9〜12,14〜16は本発明の規定
要件を満たす実施例であり、いずれも15%以上の高い
吸収エネルギー吸収率と長い赤錆発生時間が得られてい
る。これらに対しNo. 1〜4はK1 またはK2 の値が0.
01未満の比較例であり、十分な吸収エネルギーが得られ
ていない。またNo. 8は、K1 値は、要件を満たしてい
るが、C量が高いために加工性が低い。他の鋼ではr値
は1.2以上であるが、No. 8はr値が1.1 と低く、絞
り成形性が劣っている。またNo. 13は、めっき量が多
過ぎるため十分な吸収エネルギーが得られない。
る。No. 5〜7,9〜12,14〜16は本発明の規定
要件を満たす実施例であり、いずれも15%以上の高い
吸収エネルギー吸収率と長い赤錆発生時間が得られてい
る。これらに対しNo. 1〜4はK1 またはK2 の値が0.
01未満の比較例であり、十分な吸収エネルギーが得られ
ていない。またNo. 8は、K1 値は、要件を満たしてい
るが、C量が高いために加工性が低い。他の鋼ではr値
は1.2以上であるが、No. 8はr値が1.1 と低く、絞
り成形性が劣っている。またNo. 13は、めっき量が多
過ぎるため十分な吸収エネルギーが得られない。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、化
学成分および亜鉛系めっき付着量の特定されためっき鋼
板に対し高密度エネルギー処理を施して板厚を貫通する
凝固域を形成することによって、亜鉛系めっきによる犠
牲防食効果を損なうことなく強度を高めることができ
る。そしてこの高密度エネルギー処理は成形加工により
製品形状とした後でも容易に行なうことができるので成
形性を悪化させることもなく、高強度高耐食性のめっき
鋼板成形品を提供し得ることになった。
学成分および亜鉛系めっき付着量の特定されためっき鋼
板に対し高密度エネルギー処理を施して板厚を貫通する
凝固域を形成することによって、亜鉛系めっきによる犠
牲防食効果を損なうことなく強度を高めることができ
る。そしてこの高密度エネルギー処理は成形加工により
製品形状とした後でも容易に行なうことができるので成
形性を悪化させることもなく、高強度高耐食性のめっき
鋼板成形品を提供し得ることになった。
【図1】レーザー処理時のエネルギー密度と降伏応力の
上昇量の関係を示すグラフである。
上昇量の関係を示すグラフである。
【図2】レーザー処理時のエネルギー密度と10%赤錆
発生率の関係を示すグラフである。
発生率の関係を示すグラフである。
【図3】レーザー処理時の溶融状況を示す説明図であ
る。
る。
【図4】レーザー処理により板厚を貫通する溶融凝固部
を形成したときの溶融凝固部の表面性状と亜鉛分布を示
す図である。
を形成したときの溶融凝固部の表面性状と亜鉛分布を示
す図である。
【図5】鋼板のK1 値とレーザー処理による降伏応力の
上昇量の関係を示すグラフである。
上昇量の関係を示すグラフである。
【図6】めっき付着量と赤錆発生時間の関係を示すグラ
フである。
フである。
【図7】めっき付着量とレーザー処理部の降伏応力の上
昇量の関係を示すグラフである。
昇量の関係を示すグラフである。
【図8】実験で用いたハット状供試材の形状を示す説明
図である。
図である。
【図9】3点曲げ試験法を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加瀬 友博 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者 槇井 浩一 兵庫県加古川市尾上町池田字池田開拓2222 番地1 株式会社神戸製鋼所加古川研究地 区内 (72)発明者 佐藤 章仁 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 富岡 良郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中村 真一郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】C:0.002〜0.02%(質量%:以
下同じ) Si:0.5%以下 Mn:1.0〜3.0% Al:0.1%以下 P :0.2%以下 B :50ppm 以下 残部:Fe及び不可避不純物 よりなり、K1 =(Mn%+250×B%)×C%で与
えられるK1 値が0.01以上であり、主たる金属組織
がフェライトである鋼板の表面に、付着量が10〜20
0g/m2 の亜鉛系めっきを施してなるめっき鋼板に、
高密度エネルギーを照射して板厚を貫通する凝固域を形
成して高強化したものであることを特徴とする高強度高
耐食性めっき鋼板成形品。 - 【請求項2】 鋼板が、他の元素としてTi:0.1%
以下および/もしくはNb:0.1%以下を含むもので
ある請求項1記載の成形品。 - 【請求項3】 鋼板が、更に他の元素として 希土類元素:0.02%以下 Ca:0.02%以下 Mg:0.1%以下 よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むも
のである請求項1または2記載の成形品。 - 【請求項4】C:0.002〜0.02% Si:0.5%以下 Mn:1.0〜3.0% Al:0.1%以下 P :0.2%以下 B :50ppm 以下 を含有すると共に、 Cu:2.5%以下 Ni:1.5%以下 Cr:1.5%以下 Mo:0.5%以下 Zr:0.1%以下 V :0.1%以下 W :0.1%以下 よりなる群から少なくとも1種の元素を含み、 残部:Fe及び不可避不純物 よりなり、K2 =(Mn%+Cr%+Mo%+250×
B%)×C%で与えられるK2 値が0.01以上であ
り、主たる金属組織がフェライトである鋼板の表面に、
付着量が10〜200g/m2 の亜鉛系めっきを施して
なるめっき鋼板に、高密度エネルギーを照射して板厚を
貫通する凝固域を形成して高強化したものであることを
特徴とする高強度高耐食性めっき鋼板成形品。 - 【請求項5】 鋼板が、他の元素としてTi:0.1%
以下および/もしくはNb:0.1%以下を含むもので
ある請求項4記載の成形品。 - 【請求項6】 鋼板が、更に他の元素として 希土類元素:0.02%以下 Ca:0.02%以下 Mg:0.1%以下 よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むも
のである請求項4または5記載の成形品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26848593A JPH07118876A (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | 高強度高耐食性めっき鋼板成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26848593A JPH07118876A (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | 高強度高耐食性めっき鋼板成形品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07118876A true JPH07118876A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=17459155
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26848593A Withdrawn JPH07118876A (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | 高強度高耐食性めっき鋼板成形品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07118876A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017170466A (ja) * | 2016-03-23 | 2017-09-28 | 新日鐵住金株式会社 | 溶接構造体の製造方法 |
| KR102051234B1 (ko) * | 2018-12-29 | 2019-12-02 | 방만혁 | 복합관용 확관 장치 및 방법 |
| WO2021125625A1 (ko) * | 2019-12-18 | 2021-06-24 | 주식회사 포스코 | 내부식성이 우수한 용융 합금도금 강재 및 그 제조방법 |
-
1993
- 1993-10-27 JP JP26848593A patent/JPH07118876A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017170466A (ja) * | 2016-03-23 | 2017-09-28 | 新日鐵住金株式会社 | 溶接構造体の製造方法 |
| KR102051234B1 (ko) * | 2018-12-29 | 2019-12-02 | 방만혁 | 복합관용 확관 장치 및 방법 |
| WO2021125625A1 (ko) * | 2019-12-18 | 2021-06-24 | 주식회사 포스코 | 내부식성이 우수한 용융 합금도금 강재 및 그 제조방법 |
| EP4079923A4 (en) * | 2019-12-18 | 2022-12-07 | Posco | HOT DIP COATED STEEL MATERIAL WITH EXCELLENT ANTI-CORROSION PROPERTIES AND METHOD OF MAKING THE SAME |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010130 |