JPH07119138A - 地盤注入用薬液 - Google Patents

地盤注入用薬液

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JPH07119138A
JPH07119138A JP28418093A JP28418093A JPH07119138A JP H07119138 A JPH07119138 A JP H07119138A JP 28418093 A JP28418093 A JP 28418093A JP 28418093 A JP28418093 A JP 28418093A JP H07119138 A JPH07119138 A JP H07119138A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スラグを主成分とする懸濁型の地盤注入用薬
液であって、比較的低粘性で長いゲル化時間でも高強度
を得、しかも長期固結強度に優れた地盤注入用薬液を得
る。 【構成】 スラグと、モル比が2.5以下の水ガラスとか
ら構成される。これにさらにセメントおよび/または分
散剤を添加してもよい。前記スラグおよびセメントは比
表面積がそれぞれ8000cm2/g以上を有する微粒子スラグ
または微粒子セメントである。さらに、本発明はスラグ
と、モル比が10以上のアルミン酸ナトリウムとから構成
される。さらに、また、本発明はスラグと、水ガラス
と、アルミン酸ナトリウムとから構成される。上述のス
ラグやセメントはいずれも比表面積がそれぞれ8000cm2/
g以上の微粒子スラグまたは微粒子セメントである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスラグを主成分とし、こ
れに水ガラスまたはアルミン酸ナトリウムを添加混合
し、さらに必要に応じてセメントおよび/または分散剤
を添加混合してなる懸濁型の地盤注入用薬液に係り、特
に、比較的低粘性で長いゲル化時間でも高強度を得、し
かも長期間固結強度に優れた懸濁型地盤注入用薬液に関
する。
【0002】
【従来の技術】水ガラスにセメントを加えてなる水ガラ
ス系懸濁グラウトが知られている。この系において浸透
性を向上せしめるためにゲル化時間を長く調整すると強
度が低下し、かつ長期固結強度も得られない。
【0003】そこで、ゲル化時間を長く調整する水ガラ
スグラウトとして低モル比の水ガラスを用いるセメント
−水ガラスグラウトが提案されている。
【0004】しかし、この場合でもゲル化時間はせいぜ
い数分から10分程度しか長くならず、充分な浸透効果が
得られないのみならず、注入材の混合が不充分で反応が
不完全となり、このため地盤中の固結物は長期間安定し
たものとはならなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】長いゲル化時間を保
持して、しかも高固結強度を得、かつ浸透性ならびに長
期間耐久性を示し、前記の従来技術に存する欠点を改良
した懸濁型グラウトを提供することにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】前記問題点を解決する
ため、本発明の固結用材料はスラグを主体とし、これに
ある条件下で水ガラスやアルミン酸ナトリウム、さらに
場合によってはセメントや分散剤を含有してなることを
特徴とする。このように、スラグを中心に次の要件を具
備せしめることより構成されている。
【0007】1.スラグとモル比が2.5以下の水ガラス
からなる懸濁型地盤注入用薬液。ここで、水ガラスのモ
ル比とは水ガラス中のSiO2 のモル濃度/Na2 Oの
モル濃度の値を表す。
【0008】2.スラグとモル比が10以上のアルミン酸
ナトリウム液からなる懸濁型地盤注入用薬液。ここで、
アルミン酸ナトリウム液のモル比とはアルミン酸ナトリ
ウム液中のNa2 Oのモル濃度/Al2 3 のモル濃度
の値を表す。
【0009】3.スラグと水ガラスとアルミン酸ナトリ
ウム液からなり、次の条件を満たす懸濁型地盤注入用薬
液。水ガラス中のSiO2 のモル濃度/水ガラス中とア
ルミン酸ナトリウム液中の合量Na2 Oのモル濃度の値
が2.5以下。
【0010】4.前記1、2、3の系にセメントや分散
剤を添加混合する懸濁型地盤注入用薬液。
【0011】5.前記1、2、3、4で使用するスラ
グ、セメントにおいてより好ましくはその比表面積が80
00cm2/g以上の微粒子スラグ、微粒子セメントである懸
濁型地盤注入用薬液。
【0012】ここで、水ガラス、スラグ、アルミン酸ナ
トリウム液の使用量は、これらの種類の違いで変動する
ので一概に規制することは難しいが、適当な大凡の使用
量の範囲は次の如くである。
【0013】1.水ガラス 配合液の全量1000g中の水ガラスの使用量は水ガラス中
のSiO2 のモル濃度が0.3〜4.0モル、好ましくは
0.4〜2.0モルの範囲内である。
【0014】2.スラグ 配合液の全量1000g中にスラグとして、100〜500g、
好ましくは200〜400gの範囲内である。
【0015】3.アルミン酸ナトリウム アルミン酸ナトリウムは通常液体で使用される。配合液
の全量1000g中のアルミン酸ナトリウム液の使用量はア
ルミン酸ナトリウム液中のAl2 3 のモル濃度が0.00
2 〜0.1モル、好ましくは0.0025〜0.08モルの範囲内で
ある。
【0016】上記の使用範囲を逸脱すると粘性が上昇し
て浸透性を阻害したり、ゲル化時間が異常に早まった
り、あるいは異常に長引いて半固結状にしかならない場
合が生じる。したがって、固結体の強度も非常に弱化さ
れる場合も起こり、安定性を欠く結果を招き易い。
【0017】
【作用】セメントを主材として、これに低モル比の水ガ
ラスを作用せしめてゲル化時間を長引かせているが、せ
いぜい数分から10分程度である。これはセメントがSi
2 に対してCaO分が多く、アルカリによってSiO
2 が反応し易い状態になるものと思われる。
【0018】これに対して、スラグはSiO2 分に対し
て、CaO分がセメントに比べてかなり量的に少ないの
で、アルカリによるSiO2 の反応が緩慢で長いゲル化
時間を要して徐々に固結し固結強度も増加するものと思
われる。
【0019】したがって、スラグの固結のために使用す
る水ガラスやアルミン酸ナトリウム中のアルカリの量が
自ら規制されてくるものと思われる。セメントを併用す
れば、セメント自体の自硬性をとり入れることができ
る。
【0020】また、長時間のゲル化時間を保持するた
め、配合の割合によっては多少沈降する傾向を示すが、
分散剤により沈降を防止して均一な固結体とすることが
できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0022】1.使用材料 (1)スラグ 市販の高炉スラグ(商品名:エスメント)およびこれを
粉砕して次の表1に示す比表面積のものを使用した。
【0023】
【表1】
【0024】(2)アルミン酸ナトリウム液 次の表2に示す組成のモル比を異にした3種類のアルミ
ン酸ナトリウム液を使用した。(本発明において、アル
ミン酸ナトリウム液の代わりにアルミン酸カリウム液を
使用しても同じような傾向を示す。)
【0025】
【表2】
【0026】(3)水ガラス モル比を異にした表3に示す組成の水ガラスを使用し
た。
【0027】
【表3】
【0028】(4)セメント アルミナセメント、ポルトランドセメント、スラグセメ
ント等の各種のセメントに適用できるが、最も一般的な
ポルトランドセメントを微粉化した比表面積8500cm2/g
のものを使用した。
【0029】(5)分散剤 商品名:マイチイー150を使用した。
【0030】2.実施配合と実施結果 (1)水ガラス−スラグ系 実施した水ガラス−スラグ系の配合とそのゲル化時間、
フアンネル粘性および水中養生一軸圧縮強度を表4に示
す。
【0031】
【表4】
【0032】表4から実施No.1、2はモル比3.18の3号
水ガラスの使用でゲル化時間は早いにもかかわらず、強
度は強化されていない。
【0033】実施No.3〜12は本発明範囲にある低モル比
の水ガラスを使用し、モル比が2.5以下になると急に粘
性は低く、ゲル化時間が長い上に強度的にも優れている
ことがわかる。
【0034】また、スラグの粒子を細かくすればする
程、ゲル化時間は若干早くなり、強度は一段と強化して
いる。特に、スラグの比表面積を8000cm2/g以上とすれ
ば、その効果は著しいことがわかる。
【0035】(2)アルミン酸ナトリウム液−スラグ系 実施したアルミン酸ナトリウム液−スラグ系の配合とそ
のゲル化時間、フアンネル粘性および水中養生一軸圧縮
強度を表5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】表5から実施 No.13、14はモル比5.87のア
ルカリ分の少ないアルミン酸ナトリウム液の使用でゲル
化時間は1〜2時間と比較的短く、フアンネル粘性も1
分以上と大きく、強度はせいぜい20kgf/cm2以下であ
る。
【0038】これに対し、実施 No.15〜22の本発明範囲
にあるアルミン酸ナトリウム液を使用し、モル比が10以
上となると急にゲル化時間は長引き粘性は低下し、強度
的にも一段と強化されている。
【0039】また、スラグの微粒子化が進むにしたがっ
て、ゲル化時間は若干短縮され、粘性は低下し、強度的
にはさらに強化されることがわかる。特に、スラグの比
表面積を8000cm2/g以上とした場合(実施 No.17、18、
21、22) にその効果は著しい。
【0040】(3)水ガラス−アルミン酸ナトリウム液
−スラグ系 実施した水ガラス−アルミン酸ナトリウム液−スラグ系
の配合とそのゲル化時間、フアンネル粘性および水中養
生一軸圧縮強度を表6に示す。
【0041】
【表6】
【0042】表4、5において、高モル比の水ガラス
(モル比:3.18) または低モル比のアルミン酸ナトリウ
ム液(モル比:5.87) をそれぞれ単独でスラグと混合し
た系(実施No.1、2 、13、14) では何れも好ましからざ
る結果が得られ、低モル比の水ガラスまたは高モル比の
アルミン酸ナトリウム液を用いると粘性、ゲル化時間、
強度ともに好ましい結果が得られている。
【0043】表6においてもモル比2.49の低モル比の水
ガラスとモル比10.05の高モル比のアルミン酸ナトリウ
ム液を併用してスラグと混合した実施 No.27、28では当
然のことながら好ましい結果が得られている。
【0044】しかし、高モル比の水ガラス(モル比:3.
18、3号水ガラス)と低モル比のアルミン酸ナトリウム
液(モル比5.87) を併用してスラグと混合した実施 No.
23〜26のうち、実施 No.23以外の実施 No.24〜26では好
ましい結果が得られている。すなわち、高モル比の水ガ
ラスと低モル比のアルミン酸ナトリウム液であっても、
この両者を併用してスラグと混合する場合、水ガラスと
アルミン酸ナトリウム液中のNa2 Oを加算したモル濃
度に対する水ガラス中のSiO2 のモル濃度の比が約
2.5以下となれば(実施 No.24、25、26) 好結果が得ら
れているが、2.5以上(実施 No.23) では好ましからざ
る結果を得ていることがわかる。
【0045】このように通常汎用的に使用されている高
モル比の水ガラス、低モル比のアルミン酸ナトリウム液
であっても併用して上記の条件を満たしさえすれば、ス
ラグと混合して好結果が得られることがわかった。
【0046】スラグは比表面積3100cm2/gの未粉砕のも
のと8100cm2/gの微粉化したものを使用した。微粉化し
た実施 No.26の方が実施 No.25より、実施 No.28の方が
実施No.27よりもゲル化時間は幾分短くなるが、低粘性
で強度的にも優れている。
【0047】(4)セメント、分散剤の使用 表5の実施 No.17と表6の実施 No.26において、スラグ
の一部をセメントに置きかえた系とさらに分散剤を添加
した系について試験した結果を表7に示す。
【0048】
【表7】
【0049】表7からスラグの一部をセメントで置きか
えることにより粘性は幾分上昇、ゲル化時間は幾分長引
き、強度的には若干低下する傾向を示す。したがって、
ゲル化時間を長くしたいような場合に効果がある。分散
剤は配合系の長時間ゲル化による沈降を防いで常に均一
な懸濁状を保つ効果があり、強度的にも強化されてい
る。
【0050】
【発明の効果】
1.スラグとモル比2.5以下の水ガラスからなる系およ
びスラグとモル比10以上のアルミン酸ナトリウム液とか
らなる系では、低粘性を保ちながら、長いゲル化時間を
要してゲル化に至らしめるため、懸濁型グラウトとして
は極めて浸透性に優れている。また、このように長いゲ
ル化時間にもかかわらず強い強度を示し、耐久性に優れ
た懸濁型グラウトとして期待がもてる。
【0051】2.スラグと水ガラスとアルミン酸ナトリ
ウム液からなる系では、水ガラスのモル比が必ずしも
2.5以下でなくても、また、アルミン酸ナトリウム液の
モル比が必ずしも10以上でなくても、水ガラスとアルミ
ン酸ナトリウム液とからなる混合液中のNa2 Oのモル
濃度に対する水ガラス中のSiO2 のモル濃度の比が
2.5以下であれば上記1に比適する効果を示す。したが
って、般用的なJIS3号水ガラスや低モル比のアルミ
ン酸ナトリウム液を使用することができる。
【0052】3.上記1、2の系において、スラグの代
わりに一部をセメントに置きかえることにより、ゲル化
時間を遅延せしめることができる。
【0053】4.上記1、2、3の系において、分散剤
を添加することにより長時間のゲル化時間の系であって
も、殆ど沈降することなく均質な固結体が得られ、強度
的にも優れる。
【0054】5.使用するスラグやセメントは微粒子化
する程、低粘性でゲル化時間を早め、強度的に優れた効
果を示す。特に、比表面積が8000cm2/g以上になるとそ
の効果が著しい。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 地盤注入用薬液
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はスラグを主成分とし、
これに水ガラスまたはアルミン酸ナトリウムを添加混合
し、さらに必要に応じてセメントおよび/または分散剤
を添加混合してなる懸濁型の地盤注入用薬液に係り、特
に、比較的低粘性で長いゲル化時間でも高強度を得、し
かも長期間固結強度に優れた懸濁型地盤注入用薬液に関
する。
【0002】
【従来の技術】 水ガラスにセメントを加えてなる水ガ
ラス系懸濁グラウトが知られている。この系において浸
透性を向上せしめるためにゲル化時間を長く調整すると
強度が低下し、かつ長期固結強度も得られない。
【0003】 そこで、ゲル化時間を長く調整する水ガ
ラスグラウトとして低モル比の水ガラスを用いるセメン
ト−水ガラスグラウトが提案されている。
【0004】 しかし、この場合でもゲル化時間はせい
ぜい数分から10分程度であって、充分な浸透効果が得
られないのみならず、セメント−水ガラスの混合が充分
に達成されず、このため反応が不完全となり、地盤中
固結物長期間安定したものとはならなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】 そこで、本発明の
目的は長いゲル化時間を保持して、しかも高固結強度を
得、かつ浸透性ならびに長期間耐久性を示し、前記の従
来技術に存する欠点を改良した懸濁型グラウトを提供す
ることにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】 前記問題点を解決す
るため、本発明の地盤注入用薬液によれば、モル比が
2.5以下の水ガラスと、スラグとからなり、あるい
は、モル比が10以上のアルミン酸ナトリウムと、スラ
グとからなり、さらには、水ガラスと、アルミン酸ナト
リウムと、スラグとからなることを特徴とし、さらに必
要に応じて、これら各地盤注入用薬液にセメントおよび
/または分散剤を添加することを特徴とする。
【0007】 以下、本発明を具体的に詳述すると、本
発明薬液はスラグを主成分とし、次の要件を具備して構
成される。 1.スラグとモル比が2.5以下の水ガラスからな
る懸濁型地盤注入用薬液。ここで、水ガラスのモル比と
は水ガラス中のSiOのモル濃度/NaOのモル濃
度の値を表す。
【0008】 2.スラグとモル比が10以上のアル
ミン酸ナトリウムからなる懸濁型地盤注入用薬液。こ
こで、アルミン酸ナトリウム液のモル比とはアルミン酸
ナトリウム液中のNaOのモル濃度/Alのモ
ル濃度の値を表す。
【0009】 3.スラグと水ガラスとアルミン酸
ナトリウムからなり、次の条件を満たす懸濁型地盤注入
用薬液。水ガラス中のSiOのモル濃度/水ガラス中
とアルミン酸ナトリウム中の合量NaOのモル濃度の
値が2.5以下。
【0010】 4.前記1、2、3の系に必要に応じて
セメントおよび/または分散剤を添加混合する懸濁型地
盤注入用薬液。
【0011】 5.前記1、2、3、4で使用するスラ
またはセメント、好ましくはそれぞれ比表面積80
00cm/g以上の微粒子スラグまたは微粒子セメン
トである懸濁型地盤注入用薬液。
【0012】 上述の水ガラス、スラグあるいはアルミ
ン酸ナトリウムの使用量は、それぞれ種類の違いで変動
するので一概に規制することは難しいが、適当な大凡の
使用量の範囲は次の如くである。
【0013】 1.水ガラス水ガラスの使用量は 配合液の全量1000g中水ガラ
ス中のSiOのモル濃度が0.3〜4.0モル、好ま
しくは0.4〜2.0モルの範囲内を呈する量である。
【0014】 2.スラグスラグの使用量は 配合液の全量1000g中100〜
500g、好ましくは200〜400gの範囲内であ
る。
【0015】 3.アルミン酸ナトリウム アルミン酸ナトリウムは通常液体で使用される。この使
用量は配合液の全量1000g中アルミン酸ナトリウ
ム液中のAlのモル濃度が0.002〜0.1モ
ル、好ましくは0.0025〜0.08モルの範囲内を
呈する量である。
【0016】 上記の使用範囲を逸脱すると、得られ
る薬液の粘性が上昇して浸透性を阻害したり、ゲル化時
間が異常に早まったり、あるいは異常に長引いて半固結
状にしかならない場合が生じ、したがって、固結体の強
度も非常に弱化される場合も起こり、安定性を欠く結果
を招き易い。
【0017】
【作用】 従来では、上述のとおり、セメントを主
材として、これに低モル比の水ガラスを作用せしめてゲ
ル化時間を長引かせているが、これでは、ゲル化時間は
せいぜい数分から10分程度である。これはセメント
CaO分が水ガラスのSiOに対して多く、アルカリ
によってSiOが反応し易い状態になるものと思われ
る。
【0018】 これに対して、本発明では、スラグのC
aO分がセメントに比べてかなり少ないので、アルカリ
によるSiOの反応が緩慢で長いゲル化時間を要して
徐々に固結し固結強度も増加するものと思われる。
【0019】 なお、上述の本発明薬液にセメントを併
用すれば、セメント自体の自硬性をとり入れることがで
きる。
【0020】 また、本発明では、長時間のゲル化時間
を保持するから、配合の割合によっては薬液中に多少の
沈降物を生じることもある。この沈降を防止するため
に、本発明では分散体を併用し、均一な固結体を得るこ
とができる。
【0021】
【実施例】 以下、本発明を実施例によって具体的に
説明するが、本発明はそれらに限定されるものではな
い。
【0022】 1.使用材料 (1)スラグ 市販の高炉スラグ(商品名:エスメント)およびこれを
粉砕して次の表1に示す比表面積のものを使用した。
【0023】
【表1】
【0024】 (2)アルミン酸ナトリウム 次の表2に示す組成のモル比を異にした3種類のアルミ
ン酸ナトリウム液を使用した。(本発明において、アル
ミン酸ナトリウム液の代わりにアルミン酸カリウム液を
使用しても同じような傾向を示す。)
【0025】
【表2】
【0026】 (3)水ガラス モル比を異にした表3に示す組成の水ガラスを使用し
た。
【0027】
【表3】
【0028】 (4)セメント アルミナセメント、ポルトランドセメント、スラグセメ
ント等の各種のセメント適用できるが、最も一般的な
ポルトランドセメント微粉化された比表面積8500
cm/gのものを使用した。
【0029】 (5)分散剤 商品名:マイチイー150を使用した。
【0030】 2.実施配合と実施結果 (1)水ガラス−スラグ系 実施した水ガラス−スラグ系の配合とそのゲル化時間、
フアンネル粘性および水中養生一軸圧縮強度を表4に示
す。
【0031】
【表4】
【0032】 表4実施No.1、2はモル比3.1
8の3号水ガラスの使用した例である。この場合、ゲル
化時間は早いにもかかわらず、強度は強化されていない
ことが表4からわかる。
【0033】 実施No.3〜12は本発明にかかる
モル比の水ガラスである。モル比が2.5以下になると
急に粘性は低く、ゲル化時間が長い上に強度的にも優れ
ていることが表4からわかる。
【0034】 スラグの粒子を細かくすればする程、ゲ
ル化時間は若干早くなり、強度は一段と強化している。
特に、スラグの比表面積を8000cm/g以上とす
れば、その効果は著しいことが表4からわかる。
【0035】 (2)アルミン酸ナトリウム液−スラグ
系 アルミン酸ナトリウム液−スラグ系の配合とそのゲル化
時間、フアンネル粘性および水中養生一軸圧縮強度を表
5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】 表5実施No.13、14はモル比
5.87のアルカリ分の少ないアルミン酸ナトリウム液
使用した。この場合、ゲル化時間は1〜2時間と比較
的短く、フアンネル粘性も1分以上と大きく、強度はせ
いぜい20kgf/cm以下であることが表5からわ
かる。
【0038】 表5の実施No.15〜22の本発明
かかるアルミン酸ナトリウム液を使用した。この場合
モル比が10以上となると急にゲル化時間は長引き
性は低下し、強度的にも一段と強化されていることが表
5から示される。
【0039】 また、スラグの微粒子化が進むにしたが
って、ゲル化時間は若干短縮され、粘性は低下し、強度
的にはさらに強化される。特に、スラグの比表面積を8
000cm/g以上とした場合(実施No.17、1
8、21、22)にその効果は著しいことが表5からわ
かる。
【0040】 (3)水ガラス−アルミン酸ナトリウム
液−スラグ系 水ガラス−アルミン酸ナトリウム液−スラグ系の配合と
そのゲル化時間、フアンネル粘性および水中養生一軸圧
縮強度を表6に示す。
【0041】
【表6】
【0042】 高モル比の水ガラス(モル比:3.1
8)または低モル比のアルミン酸ナトリウム液(モル
比:5.87)をそれぞれ単独でスラグと混合した系
(実施No.1、2、13、14)では何れも好まし
くない結果得、これに対して、低モル比の水ガラスま
たは高モル比のアルミン酸ナトリウム液を用いると粘
性、ゲル化時間、強度ともに好ましい結果が得られてい
ことは表4、5に示されるとおりである。
【0043】 表6に示されるように、モル比2.49
の低モル比の水ガラスとモル比10.05の高モル比の
アルミン酸ナトリウム液を併用してスラグと混合した実
施No.27、28では当然のことながら好ましい結果
が得られている。
【0044】 しかし、高モル比の水ガラス(モル比:
3.18、3号水ガラス)と低モル比のアルミン酸ナト
リウム液(モル比5.87)を併用してスラグと混合し
た実施No.23〜26のうち、実施No.23以外の
実施No.24〜26では好ましい結果が得られてい
る。すなわち、高モル比の水ガラスと低モル比のアルミ
ン酸ナトリウム液であっても、この両者を併用してスラ
グと混合する場合、水ガラスとアルミン酸ナトリウム液
中のNaOを加算したモル濃度に対する水ガラス中の
SiOのモル濃度の比が約2.5以下となれば(実施
No.24、25、26)好結果が得られ、2.5以上
(実施No.23)では好ましくない結果を得ているこ
とが表6からわかる。
【0045】 このように通常汎用的に使用されている
高モル比の水ガラス、低モル比のアルミン酸ナトリウム
液であってもこれらを併用して上記の条件を満たしさえ
すれば、スラグと混合して好結果が得られることが表6
からわかった。
【0046】 表6において、スラグは比表面積310
0cm/gの未粉砕のものと8100cm/gの微
粉化したものを使用した。微粉化した実施No.26の
方が実施No.25より、実施No.28の方が実施N
o.27よりもそれぞれ、ゲル化時間は幾分短くなる
が、低粘性で強度的にも優れていることが表6からわか
る。
【0047】 (4)セメントおよび分散剤の使用 表5の実施No.17と表6の実施No.26を試料と
し、これらの中のスラグの一部をセメントに置きかえ、
さらにこれらに分散剤を添加して試験を行い、結果を表
7に示した
【0048】
【表7】
【0049】 表7からスラグの一部をセメントで置き
かえると、粘性は幾分上昇し、かつ、ゲル化時間は幾分
長引き、さらに、強度的には若干低下することがわか
る。したがって、特に、ゲル化時間を長くしたいような
場合にはこの系が効果的である。分散剤はゲル化時間が
長い場合に配合物の沈降を防いで常に均一な懸濁状を保
ち、この結果、固化物の強度も増強する。
【0050】
【発明の効果】 1.スラグとモル比2.5以下の水ガ
ラスからなる系およびスラグとモル比10以上のアルミ
ン酸ナトリウム液とからなる系は、それぞれ、低粘性を
保ちながら、長いゲル化時間を要してゲル化に至らし
め、このため、懸濁型グラウトとしては極めて浸透性に
優れている。また、このように長いゲル化時間にもかか
わらず強い強度を示し、耐久性に優れた懸濁型グラウト
として期待がもてる。
【0051】 2.スラグと水ガラスとアルミン酸ナト
リウム液からなる系では、水ガラスのモル比が必ずしも
2.5以下でなくても、また、アルミン酸ナトリウム液
のモル比が必ずしも10以上でなくても、水ガラスとア
ルミン酸ナトリウム液とからなる混合液中のNaOの
モル濃度に対する水ガラス中のSiOのモル濃度の比
が2.5以下であれば上記1に比適する効果を示す。し
たがって、この場合、汎用的なJIS3号水ガラスや低
モル比のアルミン酸ナトリウム液を使用することができ
る。
【0052】 3.上記1、2の系において、スラグの
代わりに一部をセメントに置きかえることにより、ゲル
化時間を遅延せしめることができる。
【0053】 4.上記1、2、3の系において、分散
剤を添加することにより長時間のゲル化時間の系であっ
ても、殆ど沈降することなく均質な固結体が得られ、強
度的にも優れる。
【0054】 5.使用するスラグやセメントは微粒子
化する程、低粘性でゲル化時間を早め、強度的に優れた
効果を示す。特に、比表面積が8000cm/g以上
になるとその効果が著しい。
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はスラグを主成分とし、
これに水ガラスまたはアルミン酸ナトリウムを添加混合
し、さらに必要に応じてセメントおよび/または分散剤
を添加混合してなる懸濁型の地盤注入用薬液に係り、特
に、比較的低粘性で長いゲル化時間でも高強度を得、し
かも長期間固結強度に優れた懸濁型地盤注入用薬液に関
する。
【0002】
【従来の技術】 水ガラスにセメントを加えてなる水ガ
ラス系懸濁グラウトが知られている。この系において浸
透性を向上せしめるためにゲル化時間を長く調整すると
強度が低下し、かつ長期固結強度も得られない。
【0003】 そこで、ゲル化時間を長く調整する水ガ
ラスグラウトとして低モル比の水ガラスを用いるセメン
ト−水ガラスグラウトが提案されている。
【0004】 しかし、この場合でもゲル化時間はせい
ぜい数分から10分程度であって、充分な浸透効果が得
られないのみならず、セメント−水ガラスの混合が充分
に達成されず、このため反応が不完全となり、地盤中
固結物長期間安定したものとはならなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】 そこで、本発明の
目的は長いゲル化時間を保持して、しかも高固結強度を
得、かつ浸透性ならびに長期間耐久性を示し、前記の従
来技術に存する欠点を改良した懸濁型グラウトを提供す
ることにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】 前記問題点を解決す
るため、本発明の地盤注入用薬液によれば、モル比が
2.5以下の水ガラスと、スラグとからなり、あるい
は、モル比が10以上のアルミン酸ナトリウムと、スラ
グとからなり、さらには、水ガラスと、アルミン酸ナト
リウムと、スラグとからなることを特徴とし、さらに必
要に応じて、これら各地盤注入用薬液にセメントおよび
/または分散剤を添加することを特徴とする。
【0007】 以下、本発明を具体的に詳述すると、本
発明薬液はスラグを主成分とし、次の要件を具備して構
成される。 1.スラグとモル比が2.5以下の水ガラスからな
る懸濁型地盤注入用薬液。ここで、水ガラスのモル比と
は水ガラス中のSiOのモル濃度/NaOのモル濃
度の値を表す。
【0008】2.スラグとモル比が10以上のアルミ
ン酸ナトリウムからなる懸濁型地盤注入用薬液。ここ
で、アルミン酸ナトリウム液のモル比とはアルミン酸ナ
トリウム液中のNaOのモル濃度/Alのモル
濃度の値を表す。
【0009】 3.スラグと水ガラスとアルミン酸
ナトリウムからなり、次の条件を満たす懸濁型地盤注入
用薬液。水ガラス中のSiOのモル濃度/水ガラス中
とアルミン酸ナトリウム中の合量NaOのモル濃度の
値が2.5以下。
【0010】 4.前記1、2、3の系に必要に応じて
セメントおよび/または分散剤を添加混合する懸濁型地
盤注入用薬液。
【0011】 5.前記1、2、3、4で使用するスラ
またはセメント、好ましくはそれぞれ比表面積80
00cm/g以上の微粒子スラグまたは微粒子セメン
トである懸濁型地盤注入用薬液。
【0012】 上述の水ガラス、スラグあるいはアルミ
ン酸ナトリウムの使用量は、それぞれ種類の違いで変動
するので一概に規制することは難しいが、適当な大凡の
使用量の範囲は次の如くである。
【0013】 1.水ガラス水ガラスの使用量は 配合液の全量1000g中水ガラ
ス中のSiOのモル濃度が0.3〜4.0モル、好ま
しくは0.4〜2.0モルの範囲内を呈する量である。
【0014】 2.スラグスラグの使用量は 配合液の全量1000g中100〜
500g、好ましくは200〜400gの範囲内であ
る。
【0015】 3.アルミン酸ナトリウム アルミン酸ナトリウムは通常液体で使用される。この使
用量は配合液の全量1000g中アルミン酸ナトリウ
ム液中のAlのモル濃度が0.002〜0.1モ
ル、好ましくは0.0025〜0.08モルの範囲内を
呈する量である。
【0016】 上記の使用範囲を逸脱すると、得られ
る薬液の粘性が上昇して浸透性を阻害したり、ゲル化時
間が異常に早まったり、あるいは異常に長引いて半固結
状にしかならない場合が生じ、したがって、固結体の強
度も非常に弱化される場合も起こり、安定性を欠く結果
を招き易い。
【0017】
【作用】 従来では、上述のとおり、セメントを主材と
して、これに低モル比の水ガラスを作用せしめてゲル化
時間を長引かせているが、これでは、ゲル化時間はせい
ぜい数分から10分程度である。これはセメントのCa
O分が水ガラスのSiOに対して多く、アルカリによ
ってSiOが反応し易い状態になるものと思われる。
【0018】 これに対して、本発明では、スラグのC
aO分がセメントに比べてかなり少ないので、アルカリ
によるSiOの反応が緩慢で長いゲル化時間を要して
徐々に固結し固結強度も増加するものと思われる。
【0019】 なお、上述の本発明薬液にセメントを併
用すれば、セメント自体の自硬性をとり入れることがで
きる。
【0020】 また、本発明では、長時間のゲル化時間
を保持するから、配合の割合によっては薬液中に多少の
沈降物を生じることもある。この沈降を防止するため
に、本発明では分散体を併用し、均一な固結体を得るこ
とができる。
【0021】
【実施例】 以下、本発明を実施例によって具体的に
説明するが、本発明はそれらに限定されるものではな
い。
【0022】 1.使用材料 (1)スラグ 市販の高炉スラグ(商品名:エスメント)およびこれを
粉砕して次の表1に示す比表面積のものを使用した。
【0023】
【表1】
【0024】 (2)アルミン酸ナトリウム 次の表2に示す組成のモル比を異にした3種類のアルミ
ン酸ナトリウム液を使用した。(本発明において、アル
ミン酸ナトリウム液の代わりにアルミン酸カリウム液を
使用しても同じような傾向を示す。)
【0025】
【表2】
【0026】 (3)水ガラス モル比を異にした表3に示す組成の水ガラスを使用し
た。
【0027】
【表3】
【0028】 (4)セメント アルミナセメント、ポルトランドセメント、スラグセメ
ント等の各種のセメント適用できるが、最も一般的な
ポルトランドセメント微粉化された比表面積8500
cm/gのものを使用した。
【0029】 (5)分散剤 商品名:マイチイー150を使用した。
【0030】 2.実施配合と実施結果 (1)水ガラス−スラグ系 実施した水ガラス−スラグ系の配合とそのゲル化時間、
フアンネル粘性および水中養生一軸圧縮強度を表4に示
す。
【0031】
【表4】
【0032】 表4実施No.1、2はモル比3.1
8の3号水ガラスの使用した例である。この場合、ゲル
化時間は早いにもかかわらず、強度は強化されていない
ことが表4からわかる。
【0033】 実施No.3〜12は本発明にかかる
モル比の水ガラスである。モル比が2.5以下になると
急に粘性は低く、ゲル化時間が長い上に強度的にも優れ
ていることが表4からわかる。
【0034】 スラグの粒子を細かくすればする程、ゲ
ル化時間は若干早くなり、強度は一段と強化している。
特に、スラグの比表面積を8000cm/g以上とす
れば、その効果は著しいことが表4からわかる。
【0035】 (2)アルミン酸ナトリウム液−スラグ
系 アルミン酸ナトリウム液−スラグ系の配合とそのゲル化
時間、フアンネル粘性および水中養生一軸圧縮強度を表
5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】 表5実施No.13、14はモル比
5.87のアルカリ分の少ないアルミン酸ナトリウム液
使用した。この場合、ゲル化時間は1〜2時間と比較
的短く、フアンネル粘性も1分以上と大きく、強度はせ
いぜい20kgf/cm以下であることが表5からわ
かる。
【0038】 表5の実施No.15〜22の本発明
かかるアルミン酸ナトリウム液を使用した。この場合
モル比が10以上となると急にゲル化時間は長引き
性は低下し、強度的にも一段と強化されていることが表
5から示される。
【0039】 また、スラグの微粒子化が進むにしたが
って、ゲル化時間は若干短縮され、粘性は低下し、強度
的にはさらに強化される。特に、スラグの比表面積を8
000cm/g以上とした場合(実施No.17、1
8、21、22)にその効果は著しいことが表5からわ
かる。
【0040】 (3)水ガラス−アルミン酸ナトリウム
液−スラグ系水ガラス−アルミン酸ナトリウム液−スラ
グ系の配合とそのゲル化時間、フアンネル粘性および水
中養生一軸圧縮強度を表6に示す。
【0041】
【表6】
【0042】 高モル比の水ガラス(モル比:3.1
8)または低モル比のアルミン酸ナトリウム液(モル
比:5.87)をそれぞれ単独でスラグと混合した系
(実施No.1、2、13、14)では何れも好まし
くない結果得、これに対して、低モル比の水ガラスま
たは高モル比のアルミン酸ナトリウム液を用いると粘
性、ゲル化時間、強度ともに好ましい結果が得られてい
ことは表4、5に示されるとおりである。
【0043】 表6に示されるように、モル比2.49
の低モル比の水ガラスとモル比10.05の高モル比の
アルミン酸ナトリウム液を併用してスラグと混合した実
施No.27、28では当然のことながら好ましい結果
が得られている。
【0044】 しかし、高モル比の水ガラス(モル比:
3.18、3号水ガラス)と低モル比のアルミン酸ナト
リウム液(モル比5.87)を併用してスラグと混合し
た実施No.23〜26のうち、実施No.23以外の
実施No.24〜26では好ましい結果が得られてい
る。すなわち、高モル比の水ガラスと低モル比のアルミ
ン酸ナトリウム液であっても、この両者を併用してスラ
グと混合する場合、水ガラスとアルミン酸ナトリウム液
中のNaOを加算したモル濃度に対する水ガラス中の
SiOのモル濃度の比が約2.5以下となれば(実施
No.24、25、26)好結果が得られ、2.5以上
(実施No.23)では好ましくない結果を得ているこ
とが表6からわかる。
【0045】 このように通常汎用的に使用されている
高モル比の水ガラス、低モル比のアルミン酸ナトリウム
液であってもこれらを併用して上記の条件を満たしさえ
すれば、スラグと混合して好結果が得られることが表6
からわかった。
【0046】 表6において、スラグは比表面積310
0cm/gの未粉砕のものと8100cm/gの微
粉化したものを使用した。微粉化した実施No.26の
方が実施No.25より、実施No.28の方が実施N
o.27よりもそれぞれ、ゲル化時間は幾分短くなる
が、低粘性で強度的にも優れていることが表6からわか
る。
【0047】 (4)セメントおよび分散剤の使用 表5の実施No.17と表6の実施No.26を試料と
し、これらの中のスラグの一部をセメントに置きかえ、
さらにこれらに分散剤を添加して試験を行い、結果を表
7に示した
【0048】
【表7】
【0049】 表7からスラグの一部をセメントで置き
かえると、粘性は幾分上昇し、かつ、ゲル化時間は幾分
長引き、さらに、強度的には若干低下することがわか
る。したがって、特に、ゲル化時間を長くしたいような
場合にはこの系が効果的である。分散剤はゲル化時間が
長い場合に配合物の沈降を防いで常に均一な懸濁状を保
ち、この結果、固化物の強度も増強する。
【0050】
【発明の効果】 1.スラグとモル比2.5以下の水ガ
ラスからなる系およびスラグとモル比10以上のアルミ
ン酸ナトリウム液とからなる系は、それぞれ、低粘性を
保ちながら、長いゲル化時間を要してゲル化に至らし
め、このため、懸濁型グラウトとしては極めて浸透性に
優れている。また、このように長いゲル化時間にもかか
わらず強い強度を示し、耐久性に優れた懸濁型グラウト
として期待がもてる。
【0051】 2.スラグと水ガラスとアルミン酸ナト
リウム液からなる系では、水ガラスのモル比が必ずしも
2.5以下でなくても、また、アルミン酸ナトリウム液
のモル比が必ずしも10以上でなくても、水ガラスとア
ルミン酸ナトリウム液とからなる混合液中のNaOの
モル濃度に対する水ガラス中のSiOのモル濃度の比
が2.5以下であれば上記1に比適する効果を示す。し
たがって、この場合、汎用的なJIS3号水ガラスや低
モル比のアルミン酸ナトリウム液を使用することができ
る。
【0052】 3.上記1、2の系において、スラグの
代わりに一部をセメントに置きかえることにより、ゲル
化時間を遅延せしめることができる。
【0053】 4.上記1、2、3の系において、分散
剤を添加することにより長時間のゲル化時間の系であっ
ても、殆ど沈降することなく均質な固結体が得られ、強
度的にも優れる。
【0054】 5.使用するスラグやセメントは微粒子
化する程、低粘性でゲル化時間を早め、強度的に優れた
効果を示す。特に、比表面積が8000cm/g以上
になるとその効果が著しい。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モル比が2.5以下の水ガラスとスラグと
    からなる懸濁型地盤注入用薬液。ここで水ガラスのモル
    比とは、SiO2 のモル濃度/Na2 Oのモル濃度を示
    す。
  2. 【請求項2】 請求項1の地盤注入用薬液にさらに、セ
    メントおよび/または分散剤を添加してなる請求項1の
    地盤注入用薬液。
  3. 【請求項3】 請求項1のスラグが比表面積8000cm2/g
    以上を有する微粒子スラグである請求項1の地盤注入用
    薬液。
  4. 【請求項4】 請求項2のセメントが比表面積8000cm2/
    g以上を有する微粒子セメントである請求項2の地盤注
    入用薬液。
  5. 【請求項5】 モル比が10以上のアルミン酸ナトリウム
    とスラグからなる懸濁型地盤注入用薬液。ここでアルミ
    ン酸ナトリウムのモル比とは、Na2 Oのモル濃度/A
    2 3 のモル濃度を示す。
  6. 【請求項6】 請求項5の地盤注入用薬液にさらにセメ
    ントおよび/または分散剤を添加してなる請求項5の地
    盤注入用薬液。
  7. 【請求項7】 請求項5のスラグが比表面積8000cm2/g
    以上を有する微粒子スラグである請求項5の地盤注入用
    薬液。
  8. 【請求項8】 請求項6のセメントが比表面積8000cm2/
    g以上を有する微粒子セメントである請求項6の地盤注
    入用薬液。
  9. 【請求項9】 水ガラスとアルミン酸ナトリウムとスラ
    グとからなる系であって、次の条件を満たした懸濁型地
    盤注入用薬液。水ガラス中のSiO2 のモル濃度/水ガ
    ラスとアルミン酸アルカリ中のNa2Oの合量モル濃度
    の値が2.5以下。
  10. 【請求項10】 請求項9の地盤注入用薬液にさらに、
    セメントおよび/または分散剤を添加してなる請求項9
    の地盤注入用薬液。
  11. 【請求項11】 請求項9のスラグが比表面積8000cm2/
    g以上を有する微粒子スラグである請求項9の地盤注入
    用薬液。
  12. 【請求項12】 請求項10のセメントが比表面積8000cm
    2/g以上を有する微粒子セメントである請求項10の地盤
    注入用薬液。
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