JPH07121997B2 - エポキシ樹脂粉体組成物の硬化物、エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂粉体組成物の硬化方法 - Google Patents

エポキシ樹脂粉体組成物の硬化物、エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂粉体組成物の硬化方法

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JPH07121997B2
JPH07121997B2 JP4223210A JP22321092A JPH07121997B2 JP H07121997 B2 JPH07121997 B2 JP H07121997B2 JP 4223210 A JP4223210 A JP 4223210A JP 22321092 A JP22321092 A JP 22321092A JP H07121997 B2 JPH07121997 B2 JP H07121997B2
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和也 小野
勝治 北川
清太郎 岩元
美樹夫 長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的衝撃や熱衝撃に
対する耐久性にすぐれるとともに、表面硬度及び機械的
強度においてもすぐれているエポキシ樹脂粉体組成物の
硬化物、このような硬化物を与えるエポキシ樹脂粉体組
成物及びその組成物の硬化方法に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、エポキシ樹脂にアゾ
ジカルボンアミドのような有機発泡剤を添加した粉体組
成物は知られている(特開昭63−273652号)。
発泡剤を含有するエポキシ樹脂粉体組成物から得られた
硬化物は、その内部に気泡を含むことから、機械的衝撃
や熱衝撃に対する耐久性の点で、発泡剤を含まない組成
物から得られた硬化物よりもすぐれている。しかしなが
ら、これまでに知られている発泡剤を含むエポキシ樹脂
粉体組成物から得られる硬化物は、その硬化物全体に多
量の気泡を均一に含むものであるため、発泡剤を含まな
いエポキシ樹脂粉体組成物から得られた硬化物に比較し
て、表面硬度、機械的強度及び耐水性の点で劣るもので
あった。また、発泡剤としてアゾジカルボンアミドのよ
うな有機発泡剤を用いていることから、組成物を加熱硬
化させる際、組成物がその発泡温度に達すると急激な発
泡を生じ、発泡のコントロールがむずかしいという問題
があった。小型モータの分野においては、その出力を高
めるために、小型のアーマチュアを用い、これに太い線
径のコイルを大きなテンションをかけて巻成することが
行なわれるようになってきた。従って、そのアーマチュ
ア絶縁用樹脂としては、クラックやワレの生じにくいよ
うに耐衝撃性にすぐれたものであること、大きなテンシ
ョンでコイルが巻かれた状態で高温に上昇しても絶縁樹
脂にそのコイルが食い込まれないように表面硬度の大き
いこと、さらに常温から高温へ、高温から常温への熱的
衝撃が繰返し起ってもクラックやワレ、界面剥離等が生
じないように、耐熱衝撃性にすぐれていること等の特性
が強く要請されるようになった。前記した従来の発泡剤
を含むエポキシ樹脂粉体組成物では、このような要請に
応えることはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機発泡剤
を含むエポキシ樹脂粉体組成物に見られる前記欠点を解
消し、機械的衝撃及び熱的衝撃に対する耐久性にすぐ
れ、かつ表面硬度、機械的強度、及び耐水性においても
すぐれたエポキシ樹脂粉体組成物の硬化物を提供すると
ともに、そのような硬化物を与え、かつ発泡コントロー
ルの容易なエポキシ樹脂粉体組成物を提供し、さらにそ
の組成物の硬化方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、基材上に形成された
エポキシ樹脂粉体組成物の気泡を含む硬化物において、 (i)該硬化物が、エポキシ樹脂、酸無水物及びアルカ
リ金属炭酸塩からなり、該アルカリ金属炭酸塩の含有量
が、エポキシ樹脂100重合部当り0.1〜2重量部の
割合である組成物から形成されたものであること、 (ii)該硬化物の発泡倍率が7〜35%の範囲にあるこ
と、 (iii)該硬化物の基材との接触面部に実質的量の気泡
が存在すること、 (iv)該硬化物の表面には気泡のふくれによる凹凸が実
質的に存在しないこと、を特徴とするエポキシ樹脂粉体
組成物の硬化物が提供される。また、本発明によればエ
ポキシ樹脂、酸無水物及びアルカリ金属炭酸塩からな
り、該アルカリ金属炭酸塩の含有量が、エポキシ樹脂1
00重量部当り0.1〜2重量部の割合であるエポキシ
樹脂粉体組成物が提供される。さらに、本発明によれ
ば、基材上に、エポキシ樹脂、酸無水物及びアルカリ金
属炭酸塩からなり、該アルカリ金属炭酸塩の含有量が、
エポキシ樹脂100重量部当り0.1〜2重量部の割合
であるエポキシ樹脂粉体組成物を付着させ、該組成物を
基材を介して加熱硬化させ、気泡を含む硬化物を形成さ
せることを特徴とするエポキシ樹脂粉体組成物の硬化方
法が提供される。
【0005】本発明のエポキシ樹脂粉体組成物は、酸無
水物とアルカリ金属炭酸塩を含むことを特徴とする。こ
のような組成物においては、酸無水物の作用によりアル
カリ金属炭酸塩から気泡として炭酸ガスが発生するが、
この炭酸ガスの発生速度は、加熱温度と関係し、加熱温
度を上昇させるに従ってその炭酸ガス発生速度は増大す
る。本発明の組成物を加熱した場合、酸無水物の融点よ
り約40℃程度低い温度から実質的量の気泡が発生し、
酸無水物の融点付近の温度で大きな気泡発生速度が得ら
れる。
【0006】本発明で用いるエポキシ樹脂としては、常
温で固体状を示すものであればよく、従来公知のものを
用いることができる。このようなものとしては、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型又はクレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、
水添ビスフェノールA型もしくはAD型エポキシ樹脂、
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ペンタエ
リスリトールポリグリシジルエーテルなどの脂肪族系エ
ポキシ樹脂、脂肪族もしくは芳香族カルボン酸とエピク
ロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂、脂肪族若し
くは芳香族アミンとエピクロルヒドリンとから得られる
エポキシ樹脂、複素環エポキシ樹脂、スピロ環含有エポ
キシ樹脂、エポキシ変性樹脂等をあげることができる。
エポキシ樹脂には、必要に応じて、熱可塑性樹脂を配合
することができ、また、得られる組成物がブロッキング
を生じない範囲で液状エポキシ樹脂を配合することもで
きる。
【0007】酸無水物としては、脂肪族系及び芳香族系
の酸無水物が使用されるが、好ましくは芳香族系酸無水
物が使用される。酸無水物の具体例としては、例えば、
無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット
酸、3,3′,4,4′-ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水
物、エチレングリコール-アンヒドロトリメリテート、
グリセロール-トリスアンヒドロトリメリテート、5-(2,
5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘ
キセン-1,2-ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフタル
酸無水物、4,4′-オキシジフタル酸無水物等をあげるこ
とができる。酸無水物は、エポキシ樹脂に対する硬化剤
として作用するとともに、加熱下においてアルカリ金属
炭酸塩と反応して炭酸ガスを発生させる。
【0008】本発明の組成物は、硬化剤として、前記し
た酸無水物とともに、他の硬化剤を含有することができ
る。このような硬化剤としては、例えば、メルカプタン
系、アミン系、ポリアミド系、ホウ素系、ジシアンジア
ミド系、ヒドラジド系、イミダゾール系、フェノール
系、アミンイミド系等の硬化剤を挙げることができる
が、好ましくはフェノール樹脂が用いられる。硬化剤の
使用割合は、エポキシ樹脂のエポキシ当量当り、官能基
の当量で0.5〜1.5当量、好ましくは0.7〜1.
2当量の割合である。
【0009】硬化剤として酸無水物と好ましく併用され
るフェノール樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒド
より合成される、1分子中にOH基を2個以上含むもの
である。このようなものとしては、フェノールノボラッ
ク樹脂、クレゾールノボラック樹脂、t−ブチルフェノ
ールノボラック樹脂、オクチルフェノールノボラック樹
脂、ノニルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノール
ノボラック樹脂等がある。また、フェノール樹脂は、前
記各種フェノール樹脂の混合物であってもよいし、その
製造に際し、フェノールと他のフェノール類、例えば、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ブチルフェノー
ル、ノニルフェノール等の1種又は2種以上との混合フ
ェノール類を原料とし、これにホルムアルデヒドを反応
させたものであってもよい。本発明で用いる酸無水物
は、これをあらかじめフェノール樹脂と溶融混練し、フ
ェノール樹脂中に混入しておいてもよい。
【0010】エポキシ樹脂に対する酸無水物とフェノー
ル樹脂の使用割合は、それぞれの単独での理論添加量に
対して酸無水物を20〜95%、フェノール樹脂を5〜
80%の割合で併用するのが好ましい。
【0011】アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリ
ウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸
リチウム(Li2CO3)が挙げられる。これらのアルカ
リ金属炭酸塩は、通常、無水物の形態で用いられる。ア
ルカリ金属炭酸塩の使用割合は、エポキシ樹脂100重
量部に対して、0.1〜2重量部、好ましくは0.5〜
1.5重量部である。また、前記した酸無水物1モルに
対し、0.05〜0.5モル、好ましくは0.1〜0.
3モルの割合で用いるのがよい。このアルカリ金属炭酸
塩は、組成物を加熱硬化させるに際し、酸無水物と反応
して炭酸ガスを発生する。また、アルカリ金属炭酸塩
は、組成物のゲル化時間を短縮させる効果も有する。
【0012】本発明の組成物は、必要に応じ、硬化促進
剤を含有する。硬化促進剤としては、従来からエポキシ
樹脂に用いられている各種のものを使用することができ
る。具体的には、トリエチルアミン、N,N−ジメチル
ベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、N,N−ジメチルアニリンなどの
第3級アミン:2−メチルイミダゾール、2−フェニル
イミダゾール等のイミダゾール化合物;イミダゾール化
合物のトリアジン塩、シアノエチル塩、シアノエチルト
リメリット酸塩等のイミダゾール化合物の各種塩類;酢
酸亜鉛、酢酸ナトリウムなどの金属系化合物;テトラア
ンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩の他、
アミド化合物、過酸化物、アゾ化合物、シアネート化合
物、イソシアネート化合物、トリフェニルホスフィン、
DBUのフェノールノボラック塩等をあげることができ
る。硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂100重量部
に対して0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜
5.0重量部である。
【0013】本発明の組成物は、必要に応じ、充填剤を
含有する。充填剤としては、従来公知の無機系及び有機
系の充填剤を用いることができる。このような充填剤と
しては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
シリカ、アルミナ、タルク、クレー、マイカ、ナイロン
等の粉末が挙げられるが、無機充填剤が好ましく使用さ
れる。これらの充填剤は、シランカップリング剤やポリ
シロキサン等の表面処理剤で表面処理されたものであっ
てもよいし、表面処理されていないものであってもよ
い。充填剤の使用割合は、エポキシ樹脂100重量部に
対して、30〜270重量部、好ましくは100〜25
0重量部である。充填剤としては、特に、平均粒径が
0.5〜100μm、好ましくは0.5〜80μmのも
の(D1)と、平均粒径が0.5μm未満、好ましくは
0.1μm以下のもの(D2)からなる2種類の充填剤
を用いるのが好ましい。(D1)成分の割合は99.7
〜87.0重量%、好ましくは99.5〜90.0重量
%、(D2)成分の割合は、0.3〜13.0重量%、
好ましくは0.5〜10.0重量%である。
【0014】本発明の組成物は、前記成分の他、必要に
応じ、さらに、ヘキサブロムベンゼン、三酸化アンチモ
ン、テトラブロモビスフェノールA等の難燃剤;カーボ
ンブラック、酸化チタン、ベンガラ、酸化クロム等の着
色剤;ジルコアルミニウム系、シラン系、チタン系の各
種カップリング剤や、アクリル酸エステルオリゴマーか
らなるレベリング剤、ブチラール樹脂、ゴム成分(CT
BN、NBR等)、ポリエステル樹脂等を適量含有する
ことができる。
【0015】本発明の好ましい組成物は、エポキシ樹脂
100重量部、酸無水物5〜35重量部、フェノール樹
脂2〜30重量部、硬化促進剤0.05〜5重量部、無
機充填剤130〜270重量部及びアルカリ金属炭酸塩
0.1〜2重量部からなるものである。このような組成
物は、熱的衝撃及び機的衝撃に対する耐久性においてす
ぐれるとともに、機械的強度及び耐水性においてもすぐ
れている硬化物を与え、かつ加熱温度により気泡発生速
度を容易にコントロールすることができる。
【0016】本発明の組成物は、流動浸漬法や、静電塗
装法、スプレー法等の従来公知の粉体塗装法によって基
材表面に塗布される。基材表面に塗布された組成物は、
基材を介して加熱され、この加熱によって軟化し、硬化
する。組成物の加熱は、あらかじめ加熱した基材表面に
組成物を塗布することによって実施することができる
し、基材表面に組成物を付着させた後、その基材を加熱
することによって実施することができる。基材の加熱
は、熱風、通電加熱、誘電加熱、高周波加熱等の従来公
知の加熱法が採用される。基材の加熱温度は、通常、酸
無水物の融点より約40℃低い温度から、酸無水物の融
点より約50℃高い範囲の温度である。
【0017】基材上に付着させた組成物を基材を介して
加熱硬化させる場合、外気と接触する組成物表面の温度
は、他の部分の温度よりも低い。一方、基材と接触する
組成物部分の温度は、他の部分の温度よりも高い。従っ
て、基材上に付着された組成物を基材を介して加熱して
得られる硬化物は、その外気と接触する硬化物表面には
実質的な気泡が存在せず、硬化物表面における気泡ふく
れによる表面凹凸の発生が防止され、表面性状のよい、
表面硬度の高いものとなる。基材を介してその表面に付
着された組成物を加熱する場合に、その組成物の表面温
度は、その組成物に冷却用ガスを吹付けることにより、
さらに降下させることができ、これにより、表面硬度の
より高い硬化物を得ることができる。
【0018】本発明で用いる基材は、組成物の適用対象
となる物品を意味し、金属板、鉄芯、セラミックス板、
電子部品、モータや発電機の巻成コイル等が包含され
る。
【0019】本発明の組成物から得られる硬化物の発泡
倍率は、7〜35%、好ましくは7〜30%の範囲であ
る。発泡倍率が35%より高くなると、硬化物表面にお
ける気泡ふくれによる表面凹凸の発生を防止することが
困難になり、一方、発泡倍率が7%より小さくなると、
得られる硬化物は、熱的衝撃や機械的衝撃に対する耐久
性の悪いものとなる。本明細書における硬化物の発泡倍
率は、以下の式により表わされる。 R(%)=(A−B)/A×100 R:発泡倍率(%) A:未発泡硬化物の密度(g/cm3) B:発泡硬化物の密度(g/cm3
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1、比較例1 表1に示す成分組成(重量部)からなる配合物をエクス
トルーダーにて溶融混合させたものを所望の粒度分布と
なるように粉砕して、粉体塗料を得た。次に、これら粉
体塗料について、そのゲル化時間を調べた。またこの粉
体塗料を硬化させて得た硬化物について、その密度、耐
衝撃性、耐ヒートショック性及び硬化物中の気泡の有無
を調べた。その結果を表2に示す。なお、各物性の測定
は下記に示すように行ったものである。
【0021】ゲル化時間: JIS C2104に準じ、試料粉体約0.1〜0.2
gを200℃に保持した熱板の円形凹部に入れ、粉体が
ゲル化するまでの時間を測定した。
【0022】(耐衝撃性) 60×60×3.0mmの230℃に予熱された鉄板
に、試料粉体を、塗膜の厚さが、0.5mmとなるよう
に流動浸漬法にて塗装し、その状態で30秒間放置し、
表面まで十分ゲル化反応を進ませ、その後、200℃、
30分の条件で後硬化させた。得られた硬化膜は、塗装
後室温下に放置して徐冷した。デュポン式衝撃試験機を
使用して荷重を500mmからその硬化膜上に落下さ
せ、その際、硬化膜にワレやカケのないものを○、やや
あるものを△、多数あるいものを×とする3段階で評価
した。
【0023】(耐ヒートショック性) モータのアーマチュア(スロット径:55mmφ、積み
厚:40mm、スロット幅:3mm、スロット数:1
4、シャフト径:8mm)を温度230℃に予熱した
後、その表面に試料粉体を付着させて塗装し、その状態
で30秒間放置後、200℃、30分の条件で後硬化さ
せたものをサンプルとして用いた。このサンプルに対
し、125℃×1Hrの条件下に付す工程と、−40℃
×1Hrに付す工程からなるヒートショック工程を10
0回繰返した後、その硬化膜の外観をチェックし、ワ
レ、カケのないものを○、ややあるものを△、多数ある
ものを×とした。
【0024】(未発泡成形物の比重) 使用酸無水物の融点より75℃低い温度(実質的な発泡
反応が生じない)150℃、10分の条件でプレスによ
り金型を使用し、成形圧力47kg/cm2で厚さ3m
mの成形物を成形し、その後150℃で60分間後硬化
させた未発泡成形物についての比重を測定した。 (硬化物の比重) 100mm×100mm×3mmの230℃に予熱され
た離型処理軟鋼板に流動浸漬法にて、試料粉体を膜厚約
0.5mmで塗装し、その状態で30秒間放置後、20
0℃で30分間後硬化させた後、硬化膜を剥離させ、硬
化膜比重を測定した。
【0025】(硬化物中の気泡の有無) 前記硬化物の比重の測定に際して得た硬化物膜の断面を
電子顕微鏡で観察し、硬化物膜中に気泡があるか否かを
調べた。その結果、実施例1の硬化物膜は、その基材
(軟鋼板)との接触面部に気泡が集中して存在し、表面
部には実質的な気泡が存在しないことが確認された。一
方、比較例1の硬化物膜は、原料粉体中に含まれる気体
のために、幾分の発泡倍率を示すことが認められたが、
このような発泡倍率では硬化物膜の性能は未だ不満足の
ものであった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】なお、表1に示した成分の具体的内容は次
の通りである。 エポキシ樹脂(1): ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量92
5、商品名エピコート1004、油化シェルエポキシ
(株)製 エポキシ樹脂(2): o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂、エポキシ当量
211、商品名エピコートE180S75、油化シェル
エポキシ(株)製 無機充填剤(1): 炭酸カルシウム、商品名KC−30、平均粒径6.5μ
m、備北粉化工業(株)製 無機充填剤(2): 軽質炭酸カルシウム、商品名ホモカルD、平均粒径0.
07μm、白石工業(株)製 酸無水物: 3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
無水物 フェノール樹脂: オルソクレゾールノボラック樹脂、商品名OCN13
0、軟化点130℃、日本化薬(株)製 硬化促進剤: 1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメ
リテート、商品名2PZ−CNS、四国化成(株)製 レベリング剤: アクリル酸エステルオリゴマー、粘度1300cps
(25℃)、商品名ニカライトXK−21、日本カーバ
イト工業(株)製 炭酸ナトリウム: 市販の顆粒状Na2CO3・H2Oを乳ばちで粉砕し、1
50℃で1時間加熱して脱水したもの
【0029】実施例2 実施例1において、耐衝撃性試験における鉄板の予熱温
度を200℃に変えるとともに、耐ヒートショク性試験
における予熱温度を200℃に変え、さらに、硬化物の
比重測定試験における予熱温度を200℃に変えた以外
は同様にして実験を行った。
【0030】実施例3 実施例1において、耐衝撃性試験における鉄板の予熱温
度を250℃に変えるとともに、耐ヒートショク性試験
における予熱温度を250℃に変え、さらに、硬化物の
比重測定試験における予熱温度を250℃に変えた以外
は同様にして実験を行った。以上の実施例2及び実施例
3で得られた結果を次表に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】本発明の組成物は、これを加熱すると、
気泡として炭酸ガスを発生し、気泡を含む硬化物を与え
る。本発明の組成物は、その加熱温度により気泡発生速
度を容易にコントロールすることができるので、硬化物
の発泡倍率をその加熱温度により微妙にコントロールす
ることができる。本発明の組成物を基材を介して加熱
し、硬化させて得た気泡を含む硬化物は、その表面には
気泡が実質上存在せず、気泡ふくれによる表面凹凸のな
いものである。従って、この硬化物は、その表面の密度
が高く、表面硬度にすぐれるとともに、耐水性、耐薬品
性においてもすぐれ、さらに、硬化物内部には気泡が存
在することから、機械的衝撃及び熱的衝撃に対する耐久
性にすぐれ、かつ機械的強度にもすぐれている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PJU // C08L 63:00 (72)発明者 長 美樹夫 東京都中央区銀座四丁目11番2号 ソマー ル株式会社内 (72)発明者 渡辺 健 東京都中央区銀座四丁目11番2号 ソマー ル株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−103633(JP,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に形成されたエポキシ樹脂粉体組
    成物の気泡を含む硬化物において、 (i)該硬化物が、エポキシ樹脂、酸無水物及びアルカ
    リ金属炭酸塩からなり、該アルカリ金属炭酸塩の含有量
    が、エポキシ樹脂100重合部当り0.1〜2重量部の
    割合である組成物から形成されたものであること、 (ii)該硬化物の発泡倍率が7〜35%の範囲にあるこ
    と、 (iii)該硬化物の基材との接触面部に実質的量の気泡
    が存在すること、 (iv)該硬化物の表面には気泡のふくれによる凹凸が実
    質的に存在しないこと、 を特徴とするエポキシ樹脂粉体組成物の硬化物。
  2. 【請求項2】 前記エポキシ樹脂粉体組成物の硬化物
    が、エポキシ樹脂100重量部、酸無水物5〜35重量
    部、フェノール樹脂2〜30重量部、硬化促進剤0.0
    5〜5重量部、無機充填剤130〜270重量部及びア
    ルカリ金属炭酸塩0.1〜2重量部からなるエポキシ樹
    脂粉体組成物から形成されたものであることを特徴とす
    る請求項1記載のエポキシ樹脂粉体組成物の硬化物。
  3. 【請求項3】 該基材が、金属板、鉄芯、セラミックス
    板、電子部品又は巻成コイルである請求項1又は2記載
    のエポキシ樹脂粉体組成物の硬化物。
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂、酸無水物及びアルカリ金
    属炭酸塩からなり、該アルカリ金属炭酸塩の含有量が、
    エポキシ樹脂100重量部当り0.1〜2重量部の割合
    であるエポキシ樹脂粉体組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂100重量部、酸無水物5
    〜35重量部、フェノール樹脂2〜30重量部、硬化促
    進剤0.05〜5重量部、無機充填剤130〜270重
    量部及びアルカリ金属炭酸塩0.1〜2重量部からなる
    エポキシ樹脂粉体組成物。
  6. 【請求項6】 基材上に、エポキシ樹脂、酸無水物及び
    アルカリ金属炭酸塩からなり、該アルカリ金属炭酸塩の
    含有量が、エポキシ樹脂100重量部当り0.1〜2重
    量部の割合であるエポキシ樹脂粉体組成物を塗布し、該
    組成物を基材を介して加熱硬化させ、気泡を含む硬化物
    を形成させることを特徴とするエポキシ樹脂粉体組成物
    の硬化方法。
  7. 【請求項7】 基材上に、エポキシ樹脂100重量部、
    酸無水物5〜35重量部、フェノール樹脂2〜30重量
    部、硬化促進剤0.05〜5重量部、無機充填剤130
    〜270重量部及びアルカリ金属炭酸塩0.1〜2重量
    部からなるエポキシ樹脂粉体組成物を付着させ、該組成
    物を基材を介して加熱硬化させ、気泡を含む硬化物を形
    成させることを特徴とするエポキシ樹脂粉体組成物の硬
    化方法。
  8. 【請求項8】 該基材を、エポキシ樹脂粉体組成物を付
    着させる以前に、あらかじめ該組成物の硬化温度に加熱
    することを特徴とする請求項6又は7記載のエポキシ樹
    脂粉体組成物の硬化方法。
  9. 【請求項9】該基材を、エポキシ樹脂粉体組成物を付着
    させた組成物の硬化温度に高周波加熱することを特徴と
    する請求項6又は7記載のエポキシ樹脂粉体組成物の硬
    化方法。
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