JPH07128491A - 自然循環型原子炉の全容量バイパスシステム制御装置 - Google Patents

自然循環型原子炉の全容量バイパスシステム制御装置

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JPH07128491A
JPH07128491A JP5278230A JP27823093A JPH07128491A JP H07128491 A JPH07128491 A JP H07128491A JP 5278230 A JP5278230 A JP 5278230A JP 27823093 A JP27823093 A JP 27823093A JP H07128491 A JPH07128491 A JP H07128491A
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reactor
natural circulation
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turbine
core
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JP5278230A
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Takao Kageyama
隆夫 影山
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発電機負荷遮断発生に際し安易な原子炉スクラ
ムを防止して所内単独運転に移行すると共に、タービン
バイパス弁の開弁失敗には最小限界出力比変化量を抑制
する自然循環型原子炉の全容量バイパスシステム制御装
置を提供する。 【構成】自然循環型原子炉の全容量バイパスシステム制
御装置は、自然循環型原子炉の全容量バイパスシステム
に全容量バイパス制御装置25を設けて、発電機負荷遮断
に際する出力−負荷アンバランスリレーの作動に対応し
て蒸気加減弁12急閉とタービンバイパス弁20急開、及び
給水ポンプ17のランバックと選択制御棒5aの挿入によ
り原子炉スクラムを防止して所内単独運転に移行すると
共に、タービンバイパス弁20の開弁失敗の場合には安全
に原子炉スクラムさせることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自然循環型原子炉の制御
に係り、特に発電機負荷遮断時における原子炉スクラム
回避が可能な自然循環型原子炉の全容量バイパスシステ
ム制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子力発電プラントでは、原子
炉建屋内に原子炉圧力容器が設けられており、この原子
炉圧力容器内には冷却材(水)と複数の燃料集合体、及
び制御棒等からなる炉心が収納されていて、冷却水は炉
心中を上昇する際に炉心の核反応によって昇温されて水
と蒸気の二相流状態となる。
【0003】この二相流は気水分離器において水と蒸気
に分離され、その内の蒸気は蒸気乾燥器により乾燥状態
となる。この乾燥蒸気は原子炉圧力容器に接続された主
蒸気配管系を介して蒸気タービンに送られて蒸気タービ
ンを駆動し、蒸気タービンは発電機を回転して発電をす
る。さらに、蒸気タービンで仕事をした蒸気は復水器で
復水となり、給水ポンプによって再び原子炉圧力容器に
還流される。
【0004】現在国内で運転されている商業用沸騰水型
原子炉は冷却材強制循環型であり、原子炉圧力容器には
再循環系が備えられていて、この再循環系は原子炉圧力
容器からの炉水を再循環ポンプで昇圧し、駆動水として
集合管を介して複数台のジェットポンプから下方に向け
て噴出させ、この噴出流により周辺の炉水を吸込んで原
子炉圧力容器内の炉水を強制的に循環させている。な
お、炉心内の気相(ボイド)率は、前記再循環ポンプの
回転数が低い時ほど増加方向となる。
【0005】このような強制循環型原子炉で全容量バイ
パスシステムのものでは、発電機負荷遮断が発生して出
力−負荷アンバランスリレーが作動すると、タービン蒸
気加減弁を急閉すると共に、タービンバイパス弁を急
開、及び選択制御棒を挿入させるのと同時に、再循環ポ
ンプをトリップさせている。
【0006】これにより、タービン蒸気加減弁とタービ
ンバイパス弁開度のミスマッチに起因する圧力上昇によ
って、炉心内のボイドが潰れた場合でも、その潰れの量
を小さくして炉心に加わる反応度を低減できる。この結
果により中性子束の上昇量も小さくなり、選択制御棒挿
入の効果と相俟って原子炉はスクラムすることなく所内
単独運転に移行される。
【0007】また、タービンバイパス弁の開弁失敗の場
合にも、タービンバイパス弁開度検出に要する時間遅れ
τをもって原子炉がスクラムされるため、再循環ポンプ
トリップと選択制御棒挿入の効果と併せて原子炉出力の
上昇は抑制される。したがって、燃料健全性の指標であ
る最小限界出力比(MCPR)の変化量(ΔMCPR)
は、プラント運転に支障がない範囲内に抑制する。
【0008】最近は、沸騰水型原子炉で再循環ポンプを
備えずに、炉内の冷却材を循環させる構造の自然循環型
原子炉が検討されている。この自然循環型原子炉は原子
炉圧力容器内に炉心が配置され、さらに炉心を冷却する
冷却材が充填されている。
【0009】炉心は複数の燃料集合体、及び挿抜自在の
制御棒からなっていて、冷却材は炉心の核反応熱により
昇温して水と蒸気の二相状態となり、水は炉心の内外の
温度による密度差によって生じる自然循環力によって炉
心の上方に設けられた円筒体を越流し、原子炉圧力容器
との間に形成された自然循環流路を下方に流下して、再
び炉心の下部に案内されて炉心に還流するように構成し
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】自然循環型原子炉は一
般に次のような特質を有している。第1は、主蒸気管に
おける弁が閉弁した際の圧力上昇率が強制循環沸騰水型
原子炉よりも小さい。この理由として自然循環型原子炉
では、自然循環力の確保を目的として、炉心上部に炉心
体積の3〜5倍の体積を有する空間部(チムニー)が設
けられているためで、これに対して強制循環沸騰水型原
子炉の炉心上部空間(上部プレナム)は炉心体積とほぼ
同等である。
【0011】第2には、制御棒挿入時の炉心流量減少割
合が、上記強制循環沸騰水型原子炉よりも大きい。この
性質は制御棒の挿入により原子炉出力が減少すると、炉
心部及び空間部のボイド量が減少するために、冷却材の
自然循環流量が減少することから生じる。他方強制循環
沸騰水型原子炉では再循環ポンプを備えているため、炉
心流量減少割合が小さい。
【0012】したがって自然循環型原子炉においては、
再循環ポンプが設けられていないため、前記強制循環沸
騰水型の全容量バイパスプラントで実施している、発電
機負荷遮断の場合で、出力−負荷アンバランスリレー作
動時において再循環ポンプのトリップによる中性子束上
昇量低減手段が採用できない。
【0013】このために、再循環ポンプトリップに代わ
る新たな中性子束上昇量低減手段を組込まなければ原子
炉はスクラムに至り、電力系統復帰後プラントの起動を
迅速に行えるという、全容量バイパスプラント本来の機
能を果たすことができないという課題があった。
【0014】また、タービンバイパス弁の開弁に失敗し
た場合には、時間遅れτをもって原子炉をスクラムさせ
た場合にも最小限界出力比の変化量が大きくなり、プラ
ント運転上支障をきたすという課題もある。
【0015】本発明の目的とするところは、自然循環型
原子炉において発電機負荷遮断の発生で出力−負荷アン
バランスリレーが作動した場合に、安易な原子炉スクラ
ムを防止して所内単独運転に移行でき、かつタービンバ
イパス弁の開弁失敗の場合にも、最小限界出力比の変化
量をプラント運転上支障のない範囲内に抑制する自然循
環型原子炉の全容量バイパスシステム制御装置を提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る自然循環型原子炉の全容量バ
イパスシステム制御装置は、蒸気タービンの入口側と復
水器の間をタービンバイパス弁を介挿したタービンバイ
パス管で結合した自然循環型原子炉の全容量バイパスシ
ステムにおいて、発電機負荷遮断時の出力−負荷アンバ
ランスリレーの作動に対応して蒸気加減弁の急閉とター
ビンバイパス弁の急開及び給水ポンプのランバックと選
択制御棒の挿入を行うと共に、前記タービンバイパス弁
の開弁を失敗した場合には原子炉をスクラムさせること
を特徴とする。
【0017】また、請求項2記載の発明に係る自然循環
型原子炉の全容量バイパスシステム制御装置は、全容量
バイパス制御装置により、給水ポンプが複数台ある場合
は出力−負荷アンバランスリレー作動時にその一部をト
リップさせることを特徴とする。
【0018】請求項3記載の発明に係る自然循環型原子
炉の全容量バイパスシステム制御装置は、全容量バイパ
ス制御装置により、選択制御棒挿入に際して、予め選択
された選択制御棒の一部を出力−負荷アンバランスリレ
ー作動時に挿入させ、時間遅れをもって残りの選択制御
棒を挿入させることを特徴とする。
【0019】請求項4記載の発明に係る自然循環型原子
炉の全容量バイパスシステム制御装置は、全容量バイパ
ス制御装置により、出力−負荷アンバランスリレー作動
時に、水位設定点変更を行うことを特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1記載の発明では、原子炉出力運転時に
発電機負荷遮断が発生して出力−負荷アンバランスリレ
ーが作動した場合に、全容量バイパス制御装置によって
タービン蒸気加減弁の急閉と、タービンバイパス弁を急
開させると同時に給水ポンプランバックと選択制御棒挿
入を作動させる。
【0021】タービン蒸気加減弁が急速閉されると蒸気
タービンの過速度が防止される。またタービンバイパス
弁も急開されるが、この際に前記蒸気加減弁の開度とタ
ービンバイパス弁の開度間にミスマッチが生じ、蒸気が
一時的に遮断されて原子炉圧力が上昇傾向となる。
【0022】原子炉圧力が上昇すると炉心内ボイドの潰
れにより炉心に正の反応度が印加されるため中性子束が
上昇して、中性子束高スクラム設定点に対する余裕が減
少する傾向となるが、自然循環型原子炉では圧力上昇率
が小さいため、発電機負荷遮断時の中性子束の増加率も
小さい。
【0023】さらに、選択制御棒の挿入により炉心に負
の反応度が投入され、同時に給水ポンプのランバックに
より炉心流量が減少する。これにより速やかに原子炉出
力が降下されるため中性子束の上昇量が小さくなる。し
たがって、中性子束高スクラム設定点に対する余裕は十
分に確保される。
【0024】また、前記タービンバイパス弁の開弁に失
敗した場合には、タービンバイパス弁の開度を検出して
所定の遅れをもって原子炉をスクラムさせる。この際の
炉心流量は自然循環力の減少により大きく減少する。な
お給水ポンプがランバックされているため炉心入口エン
タルピーは大きくなっており、炉心内に投入される正の
反応度は最小限界出力比を下回らないように抑制され
る。
【0025】請求項2記載の発明は、給水ポンプが複数
台ある場合は、出力−負荷アンバランスリレー作動時に
給水ポンプの一部をトリップさせる。これにより、炉心
流量を減少して、全給水ポンプをランバックさせるのと
同様な作用と効果が得られる。
【0026】請求項3記載の発明では、上記選択制御棒
挿入に際して、予め選択された選択制御棒の一部を出力
−負荷アンバランスリレー作動時に挿入させ、その後に
時間遅れをもって残りの選択制御棒を挿入させる。これ
により炉出力の低下が一層円滑となり、原子炉水位の変
動が更に小さくなる。
【0027】請求項4記載の発明では、上記出力−負荷
アンバランスリレー作動時に、水位設定点の変更を行
う。これにより炉心入口エンタルピーの増加効果の他
に、自然循環力減少効果が得られて、より速やかに原子
炉出力が低下する。
【0028】
【実施例】本発明の一実施例について図面を参照して説
明する。図2の概要構成図は、沸騰水型の自然循環型原
子炉における全容量バイパスシステムと制御装置を示
す。原子炉格納容器1は図示しない原子炉建屋内に設置
されており、この原子炉格納容器1内には自然循環型原
子炉の原子炉圧力容器2が図示しないペデスタル上に設
置されている。
【0029】この原子炉圧力容器2内には炉心3が配置
され、さらに炉心3を冷却する冷却材4が収容されてい
る。炉心3は図示しない複数の燃料集合体、及び挿抜自
在の制御棒5から構成されていて、冷却材4は炉心3の
核反応熱により昇温して水と蒸気の二相状態となり、炉
心3の内外の温度による密度差によって生じる自然循環
力によって炉心3の上方に設けられた円筒体6内を流通
する。
【0030】このうちの蒸気は蒸気乾燥器に流入して乾
燥蒸気となり、原子炉圧力容器2の上部に接続された主
蒸気管7を経て蒸気タービン8に給送される。一方、原
子炉圧力容器2内で蒸気と分離された水は、ダウマンカ
マ部を経て炉心3の下方に流下し、再び炉心3の下部に
案内されると共に、炉心3内を還流する。
【0031】また、主蒸気管7で原子炉格納容器1の貫
通部前後には主蒸気隔離弁9、10が介挿されており、さ
らに主蒸気隔離弁10と蒸気タービン8との間には主蒸気
止め弁11及び主蒸気加減弁12が順次介挿されている。こ
れにより、前記蒸気タービン8に給送された蒸気は、蒸
気タービン8を駆動して発電機13を回転させて発電を行
う。
【0032】蒸気タービン8を駆動した蒸気は、蒸気タ
ービン8の下方に設置された復水器14において凝縮され
て復水となる。この復水は復水ポンプ15、給水加熱器1
6、給水ポンプ17を経由して再び原子炉圧力容器2内に
導入され、炉心3の下方に給水される。
【0033】原子炉圧力容器2と円筒体6との間には自
然循環流路18が形成されており、その自然循環流路18に
よって炉心3の上部の冷却材4を給水ポンプ17からの給
水と共に炉心3の下部に導いている。
【0034】一方、主蒸気隔離弁10と主蒸気止め弁11と
の間の主蒸気管7と、復水器14との間にはタービンバイ
パス管19が配設されており、このタービンバイパス管19
にはタービンバイパス弁20が介挿されている。ここで、
負荷遮断が発生した場合には、主蒸気加減弁12が閉弁
し、同時にタービンバイパス弁20が開き、タービンバイ
パス管19を介して蒸気を復水器14に直接導入する。
【0035】前記原子炉圧力容器2内で主蒸気管7の主
蒸気隔離弁9の入口側には、主蒸気逃し安全弁21を接続
して、この主蒸気逃し安全弁21には主蒸気逃し配管22が
接続されていて、この主蒸気逃し配管22の下端は原子炉
圧力容器2の底部に設けたサプレッションプールとして
の圧力抑制室23のプール水24内に浸漬されている。
【0036】前記主蒸気逃し安全弁21は、例えば主蒸気
隔離弁9、10が閉弁して原子炉圧力容器2及び主蒸気管
7内の蒸気圧力が過渡に上昇した際に開き、原子炉圧力
容器2内の主蒸気を主蒸気逃し配管22を経由して圧力抑
制室23内のプール水24中に放出し、これによって原子炉
圧力容器2内の圧力上昇を抑制する。また前記主蒸気加
減弁12、タービンバイパス弁20及び給水ポンプ17等は、
全容量バイパス制御装置25と接続されて構成している。
【0037】この全容量バイパス制御装置25は、図1の
ロジック構成図に示すように、定格出力運転中に系統事
故等により発電機13の負荷が遮断されて出力−負荷アン
バランスリレーが作動すると、主蒸気加減弁12の急閉と
タービンバイパス弁20の急開信号を出力すると同時に、
全制御棒5の中で予め選択された選択制御棒5aの挿入
と、給水ポンプ17のランバック(例えば30%速度)要求
信号を出力する。
【0038】また、若しもタービンバイパス弁20の急開
に失敗した場合には、所定の遅れ時間により原子炉スク
ラムとするように作動するロジックが構築されていて、
この機能は、通常、計算機により構成されている。
【0039】次に上記構成による作用について説明す
る。定格出力運転中に系統事故等により発電機13の負荷
が遮断されると、出力−負荷アンバランスリレーが作動
することから、全容量バイパス制御装置25は、主蒸気加
減弁12の急閉とタービンバイパス弁20の急開、及び選択
制御棒5aの挿入、さらに給水ポンプ17のランバックの
信号を出力する。
【0040】この主蒸気加減弁12の急閉と、タービンバ
イパス弁20の急開によるミスマッチによって原子炉圧力
が上昇し、炉心内ボイドが潰れることによる正の反応度
投入により中性子束が初期値よりも増加傾向となる。し
かしながら、選択制御棒5aの挿入による負の反応度投
入効果と、炉心流量減少による炉心内ボイド量減少抑制
効果により、中性子束は中性子束高スクラム設定点( 1
20%定格)に達することはない。
【0041】図3の特性図は発電機負荷遮断時におい
て、全容量バイパス制御装置25が作動した場合を表した
もので、原子炉出力の曲線26(実線)と、給水流量の曲
線27(一点鎖線)、及び炉心流量の曲線28(点線)によ
り夫々の時間変化を示す。
【0042】選択制御棒5aの挿入により、冷却材の自
然循環力が低下して炉心流量28は減少する。また、給水
流量27は給水ポンプ17のランバックにより減少し、原子
炉出力26とほぼ同じ値に整定する。この原子炉出力26
は、選択制御棒5a挿入及び給水ポンプ17がランバック
する効果により速やかに低下し、原子炉は所内単独運転
に移行している。
【0043】図4は自然循環型原子炉の運転特性図で、
運転点は制御棒5の引抜きにより、点0から点Aに移動
するが、この際に炉心ボイド量の増加に伴う自然循環力
の増大により、原子炉出力が増加するに従い増大傾向と
なる。なお同図中A−Bは、発電機負荷遮断時の運転点
の軌跡を表わしている。すなわち、選択制御棒5a挿入
と給水ポンプ17のランバックにより、原子炉出力は低下
して、これに伴い炉心流量も低下する。
【0044】次に発電機負荷遮断が発生した際で、ター
ビンバイパス弁20の開弁失敗を想定した場合の自然循環
型原子炉の過渡変化について図5及び図6の比較特性図
に示す。上記図1で示したようにタービンバイパス弁20
が開かなかった場合には、その開度を検出するのに要す
る遅れ時間(例えば200 msec)後に原子炉はスクラムさ
れる。
【0045】この時に中性子束は、原子炉圧力上昇に起
因する炉心内ボイドの潰れにより初期値よりも大きく増
加する。しかしながら、出力−負荷アンバランスリレー
作動時点で、給水ポンプランバックが開始しているた
め、炉心入口エンタルピーが増加して炉心内ボイド量減
少を抑制している。
【0046】図5の特性比較図に示すように、中性子束
の増加量は本発明の給水ポンプ17をランバックさせた時
には、曲線29(実線)のように、ランバックさせない時
の曲線30(点線)に比べて小さくなる。
【0047】また給水流量については、給水ポンプ17を
ランバックさせない時には曲線32(点線)で示すよう
に、原子炉圧力上昇とスクラムによる原子炉水位低下を
補うために、最大給水流量(例えば 115%定格)が原子
炉圧力容器2に注入され、この給水流量は原子炉水位回
復時点にて絞られる。これに対して、本発明の給水ポン
プ17をランバックさせた場合には、曲線31(実線)で示
すように約10秒で給水流量が30%定格に低減し、原子炉
水位が回復するまでその状態が保持される。
【0048】図6の特性比較図は、発電機負荷遮断でタ
ービンバイパス弁20が故障で開弁しない不作動時の最小
限界出力比(MCPR)の変化を示し、本発明の給水ポ
ンプ17をランバックさせた場合の最小限界出力比は、曲
線33(実線)で示すようになるが、従来の給水ポンプ17
のランバックなしの場合には、曲線34(点線)のように
最小限界出力比の低下が大きく、回復にも時間がかか
る。
【0049】このように、給水ポンプ17をランバックさ
せることにより最小限界出力比の低下幅が減少し、した
がって、本発明の全容量バイパスシステム制御装置を用
いることにより、初期最小限界出力比が 1.2のときに発
電機負荷遮断時にタービンバイパス弁20の開弁が失敗し
た場合にも、最小限界出力比が 1.0を下回ることはなく
燃料健全性は十分に確保される。
【0050】なお、本発明は上記一実施例に限らず種々
の変形が可能であり、例えば上記では、給水ポンプ17の
全数(1台のみ備わっている場合にはその1台)をラン
バックさせるとして説明したが、複数台設置されている
場合には、その一部を出力−負荷アンバランスリレー作
動時にトリップさせても同様の効果が得られる。
【0051】また、予め選択された選択制御棒5aにつ
いても、その全数を出力−負荷アンバランスリレー作動
時に挿入させているが、先ず選択制御棒5aの一部を挿
入し、残りの選択制御棒5aを10〜60秒の時間の遅れを
もって挿入させても良く、これにより、選択制御棒5a
挿入時の水位変動を更に小さくすることができる。
【0052】さらに、出力−負荷バランスリレー作動時
で、給水ポンプ17をランバック、及びトリップさせるの
と同時、あるいは単独に原子炉の水位設定点を30〜100c
m 下げても良い。これにより炉心入口エンタルピーの増
加効果の他に、自然循環力減少効果が得られて、より速
やかに原子炉出力を低下させることができる。
【0053】以上のように本発明によれば、発電機負荷
遮断が発生して出力−負荷アンバランスリレーが作動す
ると、蒸気タービン8の過速度を防止することを目的と
して主蒸気加減弁12が急閉される。この際にタービンバ
イパス弁20は急開されるが、主蒸気加減弁12の開度とタ
ービンバイパス弁20の開度間にミスマッチが生じるた
め、主蒸気が一時的に遮断され原子炉圧力が上昇傾向と
なる。
【0054】原子炉圧力が上昇すると炉心内ボイドの潰
れにより炉心に正の反応度が印加されるため中性子束が
上昇し、中性子束高スクラム設定点(通常定格出力の
1.2倍に設定される)に対する余裕が減少する。しかし
ながら自然循環型原子炉では、上述した第1の特質によ
り自然循環力の確保を目的として炉心上部に設けた大き
な空間部により圧力上昇率が小さい。
【0055】このため、発電機負荷遮断時の中性子束の
増加率も小さく、中性子束高スクラム設定点に至るまで
の時間が長くなる。ここで選択制御棒5aの挿入により
炉心3に負の反応度が投入され、同時に給水ポンプ17の
ランバック、または一部のトリップにより炉心流量が減
少する。
【0056】これは上述した第2の特質による効果であ
り、これにより速やかに原子炉出力が降下されるため中
性子束の上昇量が小さくなる。したがって、発電機負荷
遮断時にも中性子束高スクラム設定点に対する余裕は十
分に確保される。
【0057】次に、若しもタービンバイパス弁20の開弁
に失敗した場合には、タービンバイパス弁20の開度遅れ
から原子炉スクラム指令を行い、炉心流量は自然循環力
の減少により大きく減少する。また給水ポンプ17がラン
バック、あるいは一部がトリップされているため、炉心
入口エンタルピーは大きくなっており、炉心3内に投入
される正の反応度は最小限界出力比が 1.0を下回らない
程度に抑制される。
【0058】なお、従来の強制循環型全容量バイパス沸
騰水型原子炉でも、再循環ポンプトリップの他に選択制
御棒挿入を実施しているが、これは発電機負荷遮断に抽
気蒸気の急減により給水温度が低下し、出力が増加傾向
となるのを防止する観点から作動されるものであり、選
択制御棒挿入作動時の炉心流量の減少効果を利用するも
のではない。
【0059】さらに、発電機負荷遮断時に給水ポンプを
トリップさせるインターロックも提案されているが、こ
れは原子炉水位が再循環ポンプトリップの作動により上
昇し水位高スクラム設定点に至るのを防止する観点から
備えられたインターロックで、給水ポンプトリップ時の
炉心入口エンタルピー増加効果を利用するものではな
い。
【0060】
【発明の効果】以上本発明によれば、全容量バイパスシ
ステムの自然循環型原子炉で、発電機負荷遮断が発生し
て出力−負荷アンバランスリレーが作動した場合におい
て、タービンバイパス弁の作動時に中性子束高により原
子炉がスクラムすることなく、安定して所内単独運転に
移行できると共に、若しもタービンバイパス弁が不作動
の時には、燃料の最小限界出力比の変化量を燃料健全性
及びプラント運転上支障のない範囲に小さくすることか
ら、炉心を始め原子炉の健全性と運転の信頼性が向上す
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の全容量バイパスシステ
ム制御装置のロジック構成図。
【図2】本発明に係る一実施例の全容量バイパスシステ
ムの自然循環型原子炉の概要構成図。
【図3】本発明に係る一実施例の発電機負荷遮断時の原
子炉出力、給水流量、炉心流量の変化を示す特性図。
【図4】自然循環型原子炉の運転特性図。
【図5】発電機負荷遮断時における中性子束と給水流量
の変化を示す比較特性図。
【図6】発電機負荷遮断時における燃料の最小限界出力
比の変化を示す比較特性図。
【符号の説明】
1…原子炉格納容器、2…原子炉圧力容器、3…炉心、
4…冷却材、5…制御棒、5a…選択制御棒、6…円筒
体、7…主蒸気管、8…蒸気タービン、9,10…主蒸気
隔離弁、11…主蒸気止め弁、12…主蒸気加減弁、13…発
電機、14…復水器、15…復水ポンプ、16…給水加熱器、
17…給水ポンプ、18…自然循環流路、19…タービンバイ
パス管、20…タービンバイパス弁、21…主蒸気逃し安全
弁、22…主蒸気逃し配管、23…圧力抑制室、24…プール
水、25…全容量バイパス制御装置、26〜34…曲線。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気タービンの入口側と復水器の間をタ
    ービンバイパス弁を介挿したタービンバイパス管で結合
    した自然循環型原子炉の全容量バイパスシステムにおい
    て、発電機負荷遮断時の出力−負荷アンバランスリレー
    の作動に対応して蒸気加減弁の急閉とタービンバイパス
    弁の急開及び給水ポンプのランバックと選択制御棒の挿
    入を行うと共に、前記タービンバイパス弁の開弁を失敗
    した場合には原子炉をスクラムさせることを特徴とする
    自然循環型原子炉の全容量バイパスシステム制御装置。
  2. 【請求項2】 給水ポンプが複数台ある場合に出力−負
    荷アンバランスリレー作動時にその一部をトリップさせ
    ることを特徴とする請求項1記載の自然循環型原子炉の
    全容量バイパスシステム制御装置。
  3. 【請求項3】 選択制御棒挿入に際して予め選択された
    選択制御棒の一部を出力−負荷アンバランスリレー作動
    時に挿入させ、時間遅れをもって残りの選択制御棒を挿
    入させることを特徴とする請求項1記載の自然循環型原
    子炉の全容量バイパスシステム制御装置。
  4. 【請求項4】 出力−負荷アンバランスリレー作動時
    に、水位設定点変更を行うことを特徴とする請求項1乃
    至請求項3記載の自然循環型原子炉の全容量バイパスシ
    ステム制御装置。
JP5278230A 1993-11-08 1993-11-08 自然循環型原子炉の全容量バイパスシステム制御装置 Pending JPH07128491A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007057249A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Toshiba Corp 原子炉出力制御方法及びその出力制御装置
WO2025248896A1 (ja) * 2024-05-27 2025-12-04 株式会社日立製作所 原子力発電プラント及び原子力発電プラントの運転方法

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