JPH07136665A - フェノール含有排水の処理法 - Google Patents

フェノール含有排水の処理法

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JPH07136665A
JPH07136665A JP5286875A JP28687593A JPH07136665A JP H07136665 A JPH07136665 A JP H07136665A JP 5286875 A JP5286875 A JP 5286875A JP 28687593 A JP28687593 A JP 28687593A JP H07136665 A JPH07136665 A JP H07136665A
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敦 越沼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェノール含有排水からパーベーパレーショ
ン膜を使用してフェノールを選択的に分離する。 【構成】 フェノール樹脂製造工程から排出されるフェ
ノール含有排水に、凝集剤を添加して不純物を凝集除去
し、残液をメンブランフィルターで濾過し、そして次に
パーベーパレーション膜でフェノールを選択的に分離す
ることにより、蒸留装置を使用することなくフェノール
を効率的に分離できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェノール樹脂製造工程
から排出されるフェノール含有排水からフェノールを効
率的に分離除去するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノールを含有する廃液は、フェノー
ルが有害な環境汚染物質であるので水質汚濁防止法で定
められた基準値以下の濃度にして系外に放流することが
義務づけられている。そこで従来はフェノールを含有す
る廃液は、何らかの方法で前処理を行いフェノールを除
去し、さらに生物による分解や活性炭吸着などの高次処
理をおこなって放流していた。この前処理方法として、
触媒を加え煮沸しフェノールを樹脂化する方法、有機溶
剤例えばメチルエチルケトン、トルエン、イソプロピル
エーテル等を用いてフェノールを抽出除去する方法、イ
オン交換樹脂によりフェノールを選択的に吸着しこれを
溶剤で抽出除去する方法などがある。
【0003】フェノールを樹脂化除去する方法は、廃液
中のフェノール濃度を3,000ppm以下にするのが極めて難
しく、また得られる樹脂の特性が不安定で回収活用に制
約があるなどの問題がある。有機溶剤で抽出する方法
は、抽出後のフェノール含有溶剤を蒸留し溶剤とフェノ
ールに分離し共に回収活用するが、蒸留に多大のエネル
ギーコストを要するし、また危険物を扱うため保安距離
を維持するための空地の確保、機器の防爆化などのコス
トもかかり経済的な効率が悪い、などの問題があった。
【0004】そこでこれらの問題を回避できる処理方法
の開発が模索され、フェノール含有液体からフェノール
のみを選択的に分離できるパーベーパレーション膜の使
用によるフェノール分離の可能性が考えられた。この方
法によれば、排水からフェノールのみを分離出来、従っ
て排水中のフェノール濃度を効果的に低減でき、溶剤に
よる抽出装置も回収のための蒸留塔も必要とせず、工業
上の利点が大きい筈であった。その目的に適合するフェ
ノール選択性の、パーベーパレーション膜調製原料とな
るポリマー自体も既に開発され公開されている(商品名
Pebax 、フランスAtochem 社)。
【0005】パーベーパレーション膜とは、非多孔質の
均一な高分子膜であり、その膜を挟んでその一方側に液
体混合物を供給し、もう一方の側を真空もしくは減圧も
しくは透過を目的とする化合物の蒸気圧を低下させて、
膜を透過し易い化合物を優先的に分離濃縮するのに使用
される膜である。既に文献上開示され、市販されている
前記ポリマーから製膜したフェノール選択透過性パーベ
ーパレーション膜(以下、PV膜と略記する)は、膜のフ
ェノール透過量が低いためかなり広い膜面積を必要とす
るので膜それ自体の費用が非常に高くつくことが判明し
た。その上、バイナリー試薬フェノールを用いた実験室
レベルのテストではうまくを分離出来たものが、現地で
採取したフェノール含有廃液を用いたテストを実施して
みると、1〜3か月で膜の閉塞を起こしてしまった。こ
の膜は逆洗、溶剤洗浄などが不可能であり、そのため膜
交換のための費用(膜購入費、交換工事費等)が発生
し、交換頻度が高いため経済的に不利であることが分か
った。このため今なお、有機溶剤による抽出法や廃液の
煮沸樹脂化法に頼っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近、フェノール含有
排液をパーベーパレーション膜にかけるに先立ち、予め
メンブランフィルターで濾過しておけば分離を目的とす
るフェノールは溶液中に溶存し、かつ目詰まりによりパ
ーベーパレーション分離を妨げる挟雑物のみを効率的に
除去できることがわかった。挟雑物が予め排除されるこ
とでパーベーパレーション操作においてはPV膜に目詰ま
りを起こすことなく、従ってPV膜を交換する必要なく、
持続的かつ効率的にフェノールを選択的に透過分離で
き、排水中のフェノールを所定濃度まで低下できる。
【0007】メンブランフィルターは面積当りの処理量
が大きいため、膜面積がPV膜の約百分の一で済み、従っ
てたとえメンブランフィルターが汚染されて交換を要し
ても膜面積が小さいため経済的にあまり問題とならな
い。また交換容易でもある。一方、フェノール選択透過
性であるがフェノール透過量が低く広い膜面積を必要と
するPV膜はメンブランフィルターによる予備処理で目詰
まり要因が排除されるためほとんど交換を要しない。
【0008】このようなパーベーパレーション膜での処
理を経た排水はフェノール濃度が充分に低いため、処理
排水をさらに水で希釈する必要なく廃棄できる。従って
水資源を節約できる。また抽出のための有機溶剤の使用
を回避できるため蒸留工程が要らず運転効率の点でもエ
ネルギー経済的にも予想外に工業的利点が大きいことが
判明した。
【0009】フェノール樹脂製造工程から排出されるフ
ェノール含有排水には、製造工程の種類の如何によって
多少の相違はあるものの、フェノールの他にフェノール
の2核体、3核体等の種々の低分子ポリマーが不純物と
して含有されていてそれらがPV膜の目詰まりの主原因と
なる挟雑物であったと推定されており、実際フェノール
含有排水中の油状の低分子ポリマーがPV膜の表面に付着
するとPV膜が使用不能となる。
【0010】PV膜に目詰まりを起こさせない方法として
は、前記蒸留法(特願平5ー88769)と本発明のメンブラ
ンフィルターによる濾過法があるが、蒸留法はエネルギ
ーを多く必要とすると言う欠点を有している。それに対
し濾過法ではPV膜に目詰まりを起こさせない程度に低分
子ポリマー挟雑物を予め排除しておけばよいが、そのた
めにはメンブランフィルターの孔径がかなり小さいこと
が必要で、孔径が0.05ミクロン以下でなければならない
ことが判明した。このような孔径の小さいメンブランフ
ィルターでは濾過効率が低い上やはり目詰まりによるそ
の交換頻度がなお高く、工業的運転には向かなかった。
そこで、PV膜のみならずメンブランフィルターをできる
だけ交換不要の状態で使用できるために低分子ポリマー
不純物をもう少し効率的に除去できる方法をさらに探索
した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノール樹
脂製造工程から排出されるフェノール含有排水からフェ
ノールを回収除去する方法において、該排水に凝集剤を
添加して挟雑する不純物を凝集除去した後、残液をメン
ブランフィルターで濾過し、更にこうして処理された濾
液をパーベーパレーション膜で処理することを特徴とす
る、フェノール含有排水からフェノールを回収除去する
方法を提供することを目的とする。本発明の処理法によ
り、PV膜によるフェノールの選択的分離が工業的に初め
て可能となった。
【0012】すなわち本発明の処理方法は、不純物を凝
集させ除去する工程、メンブランフィルターで濾過する
工程、およびPV膜分離工程を組み合わせるところにその
特徴を有する。本発明方法によれば、従来方法で必要で
あった蒸留装置を使用せずにフェノールをPV膜を用いて
選択的に分離することが可能となる。その上不純物を予
め凝集させてある程度除去するため、メンブランフィル
ターの段階では孔径が0.05ミクロン以下0.01ミクロンで
も効率的に使用できるのみならず、孔径が1ミクロン以
上、5ミクロンのものでも使用可能となり、メンブラン
フィルターでの濾過効率が大幅に高まり、メンブランフ
ィルターの交換頻度を低減できる。しかも不純物凝集工
程もメンブランフィルター濾過工程もエネルギー消費は
あまり必要としないので、全体的にみて工業的利点が高
い。
【0013】以下に本発明の処理法を図面に基づき説明
する。図1は本発明の処理法の一例を示す模式図であ
る。図2は運転時間とフェノール濃度の関係を示すグラ
フである。図3はパーベーパレーション装置の一例を示
す図である。図1において、フェノール樹脂製造工程か
ら排出された排水は電解質タンク1から凝集試薬を添加
され、デカンター2で凝集物が分離除去され、場合によ
りさらにフィルター3を経てメンブランフィルター4で
濾過される。メンブランフィルター4を出た排水は予熱
ユニット5で予熱されたのち、パーベーパレーション装
置6中の分離モジュール7でフェノールを選択的に除去
され、透過したフェノールは管路8を通って取り出され
る。フェノールを除去された排水は管路9を通って排出
される。
【0014】前記パーベーパレーション装置は各種のも
のを採用することができ、例えば本体中に分離モジュー
ルを多段に配設し、排水供給管と処理液排出管を個々の
分離モジュールに並列的に接続した装置、あるいは数個
を直列的に接続した装置を使用できる。また、処理中に
温度低下を来した場合は透過能率が下がるので、中途で
いったんパーベーパレーション装置の外に出して昇温さ
せたのち再びモジュールに戻して処理を継続するような
構成とすることもできる。
【0015】本発明方法における不純物凝集除去工程
は、二核体、三核体等の低分子ポリマー不純物を凝集さ
せてより大きく分離容易な物質となすための試薬を添加
し、不純物を凝集させ、凝集した不純物を沈降させてデ
カンター、フィルター等で分離除去する工程である。凝
集試薬としては例えば塩化カルシウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化アルミニウム等の電解質が適宜用いられ、塩化
カルシウムが入手容易で安価なので好ましい。添加濃度
としては、不純物を凝集できるに必要な量であればよ
く、好ましくはおよそ0.05モル/L〜0.1 モル/Lの範囲の
濃度で添加される。凝集した不純物は低分子ポリマーに
比較して体積が大きく沈降容易でデカンター等により容
易に分離除去できる。
【0016】次にこのようにして不純物を凝集除去した
排水を、場合によりフィルターで濾過したのち、メンブ
ランフィルターで濾過する。メンブランフィルターは孔
径が5ミクロン以下であればよく、孔径が1ミクロン程
度が好適で、場合によりメンブランフィルターに代えて
ウルトラフィルターを使用することもできる。前記した
とおりメンブランフィルターは処理量が大きく、膜面積
がPV膜の100 分の一で済むため、膜にかかる費用が格段
に少なくてすみ、膜の交換も容易なので、メンブランフ
ィルターが目詰まりした場合は適宜交換でき、また目詰
まりした挟雑物を溶解除去すれば再使用できる。
【0017】このようにして凝集およびメンブランフィ
ルターにより予備処理した排水を次にPV膜分離にかける
と、PV膜を目詰まりさせることなく、交換不要で非常に
効率的にフェノールが選択透過される。PV膜はフェノー
ル選択透過性であることが知られているポリマーから適
宜製膜したものを使用すればよい。例えば、Atochem
(フランス)社製ポリマーPebax を溶融法により厚さ10
ミクロン〜200 ミクロン、好ましくは約70ミクロン程度
の厚さに製膜し、適宜繊維物質等のような支持物質で補
強して使用すればよい。PV膜で処理される排水はすでに
前処理を受けているので、PV膜は長期間交換不要に運転
使用できる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の処理方法を実施例および図面
を参照して詳細に説明する。 実施例1 図1を参照して本発明による処理方法を説明する。フェ
ノール樹脂製造工程から排出された排水(pH 2.2)30リ
ットルに電解質タンク1から塩化カルシウム233 gを添
加し、デカンター2で凝集沈殿させた後、孔径0.01μm
を有するメンブランフィルター4で濾過した。次に、予
熱ユニット5でPV膜性能が充分発揮できる温度である50
°に加温後、パーベーパレーション装置6中のモジュー
ル7にセットされたPV膜(Atochem(フランス)社製ポリ
マーPebax を溶融法により厚さ70μmに製膜)に供給し
た。モジュールを通過中にフェノール濃度が低減する。
処理した液8は熱回収のため熱交換器にて冷却する。1
回の操作ではまだフェノール濃度が高い場合、この処理
液8を熱回収用熱交換器を通すことなく直接予熱ユニッ
ト5へ循環させ、所定の濃度となるまでこの操作を繰り
返す。
【0019】モジュールは有効膜面積1m 2 のプレート
&フレーム型モジュールで、真空容器6に組み込まれて
おり、透過側真空度は真空ポンプ、真空計および電磁弁
により常に1Torrに保持した。透過物は─20℃のエチレ
ングリコールで冷やしたコンデンサーにより凝固させて
集めた。液組成は5000ppm 程度以上の濃度はガスクロマ
トグラフを用い、それ以下の濃度は吸光光度計により測
定した。
【0020】5.75重量%のフェノール含有排水をフェノ
ール濃度100 ppm 以下に低減させるのに要する所要時間
および膜性能を求めた。その結果を図2に示す。図2中
には、実排水を直接50℃に加熱し、パーベーパレーショ
ン装置で処理した場合に要する所要時間も点線で示し
た。この図2から、メンブランフィルター(MF)(また
はウルトラフィルター(UF))と膜分離装置との組み合わ
せはフェノール樹脂製造工程からのフェノール含有排水
の処理に効果的であることが分かる。 実施例2 フェノール樹脂製造工程から排出された排水(pH2.2 )
30リットルに電解質として塩化カルシウム233 gを添加
し、24時間室温に放置し、排水中の不純物を凝集沈殿さ
せ、上澄み液を孔径0.05μmのメンブランフィルターで
濾過した。このように処理した排水を図3に示すパーベ
ーパレーション装置で処理した。PV膜20はフランジ11に
セットされており、有効面積は22.04cm 2 である。ガラ
スセル12内に300ml の液を供給し、膜面に液が接するよ
うにしてマグネチックスターラー13で攪拌した。供給液
はガラスヒーター14および温度調節器15により常に50℃
に調整した。透過側真空度は真空計16、真空ポンプ19お
よび電磁弁17により常に1Torrに保持した。透過物は─
30℃のエチレングリコールで冷やしたコンデンサー21に
より凝固させて集めた。液組成は5000ppm 程度以上の濃
度はガスクロマトグラフを用い、それ以下の濃度は吸光
光度計により測定した。18はクーラーを示す。5.75重量
%のフェノール含有排水をフェノール濃度200 ppm 以下
に低減させるのに要する所要時間および膜性能を求め
た。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】 膜の透過性能は単位面積および単位時間当りの全透過量
(Kg/m2 ・h )と分離係数αにより比較した。分離係数
αは以下の式により求めた。 FphおよびFw はそれぞれ供給液中のフェノール濃度
(重量%)および水分濃度(重量%)を、PphおよびP
w はそれぞれ透過液中のフェノール濃度(重量%)と水
分濃度(重量%)を示す。
【0022】表1の結果から分かるとおり、凝集、メン
ブランフィルターおよびパーベーパレーション膜の組み
合わせにより、フェノール樹脂製造工程から排出された
排水から蒸留装置を使用することなくフェノールを効果
的に除去できることが示される。
【0023】
【発明の効果】以上説明したとおり、フェノール樹脂製
造工程から排出されたフェノール含有排水は、凝集剤に
より不純物を凝集させ除去し、残液をメンブランフィル
ターで濾過しそしてPV膜でフェノールを分離することに
より、蒸留装置を使用することなくPV膜によるフェノー
ルの選択的透過が工業的に初めて可能となり、従って運
転効率の点でもエネルギー経済的にも大きな工業的利点
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理法の一例を示すフローダイヤグラ
ムである。
【図2】本発明の処理法においてパーベーパレーション
にかけた場合のフェノール濃度の時間的経過を示す。
【図3】パーベーパレーション装置の一例を示す。
【符号の説明】
1 電解質タンク 2 デカンター 4 メンブランフィルター濾過装置 6 パーベーパレーション装置 7 モジュール 19 真空ポンプ 20 PV膜 21 コンデンサー
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 9/00 503 C 7446−4D (72)発明者 近藤 正和 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂製造工程から排出される
    フェノール含有排水からフェノールを回収除去する方法
    において、該排水に凝集剤を添加して挟雑する不純物を
    凝集除去した後、残液をメンブランフィルターで濾過
    し、更にこうして処理された濾液をパーベーパレーショ
    ン膜で処理することを特徴とする、フェノール含有排水
    からフェノールを回収除去する方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003236528A (ja) * 2002-02-20 2003-08-26 Japan Organo Co Ltd 水処理システム
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CN105776748A (zh) * 2016-04-09 2016-07-20 广州聚注专利研发有限公司 一种利用小球藻结合金属离子降解废水中双酚a的方法

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