JPH07148498A - 水洗式実験動物飼育用架台の尿石防止剤及び尿石防止方法 - Google Patents

水洗式実験動物飼育用架台の尿石防止剤及び尿石防止方法

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JPH07148498A
JPH07148498A JP32136693A JP32136693A JPH07148498A JP H07148498 A JPH07148498 A JP H07148498A JP 32136693 A JP32136693 A JP 32136693A JP 32136693 A JP32136693 A JP 32136693A JP H07148498 A JPH07148498 A JP H07148498A
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JP
Japan
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water
urolith
surfactant
inhibitor
preventing
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JP32136693A
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Eiji Takemura
英二 竹村
Hiroki Nanba
博樹 南場
Atsuko Hagiwara
敦子 萩原
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水洗式実験動物飼育用架台のフン尿受けの「ト
イ」に付着する尿石を防止し、かつ、「トイ」に発生す
る真菌類を効果的に防除することができる薬剤を提供す
る。 【構成】酸性物質、界面活性剤及び防黴剤を含有するこ
とを特徴とする水洗式実験動物飼育用架台の尿石防止
剤、及び尿石防止方法。 【効果】本発明の尿石防止剤、及び尿石防止方法によれ
ば、実験動物飼育時に「トイ」に付着する尿石の付着防
止に顕著な効果を発揮し、かつ洗浄水タンク内や溶解器
内に真菌由来の付着物を発生し、実験動物の飼育環境を
悪化させる事もなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水洗式実験動物飼育用
架台の尿石防止剤及び尿石防止方法に係り、更に詳しく
は、一定時間毎に洗浄水を流し、実験動物が排出したフ
ン尿を水洗除去する水洗式実験動物飼育架台の洗浄水中
に微少量ずつ添加することにより架台のフン尿受けの
「トイ」に付着する尿石を防止し、かつ、「トイ」に発
生する真菌類を効果的に防除することができる薬剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】実験動物を底がかご状のケージ内で飼育
し、このケージを動物が排出したフン尿を受ける「ト
イ」を有する架台に設置し、一定時間毎に洗浄水を「ト
イ」に流し排出されたフン尿を洗い流す方法は、実験動
物の飼育方法として広く採用されている。しかしなが
ら、この架台は長時間使用すると「トイ」に尿の分解に
より生成する尿石と呼ばれるスケールが強固に付着し、
悪臭を発生させ、かつ雑菌の繁殖を増加させ、実験動物
の飼育環境を悪化させることが知られている。従来、こ
の尿石は一定期間毎に強酸性の洗浄剤で溶解除去する
か、毎日スチールだわし等により研磨して物理的に除去
してきた。
【0003】上記の水洗式実験動物飼育架台の「トイ」
に付着した尿石を強酸性の洗浄剤で溶解除去する方法
は、尿石と洗浄剤との反応により刺激性のガス、ミスト
等を発生させるために実験動物飼育状態では作業を実施
できない。また、作業を実施する際には飼育中の実験動
物を他の施設に移動して行わねばならず、頻繁に作業を
実施することは困難であり、除去後の一定期間は「ト
イ」への尿石付着は微少量であるが、その後は多量の尿
石が付着した状態で実験動物を飼育しなければならなく
なる欠点を有している。
【0004】一方、毎日「トイ」をスチールだわし等で
人力により研磨する方法は有効であり、かつ実験動物へ
の影響も少ないが、この作業を完全に実施するには、多
くの飼育要員が必要で経済上問題があり実際に実施され
ている例は少ない。
【0005】また、本発明者等は、水洗式実験動物飼育
架台の「トイ」を定期的に洗浄する洗浄水中に酸性物質
と界面活性剤を添加することにより「トイ」への尿石の
付着を防止できることを見い出し、酸性物質と界面活性
剤からなる薬剤(特願平4−158517)とその薬剤
を効果的に洗浄水に添加する溶解器(特願平4−158
518)を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等が提案した
水洗式実験動物飼育架台の「トイ」を定期的に洗浄する
洗浄水中に酸性物質と界面活性剤を添加することにより
「トイ」への尿石の付着を防止する薬剤は、飼育作業者
の労力を節減しかつ実験動物にも影響を与えずに実験動
物の飼育環境を悪化させる尿石を防止できる優れた薬剤
であるが、この薬剤を長期間使用すると、一部の飼育施
設の薬剤溶解器内や洗浄水のタンク内に黒色もしくは白
色の付着物が発生することが判った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、溶解器内及び洗
浄水タンク内に発生した付着物は、薬剤中の界面活性剤
を栄養源として成育した真菌類であり、薬剤を洗浄水中
に添加する際に防黴剤を添加することにより、この付着
物の発生を防止できることを見い出し、本発明を完成さ
せた。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明は、酸性物質、界面活性剤とともに
防黴剤を含有することを特徴とする水洗式実験動物飼育
用架台の尿石防止剤である。本発明において防黴剤と
は、黴の成育を阻止する作用を有する物質であり、一般
に防黴剤又は殺菌剤として知られている化合物である。
例えば、市販されている、2,3,3−トリヨードアリ
ルアルコール、4−クロルフェニル−3−ヨードプロパ
ギルホルマール、3−ヨード−2−プロパギルブチルカ
ルバミン酸、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロ
ペニルエチルカルボナート、ジヨ−ドメチル−p−トリ
スルホン等の有機ヨウ素系化合物、2−メトキシカルボ
ニルアミノベンズイミダゾール、5−クロロ−2メチル
−イソチアゾリン−3−オン、2−ピリジンチオール−
1−オキサイド亜鉛塩、2,2−ジチオ−ビス−(ピリ
ジン−1−オキサイド)、2,3,5,6−テトラクロ
ロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、2−チオシ
アノメチルチオベンズチアゾール、チアベンダゾール等
が使用される。
【0009】特に、2−メトキシカルボニルアミノベン
ズイミダゾール、2,3,3−トリヨードアリルアルコ
ール、2−ピリジンチオール−1−オキサイド亜鉛塩、
3−ヨード−2−プロパギルブチルカルバミン酸、2,
3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)
ピリジン、チアベンダゾール等は、スライムに対する発
育抑制効果が強く、かつ作業者や実験動物への影響もな
く好ましく使用される。
【0010】また、5−クロロ−2メチル−イソチアゾ
リン−3−オン、2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−
1−オキサイド)は、水に対して容易に溶解するため
(前者は8.6%の水溶液で市販、後者の飽和水溶液濃
度は1.13%)溶液状の薬剤に添加する防黴剤として
好適である。
【0011】防黴剤の尿石防止剤への添加は、1種単独
又は2種以上の混合物として行われるが、2種以上の混
合物として添加する際には、混合する防黴剤が互いに異
なる種類の抗菌特性を有し、かつ混合により変質等を起
こさない薬剤を選定しなければならない。
【0012】防黴剤の尿石防止剤への添加は各種公知の
方法で行うことができる。例えば、清浄剤が加熱溶融し
た薬剤をプラスチック等の型に充填し冷却固化させる製
法により製造される場合であれば、溶融物にスライム防
止剤を添加し均一に混合する方法、粉末の混合物を打錠
成形する製法によって製造される場合は粉末中に添加し
均一に混合する方法等が採用することが出来るが、防黴
剤は水に難溶性のものが多いため、防黴剤の水への溶
解、分散性を向上ざせるため予め防黴剤と界面活性剤を
混合した後に酸性物質と混合する方法が望ましく採用さ
れる。
【0013】また、防黴剤を単独または他の成分と混合
したものを各種方法で成形し、成形体を尿石防止剤を洗
浄水に溶解させる溶解器内に同時に投入して、尿石防止
成分を添加する洗浄水中に防黴剤を添加する方法や、成
形体を黴が繁殖する洗浄水タンク内に設置し防黴剤を洗
浄水に添加する方法によっても、溶解器内や洗浄水タン
ク内に発生する真菌由来の付着物を防止することができ
る。
【0014】本発明において酸性物質とは、洗浄水に溶
解し、そのpHを5以下にすることの可能な物質であ
り、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の鉱酸類又はその酸性
塩類、コハク酸、アジピン酸、dl−リンゴ酸、マレイ
ン酸、フマル酸、安息香酸、クエン酸、オルトフタル
酸、グルコン酸等の有機酸類、スルファミン酸等が好ま
しく使用される。
【0015】本発明において界面活性剤とは、非イオン
系、陰イオン系、陽イオン系の界面活性剤であり、浸透
性を有する界面活性剤が好ましく使用され、ソルビタン
モノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソル
ビタンモノオレート、ジアルキルスルフォコハク酸エス
テル、及びジアルキルスルフォコハク酸エステルの塩等
が特に好ましく使用される。
【0016】ジアルキルスルフォコハク酸エステルとし
ては、ジオクチルスルフォコハク酸エステル、ジ−n−
ドデシルスルフォコハク酸エステル、ジ−2−エチルヘ
キシルスルフォコハク酸エステル、ジ−n−シクロヘキ
シルスルフォコハク酸エステル等が好ましく使用され
る。
【0017】ジアルキルスルフォコハク酸エステルの塩
としては、前記のジアルキルスルフォコハク酸エステル
の各種金属塩が好ましく使用され、ナトリウム塩が特に
好ましく使用される。
【0018】なお、これらの界面活性剤は単独でも使用
可能であるが、二種以上の混合物としても使用できる。
【0019】また、ソルビタンモノパルミテート、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ジ
オクチルスルフォコハク酸エステル等の水に難溶性の浸
透性界面活性剤は、単独では使用が困難であり、水に溶
解させるために、他の水に易溶性の界面活性剤特に水に
易溶性の非イオン系界面活性剤と混合して使用される。
【0020】これら浸透性界面活性剤の中でもソルビタ
ンモノオレートと水溶性の非イオン系界面活性剤の混合
物は、水への溶解性が良好であり、かつ尿石防止効果も
優れており好ましく使用され、固体の成形体に添加する
にはソルビタンモノオレートとプロピレンオキサイド−
エチレンオキサイド共重合物の混合粒子が特に好ましく
使用される。薬剤中の界面活性剤の含有量は、界面活性
剤の種類により若干異なるが、通常、酸性物質100重
量部に対し1〜50重量部添加される。
【0021】本発明の尿石防止剤中には、所望により腐
食防止剤、増粘剤、消泡剤、結合助剤等が添加される。
腐食防止剤は、洗浄水貯水槽や排水管の腐食を防止する
ために添加され、例えば、アルキルチオ尿素系、アミン
系、トリアゾール系等の腐食防止剤が一種若しくは二種
以上の混合物を挙げることができる。増粘剤は、薬剤を
添加した洗浄剤が「トイ」の表面に残留し易くするため
に添加され、各種水溶性高分子等を例示するこができ
る。消泡剤は、界面活性剤の泡立ちによる浄化槽等への
悪影響を防止するために添され、例えば、非イオン系界
面活性剤やシリコン系の消泡剤等が好ましく使用され
る。結合助剤は、加圧成形時に錠剤の成形性を良好に
し、使用時の崩れを防止するために添加され、例えば、
ポリエチレングリコール粉末、ヒドロキシプロピルセル
ロース粉末、ポリビニールピロリドン粉末等が使用され
る。
【0022】本発明の尿石防止剤(薬剤)を洗浄水に添
加する方法としては、公知の各種方法が採用できるが、
作業性と効果の面から、(1)液状の薬剤を洗浄水中に
ポンプや高位置の薬剤タンクからの落下圧と電磁弁との
組合せにより、一定量ずつ添加する方法、(2)洗浄水
の貯水タンク内に固形の薬剤を投入する方法、(3)洗
浄水の貯水タンク内にタンク水面の上下により、一定量
の液状薬剤を放出する容器(実開昭55−16122
0)に液体状薬剤を収納し設置する方法、(4)固形も
しくは粉末状の薬剤を容器に収納して洗浄水タンク内に
設置する方法、(5)固形薬剤をカゴ状容器に収納し、
洗浄水流水部に設置して薬剤を溶解させ洗浄水中に添加
する方法等が好ましく採用される。
【0023】特に、上記(1)の方法においては、洗浄
水流出タイマーと薬剤添加ポンプ作動タイマーや薬剤タ
ンクの電磁弁作動タイマーを連動させることより、初期
の洗浄水中には薬剤を添加せず最終洗浄水にのみ薬剤を
添加することが可能となる。また、(3)、(4)の方
法においては、容器の構造を工夫することにより洗浄水
タンク内の水面が下がった際にその水面部に薬剤若しく
は薬剤の水溶液が容器内より放出させることが可能であ
り、初期の洗浄水中には少量の薬剤しか添加せず、最終
洗浄水中に多量の薬剤を添加することが可能となる(特
願平4−158518)。
【0024】尿石を防止するに必要な洗浄水中への薬剤
の添加量は、実験動物の飼育数、「トイ」の洗浄間隔等
により異なるが、最終洗浄水のpHが5以下であり、好
ましくは2〜5になる程度の添加量であればよい。
【0025】固形の薬剤は、常温で固体の酸性物質と浸
透性界面活性剤もしくは浸透性界面活性剤と水に易溶性
の界面活性剤との混合物、及び所望による添加物の混合
物を加圧成形する方法、常温で固体の酸性物質と浸透性
界面活性剤もしくは浸透性界面活性剤と水に易溶性の界
面活性剤との混合物、及び所望による添加物を加熱溶融
して得られたスラリーを型に注入し、冷却固化する方法
等公知の方法で成形される。
【0026】加圧成形する方法の場合は、浸透性界面活
性剤もしくは浸透性界面活性剤及び水に易溶性の界面活
性剤を含有する混合物を、1〜5mm程度に造粒しておく
と加工性及び使用時の溶解特性が良好となる。
【0027】液状の薬剤の場合は、酸性物質と浸透性界
面活性剤もしくは浸透性界面活性剤と水に易溶性の界面
活性剤との混合水溶液が最も使用し易いが、強酸性の水
溶液中では浸透性界面活性剤が変質し易いので、酸性物
質の水溶液と浸透性界面活性剤もしくは浸透性界面活性
剤、及び水に易溶性の界面活性剤との混合水溶液を使用
時に混合し、洗浄水に添加する2液タイプの薬剤、更に
は酸性物質の水溶液と浸透性界面活性剤もしくは浸透性
界面活性剤、及び水に易溶性の界面活性剤との混合水溶
液を、各々独立に洗浄水貯水槽に添加するタイプの薬剤
とすることも可能である。
【0028】液状の薬剤は、多量の水を溶解水として含
有させる必要があり、輸送や保管時の扱いに余分な費用
や労力を必要とし、容器も耐酸性の容器に充填させなけ
ればならないため高価なものとなるため、使用時に液体
として使用する薬剤の場合であっても、輸送や保管は酸
性物質と浸透性界面活性剤もしくは浸透性界面活性剤と
水に易溶性の界面活性剤との混合粉末もしくは顆粒状の
形で行い、使用時に適当量の水に溶解させて液状として
使用すると費用と労力の無駄を省くことが可能となる。
【0029】使用時に水に溶解させるタイプの粉末又は
顆粒状薬剤としては、水に易溶性の酸性物質と浸透性界
面活性剤もしくは浸透性界面活性剤、及び水に易溶性の
界面活性剤とを含有する混合物が好ましく使用される
が、dl−リンゴ酸と浸透性界面活性剤もしくは浸透性
界面活性剤、及び水に易溶性の界面活性剤との混合物が
特に好ましく使用される。
【0030】
【作用】ウサギやモルモット等の実験動物の尿中にはカ
ルシウムが水に溶解及び不溶解の両方の形で存在してい
る。また、尿中には尿素が含まれており、この尿素に動
物のフン中や空気中の雑菌が作用し、アンモニアと二酸
化炭素に分解する。アンモニアの生成により尿のpHが
上昇すると尿中のカルシウムの溶解度は減少し、これが
二酸化炭素と反応すると強固な炭酸カルシウムのスケー
ルを生成し、「トイ」や器具類に付着することになる。
この炭酸カルシウムのスケールに、微生物が作用した
り、「トイ」上で乾燥したりすることによって、尿中の
タンパク質等の有機物が不溶化して取り込まれたものが
実験動物の尿石である。
【0031】このように、尿石は炭酸カルシウムと不溶
解性有機物の混合物であり、両者が層状に混じりあって
いるため、酸性の洗浄剤と尿石との反応に際しては、不
溶解性有機物が反応を阻害するので、多量の尿石が付着
している場合においては、強酸性であり、かつ濃度の濃
い洗浄剤を使用しなければ、尿石を溶解除去することは
困難となる。
【0032】しかしながら、尿が排出されて洗浄水によ
り洗い流されるまでの1〜4時間の間に「トイ」に付着
する尿石の量は微少量であり、弱酸性かつ低濃度の酸性
液でも充分に溶解除去が可能である。
【0033】尿石の付着量は、実験動物の飼育数や洗浄
水の流出間隔によって異なるが、通常は洗浄水のpHが
5以下になる程度の酸性物質の添加量で「トイ」への尿
石付着防止は可能であり、飼育数が多く、洗浄水の流出
間隔が長い場合でも洗浄水pHが4以下になる程度に酸
性物質を添加すれば「トイ」への尿石防止は可能であ
る。
【0034】ところが、尿石の付着防止のため酸性物質
を添加した場合、洗浄水のpHは3〜5程度になってあ
り、かかる環境の下においては、通常の微生物の繁殖は
抑制されるが、真菌類はこのpHでも繁殖可能であり、
界面活性剤を栄養源として繁殖し付着物として作業者に
不快感を与え、かつ実験動物の飼育環境を低下させるこ
とが問題となった。
【0035】かかる問題は、尿石防止剤中に防黴剤を添
加するか、防黴剤を別薬剤として尿石防止剤を添加した
洗浄水中に添加することにより解決される。すなわち、
酸性物質を添加する際に同時に防黴剤を添加することに
より、真菌類の繁殖を防止することが可能となる。
【0036】洗浄水中の防黴剤の濃度は防黴剤の種類に
より異なるが、通常、0.1〜10ppm程度で真菌の
繁殖を防止することできるが、防黴剤の成形体を溶解器
や洗浄水タンク内に投入する方法では、成形体を1ヵ月
〜1年に一回投入することによって付着物の発生を防止
することが可能である。
【0037】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明す
る。但し本発明の範囲は、下記実施例により何等限定さ
れるものではない。
【0038】薬剤の調製 実施例1 リンゴ酸82%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル(HLB14.1)6%、ジオクチルスルフォコ
ハク酸ナトリウム6%、アルキルチオ尿素系腐食防止剤
0.5%、トリアゾール系腐食防止剤0.5%、及び
2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−1−オキサイド)
3%の配合割合からなる混合粉末D−1を調製した。本
薬剤は使用時に水に溶解し10%水溶液として試験に使
用した。
【0039】実施例2 アジピン酸88%、分子量約10,000のエチレンオ
キサイド−プロピレンオキサイドブロックポリマー2部
とジ−2−エチルヘキシルスルフォコハク酸エステルナ
トリウム塩1部との混合物顆粒5%、アルキルチオ尿素
系腐食防止剤1%、ポリエチレングリコ─ル微粉末5
%、3−ヨード−2−プロパギルブチルカルバミン酸粉
末1%、及びアルキルチオ尿素系腐食防止剤1%の配合
割合からなる混合物を加圧成形し、直径60mm、厚さ
40mmの錠剤D−2を製造した。
【0040】実施例3 コハク酸88%、分子量約13,000のエチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイドブロックポリマー2部、
ソルビタンモノオレート1部、及び2,3,3−トリヨ
ードアリルアルコール0.1部からなる溶融混合物顆粒
10%、アルキルチオ尿素系腐食防止剤1%、及びトリ
アゾール系腐食防止剤1%の配合割合からなる混合物を
加圧成形し、直径50mm、厚さ30mmの錠剤D−3
を製造した。
【0041】実施例4 3−ヨード−2−プロパギルブチルカルバミン酸の粉末
を加圧成形し、直径50mm、厚さ20mmを製造し
た。この錠剤1錠及びコハク酸88%、分子量約13,
000のエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブ
ロックポリマー2部とソルビタンモノオレート1部の溶
融混合物顆粒10%、アルキルチオ尿素系腐食防止剤1
%、並びにトリアゾール系腐食防止剤1%の配合割合か
らなる混合物を加圧成形して製造した直径50mm、厚
さ30mmの錠剤3錠の組み合わせをD−4とした。
【0042】比較例1 リンゴ酸85%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル(HLB14.1)6%、ジオクチルスルフォコ
ハク酸ナトリウム6%、アルキルチオ尿素系腐食防止剤
0.5%、及びトリアゾール系腐食防止剤0.5%の配
合割合からなる混合粉末R−1を調製した。本薬剤は使
用時に水に溶解し10%水溶液として試験に使用した。
【0043】比較例2 アジピン酸89%、分子量約10,000のエチレンオ
キサイド−プロピレンオキサイドブロックポリマー2
部、ジ−2−エチルヘキシルスルフォコハク酸エステル
ナトリウム塩1部との混合物顆粒5%、アルキルチオ尿
素系腐食防止剤1%、及びポリエチレングリコール微粉
末5%の配合割合からなる混合物を加圧成形し、直径6
0mm、厚さ40mmの錠剤R−2を製造した。
【0044】比較例3 コハク酸88%、分子量約13,000のエチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイドブロックポリマー2部、
ソルビタンモノオレート1部の溶融混合物顆粒10%、
アルキルチオ尿素系腐食防止剤1%、及びトリアゾール
系腐食防止剤1%の配合割合からなる混合物を加圧成形
し、直径50mm、厚さ30mmの錠剤R−3を製造し
た。
【0045】比較例4 コハク酸98%、アルキルチオ尿素系腐食防止剤1%、
及びトリアゾール系腐食防止剤1%の配合割合からなる
混合物を加圧成形し、直径50mm、厚さ30mmの錠
剤R−4を製造した。
【0046】以上調製したD−1〜D−4、R−1〜R
−4の薬剤を用い、後記の薬剤添加方法及び評価方法に
て評価試験を行った。
【0047】比較例5 また、薬剤を添加しない水道水を用いて評価試験を実施
した。
【0048】薬剤添加方法 前記で得られた本発明の薬剤及び比較用薬剤を用い、以
下の方法により洗浄水に添加して試験した。
【0049】<薬剤D−1、R−1の場合>常時30l
の洗浄水を貯水し、タイマーにより一定時間毎にその貯
蔵水を流出し、洗浄水流出後は速やかに再度洗浄水が補
給される方式の洗浄水貯水槽に、pH計と攪拌装置と薬
剤をポンプにより洗浄水貯水槽に注入し、貯水槽内の洗
浄水のpHを4.4にするpHコントロール装置をセッ
トした。
【0050】<薬剤D−2、R−2の場合>上記洗浄水
貯水槽に薬剤を3日に一回3個づつ投入した。
【0051】<薬剤D−3、D−4、R−3、R−4の
場合>上記洗浄水貯水槽に尿石防止剤3個を収納し、洗
浄水流出時に貯水槽水面の下降に伴い薬剤水溶液が貯水
槽に流出し、洗浄水に混入する溶解器をセットした(特
願平4−158518号参照)。この溶解器は貯水槽よ
り流出する洗浄水中の薬剤濃度は初期流出水には低濃度
であり、最終流出水が高濃度となるタイプのものであ
り、薬剤3個が3日で溶解するように溶解器を調節し
た。なお、薬剤D−4においては、2回目以降の薬剤投
入時において防黴剤の投入は、初期の薬剤投入分が残存
しているので防黴剤を投入せず、尿石防止剤錠剤3錠の
みを投入した。
【0052】評価試験 各段に5ケージをセットできる3段の水洗式実験動物飼
育用架台に各薬剤をセットした洗浄水貯水槽を設置し
た。各段の「トイ」の尿石を完全に除去した後に各ケー
ジで各々3匹のモルモットを飼育し、2ヵ月後の洗浄水
タンク内の付着物発生状況と「トイ」への尿石の付着状
態を観察した。洗浄水を流す間隔は1時間に一回30l
とし、試験期間中「トイ」面は3日に一回ブラシと水に
よる洗浄を行い、薬剤は洗浄水が所定のpHを保つ様に
定期的に補給した。
【0053】以上、評価結果を纏めて表1に示した。な
お、表中の記号は下記の事項を意味する。 (真菌繁殖状態)2ヵ月経過後の洗浄水タンク内、溶解
器内の真菌由来の付着物発生状況を目視観察した。 ◎:付着物なし ○:付着物殆どなし △:付着物
発生 ×:付着物多量に発生 (尿石の付着)2ヵ月経過後の「トイ」の尿石付着状況
を目視観察した。 ◎:尿石付着なし ○:尿石付着殆どなし △:尿石
付着 ×:尿石多量に付着
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の酸性物質と界面活性剤を有効成
分とし、防黴剤を添加した水洗式実験動物飼育架台の尿
石防止剤、及び防黴剤を尿石防止剤中には添加しないが
別薬剤として尿石防止剤と同時に洗浄水に溶解させる方
法は、前記評価試験結果の表1に示す如く、実験動物飼
育時に「トイ」に付着する尿石の付着防止に顕著な効果
を発揮し、かつ洗浄水タンク内や溶解器内に真菌由来の
付着物を発生し、実験動物の飼育環境を悪化させる事も
なくなる。
【0056】従って、本発明は、水洗式実験動物飼育架
台の「トイ」に発生し、悪臭や雑菌の繁殖により実験動
物の飼育環境を悪化させる尿石の防止薬剤及び防止方法
であり、試験精度の向上と飼育労力の低減による科学的
かつ産業的意義は極めて大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防黴剤を含有することを特徴とする水洗式
    実験動物飼育用架台の尿石防止剤
  2. 【請求項2】酸性物質、界面活性剤及び防黴剤を含有す
    ることを特徴とする水洗式実験動物飼育用架台の尿石防
    止剤
  3. 【請求項3】防黴剤が、2−メトキシカルボニルアミノ
    ベンズイミダゾール、2,3,3−トリヨードアリルア
    ルコール、2−ピリジンチオール−1−オキサイド亜鉛
    塩、4−クロルフェニル−3−ヨードプロパギルホルマ
    ール、3−ヨード−2−プロパギルブチルカルバミン
    酸、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエ
    チルカルボナート、5−クロロ−2メチル−イソチアゾ
    リン−3−オン、2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−
    1−オキサイド)、ジヨードメチル−p−トリスルホ
    ン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスル
    ホニル)ピリジン、2−チオシアノメチルチオベンズチ
    アゾール及びチアベンダゾールからなる群から選ばれる
    少なくとも1種である請求項1及び2記載の水洗式実験
    動物飼育用架台の尿石防止剤
  4. 【請求項4】酸性物質、界面活性剤及び防黴剤を含有す
    る混合物を洗浄水に添加することを特徴とする実験動物
    飼育用架台の尿石防止方法
  5. 【請求項5】防黴剤を含有する成形体を酸性物質と界面
    活性剤の成形体用溶解器中に共存させることを特徴とす
    る請求項3記載の実験動物飼育用架台の尿石防止方法
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