JPH0714897A - 電流駆動導電性材料評価方法 - Google Patents

電流駆動導電性材料評価方法

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JPH0714897A
JPH0714897A JP5148831A JP14883193A JPH0714897A JP H0714897 A JPH0714897 A JP H0714897A JP 5148831 A JP5148831 A JP 5148831A JP 14883193 A JP14883193 A JP 14883193A JP H0714897 A JPH0714897 A JP H0714897A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は短時間で配線材料のエレクトロマイ
グレーションおよびストレスマイグレーション耐性を独
立に評価できる電流駆動導電性材料評価方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】 配線に第1の電流を流して抵抗値を測定した
後、第1の電流よりも大きな第2の電流を所定の時間流
して配線に物性変化を生ぜしめた後、再び第1の電流で
配線の抵抗値を測定する操作を繰り返すことにより、配
線の信頼性を加速評価する方法において、第2の電流を
流す時間を、第1の電流よりも充分に小さくして第2の
電流通電時の温度上昇を50℃以下に制御し配線のエレ
クトロマイグレーション耐性を計測する。また、第2の
電流をエレクトロマイグレーションが起こらない電流値
とし、繰返し周期を10msec以下で、第2の電流通電時
の配線温度の上昇を100℃以上となるように第2の電
流を流す時間を設定して、配線のストレスマイグレーシ
ョンを計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電流駆動導電性材料評価
方法に係わり、さらに詳しくは、例えば、LSI等に用
いられる各種導電性材料のエレクトロマイグレーション
及びストレスマイグレーション耐性をそれぞれ独立に効
率よく測定する評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を、導電性材料としてLSI
の配線材料を例にとり説明する。LSIの配線材料とし
て、現在、主に、AlやAlに数%のSiを混入したA
l−Si合金、あるいはCuを少量加えたAl−Si−
Cu合金などが用いられている。
【0003】LSIの高集積化に伴い、これらの配線の
線幅は益々細くなると共にその長さも長くなり、さらに
配線の本数も増加する傾向にある。一方、LSIでは高
集積化と同時に高速動作が要求され、その結果、配線に
流れる電流は増加する傾向にある。即ち、単位断面積当
たりに流れる電流密度はLSIの高集積化と共に益々増
大しつつある。しかしながら、金属配線に大きな電流を
流すと、電流の流れる方向とは逆方向に金属原子が移動
し、配線の一部が徐々に細くなりついには断線にいたる
ことがある。この現象はエレクトロマイグレーションと
呼ばれる。さらに配線間を流れる電流密度が増加すると
その配線のジュール発熱により配線に熱ストレスが生じ
配線を劣化せしめる。この現象はストレスマイグレーシ
ョンと呼ばれる。金属配線の信頼性は上記2つの現象に
よって決定されるといっても過言ではない。そこで、よ
り高性能なLSIの開発には、エレクトロマイグレーシ
ョン、及びストレスマイグレーション耐性の高い材料が
要求され、その材料開発においては材料のそれらの現象
に対する強度を厳密に評価することが重要となる。
【0004】従来の配線の信頼性の評価方法は以下の通
りである。通常のLSI配線ではせいぜい105A/c
2程度の電流しか流さないが、信頼性試験では、配線
の信頼性試験時間を短くするために1桁大きな電流密度
10 6A/cm2の電流を配線に流す方法がとられてい
る。また、劣化をさらに加速するために、雰囲気温度を
250℃程度に上げる方法が採用されている。しかしな
がら、このような加速試験においても、通常のAl−S
i合金配線では、短寿命のものでも、一ヶ月以上経過し
ないと断線には至らず、実際は例えば、配線の抵抗をモ
ニターし、テスト前の値に対し、例えば5%あるいは1
0%増加した寿命を持ってその配線の寿命とする方法が
取られている。にもかかわらず、多くの場合、抵抗値が
以上の変化を示すまでには、数週間から一ヶ月程度の時
間を要し、特に材料開発の目標とする、より信頼性の高
い配線材料の場合は、さらに長い時間を要するため、配
線材料における評価方法としては、現実には有効な方法
とはなり得ないものであった。
【0005】そこで、劣化試験をさらに加速するため
に、より高密度の電流を流すことが望まれる。しかしよ
り高密度の電流を流そうとすると、ジュール熱により配
線が加熱され、その結果抵抗が増加し、また配線がさら
に加熱されるということが起こり、配線温度は暴走して
熱による配線の溶断が起こってしまう。
【0006】この問題を解決するために、本発明者は配
線パターンに第1の電流を流して配線の抵抗値を測定し
た後、この配線パターンに第1の電流よりも大きな電流
値を有する第2の電流を流してこの配線を加熱すると同
時に、温度上昇の暴走が起こらないように外部から冷却
して配線パターンの温度を制御し、第2の電流をきった
後再び第1の電流を流すことにより配線パターンの抵抗
値を測定する操作を複数回繰り返すことにより熱暴走に
よる配線の溶断を起こすことなく配線の信頼性試験時間
の短縮に成功している(特願平3−126732号)。
しかし、この方法では試験時間を短縮することは可能で
あるが、エレクトロマイグレーションによって配線が劣
化したのか、ストレスマイグレーションによって配線が
劣化したのかを区別することができないという問題があ
ることが分かった。今後配線の信頼性をさらに詳しく追
求するためには、これらの現象による配線の劣化を区別
して評価することが必要となってくる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の現状に対し、本
発明は短時間で配線材料のエレクトロマイグレーション
およびストレスマイグレーション耐性を独立に評価で
き、材料開発に有効にフィードバックできる電流駆動導
電性材料評価方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
導電性材料よりなる配線パターンに第1の電流を流すこ
とにより前記配線パターンの抵抗値を測定した後、前記
配線パターンに前記第1の電流よりも大きな電流値を有
する第2の電流を所定の時間流すことにより前記配線パ
ターンにエレクトロマイグレーションを生ぜしめ、前記
第2の電流を切った後再び前記第1の電流を流して前記
配線パターンの抵抗値を計測する操作を複数回繰り返す
ことにより前記配線パターンのエレクトロマイグレーシ
ョン耐性を加速評価する方法において、前記第2の電流
を流す時間を、前記第1の電流を流す時間より充分に小
さくすることにより、前記第2の電流通電時の温度上昇
を前記第1の電流通電時の温度に比べ50℃以下に制御
して前記配線のエレクトロマイグレーション耐性を計測
することを特徴とする電流駆動導電性材料評価方法に存
在する。
【0009】本発明の第2の要旨は、導電性材料よりな
る配線パターンに第1の電流を流すことにより前記配線
パターンの抵抗値を測定した後、前記配線パターンに前
記第1の電流よりも大きな電流値を有する第2の電流を
所定の時間流すことにより前記配線パターンにストレス
マイグレーションを生ぜしめ、前記第2の電流を切った
後再び前記第1の電流を流して前記配線パターンの抵抗
値を計測する操作を複数回繰り返すことにより前記配線
パターンのストレスマイグレーションを加速評価する方
法において、前記第2の電流を実質的にエレクトロマイ
グレーションが起こらない電流値とし、前記第2の電流
を流す繰り返し周期を10msec以下として前記第2
の電流通電時の前記配線パターンの温度が前記第1の電
流通電時の温度に比べ100℃以上上昇するように前記
第2の電流を流す時間を設定することにより、前記配線
パターンに生じるストレスマイグレーションを計測する
ことを特徴とする電流駆動導電性材料評価方法に存在す
る。
【0010】
【作用】エレクトロマイグレーションを発生しない電流
密度の第1の電流で抵抗値をモニターし、高電流密度の
第2の電流でエレクトロマイグレーションを発生させ、
これにより抵抗値が所定の値になった時を配線寿命とし
て配線のエレクトロマイグレーション耐性を計測する。
この際、第2の電流を印加したときに発生するジュール
熱により第1の電流を流したときの配線温度よりも50
℃以上上昇しないように、第2の電流を流す時間、周期
を設定することにより、熱暴走に起因する制御困難な温
度上昇によるエレクトロマイグレーションの加速を防ぐ
ことができ、所定の温度でエレクトロマイグレーション
の計測が可能となる。また、配線温度の上昇を50℃以
下に抑えるためストレスマイグレーションは実質的には
起こらず、その結果、ブラックの経験式((I)式)に
より任意の条件での配線のエレクトロマイグレーション
耐性だけを正確に見積もることが可能となる。
【0011】一方、ストレスマイグレーションの測定に
おいては、第2の電流の印加時間及び電流密度をエレク
トロマイグレーションが起こらないが、ジュール熱によ
る配線温度上昇が見られる値に設定し、この第2の電流
を繰り返し印加してストレスマイグレーションを起こさ
せ、配線の温度変化を起こさない電流密度の第1の電流
で配線の抵抗値をモニターすることにより、ストレスマ
イグレーション耐性だけを評価することができる。
【0012】(実施態様例)以下に本発明の実施態様例
を説明する。
【0013】図1は本発明のエレクトロマイグレーショ
ン耐性及びストレスマイグレーション耐性の評価に用い
る装置である。図1において、1は導電性材料の配線を
形成した基板、2は外部接続用のピンを有するプリント
基板、3は基板保持手段、4は熱流体容器、5は熱流体
導入口、6は熱流体排出口、 7は熱流体導入管、8は
仕切部、9は流量制御手段、10は流量計、11は熱流
体温度制御手段、12は配管である。
【0014】導電性材料としては、LSIの配線材料が
典型例としてあげられる。LSIの配線材料としては、
例えば、Al,Al−Si(2〜5%)合金、Al−S
i(1〜5%)−Cu(1〜5%)合金、Cu,W,M
o,Ti,WSi2,MoSi2,TiSi2,あるいは
ポリシリコンなどの他、これらの材料が層状に形成され
た配線、例えば、AlとTiなどの高融点材料を交互に
積み重ねた配線などがあげられる。なお、これら以外
に、超伝導体も導電性材料として例示することができ
る。
【0015】基板としては、例えば、Siウェハ、Si
ウェハの表面に0.01〜1μmシリコン酸化膜または
シリコン窒化膜を形成した基板、ガラス基板、アルミナ
等のセラミック基板、表面に例えばSiO2等の絶縁膜
を形成した銅製基板等があげられる。銅製の基板の場
合、熱伝導率が高いため冷却効率が良くなり、より高電
流密度の実験が可能となる。これらの基板の上に配線材
料の薄膜を、例えば、蒸着、スパッタ、CVD、MOC
VD法で0.7〜1μm程度形成し、例えば、長さ0.
1〜1mm、幅0.3〜5μmのエレクトロマイグレー
ションあるいはストレスマイグレーション耐性計測用配
線パターンを形成する。
【0016】基板を保持する手段(基板保持手段)とし
ては、配線パターンが形成された基板を保持することが
でき、また温度制御手段に取り付け可能なものであれば
特に限定はされないが、基板より大きな径を有し、厚さ
2〜5mmの銅板、アルミ板あるいはセラミック板が例
示される。このうち熱伝導率が良好な銅板が望ましい。
なお、基板は、例えば、インジウムのような低融点金属
を用いて基板保持手段に接着すれば良い。また、基板保
持手段には、複数の基板を保持せしめてもよい。さら
に、基板の他に配線パターンを電源、計測器と接続せし
めるための引きだし用プリント基板を保持せしめても良
い。
【0017】本発明において、配線に第1の電流を流す
ための手段としては、配線パターンのパッド部とプリン
ト基板の対応するパッドを接続する、例えば、ワイヤー
ボンディング等の接続手段、プリント基板の引きだし用
ピンと電源とを接続するための、例えば、コネクター等
の接続手段、及び電源により構成される。
【0018】また配線の抵抗値を測定する手段として
は、配線パターンのパッド部とプリント基板の対応する
パッドを接続する、例えばワイヤーボンディング等の接
続手段、プリント基板のピンと電圧計とを接続するため
の、例えば、コネクター等の接続手段、及び電圧計によ
り構成される。
【0019】第1の電流よりも大きな電流値を有する第
2の電流を流す手段としては、第1の電流を流す手段を
共用しても良いし、別に設けても良い。この場合電源と
しては、直流電源に限らず交流電源を用いても良い。ま
た交流電源は、正弦波出力をもったものでも良いし、パ
ルス出力のものでも良い。さらに直流に交流を重畳させ
たものを用いても良いことは言うまでもない。ストレス
マイグレーションの測定では、交流電源を用いるのが好
ましく、特に絶対値が等しいものが好ましい。これによ
り、エレクトロマイグレーションはより一層抑制できる
ため、高電流密度、高温でのストレスマイグレーション
を測定することができる。
【0020】基板(配線)の温度を制御する手段として
は、たとえば図1に示した構成のものが用いられる。熱
流体導入口5は、容器1内部で熱流体導入管7と接続さ
れ、配線で発生する熱を効率的に取り除いたりあるいは
配線に熱を供給したりするために、導入管の先端は基板
1の直下に配置される。また、容器内部には、空気の滞
留を防ぐために、導入管7を取り囲むようにして仕切り
部8がもうけられている。排出口6は、仕切部の上端よ
りも低位の位置にとりつけられ、断熱性のパイプ12を
介して熱流体温度制御手段11の導入口に連結される。
一方、熱流体導入口5は、流量計10、流量制御手段
9、断熱性パイプ12を介し、熱流体温度制御手段11
の熱流体出口に接続されている。
【0021】熱流体流量制御手段9及び熱流体温度制御
手段11は、配線の温度検知手段の出力を入力信号とし
て熱流体流量及び温度を制御し、配線温度を所定の値に
維持するために設けられる。
【0022】温度検知手段は、配線温度を測れるもので
あれば適宜のものが用いられる。例えば、上記第2の電
流を流す手段と抵抗値を測定するための手段とをそのま
ま用いることができる。すなわち、配線の比抵抗の温度
特性をあらかじめ測定しておき、第2の電流を流したと
きに配線両端での電位差から配線抵抗値を求め、先の比
抵抗温度特性を参照することにより、配線温度を求める
ことが可能である。その他、熱電対等の接触式の温度計
や、焦電素子やサーモパイル等の非接触式温度計等も用
いることもできる。
【0023】配線温度を所定の温度を保つためには、熱
流体の流量及び温度を制御することにより行う。熱流体
の流量を制御する手段としては、一般のバルブを用いる
ことができるが、上記の温度検知手段からの出力信号を
入力信号として流量を制御できる電磁式のバルブが望ま
しい。また、熱流体の温度を制御する手段としては、例
えば、恒温槽などが用いられるが、同様に温度検知手段
からの出力信号を入力信号として熱流体温度を制御でき
る加熱器及び冷却器を備えたものが好ましい。
【0024】次に導電体のエレクトロマイグレーション
のみに対する寿命を求める方法を図2(a)を用いて説
明する。図2(a)は、第1の電流と第2の電流を繰り
返し流した時の配線パターンの抵抗値が変化する様子を
示している。
【0025】導電体の配線パターンに、エレクトロマイ
グレーションの起こらない電流、例えば102〜106
/cm2の範囲の任意の第1の電流を流し、パターンの
両端の電位差から配線の抵抗の初期値を得る。次に配線
からのジュール発熱による温度上昇が追随できないほど
短いパルス幅の第2の電流を印加する。このパルス幅
は、用いる電流密度との関係から適宜決定されるが、例
えば106〜109A/cm2程度の電流密度の場合は、
10psec〜50nsec程度のパルス幅が用いられ
る。また、デューティ比は、通常50%以下が用いられ
る。従ってこのときの配線温度は基板の温度制御手段の
みにより設定される。このときの第2の電流の大きさは
パルスの出力電流値で定義する。従ってエレクトロマイ
グレーションを起こす電流の大きさと試験温度は独立に
制御することができる。また異なった温度の測定を行う
には、熱流体の温度を変更して行えばよい。一方、第2
の電流による温度上昇は50℃以下に抑えられるためス
トレスマイグレーションを実質的に無視できる。
【0026】パルスを印加した後ここで再び抵抗値を測
定する。このときの抵抗値は、第2の電流を印加したこ
とによる、エレクトロマイグレーション効果により初期
値より大きな値になる。以上の操作を繰り返すと、抵抗
値が徐々に大きくなり、初期値から5%あるいは10%
増加した点を配線寿命とする。この寿命の定義は5%、
10%以外のいかなる変化によって定義してもよい。ま
た第1の電流による抵抗測定は、第2の電流パルスを数
回繰り返し印加した後でも良い。
【0027】本発明においては第1の電流は、直流、交
流のどちらを用いてもよい。交流の場合には、抵抗測定
時に生ずるエレクトロマイグレーション効果は抑制され
る。エレクトロマイグレーションによる配線劣化は、一
般に下記の経験式(1)で表される。
【0028】 τ=(A/Jn)・exp(E/kT) (1) (通常n=2) τ:寿命 k:ボルツマン定数 T:温度(K) J:電流密度 E:活性化エネルギー A:定数
【0029】(1)式から明らかなように、2種類以上
の温度で上記試験を行うことで、未知の定数A,Eが決
まる。その結果、任意の温度でのエレクトロマイグレー
ションに対する寿命と電流密度の積が求まり、例えば、
ある電流密度での寿命や、必要な寿命に対する最大許容
電流密度を推定することができる。
【0030】以上に述べたように、本発明により、配線
の発熱が温度上昇にほとんど寄与しないため熱暴走が抑
えられる結果、より高密度の電流を流すことができ、よ
り高温でのエレクトロマイグレーション耐性評価試験を
行うことも可能となる。即ち、より短時間でエレクトロ
マイグレーション耐性を試験することが可能となる。
【0031】次に導電体のストレスマイグレーションの
みに対する寿命を求める方法を図2(b)を用いて説明
する。図2(b)は、第1の電流と第2の電流を繰り返
し流した時の配線パターンの抵抗値が変化する様子を示
している。
【0032】導電体の配線パターンに、例えば、102
〜104A/cm2の範囲程度の任意の第1の電流を流
し、パターンの両端の電位差から配線の抵抗の初期値を
求める。次に配線でエレクトロマイグレーションの効果
の少ない電流密度、例えば、104〜106A/cm2
度で配線によるジュール発熱が十分に起こるパルス電流
を用いて第2の電流を印加する。このときの配線温度は
基板の温度制御手段のみではなく、配線で生じるジュー
ル熱により設定される。このときの第2の電流の大きさ
はパルスの出力電流値で定義する。
【0033】パルスを印加した後ここで再び抵抗値を測
定する。このときの抵抗値は、第2の電流を印加したこ
とによる、ストレスマイグレーション効果により初期値
より大きな値になる。以上の操作を繰り返すと、抵抗値
が徐々に大きくなり、初期値から5%あるいは10%増
加した点を配線寿命とする。この寿命の定義は5%、1
0%以外のいかなる変化によって定義してもよい。また
第1の電流による抵抗測定は、第2の電流を数回繰り返
した後でも良い。本発明に於いては第1及び第2の電流
は、直流、交流のどちらを用いてもよい。
【0034】以上に述べたように、本発明により、第2
の電流を流す際に熱を発生させるが、パルスにより電流
を印加するためにジュール発熱で生ずるストレスによる
効果が大きくなり、ストレスマイグレーションのみによ
る抵抗値変化を短時間で求めることが可能となる。ま
た、配線を加熱するための第2の電流を流す際に発生す
る余分な熱は基板の温度制御手段により効果的に取り除
くことができ、その結果熱暴走が抑えられる。即ち、よ
りパルス幅の長い電流を流すことにより、より高温での
ストレスマイグレーション耐性評価試験を行うことも可
能となる。
【0035】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明がこれら実施例に限定されないことは言うま
でもない。
【0036】表面に0.5μmの熱酸化膜を形成したS
iウェハ上に蒸着あるいはスパッタ法でCuを1μm形
成した。その後エッチングにより、1mm×1mmのV
ANDER PAUWパターンを基板当たり100個形
成した。CVD法でウェハ表面にシリコン酸化膜を1μ
m形成し、パット部をエッチングで除去した後ダイシン
グして基板を作製した。
【0037】この基板とワイヤボンディング用パッド及
び外部引きだし用ピンを有すセラミック製プリント基板
を50mmφ、2mmtの銅板の上にインジウムを用い
て接着し、その後基板上の配線とプリント基板上の対応
するパッド間をワイヤボンディングで接続した。この銅
板を図1に示した容器にOリングを介してネジで固定し
た。容器の熱流体導入口及び排出口は恒温槽と連結さ
れ、熱流体は常に所定の温度に保たれるようにした。
【0038】次に図3の概念図に示すように、2組のパ
ッドの一方に、パルス電源とオシロスコープ1を直列に
接続し、他方の組のパッド2はオシロスコープ2を接続
した。本実施例では、パルス電源、オシロスコープ1、
2の信号出入力ポートを、コンピュータと接続し、コン
ピュータにより第1の電流値及び第2の電流値及びオン
−オフのタイミング制御、配線抵抗値の計算、配線温度
の計算とそれに基づく熱流体の温度制御を行った。
【0039】続いて、以下に述べる方法でエレクトロマ
イグレーションにたいする配線の寿命を求めた。まず、
各配線に第1の電流を流し、各々の抵抗を測定した。次
に電流値を瞬時に上げて所定の電流密度に対応する第2
の電流値とし、温度を上昇させない程度の短い時間保持
し、瞬時に電流を第1の電流値まで下げて抵抗値を測定
した。抵抗値が初期値より5%増加するまで上記の操作
を繰り返した。
【0040】第1の電流及び第2の電流は、それぞれ1
×104A/cm2及び0.5〜1.5×107A/c
2、パルス幅を10nsec、デューティ比0.5と
した。また、熱流体温度を77℃、127℃とした。第
2の電流を流したときの配線温度を、第2の電流通電時
の抵抗値測定から求めたところ、0.5〜1.5×10
7A/cm2のいずれの電流密度の場合も温度上昇はみら
れなかった。
【0041】配線の抵抗値が5%増加するまでの寿命時
間を図4(a)、(b)に示した。図の直線は、各温度
でのデータの平均値を最小2乗法により直線近似して求
めたものである。図4(a),(b)の直線の傾きは一
致した。即ち、(1)式が成立し、温度を変えて測るこ
とによりEとAがそれぞれ正確に決定することができる
ことを示している。本実施例においては、E=1.2,
A=3となった。従来法による測定では、E=0.8,
A=2.65となり、本実施例によりストレスマイグレ
ーションの影響を取り除き、エレクトロマイグレーショ
ンだけによる配線劣化が得られることが分かる。
【0042】以上のように、本発明により配線材料のエ
レクトロマイグレーション耐性のみの評価を行うことが
可能である。
【0043】続いて、以下に述べる方法でストレスマイ
グレーションに対する配線の寿命を求めた。まず、各配
線に第1の電流を流し、各々の抵抗を測定した。次に電
流値を瞬時に上げ、所定の電流密度に対応する第2の電
流値とし、温度を上昇させた後、瞬時に電流を第1の電
流値まで下げ、抵抗値を測定した。
【0044】第1の電流及び第2の電流は、それぞれ1
×102A/cm2及び4×104A/cm2、第2の電流
のパルス幅を100nsec、10μsec、デューテ
ィ比を0.5とし、熱流体温度は127℃とした。第2
の電流を印加したときの配線温度は、第1の電流値を流
したときの温度に対しパルス幅100nsecで100
℃、パルス幅10μsecで210℃上昇した。
【0045】Cuスパッタ膜について、配線の抵抗値が
増加する様子を図5に示した。図の直線は、各温度での
データの平均値を最小2乗法により直線近似して求めた
ものである。
【0046】以上のようにして、ストレスマイグレーシ
ョンだけによる抵抗値変化が得られ、配線材料のストレ
スマイグレーション耐性のみの評価を行うことが可能と
なる。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明により、短時間で配線材
料のエレクトロマイグレーション耐性を正確に計測する
ことが可能となり、また請求項2の発明によりストレス
マイグレーション耐性を計測することが可能となる。即
ち、本発明によりエレクトロマイグレーション及びスト
レスマイグレーションを独立に評価でき、材料開発に有
効にフィードバックできる電流駆動導電性材料評価方法
を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電流駆動導電性材料評価装置の一構成を示す概
念図。
【図2】第1の電流と第2の電流を繰り返し流したとき
の配線パターンの抵抗値の変化を示すグラフ。
【図3】評価測定系の構成を示す概念図。
【図4】Cuスパッタ膜の任意の電流密度でのエレクト
ロマイグレーションに対する寿命(τ)と電流密度1/
2の関係を示すグラフ。
【図5】Cuスパッタ膜へ印加するパルスの数と抵抗地
変化の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 基板、 2 プリント基板、 3 基板保持手段、 4 容器、 5 熱流体導入口、 6 熱流体排出口、 7 熱流体導入管、 8 仕切部、 9 流量制御手段、 10 流量計、 11 熱流体温度制御手段、 12 配管。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性材料よりなる配線パターンに第1
    の電流を流すことにより前記配線パターンの抵抗値を測
    定した後、前記配線パターンに前記第1の電流よりも大
    きな電流値を有する第2の電流を所定の時間流すことに
    より前記配線パターンにエレクトロマイグレーションを
    生ぜしめ、前記第2の電流を切った後再び前記第1の電
    流を流して前記配線パターンの抵抗値を計測する操作を
    複数回繰り返すことにより前記配線パターンのエレクト
    ロマイグレーション耐性を加速評価する方法において、
    前記第2の電流を流す時間を、前記第1の電流を流す時
    間より充分に小さくすることにより、前記第2の電流通
    電時の温度上昇を前記第1の電流通電時の温度に比べ5
    0℃以下に制御して前記配線のエレクトロマイグレーシ
    ョン耐性を計測することを特徴とする電流駆動導電性材
    料評価方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の電流を106〜109A/cm
    2としたとき、前記第2の電流を印加する時間は、10
    psec〜50nsecであることを特徴とする請求項
    1に記載の電流駆動導電性材料評価方法。
  3. 【請求項3】 導電性材料よりなる配線パターンに第1
    の電流を流すことにより前記配線パターンの抵抗値を測
    定した後、前記配線パターンに前記第1の電流よりも大
    きな電流値を有する第2の電流を所定の時間流すことに
    より前記配線パターンにストレスマイグレーションを生
    ぜしめ、前記第2の電流を切った後再び前記第1の電流
    を流して前記配線パターンの抵抗値を計測する操作を複
    数回繰り返すことにより前記配線パターンのストレスマ
    イグレーションを加速評価する方法において、前記第2
    の電流を実質的にエレクトロマイグレーションが起こら
    ない電流値とし、前記第2の電流を流す繰り返し周期を
    10msec以下として、前記第2の電流通電時の前記
    配線パターンの温度が前記第1の電流導通時の温度に比
    べ100℃以上上昇するように前記第2の電流を流す時
    間を設定することにより、前記配線パターンに生じるス
    トレスマイグレーションを計測することを特徴とする電
    流駆動導電性材料評価方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の電流を104〜106A/cm
    2とした時、前記第2の電流を流す時間は、100ns
    ec〜10μsecであることを特徴とする請求項3に
    記載の電流駆動導電性材料評価方法。
  5. 【請求項5】 第2の電流は、正逆方向の電流を交互に
    印加することを特徴とする請求項3または4に記載の電
    流駆動導電性材料評価方法。
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