JPH0715152B2 - 酸素陰極の保護方法 - Google Patents

酸素陰極の保護方法

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JPH0715152B2
JPH0715152B2 JP4088313A JP8831392A JPH0715152B2 JP H0715152 B2 JPH0715152 B2 JP H0715152B2 JP 4088313 A JP4088313 A JP 4088313A JP 8831392 A JP8831392 A JP 8831392A JP H0715152 B2 JPH0715152 B2 JP H0715152B2
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oxygen cathode
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン交換膜法電解に
使用する酸素陰極の保護方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ナトリウム水溶液をイオン交換膜法
で電解し苛性ソーダを得るに際して、陰極にガス拡散電
極、例えば酸素陰極を使用する提案は種々なされてい
る。このイオン交換膜法電解は、一般に陽イオン膜であ
るイオン交換膜により陽極室と陰極室とに区画された電
解槽で行われ、電解槽の大要は、陽極を有し塩化ナトリ
ウム水溶液を入れた陽極室と、陰極により水または苛性
ソーダ水溶液を入れた電解液室と酸素含有ガスを入れた
ガス供給室とに区画された陰極室と、それらを区画する
イオン交換膜とから構成されている。電解槽の両電極間
に通電して電解する際に、陰極としてガス拡散電極(素
材が多孔質体からなりガス供給室から酸素含有ガスが供
給されるいわゆる酸素陰極)を用いて電解することによ
り、陰極の電解液室に苛性ソーダを得るものであって、
酸素ガス拡散電極を使用によりその陰極で水素−酸素反
応が起こり、陰極電位が低下するため、電解電圧が著し
く低減されるという利点を有する。
【0003】従来、高純度、高濃度の苛性ソーダを得る
ため提案されている酸素陰極を備えた塩化ナトリウム水
溶液のイオン交換膜法電解槽の典型的な構造を図4によ
り説明する。図4に示すごとく、電解槽23を通常の方
法で陽イオン交換膜25により、陽極24を備えた陽極
室26と酸素陰極27を備えた陰極室28とに仕切り、
陰極室28は酸素陰極27により酸素含有ガス供給室2
9と電解液室30とに仕切られる。陽極室26には被電
解液である塩化ナトリウム水溶液を被電解液供給口31
から供給し被電解液流出口32から流出する、流出した
被電解液は新しい被電解液と混合されて再び被電解液供
給口31から陽極室26に供給され循環する。また陽極
室26には生成した塩素ガスを排出する排出口33が設
けられている。電解液室30は生成した苛性ソーダ水溶
液で満たされており、常に一定濃度の苛性ソーダ水溶液
が電解液室30に設けられた流出口34から流出する。
一定濃度の苛性ソーダ水溶液を得ることは、流出口34
から流出した苛性ソーダ水溶液を再び電解液室30中に
還流させて循環し、苛性ソーダ水溶液を循環する配管の
途中で新鮮水を供給することで希釈された一定濃度の苛
性ソーダ水溶液を造り、これを電解処理して実現され
る。酸素陰極27で仕切られた酸素含有ガス供給室29
にはガス供給口34から酸素含有ガスが供給される。
【0004】上記、塩化ナトリウム水溶液のイオン交換
膜法電解に使用して電解電圧の低下を可能にした酸素陰
極は種々のものがあるが、その一般的な構造について以
下に説明する。酸素陰極は通気性を有し、かつ電解液が
浸透し得る陰極であり、電極は電解液(苛性ソーダ水溶
液)に接する側面は導体からなる金網などでつくられた
集電体に支持された、ナトリウムイオンおよび酸素の存
在下で水を酸化する触媒を担持した、多孔性の導体を主
体として成形した多孔性の薄層で構成されている。上記
多孔性の導体には活性炭が通常使用され、その微細孔に
は前記触媒(白金などの貴金属系からなる)が担持され
ている。酸素含有ガス供給側面は電解液の漏洩が起こら
ない撥水性の多孔性の薄層で構成されている。上記撥水
性の多孔性の薄層は通常は酸化還元反応に耐性のあるフ
ッ素樹脂系のポリマーの微粒子を主体として成形されて
いる。
【0005】上記触媒活性を有する多孔性の薄層から撥
水性の多孔性の薄層へと段階的あるいは連続的に変わる
ようにカーボン、フッ素樹脂微粒子およびその他の微粒
子樹脂などを混合成形し一体化して製造された多孔性の
酸素陰極は、酸素含有ガス供給側面から電解液に接する
側面へ効率よく酸素含有ガスを供給することができ、ま
た電解液に接する側面からは電解液が電極内に容易に浸
透拡散する。かくして、この酸素陰極内で電解液に接す
る側面から供給されたナトリウムイオンと上記触媒の存
在下で水は酸化され水酸基となり、苛性ソーダが生成す
る。従って以前の塩化ナトリウム水溶液の電解において
陰極で発生した水素はこの酸素陰極内では発生せず、従
って電解電圧の低下が可能となった。
【0006】上記した通り電解電圧の低下が可能な酸素
陰極を使用し、イオン交換膜法電解によって高純度の苛
性ソーダを得るための方法が種々試行されている中で、
酸素陰極については、酸素含有ガスを効率よく供給する
するための多孔性構造を有し、電解液面から酸素含有ガ
ス供給室へ段階的に導体性面から撥水性面へと変わる複
雑な構造を実現するために従来多くの改良がなされてき
た。
【0007】すなわち、特開昭54−97600号およ
び特開昭56−44784号の各公報には電解電圧を効
果的に低下させる得る電極の構造と構成材料が提案され
ている。特公昭58−49639号公報には電極内に触
媒を均一に分散するための考案が、また特公昭60−9
595号公報には電極内への苛性ソーダ水溶液や酸素が
より容易に浸透できるように電極基体中の多孔性を増強
する考案が記載されている。電極の多孔性構造の強度を
改良する方法に関する提案が特開昭57−152479
号および特開昭59−133386号の各公報に記載さ
れている。また特開昭59−133386号公報には撥
水性面の撥水性を強化して電解液の漏れを防止する方法
が記載されている。また、特開昭56−130482号
公報には長期間安定にしかも低い電解電圧で電解するた
め電解槽の温度を70℃以上にして電解を開始しその温
度を維持する方法が記載されている。
【0008】その他多くのガス透過性酸素陰極の製造法
や性能の改良に関する提案がなされているが、酸素陰極
の製造法や性能の改良にのみ注意が払われており、酸素
陰極の電解中における性能の劣化に関する提案は全くな
されていない。酸素陰極を長期間高性能で使用するに
は、電解中および電解停止中での酸素陰極の劣化を防止
しなければならないが、従来電解中における劣化防止方
法は知られていなかった。
【0009】一方、電解停止中における酸素陰極の劣化
については下記2件の公報に記載があるに過ぎない。す
なわち、特開昭60−221595号公報には酸素陰極
中の活性炭に吸着している酸素の不均一性によって起こ
る局部電池現象により、電解停止中にカーボンの腐食が
おこるため酸素陰極の劣化するとの記載がある。同公報
ではこの酸素陰極の劣化を防止するために電解停止中電
解槽中の電解液を水で希釈するかあるいは水で置換して
おくことを提案されている。また、特公昭61−323
97号公報には電解停止中酸素陰極内に炭酸ソーダが生
成し、その炭酸ソーダの析出による酸素陰極の破損が酸
素陰極の劣化の原因であるとし、これを防止するため電
解槽中の電解液を被電解液で置換するか、電解液を水で
希釈するかあるいは水で置換しておくことを提案されて
いる。しかしながら、本発明者らの検討によるとこれら
の方法では電解停止中における酸素陰極の劣化防止は不
充分であることが分かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は酸素陰極を使
用するイオン交換膜法電解において、未だ明らかになっ
ていない電解中および電解停止中での酸素陰極の劣化に
ついて研究し、これを防止する方法を提供することを課
題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を使
用するイオン交換膜法で電解する際の陰極の劣化防止の
確立を課題として鋭意研究を重ねた結果本発明を完成す
るに至った。
【0012】すなわち、(1)塩化アルカリ金属水溶液
を酸素陰極を使用するイオン交換膜法電解で電解する方
法において、電解中に苛性アルカリ水溶液に含まれる過
酸化水素を分解する化学処理を行うことを特徴とする酸
素陰極の保護方法。 (2)化学処理が活性炭処理であることを特徴とする上
記(1)記載の酸素陰極の保護方法。 (3)化学処理がヒドラジン処理であることを特徴とす
る上記(1)記載の酸素陰極の保護方法。 (4)塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を使用するイ
オン交換膜法電解で電解する方法において、電解停止中
に水素ガスを飽和した水または苛性アルカリ水溶液を陰
極室に満たすことを特徴とする酸素陰極の保護方法であ
る。
【0013】苛性アルカリ水溶液を化学処理し苛性アル
カリ水溶液中の過酸化水素を分解することは電解中での
劣化防止であり、水素ガスを飽和した水または苛性アル
カリ水溶液を陰極室に満たすことは電解停止中での劣化
防止である。
【0014】先ず、電解中での劣化防止について説明す
る。塩化アルカリ金属水溶液の酸素陰極を使用するイオ
ン交換膜法電解において、電解中に酸素陰極が劣化して
電圧が上昇するという現象が見られた。酸素陰極の劣化
原因を検討した結果、次の結論に到達した。すなわち、
電解中に酸素陰極で一部生成する過酸化水素が陰極液中
に常時存在し、酸素陰極の構成成分である活性炭や貴金
属系触媒を酸化し、その結果酸素陰極の活性部が劣化す
るということである。そこで、電解中に陰極液中より過
酸化水素を除けばよいと考え、種々検討の結果本発明を
完成するに至った。
【0015】本発明では、陰極液中の過酸化水素を分解
するために化学処理をするが、化学処理としては活性炭
処理またはヒドラジン処理が好ましい。活性炭処理の方
法としては、活性炭を適切な塔に充填し、そこに陰極液
を通す方法や活性炭と陰極液をスラリー状態で混合しそ
の後適切な分離機で活性炭と陰極液を分ける方法でもよ
い。
【0016】使用する活性炭の形状は特に限定されず、
粒状、粉状などいかなる形状のものも使用できる。活性
炭の種類、製法により酸素陰極の活性を劣化させる重金
属などの不純物を含むことがある。その場合は酸洗浄な
ど適切な前処理をし不純物の問題のない程度まで除いて
から使用するのがよい。
【0017】また、ヒドラジン処理はヒドラジンまたは
ヒドラジン水溶液を適当量ポンプなどを使用して、苛性
アルカリ水溶液中に注入する方法がよい。使用するヒド
ラジンは硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジンなどの塩も使
用できるが、それらを使用すると苛性アルカリ製品中の
陰イオン性不純物が増えるので、塩でないものの方が好
ましい。使用するヒドラジンまたはヒドラジン水溶液は
酸素陰極の活性を低下させる重金属のような不純物を含
まないものがよい。
【0018】苛性アルカリ水溶液中に添加するヒドラジ
ンの量は、陰極で生成する過酸化水素と当量か当量より
若干多くすることが好ましい。ヒドラジンの添加量が少
ないと酸素陰極の劣化防止が不充分になるので好ましく
ない。
【0019】活性炭処理とヒドラジン処理を併用しても
差し支えないのは勿論である。この場合は、活性炭処理
で完全に分解できなかった過酸化水素を後でヒドラジン
で仕上げ処理する方法とか、ヒドラジンを過酸化水素の
当量よりやや少なめに一定量添加し、後で活性炭で仕上
げ処理するとか種々の方法が考えられる。
【0020】苛性アルカリ中の過酸化水素を分解する方
法としては本発明以外の各種還元剤を添加することが考
えられるが、それらの方法は苛性アルカリ製品の品質低
下を招いたり、酸素陰極の活性を低下させたりするので
好ましくない。本発明において、化学処理する苛性ソー
ダ水溶液の温度はとくに限定されないが、温度が高い程
過酸化水素の分解速度が上昇するので50℃以上100
℃以下が好ましい。
【0021】次に、電解停止中の劣化防止方法を説明す
る。酸素陰極を使用するイオン交換膜法電解において、
電解停止中に酸素陰極が劣化して電圧が上昇するという
現象が見られた。酸素陰極が電解停止中になぜ劣化する
かは未だ十分に分かっていない。上記したように、特開
昭60−221595号公報には酸素陰極中の触媒層中
の活性炭に吸着している酸素の不均一性によって起こる
局部電池現象による活性炭カーボンの腐食が原因である
と述べているが、本発明者らは次のような機構によるも
のであろうと考えている。すなわち、電解停止時、酸素
陰極には酸素をいろいろな程度吸着している部分が存在
し、酸素の多い部分と酸素の少ない部分との間で電池を
形成し、この局部電池現象により酸素陰極の活性点(触
媒層中の活性炭のみならず触媒の活性点も含めて)が酸
化され、その結果として酸素陰極が劣化するというもの
である。
【0022】酸素陰極の電解停止時の劣化機構より、劣
化を防止する方法は電解停止中も酸素陰極が局部電池現
象により酸化されないようにすることであると考え、本
発明を完成することができた。すなわち、電解停止中に
陰極室を水素ガスを飽和した水または苛性アルカリ水溶
液を満たすことにより、酸素陰極の劣化を防止すること
ができる。陰極室を水素ガスを飽和した水または苛性ア
ルカリ水溶液を満たす方法としては、陰極室を水または
苛性アルカリ水溶液で満たし、その中に水素ガスを吹き
込む方法でもよいし、予め水素ガスを飽和した水または
苛性アルカリ水溶液を外部で調製し、その液を電解槽の
陰極室に連続的または間歇的に加える方法でもよい。
【0023】水素ガスを飽和した水または苛性アルカリ
水溶液を電解停止中の陰極室に入れておくと、なぜ酸素
陰極の劣化を防止できるかは未だ十分に解明されていな
いが、本発明者らは次のような機構であろうと考えてい
る。すなわち、液に溶けている水素ガスは減極剤として
作用し、局部電池反応で酸化されて消費されるが、一方
水素が酸化されるので酸素陰極の活性点の酸化は防止さ
れ、結果として酸素陰極の劣化を防ぐことができるとい
うものである。
【0024】本発明において、陽極室は電解停止中は空
にしておくか、または純水をフラッシングしておくこと
が好ましい。殊に陰極室に水素ガスを飽和した苛性アル
カリ水溶液を満たしている場合は、陰極室からイオン交
換膜を通って拡散してくる苛性アルカリによる陽極コー
ティングの劣化を防ぐため純水をフラッシングするのが
よい。
【0025】本発明において、電解停止中の液の温度は
特に限定されないが、温度が下がり過ぎることにより酸
素陰極が熱収縮などで劣化を受ける危険がある場合は、
液を加温することが好ましい。
【0026】本発明で使用されるイオン交換膜はパーフ
ルオロ系のスルホン酸単独、カルボン酸単独、スルホン
酸とカルボン酸の2層膜のどれでも使用でき特に限定さ
れない。
【0027】本発明において、使用する陽極、塩化アル
カリ金属水溶液は従来の水素発生型イオン交換膜法電解
で使用されているものと同等のものがよい。また、本発
明は現在公知のあらゆる酸素陰極に適用できるが、活性
部が金または白金系の貴金属系の触媒を担持した活性炭
で構成されている酸素陰極が特に有効である。
【0028】本発明を図面に基づいて説明する。図1は
塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を備えたイオン交換
膜法電解による電解により、苛性アルカリ水溶液を製造
するにあたり、電解中における酸素陰極の劣化を本発明
の一つである酸素陰極を設けた陰極室を通る苛性アルカ
リ水溶液を活性炭処理して劣化を防止する例を示すもの
である。図1において、電解槽1は陽イオン交換膜3に
より陽極2を備えた陽極室4と酸素陰極5を備えた陰極
室6とに仕切られ、また陰極室6は酸素陰極5により苛
性アルカリ水溶液で満たされた電解液室7と酸素含有ガ
ス供給室8とに仕切られる。
【0029】陽極室4には被電解液である塩化アルカリ
金属水溶液を被電解液供給口9から供給し被電解液流出
口10から流出する、流出した被電解液は被電解液貯留
槽20に貯留され、ここで新しい被電解液と混合されて
再び被電解液供給口9から陽極室4に供給され循環す
る。また陽極室4には生成した塩素ガスを排出する塩素
ガス排出口11が設けられている。電解液室7は生成し
た苛性アルカリ水溶液で満たされており、常に一定濃度
の苛性アルカリ水溶液が電解液室7に設けられた苛性ア
ルカリ水流出口12から流出し、送液配管13と通って
苛性アルカリ受槽15に送られる。
【0030】送液配管13の途中の苛性アルカリ受槽1
5の手前に活性炭充填塔16を設け、送液配管13を通
って送られてきた苛性アルカリ水溶液は、この塔を通過
する時に活性炭処理され苛性アルカリ水溶液中に含まれ
る過酸化水素が活性炭に吸着除去される。過酸化水素を
除去した苛性アルカリ水溶液は製品として苛性アルカリ
受槽15にはいる。製品苛性アルカリ水溶液は苛性アル
カリ受槽15から製品流出口を通って系外に排出され
る。製品苛性アルカリ水溶液の一部は還流管14を通っ
て再び電解液室7に還流されるが、途中注加水注入口1
7から注加水を注入して適当な濃度とする。なお18は
(酸素含有)ガス供給口、19は(酸素含有)ガス排出
口である。
【0031】図2は図1に示したと同様の酸素陰極を備
えたイオン交換膜法電解槽により塩化アルカリ金属水溶
液を電解して苛性アルカリ水溶液を製造する工程を示し
た図である。図2に示した工程は本発明の別の劣化防止
法で電解中における酸素陰極の劣化を防止する例であ
る。すなわち、陰極室を通る苛性アルカリ水溶液をヒド
ラジン処理して酸素陰極の劣化防止をする例を示すもの
である。
【0032】図2において、電解槽1および付属設備は
図1で説明したものと苛性アルカリ水溶液をヒドラジン
処理を行う付属設備を除いて同じであり、設備の要部の
符号は図1の場合と同じ符号を用いた。
【0033】図2において、苛性アルカリ水溶液をヒド
ラジン処理は、電解液室7に設けられた製品流出口12
から流出した苛性ソーダ水溶液は送液配管13と通って
苛性アルカリ受槽15に送られるが、送液配管13の途
中の苛性アルカリ受槽15の手前にヒドラジン注入口2
1を設けヒドラジンを注入する。ヒドラジンを加えた苛
性ソーダ水溶液は苛性ソーダ受槽15中で保存される間
に含まれた過酸化水素が分解される。過酸化水素がなく
なった製品苛性ソーダ水溶液は苛性アルカリ受槽15の
製品流出口から系外に排出される。製品苛性アルカリ水
溶液の一部は還流管14を通って再び電解液室7に還流
されるが、途中注加水注入口17から注加水を注入して
適当な濃度とする。
【0034】図3は電解停止中の酸素陰極の劣化防止を
説明するための説明図である。図3において、電解槽1
および付属設備は図1で説明したものと活性炭塔で行う
過酸化水素除去処理のための付属設備を除いて同じであ
り、設備の要部の符号は図1の場合と同じ符号を用い
た。図3において、電解停止中の酸素陰極の劣化防止の
ために行う方法は、予め苛性アルカリ受槽15で水素ガ
ス吹込み口22から水素ガスを吹込んで水素ガスを飽和
した水または苛性アルカリ水溶液を造り、この水または
苛性アルカリ水溶液をポンプで陰極室6に送液して電解
停止中陰極室6この水素ガスを飽和した液で満たして置
く方法である。停止に当たって陰極室6の苛性アルカリ
は苛性アルカリ受槽10に戻しておく。
【0035】
【実施例】イオン交換膜として、デュポン社のナフィオ
ン膜を使用し、図1に示した電解槽を使用し、次の条件
で電解した。 通電量 : 30A 電流密度 : 30A/dm2 酸素陰極 : ガス拡散電極(Pt 0.56
mg/cm2 ) 陽極 : DSA (RuO2 +Ti
2 ) 極間距離 : 15mm 平均苛性濃度 : 32% 平均温度 : 90℃ NaCl/陽極液 : 200g/リットル 酸素含有ガス : 酸素(理論量の1.2倍) 上記条件表からわかるように、酸素陰極のガス拡散電極
は酸化触媒としては白金触媒を用い、陽極には括弧内に
示した酸化金属製電極を用い、被電解液としては200
g/リットルの濃度の塩化ナトリウム水溶液を用いた。
【0036】(実施例1)図1に示したイオン交換膜法
電解槽1に付属設備として送液配管13の途中に活性炭
充填塔16を設ける方法で、循環苛性ソーダ水溶液を処
理して苛性ソーダ水溶液中の過酸化水素を分解除去し
た。使用した活性炭は粒状活性炭(武田薬品工業株式会
社製商品名白鷺W)を塩酸で予め洗浄し金属類を除去し
たものである。粒状活性炭301を内径300mmのP
TEF製処理槽に充填して活性炭充填塔16とし、この
活性炭充填塔16に32%苛性ソーダ水溶液を400リ
ットル/時間の流量で通した。この処理により循環苛性
ソーダ水溶液中の過酸化水素は0.1ppm以下に維持
できた。この処理方法で1ヶ月間電解を続けたところ電
解電圧の上昇は見られなかった。
【0037】(実施例2)図2に示したイオン交換膜法
電解槽1に付属設備として送液配管13の途中に設けた
ヒドラジン注入口19からヒドラジンを注入する方法に
より循環苛性ソーダ水溶液中の過酸化水素を分解除去し
た。使用したヒドラジンは試薬特級の水加ヒドラジンで
あり、ヒドラジンを注加水に溶解して循環苛性ソーダ水
溶液中に加えた。ヒドラジンの添加量は0.02mmo
l/時間とした。この処理により循環苛性ソーダ水溶液
中の過酸化水素は0.1ppm以下に維持できた。この
処理方法で1ヶ月間電解を続けたところ電解電圧の上昇
は見られなかった。
【0038】(比較例1)図1に示したイオン交換膜法
電解槽1において活性炭処理を行わないで電解を行った
ところ、循環苛性ソーダ水溶液中の過酸化水素濃度は1
0mg/リットルとなった。この条件で1ヶ月間電解を
続けたところ電解電圧が15mV上昇した。
【0039】次に電解を停止し、以下の実施例3、実施
例4および比較例2に示す条件で電解槽を保管し、電解
を再開した場合の電解電圧変化を表1に示す。 表1 電解停止条件例 電解停止前の電圧 電解停止後の電圧 −−−−−−− −−−−−−−− −−−−−−−− 実施例3 2.285V 2.284V 実施例4 2.294V 2.290V 比較例2 2,279V 2.397V
【0040】(実施例3)図3に示した電解設備で苛性
ソーダ受槽15で水素ガスを純水に吹き込んで飽和し、
その水素を飽和した純水をポンプで陰極室6に送液し、
陰極室6を満水とした状態で2日間電解停止を行った。
陽極室は純水をフラッシングし、電解槽1は80℃に維
持した。
【0041】(実施例4)図3に示した電解設備で苛性
ソーダ受槽15で水素ガスを32%濃度の苛性ソーダ水
溶液に飽和し、その苛性ソーダ水溶液をポンプで陰極室
6に送液して陰極室6をこの水素ガスを飽和した液で満
たして置く方法で2日間電解停止を行った。陽極室は純
水をフラッシングし、電解槽1は80℃に維持した。
【0042】(比較例2)図3に示した電解設備で陰極
室6に純水を満たして置く方法で2日間電解停止を行っ
た。陽極室は純水をフラッシングし、電解槽1は80℃
に維持した。
【0043】表1から実施例3および実施例4の条件で
酸素電極を保存する方法では再開時の電解電圧は停止前
に比べてむしろ低いことが分かる。これに対して比較例
2の条件では再開時の電解電圧は停止前に比べ上昇が認
められる。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法により電解中および電解停
止中での酸素陰極の劣化が防止され、長期間にわたり低
い電解電圧が維持できるので、塩化ナトリウム水溶液か
ら経済的な苛性アルカリ水溶液の製造ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解中に苛性アルカリ水溶液を活性炭処理する
本発明の方法を示す工程図
【図2】電解中に苛性アルカリ水溶液をヒドラジン処理
する本発明の方法を示す工程図
【図3】電解停止中に処理槽の陰極室に水素を飽和した
苛性アルカリ水溶液を供給する本発明の方法を示す工程
【図4】塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を使用する
イオン交換膜法電解で電解する従来の方法を示す工程図
【符号の説明】
1 電解槽 21 ヒドラジン注入
口 2 陽極 22 水素ガス吹込み
口 3 陽イオン交換膜 23 電解槽 4 陽極室 24 陽極 5 酸素陰極 25 陽イオン交換膜 6 陰極室 26 陽極室 7 電解液室 27 酸素陰極 8 ガス供給室 28 陰極室 9 被電解液供給口 29 ガス供給室 10 被電解液流出口 30 電解液室 11 塩素ガス排出口 31 被電解液供給
口 12 苛性アルカリ水流出口 32 被電解液流出
口 13 送液配管 33 塩素ガス排出
口 14 還流管 34 流出口 15 苛性アルカリ受槽 35 供給口 16 活性炭充填塔 36 ガス供給口 17 注加水供給口 18 酸素含有ガス供給口 19 酸素含有ガス流出口 20 被電解液貯留槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を使
    用するイオン交換膜法電解で電解する方法において、電
    解中に苛性アルカリ水溶液に含まれる過酸化水素を分解
    する化学処理を行うことを特徴とする酸素陰極の保護方
    法。
  2. 【請求項2】 化学処理が活性炭処理であることを特徴
    とする請求項1記載の酸素陰極の保護方法。
  3. 【請求項3】 化学処理がヒドラジン処理であることを
    特徴とする請求項1記載の酸素陰極の保護方法。
  4. 【請求項4】 塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を使
    用するイオン交換膜法電解で電解する方法において、電
    解停止中に水素ガスを飽和した水または苛性アルカリ水
    溶液を陰極室に満たすことを特徴とする酸素陰極の保護
    方法。
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