JPH07157844A - 加工性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
加工性に優れた熱延鋼板およびその製造方法Info
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- JPH07157844A JPH07157844A JP33938493A JP33938493A JPH07157844A JP H07157844 A JPH07157844 A JP H07157844A JP 33938493 A JP33938493 A JP 33938493A JP 33938493 A JP33938493 A JP 33938493A JP H07157844 A JPH07157844 A JP H07157844A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 鋼成分中にトランプエレメントを含有した鋼
片を用いた場合でも、その加工性が劣化しない熱延鋼板
およびその製造方法を提供する。 【構成】 C,Si,Mn,P,S,Al,N,Cu,
Sn,Ni,Cr,Mo,Ti,Zr,Caを特定した
鋼において、連続鋳造法によってスラブを鋳造し、次い
で前記スラブを1100℃以上の温度に加熱した後、A
r3変態点−100〜Ar3変態点+100℃の温度範
囲内で仕上げ熱間圧延を行ない、500〜700℃の温
度範囲内で巻き取ることによって、加工性に優れた軟質
熱延鋼板を製造する。
片を用いた場合でも、その加工性が劣化しない熱延鋼板
およびその製造方法を提供する。 【構成】 C,Si,Mn,P,S,Al,N,Cu,
Sn,Ni,Cr,Mo,Ti,Zr,Caを特定した
鋼において、連続鋳造法によってスラブを鋳造し、次い
で前記スラブを1100℃以上の温度に加熱した後、A
r3変態点−100〜Ar3変態点+100℃の温度範
囲内で仕上げ熱間圧延を行ない、500〜700℃の温
度範囲内で巻き取ることによって、加工性に優れた軟質
熱延鋼板を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、加工性に優れた引張
強さが50kgf/mm2 以下の熱延鋼板およびその製造方法に
関するものである。
強さが50kgf/mm2 以下の熱延鋼板およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、廃棄された食缶および自動車など
の鉄スクラップの量が増加し、製鉄業においては環境問
題対策上、鉄源としてこのような鉄スクラップを使用す
る必要性が高まりつつある。しかしながら、鉄スクラッ
プ中に含有されるCu、Sn、Mo、NiおよびCrなどの所謂ト
ランプエレメントは、Feよりの酸化され難いため、現在
の製鉄プロセスにおいては殆ど除去されず鋼中に残存
し、鋼材の製造性や材質、あるいは表面品質特性に悪影
響を及ぼすことが、例えば、特開平4-162943号公報およ
び特開平4-371528号公報において指摘されている。
の鉄スクラップの量が増加し、製鉄業においては環境問
題対策上、鉄源としてこのような鉄スクラップを使用す
る必要性が高まりつつある。しかしながら、鉄スクラッ
プ中に含有されるCu、Sn、Mo、NiおよびCrなどの所謂ト
ランプエレメントは、Feよりの酸化され難いため、現在
の製鉄プロセスにおいては殆ど除去されず鋼中に残存
し、鋼材の製造性や材質、あるいは表面品質特性に悪影
響を及ぼすことが、例えば、特開平4-162943号公報およ
び特開平4-371528号公報において指摘されている。
【0003】従って、従来技術においては、耐食性、強
度および表面特性の改善を目的として意識的にCu、Crお
よびNi等の元素を有用な元素として添加する技術、例え
ば、特開平4-325657号公報および特開平4-365813号公報
に記載された技術(以下、先行技術という)の場合を除
けば、本来トランプエレメントは一般的には鋼中に含有
されておらず、また添加しないものであるので、鉄スク
ラップの使用には種々の制約を伴っていた。
度および表面特性の改善を目的として意識的にCu、Crお
よびNi等の元素を有用な元素として添加する技術、例え
ば、特開平4-325657号公報および特開平4-365813号公報
に記載された技術(以下、先行技術という)の場合を除
けば、本来トランプエレメントは一般的には鋼中に含有
されておらず、また添加しないものであるので、鉄スク
ラップの使用には種々の制約を伴っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような環境問題対策上から、食缶および自動車などか
ら発生する、トランプエレメントを含有した鉄スクラッ
プを鉄鋼原料として鉄鋼製品を製造する場合、それによ
って品質が劣化しないようにすることが重要な課題とな
った。
たような環境問題対策上から、食缶および自動車などか
ら発生する、トランプエレメントを含有した鉄スクラッ
プを鉄鋼原料として鉄鋼製品を製造する場合、それによ
って品質が劣化しないようにすることが重要な課題とな
った。
【0005】従って、この発明の目的は、鋼成分中にCu
およびSn等のトランプエレメントを含有した鋼を用いた
場合でも、その加工性に優れた熱延鋼板およびその製造
方法を提供することにある。
およびSn等のトランプエレメントを含有した鋼を用いた
場合でも、その加工性に優れた熱延鋼板およびその製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、トランプエ
レメントが含有された鋼材にみられる上記問題点を解決
し、加工性に優れた引張強さが50kgf/mm2 以下の熱延鋼
板を開発したものであり、その要旨は以下のとおりであ
る。
レメントが含有された鋼材にみられる上記問題点を解決
し、加工性に優れた引張強さが50kgf/mm2 以下の熱延鋼
板を開発したものであり、その要旨は以下のとおりであ
る。
【0007】第1の発明の加工性に優れた熱延鋼板は、
重量% で、C : 0.01 〜0.15% 、Si: 0.2% 以下、Mn:
0.1〜0.8%、P : 0.04%以下、S : 0.015% 以下、so
l.Al: 0.01〜0.07% 、N: 0.012% 以下、Cu: 0.040% 以
下、Sn: 0.040% 以下、Ni:0.10% 以下、Cr: 0.10%
以下、および、Mo: 0.10% 以下、を含有し、かつ、
下記(1) 式、 Cu+10×Sn ≦ 0.40% ───(1) の関係を満たし、残部が鉄および上記元素以外の不可避
的な不純物元素からなる化学成分組成を有することを特
徴とするものである。
重量% で、C : 0.01 〜0.15% 、Si: 0.2% 以下、Mn:
0.1〜0.8%、P : 0.04%以下、S : 0.015% 以下、so
l.Al: 0.01〜0.07% 、N: 0.012% 以下、Cu: 0.040% 以
下、Sn: 0.040% 以下、Ni:0.10% 以下、Cr: 0.10%
以下、および、Mo: 0.10% 以下、を含有し、かつ、
下記(1) 式、 Cu+10×Sn ≦ 0.40% ───(1) の関係を満たし、残部が鉄および上記元素以外の不可避
的な不純物元素からなる化学成分組成を有することを特
徴とするものである。
【0008】第2の発明の加工性に優れた熱延鋼板は、
重量% で、C : 0.01 〜0.15% 、Si: 0.2% 以下、Mn:
0.1〜0.8%、P : 0.04%以下、S : 0.015% 以下、so
l.Al: 0.01〜0.07% 、N: 0.012% 以下、Cu: 0.40%以
下、Sn: 0.040% 以下、Ni:0.10% 以下、Cr: 0.10
% 以下、および、Mo: 0.10% 以下、を含有し、更
に、Ti: 0.01 〜0.10% 、Zr: 0.01 〜0.10% 、Ca:
0.001〜0.010%およびREM: 0.001〜0.010%のうち少
なくとも1種を含有し、かつ、下記(1) 式、 Cu +10×Sn ≦ 0.40% ───(1) の関係を満たし、残部が鉄および上記元素以外の不可避
的な不純物元素からなる化学成分組成を有することを特
徴とするものである。
重量% で、C : 0.01 〜0.15% 、Si: 0.2% 以下、Mn:
0.1〜0.8%、P : 0.04%以下、S : 0.015% 以下、so
l.Al: 0.01〜0.07% 、N: 0.012% 以下、Cu: 0.40%以
下、Sn: 0.040% 以下、Ni:0.10% 以下、Cr: 0.10
% 以下、および、Mo: 0.10% 以下、を含有し、更
に、Ti: 0.01 〜0.10% 、Zr: 0.01 〜0.10% 、Ca:
0.001〜0.010%およびREM: 0.001〜0.010%のうち少
なくとも1種を含有し、かつ、下記(1) 式、 Cu +10×Sn ≦ 0.40% ───(1) の関係を満たし、残部が鉄および上記元素以外の不可避
的な不純物元素からなる化学成分組成を有することを特
徴とするものである。
【0009】第3および第4の発明の加工性に優れた熱
延鋼板の製造方法は、それぞれ、第1および第2の発明
の化学成分組成を有する鋼を溶製した後、連続鋳造によ
ってスラブを鋳造し、次いで前記連続鋳造によって鋳造
されたスラブを1100℃以上の温度に加熱した後、前記ス
ラブに対して、Ar3変態点−100 〜Ar3変態点+100℃
の温度範囲内の仕上温度で熱間圧延を行ない、このよう
にして得られた鋼帯を500 〜700 ℃の温度範囲内で巻き
取ることに特徴を有するものである。
延鋼板の製造方法は、それぞれ、第1および第2の発明
の化学成分組成を有する鋼を溶製した後、連続鋳造によ
ってスラブを鋳造し、次いで前記連続鋳造によって鋳造
されたスラブを1100℃以上の温度に加熱した後、前記ス
ラブに対して、Ar3変態点−100 〜Ar3変態点+100℃
の温度範囲内の仕上温度で熱間圧延を行ない、このよう
にして得られた鋼帯を500 〜700 ℃の温度範囲内で巻き
取ることに特徴を有するものである。
【0010】
【作用】この発明の鋼板の化学成分組成を上述した範囲
内に限定した理由について述べる。 (1) C 、Si、Mn :C 、Si、Mnは鋼の強度を上げる基本的
な元素である。しかしながら、C は含有量が0.01% 未
満、Mnは含有量が0.1%未満ではその効果が不十分であ
り、一方、Cは含有量が0.15% 超、Siは含有量が0.2%
超、Mnは含有量が0.8%超では、引張強さを50kgf/mm2 以
下にすることができない。また、Mnは含有量が0.1%未満
だと鋼板の表面に疵が発生し易くなる。従って、C の含
有量は0.01〜0.15% 、Siの含有量は0.2%以下、Mnの含有
量は0.1 〜0.8%の範囲内に限定すべきである。
内に限定した理由について述べる。 (1) C 、Si、Mn :C 、Si、Mnは鋼の強度を上げる基本的
な元素である。しかしながら、C は含有量が0.01% 未
満、Mnは含有量が0.1%未満ではその効果が不十分であ
り、一方、Cは含有量が0.15% 超、Siは含有量が0.2%
超、Mnは含有量が0.8%超では、引張強さを50kgf/mm2 以
下にすることができない。また、Mnは含有量が0.1%未満
だと鋼板の表面に疵が発生し易くなる。従って、C の含
有量は0.01〜0.15% 、Siの含有量は0.2%以下、Mnの含有
量は0.1 〜0.8%の範囲内に限定すべきである。
【0011】(2) S :S は、鋼板の曲げ加工性および伸
びフランジ性等の加工性を高めるためには、その含有量
が少ない方が望ましい。図1は、鋼板の伸びフランジ性
を示す穴拡げ率とS 含有量との関係を示すグラフであ
る。同図から明らかなように、S 含有量が0.015%以下の
領域において穴拡げ率は高い値が得られる。その理由
は、S 含有量が0.015%超となると、鋼中のMnS 等の硫化
物系介在物の量が多くなり、鋼板を加工した時の亀裂発
生点となるためと考えられる。また、溶接性を確保する
ためにも、S 含有量は0.015%以下とすることが重要であ
る。従って、S の含有量は0.015%以下に限定すべきであ
る。また、トランプエレメントを多量に含有する鋼にお
いても低硫化は、加工性の向上に極めて有効である。
びフランジ性等の加工性を高めるためには、その含有量
が少ない方が望ましい。図1は、鋼板の伸びフランジ性
を示す穴拡げ率とS 含有量との関係を示すグラフであ
る。同図から明らかなように、S 含有量が0.015%以下の
領域において穴拡げ率は高い値が得られる。その理由
は、S 含有量が0.015%超となると、鋼中のMnS 等の硫化
物系介在物の量が多くなり、鋼板を加工した時の亀裂発
生点となるためと考えられる。また、溶接性を確保する
ためにも、S 含有量は0.015%以下とすることが重要であ
る。従って、S の含有量は0.015%以下に限定すべきであ
る。また、トランプエレメントを多量に含有する鋼にお
いても低硫化は、加工性の向上に極めて有効である。
【0012】(3) P :P は、鋼板のプレス成形後に2 次
加工割れと呼ばれる粒界脆性破壊を生じさせる元素であ
り、その含有量が少ない方が望ましく、P の含有量は0.
04% 以下に限定すべきである。
加工割れと呼ばれる粒界脆性破壊を生じさせる元素であ
り、その含有量が少ない方が望ましく、P の含有量は0.
04% 以下に限定すべきである。
【0013】(4) N :N は、加工性を高めるためにその
含有量が少ない方が望ましく、その含有量は0.012%以下
に限定すべきである。
含有量が少ない方が望ましく、その含有量は0.012%以下
に限定すべきである。
【0014】(5) Al :Alは、鋼の脱酸のために有効な元
素であるが、sol.Alの含有量が0.01% 未満ではその効果
が不十分である。一方、その含有量が0.07% 超では脱酸
生成物である介在物の量が増加し、加工性が劣化する。
従って、sol.Alの含有量は0.01〜0.07% の範囲内に限定
すべきである。
素であるが、sol.Alの含有量が0.01% 未満ではその効果
が不十分である。一方、その含有量が0.07% 超では脱酸
生成物である介在物の量が増加し、加工性が劣化する。
従って、sol.Alの含有量は0.01〜0.07% の範囲内に限定
すべきである。
【0015】(6) Cu :Cuは、トランプエレメントとして
含有される元素である。その含有量が多いとCu疵と呼ば
れる表面疵が発生し、表面品質が劣化する。その含有量
が0.40% 超ではCu疵が発生し易くなる。更に、Cuに加う
るにSnが含有される鋼板においては、Cu富化相にSnが濃
化しそのCu富化相の融点が低下するため、Cuを含有しSn
を含有しない鋼板よりもCu疵が発生し易くなり、大幅に
表面品質が劣化する。従って、Cuの含有量は0.40% 以下
に限定し、しかも、Cu+10×Sn≦0.40% が満たされるよ
うにCuの含有量を限定すべきである。
含有される元素である。その含有量が多いとCu疵と呼ば
れる表面疵が発生し、表面品質が劣化する。その含有量
が0.40% 超ではCu疵が発生し易くなる。更に、Cuに加う
るにSnが含有される鋼板においては、Cu富化相にSnが濃
化しそのCu富化相の融点が低下するため、Cuを含有しSn
を含有しない鋼板よりもCu疵が発生し易くなり、大幅に
表面品質が劣化する。従って、Cuの含有量は0.40% 以下
に限定し、しかも、Cu+10×Sn≦0.40% が満たされるよ
うにCuの含有量を限定すべきである。
【0016】(7) Sn :Snは、トランプエレメントとして
含有される元素である。Snの含有量が0.040%超では表面
品質および加工性が劣化する。更に、Snに加うるにCuが
含有される鋼板においては、上述した現象と同様、Cu富
化相にSnが濃化しそのCu富化相の融点が低下するため、
Snを含有しCuを含有しない鋼板よりもCu疵が発生し易く
なり、大幅に表面品質が劣化する。従って、Snの含有量
は0.040%以下に限定し、しかも、Cu+10×Sn≦0.40% が
満たされるようにSnの含有量を限定すべきである。
含有される元素である。Snの含有量が0.040%超では表面
品質および加工性が劣化する。更に、Snに加うるにCuが
含有される鋼板においては、上述した現象と同様、Cu富
化相にSnが濃化しそのCu富化相の融点が低下するため、
Snを含有しCuを含有しない鋼板よりもCu疵が発生し易く
なり、大幅に表面品質が劣化する。従って、Snの含有量
は0.040%以下に限定し、しかも、Cu+10×Sn≦0.40% が
満たされるようにSnの含有量を限定すべきである。
【0017】(8) Ni :Niは、トランプエレメントとして
含有される元素である。しかしながら、Cu疵発生の防止
に有効なので適正量以内含有すべきである。更に、Niは
焼入性の向上に有効である。しかしながら、その含有量
が0.10% 超では強度が増加し加工性が劣化する。従っ
て、Niの含有量は0.10% 以下に限定すべきである。
含有される元素である。しかしながら、Cu疵発生の防止
に有効なので適正量以内含有すべきである。更に、Niは
焼入性の向上に有効である。しかしながら、その含有量
が0.10% 超では強度が増加し加工性が劣化する。従っ
て、Niの含有量は0.10% 以下に限定すべきである。
【0018】(9) Cr、Mo :CrおよびMoは、トランプエレ
メントである。いずれもその含有量が0.10% 超では強度
上昇により加工性が劣化する。従って、CrおよびMoの含
有量はいずれも、0.10% 以下に限定すべきである。
メントである。いずれもその含有量が0.10% 超では強度
上昇により加工性が劣化する。従って、CrおよびMoの含
有量はいずれも、0.10% 以下に限定すべきである。
【0019】(10) Ti 、Zr、Ca、REM :Ti、Zr、Caおよ
びREM(希土類元素) は、いずれも硫化物形態制御のため
に有効な元素であり、トランプエレメントを多量に含有
する鋼板においても硫化物形態制御の作用によって、伸
びフランジ性および曲げ性の改善に著しい効果を発揮す
る。しかしながら、TiおよびZrにあってはそれぞれその
含有量が0.01% 未満、CaおよびREM にあってはそれぞれ
その含有量が0.001%未満では、その効果が不十分であ
る。ところが、TiおよびZrにあってはそれぞれその含有
量が0.10% 超、CaおよびREM にあってはそれぞれその含
有量が0.010%超であってもその効果は飽和に達し、一方
コストの上昇および鋼の清浄性の劣化をきたす。従っ
て、TiおよびZrの含有量はいずれも0.01〜0.10% の範囲
内に、また、CaおよびREM の含有量はいずれも0.001 〜
0.010%の範囲内に限定すべきである。
びREM(希土類元素) は、いずれも硫化物形態制御のため
に有効な元素であり、トランプエレメントを多量に含有
する鋼板においても硫化物形態制御の作用によって、伸
びフランジ性および曲げ性の改善に著しい効果を発揮す
る。しかしながら、TiおよびZrにあってはそれぞれその
含有量が0.01% 未満、CaおよびREM にあってはそれぞれ
その含有量が0.001%未満では、その効果が不十分であ
る。ところが、TiおよびZrにあってはそれぞれその含有
量が0.10% 超、CaおよびREM にあってはそれぞれその含
有量が0.010%超であってもその効果は飽和に達し、一方
コストの上昇および鋼の清浄性の劣化をきたす。従っ
て、TiおよびZrの含有量はいずれも0.01〜0.10% の範囲
内に、また、CaおよびREM の含有量はいずれも0.001 〜
0.010%の範囲内に限定すべきである。
【0020】次に、この発明の鋼板の製造方法を上述し
た条件の範囲内に限定した理由について述べる。鋼の溶
解および精錬については、転炉法または電気炉法のいず
れの製法によってもよく、また、スラブの製造について
は、その品質上、歩留上および生産能率上等の有利性か
ら連続鋳造法によってスラブを鋳造する。
た条件の範囲内に限定した理由について述べる。鋼の溶
解および精錬については、転炉法または電気炉法のいず
れの製法によってもよく、また、スラブの製造について
は、その品質上、歩留上および生産能率上等の有利性か
ら連続鋳造法によってスラブを鋳造する。
【0021】スラブの加熱温度については、常法の1100
℃以上であればよい。熱間圧延の仕上温度については、
仕上温度がAr3変態点−100 ℃未満の温度では、鋼板の
フェライト粒に歪みが加わり、混粒組織となり延性が劣
化する。一方、仕上温度がAr3変態点+100 ℃超では、
設備能力上圧延することが困難となり、また、熱間圧延
過程で生成するスケ−ルにより鋼板表面の品質が劣化す
る。従って、熱間圧延の仕上温度は、Ar3変態点−100
〜Ar3変態点+100 ℃の範囲内に限定すべきである。巻
取温度は常法の500 〜700 ℃の温度範囲内に限定すべき
である。
℃以上であればよい。熱間圧延の仕上温度については、
仕上温度がAr3変態点−100 ℃未満の温度では、鋼板の
フェライト粒に歪みが加わり、混粒組織となり延性が劣
化する。一方、仕上温度がAr3変態点+100 ℃超では、
設備能力上圧延することが困難となり、また、熱間圧延
過程で生成するスケ−ルにより鋼板表面の品質が劣化す
る。従って、熱間圧延の仕上温度は、Ar3変態点−100
〜Ar3変態点+100 ℃の範囲内に限定すべきである。巻
取温度は常法の500 〜700 ℃の温度範囲内に限定すべき
である。
【0022】
【実施例】次に、この発明を実施例により、比較例と対
比しながら説明する。表1 に示した、この発明の範囲内
の化学成分組成を有する本発明例No.1〜12、および、比
較例No.2、並びに、少なくとも1 つの元素がこの発明の
範囲外の化学成分組成を有する比較例No.1および3 〜7
の鋼を電気炉にて溶製し、次いで連続鋳造法によってス
ラブを鋳造した。次いで、表2 に示したように、本発明
例No.1〜12、および、比較例No.3〜7 のスラブに対して
はこの発明の範囲内の製造条件で、また、比較例No.1お
よび2 のスラブに対してはこの発明の範囲外の製造条件
で熱間圧延を施し、板厚3.2 mmの熱延鋼帯を調製し、こ
のようにして得られた熱延鋼帯に対して1%の調質圧延を
施すことによって熱延鋼板を製造した。
比しながら説明する。表1 に示した、この発明の範囲内
の化学成分組成を有する本発明例No.1〜12、および、比
較例No.2、並びに、少なくとも1 つの元素がこの発明の
範囲外の化学成分組成を有する比較例No.1および3 〜7
の鋼を電気炉にて溶製し、次いで連続鋳造法によってス
ラブを鋳造した。次いで、表2 に示したように、本発明
例No.1〜12、および、比較例No.3〜7 のスラブに対して
はこの発明の範囲内の製造条件で、また、比較例No.1お
よび2 のスラブに対してはこの発明の範囲外の製造条件
で熱間圧延を施し、板厚3.2 mmの熱延鋼帯を調製し、こ
のようにして得られた熱延鋼帯に対して1%の調質圧延を
施すことによって熱延鋼板を製造した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】上記のようにして製造された熱延鋼板から
試験材を採取し、引張試験片(JIS5号試験片) 、穴拡げ
試験片および曲げ試験片を調製し、これらの試験を行な
い、その結果を表2に併記した。
試験材を採取し、引張試験片(JIS5号試験片) 、穴拡げ
試験片および曲げ試験片を調製し、これらの試験を行な
い、その結果を表2に併記した。
【0026】曲げ試験については180 度密着曲げを行な
った。穴拡げ試験については試験前後の穴径を測定し、
穴拡げ率を下記(2) 式によって求めた。なお、試験前の
穴径設定値は10mmとした。 穴拡げ率(λ),(%)={(試験後穴径−試験前穴径)/試験前穴径}×100 ──(2) また、表面品質については熱延鋼板の表面疵発生の有無
により、○( 発生無し)および×( 発生有り) で評価し
た。
った。穴拡げ試験については試験前後の穴径を測定し、
穴拡げ率を下記(2) 式によって求めた。なお、試験前の
穴径設定値は10mmとした。 穴拡げ率(λ),(%)={(試験後穴径−試験前穴径)/試験前穴径}×100 ──(2) また、表面品質については熱延鋼板の表面疵発生の有無
により、○( 発生無し)および×( 発生有り) で評価し
た。
【0027】表1および2から下記事項が明らかとなっ
た。比較例No.1および2 では、仕上圧延温度がこの発明
の範囲外の低い温度であったため、ミクロ組織がフェラ
イト混粒組織となり延性が大幅に劣化した。比較例No.
1、3 、4 、6 および7 では、S 含有量がこの発明の範
囲外の高い値であったため、穴拡げ率が低く、また、曲
げ試験において割れが発生した。一方、比較例No.2で
は、S 含有量が低かったため穴拡げ率は高かったにもか
かわらず、全伸びが低かったので曲げ試験において肌荒
れが発生した。比較例No.3、4 、6 および7 は、Cuおよ
びSnそれぞれ単味の含有量はこの発明の範囲内である
が、Cu+10×Snが過多であったため熱延鋼板に表面疵が
発生し、表面品質が劣化した。また、比較例No.5はMn含
有量が、そして、比較例No.7はC 含有量がそれぞれこの
発明の範囲を超えて多かったため、引張強さが50kgf/mm
2 超となり、この発明の目標範囲を外れた。
た。比較例No.1および2 では、仕上圧延温度がこの発明
の範囲外の低い温度であったため、ミクロ組織がフェラ
イト混粒組織となり延性が大幅に劣化した。比較例No.
1、3 、4 、6 および7 では、S 含有量がこの発明の範
囲外の高い値であったため、穴拡げ率が低く、また、曲
げ試験において割れが発生した。一方、比較例No.2で
は、S 含有量が低かったため穴拡げ率は高かったにもか
かわらず、全伸びが低かったので曲げ試験において肌荒
れが発生した。比較例No.3、4 、6 および7 は、Cuおよ
びSnそれぞれ単味の含有量はこの発明の範囲内である
が、Cu+10×Snが過多であったため熱延鋼板に表面疵が
発生し、表面品質が劣化した。また、比較例No.5はMn含
有量が、そして、比較例No.7はC 含有量がそれぞれこの
発明の範囲を超えて多かったため、引張強さが50kgf/mm
2 超となり、この発明の目標範囲を外れた。
【0028】これに対して、鋼の化学成分組成および製
造条件がこの発明の範囲内である本発明例No.1から12は
いずれも、伸び、穴拡げ率、曲げ試験結果および鋼板表
面品質について優れた熱延鋼板が得られ、また、その引
張強さも50kgf/mm2 以下であった。
造条件がこの発明の範囲内である本発明例No.1から12は
いずれも、伸び、穴拡げ率、曲げ試験結果および鋼板表
面品質について優れた熱延鋼板が得られ、また、その引
張強さも50kgf/mm2 以下であった。
【0029】以上のように、鋼の化学成分組成および製
造条件について、そのうち1 つでもこの発明の範囲外で
ある熱延鋼板は、加工性または表面品質において劣化し
たのに対し、すべての条件がこの発明の範囲内である熱
延鋼板は、加工性および表面品質のいずれにおいても優
れていた。
造条件について、そのうち1 つでもこの発明の範囲外で
ある熱延鋼板は、加工性または表面品質において劣化し
たのに対し、すべての条件がこの発明の範囲内である熱
延鋼板は、加工性および表面品質のいずれにおいても優
れていた。
【0030】
【発明の効果】従来トランプエレメントを含有した鉄ス
クラップを鉄鋼原料として製造する場合、鋼中に残存し
て含有されるトランプエレメントのために鋼材の加工性
あるいは表面性状が劣化した。そのため、鉄スクラップ
の使用には種々の制約を伴っていた。しかしながら、こ
の発明は、上述したように構成されているので、トラン
プエレメントを含有した鋼片を用いた場合でも、製品の
品質を損なうことなく、引張強さが50kgf/mm2 以下であ
って加工性に優れ、かつ表面品質に優れた軟質熱延鋼板
およびその製造方法を提供することができる、工業上有
益な効果をもたらすことができる。
クラップを鉄鋼原料として製造する場合、鋼中に残存し
て含有されるトランプエレメントのために鋼材の加工性
あるいは表面性状が劣化した。そのため、鉄スクラップ
の使用には種々の制約を伴っていた。しかしながら、こ
の発明は、上述したように構成されているので、トラン
プエレメントを含有した鋼片を用いた場合でも、製品の
品質を損なうことなく、引張強さが50kgf/mm2 以下であ
って加工性に優れ、かつ表面品質に優れた軟質熱延鋼板
およびその製造方法を提供することができる、工業上有
益な効果をもたらすことができる。
【図1】鋼板の伸びフランジ性を示す穴拡げ率とS 含有
量との関係を示すグラフである。
量との関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量% で、 炭素(C) : 0.01 〜0.15% 、 シリコン(Si) : 0.2% 以下、 マンガン(Mn) : 0.1〜0.8%、 燐(P) : 0.04% 以下、 硫黄(S) : 0.015% 以下、 可溶性アルミニウム(sol.Al) : 0.01 〜0.07% 、 窒素(N) : 0.012% 以下、 銅(Cu) : 0.40% 以下、 錫(Sn) : 0.040% 以下、 ニッケル(Ni) : 0.10% 以下、 クロム(Cr) : 0.10% 以下、および、 モリブデン(Mo): 0.10% 以下、 を含有し、かつ下記(1) 式、 Cu+10×Sn ≦ 0.40% ───(1) の関係を満たし、残部が鉄および上記元素以外の不可避
的な不純物元素からなる化学成分組成を有することを特
徴とする、加工性に優れた熱延鋼板。 - 【請求項2】 重量% で、 炭素(C) : 0.01 〜0.15% 、 シリコン(Si) : 0.2% 以下、 マンガン(Mn) : 0.1〜0.8%、 燐(P) : 0.04% 以下、 硫黄(S) : 0.015% 以下、 可溶性アルミニウム(sol.Al) : 0.01 〜0.07% 、 窒素(N) : 0.012% 以下、 銅(Cu) : 0.40% 以下、 錫(Sn) : 0.040% 以下、 ニッケル(Ni) : 0.10% 以下、 クロム(Cr) : 0.10% 以下、および、 モリブデン(Mo): 0.10% 以下、 を含有し、更に、 チタン(Ti) : 0.01 〜0.10% 、 ジルコニウム(Zr) : 0.01 〜0.10% 、 カルシウム (Ca) : 0.001〜0.010%、および、 REM : 0.001〜0.010%、 のうち少なくとも1種を含有し、かつ、下記(1) 式、 Cu +10×Sn ≦ 0.40% ───(1) の関係を満たし、残部が鉄および上記元素以外の不可避
的な不純物元素からなる化学成分組成を有することを特
徴とする、加工性に優れた熱延鋼板。 - 【請求項3】 請求項1に記載の化学成分組成を有する
鋼を溶製した後、連続鋳造によってスラブを鋳造し、次
いで前記連続鋳造によって鋳造されたスラブを1100℃以
上の温度に加熱した後、前記スラブに対して、Ar3変態
点−100 〜Ar3変態点+100 ℃の温度範囲内の仕上温度
で熱間圧延を行ない、このようにして得られた鋼帯を50
0 〜700 ℃の温度範囲内で巻き取ることを特徴とする、
加工性に優れた熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 請求項2に記載の化学成分組成を有する
鋼を溶製した後、連続鋳造によってスラブを鋳造し、次
いで前記連続鋳造によって鋳造されたスラブを1100℃以
上の温度に加熱した後、前記スラブに対して、Ar3変態
点−100 〜Ar3変態点+100 ℃の温度範囲内の仕上温度
で熱間圧延を行ない、このようにして得られた鋼帯を50
0 〜700 ℃の温度範囲内で巻き取ることを特徴とする、
加工性に優れた熱延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33938493A JPH07157844A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 加工性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33938493A JPH07157844A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 加工性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07157844A true JPH07157844A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=18326962
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33938493A Pending JPH07157844A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 加工性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07157844A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100241001B1 (ko) * | 1995-12-21 | 2000-03-02 | 이구택 | 내 수소유기균열 특성이 우수한 후판강재의 제조방법 |
| KR101035767B1 (ko) * | 2008-10-28 | 2011-05-20 | 현대제철 주식회사 | 연질 열연강판 및 그 제조방법 |
| KR101042454B1 (ko) * | 2008-09-29 | 2011-06-16 | 현대제철 주식회사 | 딥드로잉성이 우수한 연질열연강판 및 그 제조방법 |
| KR101310795B1 (ko) * | 2011-06-29 | 2013-09-25 | 현대제철 주식회사 | 열연강판 및 그 제조방법 |
| JP2023141895A (ja) * | 2022-03-24 | 2023-10-05 | 日本製鉄株式会社 | Cu含有鋼の連続鋳造方法 |
| JP2023141899A (ja) * | 2022-03-24 | 2023-10-05 | 日本製鉄株式会社 | Cu含有鋼の連続鋳造方法 |
-
1993
- 1993-12-03 JP JP33938493A patent/JPH07157844A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100241001B1 (ko) * | 1995-12-21 | 2000-03-02 | 이구택 | 내 수소유기균열 특성이 우수한 후판강재의 제조방법 |
| KR101042454B1 (ko) * | 2008-09-29 | 2011-06-16 | 현대제철 주식회사 | 딥드로잉성이 우수한 연질열연강판 및 그 제조방법 |
| KR101035767B1 (ko) * | 2008-10-28 | 2011-05-20 | 현대제철 주식회사 | 연질 열연강판 및 그 제조방법 |
| KR101310795B1 (ko) * | 2011-06-29 | 2013-09-25 | 현대제철 주식회사 | 열연강판 및 그 제조방법 |
| JP2023141895A (ja) * | 2022-03-24 | 2023-10-05 | 日本製鉄株式会社 | Cu含有鋼の連続鋳造方法 |
| JP2023141899A (ja) * | 2022-03-24 | 2023-10-05 | 日本製鉄株式会社 | Cu含有鋼の連続鋳造方法 |
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