JPH07163393A - 抗一酸化窒素合成酵素モノクローナル抗体、その製造法および用途 - Google Patents

抗一酸化窒素合成酵素モノクローナル抗体、その製造法および用途

Info

Publication number
JPH07163393A
JPH07163393A JP6048885A JP4888594A JPH07163393A JP H07163393 A JPH07163393 A JP H07163393A JP 6048885 A JP6048885 A JP 6048885A JP 4888594 A JP4888594 A JP 4888594A JP H07163393 A JPH07163393 A JP H07163393A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthase
antibody
nitric oxide
oxide synthase
monoclonal antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6048885A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiki Yui
芳樹 由井
Ryuichi Hattori
隆一 服部
Kiyoshi Takahashi
潔 高橋
Yuuzou Ichimori
有三 市森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP6048885A priority Critical patent/JPH07163393A/ja
Publication of JPH07163393A publication Critical patent/JPH07163393A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】一酸化窒素(NO)合成酵素を高感度に測定し
得る抗NO合成酵素抗体を提供する。 【構成】マクロファージ、脳由来(神経細胞、グリア細
胞由来など)の一酸化窒素合成酵素の少なくとも一種を
高感度に測定し得る一酸化窒素合成酵素モノクローナル
抗体、該抗体産生ハイブリドーマを作製し、該抗体を用
いた一酸化窒素合成酵素の検出,測定法及び精製法を樹
立した。 【効果】本発明抗体により、簡便かつ高感度に一酸化窒
素合成酵素を測定する事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一酸化窒素合成酵素に結
合性を有するモノクローナル抗体、その製造法および用
途に関する。さらに、該モノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】一酸化窒素(NO)は哺乳動物の生体内
で、生理的な活性、例えば脈管系では血管拡張因子とし
て〔ファーマコロジカル リビュー(Pharmacol. Re
v.)第43巻,第109−142頁(1991)〕、白
血球系では殺腫瘍細胞殺細菌作用を示す因子として〔Cu
rr. Opin. Immunol. 第3巻,第65−70頁(199
1)〕、神経系では神経伝達因子として〔ニューロン
(Neuron)第8巻,第3−11頁(1992)〕等、種
々の役割を担っていると考えられている。NOはアルギ
ニンからNO合成酵素により合成される。NO合成酵素
の遺伝子は、これまで脳〔ネイチャー(Nature)第35
1巻,第714−718頁(1991)〕、マクロファ
ージ〔ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリ
ー(J. Biol. Chem.)第267巻,第6370−637
4頁(1992)〕、血管内皮細胞〔プロシーディング
ス オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス
(Proc.Natl. Acad. Sci.)第89巻,第6348−6
352頁(1992)〕等からクローニングされてい
る。これらの核酸配列から想定されるアミノ酸配列は、
相互に50〜60%の相同性を示すものの、何れも異な
った分子種として認識されている。これらのNO合成酵
素のうちマクロファージ型のものはカルシウム/カルモ
ジュリン非依存性で、免疫学的に誘導される誘導型(in
ducible)酵素であり、また脳,血管内皮細胞型のもの
はカルシウム/カルモジュリン依存型で構成的(consti
tutive)な酵素であるといわれている〔セル(Cell)第
70巻,第705−707頁(1992)〕。NO合成
酵素に対しては、これまで数種の抗体が得られている
が、その大半がポリクローナル抗体であり、NO合成酵
素を分別し得るモノクローナル抗体としては、ウシ内皮
細胞由来NO合成酵素を認識する抗体が知られているの
みである〔J. S. Pollockら,ジャーナル バスキュラル
リサーチ(J. Vasc. Res.),第29巻,第184頁
(1992)〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、種々のN
O合成酵素に対して高感度に結合性を示すモノクローナ
ル抗体を作製することができれば、各NO合成酵素の細
胞、組織での発現の分布およびその発現量を知ることが
できると同時に、生体内等におけるNO合成酵素しいて
はNOの役割をさらに解明することが可能となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、鋭意研究した結果、誘導型NO合成酵素の一種
であるマクロファージ由来NO合成酵素を免疫原とし
て、種々のNO合成酵素に対して高い結合能を有するモ
ノクローナル抗体を作製することに成功した。該モノク
ローナル抗体は、免疫組織化学的あるいは免疫化学測定
法に付すと、種々の細胞由来NO合成酵素を感度よく検
出または定量できる。また該モノクローナル抗体を用い
ることにより、マクロファージ、脳細胞(神経細胞,グ
リア細胞など)あるいは血管内皮細胞などの細胞由来N
O合成酵素を効率よく精製することができる。これらの
知見に基づいてさらに研究した結果、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、(1)誘導型一酸化窒素合成
酵素を免疫原とし、一酸化窒素合成酵素に結合性を示
す、IgG型モノクローナル抗体、(2)脳由来の一酸
化窒素合成酵素に結合性を示す上記(1)記載のモノク
ローナル抗体、(3)マクロファージ由来の一酸化窒素
合成酵素に結合性を示し、かつ血管内皮細胞由来の一酸
化窒素合成酵素に結合性を示さないモノクローナル抗
体、(4)誘導型一酸化窒素合成酵素で免疫した哺乳動
物の脾臓細胞と、同種または異種のリンパ球様細胞から
なるクローン化されたハイブリドーマ、(5)マクロフ
ァージ由来の一酸化窒素合成酵素で免疫した哺乳動物の
脾臓細胞と、同種または異種のリンパ球様細胞とを細胞
融合し、クローニングすることを特徴とする上記(4)
記載のハイブリドーマの製造法、(6)上記(4)記載
のハイブリドーマを液体培地中または哺乳動物の腹腔内
で増殖させることを特徴とする上記(1)、(2)また
は(3)記載のモノクローナル抗体の製造法、(7)上
記(1)、(2)または(3)記載のモノクローナル抗
体を用いることを特徴とする一酸化窒素合成酵素の検出
または定量法、(8)酵素免疫測定法である(7)記載
の検出または定量法、(9)上記(1)、(2)または
(3)記載のモノクローナル抗体を用いることを特徴と
する一酸化窒素合成酵素の精製法である。
【0005】本発明において哺乳動物の免疫に用いるN
O合成酵素としては、動物由来の誘導型NO合成酵素で
あればいずれでもよく、分子としては天然型のみならず
部分ペプチドおよびムテイン(mutein)であってもよ
い。動物由来のNO合成酵素の代表例としては、たとえ
ば、ラットマクロファージ由来NO合成酵素〔Yui, Y.
ら,ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー
(J. Biol. Chem.)第266巻,12544−1254
7頁(1991)〕などがあげられるが、マクロファー
ジ由来のものが好ましく用いられる。免疫原としては上
述のNO合成酵素をそれぞれの組織から分離してもよ
く、またNO合成酵素をコードする塩基配列を有するD
NAを含有する発現ベクターを作製し、適当な宿主細胞
に導入してNO合成酵素を大量に産生させればよい。発
現ベクターは、例えば、(イ)NO合成酵素をコードする
RNAを分離し、(ロ)該RNAから単鎖の相補DNA
(cDNA)を、次いで二重鎖DNAを合成し、(ハ)該
相補DNAをプラスミドに組み込み、(ニ)得られた組み
換えプラスミドで宿主を形質転換し、(ホ)得られた形質
転換体を培養後、形質転換体から適当な方法、例えばD
NAプローブを用いたコロニーハイブリダイゼーション
法により目的とするDNAを含有するプラスミドを単離
し、(ヘ)該プラスミドから目的とするクローン化DNA
を切り出し、(ト)該クローン化DNAをベクターのプロ
モーターの下流に連結する、ことにより、それぞれ製造
することができる。
【0006】このようにして得られた発現ベクターを、
適当な宿主(例、大腸菌,枯草菌,酵母,動物細胞など)
に組み込み、得られた形質転換体を培地に培養すること
により、 NO合成酵素を製造することができる。上記
NO合成酵素蛋白質としては、NO合成酵素のムテイン
も含まれる。該NO合成酵素ムテインとしては、本来、
元のペプチドあるいは蛋白質のアミノ酸配列が変異した
ものであり、アミノ酸の付加,構成アミノ酸の欠損,他の
アミノ酸への置換が挙げられる。該アミノ酸の付加とし
ては、少なくとも1個のアミノ酸が付加しているものが
挙げられる。該構成アミノ酸の欠損としては、少なくと
も1個のNO合成酵素構成アミノ酸が欠損しているもの
が挙げられる。該他のアミノ酸への置換としては、少な
くとも1個のNO合成酵素構成アミノ酸が別のアミノ酸
で置換されているものが挙げられる。
【0007】NO合成酵素にアミノ酸が付加しているム
テインにおけるアミノ酸の付加としては、ペプチドを発
現する際に用いられる開始コドンに基因するメチオニン
や、シグナルペプチドの付加はこれに含まれないもので
ある。付加されるアミノ酸の数としては、少なくとも1
個であるが、誘導型NO合成酵素の特徴を失わない限り
何個でもよい。さらに好ましくは、NO合成酵素間で高
い相同性(ホモロジー)が認められているアミノ酸配列の
一部あるいはすべてが挙げられる。構成アミノ酸が欠損
しているNO合成酵素のムテインにおける欠損している
構成アミノ酸の数としては、少なくとも1個であるが誘
導型NO合成酵素の有する特徴を失わない限り何個でも
よい。構成アミノ酸が別のアミノ酸で置換されているN
O合成酵素のムテインにおける置換される前のNO合成
酵素の構成アミノ酸(被置換アミノ酸)の数としては、
少なくとも1個であるが誘導型NO合成酵素の特徴を失
わない限り何個でもよい。
【0008】置換される構成アミノ酸(被置換アミノ
酸)の例としては、システインあるいはシステイン以外
のいずれのアミノ酸も対象となり得るが、システインが
特に好ましく置換される。システイン以外の被置換アミ
ノ酸としては、アスパラギン酸,アルギニン,グリシン,
バリンなどが挙げられる。 被置換アミノ酸がシステインである場合には、置換する
アミノ酸(置換アミノ酸)としては、たとえば中性アミ
ノ酸が好ましい。該中性アミノ酸の具体例としては、た
とえば、グリシン,バリン,アラニン,ロイシン,イソロイ
シン,チロシン,フェニルアラニン,ヒスチジン,トリプト
ファン,セリン,スレオニン,メチオニンなどが挙げられ
る。特に、セリン,スレオニンが好ましい。被置換アミ
ノ酸がシステイン以外のものである場合には、置換アミ
ノ酸としては、たとえば、アミノ酸の親水性,疎水性あ
るいは電荷の点で、被置換アミノ酸とは異なる性質をも
つものを選ぶ。具体的には被置換アミノ酸がアスパラギ
ン酸の場合には、置換アミノ酸としてアスパラギン,ス
レオニン,バリン,フェニルアラニン,アルギニンなどが
挙げられるが、特にアスパラギン,アルギニンが好まし
い。被置換アミノ酸がアルギニンの場合には置換アミノ
酸としてグルタミン,スレオニン,ロイシン,フェニルア
ラニン,アスパラギン酸が挙げられるが、特にグルタミ
ンが好ましい。被置換アミノ酸がグリシンである場合に
は、置換アミノ酸としては、スレオニン,ロイシン,フェ
ニルアラニン,セリン,グルタミン酸,アルギニンなどが
挙げられ、特にスレオニンが好ましい。被置換アミノ酸
がセリンである場合には、置換アミノ酸としては、メチ
オニン,アラニン,ロイシン,システイン,グルタミン,ア
ルギニン,アスパラギン酸などが挙げられ、特にメチオ
ニンが好ましい。被置換アミノ酸がバリンである場合に
は、置換アミノ酸としては、セリン,ロイシン,プロリ
ン,グリシン,リジン,アスパラギン酸などが挙げられ、
特にセリンが好ましい。被置換アミノ酸としては、アス
パラギン酸,アルギニン,グリシン,セリン,バリンが好ま
しく、置換アミノ酸としては、アスパラギン,グルタミ
ン,アルギニン,スレオニン,メチオニン,セリン,ロイシ
ンが好ましい。
【0009】上記の置換においては、2以上の置換を同
時に行なってもよい。特に、2または3個の構成アミノ
酸が置換されるのが好ましい。上記のムテインは、上記
した付加,欠損,置換の2つまたは3つが組み合わさった
ものでもよい。該ムテインを製造するためには、特定部
位指向性変異誘発技術(Sitedirected mutagenesis)が採
用される。該技術は周知であり、アール・エフ・レイサ
ー(Lather, R. F.)及びジェイ・ピー・レコック(Lecoq,
J. P.),ジェネティック・エンジニアリング(Genetic E
ngineering)、アカデミックプレス社(1983年)第3
1−50頁、に示されている。オリゴヌクレオチドに指
示された変異誘発はエム・スミス(Smith, M.)及びエス
・ギラム(Gillam, S.)、ジェネティック・エンジニア
リング:原理と方法、プレナムプレス社(1981年)第
3巻 第1−32頁に示されている。
【0010】該ムテインをコードする構造遺伝子を製造
するためには、たとえば、 (a) NO合成酵素の構造遺伝子の1本鎖からなる1本鎖
DNAを突然変異株オリゴヌクレオチドプライマーと雑
種形成させる(この1本鎖で代替すべきシステイン用コ
ドン、又は場合によりこのコドンと対合をつくるアンチ
センス・トリプレットを包含する領域に対して上記プラ
イマーは相補的なものである。但し、当該コドンの他の
アミノ酸暗号化用コドン、又は場合によりアンチセンス
・トリプレットとの不一致はこの限りでない)、 (b) DNAポリメラーゼによりプライマーを伸長させ、
突然変異性ヘテロ二量体(heteroduplex)を形成させる、
及び (c) この突然変異性ヘテロ二量体を複製する。 次に、突然変異化された遺伝子を運搬するファージDN
Aを単離し、プラスミドへ組み込む。
【0011】このようにして得られたプラスミドで適当
な宿主を形質転換し、得られた形質転換体を培地に培養
することにより、ムテインを製造することができる。本
発明における抗原としてのNO合成酵素の構成アミノ酸
が欠損したムテインとしては、NO合成酵素のアミノ酸
配列のうちのアミノ酸の個数が100個以上のものから
なるムテインが好ましく、さらに好ましくは110個以
上のムテインがあげられる。本発明のモノクローナル抗
体を製造するには、NO合成酵素、そのムテインまたは
その部分ペプチドを哺乳動物に免疫し、得られた脾臓細
胞と哺乳動物のリンパ球様細胞とを細胞融合させ、次い
でクローン化することにより製造される。該NO合成酵
素、そのムテインまたはその部分ペプチドを免疫するに
際しては、NO合成酵素をキャリヤー蛋白との複合体と
してから、これを免疫に用いてもよい。該キャリヤー蛋
白としては、たとえばウシ血清アルブミン,ウシサイロ
グロブリン,ヘモシアニンなどが挙げられる。キャリヤ
ー蛋白複合体を用いる場合に、キャリヤー蛋白とNO合
成酵素とのカップリング比率は、約0.1〜30倍(キャ
リヤー/NO合成酵素:重量比)で用いられる。望まし
くは約0.5〜5倍が用いられる。また、ハプテンとキ
ャリヤーとのカップリングには、種々の縮合剤を用いる
ことが出来るが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド
等が好都合に用いられる。
【0012】NO合成酵素または複合体を用いて免疫す
るに際し、免疫する哺乳動物は、羊、山羊、兎、モルモ
ット、ラット、マウス等の実験動物が使われるが、モノ
クローナル抗体を得るためには、ラット、マウスが好ま
しい。免疫方法は、例えばマウスを免疫する場合、腹腔
内、静脈内、筋肉内、皮内、皮下等のいずれのルートか
らでも可能であるが、主として皮下、腹腔内、静脈内に
(とりわけ皮下)注入するのが好ましい。また、免疫間
隔,免疫量等も可変度は高く、種々の方法が可能である
が、たとえば2週間隔で約2〜6回免疫し、最終免疫
後、約1〜5日、好ましくは約2〜4日後に摘出した脾
臓細胞を用いる方法がよく用いられる。免疫量は1回に
ペプチド量として、マウス当り約0.1μg以上、好まし
くは約10μg〜300μg用いることが望ましい。又、
脾臓を摘出する前に、部分採血を行い、血中の抗体価の
上昇を確認した上で、脾臓細胞を用いる融合を行うこと
が望ましい。
【0013】上記の細胞融合は例えば摘出したマウスの
脾臓細胞を、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシ
ルトランスフェラーゼ欠損(HGPRT-)や、 チミジン
キナーゼ欠損(TK-)の様なマーカーを持った適切な同
種または異種(好ましくは同種)のミエローマ〔例、P3
−X63−Ag・8U1(市森他 ジャーナル・オブ・イ
ムノロジカル・メソッド 第80巻 第55頁(198
5)〕等の、リンパ球様細胞株との間で融合させる。例
えばケーラーおよびミルスタインらの方法〔ネイチャー
(Nature)第256巻,第495頁(1975)〕に準じて
融合させることにより製造される。たとえばミエローマ
細胞と脾細胞とを約1:5の割合で、たとえばイスコフ
培地とハムF−12培地を1:1に混合した培地(以下
IH 培地と称する。)に懸濁させ、センダイウイルス,
ポリエチレングリコール(PEG)等の融合剤が用いて融
合することができる。もちろんジメチルスルホキシド
(DMSO)その他の融合促進剤をこれらに替えて加える
ことも可能である。PEGの平均分子量は、ふつう約1
000〜9000,反応時間は約0.5〜30分,濃度は
約10%〜80%等が用いられるが、好ましい条件の一
例として、PEG 6000を約35〜55%で約4〜
10分処理することにより、効率よく融合させることが
出来る。融合細胞は、ヒポキサンチン−アミノプテリン
−チミジン培地〔HAT培地:ネイチャー,第256巻,
第495頁(1975)〕等を用いて、選択的に増殖させ
ることが出来る。
【0014】増殖してきた細胞の培養上清は、目的とす
る抗体の産生の有無についてスクリーニングを行うが、
抗体価のスクリーニングは次の様に行うことが出来る。
即ち、まず第1段階として免疫に用いた抗原ペプチドに
対する抗体産生の有無を、ラジオイムノアッセイ(RI
A)法またはエンザイムイムノアッセイ(EIA)法等の
方法で調べることが出来るが、これらの方法についても
種々の変法が可能である。好ましい測定法の一例とし
て、EIAを用いる一つの方法について述べる。セルロ
ースビーズ等の担体に、例えばウサギ抗マウスイムノグ
ロブリン抗体を常法に従ってカップリングさせておき、
これに測定したい培養上清や、マウスの血清を加え、一
定時間、定温(約4〜40℃を示す。以下においても同
様。)で反応させる。この後、反応物をよく洗った後、
酵素で標識した抗原ペプチド(酵素と抗原ペプチドを常
法に従いカップリングさせた後精製)を加え、一定時
間,定温で反応させる。反応物をよく洗った後、酵素基
質を加え、一定時間,定温で反応させ、その後、生成発
色物を吸光度または蛍光強度等で測定することが出来
る。
【0015】選択培地で増殖を示し、かつ免疫に用いた
抗原ペプチドに対する抗体活性のみられたウエルの細胞
は、限界希釈法等によりクローニングを行うことが望ま
しい。クローン化された細胞の上清について同様にスク
リーニングを行い抗体価の高いウエルの細胞を増やすこ
とにより、免疫に用いた抗原ペプチドと反応性を示すモ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマクローンが得られ
る。このようにしてクローン化されたハイブリドーマ
を、液体培地中で増殖させる。具体的には例えば、液体
培地たとえばRPMI−1640〔Moore,G. E., ら,
ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエ
ーション( J. Am. Med. Assoc.)199,549(196
7)〕に約0.1〜40%の牛血清を加えた培地等で約2
〜10日間、好ましくは約3〜5日間培養することによ
り、培養液から該モノクローナル抗体を得ることができ
る。また、哺乳動物の腹腔内に接種し、細胞を増殖さ
せ、腹水を採取することにより抗体を取得することが出
来る。このためには、例えばマウスを用いる場合、ミネ
ラルオイル等を前もって接種したBALB/c 等のマウ
スに約1×104〜1×107個、好ましくは約5×10
5〜2×106個のハイブリドーマを腹腔内に接種し、約
7〜20日後、好ましくは約10〜14日後に腹水液を
採取する。腹水に生成蓄積した抗体は、例えば硫安分
画,DEAE−セルロースカラムクロマトグラフィー等
の分離、精製法により、容易にモノクローナル抗体を純
粋な免疫グロブリンとして単離することが出来る。
【0016】このようにして、誘導型NO合成酵素に対
するモノクローナル抗体が得られる。本発明のモノクロ
ーナル抗体にあっては、誘導型NO合成酵素を免疫原と
し各種のNO合成酵素(好ましくはマクロファージまた
は脳由来)と高感度に結合するものをいうが、さらに製
造時に用いた免疫原のみならず同時にこれとは異なるN
O合成酵素(例えば、脳由来NO合成酵素などの構成的
なNO合成酵素など)とも結合する抗体であっても本願
発明の抗体に含まれる。本発明のモノクローナル抗体
は、NO合成酵素と高感度に結合することから、NO合
成酵素測定用試薬として極めて有用である。さらに生体
臓器、組織中のNO合成酵素の測定を容易にすること
は、NO合成酵素に関する基礎知見(例えば生体内分布)
を得る上からも極めて有用である。生体臓器,組織中の
NO合成酵素の検出には通常酵素免疫測定法(EIA法)
などによる定量、あるいは蛍光抗体法やRIA法が用い
られるが、なかでもEIA法が好ましい。また本発明抗
体を用いこれらの臓器,組織中に存在するNO合成酵素
の大きさを知るにはタンパクのウエスタンブロッティン
グ法が有効である。この方法は臓器,組織由来の粗抽出
液あるいはその部分精製試料をアクリルアミド電気泳動
した後、メンブランフィルターにトランスファーし、H
RP標識抗NO合成酵素抗体で検出する。
【0017】さらに本発明抗体とNO合成酵素との結合
能を利用し、抗体アフィニティーカラムを作製してNO
合成酵素の精製に利用することもできる。NO合成酵素
を検出,定量するために用いられる抗体分子は、そのフ
ラクション{例、F(ab´)2,Fab´ もしくはFab}であ
っても良い。なかでも、標識剤を直接結合させる抗体分
子はFab´ であることが好ましい。本発明のモノクロー
ナル抗体は、このようにNO合成酵素の免疫化学的測定
法における試薬として用いることができる。NO合成酵
素の免疫化学的測定法によって、生体組織や細胞のNO
合成酵素の量を測定することができ、これにより、たと
えば種々の組織や細胞のNO合成酵素を測定することに
より、中枢神経系疾患,脈管系疾患,白血球が関与する
疾患例えば炎症性疾患等の診断に役立つと考えられる。
【0018】上記免疫学的測定法において、二種の抗体
を用いる測定法を行なうに際しては、一方の抗体として
本発明のモノクローナル抗体を用い、他方の抗体とし
て、本発明のモノクローナル抗体またはポリクローナル
抗体を用いることができる。また、測定感度を上げる目
的で3種以上の抗体を適宜組み合わせて用いることもで
きる。NO合成酵素の測定方法において用いられる担体
上に保持された抗体(固相抗体)における担体として
は、例えば、ゲル粒子(例、アガロースゲル〔例、セフ
ァロース4B、セファロース6B(商品名,ファルマシ
ア・ファインケミカル社(スエーデン)製)〕、デキスト
ランゲル〔例、セファデックスG−75、セファデック
スG−100、セファデックスG−200(登録商標,
ファルマシア・ファインケミカル社(スエーデン)
製)〕、ポリアクリルアミドゲル〔例、バイオゲルP−
30、バイオゲルP−60、バイオゲルP−100(登
録商標,バイオラッド・ラボラトリーズ社(米国)
製)〕、セルロース粒子〔例、アビセル(登録商標,旭化
成製)、イオン交換セルロース(例、ジエチルアミノエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース)〕、物理
的吸着剤〔例、ガラス(例、ガラス球、ガラスロッド、
アミノアルキルガラス球、アミノアルキルガラスロッ
ド)、シリコン片、スチレン系樹脂(例、ポリスチレン
球、ポリスチレン粒子)、イムノアッセイ用プレート
(例、ヌンク社(デンマーク)製〕、イオン交換樹脂
{例、弱酸性陽イオン交換樹脂〔例、アンバーライトI
RC−50(登録商標,ローム・アンド・ハース社(米
国)製)、ゼオカーブ226(商品名,パームチット社(西
ドイツ)製)〕、弱塩基性陰イオン交換樹脂〔例、アンバ
ーライトIR−4B、ダウエックス3(登録商標,ダウ
ケミカル社(米国)製〕}などが挙げられる。
【0019】担体に抗体を保持させるには、公知の常套
手段を応用し得るが、例えば、“代謝”、第8巻、第6
96頁(1971年)に記載されているブロムシアン
法、グルタールアルデヒド法などが挙げられる。また、
より簡便な方法として物理的に担体表面に吸着させても
よい。標識剤を結合させた抗体(標識抗体)における標
識剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光
物質などが挙げられるが、酵素を用いるのが好ましい。
酵素としては、安定で非活性の大きなものが好ましく、
ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−
ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ等を用いる
ことができるが、ペルオキシダーゼが好ましい。ペルオ
キシダーゼとしては、種々の起源のものを用いることが
できるが、その例としてはたとえば西洋わさび、パイナ
ップル、イチジク、甘藷、ソラマメ、トウモロコシなど
から得られるペルオキシダーゼが挙げられ、特に西洋わ
さびから抽出されたホースラディッシュ ペルオキシダ
ーゼ(horseradish peroxidase)(HRP)が好ましい。ペ
ルオキシダーゼと抗体を結合するにあたり、抗体分子と
してのFab´のチオール基を利用するために、あらかじ
めペルオキシダーゼにマレイミド基を導入したものを用
いると好都合である。マレイミド基をペルオキシダーゼ
に導入する方法としては、ペルオキシダーゼのアミノ基
を介してマレイミド基を導入することができる。そのた
めには、N−サクシニミジル−マレイミド−カルボキシ
レート誘導体を用いることができ、好ましくは、N−
(γ−マレイミドブチルオキシ)サクシイミド(GMBS
と略称することもある)などが良い。従って、マレイミ
ド基とペルオキシダーゼとの間に一定の基が入っている
こととなってもよい。GMBSをペルオキシダーゼに反
応させるには、両者を、pH約6ないし8の緩衝液中で
約10ないし50℃の温度で約10分ないし24時間反
応させることによって行われる。該緩衝液としては、た
とえば、pH7.0の0.1Mリン酸緩衝液などが挙げら
れる。このようにして得られたマレイミド化ペルオキシ
ダーゼは、たとえばゲルクロマトグラフィーなどにより
精製することができる。該ゲルクロマトグラフィーを行
う際に用いられる担体としては、例えば、セファデック
スG−25〔登録商標,ファルマシア・ファインケミカ
ル社(スエーデン)製〕、バイオゲルP−2〔登録商標,
バイオラッド・ラボラトリーズ社(米国)製〕などが挙げ
られる。
【0020】マレイミド化ペルオキシダーゼと抗体分子
との反応は、両者を緩衝液中で約0℃ないし40℃の温
度で、約1ないし48時間反応させることにより行うこ
とができる。該緩衝液としては、たとえば、pH6.0の
5mMエチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩を含む0.1
Mリン酸緩衝液などが挙げられる。このようにして得ら
れたペルオキシダーゼ標識抗体は、たとえばゲルクロマ
トグラフィーなどにより精製することができる。該ゲル
クロマトグラフィーを行う際に用いられる担体として
は、例えば、セファデックスG−25〔ファルマシア・
ファインケミカル社(スエーデン)製〕、バイオゲルP−
2〔バイオラッド・ラボラトリーズ社(米国)製〕などが
挙げられる。さらに、ペルオキシダーゼにチオール基を
導入し、マレイミド化された抗体分子と反応させても良
い。ペルオキシダーゼ以外の酵素を抗体に直接結合させ
るには、ペルオキシダーゼの場合に準じて行なうことが
でき、また、自体公知のグルタルアルデヒド法,過ヨウ
素酸法,水溶性カルボジイミド法などが用いられる。本
発明の測定系における被検試料としては、組織、細胞、
細胞株や菌体の抽出液またはそれらの培養上清が挙げら
れる。本発明の測定方法の例として、標識剤がペルオキ
シダーゼの場合について以下に具体的に説明するが、ペ
ルオキシダーゼに限定されるものではない。 まず、:担体に保持された抗体に、測定すべきNO合
成酵素含有の分析対象物を加えて抗原抗体反応を行った
後、これに、前記で得られたペルオキシダーゼと抗NO
合成酵素抗体との結合物(酵素標識抗体)を加えて反応
させる。 :で得られた反応生成物にペルオキシダーゼの基質
を加え、生じた物質の吸光度もしくは蛍光強度を測定す
ることにより上記の反応生成物の酵素活性を知る。 :上記〜の操作を既知量のNO合成酵素の標準溶
液に対してあらかじめ行い、NO合成酵素と吸光度もし
くは蛍光強度との関係を標準曲線として作成しておく。 :未知量のNO合成酵素を含む分析対象物(被検試料)
について得られた吸光度もしくは蛍光強度を標準曲線に
あてはめ、分析対象物中のNO合成酵素の量を測定す
る。
【0021】本発明で得られた抗体を用いてNO合成酵
素を精製することができる。これには、該抗体を用いて
アフィニティーカラムクロマトグラフィーを行なうこと
により行なうことができる。該アフィニティーカラムク
ロマトグラフィーは、たとえば、該抗体を適切な担体に
カップリングさせ、これをカラムに充填し、NO合成酵
素を含む溶液をカラムに通し吸着させ、次いで溶出させ
ることにより行なうことができる。該担体としては、た
とえば、先に記載された担体と同様のものが挙げられ
る。とりわけゲル粒子や各種合成樹脂が好都合に用いら
れる。たとえばCNBr−活性化セファロース 4B(フ
ァルマシア・ファインケミカル社製),アフィゲル−1
0,アフィゲル15(商品名,バイオラッド・ラボラトリ
ーズ社製)などが挙げられる。抗体を担体にカップリン
グさせるには、公知の常套手段を応用し得るが、たとえ
ば“代謝”,第8巻,第696頁(1971年)に記載さ
れているブロムシアン法,グルタールアルデヒド法が挙
げられる。また、水溶性カルボジイミドを用いる方法、
活性エステル法なども用いることができるが、より簡単
な方法として物理的に担体表面に吸着させてもよい。
【0022】このようにして得られた抗体結合担体を用
いて精製を行なうには、抗体を結合させた担体を充填し
た抗体カラムに中性付近の緩衝液中に調製したNO合成
酵素溶液を供し、NO合成酵素を吸着させる。次にカラ
ムを同じ緩衝液で洗浄したのち、特異的に吸着されたN
O合成酵素を溶出させる。特異的に吸着されたNO合成
酵素を溶出するには、たとえば、低pHもしくは高pHの
緩衝液,高濃度の塩を含有する緩衝液を用いて行なわれ
る。該低pHの緩衝液としては、たとえばpH2.3の0.
17Mグリシン−塩酸緩衝液,pH1.8の0.1M第二
クエン酸ナトリウム−塩酸緩衝液などが挙げられる。該
高pHの緩衝液としては、たとえばpH11のアンモニア
水,pH11.7の0.2Mホウ酸ナトリウム緩衝液などが
挙げられる。該高濃度の塩を含有する緩衝液としては、
たとえば6Mグアニジン塩酸溶液,7M尿素溶液などが
挙げられる。上記の溶出は、バッチ法でもよく、またカ
ラムを用いる方法でもよい。抗原の溶出液はたとえば透
析して精製する。たとえば低pHの緩衝液で溶出した時
は、たとえば0.1M炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.
5)などの高pH緩衝液,高pHの緩衝液で溶出した時
は、たとえば0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH3.
0)などの低pH緩衝液で中性化したのち、たとえば
0.1%NaN3を含む0.02Mリン酸食塩緩衝液(pH
8.0)に対して透析する。また高濃度の塩を含有する
緩衝液で溶出した抗原液は直接上記のリン酸食塩緩衝液
に透析して保存することもできる。また、上記溶出液ま
たは透析液を凍結乾燥して得られた凍結乾燥標品として
保存することもできる。このようにして本発明の抗体を
用いて精製されるNO合成酵素は、極めて高純度、高単
位のものであり、脳神経系,脈管系,血球系の生理ある
いは疾病の解明などの研究において試薬として用いるの
に有用であると考えられる。
【0023】本発明明細書および図面において、塩基や
アミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IU
B Commision on Biochemical Nomenclatureによる略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。また、アミノ酸に関し光学異性
体がありうる場合は、特に明示しなければL−体を示す
ものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 Tdr :チミジン EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニールアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン Clz :2−クロロベンジルオキシカルボニル BrZ :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Bzl :ベンジル Boc :t−ブトキシカルボニル
【0024】
【実施例】以下に実施例をもって、本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらによってなんら限定され
るものではない。なお、後述の実施例で得られた本発明
の抗体産生ハイブリドーマは、次に示すように寄託され
ている。 (IFO) (NIBH) 動物細胞 IFO No. FERM No. ────────────────────────────────── マウスハイブリドーマN2 50398 BP−4258 (1993. 4. 2) (1993. 4.14) マウスハイブリドーマN5 50399 BP−4259 (1993. 4. 2) (1993. 4.14) マウスハイブリドーマN21 50400 BP−4260 (1993. 4. 2) (1993. 4.14) マウスハイブリドーマN11 50440 (1994. 3. 7) ────────────────────────────────── IFO:財団法人発酵研究所(大阪) NIBH:通商産業省工業技術院生命工業技術研究所 表中( )内は受託日を示す。 実施例1 NO合成酵素の調製 雄性Kb1 Wistarラット(体重200〜230g)の腹
腔に、1匹当り生理食塩水10mlに溶解した40mgのB
CGを接種した。接種して2週後、50mlのリン酸緩衝
生理食塩水(PBS)をラット腹腔に接種し、腹腔滲出
細胞を採取した。遠心(300×g,10分間)後上清
を除去し、25mlの低張NaCl(0.2%)溶液を加
え、混入した赤血球を溶血させたのち、1.6%のNa
Clを25ml加え等張液に戻した。再度遠心(300×
g,10分間)後、細胞を10%ウシ胎仔血清、10ng
/mlリポポリサッカライドを含有するDMEM(Dulbec
co's modified Eagle's medium)に浮遊させ、10cmカ
ルチャーディシュに播種し、37℃,5%炭酸ガス(C
2)下で24時間培養を行った。培養後、非接着性の
細胞をPBSで3回洗浄することにより除去し、接着性
の細胞をラバーポリスマンで剥離収集した。このように
して得られたマクロファージを1mM DTT(ジチオ
スレイトール)を含有する50mMトリス−塩酸バッフ
ァー(pH7.4)に、1×108個/mlの濃度になる
よう浮遊させ、0.1mg/mlフェニールメチルスルフォ
ニルフルオリド,0.01mg/mlトリプシンインヒビタ
ー,0.01mg/mlロイペプチン,0.01mg/mlアン
チパイン,0.01mg/mlペプスタチン等を添加した。
マクロファージ浮遊液を超音波破砕(Ultrasonic disru
ptor, output 6,3秒,トミー精工)し、100,00
0×g,60分遠心して上清を得た。精製は以下のよう
に行った。7.5mlの上清を1mM DTTを含有する
50mMトリス−塩酸バッファー(pH7.4)で平衡
化した2′,5′−ADP−アガロースカラムに供し
た。カラムを1mM DTTと750mM NaClを含有
する50mM トリス−塩酸10mlと1mM DTTを含有
する50mMトリス−塩酸10mlで順次洗浄し、1mM
DTTと1mM NADPHを含有する50mM トリス−
塩酸2mlで溶出を行った。溶出したNO合成酵素サンプ
ルをセントリコン10(Amicon, Danvers, MA)を用
いて50μlまで濃縮し、1mMDTTを含有する50m
M トリス−塩酸で平衡化したゲル濾過カラム Superose
12HR10/30(300×10mm,ファルマシア
LKB BiotechnologyUppsala,スウェーデン)に供
し、NO合成酵素フラクションを得た。
【0025】実施例2 抗NO合成酵素モノクローナル
抗体の取得 (1) 免疫 BALB/c マウス(♀8週令)に対し、実施例1で得ら
れたNO合成酵素10μgとフロインド完全アジュバン
ト(Difco Laboratories, 米国)の混合物を皮下に接種
した。 2ケ月後にNO合成酵素10−15μgとフロイ
ンド不完全アジュバント(Difco)の混合物を同マウス
皮下に接種し、同様の免疫を約1ケ月間隔で、さらに4
回行い、最終免疫1ケ月後50mM トリス−塩酸(pH
7.4)に溶かした15μgのNO合成酵素を同マウス
の静脈内に接種した。
【0026】(2) 細胞融合 上記(1)で得られた免疫マウスより、抗原最終投与の
3日後脾臓を摘出し、細胞融合に用いる細胞を取得し、
MEM培地に懸濁した。マウスミエローマ細胞P3−X
63−Ag・8U1(P3U1)は5%ウシ胎仔血清を
含有するGIT培地(日本製薬)で5%炭酸ガス,95
%空気の条件で継代培養した。細胞融合はケーラーとミ
ルスタインが確立した分法〔ネイチャー(Nature)第2
56巻,第495頁(1975)〕に準じて行った。P3
U1細胞6.9×107個と上述の方法で得られた免疫
されたリンパ球3.2×108個を混合し、遠心後、細
胞にあらかじめ37℃に加温した0.5mlのMEM培地
に溶解した45%PEG6000を、ゆっくり滴下し
た。7分後37℃に加温したMEM培地を1分間に0.
5mlずつ加え15mlとした後、室温で600回転15分
間遠心し上清を除去した。 この細胞沈澱物を5%ウシ胎
仔血清を含有するGIT培地210mlに懸濁し、96穴
マイクロプレート(ヌンク社,Naperville,IL)に10
0μlずつ2064ウエルに播種した。 1日後、HAT
(ヒポキサンチン1×10-4M,アミノプテリン4×1
-7M,チミジン1.6×10-5M)を含んだGIT培
地(5%牛胎仔血清含有)(以下HAT培地と称する)
を各ウエルに150μlずつ添加し、 さらに3日おき
に、培地の1/2量を新しいHAT培地と交換した。こ
のようにして生育した細胞は雑種細胞である。
【0027】(3) 抗体産生細胞の検索 実施例(1)記載の方法で精製されたNO合成酵素を
0.5μg/mlになるようPBS(pH7.4)で希釈
し、その100μlを96穴イムノプレート(ヌンク
社)の各ウエルに入れ4℃一夜放置し、固相にNO合成
酵素を結合させた。PBSで洗浄した後、余剰の結合部
位を塞ぐため、ブロックエース(雪印乳業)を20%含
有するPBSを250μlずつウエルに注入して、使用
時まで冷所に保存した。 以上のようにして得られたNO
合成酵素を結合した96穴イムノプレートに、雑種細胞
上清を100μlずつ加え室温で2時間インキュベート
した。培養上清を除去、洗浄後、2次抗体としてHRP
標識ヤギ抗マウスIgG抗体(カペル社,米国)を加え
室温で2時間インキュベートした。2次抗体を除去し、
よくウエルを洗浄した後、HRP用基質溶液(0.02
% H22と0.15% o−フェニレンジアミンを含む
pH5.5のクエン酸ナトリウム緩衝液)を100μl
加え、 25℃で10分反応させ、2N硫酸100μlを
加えることにより酵素反応を停止させた後、マイクロプ
レート用自動比色計(MTP−32,コロナ社)を用
い、492nmにおける吸光度を測定した。その結果14
ウエルにNO合成酵素に結合性を示す抗体の存在を認め
た。
【0028】(4) 雑種細胞のクローニング 抗体の存在を認めたウエルの細胞を、1ウエルあたり
0.5個となるように、予め5×104個/ウエルのマ
ウス胸腺細胞を栄養細胞として播いておいた96穴マイ
クロプレートに播き、クローニングを行った。その結
果、それぞれのウエルから代表的なクローン細胞各1個
を得、合計14のクローン細胞N1,N2,N3,N
4,N5,N7,N8,N9,N11,N12,N1
4,N16,N18及びN21を得た。
【0029】(5) 抗体の製造 上記(4)においてクローニングによって得られた14
種のハイブリドーマクローンをそれぞれあらかじめ0.
5mlのミネラルオイルを腹腔内に投与しておいたBA
LB/c マウスの腹腔内に1匹あたり1×106個接種
することにより腹水化を行なった。ハイブリドーマを腹
腔に投与して10日後、腹水を採取した。得られたそれ
ぞれの腹水約10mlから、ステーリンら〔ジャーナル
オブバイオロジカルケミストリー,第256巻,第97
50−9754頁(1981)〕の方法に準じてモノクロ
ーナル抗体を精製した。まず腹水からフィブリン様物質
を除去するため10,000回転15分間遠心した後、
PBS(8.1mM−リン酸二ナトリウム,1.5mM リ
ン酸カリウム,27mM KCl,137mM NaCl,pH
7.2)で280nmの紫外部吸収(A280)が12〜14の
値を示す濃度に希釈した。希釈後サンプルに飽和硫酸ア
ンモニウム溶液を47%の濃度になるように加え、4℃
で撹拌しながら60分間塩析を行い、その後遠心(10,
000回転,15分間)を行なって沈澱物を得た。 沈澱物
を50mM NaCl含有20mMトリス緩衝溶液(pH7.
9)に溶融し、同溶液2リットルに対して透析を行った。
2時間後、2リットルの新しい同じ透析液に換え、 さ
らに15時間透析を行った。透析後、沈澱を除去するた
め10,000回転15分間遠心を行い、上清をA280
値が20〜30の濃度になるように調製した。このサン
プルを充分量の50mM−NaCl含有トリス緩衝溶液で
平衡化した20mlのDEAEセルロースカラム(ワッ
トマンDE52)にかけ、50mM NaCl含有トリス緩
衝溶液でよく洗った後、 50mM−500mM NaClを
含む同緩衝液の濃度勾配塩溶液を用いて1.5ml/分
の流出速度で分画を行って素通り画分を濃縮し、それぞ
れの精製モノクローナル抗体N1,N2,N3,N4,
N5,N7,N8,N9,N11,N12,N14,N
16,N18およびN21を得た。抗体の純度の確認に
はラエムリらの方法〔ネイチャー,第227巻,680−
685頁(1970)〕に準じてSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動を用いた。すなわち、硫安塩析し、D
EAEセルロースカラムで素通りした画分を、2−メル
カプトエタノールで還元し、アクリルアミド濃度10%
のゲルを用いて180ボルトで2.5時間泳動を行っ
た。その結果、いずれのモノクローナル抗体も分子量
52KDa前後にH鎖,28KDa前後にL鎖の2つのバ
ンドが認められた。
【0030】(6) 抗体のサブクラスの測定 抗体のサブクラスは次の方法で測定した。即ち実施例1
で得られたNO合成酵素をコートした96穴イムノプレ
ートにクローン化されたそれぞれのハイブリドーマ培養
上清を100μl入れ室温で2時間インキュベートし
た。培養上清を除去,洗浄後ウサギ抗マウスγ1,γ2a
γ2b,γ3,K鎖,λ鎖に対する抗体(カペル社)をそれ
ぞれ100μl入れ室温で2時間インキュベートした。
それぞれの抗体を除去,洗浄後HRP標識ヤギ抗ウサギ
IgG抗体(カペル社)を加え室温で2時間インキュベー
トした。標識抗体を除去し、よく洗浄した後、上記(3)
記載の方法で酵素反応を行ない吸光度を測定した。その
結果、N8,N9,N11,N12,N14,N16,
N18及びN21抗体はγ1,κ,N1及びN7抗体は
γ2a,κ,N2,N3,N4及びN5はγ2b,κのサブ
クラスに属する抗体であることが判明した。
【0031】実施例3 抗体の特徴 (1) ウェスタンブロット法 実施例1で得られたNO合成酵素をPhast−システム
(ファルマシア社)を用いて10〜15%グラジエント
ゲル上で電気泳動を行なった。泳動後、メンブランフィ
ルターにトランスファーし、実施例2で得られた各抗N
O合成酵素のモノクローナル抗体で反応を行ない、アル
カリフォスファターゼ標識ヤギ抗マウスIgG抗体で、
抗NO合成酵素抗体の結合性を検討した。その結果、1
4種のいずれの抗体も150kDaのNO合成酵素に結合
性を示すことが分かった。 (2)組織化学染色 5週令のWister ラットの腹腔に生理食塩水に溶解した
BCG20mgを接種し、2週間後に諸臓器を摘出した。
速やかに凍結を行ない、cryostat で5μmの厚さに薄切
した。冷アセトンで固定後、内因性ペルオキシダーゼを
ブロックし、N4,N5,N16及びN21のそれぞれ
のモノクローナル抗体を1時間反応させた。PBSでよ
く洗浄後、HRP標識ヤギ抗マウスIgG抗体を1時間
反応させた。反応後、PBSで洗浄を行い、3−3′ジ
アミノベンジジンを基質として組織化学染色を行なっ
た。その結果、4種の抗体は全て、肺・脾マクロファー
ジ,肝クッパー細胞をはじめ諸臓器組織のマクロファー
ジと反応した。またN5抗体は神経細胞,N21抗体は
astrocyteとも反応性を示した。 免疫電顕的検討は以下のように行った。上述のラットの
腹腔または肺胞マクロファージをリポポリサッカライド
(LPS)1ng/ml存在下で24時間培養した。このよ
うにして活性化させたマクロファージを過ヨウ素酸−リ
ジン−パラホルムアルデヒドで固定後、同様の染色を行
い、オスミウム酸で後固定した。固定後、Epon 樹脂〔E
pok 812,Dodecenyl succinic anhydride, Methyl n
adic anhydride(以上 応研商事),DMP−30(ポ
リサイエンス社)の混合物〕に包埋し、超薄切片を作成
してH300電子顕微鏡(ヒタチ製)で観察した。その
結果、マクロファージの核膜,粗面小胞体,ゴルジ装置
などの合成系に抗体陽性反応が認められた。 (3)蛍光抗体染色 カバーグラス上にチオグリコレートで誘導したマウス腹
腔マクロファージを接着させ、LPSおよびインターフ
ェロン(IFN)−γで刺激し、4%パラホルムアルデ
ヒドで固定後、5μg/mlになるよう調製したそれぞれ
のモノクローナル抗体で4℃,一晩反応させた。反応後
PBSで洗浄し、蛍光抗体標識ヤギ抗マウスIgG抗体
で室温、2時間染色した。PBSでよく洗浄後、蛍光顕
微鏡観察を行った。その結果、N1,N2,N3,N
5,N8,N9,N11,N12,N14,N16,N
18,N21の12種のモノクローナル抗体がマクロフ
ァージに反応性を示した。
【0032】実施例4 酵素活性に及ぼす抗体の効果 実施例1記載のマクロファージ浮遊液を超音波破砕して
遠心(100,000×G,60分)した上清(cytoso
l)200μlに1mg/mlに調製した実施例2記載の各モ
ノクローナル抗体100μl加え、室温で60分間ゆる
やかに撹拌しながら反応させた。対照として同様に調製
した抗エンドセリンモノクローナル抗体〔Suzuki, N.
ら,ジャーナル オブ イムノロジカル メソッズ(J.
Immunol.Methods)第118巻,第245−250頁
(1989)〕および50mMトリス緩衝溶液(pH
7.4)を用いた。反応混合物を等量に2分割し、一方
を3.3mgのプロテインAセファロースCL−4B(フ
ァルマシア)を浮遊させた30μlの50mMトリス緩衝
浮遊液、他方を30μlの50mMトリス緩衝溶液と混合
し、室温で30分間ゆるやかに撹拌しながら反応させ
た。反応後、混合物を1,000×Gで2分間遠心し上
清を採取した。上清中のNO合成酵素の酵素活性をNO
の分解産物である亜硝酸塩,硝酸塩を測定することによ
り定量した〔Yui, Y.ら,ジャーナル オブ バイオロ
ジカル ケミストリー(J. Biol. Chem.)第266巻,第
12544−12547頁(1991)〕。また、上記
Cytosol分画200μlを精製したNO合成酵素(10μ
g/ml)200μl(900nmol/分/mg蛋白)に変えて同
様の操作を行った。得られた結果を〔図1〕および〔図
2〕に示す。図中、Bはトリス緩衝液を、Cは抗エンド
セリン抗体を示し、各数字は抗体の名称中の番号(N番
号)を示している。Cytosol分画を酵素原として用いた場
合、いずれの抗NO合成酵素モノクローナル抗体も酵素
活性の阻害活性を示さず、むしろ50mMトリス緩衝液
単独に比し高い酵素活性が認められた(図1斜線カラ
ム)。N4,N5,N7,N21抗体では酵素活性はト
リス緩衝液単独の場合の約2倍を示した。対照として用
いた抗エンドセリン抗体も若干酵素活性の上昇を示した
が、酵素活性はプロテインAセファロースの共存により
除去されなかった。それに比し、抗NO合成酵素モノク
ローナル抗体を用いた場合は、いずれもプロテインAセ
ファロースの共存により酵素活性の除去が認められた
(図1黒色カラム)。精製したNO合成酵素を用いた場
合、酵素活性はトリス緩衝液単独では殆んど失活した
(図2,B)。これに対し、抗NO合成酵素抗体と反応
させた場合、酵素活性は5〜17%残存し(図1下斜線
カラム)、酵素活性はプロテインAセファロースで除去
された(図2黒色カラム)。抗エンドセリン抗体でも若
干酵素活性は残存したが、プロテインAセファロースで
は除去されなかった(図2,C)。以上の結果は、抗N
O合成酵素モノクローナル抗体がNO合成酵素と結合す
ることにより、その酵素活性を安定化させたためである
と推定される。またCytosol分画より不安定(Yui, Y.
ら,前掲)である精製NO合成酵素を用いた場合では、
抗体の添加により酵素活性安定化がより明確に認められ
た結果もこの推定を強く裏付けている。
【0033】実施例5 (1) 抗体の酵素標識 精製N11抗体(6.5mg/ml)1.5mlを0.1M
NaCl を含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.2)に対
して4℃で6時間透析し、ペプシン(シグマ社製、米
国)(0.25mg)を加え、37℃で20時間消化し
た。1Mトリス緩衝液でpHを7にして反応を止め、Ul
trogel AcA 44(IBF社製、フランス)のカラムで
0.15M NaCl を含む0.02Mホウ酸緩衝液
(pH8.0)を溶出液として分離し、F(ab′)2 を得
た。これを0.9mlに濃縮後、0.1Mリン酸緩衝液
(pH6.0)に対して4℃で20時間透析し、0.2
Mメルカプトエチルアミン、5mM EDTA、0.1
Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.1mlを加えて、37
℃、90分間還元した。反応液を Sephadex G−25fi
ne(ファルマシア・ファインケミカル社製、スエーデ
ン)(φ1×60cm)で5mM EDTA、0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH6.0)を溶出液として分離し、Fa
b′画分を得た。一方、西洋ワサビペルオキシダーゼ
(HRP)(ベーリンガーマンハイム社製、西ドイツ)
10mgを0.9mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.
0)に溶かし、N−(γ−マレイミドブチルオキシ)サ
クシンイミド(GMBS)2.1mgをN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)100μl に溶かして加え、室
温で45分間撹拌後、Sephadex G−25fine(φ1.
2×60cm)で0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)を
溶出液として分離し、マレイミド基の導入されたHRP
を得た(マレイミド化HRP)。Fab′とマレイミド化
HRPをモル比で1:1になるように混ぜ、4℃で20
時間反応した。反応後、Ultrogel AcA 44のカラムで
0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)を溶出液として分
離し、酵素標識抗体(N11Fab′−HRP)を得た。
【0034】(2) 抗体結合固相の作製 精製N5抗体を10μg/mlになるよう0.1Mトリス
塩酸緩衝液(pH8)で希釈し、その100μl を96
ウエルイムノプレートの各ウエルに入れ4℃一夜放置
し、固相に抗体を結合させた。0.15M NaCl を
含有する0.01Mリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄
した後、25%ブロックエース(雪印乳業)、0.15
M NaCl を含有する0.01Mリン酸緩衝液(pH
7.0)250μl ずつウエルに注入して、使用時まで
冷所に保存した。 (3) サンドイッチEIA法 種々の濃度に調製したNO合成酵素100μl を、抗体
を結合させたウエルに入れ4℃で一夜インキュベートし
た。NO合成酵素溶液を除去後、100倍に希釈した酵
素標識抗体(N11Fab′−HRP)をウエル当たり1
00μl 加え、室温で2時間インキュベートした。標識
抗体を除去後、HRP基質溶液を加え、実施例2記載と
同様の方法で以下酵素反応を行い492nmにおける吸光
度を測定した。その結果、本測定系でのNO合成酵素の
検出限界は2.5〜5ng/ウエルであった〔図3〕。
【0035】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体は、NO合
成酵素に高感度に結合し、またその結合能も高いので、
種々の細胞由来のNO合成酵素の検出または測定用試薬
などとして、有利に用いることができる。従って、NO
合成酵素の細胞,組織内での発現の分布および発現を知
ることができ、またNO合成酵素自身やNOの役割をさ
らに解明することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で得られた、抗NO合成酵素抗体によ
るCytosol分画中のNO合成酵素の活性の安定化を示
す。
【図2】実施例4で得られた、抗NO合成酵素抗体によ
る精製NO合成酵素の活性の安定化を示す。
【図3】実施例5で得られた、抗NO合成酵素抗体を用
いるサンドイッチEIAによるNO合成酵素の検量線を
示す。
【符号の説明】
Bはトリス緩衝液を示す。 Cは抗エンドセリン抗体を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】
【実施例】以下に実施例をもって、本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらによってなんら限定され
るものではない。なお、後述の実施例で得られた本発明
の抗体産生ハイブリドーマは、次に示すように寄託され
ている。 (IFO) (NIBH) 動物細胞 IFO No. FERM No. ────────────────────────────────── マウスハイブリドーマN2 50398 BP−4258 (1993. 4. 2) (1993. 4.14) マウスハイブリドーマN5 50399 BP−4259 (1993. 4. 2) (1993. 4.14) マウスハイブリドーマN21 50400 BP−4260 (1993. 4. 2) (1993. 4.14) マウスハイブリドーマN11 50440 P−1 4234 (1994. 3. 7) (1994. 3.16) ────────────────────────────────── IFO:財団法人発酵研究所(大阪) NIBH:通商産業省工業技術院生命工業技術研究所 表中( )内は受託日を示す。 実施例1 NO合成酵素の調製 雄性Kb1 Wistarラット(体重200〜230g)の腹
腔に、1匹当り生理食塩水10mlに溶解した40mgのB
CGを接種した。接種して2週後、50mlのリン酸緩衝
生理食塩水(PBS)をラット腹腔に接種し、腹腔滲出
細胞を採取した。遠心(300×g,10分間)後上清
を除去し、25mlの低張NaCl(0.2%)溶液を加
え、混入した赤血球を溶血させたのち、1.6%のNa
Clを25ml加え等張液に戻した。再度遠心(300×
g,10分間)後、細胞を10%ウシ胎仔血清、10ng
/mlリポポリサッカライドを含有するDMEM(Dulbec
co's modified Eagle's medium)に浮遊させ、10cmカ
ルチャーディシュに播種し、37℃,5%炭酸ガス(C
2)下で24時間培養を行った。培養後、非接着性の
細胞をPBSで3回洗浄することにより除去し、接着性
の細胞をラバーポリスマンで剥離収集した。このように
して得られたマクロファージを1mM DTT(ジチオ
スレイトール)を含有する50mMトリス−塩酸バッフ
ァー(pH7.4)に、1×108個/mlの濃度になる
よう浮遊させ、0.1mg/mlフェニールメチルスルフォ
ニルフルオリド,0.01mg/mlトリプシンインヒビタ
ー,0.01mg/mlロイペプチン,0.01mg/mlアン
チパイン,0.01mg/mlペプスタチン等を添加した。
マクロファージ浮遊液を超音波破砕(Ultrasonic disru
ptor, output 6,3秒,トミー精工)し、100,00
0×g,60分遠心して上清を得た。精製は以下のよう
に行った。7.5mlの上清を1mM DTTを含有する
50mMトリス−塩酸バッファー(pH7.4)で平衡
化した2′,5′−ADP−アガロースカラムに供し
た。カラムを1mM DTTと750mM NaClを含有
する50mM トリス−塩酸10mlと1mM DTTを含有
する50mMトリス−塩酸10mlで順次洗浄し、1mM
DTTと1mM NADPHを含有する50mM トリス−
塩酸2mlで溶出を行った。溶出したNO合成酵素サンプ
ルをセントリコン10(Amicon, Danvers, MA)を用
いて50μlまで濃縮し、1mMDTTを含有する50m
M トリス−塩酸で平衡化したゲル濾過カラム Superose
12HR10/30(300×10mm,ファルマシア
LKB BiotechnologyUppsala,スウェーデン)に供
し、NO合成酵素フラクションを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 15/06 (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導型一酸化窒素合成酵素を免疫原とし、
    一酸化窒素合成酵素に結合性を示す、IgG型モノクロ
    ーナル抗体。
  2. 【請求項2】脳由来の一酸化窒素合成酵素に結合性を示
    す請求項1記載のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】マクロファージ由来の一酸化窒素合成酵素
    に結合性を示し、かつ血管内皮細胞由来の一酸化窒素合
    成酵素に結合性を示さないモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】誘導型一酸化窒素合成酵素で免疫した哺乳
    動物の脾臓細胞と、同種または異種のリンパ球様細胞か
    らなるクローン化されたハイブリドーマ。
  5. 【請求項5】マクロファージ由来の一酸化窒素合成酵素
    で免疫した哺乳動物の脾臓細胞と、同種または異種のリ
    ンパ球様細胞とを細胞融合し、クローニングすることを
    特徴とする請求項4記載のハイブリドーマの製造法。
  6. 【請求項6】請求項4記載のハイブリドーマを液体培地
    中または哺乳動物の腹腔内で増殖させることを特徴とす
    る請求項1、2または3記載のモノクローナル抗体の製
    造法。
  7. 【請求項7】請求項1、2または3記載のモノクローナ
    ル抗体を用いることを特徴とする一酸化窒素合成酵素の
    検出または定量法。
  8. 【請求項8】酵素免疫測定法である請求項7記載の検出
    または定量法。
  9. 【請求項9】請求項1、2または3記載のモノクローナ
    ル抗体を用いることを特徴とする一酸化窒素合成酵素の
    精製法。
JP6048885A 1993-03-18 1994-03-18 抗一酸化窒素合成酵素モノクローナル抗体、その製造法および用途 Pending JPH07163393A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6048885A JPH07163393A (ja) 1993-03-18 1994-03-18 抗一酸化窒素合成酵素モノクローナル抗体、その製造法および用途

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5908493 1993-03-18
JP7967993 1993-04-06
JP5-79679 1993-08-02
JP5-59084 1993-08-02
JP19123493 1993-08-02
JP5-191234 1993-08-02
JP6048885A JPH07163393A (ja) 1993-03-18 1994-03-18 抗一酸化窒素合成酵素モノクローナル抗体、その製造法および用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07163393A true JPH07163393A (ja) 1995-06-27

Family

ID=27462281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6048885A Pending JPH07163393A (ja) 1993-03-18 1994-03-18 抗一酸化窒素合成酵素モノクローナル抗体、その製造法および用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07163393A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI86436C (fi) Foerfarande foer framstaellning av faktor viii:c och daertill hoerande vektorer och saollningsmedel.
US4900673A (en) Mutant human angiogenin (angiogenesis factor with superior angiogenin activity) genes therefor and methods of expression
US6001580A (en) Method for assaying ERK2 map kinase
US5338678A (en) Expression of DNA sequences encoding a thermally stable cytosine deaminase from saccharomyces
CA2018273C (en) Thermally stable cytosine deaminase
KR930008093B1 (ko) 신규 폴리펩티드 및 이를 유효성분으로 하는 의약조성물
BG99234A (bg) Пречистени форми на дезоксирибонуклеаза
JP2930713B2 (ja) タンパク質ホルモン形成の抑制用の組成物およびその使用法
JPH09188698A (ja) 新規リンホカイン関連ペプチド
US5571679A (en) Anti-EDA monoclonal antibody and a method for diagnosis of disease associated with the EDA region of fibronectin
JP2004506449A (ja) イソマルチュロース・シンターゼ
JPS6291197A (ja) 抗ヒトインタ−ロイキン1抗体,その製法及びその使用法
DK172677B1 (da) Monoklonale antistoffer mod et interferoninduceret protein, fremgangsmåde til fremstilling deraf, hybridomacellelinier som
EP0300459A2 (en) Human pancreatic secretory trypsin inhibitor
US5087563A (en) Acyl carrier protein-I/protein-A gene fusion, products and methods
US5198350A (en) Interferon-induced human protein in pure form, monoclonal antibodies thereto and test kits containing these antibodies
JPH07163393A (ja) 抗一酸化窒素合成酵素モノクローナル抗体、その製造法および用途
JP3519096B2 (ja) モノクローナル抗体、ハイブリドーマおよびそれらの用途
JPH06125784A (ja) モノクローナル抗体,ハイブリドーマ,その製造法および用途
JPH0436194A (ja) モノクローナル抗体、ハイブリドーマ、それらの製造法および用途
JP3232415B2 (ja) モノクローナル抗体,その製造法および用途
JPH09507755A (ja) 哺乳類細胞におけるメチルチオアデノシンホスホリラーゼ欠乏の検出方法
US6407209B1 (en) Interferon-induced human protein in pure form, monoclonal antibodies thereto and test kits containing these antibodies
JPH0977799A (ja) ヒト−マクロファージ遊走阻止因子(ヒト−mif)に対するモノクローナル抗体および該抗体を産生するハイブリドーマ
US5349058A (en) Nucleic acid encoding human mevalonate kinase

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040827

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040921