JPH07164149A - 溶接方法及び溶接装置 - Google Patents

溶接方法及び溶接装置

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Publication number
JPH07164149A
JPH07164149A JP31473393A JP31473393A JPH07164149A JP H07164149 A JPH07164149 A JP H07164149A JP 31473393 A JP31473393 A JP 31473393A JP 31473393 A JP31473393 A JP 31473393A JP H07164149 A JPH07164149 A JP H07164149A
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JP
Japan
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welding
inert gas
work
back surface
surface side
Prior art date
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Application number
JP31473393A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Nakahama
義訓 中浜
Shinya Okumura
信弥 奥村
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接部分の裏面側における酸化を防止する。 【構成】 トルクコンバータのケーシングS,Tの溶接
時に、その裏面側にカバー部材7を配設して、当接部分
の裏面側を略密閉された空間Dにする。この空間Dに不
活性ガス供給用の供給通路8と空気排出用の排出通路9
とを連結し、供給通路8から空間Dに不活性ガスを供給
して排出通路9により空間Dから空気を排出し、この状
態で、当接部分の表面側からMIG溶接を行う。これに
より、表面側だけでなく、裏面側の酸化も防止され、特
に、裏面側での酸化膜の剥離によるトルクコンバータの
作動に対する悪影響が回避される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接方法及びその溶接
方法に使用される溶接装置に係り、特に、溶接部分の酸
化防止対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開昭63−5636
6号公報に開示されているように、2枚の板材同士を部
分的に重ね合わせ、この重ね合わされた部分を溶接する
ことによって、この2枚の板材を接合することが行われ
ている。そして、この種の溶接方法の一例としてMIG
溶接と呼ばれるイナートガスアーク溶接が一般に行われ
ている。このMIG溶接は、溶接トーチのノズルから送
り出される溶接心線の周囲から溶接部分に向って不活性
ガスを供給することによって、板材の溶接部分を空気か
ら遮断し、溶接時の熱による溶接部分表面の酸化を防止
しながら溶接が行えるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の溶
接方法にあっては、溶接時の熱が溶接部分の裏面側に伝
導され、この溶接部分の裏面側が酸化してしまうことが
ある。そして、このように溶接部分の裏面側が酸化する
ような場合、この裏面側に酸化膜が形成されることにな
り、この酸化膜が溶接部から剥離することによって、こ
の溶接部周辺の機器等に悪影響を与えてしまう虞れがあ
った。具体的に説明すると、自動車の自動変速機のトル
クコンバータのケーシングを構成するシェルとコンバー
タ基部とをその外側から溶接するような場合に、この各
部材の溶接部分の表面側は不活性ガスによって酸化が防
止されるものの、この各部材の溶接部分の裏面側ではこ
の溶接部分が酸化してしまって、ここで発生した酸化膜
が剥離して自動変速機内部のソレノイドに噛み込むなど
といった所謂コンタミの発生による故障が生じてしまう
虞れがある。
【0004】本発明は、この点に鑑みてなされたもので
あって、溶接部分の裏面側における酸化を防止すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、溶接作業時に、溶接部分の裏面側にも
不活性ガスを供給して該裏面側を空気から遮断するよう
にした。具体的に、請求項1記載の発明は、複数個のワ
ークを互いに当接させ、この当接部分をその表面側から
溶接手段によって溶接する溶接方法を前提としている。
そして、前記複数個のワークを互いに当接させた後、そ
の当接部分の表面に向って表面側不活性ガス供給手段に
より不活性ガスを供給すると共に、前記ワークの当接部
分の裏面に向って裏面側不活性ガス供給手段により不活
性ガスを供給して、前記当接部分の表裏面を不活性ガス
雰囲気にした状態で該当接部分をその表面側から前記溶
接手段によって溶接するようにしている。
【0006】請求項2記載の発明は、前記請求項1記載
の溶接方法において、ワークの当接部分の裏面に向って
裏面側不活性ガス供給手段により不活性ガスを供給する
ことに先立って、ワークの裏面側に当接部分の裏面を覆
うようなカバー部材を設けるようにし、このカバー部材
の内部に不活性ガスを供給することにより、前記当接部
分の裏面を空気から遮断させるようにしている。
【0007】請求項3記載の発明は、前記請求項1また
は2記載の溶接方法において、ワークの当接部分は円環
状になっており、ワークを、その当接部分の中心位置と
回転台の中心位置とを一致させた状態で該回転台に載置
させ、溶接手段を当接部分に対向配置させた状態で、回
転台を回転させることによって前記溶接手段をワークの
当接部分に沿って相対的に移動させてワークの当接部分
をその全周に亘って溶接するようにしている。
【0008】請求項4記載の発明は、互いに当接された
複数個のワークの当接部分をその表面側から溶接する溶
接手段と、この当接部分の表面に向って不活性ガスを供
給する表面側不活性ガス供給手段とを備えた溶接装置を
前提としている。そして、溶接手段によって溶接される
前記当接部分の裏面に向って不活性ガスを供給する裏面
側不活性ガス供給手段と、前記ワークの裏面側に設けら
れ、前記裏面側不活性ガス供給手段から供給された不活
性ガスを貯留して、ワークの当接部分の裏面を空気から
遮断させるカバー部材とを備えさせるような構成として
いる。
【0009】請求項5記載の発明は、前記請求項4記載
の溶接装置において、ワークの当接部を円環状にすると
共に、溶接手段を当接部分に対向配置させた状態で、前
記溶接手段をワークの当接部分に沿って相対的に移動さ
せてワークの当接部分を溶接するように、ワークを載置
した状態で回転自在な回転台を備えさせるような構成と
している。
【0010】請求項6記載の発明は、互いに当接された
複数個のワークの当接部分をその表面側から溶接する溶
接手段と、この当接部分の表面に向って不活性ガスを供
給する表面側不活性ガス供給手段とを備えた溶接装置を
前提としている。そして、溶接手段によって溶接される
当接部分の裏面に向って不活性ガスを供給する裏面側不
活性ガス供給手段を備え、前記複数個のワークを、互い
に当接された状態で容器状を呈するようにする。そし
て、互いに当接されて容器状にされたワークの内部空間
に向って不活性ガスを供給するように、裏面側不活性ガ
ス供給手段の不活性ガス供給口を、容器状にされたワー
クの内部空間に開口させるような構成としている。
【0011】請求項7記載の発明は、前記請求項6記載
の溶接装置において、ワークを椀状に形成された2部材
で成し、このワークの外周端縁同士を当接させることに
より、その当接部を円環状とされると共に、溶接手段を
前記当接部分に対向配置させた状態で、前記溶接手段を
ワークの当接部分に沿って相対的に移動させてワークの
当接部分を溶接するように、ワークを載置した状態で回
転自在な回転台を備えさせるような構成としている。
【0012】
【作用】上記の構成により、本発明では以下に述べるよ
うな作用が得られる。請求項1記載の発明では、複数個
のワークを互いに当接させた状態で、その当接部分の表
面側から溶接手段によって溶接作業を行うに際し、該当
接部分の表面に向って表面側不活性ガス供給手段により
不活性ガスを供給するばかりでなく、該当接部分の裏面
に向っても裏面側不活性ガス供給手段により不活性ガス
を供給する。このため、当接部分が表裏面が共に空気か
ら遮断されて溶接時の熱による酸化が防止されることに
なる。
【0013】請求項2及び4記載の発明では、ワークの
裏面側にカバー部材が設けられ、このカバー部材の内部
に不活性ガスを供給することにより、ワークの当接部分
の裏面が空気から遮断されて溶接時の熱による酸化が防
止されることになる。
【0014】請求項3及び5記載の発明では、ワークを
回転台に載置させ、この回転台を回転させることによ
り、溶接手段が円環状の当接部分に沿って相対的に移動
されることになるので、この回転台を回転させながら溶
接手段による溶接を行うことにより、円環状の溶接部が
その全周に亘って溶接されることになる。
【0015】請求項6記載の発明では、互いに当接され
て容器状とされたワークの内部空間に向って裏面側不活
性ガス供給手段から不活性ガスが供給されて、ワークの
当接部分の裏面が不活性ガスに臨むことになり、特別な
カバー部材を要することなく当接部分の裏面に不活性ガ
スを供給することができる。
【0016】請求項7記載の発明では、椀状に形成され
た2個のワークの外周端縁同士を当接させた状態で、こ
のワークを回転台に載置し、この回転台を回転させなが
ら溶接手段によって円環状の当接部を溶接することにな
る。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図1は、本発明に係る溶接方法によって2つのワー
クS,Tを溶接している作業状態であって、溶接装置1
の要部を拡大した縦断面図である。また、本例では、自
動車の自動変速機のトルクコンバータのケーシングとし
てのシェルSと該シェルSの中央部に形成された円形の
開口S1の縁部に取付けられるスリーブTとを溶接する
場合を例に掲げて説明する。この溶接装置1は、ワーク
S,Tの支持及び位置固定を行うための支持部材2,
3,4と溶接手段としての溶接トーチ5とを備えて成っ
ている。先ず、各支持部材2,3,4について説明す
る。この支持部材2,3,4は、シェルSの外周縁部近
傍の内側面を下側から支持する第1支持部材2と、シェ
ルSの中央部に形成されている円形の開口S1の縁部を
下側から支持し且つスリーブTの内周縁部を下側から支
持する第2支持部材3と、シェルSに対してスリーブT
が載置された状態で該スリーブTのシェルSに対する位
置決めを行うようにスリーブTの上面に当接する第3支
持部材4とで成っている。そして、前記第1支持部材2
と第2支持部材3とは回転台としての基台6上に載置さ
れており、この基台6は、その中心(シェルSの開口S
1と同心上)を通る鉛直軸回りに回転自在となっている
(矢印A参照)。つまり、この基台6は図示しないモー
タが連結されており、このモータの駆動に伴って回転す
るようになっている。また、前記第2支持部材3はシェ
ルSの開口S1の縁部の下面に当接する突起3a,3
a,…がその周方向に間欠的に突設されていると共に、
スリーブTの内周縁部に当接する円柱状の突部3bが一
体形成されている。一方、溶接トーチ5は、所謂MIG
溶接用トーチであって、その先端部がシェルSの開口S
1の縁部に対向し且つ前記第3支持部材4と干渉しない
ように傾斜配置されている。つまり、シェルSとスリー
ブTとの溶接部分にその先端部が対向するように位置さ
れている。そして、この溶接トーチ5は、トーチ先端の
ノズル5bから溶接心線5aが順次送り出されるように
なっていると共に、このノズル5bの周囲には表面側不
活性ガス供給手段としての不活性ガス供給通路5cが備
えられていて、溶接作業時には、ノズル5bから送り出
される溶接心線5aの周囲及びワークS,T表面の溶接
部分に向って不活性ガスが供給されて(図1の矢印B参
照)、この溶接部分の表面が空気から遮断され、ワーク
表面の酸化が防止されるようになっている。このような
構成であることから、溶接トーチ5の位置を固定した状
態で前記モータを駆動させて基台6を回転させることに
よりワークS,Tが回転し、これによって溶接トーチ5
の先端部がリング状の溶接部に沿って相対移動しながら
この溶接部を順次溶接するようになっている。
【0018】そして、本例の特徴とする構成の一つとし
て、この溶接装置1には、前記ワークS,Tの裏面側の
一部を覆うカバー部材7が設けられている。このカバー
部材7は、前記第2支持部材3の外周囲に配設された略
円筒状のゴム製部材で成っており、その下端部は内周側
に折曲げられて底部7aに形成され、この底部7aの内
周端部が前記第2支持部材3の外周面に気密性をもって
接着されている。また、このカバー部材7の側面部7b
は、蛇腹状に形成されており、この側面部7bの伸縮に
伴ってカバー部材7全体の高さ寸法が変更自在となって
いる。そして、ワークS,Tの溶接作業時には、第1支
持部材2及び第2支持部材3にシェルSが載置された状
態で、カバー部材7の上端面がシェルSの内面に弾性力
をもって当接されることによって、このカバー部材7の
内部空間Dが密閉空間とされるようになっている。つま
り、カバー部材7、第2支持部材3及びシェルSによっ
て囲まれた第1空間D1と、シェルSの開口縁部、スリ
ーブT及び第2支持部材3によって囲まれた第2空間D
2とは、突起3a,3a,…が周方向に間欠的に突設さ
れていることに伴い互いに連通された状態で夫々外部か
ら隔離された空間となっている。
【0019】また、本例のもう一つの特徴とする構成と
して、本溶接装置1には、前記空間Dに対して不活性ガ
スを供給する裏面側不活性ガス供給手段としての供給通
路8と、前記空間Dから空気を排出する排出通路9とが
備えられている。前記供給通路8は、前記第2支持部材
3の内部に形成されており、その一端は第2支持部材3
の下面に開放されている一方、その他端は前記第1空間
D1に開放されている。また、この供給通路8の各開放
端部には、供給管8a,8bが接続されている。一方、
前記排出通路9は、排出管9aによって形成されてお
り、この排出管9aは、一端が前記カバー部材7の底部
7aに接続されて第1空間D1に開放されている一方、
他端が前記基台6を貫通して大気中に開放されている。
このような構成であるために、供給通路8から第1空間
D1に向って不活性ガスが供給されると、この不活性ガ
スは、第1空間D1から第2空間D2に達して、各空間
D1,D2内の空気は排出通路9から外部に排出され、
これによって空間D内の全域には不活性ガスが充満され
ることになる。
【0020】次に、上述の如く構成された溶接装置1に
よるシェルSとスリーブTとの溶接作業について説明す
る。先ず、第3支持部材4が上方へ移動されている状態
において、シェルSが第1支持部材2及び第2支持部材
3に跨って載置され、この状態で、スリーブTが第2支
持部材3の突部3bに載置される。この状態では、シェ
ルSの開口S1の縁部に対してスリーブTが載置されて
いる。その後、第3支持部材4を下降させてスリーブT
の上面に当接させ、スリーブTのシェルSに対する位置
決めを行う。このようにして、各支持部材2,3,4に
よりワークS,Tの支持及び位置固定を行った後、溶接
トーチ5による溶接作業に移ることになる。そして、本
例の特徴とする動作としては、この溶接作業の開始に先
立って、供給通路8から第1空間D1に向って不活性ガ
スを供給することにある。そして、この際、第1空間D
1に供給された不活性ガスは、該第1空間D1から第2
空間D2に達し、これによって各空間D1,D2内の空
気は排出通路9から外部に排出され、空間D内には不活
性ガスが充満される。このようにして、空間D内に不活
性ガスを充満させた後、溶接トーチ5による溶接作業に
移る。この溶接作業では、溶接トーチ5の位置を固定し
た状態で前記モータを駆動させて基台6を回転(矢印
A)させることによりワークS,Tを一体的に回転さ
せ、これによって溶接トーチ5の先端部をリング状の溶
接部に沿って相対移動させながらこの溶接部を順次溶接
することになる。そして、この溶接作業にあっては、ト
ーチ5のノズル5bから送り出される溶接心線5aの周
囲及びワークS,T表面の溶接部分に向って不活性ガス
が供給され、これによって、この溶接部分の表面が不活
性ガス雰囲気となって空気から遮断され、ワーク表面の
酸化が防止されるようになっている。一方、上述したよ
うに空間D内には不活性ガスが充満されていることによ
り、ワークS,Tの溶接部分の裏面側には不活性ガスが
存在しており、この部分が不活性ガス雰囲気となって空
気から遮断されることになるので、溶接作業中に溶接部
分の裏面側が酸化してしまうようなことが回避されるこ
とになる。つまり、本例によれば、ワークS,Tの裏面
側にカバー部材7を設けるといった簡単な構成でもって
当接部の裏面側の酸化を確実に防止することができ、こ
れによって、このワークS,Tの裏面側において酸化膜
が形成されてしまうようなことがなくなるので、酸化膜
が剥離して自動変速機内部のソレノイドに噛み込むなど
といった所謂コンタミの発生による故障の発生を防止す
ることができる。また、基台6を回転させることによ
り、溶接トーチ5を円環状の溶接部分に沿って相対的に
移動させながら溶接を行うようにしているために、溶接
トーチ5を移動させるような機構が不要であり、また、
基台6を回転させるといった簡単な動作で、溶接部分の
全周に亘って溶接を行うことができ、作業の簡略化及び
作業時間の短縮化を図ることができる。
【0021】(変形例)次に、本発明の変形例について
説明する。上述した実施例では、トルクコンバータのシ
ェルSとスリーブTとを溶接する場合を例に掲げて説明
したが、本例は、スリーブTが一体的に取付けられたト
ルクコンバータのシェルSとコンバータ本体Uとを溶接
する場合について説明する。先ず、本例において溶接さ
れるシェルSとコンバータ本体Uとについて説明する。
図2に示すように、シェルSは、上述した実施例のもの
と同じ部材であって、下方に開放した椀型の部材でなっ
ており、その中央部には円形の開口S1が形成されてい
て、この開口S1には上述した実施例の溶接作業によっ
てスリーブTが溶接されている。一方、コンバータ本体
Uは、上方に開放した椀型の部材であって、その外径寸
法が前記シェルSの外径寸法に略一致されている。そし
て、このコンバータ本体UとシェルSの外周縁同士が重
ね合されることによって、ワーク内部に空間Eが形成さ
れるようになっており、本例は、このワークS,Uの内
部空間Eに不活性ガスを供給することによって溶接部の
裏面側の酸化を防止するようになっている。尚、このワ
ーク内部空間Eには、インペラ等のトルクコンバータの
構成部品が収容されている。
【0022】以下、本例に係る溶接装置について説明す
る。図3は本例に係る溶接装置11の全体を示す縦断面
図である。この図3に示すように、本溶接装置11には
回転台としての基台12、押え部材13、溶接手段とし
ての溶接トーチ14を備えている。前記基台12は、基
台フレーム12aに対して油圧シリンダ15が取付けら
れており、この油圧シリンダ15には、上方に向って進
退自在なロッド15aが備えられている。そして、この
油圧シリンダ15のロッド15aの先端部には、水平方
向に延びる比較的大型の板状部材で成る昇降ベース板1
6が取付けられている。また、この昇降ベース板16の
上側にはワークS,Uを載置した状態で回転自在な回転
板17が配設されている。一方、前記回転板17は、そ
の外側端部にブラケット17aを介して上下一対のロー
ラ17b,17cが複数箇所に配設されていると共に、
前記昇降ベース板16の外側端部には、前記ローラ17
b,17cが当接されるレール材16bがブラケット1
6aを介して取付けられている。このため、回転板17
は、前記ローラ17b,17cがレール材16b上を転
動しながら鉛直軸心回りを回転するようになっている。
従って、前記油圧シリンダ15が駆動してロッド15a
が進退移動することに伴って昇降ベース板16及び回転
板17が一体的に上下移動すると共に、図示しないモー
タの駆動に伴って回転板17が鉛直軸回りで回転するよ
うになっている。また、昇降ベース板16及び回転板1
7の上下移動をガイドするために、前記基台フレーム1
2aには、昇降ガイドロッド18が立設されており、こ
の昇降ガイドロッド18には前記昇降ベース板16に取
付けられたガイド筒19が昇降ガイドロッド18との間
で相対的なスライド移動が自在となるように装着されて
いる。
【0023】一方、押え部材13は、前記回転板17上
に載置されたワークS,Uを押え込むことによってワー
クS,Uの位置ずれを防止するようにしたものであっ
て、前記基台フレーム12aに支持された本体部13a
の側面に対して鉛直方向にスライド移動自在なスライダ
20を備え、該スライダ20にロケータ21が一体的に
取付けられて成っている。そして、前記本体部13aの
上面には油圧シリンダ13bが備えられており、この油
圧シリンダ13bの図示しないロッドとスライダ20と
が前記本体部13a内で連結されている。これによっ
て、この油圧シリンダ13bの駆動に伴ってスライダ2
0が上下移動し、その移動下端位置においてロケータ2
1がワークS,Uを押え込むようになっている。このロ
ケータ21の構造について詳述すると、該ロケータ21
は、ワークS,Uの上面に当接する円盤状の当接部材2
1aと、該当接部材21aの上側に連接され、前記スラ
イダ20に対してベアリングを介して支持された円柱部
材21bとを備えて成っている。そして、本例の特徴と
して、このロケータ21の内部には、ワークS,Uの内
部空間E(図2参照)に対して不活性ガスを供給する裏
面側不活性ガス供給手段としての供給通路22と、前記
空間Eから空気を排出する排出通路23とが備えられて
いる。前記供給通路22は、前記ロケータ21の内部を
上下方向に貫通して形成されており、その一端は円柱部
材21bの上面に開放されている一方、その他端は当接
部材21aの下面に開放されている。また、この供給通
路22の各開放端部には、供給管22a,22bが接続
されている。そして、上側の供給管22aは不活性ガス
供給用の図示しないポンプに接続されている一方、下側
の供給管22bは、ワークS,Uの内部空間Eを下方に
延び該ワークS,U内の底部近傍で水平方向外周側に向
って僅かに屈曲されている。一方、前記排出通路23
は、前記ロケータ21の内部を上下方向に貫通して形成
されており、その一端は円柱部材21bの上面に開放さ
れている一方、その他端は当接部材21aの下面に開放
されている。また、この排出通路23の上側の開放端部
には排出管23aが接続されており、この排出管23a
は大気中に開放されている。このような構成であるため
に、供給通路22からワーク内部空間Eに向って不活性
ガスが供給されると、ワーク内部空間Eの空気は排出通
路23から外部に排出され、これによって空間E内には
不活性ガスが充満されることになる。
【0024】また、溶接トーチ14は、前記基台フレー
ム12aに支持されており、ワークS,Uの溶接部に向
ってその先端部が延びており、上述した実施例と同様
に、ノズル14bの周囲には表面側不活性ガス供給手段
としての不活性ガス供給通路14cが備えられていて、
溶接部表面に対して不活性ガスを供給して(図2の矢印
B参照)、ワークS,Uの表面の酸化を防止するように
なっている。
【0025】次に、上述の如く構成された溶接装置1に
よるシェルSとコンバータ本体Uとの溶接作業について
説明する。この溶接作業では、先ず、押え部材13のス
ライダ20が上昇位置にある状態において、回転板17
上にコンバータ本体Uを載置し、このコンバータ本体U
上にシェルSを載置して、このコンバータ本体Uの周縁
部とシェルSの周縁部とを重ね合せるようにする。その
後、押え部材13を駆動させて、スライダ20を降下さ
せ、ロケータ21の当接部材21aをシェルSの上面に
当接させて、各ワークS,Uの位置決めを行う。また、
この状態では当接部材21aがシェルSの開口S1を閉
塞することになり、このワーク内部空間Eは略密閉され
た空間となっている。その後、このシェルSとコンバー
タ本体Uとの溶接作業に移ることになる。そして、本例
の特徴とする動作として、この溶接作業の開始に先立っ
て、供給通路22からワーク内部空間Eに向って不活性
ガスが供給される。そして、この不活性ガスの供給動作
により、このワーク内部空間E内の空気は排出通路23
から外部に排出され、ワーク内部空間Eには不活性ガス
が充満される。このような動作によって、ワークS,U
の溶接部分の裏面側には不活性ガスが存在することにな
る。このようにしてワーク内部空間Eに不活性ガスが充
満させた後、所定の溶接作業に移る。この溶接作業で
は、図2の如く、溶接トーチ14の位置を固定した状態
で前記モータを駆動させて回転板17を回転させること
によりワークS,Uを回転させ、これによって溶接トー
チ14の先端部をリング状の溶接部に沿って相対移動さ
せながらこの溶接部を順次溶接することになる。そし
て、この溶接作業にあっては、溶接トーチ14のノズル
14bから送り出される溶接心線14aの周囲及びワー
クS,U表面の溶接部分に向って不活性ガスが供給され
ており(矢印B参照)、これによって、この溶接部分の
表面が空気から遮断され、ワーク表面の酸化が防止され
るようになっている。一方、上述したように、ワーク内
部空間Eには不活性ガスが充満されていて、ワークS,
Uの溶接部分の裏面側には不活性ガスが存在しているの
で、この部分も空気から遮断されることになり、これに
よって溶接作業中に溶接部分の裏面側が酸化してしまう
ようなことが回避されることになる。そして、このよう
に酸化が回避されるために、この裏面側において酸化膜
が形成されてしまうようなことがなくなるので、酸化膜
が剥離して自動変速機内部のソレノイドに噛み込むなど
といった所謂コンタミの発生による故障の発生を防止す
ることができる。また、本例では、ワークS,Uが互い
に当接された状態では容器状を呈するようにしているの
で、ワーク自身を不活性ガス貯留用の部材として利用で
き、上述した実施例のようなカバー部材が不要となり、
装置全体としての構造の簡略化を図ることができる。
【0026】尚、上述した各実施例では、トルクコンバ
ータ製造時における溶接作業について述べたが、本発明
は、これに限らず、様々なワークに対して適用すること
が可能である。
【0027】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載
の発明によれば、複数個のワークを互いに当接させた
後、その当接部分の表面に向って不活性ガスを供給する
と共に、前記ワークの当接部分の裏面に向って不活性ガ
スを供給して、前記当接部分の表裏面を不活性ガス雰囲
気にした状態で前記当接部分をその表面側から溶接する
ようにしたために、ワークの当接部分である溶接部の表
裏面が共に空気から遮断されて溶接時の熱による酸化が
防止でき、特に、従来から課題とされていた裏面側での
酸化が防止され、この裏面側において酸化膜が形成され
てしまうようなことがなくなるので、この酸化膜の剥離
に伴う不具合を解消することができる。
【0028】請求項2及び4記載の発明によれば、ワー
クの裏面側に設けられたカバー部材に不活性ガスを供給
することによって、ワークの当接部分の裏面を空気から
遮断するようにしたために、簡単な構成で確実に当接部
の裏面側の酸化を防止することができる。
【0029】請求項3及び5記載の発明によれば、ワー
クを回転台に載置させ、この回転台を回転させることに
より、溶接手段を円環状の当接部分に沿って相対的に移
動させながら溶接を行うようにしたために、溶接手段を
移動させるようなことなく、回転台を回転させるといっ
た簡単な動作で、溶接部の全周に亘って溶接を行うこと
ができ、作業の簡略化及び作業時間の短縮化を図ること
ができる。
【0030】請求項6記載の発明によれば、複数個のワ
ークを互いに当接された状態で容器状を呈するように
し、裏面側不活性ガス供給手段の不活性ガス供給口を、
容器状にされたワークの内部空間に開口するようにした
ために、ワーク自身を不活性ガス貯留用の部材として利
用できるので、装置全体としての構造の簡略化を図るこ
とができる。
【0031】請求項7記載の発明によれば、ワークを椀
状に形成された2部材で成し、このワークの外周端縁同
士を当接させることにより、その当接部を円環状とされ
ると共に、ワークを載置した状態で回転自在な回転台を
備えさせるようにしたために、上述した請求項3,5及
び6記載の発明に係る効果を共に得ることができる。つ
まり、回転台を回転させるといった簡単な動作で、溶接
部の全周に亘って溶接を行うことができ、作業の簡略化
及び作業時間の短縮化を図ることができ、且つワーク自
身を不活性ガス貯留用の部材として利用できるので、装
置全体としての構造の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるワークの溶接作業を示す縦断面
図である。
【図2】変形例における図1相当図である。
【図3】変形例における溶接装置の全体を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 溶接装置 5,14 溶接トーチ(溶接手段) 5c,14c 供給通路(表面側不活性ガス供給手段) 6,12 基台(回転台) 7 カバー部材 8,22 供給通路(裏面側不活性ガス供給手段) S シェル(ワーク) T スリーブ(ワーク) U コンバータ本体(ワーク) E ワーク内部空間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個のワークを互いに当接させ、この
    当接部分をその表面側から溶接手段によって溶接する溶
    接方法であって、 前記複数個のワークを互いに当接させた後、その当接部
    分の表面に向って表面側不活性ガス供給手段により不活
    性ガスを供給すると共に、前記ワークの当接部分の裏面
    に向って裏面側不活性ガス供給手段により不活性ガスを
    供給して、前記当接部分の表裏面を不活性ガス雰囲気に
    した状態で該当接部分をその表面側から前記溶接手段に
    よって溶接するようにしたことを特徴とする溶接方法。
  2. 【請求項2】 ワークの当接部分の裏面に向って裏面側
    不活性ガス供給手段により不活性ガスを供給することに
    先立って、ワークの裏面側に当接部分の裏面を覆うよう
    なカバー部材を設けるようにし、このカバー部材の内部
    に不活性ガスを供給することにより、前記当接部分の裏
    面を空気から遮断させるようにしたことを特徴とする請
    求項1記載の溶接方法。
  3. 【請求項3】 ワークの当接部分は円環状になってお
    り、ワークを、その当接部分の中心位置と回転台の中心
    位置とを一致させた状態で該回転台に載置させ、溶接手
    段を当接部分に対向配置させた状態で、回転台を回転さ
    せることによって前記溶接手段をワークの当接部分に沿
    って相対的に移動させてワークの当接部分をその全周に
    亘って溶接するようにしたことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の溶接方法。
  4. 【請求項4】 互いに当接された複数個のワークの当接
    部分をその表面側から溶接する溶接手段と、この当接部
    分の表面に向って不活性ガスを供給する表面側不活性ガ
    ス供給手段とを備えた溶接装置において、 溶接手段によって溶接される当接部分の裏面に向って不
    活性ガスを供給する裏面側不活性ガス供給手段と、 前記ワークの裏面側に設けられ、前記裏面側不活性ガス
    供給手段から供給された不活性ガスを貯留して、ワーク
    の当接部分の裏面を空気から遮断させるカバー部材とが
    備えられていることを特徴とする溶接装置。
  5. 【請求項5】 ワークの当接部は円環状になっていると
    共に、溶接手段を当接部分に対向配置させた状態で、前
    記溶接手段をワークの当接部分に沿って相対的に移動さ
    せてワークの当接部分を溶接するように、ワークを載置
    した状態で回転自在な回転台を備えていることを特徴と
    する請求項4記載の溶接装置。
  6. 【請求項6】 互いに当接された複数個のワークの当接
    部分をその表面側から溶接する溶接手段と、この当接部
    分の表面に向って不活性ガスを供給する表面側不活性ガ
    ス供給手段とを備えた溶接装置において、 溶接手段によって溶接される当接部分の裏面に向って不
    活性ガスを供給する裏面側不活性ガス供給手段を備えて
    いると共に、前記複数個のワークは互いに当接された状
    態で容器状を呈するようになっており、裏面側不活性ガ
    ス供給手段は、互いに当接されて容器状にされたワーク
    の内部空間に向って不活性ガスを供給するように、その
    不活性ガス供給口が、容器状にされたワークの内部空間
    に開口されていることを特徴とする溶接装置。
  7. 【請求項7】 ワークは椀状に形成された2部材で成
    り、このワークの外周端縁同士を当接することにより、
    その当接部が円環状とされると共に、溶接手段を前記当
    接部分に対向配置させた状態で、前記溶接手段をワーク
    の当接部分に沿って相対的に移動させてワークの当接部
    分を溶接するように、ワークを載置した状態で回転自在
    な回転台を備えていることを特徴とする請求項6記載の
    溶接装置。
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