JPH07166492A - 塗工印刷用紙 - Google Patents

塗工印刷用紙

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JPH07166492A
JPH07166492A JP34200093A JP34200093A JPH07166492A JP H07166492 A JPH07166492 A JP H07166492A JP 34200093 A JP34200093 A JP 34200093A JP 34200093 A JP34200093 A JP 34200093A JP H07166492 A JPH07166492 A JP H07166492A
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Akio Matsunaga
彰夫 松永
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Nisshinbo Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク受理性の良い風合、質感が優れた塗工
印刷用紙を提供する。 【構成】 基材の少なくとも片面に有機填料を含む塗工
層を有する塗工印刷用紙、又は有機填料を含む塗工層の
上に無機填料及び有機填料を含む印刷層を有する塗工印
刷用紙。塗工面の表面粗さRMaxを20〜100μm
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗工印刷用紙に関し、イ
ンク受理性の良い風合、質感が優れた塗工印刷用紙に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】紙はパルプ繊維により構成されており繊
維同士の絡みにより空隙が多く存在しているため、印刷
した際インク受理性に劣りヌケが起こる。このため紙の
印刷適性向上方法として紙への塗工が一般的に行われて
いる。
【0003】これは基材となる紙の上に、クレー、炭酸
カルシウム、酸化チタン等の填料とこれを紙に固定する
ための接着剤から成る塗液を塗布乾燥させ、更にカレン
ダー処理等機械的処理を施し平滑性を上げたものであ
る。
【0004】これにより紙表面の空隙を薬剤により塗り
つぶし平滑にすることにより印刷適性は向上する。
【0005】これらはアート紙と呼ばれる重量塗工紙か
ら微塗工紙に至るまで様々な形で商品化されており近年
の印刷用紙のビジュアル化、カラー化、高級化などに伴
い大きなシェアを占めている。
【0006】ただし一般の塗工印刷紙は印刷適性を追求
し機能的には優れているが、前記処理のため紙本来の風
合及び質感が失われてカオリンクレー、炭酸カルシウム
等の無機質な質感となってしまう。
【0007】風合及び質感は表面の持つ微妙な凹凸やう
ねり感、軽さ、照りの無い表面、パルプ繊維が持つ自然
な感覚や触感などを代表したものである。
【0008】塗工紙は塗工面の平滑化処理のため塗工面
の白紙光沢及び印刷光沢が著しく向上する。
【0009】特に光沢が高いグロス調塗工紙は白紙部と
印刷部の光沢差が少ないため階調に乏しく、光の入射、
反射の具合により印刷物が光り見にくくなることが多
い。
【0010】紙に塗工液を塗布乾燥後カレンダー処理等
の平滑化を施さなければ基材となる紙の風合が残され紙
も硬くならず、光沢感も低いままで風合のある塗工紙と
なる。
【0011】しかし従来の塗工紙にはクレー、炭酸カル
シウム等の無機物が使用されているが、これら填料は硬
くクッション性に乏しいため、表面に残されたうねりや
粗さにより紙表面の凸部にはインクがのるが凹部にはイ
ンクがのらない状態になり印刷適性は向上しない。
【0012】従って塗工紙を作成するに於いてはカレン
ダー等の平滑処理は必須のものである。
【0013】前記理由により風合のある塗工印刷用紙は
得られず、風合を求めるには非塗工紙を使用せざるをえ
なかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
現状を鑑みて印刷適性が良くかつ風合、質感にも優れた
塗工印刷用紙を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、上記
課題を解決するために鋭意研究の結果、基材の少なくと
も片面に有機填料を塗工層中に存在させ有機填料の持つ
クッション性を利用することにより、塗工乾燥後機械的
な処理により塗工層の平滑性を高めなくとも、インク受
理性に優れた塗工紙となることを見いだし本発明を完成
させた。
【0016】すなわち本発明の塗工印刷用紙は基材の少
なくとも片面に有機填料を含む塗工層を有し塗工表面の
表面粗さRMaxが20〜100μmとなることを特徴
とする。
【0017】以下本発明について記述する。
【0018】有機填料は主として合成樹脂からなり、例
えばアクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合
体、スチレン―アクリロニトリル共重合体、ポリスチレ
ン―スチレン共重合体、ポリプロピレン樹脂、アクリル
樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ビニル共
重合体、尿素ホルマリン樹脂などが挙げられる。
【0019】弾性に富み容易に変形し易くかつ圧力開放
後の復元性も良い有機填料を含む塗工層はクレー、炭酸
カルシウム等の無機填料よりクッション性が高い。
【0020】さらにクッション性を向上させることがで
きる有機填料に中空構造を有する中空有機填料がある。
これは殻部と気体充満部から構成され、平均粒径が0.
8〜6μm、また内径が外径の0.6〜0.9倍の球状
体のものが主流で例えばポリスチレン・スチレン共重合
体又はスチレンアクリロニトリル共重合体などの中空有
機填料が挙げられる。
【0021】中空有機填料は水溶性ディスパージョンと
して製造され水溶液中に分散した填料は水を充満した状
態であるが、乾燥後その水が殻部を離散し内部は空気で
充満されるため、非中空のタイプに比べると更に容易に
変形し易くクッション性が増大する。
【0022】同様にさらにクッション性を向上させるに
は、有機填料を含む塗工層を発泡させ、塗工層内に微細
な気泡を分散させる方法もある。
【0023】有機填料はインク受理性が良く、見かけ比
重が低い特徴がある。この為有機填料を含む塗工層はク
ッション性、インク受理性に富み、低密度の塗工層を形
成する。
【0024】また合成ポリマー系の有機填料ほどクッシ
ョン性は高くないが、有機填料としてセルロース微粉体
の添加(特開平5―86598)も可能である。
【0025】しかし有機填料はインク受理性及びクッシ
ョン性に優れているが成分であるポリマーの特性により
高添加すると平滑化処理をしなくても光沢が強くなり、
風合も低下する傾向にある。このため他の塗工填料と併
用することがより好ましい。
【0026】併用する塗工填料は特に限定されるもので
はなく、カオリンクレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭
酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、酸化チタン等一般の塗工印刷
用紙に用いられる無機填料が好ましく使用できる。
【0027】本発明の塗工層に用いられる塗工填料は前
記有機填料及び必要に応じて前記無機填料を混合して調
製する。
【0028】この時、有機填料は全填料100重量部中
15〜80重量部、好ましくは15〜50重量部とし、
残りを無機填料とする。
【0029】これは有機填料が15重量部以下では塗工
層のクッション性が不十分であり塗工面の粗さを吸収で
きず、80重量部以上では他の無機填料と混合しても光
沢が高く質感も低下する為である。
【0030】塗工液は主成分として填料とこれを紙に固
定するための接着剤(バインダー)とから成る。
【0031】塗工液に用いられる接着剤は公知の接着剤
を使用でき、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エス
テル化澱粉、酵素変性澱粉、カゼイン、ポリビニルアル
コール、スチレン―ブタジエン系、スチレン―アクリル
系、メチルアクリレート、酢酸ビニル系などの各種重合
体又は共重合体から成るラテックス樹脂が、適宜選択し
て単独もしくは2種類以上を混合して使用できる。
【0032】接着剤は填料100重量部に対し10〜3
0重量部の添加でよい。この時必要に応じて架橋剤、消
泡剤、増粘剤、耐水化剤等塗工用助剤を、使用できる。
【0033】塗工液の調製には各種ミキサー、ニーダ
ー、ボールミル等の攪拌機を塗工液の組成に合わせて適
宜使用できる。
【0034】本発明の塗工紙は基材となる塗工原紙の両
面もしくは片面に塗工液を塗工する。塗工液はエアーナ
イフコーター、ロールコーター、バーコーター、ロッド
コーターなどで公知の各種塗工装置を適宜使用すること
により塗工できる。
【0035】塗工後乾燥して本発明の塗工紙が得られる
が、本発明の塗工紙は、一般の塗工紙のように印刷性を
高めるためのカレンダー処理のような機械的な表面の平
滑化を行なわない。
【0036】また塗工量は片面塗工量が乾燥重量で3〜
20g/m2、好ましくは5〜10g/m2の範囲であ
る。過剰な塗工は風合、質感の低下を招き、また経済的
にも好ましくなく、3g/m2未満では塗工の効果が得
られないためである。
【0037】次に図1にカオリンクレー1と中空有機填
料2を混合した場合の圧力による塗工層3の変形の模式
図を示す。
【0038】塗工液を前記塗工装置を用い塗工し乾燥後
得られた塗工紙は、有機填料の持つクッション性によ
り、無機填料のみから構成される塗工紙に比べクッショ
ン性が非常に高く、印刷時に圧胴から受ける印圧により
変形する為、表面が粗な状態でもインク受理性がよい
(図1)。
【0039】この為塗工原紙に塗工液を塗工後カレンダ
ー処理等機械的な平滑化をせず、表面粗さが20〜10
0μmと通常の非塗工紙と同じレベルでも優れた印刷性
を示す。
【0040】前記の有機填料と無機填料を混合して使用
するほかに、図2に示すように有機填料から成るクッシ
ョン層5と他の塗工填料、たとえば、無機填料のみ、又
は無機填料と有機填料から構成された印刷層6を積層し
た塗工層を設け多層構造とすることにより更に有機填料
の持つクッション性を有効に利用することが出来る。
【0041】図1に示すように有機填料と無機填料を混
合すると有機填料粒子間の隙間が無機填料で埋め固めら
れ、有機填料粒子のクッション性を発揮しにくい為に、
塗工層全体のクッション性を向上させるには比較的有機
填料を高添加することになる。
【0042】有機填料が多くなることによる光沢度の上
昇は有機填料と無機填料を混合せず積層することにより
解決できる。
【0043】まず基材上に有機填料をクッション層とし
て塗布後この上層に無機填料から成る印刷層を上塗りす
る。必要であれば、無機填料から成る印刷層に有機填料
を添加することにより更にクッション性の高い塗工層を
構成できる。
【0044】クッション層は有機填料と接着剤から構成
される。塗液に用いられる接着剤は前記の接着剤を適宜
選択して単独もしくは2種類以上を混合して使用でき
る。
【0045】接着剤は有機填料100重量部に対し10
〜30重量部の添加でよい。この時必要に応じて架橋
剤、消泡剤、増粘剤、耐水化剤等塗工用助剤使用は可能
であり、適宜使用できる。塗工液の調製には各種ミキサ
ー、ニーダー、ボールミル等の攪拌機を塗工液の組成に
合わせて適宜使用できる。
【0046】印刷層は主として無機填料から構成され、
印刷層に用いられる無機填料はカオリンクレー、軽質炭
酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、サチンホワイト、
タルク、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化チタ
ン等一般の塗工印刷用紙に用いられる填料が使用でき
る。
【0047】前記有機填料も更にクッション性を向上
させる、インクの発色性を高めるため、表面光沢を
調整するため、に必要に応じて印刷層への添加が可能で
ある。また混合する場合と同様に20重量%までのセル
ロース微粉体の添加(特開平5―86598)も可能で
ある。
【0048】塗液に用いられる接着剤は前記の接着剤を
適宜選択して単独もしくは2種類以上を混合して使用で
きる。
【0049】印刷層の接着剤は填料100重量部に対し
10〜30重量部の添加でよい。この時必要に応じて架
橋剤、消泡剤、増粘剤、耐水化剤等塗工用助剤の使用は
可能であり、適宜使用できる。
【0050】塗工液の調製には各種ミキサー、ニーダ
ー、ボールミル等の攪拌機を塗工液の組成に合わせて適
宜使用できる。
【0051】クッション層と印刷層からなる多層構造の
塗工層を設けるには有機填料からなる塗工液を塗工後乾
燥しまずクッション層を設け、この上層に印刷層として
無機填料及び有機填料からなる塗工液を積層するように
塗工、乾燥し塗工層を形成させることにより塗工紙が得
られる。
【0052】この場合も有機填料の持つクッション性に
より印刷時に圧胴から受ける印圧により塗工層が変形し
印刷性が高まる。
【0053】これも有機填料と他の塗工填料を混合塗工
した場合と同様に、塗工原紙に塗工液を塗工後カレンダ
ー処理等機械的な平滑化をせず、表面粗さが20〜10
0μmと通常の非塗工紙と同じレベルでも優れた印刷性
を示す。
【0054】積層する場合も塗工液はエアーナイフコー
ター、ロールコーター、バーコーター、ロッドコーター
などで公知の各種塗工装置を適宜使用できる。
【0055】また塗工量は有機填料層、印刷層ともに乾
燥重量で2〜10g/m2、好ましくは3〜5g/m2の
範囲である。これも有機填料と他の塗工填料を混合塗工
した場合と同様過剰な塗工は経済的に好ましくなく、ま
た2g/m2以下では風合、質感が低下し塗工の効果が
得られない。
【0056】この様にして得られた塗工紙は有機填料層
のクッション性のため印刷時には圧胴からの圧により塗
工層が変形しインクとの密着性が増し、平滑な塗工面を
持たなくとも非常に優れた印刷適性を示す。
【0057】つまり本発明の塗工紙は、印刷前はうねり
や凹凸のある表面粗さの大きい塗工面であるが、印刷時
には塗工面が平坦に変形し平滑性の高い塗工表面にな
る。よって塗工乾燥後カレンダー処理等機械的に塗工面
を平滑にする工程を施さずとも印刷適性の高い塗工印刷
用紙として良好なものである。
【0058】本発明に用いられる基材となる紙の原料に
ついては各種の木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ
を単独または混合して抄紙した紙を用いることが出来
る。
【0059】ただし本発明の塗工紙は表面粗さを特徴に
しており、本願で使用する塗工原紙はカレンダー処理を
施されていない紙が好ましく、平滑度が3秒以上20秒
以下のものである。
【0060】カレンダー処理を施さない基材の密度は
0.60〜0.75g/cm3となり、これらの基材に
塗工した場合、塗工層に有機填料が存在するため平滑化
処理の不要、塗工層の低密度化により作成された塗工紙
の密度は通常の非塗工紙と変わらない0.60〜0.8
0g/cm3となる。
【0061】塗工紙の密度は製本した際大きな役割を持
つ。従来の塗工紙は1.00〜1.40g/cm3の範
囲にあり、これらを用い製本した場合非常に重い仕上が
りとなり、美術書などコート紙を多用する本は取扱いが
大変である。
【0062】坪量133.3g/m2、厚み107.5
μm、密度1.240g/cm3のアートコート紙を例
にするとA4判、厚み40mmの本を作成すると重量は
3,093gとなる。
【0063】しかし本発明の塗工印刷用紙は同様に製本
すると前記の密度のため2,000g以下の重量となり
取扱いが非常に楽である。
【0064】さらに本発明の塗工紙は塗工層の持つクッ
ション性により印刷適性を高めているが、基材である塗
工原紙のクッション性を利用することもできる。
【0065】基材である紙はパルプ繊維により構成され
ているが、塗工原紙内の空隙が多く存在し密度の低い嵩
高の紙は圧力の加わった際の変形率が前記の塗工原紙よ
り大きくなる。
【0066】これはリンターパルプのように嵩高になる
原料を使用する、原料の叩解を弱くする、填料を添加し
ない、抄紙時のプレス圧を弱くする等の抄紙条件変更に
よりクッション性の高い嵩高の紙が抄造できる。
【0067】この様な紙を基材に使用すれば塗工層のク
ッション性に併せて紙のクッション性が加味されてより
印刷性が高まる。同時に塗工原紙の密度も0.50〜
0.650g/cm3と低くなるため、本発明の塗工紙
の密度も0.60〜0.70g/cm3となり更に低密
度となる。
【0068】これらは平滑化処理を施していない嵩高の
風合のある非塗工印刷用紙と呼ばれるものと同じレベル
にあり塗工紙とは感じさせない風合を有する塗工印刷用
紙となる。
【0069】この時前記の条件で製本すると1,700
g以下となり、更に軽い仕上がりとなる。
【0070】本発明の塗工紙のクッション性については
パーカープリントサーフにより測定することができる。
【0071】パーカープリントサーフはベック平滑度と
同様に空気の流通量から平滑性を求める装置であるが、
測定ヘッドに圧力をかけて測定することにより、各種印
刷機の印圧を再現し印刷時の平滑度を測定する。
【0072】測定圧力は5,10,20Kg/cm2と
3段階に調整でき、この圧力が大きいほど紙は潰されて
平滑性が増す傾向にある。
【0073】従来の塗工紙ではカレンダー処理をしてい
るため、パーカープリントサーフラフネスは、圧力の低
い5Kg/cm2での測定値は5.0μm以下と既に小
さい値を示しており、20Kg/cm2での測定値は
2.0〜4.0μmで、圧力による変化量は1.0〜
3.0μm程度の幅しかない。
【0074】しかし本発明の塗工紙は有機填料のクッシ
ョン性のため圧力による変化量が大きい。
【0075】5Kg/cm2での測定値は6.0〜8.
0μmと通常の非塗工紙と同じレベルであるが、20K
g/cm2の圧力では機械的に平滑処理が施された塗工
紙と同じレベルの2.0〜4.5μm以下まで圧縮され
る。
【0076】また本発明の塗工紙の特徴である風合、質
感については平滑度、白紙光沢の測定値によっても表現
される。
【0077】本発明の塗工紙は非塗工紙に近い風合、質
感を有し平滑度、白紙光沢は非塗工紙と同じレベルにあ
る。
【0078】塗工表面のうねりや凹凸については平滑度
により示される。一般の塗工紙は印刷適性を上げるため
少しでも平滑に仕上げる傾向にあり、マットコート系と
呼ばれる比較的表面の粗い塗工紙でも平滑度は約60秒
で、塗工量の多いアートコートに至っては1000秒を
超えるものが主流である。
【0079】しかし本発明の塗工紙は前記の塗工層を有
するため平滑度が4〜20秒と塗工表面にうねり、凹凸
がある粗な状態であるが印刷適性は良い。この平滑度は
従来の非塗工印刷用紙と同レベルにあり、非常に風合の
優れたものである。
【0080】また機械的な平滑処理が不要なため、本発
明の塗工紙の白紙光沢は1〜15%、好ましくは1〜5
%となる。
【0081】本発明の塗工紙は表面のうねり及び表面粗
さのため反射光が分散され光沢度が低くなる。
【0082】また塗工層に重質炭酸カルシウム等の粒径
の大きい填料を添加し、塗工面の粗さを多くすると更に
光沢度は低くなり1〜5%の光沢度となる。
【0083】これは通常の非塗工紙の光沢度と変わらな
い数値であり、風合、質感に優れたものである。また印
刷した際白紙光沢が低いため白紙部と印刷部の光沢差が
大きくなり諧調に優れた印刷物になる。
【0084】印刷物の光沢に影響を与える要因として吸
油度がある。従来の塗工紙は塗工面を平滑にするため比
較的多量の塗工液を塗布しており、また平滑化処理のた
め塗工層が緻密化し空隙が少なく吸油量が低い。
【0085】この為従来の塗工紙の吸油度は少なくて1
000秒、多いものは5000秒以上ある。本発明の塗
工紙は平滑化を施さず塗工層内に空隙が多く存在するた
め吸油量が大きく、吸油度も30秒から1000秒の範
囲にある。吸油度が低い紙はインクの吸収が良いため印
刷後の裏移りが防げる。
【0086】この様に本発明の塗工紙は風合、質感に優
れている塗工印刷用紙である。
【0087】
【実施例1】中空有機填料(ローム&ハースジャパン、
ローペイクHP―91)20重量部、軽質炭酸カルシウ
ム(奥多摩工業、タマパールTP―121)66.7重
量部、セルロース微粉体(レッテンマイヤー、アーボセ
ルBE600/10)13.3重量部に対し、エステル
化澱粉(敷島スターチ、マーメイドMC3000)4.
7重量部、スチレン・ブタジエンラテックス(住友ノー
ガタック、SN―307)14重量部、ポリアミド系樹
脂(住友化学、スミレーズレジン636)1重量部、ポ
リカルボン酸ソーダ(三洋化成、キャリボンL400)
1重量部から成る塗工液を調製し、固形分35.0%の
水溶液を造った。
【0088】塗工液を坪量151.2g/m2、ベック
平滑度が5.1秒、密度0.631g/m3の原紙に両
面各18g/m2(ウェット)を塗工乾燥し、塗工紙を
作成した。
【0089】
【実施例2】 <クッション層塗工液の調製>中空有機填料(ローム&
ハースジャパン、ローペイクHP―91)100重量部
に対し、エステル化澱粉(敷島スターチ、マーメイドM
C3000)7.5重量部、メチルアクリレート・ブタ
ジエンラテックス(武田薬品、クロスレン2M45A)
25重量部、ポリアミド系樹脂(住友化学、スミレーズ
レジン636)1重量部から成る塗工液を調製し、固形
分26.7%の水溶液を造った。
【0090】<印刷層塗工液の調製>カオリンクレー
(フーバー、ハイドラファイン90)60重量部、軽質
炭酸カルシウム(白石工業、白艶華PZ)25重量部、
重質炭酸カルシウム(東洋工業、ホワイトン109)1
5重量部、エステル化澱粉(敷島スターチ、マーメイド
MC3000)5重量部、メチルアクリレート・ブタジ
エンラテックス(武田薬品、クロスレン2M45A)1
6.7重量部、ポリアミド系樹脂(住友化学、スミレー
ズレジン636)1重量部、ポリカルボン酸ソーダ(三
洋化成、キャリボンL400)1量量部から成る塗工液
を調製し、固形分36.2%の水溶液を造った。
【0091】まずクッション層塗工液を坪量127.9
g/m2、ベック平滑度が8.1秒、密度0.722g
/m3の原紙に片面18g/m2(ウェット)を塗工乾燥
し、塗工紙を作成した。
【0092】更にこの塗工紙に印刷層塗工液をクッショ
ン層の上に積層する様に片面15g/m2(ウェット)
を塗工乾燥し、2層構造の塗工紙を作成した。
【0093】
【実施例3】 <クッション層塗工液の調製>中空有機填料(ローム&
ハースジャパン、ローペイクHP―91)100重量部
に対し、エステル化澱粉(敷島スターチ、マーメイドM
C3000)5.7重量部、スチレン・ブタジエンラテ
ックス(住友ノーガタック、SN―307)22.9重
量部、ポリアミド系樹脂(住友化学、スミレーズレジン
636)1重量部から成る塗工液を調製し、固形分1
7.8%の水溶液を造った。
【0094】<印刷層塗工液の調製>カオリンクレー
(フーバー、ハイドラファイン90)53重量部、軽質
炭酸カルシウム(白石工業、白艶華PZ)22重量部、
重質炭酸カルシウム(東洋工業、ホワイトン109)1
3重量部、セルロースパウダー(レッテンマイヤー、ア
ーボセルBE600/10)12重量部、エステル化澱
粉(敷島スターチ、マーメイドMC3000)4重量
部、スチレン・ブタジエンラテックス(住友ノーガタッ
ク、SN―307)12重量部、ポリアミド系樹脂(住
友化学、スミレーズレジン636)1重量部、ポリカル
ボン酸ソーダ(三洋化成、キャリボンL400)1重量
部から成る塗工液を調製し、固形分41.1%の水溶液
を造った。
【0095】クッション層塗工液を坪量126.7g/
m2、ベック平滑度が5.2秒、密度0.609g/m3
の原紙に両面各15g/m2(ウェット)を塗工乾燥
し、塗工紙を作成した。
【0096】更にこの塗工紙に印刷層塗工液をクッショ
ン層の上に積層する様に両面各13g/m2(ウェッ
ト)を塗工乾燥し、2層構造の塗工紙を作成した。
【0097】
【実施例4】 <クッション層塗工液の調製>中空有機填料(ローム&
ハースジャパン、ローペイクHP―91)100重量部
に対し、エステル化澱粉(敷島スターチ、マーメイドM
C3000)5.7重量部、スチレン・ブタジエンラテ
ックス(住友ノーガタック、SN―307)22.9重
量部、ポリアミド系樹脂(住友化学、スミレーズレジン
636)1重量部から成る塗工液を調製し、固形分1
7.8%の水溶液を造った。
【0098】<印刷層塗工液の調製>カオリンクレー
(フーバー、ハイドラファイン90)100重量部、エ
ステル化澱粉(敷島スターチ、マーメイドMC300
0)4重量部、スチレン・ブタジエンラテックス(住友
ノーガタック、SN―307)12重量部、ポリアミド
系樹脂(住友化学、スミレーズレジン636)1重量
部、ポリカルボン酸ソーダ(三洋化成、キャリボンL4
00)1重量部から成る塗工液を調製し、固形分34.
6%の水溶液を造った。
【0099】クッション層塗工液を坪量126.7g/
m2、ベック平滑度が5.2秒、密度0.609g/m3
の原紙に片面17g/m2(ウェット)を塗工乾燥し、
塗工紙を作成した。
【0100】更にこの塗工紙に印刷層塗工液をクッショ
ン層の上に積層する様に片面10g/m2(ウェット)
を塗工乾燥し、2層構造の塗工紙を作成した。
【0101】
【実施例5】 <クッション層塗工液の調製>有機填料(大日本インク
化学工業、グランドールPP―1000)100重量部
に対し、スチレン・ブタジエンラテックス(住友ノーガ
タック、SN―307)16重量部、ポリアミド系樹脂
(住友化学、スミレーズレジン636)1重量部、ポリ
カルボン酸ソーダ(三洋化成、キャリボンL400)
0.3重量部から成る塗工液を調製し、固形分23.5
%の水溶液を造った。
【0102】<印刷層塗工液の調製>カオリンクレー
(フーバー、ハイドラファイン90)53重量部、軽質
炭酸カルシウム(白石工業、白艶華PZ)22重量部、
重質炭酸カルシウム(東洋工業、ホワイトン109)1
3重量部、セルロースパウダー(レッテンマイヤー、ア
ーボセルBE600/10)12重量部に対し、エステ
ル化澱粉(敷島スターチ、マーメイドMC3000)
4.1重量部、スチレン・ブタジエンラテックス(住友
ノーガタック、SN―307)12.4重量部、ポリア
ミド系樹脂(住友化学、スミレーズレジン636)1重
量部、ポリカルボン酸ソーダ(三洋化成、キャリボンL
400)1重量部から成る塗工液を調製し、固形分4
0.2%の水溶液を造った。
【0103】クッション層塗工液を坪量126.7g/
m2、ベック平滑度が5.2秒、密度0.609g/m3
の原紙に片面15g/m2(ウェット)を塗工乾燥し、
塗工紙を作成した。
【0104】更にこの塗工紙に印刷層塗工液をクッショ
ン層の上に積層する様に片面15g/m2(ウェット)
を塗工乾燥し、2層構造の塗工紙を作成した。
【0105】
【実施例6】有機填料(大日精化、ニューダイフォーム
P―18)75重量部、軽質炭酸カルシウム(白石工
業、白艶華PZ)25重量部に対し、スチレン・ブタジ
エンラテックス(住友ノーガタック、SN―307)1
6重量部、ポリアミド系樹脂(住友化学、スミレーズレ
ジン636)1重量部、ポリカルボン酸ソーダ(三洋化
成、キャリボンL400)1重量部から成る塗工液を調
製し、固形分23.5%の水溶液を造った。
【0106】塗工液を坪量126.7g/m2、ベック
平滑度が5.2秒、密度0.609g/m3の原紙に片
面15g/m2(ウェット)を塗工乾燥し、塗工紙を作
成した。
【0107】得られた塗工紙について再度120度で2
分間乾燥させて塗工紙を作成した。
【0108】
【実施例7】有機填料(三井東圧化学、グロスデール2
04―S)75重量部、軽質炭酸カルシウム(白石工
業、白艶華PZ)25重量部に対し、スチレン・ブタジ
エンラテックス(住友ノーガタック、SN―307)1
6重量部、ポリアミド系樹脂(住友化学、スミレーズレ
ジン636)1重量部、ポリカルボン酸ソーダ(三洋化
成、キャリボンL400)1重量部から成る塗工液を調
製し、固形分23.5%の水溶液を造った。
【0109】塗工液を坪量126.7g/m2、ベック
平滑度が5.2秒、密度0.609g/m3の原紙に片
面15g/m2(ウェット)を塗工乾燥し、塗工紙を作
成した。
【0110】
【比較例1】中空有機填料(ローム&ハースジャパン、
ローペイクOP―84J)100重量部に対し、ポリビ
ニルアルコール(電気化学工業、デンカポバールK―1
7E)6.0重量部、メチルアクリレート・ブタジエン
ラテックス(武田薬品、クロスレン2M45A)30重
量部、ポリアミド系樹脂(住友化学、スミレーズレジン
636)1重量部から成る塗工液を調製し、固形分2
7.8%の水溶液を造った。
【0111】塗工液を坪量127.9g/m2、ベック
平滑度が8.1秒、密度0.722g/m3の原紙に片
面18g/m2(ウェット)を塗工乾燥し、塗工紙を作
成した。
【0112】
【比較例2】カオリンクレー(フーバー、ハイドラファ
イン90)53重量部、軽質炭酸カルシウム(白石工
業、白艶華PZ)22重量部、重質炭酸カルシウム(東
洋工業、ホワイトン109)13重量部、セルロースパ
ウダー(レッテンマイヤー、アーボセルBE600/1
0)12重量部、エステル化澱粉(敷島スターチ、マー
メイドMC3000)5重量部、メチルアクリレート・
ブタジエンラテックス(武田薬品、クロスレン2M45
A)16.7重量部、ポリアミド系樹脂(住友化学、ス
ミレーズレジン636)1重量部、ポリカルボン酸ソー
ダ(三洋化成、キャリボンL400)1重量部から成る
塗工液を調製し、固形分41.1%の水溶液を造った。
【0113】塗工液を坪量127.9g/m2、ベック
平滑度が8.1秒、密度0.722g/m3の原紙に片
面18g/m2(ウェット)を塗工乾燥し、塗工紙を作
成した。
【0114】さらにこの塗工紙にニップ圧1.7Kg/
cm、150℃のソフトカレンダー処理を施した。
【0115】
【比較例3】中空有機填料(ローム&ハースジャパン、
ローペイクHP―91)10重量部、軽質炭酸カルシウ
ム(白石工業、白艶華PZ)90重重部に対し、エステ
ル化澱粉(敷島スターチ、マーメイドMC3000)5
重量部、メチルアクリレート・ブタジエンラテックス
(武田薬品、クロスレン2M45A)20重量部、ポリ
アミド系樹脂(住友化学、スミレーズレジン636)1
重量部から成る塗工液を調製し、固形分50.6%の水
溶液を造った。
【0116】塗工液を坪量119.8g/m2、ベック
平滑度が6.9秒、密度0.669g/m3の原紙に片
面18g/m2(ウェット)を塗工乾燥し、塗工紙を作
成した。
【0117】
【比較例4】実施例3に使用したクッション層塗工液及
び印刷層塗工液を用い、塗工液を坪量84.1g/
m2、ベック平滑度が10.8秒、密度0.728g/
m3の原紙に両面各20g/m2(ウェット)を塗工乾燥
し、塗工紙を作成した。
【0118】更にこの塗工紙に印刷層塗工液をクッショ
ン層の上に積層する様に両面各20g/m2(ウェッ
ト)を塗工乾燥し、多層構造の塗工紙を作成した。
【0119】得られた塗工紙について線圧1.0Kg/
cm、温度30℃でソフトカレンダー処理を施した。
【0120】実施例及び比較例の構成を第1表に示し
た。
【0121】実施例及び比較例で得られた塗工紙につい
て品質試験を行った。パーカープリントラフネス、印刷
適性、平滑度、密度、表面粗さ、風合及び質感について
得られた結果を第2表に示す。
【0122】印刷適性については明制作所RIテスター
を用いてベタ印刷をして評価、平滑度試験はJIS紙及
び板紙のベック試験による平滑度試験方法P8119で
測定、密度についてはJIS紙及び板紙の厚さと密度の
試験方法P8118で測定、白紙光沢についてはJIS
紙及び板紙の75°鏡面光沢度試験方法P8142で測
定、表面粗さRMaxについてはJIS触針式表面粗さ
測定器B0651で測定、パーカープリントラフネスは
MESSMER社PPS90を用いソフトバッキングで
測定、吸油度についてはJIS紙及び板紙の吸油度試験
方法P8130で測定、風合、質感試験については官能
試験により評価した。
【0123】
【表1】
【0124】
【表2】
【0125】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明の塗工紙は機械
的平滑処理を施さなくともインク受理性に富み、風合に
優れている。
【0126】従って本発明により、印刷適性の優れた紙
質の極めて良好な塗工印刷用紙の提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機填料と無機填料とが混合した塗工層の圧力
による変形を示す説明図。
【図2】クッション層の上に印刷層を積層した塗工層の
圧力による変形を示す説明図。
【符号の説明】
1 カオリンクレー 2 中空有機填料 3 塗工層 4 塗工原紙 5 クッション層 6 印刷層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平滑度が3秒以上20秒以下の基材の少
    なくとも片面に有機填料が全填料100重量部中15重
    量部以上80重量部以下である塗工液を塗工し、塗工面
    の表面粗さRMaxが20μm以上100μm以下とな
    る塗工層を設けたことを特徴とする塗工印刷用紙。
  2. 【請求項2】 基材上に構成される塗工層中に存在する
    有機填料が全填料100重量部中15重量部以上80重
    量部以下であることを特徴とする塗工印刷用紙。
  3. 【請求項3】 請求項1において有機填料層の上に無機
    填料及び有機填料を含む印刷層を積層した塗工層を持つ
    ことを特徴とする塗工印刷用紙。
  4. 【請求項4】 請求項1において有機填料として中空構
    造を有する有機填料を用いることを特徴とする塗工印刷
    用紙。
  5. 【請求項5】 請求項1において密度が0.60g/c
    m3以上0.80g/cm3以下となる塗工印刷用紙。
  6. 【請求項6】 請求項1において密度が0.60g/c
    m3以上0.70g/cm3以下となる塗工印刷用紙。
  7. 【請求項7】 白紙光沢が1%以上15%以下、ベック
    平滑度が4秒以上20秒以下、圧力5Kg/cm2のパ
    ーカープリントサーフラフネスが6.0μm以上8.0
    μm以下かつ圧力20Kg/cm2のパーカープリント
    サーフラフネスが2.0μm以上4.5μm以下、吸油
    度が30秒以上1000秒以下、密度が0.60g/c
    m3以上0.80g/cm3以下のすべてを満たすことを
    特徴とする塗工印刷用紙。
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