JPH07171610A - 熱延鋼板の圧延方法および圧延装置 - Google Patents

熱延鋼板の圧延方法および圧延装置

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JPH07171610A
JPH07171610A JP25779794A JP25779794A JPH07171610A JP H07171610 A JPH07171610 A JP H07171610A JP 25779794 A JP25779794 A JP 25779794A JP 25779794 A JP25779794 A JP 25779794A JP H07171610 A JPH07171610 A JP H07171610A
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rolling
descaling
scale
steel sheet
stand
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JP25779794A
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Taro Koide
太郎 小出
Chisato Hara
千里 原
Tsuyoshi Sasaki
強 佐々木
Hikari Okada
光 岡田
Haruhiko Ishihara
晴彦 石原
Kunio Goto
邦夫 後藤
Tomoya Suzuki
智也 鈴木
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】熱間連続圧延機の仕上前段スタンドの入側で鋼
板表面のスケールの厚さが10μmを超える場合に、ワー
クロール3の鋼板入側直近にデスケーリングヘッダー1
を取り付け、デスケーリングノズル2から鋼板6の表面
に衝突圧 0.15 kgf/cm2 以上でスプレー水を噴射した
後、1秒以内にワークロール3で圧延する。 【効果】デスケーリングを行った後の二次スケールの生
成を抑制すると同時に、圧延ロール表面の肌荒れを防ぐ
ことができ、鋼板表面のスケール疵の発生防止に極めて
有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間連続圧延設備にお
ける鋼板の圧延方法、詳しくは、圧延機(スタンド)の
入側直近でスケールを除去し、二次スケールの生成とロ
ール表面の肌荒れとを抑制して、スケール疵のない熱延
鋼板を製造する圧延方法およびその方法を実施するため
の圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱延鋼板は、通常1100〜1450℃の高温に
加熱されたスラブを粗圧延、次いで仕上圧延することに
より製造される。その際、スラブ加熱時に生成する一次
スケールや、この一次スケールを除去した後に生成する
二次スケールが鋼板表面に残ったままで圧延を行うと、
鋼板表面にスケールが噛み込んだいわゆるスケール疵が
発生し、製品品質を低下させる。このようなスケール疵
の発生を防止する目的で、通常、圧延ラインには高圧水
の噴射によりスケールを除去するデスケーリング装置が
設置され、一次スケールや二次スケールを除去しながら
圧延が行われる。
【0003】この高圧水の噴射によるデスケーリング方
法は、圧延ラインに沿って移送される鋼板の表面に複数
位置に設けられたデスケーリングヘッダーから高圧水を
噴射してスケールの剥離および除去を行うものである。
デスケーリングヘッダーはそれぞれ鋼板の上下に一対づ
つ設けられ、また、各ヘッダーには複数個のノズルが装
着され、鋼板の上下面に対し幅方向に均一に高圧水を噴
射することができるように構成されている。
【0004】上記のようなデスケーリングの方法として
は、例えば、特開昭48−38242 号公報には、低圧スプレ
ー帯で鋼板表面の二次スケールを浮揚させ、30〜50kgf/
cm2の水流ジェットの噴射装置で浮揚したスケールを飛
散させる方法が記載されており、特開昭54−162631号公
報では、圧延機の入側で90〜130kgf/cm2の高圧水を少な
くとも2回噴射する方法が開示されている。しかし、二
次スケールを除去した後次のスタンドで圧延するまでに
再びスケールが厚く成長してしまう。
【0005】また、特開昭63−68214 号公報では仕上圧
延機の直前でSi含有鋼板の表面に単位散布面積当たりの
衝突圧が 25g/mm2以上の高圧水スプレーを施して剥離し
にくい一次スケールを除去する方法が開示されている
が、一次スケールを除去しても圧延スタンド間で二次ス
ケールが生成するので、スケール疵の防止という観点か
らみて十分な脱スケール方法とはいえない。
【0006】さらに、特開昭58−31247 号公報では、高
圧水スプレーに変えて極低圧のラミナー流およびスプレ
ー流によるデスケーリング方法が記載されている。しか
し、この方法を実施するためには大掛かりな設備が必要
で、デスケーリングした後次のスタンドまでの距離が大
きく、その間に再び二次スケールが成長してスケール疵
を生成しやすいという欠点があった。
【0007】また、特開平5−50131 号公報では、それ
ぞれに独立して噴射量を調節できる多数の噴射ノズルを
備えたヘッダー管からなるデスケーリング装置を、仕上
げ圧延機の下流スタンドに近接して配置することによっ
て二次スケールを除去する装置が提案されている。これ
は各ノズルごとに開閉を制御するためデスケーリング装
置が大型になるという欠点がある。
【0008】すなわち、従来のデスケーリング装置は、
例えば、仕上スタンドのうち前段のF1スタンドの入側
Aおよび出側B、ならびにF2スタンドの出側Cに設け
られているが(後に示す図2参照)、デスケーリング装
置の設置場所と次のスタンドとの間には通常約1500〜40
00mmの距離があり、そのために二次スケールを除去して
も次スタンドで圧延するまでの間に再び二次スケールが
厚く成長し、スケール疵が発生し易くなるという問題が
あった。また、デスケーリングにより鋼板の最表層の温
度が低下するが、デスケーリング装置と次スタンドとが
離れている場合、次スタンドへ移行するまでの間に鋼板
の最表層は復熱により再び高温状態となり、二次スケー
ルの成長速度が速められるとともに、圧延ロールに大き
な熱負荷がかかり、ロール表面の肌荒れが助長される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決し、デスケーリングを行った後の二次スケー
ルの生成の抑制と、圧延ロールの肌荒れを防止すること
によって、鋼板表面のスケール疵を低減させる圧延方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、熱間圧延
時に生成するスケールに起因して発生するスケール疵を
防止して熱延鋼板の品質向上を図るべく、スケール疵の
発生要因を熱間圧延モデル圧延機および実機による試験
を行って調査した。その結果、スケール疵は圧延時のス
ケールの厚さと密接な関係があり、圧延時のスケール厚
さが10μm以下であるならば、圧延用ロールの肌荒れに
は関係なくスケール疵の発生を防止できることを知見し
た。そして、そのためには、デスケーリング装置と次ス
タンド間の距離を縮め、スケールを除去した後次の圧延
までの時間を極力短縮してデスケーリングにより一旦低
下した鋼板の最表層の温度の復熱による再上昇を抑制す
ることが、二次スケールの成長抑制に効果的であること
を確認した。
【0011】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
ので、その要旨は下記、に示す熱延鋼板の圧延方法
とに示す熱延鋼板の圧延装置にある。
【0012】熱間連続圧延機の仕上前段スタンドの入
側で鋼板表面のスケールの厚さが10μmを超える場合
に、この鋼板の表面に衝突圧 0.15kgf/cm2以上でスプレ
ー水を噴射した後、1秒以内に前記の仕上前段スタンド
で圧延する熱延鋼板の圧延方法。
【0013】熱間連続圧延機の仕上前段スタンドの入
側で鋼板表面のスケールの厚さが10μmを超える場合
に、この鋼板の表面にスプレー水の噴射を開始してから
1.5〜10秒間で衝突圧 0.15kgf/cm2以上にあげデスケー
リングした後、1秒以内に前記の仕上前段スタンドで圧
延する熱延鋼板の圧延方法。
【0014】熱間連続圧延機の入側での鋼板表面温度
と各スタンドの鋼板速度から二次スケール厚さを予測す
る演算装置と、各スタンド入側に近接して鋼板表面に圧
力水を噴射するデスケーリング装置と、上記演算装置の
二次スケール厚さの予測値が所定の値になったとき上記
デスケーリング装置の開閉バルブを作動させる制御装置
とを有する熱間圧延装置。
【0015】前記の仕上前段スタンドとは、通常7スタ
ンドで構成される仕上圧延機のうち、鋼板入側から4番
目までの圧延スタンドをいう。
【0016】
【作用】以下、本発明方法について詳細に説明する。
【0017】(A) スケール厚さとロール表面粗さがスケ
ール疵の発生に及ぼす影響について:表1は、厚さ20m
m、幅 100mmの低炭素鋼(C:0.05%)の鋼板を対象と
してモデル圧延機により圧延し、スケール疵の生成に影
響を与える因子について調査した結果で、圧延時のスケ
ール厚さとロールの表面粗度を変化させたときのスケー
ル疵の発生率を示したものである。ロールの表面粗度は
JIS に規定される中心線平均粗さ(Ra)で表した。圧延
は全部で5パスで、総圧下率を88%とし、F1スタンド
用圧延ロールのみ表面粗度を変化させたロールを使用し
ている。
【0018】
【表1】
【0019】この表1の結果によると、スケール疵の発
生はロールの表面粗度によっても影響をうけるが、圧延
時のスケール厚さに依存するところが大きく、圧延時の
スケール厚さが10μm以下であればロールの表面粗度の
如何に関わらずスケール疵の発生が防止できることがわ
かる。更に、実機においても圧延時のスケール厚さを10
μm以下に抑えることによりスケール疵を完全に防止で
きることを確認した。
【0020】(B) スケール厚さを10μm以下に抑える方
法について:圧延時のスケール厚さを10μm以下に抑え
る方法としては、高速圧延、低温圧延等も考えられる
が、実機での適用を考えた場合、これらの方法は圧延条
件に制約を与えるので好ましくない。従って、本発明方
法では圧延前にデスケーリングすることにより二次スケ
ールを除去する方法を用いる。
【0021】デスケーリングのタイミングは、スケール
生成速度、デスケーリングによる鋼板の表面温度の低下
および復熱等を考慮した計算から求めることができる。
通常の圧延温度域では、鋼板をデスケーリングした後、
1秒以内に圧延を行えば、スケール厚さを10μm以下に
抑えることができる。すなわち、鋼板を圧延する1秒前
にその鋼板が存在する位置、もしくはその位置よりも圧
延ロールに近い位置でスプレー水を噴射し、デスケーリ
ングを行えば圧延時のスケール厚さが10μmを超えるこ
とはない。
【0022】この1秒以内という時間は、スケール厚さ
をスケール重量増加量に換算して下記の (1)式で表され
る放物線則〔第3版鉄鋼便覧 第III 巻(1) 圧延基礎、
鋼板(1980、丸善)33頁参照〕を適用して求めたもので
ある。
【0023】ε2 =Kp ・t ・・・(1) 但し、Kp =A・exp(−Q/R・T) (1)式において、εはスケール重量増加量〔g/cm2 〕、
Tは鋼板の表面温度〔K〕、tは表面温度Tでの保持時
間〔sec 〕、Rは気体定数で1.9843〔 cal/mol・K〕
である。また、Qは FeO中におけるFeイオンの拡散の活
性化エネルギー〔cal/mol 〕、Aは定数である。
【0024】(C) スケール厚さの予測方法について:図
1は、デスケーリング装置を制御する装置を配置した圧
延装置の一部の構成を示す図である。スケール厚さの計
算には鋼板表面温度と鋼板速度が必要であるが、温度計
算用のデータには圧延機入側の温度計7の出力が、また
鋼板速度にはワークロールの回転速度計8の出力が圧延
制御装置12のコンピュータに入力されているので、これ
を流用する。
【0025】温度計算は、入熱として圧延による加工
熱、圧延時の摩擦熱、放熱としてロールとの接触、空
冷、デスケーリング等の影響を考慮したうえで鋼板の板
厚方向のみの熱伝導として非定常一次元熱伝導方程式を
導き、これを陰階差分法によって解くことにより求め
た。
【0026】このようにして微小時間Δtごとに表面温
度を計算し、上記(1) 式でスケール厚さを求めた。な
お、圧延機入側のデスケーリングでスケールが完全に剥
離し、また各スタンドで発生する二次スケールは圧下率
に等しい圧下をうけると仮定した。図5は、このように
して計算された各スタンドのスケール厚さの変化の一例
を示す図である。デスケーリングされた鋼板がF1スタ
ンドで圧下されF2スタンドに入る前にスケール厚さが
10μmを超えることが予測できたので、F2スタンドに
入る前にデスケーリングを行った例である。
【0027】(D) スプレー水の鋼板表面への衝突圧を
0.15kgf/cm2以上とすることについて:衝突圧は以下の
手順により導出される。
【0028】まず、周知のベルヌーイの定理から下記
(2)式の関係がなりたつ。
【0029】 (p1/ρ)+(v1 2/2)=(p2/ρ)+(v2 2/2) ・・・ (2) 但し、p1 :ヘッダー内における水圧〔kgf/m2〕 p2 :デスケーリングノズル出口における水圧〔kgf/
m2〕 v1 :ヘッダー内における流速〔m/s 〕 v2 :デスケーリングノズル出口における流速〔m/s 〕 ρ :水の密度〔 kgf・S2/m4 〕 ここで、p2 ≪p1 、v1 ≪v2 とみなすことができる
ので、p2 ≒0、v1 ≒0と置くことにより、 (2)式は
(3)式のようになる。
【0030】 v2 =(2p1 /ρ)1/2 ・・・ (3) これより、衝突力(H)は下記 (4)式で与えられる(v
2 、p1 はそれぞれv、pで表した)。
【0031】 H=ρ・v・Q=(2pρ)1/2 ・Q ・・・ (4) 但し、Q:流量〔m3〕 デスケーリングノズルが垂直下向き方向に対して角度α
だけ傾斜しているとすると、 H=(2pρ)1/2 ・Q・ cosα ・・・ (5) となる。
【0032】ここで、ノズルの鋼板表面からの高さを
L、ノズルの開き角をθ、衝突部のスプレー厚さをdと
すると、スプレー水の衝突面積(A)は次式で与えられ
る。
【0033】 A=(L/ cosα)×2tan(θ/2) ×d ・・・ (6) 従って、衝突圧(P)は下記 (7)式で表され、この式か
ら、衝突圧(P)は噴射圧(p)、流量(Q)、ノズル
形状(θ、α)等により決定されることがわかる。
【0034】 P=H/A=(2pρ)1/2 ・Q・cos2α/{L・2tan(θ/2) ×d} ・・・ (7) 本発明のデスケーリング方法においては、噴射圧が50〜
200kgf/cm2、流量が50〜150 リットル/min、ノズル開き
角が15〜45°、ノズル高さが 200〜600mm 、ノズル傾斜
角が5〜20°の範囲で圧延時のスケール厚さを10μm以
下に抑えられることをモデル圧延機による試験で確認し
た。これらの数値を用い、衝突部のスプレー厚さdを10
mmとして、上記 (7)式により本発明のデスケーリング方
法における衝突圧の最小値を求めると、 0.15kgf/cm2
なる。従って、本発明のデスケーリング方法において、
スプレー水の鋼板表面への衝突圧は、 0.15kgf/cm2以上
に限定した。また、上限については特に限定するもので
はないが、同様に最大値を求めると約6kgf/cm2 とな
る。衝突圧をこれ以上あげてもスケールの剥離性に差は
なく、むしろ鋼板が過冷却されるため6kgf/cm2 以下に
するのが望ましい。
【0035】本発明のデスケーリング方法(装置)で
は、圧延ロールの鋼板の入側直近にデスケーリングヘッ
ダーを設置するので、デスケーリングノズルが鋼板表面
に対して垂直に向けられていると、鋼板から剥離し、飛
散した二次スケールがロールバイト内に噛み込まれ、ス
ケール疵が発生しやすくなる。従って、デスケーリング
ノズルは鋼板の進行方向に対し後方に向けて傾斜させる
のがよい。傾斜角は5〜20°程度とするのが好ましい。
【0036】噴射圧は使用するデスケーリングポンプの
圧力により決まるが、前記のように50〜200kgf/cm2の範
囲とするのが好ましい。
【0037】(E) スプレー水噴射開始後1.5 〜10秒間で
所定の衝突圧にすることについて:鋼板表面にスプレー
水をかけてデスケーリングする場合、図6の破線で示す
ようにスプレーを開始してからスプレーが所定の衝突圧
に達するのは、通常1秒以内である。スプレー水噴射に
よる鋼板表面のデスケーリングの適用箇所は粗圧延スタ
ンド前および仕上げスタンドF1スタンド前で実施され
ているが、スプレー開始後短時間でデスケーリング配管
のバルブを開くことにより所定の衝突圧に達し、デスケ
ーリングの効果が直ちに発揮されるようにしている。こ
の場所では圧延材料が厚く急激にスプレーを開始しても
板幅変動の問題は生じにくい。しかし、本発明のように
仕上げ前段スタンド前でデスケーリングする場合、1秒
以内で所定の衝突圧にすると、スケール厚さおよび鋼板
温度の急激な変化により次の圧延スタンドで圧延荷重が
変動し、板幅が変動することがあった。これを図6の実
線で示すようにスプレーを開始してから徐々に衝突圧を
増加させ、1.5 秒以上かけて所定の衝突圧にすると、圧
延荷重の変動、板幅変動を防止できた。
【0038】また、スプレー水を噴射開始後10秒以内と
規制した理由は、長くしても荷重変動防止には特に問題
ないが、長くすると所定の衝突圧に達するまで製品のス
ケール疵防止効果が小さくなるため10秒以内とした。ま
た、所定の衝突圧に達する時間を制御する方法は、デス
ケーリング配管のバルブ開閉速度を制御することによっ
て可能である。
【0039】本発明方法を実施するためのデスケーリン
グ装置は、一般には仕上前段スタンドのうちの1基、特
にF2スタンドの鋼板の入側に近接した位置に上下対に
取り付けるのが好ましい。
【0040】通常、仕上圧延機の入側では入念なデスケ
ーリングが行われ、鋼板の表面温度の低下も大きいの
で、F1スタンドの入側でスケール厚さが10μmを超え
ることはない。しかし、F1およびF2スタンド間では
通板速度が遅く、また復熱により鋼板の表面温度も上昇
してきているためスケールが厚く成長しやすい。F2ス
タンド以降は通板速度も速く、また、F2スタンドの直
前でデスケーリングを行っているため鋼板の表面温度も
低下しており、スケールが成長しにくい。従って、本発
明方法を実施するためのデスケーリング装置はF2スタ
ンドの鋼板の入側の直前に設置するのがよい。ただし、
圧延機によっては圧延速度が遅かったり、圧延温度が高
い等の理由から、F2スタンドに本発明を適用してもそ
れ以降でスケール厚さが10μmを超えるスタンドが存在
する場合もある。そのような場合は、それぞれのスタン
ドの鋼板の入側直前にデスケーリング装置を設けるのが
望ましい。
【0041】本発明のデスケーリング方法では、上記の
ように圧延の直前で鋼板表面にスプレー水を噴射する。
従って、一旦低下した鋼板の最表層の温度が復熱により
再び上昇する前に圧延することとなるので、二次スケー
ルの成長が抑制され、スケール疵の発生防止に効果があ
る。また、圧延用ロールにかかる熱負荷が従来のデスケ
ーリングの場合よりも小さく、ロール表面の肌荒れが起
こりにくいので、スケール疵が生じにくいという利点も
有している。
【0042】
【実施例】以下、本発明のデスケーリング方法を実施例
に基づいて説明する。
【0043】〔実施例1〕図2は、実施例に使用したデ
スケーリング装置を配置した熱間圧延機の仕上スタンド
7基のうち前段のF1スタンドとF2スタンドを示す図
である。圧延機のワークロールの材質はいずれも高クロ
ム鋳鉄(2.7 %C−17%Cr)である。
【0044】図2においてA、BおよびCの位置にはい
ずれも鋼板6の上下に一対づつ従来のデスケーリング装
置が設けられている。また、F2スタンドの鋼板の入側
直近のDの位置、すなわち、次に述べるように、鋼板を
デスケーリングした後1秒以内に圧延することができる
位置に本発明方法を実施するためのデスケーリング装置
(以下、「直近デスケーラ」という)が取り付けられて
いる。なお、F2スタンド以降は圧延速度が速いため酸
化時間が短く、鋼板表面温度も低いので、スケール厚さ
が厚くなりにくく、F3以降のスタンドではデスケーリ
ング装置を設けなくても圧延時のスケール厚さが10μm
を超えることはなかった。
【0045】図3および図4はDの位置に取り付けられ
た直近デスケーラの一例で、そのデスケーリングヘッダ
ーを中心とする部分の構成を示す図であり、F2スタン
ドの鋼板入側の水切り板に加工を施し、デスケーリング
ヘッダーを増設したものである。図3は一部縦断面図、
図4はデスケーリングヘッダーとノズルの部分の平面図
である。これらの図において、1がデスケーリングヘッ
ダー、2がデスケーリングノズル、3がワークロール、
6が鋼板で、デスケーリングノズル2の傾きは10°、ノ
ズル2の先端から鋼板6の表面までの距離、すなわち噴
射距離は 300mmとしている。スプレー水が鋼板に
衝突する位置からロール3が鋼板6に接する点(ロール
3の中心を通る垂線が鋼板6と交わる点)までの距離は
650mmである。
【0046】この場合、デスケーリングから圧延までの
時間は圧延速度等に依存するが、およそ 0.5〜0.8 秒程
度である。なお、4が水切り板、5は圧延油ノズルであ
る。また、図4に示すように、各ノズル2には隣接する
ノズルから噴出するスプレー水どうしの干渉を避けるた
め15°の捻じれを与えている。なお、図4の斜線部はス
プレー水が鋼板に衝突する際の広がりを示す。
【0047】上記のようにデスケーリング装置が取り付
けられた仕上スタンドにより、厚さ30mm、幅1260mmの普
通鋼の鋼板を対象として仕上寸法が厚さ 2.3mm、幅1250
mmの熱延鋼板を製造し、F2スタンドのワークロールの
表面温度および肌荒れ状況、ならびに製造後の鋼板表面
の状況を調査した。この場合、直近デスケーラを使用す
るに際しては、図2のBおよびCの位置に取り付けられ
たデスケーリング装置は停止してAおよびDの位置にあ
るデスケーリング装置を用いた。なお、A、BおよびC
の位置のデスケーリング装置では、上下とも噴射圧を14
0kgf/cm2、水量を4200リットル/minの一定とし、Dの位
置にある直近デスケーラでは噴射圧および水量を調整し
てスプレー水の鋼板表面への衝突圧を変化させた。
【0048】調査結果を表2にまとめて示す。なお、発
明例1〜3および比較例4は図2に示すデスケーリング
装置AとDを使用し、本発明方法をDに適用した場合で
あり、比較例5は図2に示すデスケーリング装置A、B
およびCを使用した場合である。
【0049】
【表2】
【0050】表2に示されるように、直近デスケーラを
使用し、本発明方法で定める衝突圧でデスケーリングを
行った発明例( No.1〜3)ではロール表面肌、鋼板表
面状態ともに良好であったが、直近デスケーラを使用し
ても衝突圧が本発明方法で規定する範囲より低い場合
(比較例4)、あるいは直近デスケーラを使用しなかっ
た場合(比較例5)は、ロール表面にバンディング状肌
荒れが生じ、鋼板表面にはスケール疵が発生した。ま
た、直近デスケーラを用いた場合は、用いない場合に比
べてロール表面の温度を大幅に低下させることができ
た。
【0051】〔実施例2〕圧延材料は普通鋼(C=0.05
〜0.15%)で仕上げ寸法厚さ1.2 〜3.5 mm、板幅900 〜
1500mmの鋼板を用いた。圧延ワークロールには高速度鋼
(2%C-5%V-5%W) を用いた。
【0052】図1は、この実施例に使用した圧延装置の
一部を示す図である。F2スタンドおよびF3スタンド
入側に直近デスケーラーを配置し、スタンド間のスケー
ル厚さを予測計算し、デスケーラーの開閉バルブを制御
しながら圧延する装置である。なお、デスケーラーは、
図3および図4に示すものと同様であり、デスケーリン
グの噴射圧は130 kgf/cm2 、1ノズル当たりの流量100
リットル/分で衝突圧は1.6 kgf/cm2 とした。
【0053】鋼板表面温度および鋼板速度は圧延制御装
置(コンピュータ)12から逐次演算装置10に取り込み、
各スタンド直前におけるスケール厚さを計算する。計算
されたスケール厚さのデータは制御装置11へと送られ、
これが10μmを超える場合、鋼板先端が次のロールに噛
み込んだ状態でデスケーリングのバルブ13が開くように
なっている。この圧延スケジュールではF2、F3スタ
ンドに本発明のデスケーリング方法を適用し、F4以降
のスタンドで圧延直前のスケール厚さが10μmを超える
ことはなかった。
【0054】F2スタンドで10μmを超えたとき、F2
スタンド前でデスケーリングを開始し、図1に示すバル
ブ13の開閉度を調整することによって衝突圧1.6 kgf/cm
2 に達する時間を変化させ、圧延状況を調査した。
【0055】試験結果を表3に示す。衝突圧1.6 kgf/cm
2 に達する時間が短いとF2スタンド圧延荷重が変動し
板幅が局部的に減少した。しかし、所定の衝突圧に達す
る時間を1.5 秒以上にすると荷重変動が抑制され、板幅
変動が少なくなった。また鋼板表面品質は全て良好であ
った。
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】鋼板の熱間圧延時に本発明の圧延方法を
適用すれば、デスケーリングを行った後の二次スケール
の生成を抑制すると同時に、圧延ロール表面の肌荒れを
防ぐことができ、鋼板表面におけるスケール疵の発生防
止に極めて有効である。特に、圧延ロール材質が高速度
鋼である場合、ロール使用期間が長くスケール疵が多発
する傾向にあり、本発明の効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】デスケーリング装置を制御する装置を配置した
圧延装置の一部の構成を示す図である。
【図2】本発明方法を実施するためのデスケーリング装
置を配置した熱間仕上圧延機の一部の構成を示す図であ
る。
【図3】本発明方法を実施するためのデスケーリング装
置の一例で、その一部の構成を示す一部縦断面図であ
る。
【図4】本発明方法を実施するためのデスケーリング装
置の一例で、そのデスケーリングヘッダーとノズルの部
分の平面図である。
【図5】圧延中のスケール厚さの経時変化を示す図であ
る。
【図6】デスケーラーの衝突圧を所定の圧力まで上昇さ
せるパターンを示す図である。
【符号の説明】
1:デスケーリングヘッダー 2:デスケーリ
ングノズル 3:ワークロール 4:水切り板
5:圧延油ノズル 6:鋼板 7:温度計
8:回転速度計 9:バックアップロール 10:二次スケール厚さ予測演
算装置 11:制御装置 12:圧延制御装置 1
3:開閉バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 光 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 石原 晴彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 後藤 邦夫 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 智也 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地住友金属 工業株式会社鹿島製鉄所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱間連続圧延機の仕上前段スタンドの入側
    で鋼板表面のスケールの厚さが10μmを超える場合に、
    この鋼板の表面に衝突圧 0.15kgf/cm2以上でスプレー水
    を噴射した後、1秒以内に前記の仕上前段スタンドで圧
    延することを特徴とする熱延鋼板の圧延方法。
  2. 【請求項2】熱間連続圧延機の仕上前段スタンドの入側
    で鋼板表面のスケールの厚さが10μmを超える場合に、
    この鋼板の表面にスプレー水の噴射を開始してから 1.5
    〜10秒間で衝突圧 0.15kgf/cm2以上にあげてデスケーリ
    ングした後、1秒以内に前記の仕上前段スタンドで圧延
    することを特徴とする熱延鋼板の圧延方法。
  3. 【請求項3】熱間連続圧延機列の入側での鋼板表面温度
    と各スタンド間の鋼板速度から二次スケール厚さを予測
    する演算装置と、各スタンド入側に近接して鋼板表面に
    圧力水を噴射するデスケーリング装置と、上記演算装置
    の二次スケール厚さの予測値が所定の値になったとき上
    記デスケーリング装置の開閉バルブを作動させる制御装
    置とを有する熱間圧延装置。
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