JPH07173765A - フッ素含有ポリオレフィン不織布及びその製造方法 - Google Patents

フッ素含有ポリオレフィン不織布及びその製造方法

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JPH07173765A
JPH07173765A JP6116535A JP11653594A JPH07173765A JP H07173765 A JPH07173765 A JP H07173765A JP 6116535 A JP6116535 A JP 6116535A JP 11653594 A JP11653594 A JP 11653594A JP H07173765 A JPH07173765 A JP H07173765A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリオレフィン繊維が有する優れた耐薬品
性、耐溶剤性、耐候性、機械的強度、耐熱性等の特性を
損なうことなく、高度の親水性、染着性、印刷性、接着
性が付与されたポリオレフィン繊維不織布を提供する。 【構成】 ESCAにて測定した表面元素組成における
炭素原子数C、酸素原子数O、及びフッ素原子数Fが下
記(1)及び(2)の関係式を同時に満たすことを特徴
とする、フッ素含有ポリオレフィン不織布、及び、酸素
ガスの含有率が15vol%以上であるフッ素含有ガス
を用いて、不織布化前または後のポリオレフィン繊維を
処理することを特徴とする、前記不織布の製造法。 【数1】 100≧(10×O−F)/C≧0.4 ・・・(1) 0.6≧F/C≧0.01 ・・・(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素と酸素の混合ガ
スで表面処理したポリオレフィン繊維からなる不織布、
およびそれを用いた電池用セパレーターに関するもので
ある。詳しくは、ポリオレフィン繊維が有する優れた耐
薬品性、耐溶剤性、耐候性、機械的強度、耐熱性等の特
性を損なうことなく、高度の親水性、染着性、印刷性、
接着性が付与されたフッ素化ポリオレフィン不織布に関
するものである。
【0002】この様な特性が付与されたフッ素化ポリオ
レフィン不織布の用途としては、濾布またはフィルター
(化学薬品、ペイント、ガス、ビール、ワイン、牛乳等
の濾過用)、塗装布の基布、電池用セパレーター、テー
プ、ラベル、包装材料等の工業的用途;眼帯、包帯、パ
ッド、マスク、タオル等の医療衛生用用途;壁紙、エプ
ロン、敷布、掛け布、テーブルクロス、ナフキン等の家
庭用用途など数多く考えられる。
【0003】このうち、本発明のフッ素化ポリオレフィ
ン不織布は、顕著な耐アルカリ性を示すことから、特に
電池用セパレーターに好適であり、具体的には、ニッケ
ル−水素電池、ニッケル−亜鉛電池等の電池用セパレー
ターに用いられる。
【0004】
【従来の技術】不織布は、天然繊維及び合成繊維など種
々の繊維からなるものが知られているが、それぞれにお
いて長所、短所を併せ持つ。例えば、ナイロン繊維不織
布は、親水性、染着性、印刷性等に優れるが、耐薬品
性、耐溶剤性、耐候性等に劣る。これに対し、ポリオレ
フィン繊維不織布は逆に、耐薬品性、耐溶剤性、耐候性
等に優れるが、親水性、染着性、印刷性等に劣るといっ
た問題点があり、耐薬品性、耐溶剤性、耐候性等に優れ
かつ親水性、染着性、印刷性等の特性が高い不織布の開
発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、従来から電池用
セパレーターとしてナイロン不織布やポリオレフィン多
孔膜等が知られているが、ニッケル−水素電池やニッケ
ル−亜鉛電池は、電解質としてアルカリ性溶媒を使用し
ているため、それらに用いる電池用セパレーターとして
は、高度の親水性および耐アルカリ性が要求される。
【0006】これに対し、スルホン化して親水性を付与
したポリオレフィン不織布が用いられてきたが、耐アル
カリ性の点で不充分であった。また、フッ素ガスと酸素
ガスの混合ガスを用いてポリオレフィン不織布を表面処
理して親水化すること(特公昭59−5601号)や、
かかる処理をした不織布を電池用セパレーターに使用す
ること(特公平4−7548、特公平5−46056)
が知られているが、これらも耐アルカリ性については満
足のいくものではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、表面元素組成における
炭素原子数、酸素原子数、及びフッ素原子数が一定の関
係にあるフッ素含有ポリオレフィン不織布が、耐薬品
性、耐溶剤性、耐候性等に優れ、かつ親水性、染着性、
印刷性等の特性においても優れていること、及び、特に
優れた耐アルカリ性が付与されることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、ESCAにて
測定した表面元素組成における炭素原子数C、酸素原子
数O、及びフッ素原子数Fが下記(1)関係式(1)及
び(2)を同時に満たすことを特徴とするフッ素含有ポ
リオレフィン不織布、及び、その製造法に存する。
【0009】
【数3】 0.6≧F/C≧0.01 ・・・(1) 100≧(10×O−F)/C≧0.4 ・・・(2) 以下、本発明を詳細に説明する。本発明におけるフッ素
含有ポリオレフィン不織布は、ESCAにて測定した表
面元素組成における炭素原子数C、酸素原子数O、及び
フッ素原子数Fが
【0010】
【数4】0.6≧F/C≧0.01、 且つ、100≧(10×O−F)/C≧0.4、 の関係を有することを特徴とする。本発明においては、
F/Cの値が従来より格段に低い点に特徴がある。この
値が高すぎるとフッ素原子が過剰にポリオレフィンの表
面に作用し、撥水性を増加させると共に耐アルカリ性を
著しく低下させる。但し、F/Cの値が0.01より低
い場合は、表面を十分に改質するに足るフッ素ガスとの
接触が果たされていないことを示しており、親水性が不
十分となる。。
【0011】また、(10×O−F)/Cの値が0.4
未満では、十分な量の含酸素官能基が不織布表面に導入
されていないため、親水性表面は得られず、逆に100
を越えてももはやその効果は増加しない。F/Cの値と
しては、好ましくは0.6〜0.03、より好ましくは
0.5〜0.04である。また、(10×O−F)/C
の値としては、好ましくは50〜0.6、より好ましく
は20〜1.2である。
【0012】尚、ここで、ESCAで測定した表面元素
組成とは、PERKIN ELMER PHI社製、E
SCA−5500MCを使用し、線源をAlとして14
kV、150W(モノクロメータ使用、取出角65度)
の条件下で測定したものをいう。本発明では、特に電池
用セパレーター等において高い親水性を要求される用途
に対しては、上述した関係式に加え、更に上記ESCA
で測定した表面元素組成におけるO/Cが以下の関係式
(3)を満たすことが好ましい。
【0013】
【数5】O/C≧0.2 ・・・(3) O/Cが0.2未満では、電池用セパレーターとして必
要な親水性が不十分であり、好ましくない。より好まし
くは、O/Cが0.3以上である。また、本発明の不織
布を電池用セパレーターとして使用する場合、耐アルカ
リ性の目安として、30重量%水酸化カリウム水溶液に
100℃にて1時間浸漬した後の重量減少が1.4重量
%以下、好ましくは1重量%以下であることがよい。
1.4重量%を超えると、耐アルカリ性が不十分とな
り、特にニッケル−水素電池やニッケル−亜鉛電池のよ
うなアルカリ性溶媒を電解質とする電池に用いる場合に
は適さない。
【0014】次に、本発明においては、かかるフッ素含
有ポリオレフィン不織布を、フッ素及び酸素含有混合ガ
ス(以下、単に混合ガスという。)を用いて、不織布化
前または後のポリオレフィン繊維を処理することにより
得ることができる。ここで用いるポリオレフィン繊維と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の炭化水素系
ポリオレフィン繊維が耐薬品性、耐溶剤性、耐候性等の
点から好ましい。
【0015】本発明では、このポリオレフィン繊維をフ
ッ素及び酸素の混合ガスにより表面処理するが、その処
理は、不織布化前の原料繊維に対する表面処理あるいは
不織布自体の表面処理のいずれも可能である。このうち
処理工程の簡便さの点から、不織布自体の表面処理が好
ましい。高度な親水性、染着性、印刷性等の特性を有す
る不織布を製造する簡便かつ効果的な方法として、本発
明では不織布または原料繊維を、特定量のフッ素
(F 2)及び酸素(O2)を含有する気体と接触処理する
方法を好ましく採用する。以下、かかる接触処理につい
て説明する。
【0016】まず、フッ素ガスと酸素ガスの体積比(F
2/O2)が0.2以下の混合ガスを使用することが必要
である。この体積比が0.2を超えると、過剰のフッ素
ガスにより耐アルカリ性が損なわれ、且つ酸素ガスの不
足により親水性が低下する。好ましくは、F2/O2が
0.1以下、より好ましくは0.0001〜0.05で
ある。
【0017】また、混合ガス中のフッ素ガスの割合は、
0.01〜20容量%、好ましくは0.1〜10容量
%、さらに好ましくは0.5〜5容量%とする。フッ素
ガスの割合が0.01容量%未満ではフッ素と不織布と
の反応が不十分なため、表面処理の効果が不足したり、
処理斑が生じるようになるため好ましくない。また、2
0容量%を越えると反応が過剰に起こり、耐アルカリ性
が著しく低下するため好ましくない。また、親水性の効
果が小さくなったり、不織布の機械的強度が損なわれ
る。
【0018】また、混合ガス中の酸素ガスの含有量は1
5vol%以上、好ましくは30〜99vol%であ
る。酸素ガスの含有量が低すぎると、表面に十分な量の
酸素が導入されず、逆に撥水性を与えるフッ素の導入が
増加し、十分な親水性が得られない。ポリオレフィン表
面の親水化において、フッ素と酸素の混合ガスを用いる
ことは、例えば特公昭59−5601(エア・プロダク
ツ社)に記載されているが、その場合処理条件としては
酸素ガス5vol%以下と記載されており、F2/O2は
約0.5となる。このものの耐アルカリ性は、30重量
%水酸化カリウム水溶液に100℃にて1時間浸漬した
後の重量減少が2重量%近くとなり、格段に劣る。
【0019】また、特公平5−46056もしくは特開
昭60−109171(三洋電機(株))においても、
フッ素含有ガス中の酸素含有量が10vol%、フッ素
含有量が2.5容量%であり、F2/O2が約0.25の
条件下でポリプロピレンの親水化が実施されている。し
かしながら、そのような条件では、フッ素がポリオレフ
ィン表面と過剰に反応し、耐アルカリ性を著しく低下さ
せる。
【0020】上記三洋電機社特許出願においては、上記
処理による−CF2−基の生成に伴って親水性が向上す
ることが述べられているが、親水性に寄与するものとし
ては、=CO、−OHあるいは−CO2H等の含酸素官
能基であり、−CF2−基の増加は通常、逆に撥水性に
寄与する。すなわち、フッ素含有混合ガス中の酸素ガス
の含有量が15vol%未満では、ESCAにて測定し
た表面元素組成におけるC,O,Fの値を用いた(10
×O−F)/Cの値が0.4以上とはなっても、F/C
の値が0.6以下という条件を満たさず、十分な親水性
が得られない。
【0021】また、フッ素ガスは、少量存在すれば、親
水性が向上するが、フッ素ガスが過剰に存在すると、耐
アルカリ性が著しく低下する。この理由は必ずしも明ら
かではないが、フッ素ガスが少量存在すれば、ポリオレ
フィン表面を活性化させ、酸素を表面に結合し易くする
働きをするが、フッ素ガスが多すぎると逆にポリオレフ
ィン表面を過剰に攻撃して分子配列を乱すため表面の耐
性が低下するのではないかと考えられる。
【0022】即ち、本発明においては、フッ素ガスは、
酸素導入のための触媒としての役割を果たすと考えられ
るため、極く少量存在すれば足り、逆に多すぎると本発
明の目的を達成することはできない。本発明の上述した
混合ガスによる表面処理は、ポリオレフィン不織布の表
面エネルギーを増加させるものである。
【0023】ここで、表面エネルギーとは、固体の表面
エネルギーをいうが、これは、その固体が有する固有の
表面物性であり、固体表面の濡れやすさを示す指標の一
つとなりうるものである。即ち、固体表面を液体で濡ら
すと、表面自由エネルギーが減少するが、この減少の度
合いは、固体の表面張力と固液間の界面張力の差が大き
いほど大きくなる。自然の現象は自由エネルギーの減少
の方向に進行するので、この界面張力の差が大きいほど
濡れやすいということになる。
【0024】一方、固体の表面張力は、濡らす前の固体
表面の持つ固有の表面エネルギーが大きいほど大きくな
る(Gibbs-Helmholtz の関係)ので、濡らす前の固体の
表面エネルギーが増加すれば、固体の表面張力および濡
れたときの表面自由エネルギーの減少が大きくなり、固
体は濡れやすくなる。本発明における表面処理は、ポリ
オレフィン不織布の表面エネルギーを増加させる方向に
働くものであり、これにより不織布表面を濡れやすくす
ることができる。
【0025】ポリオレフィン繊維不織布を混合ガスで処
理する時の温度は通常−50〜90℃、好ましくは0〜
60℃、さらに好ましくは10〜40℃の範囲が選ばれ
る。処理時間は、広い範囲から適宜選ばれ、通常1秒か
ら10分、好ましくは60秒から8分の範囲が選ばれ
る。1秒未満では、反応が不十分なため、本発明の効果
が十分に得られなくなる。
【0026】本発明の表面処理、すなわち不織布または
その原料繊維と、フッ素及び酸素混合ガスとを接触させ
る方法については、特に限定されないが、バッチ式処理
法や連続式処理法が挙げられる。バッチ式処理法として
は、密閉された反応器中に不織布または原料繊維を入
れ、容器内の気体を、フッ素及び酸素を含有する気体で
置換して不織布または原料繊維とを接触させる方法が挙
げられる。
【0027】一方、連続処理法としては、フッ素と酸素
とを含有する気体雰囲気の中を、不織布または原料繊維
を通過させて処理する方法が挙げられる。この場合、フ
ッ素と酸素とを含有する気体を密閉容器中に入れ、中の
気体が外へ漏れないような入口、出口を設け、不織布ま
たは原料繊維を連続的に処理する方法、あるいは密閉容
器ではなくとも、フッ素分圧を低くすることや、エアー
カーテン等の方法でフッ素ガスが漏れないようにした装
置で接触処理を行うことも出来る。
【0028】かかる処理に於けるフッ素ガス含有気体の
不織布または原料繊維との接触処理時の全圧は、大気圧
であっても、陰圧あるいは陽圧であっても良い。いずれ
にしても、フッ素ガス含有気体中のフッ素及び酸素の分
圧もしくは体積%が所定条件を満たしていれば良い。
尚、本発明で用いるフッ素ガスは、通常フッ化水素の電
気分解によって得られる。かかる電気分解で得られたフ
ッ素ガスを直接フッ素処理に使用しても良く、フッ素ガ
スあるいはフッ素ガスと他のガス例えば窒素ガス等との
混合ガスを充填したボンベから導いて使用しても良い。
【0029】本発明のフッ素含有ポリオレフィン不織布
の製造に際しては、その前処理として、ポリオレフィン
繊維の脱油剤または脱水処理を行なうことが好ましい。
市販のポリオレフィン不織布は、一般に油剤等により予
め処理がされているため、これらの不織布にすでに油剤
等が含まれている場合が多いが、かかる油剤等がある
と、フッ素が油剤により消費されるので好ましくない。
よって、これを事前に除去すべく、脱油剤等の前処理を
行なうのが好ましい。
【0030】最終的にフッ素含有ポリオレフィン不織布
においては、かかる前処理等をすることにより、油剤含
有量を0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以下
とすることが好ましい。本発明においては、また、後処
理として、湯またはアルコールを用いて不織布を湿式洗
浄することが好ましい。フッ素の消費量を抑えるためで
ある。
【0031】かくして、ESCAにて測定した表面元素
組成における炭素原子数C、酸素原子数O、フッ素原子
数Fが特定の関係を有する高度の親水性、染着性、印刷
性、接着性等を有するフッ素含有ポリオレフィン不織布
が得られる。特に、かかるフッ素含有ポリオレフィン不
織布は、親水性のみならず、耐アルカリ性に極めて優れ
ており、電池用セパレーターに好適である。
【0032】本発明の電池用セパレーターは、好ましく
は、不織布の目付け(単位面積当たりの重量)が100
g/m2以下、更に好ましくは80g/m2以下である。
また、厚みは0.01〜5mm、好ましくは0.1〜1
mmである。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 <実施例1>フッ素に対し耐性を有する容量2.5リッ
トルの反応器内にポリエチレン繊維不織布約0.2gを
入れ、真空排気後、フッ素(F2)/酸素(O2)/窒素
(N 2)=12/640/108(torr)の分圧比
を持つ混合ガスを導入して760torrとした。室温
で5分間静置後、混合ガスを真空排気し、次いで窒素ガ
スを導入して760torrとした。その後、試料を取
り出し、透水速度を測定したところ、3900リットル
/m2・Hr・atmの透水速度を示した。
【0034】ESCA(PERKIN ELMER PHI社製、ESC
A−5500MC使用、測定条件:線源Al,14k
V,150W,モノクロメータ使用、取出角65度)に
て測定した表面元素組成における炭素原子数C、酸素原
子数O、フッ素原子数Fより(10×O−F)/Cの値
を計算すると、1.26の値が得られた。また、F/C
の値としては0.15となった。O/Cは0.14であ
り、耐アルカリ性は、0.9重量%、吸液高さは約18
0mmである。この不織布の目付けは46g/m 2であ
り、厚みは0.2mmであった。
【0035】ここで、耐アルカリ性は、試料0.2gを
100℃にて30重量%KOH水溶液に1時間浸漬した
後の重量減少の割合(重量%)で表し、吸液高さは25
℃、相対湿度60%の雰囲気下で2.5cm幅の短冊状
のサンプルの下端を30重量%KOH水溶液に浸し、3
0分後の吸液の高さを測ったものである。なお、未処理
のポリエチレン繊維不織布の透水速度は4リットル/m
2・Hr・atmであり、(10×O−F)/Cの値を
計算すると1.24、F/C値としては0であった。ま
た、耐アルカリ性は0.1重量%、吸液高さは0mmで
あった。
【0036】また、表面処理した不織布を36N塩酸、
30%過酸化水素、または49%アンモニア水にそれぞ
れ6日間浸漬後、透水速度を測定したところ、いずれの
不織布も外観の変化及び透水速度の変化は見られなかっ
た。 <比較例1>F2/O2/N2=250/400/110
(torr)の分圧比を持つ混合ガスを用い、実施例1
と同様の操作によりポリエチレン繊維不織布の表面処理
を行った。表面処理後の透水速度は3リットル/m2・
Hr・atmであった。また、(10×O−F)/Cの
値は0.50、F/C値は1.20であった。耐アルカ
リ性は2.4重量%、吸液高さは約40mmであった。
【0037】<実施例2>ポリプロピレン繊維不織布を
用い、実施例1と同様の操作により表面処理を行った。
表面処理後の透水速度は3080リットル/m2・Hr
・atmであった。また、(10×O−F)/Cの値は
2.78、F/C値は0.32であった。また、耐アル
カリ性は1重量%、吸液高さは160mmであった。
【0038】また、表面処理した不織布を36N塩酸、
30%過酸化水素、または49%アンモニア水にそれぞ
れ6日間浸漬後、透水速度を測定したところ、いずれの
不織布も外観の変化及び透水速度の変化は見られなかっ
た。なお、未処理のポリプロピレン繊維不織布の透水速
度は4リットル/m2・Hr・atmであり、(10×
O−F)/Cの値は1.10、F/C値は0であった。
【0039】<実施例3>フッ素に対し耐性を有する反
応器内にポリエチレン繊維不織布を入れ、真空排気後、
F2/O2/N2=5/710/45(torr)の分圧
比を持つ混合ガスを導入して760torrとした。室
温で5分間静置後、混合ガスを真空排気し、次いで窒素
ガスを導入して760torrとした。その後、試料を
取り出し、実施例1と同様の方法で耐アルカリ性を測定
した。また、親水性の目安として、10×10cmの試
料を水を入れたビーカーに落とし、サンプルの表面全体
が完全に濡れて色が変化するまでの時間を測定した。耐
アルカリ性は、0.6重量%、親水性は50秒であっ
た。尚、F2/O2は0.007であった。
【0040】<実施例4>F2/O2/N2=10/66
0/90(torr)の分圧比を持つ混合ガスを用い、
実施例1と同様の操作によりポリエチレン繊維不織布の
表面処理を行った。F2/O2は0.015であり、耐ア
ルカリ性は、0.8重量%、親水性は13秒であった。
【0041】<実施例5>F2/O2/N2=20/56
0/180(torr)の分圧比を持つ混合ガスを用
い、実施例1と同様の操作によりポリエチレン繊維不織
布の表面処理を行った。F2/O2は0.036であり、
耐アルカリ性は、1.2重量%、親水性は10秒であっ
た。
【0042】<比較例2>F2/O2/N2=20/80
/660(torr)の分圧比を持つ混合ガスを用い、
実施例1と同様の操作によりポリエチレン繊維不織布の
表面処理を行った。表面処理後の透水速度は6リットル
/m2・Hr・atmであった。また、(10×O−F)
/Cの値は2.10、F/C値は0.90であった。F
2/O2は0.25であり、耐アルカリ性は1.41重量
%、吸液高さは55mmであった。また、親水性は10
秒であった。
【0043】<比較例3>F2/O2/N2=20/40
/700(torr)の分圧比を持つ混合ガスを用い、
実施例1と同様の操作によりポリエチレン繊維不織布の
表面処理を行った。F2/O2は0.5であり、耐アルカ
リ性は、1.48重量%であった。
【0044】<実施例6>F2/O2/N2=20/10
0/640(torr)の分圧比を持つ混合ガスを用
い、実施例1と同様の操作によりポリエチレン繊維不織
布の表面処理を行った。F2/O2は0.25であり、耐
アルカリ性は、1.14重量%、親水性は10秒であっ
た。
【0045】<実施例7>F2/O2/N2=10/66
0/90(torr)の分圧比を持つ混合ガスを用い、
実施例1と同様の操作によりポリエチレン繊維不織布の
表面処理を行った。F2/O2は0.02であり、耐アル
カリ性は、1.06重量%であった。
【0046】
【発明の効果】本発明のフッ素と酸素の混合ガスにより
表面処理したポリオレフィン繊維不織布は、従来例を見
られなかったほどの高度の親水性を有し、しかもポリオ
レフィン繊維不織布自身の持つ耐薬品性、耐溶剤性等の
特性を損なうことが無く、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3〜7及び比較例2〜3におけ
る耐アルカリ性と親水性のF2/O2に対する関係を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 101:20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ESCAにて測定した表面元素組成におけ
    る炭素原子数C、酸素原子数O、及びフッ素原子数Fが
    下記関係式(1)及び(2)を同時に満たすことを特徴
    とする、フッ素含有ポリオレフィン不織布。 【数1】 0.6≧F/C≧0.01 ・・・(1) 100≧(10×O−F)/C≧0.4 ・・・(2)
  2. 【請求項2】ESCAにて測定した表面元素組成におけ
    る炭素原子数C及び酸素原子数Oが、更に下記関係式
    (3)を満たすことを特徴とする、請求項1記載のフッ
    素含有ポリオレフィン不織布。 【数2】O/C≧0.2 ・・・(3)
  3. 【請求項3】30重量%水酸化カリウム水溶液に100
    ℃にて1時間浸漬した後の重量減少が1.4重量%以下
    である、請求項1記載のフッ素含有ポリオレフィン不織
    布。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3記載のフッ素含有ポリオレ
    フィン不織布からなる電池用セパレーター。
  5. 【請求項5】不織布の目付けが100g/m2以下であ
    り、且つ厚みが0.01〜5mmである、請求項4記載
    の電池用セパレーター。
  6. 【請求項6】フッ素ガスと酸素ガスの体積比(F2/
    O2)が0.2以下のフッ素及び酸素含有混合ガスを用
    いて、不織布化前または後のポリオレフィン繊維を処理
    することを特徴とする、請求項1乃至3記載のフッ素含
    有ポリオレフィン不織布の製造方法。
  7. 【請求項7】フッ素及び酸素含有混合ガスにおける酸素
    ガスの含有率が15容量%以上であることを特徴とす
    る、請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】フッ素及び酸素含有混合ガスにおけるフッ
    素ガスの含有率が0.01〜20容量%であることを特
    徴とする、請求項6又は7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】処理温度が−50℃〜90℃であることを
    特徴とする、請求項6乃至8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】処理時間が1秒以上10分以下であるこ
    とを特徴とする、請求項6乃至9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】被処理物質の表面から20〜1000Å
    の深さまで処理することを特徴とする、請求項6乃至1
    0記載の製造方法。
  12. 【請求項12】後処理として、湯またはアルコールを用
    いて不織布を湿式洗浄することを特徴とする、請求項6
    乃至11記載の製造方法。
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