JPH07175579A - 座標入力装置およびその方法 - Google Patents

座標入力装置およびその方法

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JPH07175579A
JPH07175579A JP32040093A JP32040093A JPH07175579A JP H07175579 A JPH07175579 A JP H07175579A JP 32040093 A JP32040093 A JP 32040093A JP 32040093 A JP32040093 A JP 32040093A JP H07175579 A JPH07175579 A JP H07175579A
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JP
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vibration
arrival
coordinate
time
signal waveform
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JP32040093A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
Ryozo Yanagisawa
亮三 柳沢
Hajime Sato
肇 佐藤
Yuichiro Yoshimura
雄一郎 吉村
Masaki Tokioka
正樹 時岡
Atsushi Tanaka
淳 田中
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度で座標を算出する座標入力装置および
その方法を提供する。 【構成】 振動センサ6a〜6dは振動ペン3から振動
伝達板8へ入力された弾性振動波を検出し、信号波形検
出回路9は振動センサから出力された信号波形上の所定
点を検出し、演算制御回路1は、信号波形検出回路9の
検出結果から振動の到達時間を検出し、所定点が存在す
る信号波形上の位置を判定した結果に基づいて、内蔵す
る不揮発性メモリに設定された振動波の伝播に関する複
数の定数の中から有効な定数を抽出して、検出された到
達時間と抽出された定数とから振動が入力された位置を
算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は座標入力装置およびその
方法に関し、例えば、振動ペンから入力された弾性波振
動を振動伝達板上に配設された複数の振動センサにより
検出し、弾性波振動の伝達時間に基づいて振動ペンによ
って指示された位置を算出する座標入力装置およびその
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、振動ペンで発生した振動を入力面
である振動伝達板に入力し、振動伝達板に配設されたセ
ンサにより振動を検出して、振動ペンからセンサまでの
波の到達時間を検知し、振動ペンの位置を出力する座標
入力装置が知られている。この装置は、振動伝達板を伝
播する板波を検出して座標を算出するもので、波の到来
遅延時間として振動の群速度Vgに関わる遅延時間tgと、
振動の位相速度Vpに関わる遅延時間tpの両者を検出して
座標を算出する。この装置が座標算出を行う際に、まず
振動入力ペンと各センサまでの距離を計測する必要があ
るが、図1から3はこの距離計測を説明するための図で
あり、これらの図を用いて、従来の距離算出原理を説明
する。
【0003】図1は、振動検出手段の振動センサが出力
する信号波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理
を説明するための図である。振動ペンを駆動する信号
(a)が印加され、この信号によって振動ペンから振動伝
達板に伝達された振動は、振動センサまでの距離に応じ
た時間をかけて進行した後、振動センサに検出される。
同図(b)は振動センサが検出した信号波形を示す。
【0004】この振動は板波であるために、検出波形
(b)のエンベロープ421の伝播速度(群速度Vg)と位
相422の伝播速度(位相速度Vp)とは異なる。従っ
て、振動伝達板内での伝播距離に応じて、検出波形(b)
のエンペロープ421と位相422の関係は変化する。
この群速度Vgに基づく群遅延時間Tgおよび位相速度Vpに
基づく位相遅延時間Tpから、振動ペンと振動センサ間の
距離を検出する。
【0005】図2は波形処理を実行する構成を示すブロ
ック図であり、図1と合わせて群遅延時間Tg,位相遅延
時間Tpを検出する方法を説明する。振動センサ50から
出力された信号(b)は、前置増幅回路51により所定レ
ベルまで増幅された後、帯域通過フィルタ58により余
分な周波数成分が除去されて、信号(c)を得る。この信
号(c)のエンベロープに着目すると、その波形が伝播す
る速度は群速度Vgであり、ある特定の波形上の点、例え
ばエンベロープのピークや変曲点を検出すると、群速度
Vgに関わる遅延時間tgが得られる。そこで、信号(c)
は、絶対値回路および低域通過フィルタなどで構成され
るエンベロープ検出回路52へ入力されて、そのエンベ
ロープ(e)が取出される。さらに、このエンベロープ(e)
に対して、予め設定されている閾値sを超える部分のゲ
ート信号(f)を、マルチバイブレータなどで構成される
ゲート信号発生回路56によって発生させる。
【0006】以下の説明では、群遅延時間tgをエンベロ
ープの最初の変曲点、つまり後述する信号(d)の立下が
りゼロクロス点で検出する例を説明する。エンベロープ
検出回路52から出力された信号(e)は、エンベロープ
変曲点検出回路53へ入力され、エンベロープの二階微
分波形(d)を得る。マルチバイブレータなどから構成さ
れるtg検出回路54は、この波形(d)とゲート信号(f)と
を比較することにより、所定波形のエンベロープ遅延時
間検出信号であるtg信号(i)を出力する。
【0007】一方、位相遅延時間tpに関しては、ゼロク
ロスコンパレータ,マルチバイブレータなどで構成され
るtp検出回路57は、ゲート信号(f)がアクティブであ
る期間、信号(c)の立ち上がりゼロクロスを検出して、
位相遅延時間検出信号であるtp信号(g)を出力する。図
3は、このようにして得られた群遅延時間tg,位相遅延
時間tpとペン−センサ間距離Lとの関係を模式的に示す
図である。
【0008】前述したように、板波を検出するので、群
遅延時間tgは距離Lに対して線型性がよいとはいえな
い。従って、距離Lを式(1)に示すように群遅延時間tgと
群速度Vgとの積として求めた場合、精度の良い結果は得
られない。 L=Vg・tg …(1) そこで、より高精度に座標決定を行うために、線型性の
優れる位相遅延時間tpに基づいて、式(2)による演算を
行う。
【0009】L=Vp・tp+n・λp …(2) ただし、λp: 弾性波の波長 n: 整数 つまり、式(2)の右辺第一項は図3の距離L0を示し、求
める距離Lと距離L0との差は、図から明らかなように波
長の整数倍(時間軸ステップの幅T*は信号(c)の一周
期、従ってT*=1/f、距離で表現すれば波長λp)になっ
ている。従って、整数nを求めることによって精度良く
距離Lを求めることができる。そこで、整数nは、式(1)
と式(2)とから式(3)により求められる。
【0010】 n=int{(Vg・tg-Vp・tp)/λp+1/N} …(3) ただし、N: 0以外の実数 例えば、N=2とすると、群遅延時間tgの線型性がよくな
くても、その発生誤差が±λp/2以内であれば、整数nを
精確に決定することができる。このようにして求めた整
数nを式(2)へ代入することで、距離Lを精度良く計測す
ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例に
おいては、次のような問題点があった。図1において、
ゲート信号(f)は予め設定された閾値sと信号(c)のエン
ベロープ(e)から得るので、信号(c)のどの部分でゲート
信号(f)が発生するかは、振動ペンの筆圧,傾きまたは
距離Lなどによって変化する信号(c)のレベルに依存す
る。もし、信号(c)のレベルが低下した場合、ゲート信
号(f)の発生は遅れ、位相遅延時間検出信号であるtp信
号(g)も遅延することになる。つまり、信号(c)のレベル
が低い場合はtp信号(g)は遅れ、例えば図1のtp(Low)の
タイミングで立ち上がり、逆に、高い場合はtp信号(g)
は早くなり、例えば図1のtp(High)のタイミングで立ち
上がることになり、tp信号(g)の立ち上がりは信号(c)の
レベルに依存する。
【0012】このように、tp信号(g)の立ち上がりが信
号(c)のレベルに依存する場合でも、信号(c)の位相周期
(例えばゼロクロス点の間隔)が一定であれば、その影
響は式(3)によって計算された整数nで補正される。しか
し、信号(c)の位相周期は厳密に一定ではなく、このた
め算出された距離Lには誤差が発生することになる。こ
れを防ぐために、位相周期を一定にするということは、
信号(c)のスペクトラムを単一周波数成分にすることと
等価であり、つまり連続した一定周期の正弦波などに相
当する。これを座標検出装置に応用した場合、信号(c)
は時間的に長い信号になり、例えこのような信号を発生
させ得たとしても次の問題が残る。
【0013】振動ペンから発生された振動は、振動伝達
板を伝播しながら振動センサに到達する(直接波)が、
有限の大きさの振動伝達板端面で反射した波(反射波)
も振動センサに到達する。この直接波に反射波が重畳し
て、信号(c)の位相遅延検出点付近が歪むと座標算出誤
差は極端に大きくなる。この反射波の影響を防ぐために
は、座標入力有効エリアの外周部に充分な無効エリアを
設置する必要がある。従って、信号(C)の安定した周期
部分(一定周期の正弦波とみなせる部分)を検出点とし
て出力する場合、その部分は信号(c)の先頭部分から時
間的に遅い位置になるので、それに合わせて直接波と反
射波の到達時間差を稼ぐために、無効エリアを拡大しな
ければならない。これは、座標入力有効エリアに比べて
装置全体のサイズが大きくなることを意味し、特にペン
入力コンピュータなど可搬性を重視する製品には致命的
な欠点である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決することを目的としたもので、前記の課題を解決す
る一手段として、以下の構成を備える。すなわち、座標
指示手段から振動伝達板へ入力された弾性振動波が振動
検出手段へ到達するまでに要した到達時間を基に、該座
標指示手段によって指示された該振動伝達板上の位置を
算出する座標入力方法であって、前記振動検出手段から
出力された信号波形中の所定点を検出して前記到達時間
を検出し、前記信号波形中の前記所定点の位置を判定
し、その判定結果に基づいて、予め設定された前記振動
波の伝播に関する複数の定数の中から有効な定数と、予
め設定された基準距離に関する複数の到達基準時間の中
から有効な到達基準時間とを抽出し、検出された到達時
間と、抽出された定数および到達基準時間とから前記座
標指示手段によって指示された位置を算出することを特
徴とする。
【0015】また、座標指示手段から振動伝達板へ入力
された弾性振動波が振動検出手段へ到達するまでに要し
た到達時間を基に、該座標指示手段によって指示された
該振動伝達板上の位置を算出する座標入力装置であっ
て、前記振動検出手段から出力された信号波形中の所定
点を検出して前記到達時間を検出する到達時間検出手段
と、前記信号波形上の前記所定点の位置を判定し、前記
判定手段の判定結果に基づいて予め設定された前記振動
波の伝播に関する複数の定数の中から有効な定数を抽出
する抽出手段と、前記到達時間検出手段によって検出さ
れた到達時間と前記抽出手段によって抽出された定数と
から前記座標指示手段によって指示された位置を算出す
る算出手段とを有することを特徴とする。
【0016】
【作用】以上の構成によれば、振動検出手段から出力さ
れた信号波形中の所定点を検出して到達時間を検出し、
信号波形中の所定点の位置を判定した結果に基づいて、
予め設定された振動波の伝播に関する複数の定数の中か
ら有効な定数と、予め設定された基準距離に関する複数
の到達基準時間の中から有効な到達基準時間とを抽出
し、検出された到達時間と、抽出された定数および到達
基準時間とから前記座標指示手段によって指示された位
置を算出する座標入力装置およびその方法を提供でき、
例えば、検出信号波形の位相周期が一定でなくても、極
めて高精度に振動入力位置の座標を算出することができ
る。しかも、このように構成することで、信号波形の先
頭部分を検出点として用いることができ、座標を入力で
きない無効エリアを小さくすることができ、装置を小型
化することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明にかかる一実施例の座標入力装
置を図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
【第1実施例】 [装置の構成]図4は本発明にかかる一実施例の座標入
力装置の構成例を示すブロック図である。同図におい
て、1は演算制御回路で、本実施例全体の制御を司ると
ともに、座標位置を算出する。
【0019】2は振動子駆動回路で、演算制御回路1か
ら供給された低レベルの駆動パルス信号を増幅して、座
標指示手段である振動ペン3へ供給し、振動ペン3に内
蔵された振動子4を駆動して振動を発生させる。発生さ
れた振動は、ペン先5を介して振動伝達板8へ入力され
る。振動伝達板8は、例えばアクリルやガラスなどの透
明部材からなり、振動ペン3による座標入力は、振動伝
達板8上の座標入力有効エリア(以下「有効エリア」と
いう)Aをタッチすることで行われる。なお、振動子4
の振動周波数は、ガラスなどからなる振動伝達板8に板
波を発生させられる値が選択される。さらに、この振動
周波数をペン先5を含んだ共振周波数にすれば、電気的
振動から機械的振動への効率の良い変換が可能になる。
また、振動伝達板8へ伝えられる弾性波は板波であり、
表面波などに比べて振動伝達板8表面の傷や障害物の影
響を受け難い利点を有する。
【0020】7は防振材で、振動伝達板8の外周部に設
置され、振動伝達板8の端面で反射された反射波を減衰
させて、反射波が振動伝達板8中央部へ戻るのを防止す
る。6a〜6dはそれぞれ振動センサで、振動伝達板8
の四隅近傍に配設された圧電素子などであり、機械的振
動を電気信号に変換する。9は信号波形検出回路で、振
動センサ6a〜6dから出力され付図示の増幅回路で増
幅された信号を入力して、信号処理を行った結果を演算
制御回路1へ出力する。演算制御回路1は、信号波形検
出回路9から入力された信号によって座標位置を演算す
る。なお、演算制御回路1および信号波形検出回路9の
詳細については後述する。
【0021】11は液晶表示器などドット単位の表示が
可能なディスプレイで、振動伝達板8の背後に配置され
ている。10はディスプレイ駆動回路で、振動ペン3が
タッチした位置に対応するディスプレイ11の位置へド
ットを表示する。ディスプレイ11に表示されたドット
は、振動伝達板8を透かして視ることができる。 [演算制御回路]演算制御回路1は、所定周期(例えば
5ms)毎に、振動子駆動回路2へ駆動パルス信号を出力
するとともに、その内部タイマによる計時を開始する。
【0022】振動ペン3から振動伝達板8へ入力された
振動は、振動センサ6a〜6dそれぞれに、入力位置か
らの距離に応じて遅延して到達する。信号波形検出回路
9は、後述する波形検出処理によって、振動センサ6a
〜6dそれぞれの振動到達タイミングを示す信号を生成
する。演算制御回路1は、信号波形検出回路9から出力
された各タイミング信号によって、各振動センサ6a〜
6dの振動到達時間を検出し、振動ペン3のタッチ位置
を算出するとともに、算出された位置情報を基にディス
プレイ駆動回路10を駆動して、ディスプレイ11にド
ットを表示する。なお、算出された位置情報は、シリア
ル通信やパラレル通信によって外部機器(不図示)へも
出力される。
【0023】図5は演算制御回路1の構成例を示すブロ
ック図である。同図において、31はワンチップマイク
ロコンピュータなどのCPUで、内部カウンタ,制御手順
を記憶するROM,演算などに使用するRAM,定数などを記
憶する不揮発性メモリを備え、本実施例全体の制御を司
る。33はタイマで、例えばカウンタなどで構成され、
基準クロック(不図示)を計時する。タイマ33は、CP
U31から振動子駆動回路2へ供給される駆動パルス信
号によって、計時を開始する。これによって、計時開始
と振動センサ6a〜6dによる振動検出の同期をとり、
振動が検出されるまでの時間(遅延時間)が計測でき
る。
【0024】35は入力ポートで、信号波形検出回路9
から各振動到達タイミング信号が入力される。34a〜
34dはそれぞれラッチ回路で、入力ポート35からの
振動到達タイミング信号を受信すると、その時点でタイ
マ33の計時値をそれぞれラッチする。36は判定回路
で、四つの振動到達タイミング信号が入力ポート35へ
入力されたか否かを判定する。四つの振動到達タイミン
グ信号が入力されたことを示す信号を判定回路36から
受信したCPU31は、各ラッチ回路34a〜34dにラ
ッチされた時間、つまり遅延時間を読取って所定の演算
を実行して、振動伝達板8上の振動ペン3の座標位置を
算出する。そして、算出した座標位置情報を、I/Oポー
ト37を介して、ディスプレイ駆動回路10へ出力する
とともに、インタフェイス(不図示)へ出力することに
よって、外部へ振動ペン3の座標位置を出力する。
【0025】 [振動到達時間の検出および距離Lの算出]振動伝播時
間の検出方法および距離Lの算出方法については、従来
技術の説明において、図1〜図3を参照して説明したの
で詳細は省略する。なお、図1のtp信号(g)およびtg信
号(i)が、信号波形検出回路9から演算制御回路1へ入
力される信号であり、信号波形検出回路9は、図2に符
号59で示す部分であり、振動センサ一つに対応して一
つ備えてもよいし、アナログスイッチなどを用いて振動
センサの出力を時分割に選択することによって、図2に
符号59で示した構成一つだけにすることもできる。
【0026】さて、前述したように、図1に示した検出
信号波形(c)のレベルは筆圧などにより変化するので、
位相遅延時間tpの検出点も変化してしまう。図6は信号
(c)のレベルが高くなった場合の群遅延時間tg,位相遅
延時間tpと距離Lとの関係を模式的に示す図である。同
図において、実線は信号(c)のレベルが高い状態の関係
を、破線は該レベルが基準値の状態の関係をそれぞれ示
している。
【0027】表1は、信号(c)の各レベルで得られる位
相遅延時間tpと距離Lとの関係より、最小自乗法によっ
て得た位相速度Vpと周波数f(周波数fの定義は従来技術
の項を参照)との一例を示す。同表において、検出点番
号は検出点の位置を示し、若い番号ほど信号(c)の先頭
に近付くことを表している。
【0028】
【表1】 この表から明らかなように、最小自乗法によって得られ
た位相速度Vpは、検出点によって異なった値になる。前
述したように、距離Lは、位相遅延時間tp,群遅延時間t
g および予め設定された定数(位相速度Vp,群速度Vg,
周波数f)から計算されるので、同一の定数を用いて距
離Lを計算する場合に位相遅延時間tpの検出点が移動す
ると、その計算結果に誤差が発生し、強いては座標算出
精度を低下させることになる。つまり、本実施例は、こ
の位相遅延時間tpの検出点を特定して、それに対応する
位相速度Vpをによって座標を算出するものである。従っ
て、位相遅延時間tpの検出点毎に設定される定数を、演
算制御部1の不揮発性メモリなどに記憶させ、検出点を
特定して距離Lを算出するのに有効な定数を選択するこ
とによって、精度の良く座標を算出するものである。
【0029】[検出点の特定]次に、位相遅延時間tpの
検出点特定方法を説明する。図6において、基準レベル
の検出信号波形(c)が入力された場合、ある座標入力点
における群遅延時間tgが求められれば、それに対する位
相遅延時間tpが求められ、基準状態の定数を用いて式
(3)によって整数nを求めることができる。つまり、基準
レベルの信号(c)が入力されれば、群遅延時間tgに対し
て整数nを一義的に求めることができ、例えば振動ペン
3と振動センサ6a〜6d間の距離γにおける群遅延時
間tgと位相遅延時間tp、および式(3)から整数n=βが得
られる。
【0030】ところが、信号(c)のレベルが大きくなる
と、図1に示したように、群遅延時間tgには変化はない
が位相遅延時間tpがtp(High)になり、式(3)より得られ
る整数nがβ+1になる。従って、群遅延時間tgが得られ
た場合、基準レベルでは整数n=βが得られるのに、信号
(c)のレベルが大きい場合はn=β+1が得られることにな
るので、基準レベルよりもレベルが高く、基準レベルの
検出点よりも一つ前の検出点であることが判定できる。
つまり、群遅延時間tgとそれに対応する基準レベルでの
整数nとの関係を予め求め、この関係を記憶しておけば
検出点を特定することができる。
【0031】ここで、式(3)により計算される整数nは基
準レベルでの定数を用いると説明したが、式(3)の性質
上整数化(例えば小数点以下を四捨五入する)している
ので、近似的な定数(例えば基準レベルでの定数)を用
いても、正確に整数nを求めることができる。従って、
式(3)によって近似的な定数を用いて整数nの計算を実行
し、群遅延時間tgと比較することで検出点を特定して、
正確な定数(位相速度Vp,周波数f(=Vp/λp))を予め記
憶した定数の中から抽出することが可能になり、式(2)
によって正確な距離Lを求めることができる。
【0032】図7は上述した処理の手順例を示すフロー
チャートである。同図において、ステップS1で群遅延
時間tgと位相遅延時間tpを検出し、ステップS2で式
(3)によって整数nを算出し、ステップS3で、群遅延時
間tgと整数nを比較して、位相遅延時間tpの検出点を特
定する。続いて、ステップS4で設定された定数の中か
ら有効な定数を抽出し、ステップS5で抽出された定数
と式(2)によって距離Lを算出し、ステップS6で得られ
た距離Lに基づいて座標を算出する。
【0033】[座標位置の算出]図8は振動伝達板8上
の振動ペン3の座標位置を算出する原理を説明する図で
ある。同図において、振動伝達板8の四隅近傍に配設さ
れた振動センサ6a〜6dの位置をそれぞれSa〜Sdとす
ると、先に説明した原理に基づいて、振動ペン3の位置
Pから各振動センサの位置Sa〜Sdまでの直線距離da〜dd
を求めることができる。そして、演算制御回路1は、こ
の直線距離da〜ddに基づいて、次式により振動伝達板8
の中央を原点Oとする位置Pの座標(x,y)を算出する。
【0034】x=(da+db)(da-db)/2X …(4) y=(da+dc)(da-dc)/2Y …(5) ただし、X: Sa-Sb間の距離 Y: Sa-Sc間の距離 なお、上式では、三つの振動センサまでの距離Lから位
置Pの座標を算出する例を説明したが、幾何学的には二
個以上の振動センサによって座標を算出でき、振動セン
サの個数は製品スペックに応じて設定する。なお、本実
施例においては、四つ目の振動センサの距離情報を、得
られた位置Pの座標を検証するのに利用している。ま
た、位置Pと振動センサの位置との距離Lが離れると、検
出レベルが低下してノイズの影響を受け易くなるので、
例えば、検出レベルが大きい三つの振動センサの出力を
選択して、座標Pを算出することもできる。
【0035】以上説明したように、本実施例によれば、
検出信号波形の位相周期が一定でなくても、極めて高精
度に振動入力位置の座標を算出することができる。しか
も、このように構成することで、信号波形の先頭部分を
検出点として用いることができ、座標を入力できない無
効エリアを小さくすることができ、装置を小型化するこ
とができる。
【0036】
【第2実施例】以下、本発明にかかる第2実施例の座標
入力装置を説明する。なお、第2実施例において、第1
実施例と略同様の構成については、同一符号を付して、
その詳細説明を省略する。本実施例は、第1実施例と異
なる方法で位相遅延時間tpの検出点を特定するものであ
る。
【0037】まず、検出信号波形(c)のレベルが基準状
態にあるものと仮定して、検出された郡遅延時間tg,位
相遅延時間tpと、基準状態の定数とを用いて幾何学計算
を実行し、その有効性を判定する。つまり、基準状態に
対応する定数と式(1)〜(3)を用いて各振動センサに対応
する距離Lを計算し、式(4),(5)によって座標P(x,y)を算
出する。ここで、さらに次のような計算を実行するが、
図9を参照して具体的に説明する。
【0038】図9において、計算された距離da,db,dcが
正しければ、振動ペン3の位置として点P(x,y)が得られ
る。しかし、点Scに配置された振動センサに関する距離
に大きな誤差が含まれ、その距離がdc*と計算されて、
振動ペン3の位置として点P*(x,y')が得られたとする。
この座標P*(x,y')から逆算することによって、振動ペン
3と各振動センサ間の距離を得ることができる。この逆
算によって得られた距離と、遅延時間から計算される距
離とを比較することによって、正しい定数が選択されて
いるか否かを判断でき、不正な定数が選択されたと判断
した場合は、別の定数を選択し、該定数と式(1)〜(3)を
用いて各振動センサに対応する距離Lを計算し、式(4),
(5)によって座標P(x,y)を算出する。
【0039】本実施例は、このような計算を繰返し実行
し、すべてのセンサに対して、逆算した距離と遅延時間
から計算される距離とが等しくなった場合、そのときの
座標値を出力する。従って、精度の良い信頼性のある座
標値を得ることができる。以上説明したように、本実施
例によれば、第1実施例と同様の効果を得ることができ
る。
【0040】
【第3実施例】以下、本発明にかかる第3実施例の座標
入力装置を説明する。なお、第3実施例において、第1
実施例と略同様の構成については、同一符号を付して、
その詳細説明を省略する。以上説明した実施例におい
て、そのラッチ回路34a〜34dにラッチされた振動
伝達時間には、図10に一例を示すように、位相回路遅
延時間etpおよび群回路遅延時間etgが含まれている。さ
らに、これらの時間には、回路による遅延時間の他に、
振動ペン3のペン先5を振動が伝播する時間なども含ま
れている。つまり、振動ペン3と振動センサとの距離が
零の場合でも、群遅延時間tg,位相遅延時間tpは零には
ならない。これらによって生じる誤差は、振動ペン3か
ら振動伝達板8を介して振動センサへの振動伝達の際
に、必ず同量である。
【0041】そこで、例えば図8の原点Oから振動セン
サ6aの位置Saまでの距離Raを、 Ra=√{(X/2)2+(Y/2)2} …(6) として、原点Oにおいて振動ペン3で入力を行い、実測
された原点Oから位置Saまでの振動伝達時間をtg0*,tp
0*、また、原点Oから位置Saまで実際に伝播するのにか
かる時間をtg0,tpzとすれば、 tg0*=tg0+etg …(7) tp0*=tp0+etp …(8) の関係がある。
【0042】一方、任意の入力点Pでの実測値tg*,tp
*は、 tg*=tg+etg …(9) tp*=tp+etp …(10) である。式(7)と式(9)の差、式(8)と式(10)の差をそれ
ぞれ求めると、 tg*-tg0*=(tg+etg)-(tg0+etg)=tg-tg0 …(11) tp*-tp0*=(tp+etp)-(tp0+etp)=tp-tp0 …(12) となり、各伝達遅延時間に含まれる位相回路遅延時間et
pおよび群回路遅延時間etgが除去される。つまり、 tg=tg*-tg0* …(13) tp=tp*-tp0* …(14) として、式(1),(2),(3)を用いて距離Lを計算し、その値
に位置Saと原点O間の距離Raを加えることで、振動ペン
3と振動センサ6a間の距離daを正確に求めることがで
きる。
【0043】以上の、原点Oにおける実測値tg0*,tp0*お
よび各振動センサと原点Oとの距離Ra〜Rdを、出荷時な
どに演算制御部1の不揮発性メモリに記憶して、式(1),
(2),(3)を計算する前に、式(13),(14)を実行することに
より精度の高い計測を行う。さてここで、検出信号波形
(c)のレベルによって位相遅延時間tpの検出点が変化す
ることを考慮して、先に説明した位相回路遅延時間etp
の補正方法について検討してみる。
【0044】検出信号波形(c)中で検出点が変化する領
域の位相周期が同一であれば、式(3)による整数nの計算
で補正されて誤差を生じることはない。しかし、その周
期は先に述べたように同一ではなく、同一と仮定して計
算すれば誤差が生じる。つまり、図10に一例を示すよ
うに、位相回路遅延時間は、検出信号波形(c)が基準レ
ベルのときのetpに対して、レベルが高くなった場合はe
tp(High)になり、この時間差が基準レベルの定数で表さ
れる時間差(=1/f)と一致しないため、誤差を生じること
を意味する。
【0045】従って、本実施例においては、位相遅延時
間tpの検出点を特定し、それに応じた原点Oから振動セ
ンサまでの実測振動伝達時間tg0*,tp0*を用いて、座標
を算出する。なお、位相遅延時間tpの検出点特定方法は
前述した実施例の方法を用いればよく、検出点毎の原点
Oから振動センサまでの振動伝達時間は、出荷時などに
予め演算制御部1の不揮発性メモリに記憶されている。
【0046】以上説明したように、本実施例によれば、
各伝達遅延時間に含まれる位相回路遅延時間etpおよび
群回路遅延時間etgが除去することができ、極めて高精
度に振動入力位置の座標を算出することができる。以上
説明したように、本発明は高精度で座標を算出すること
を目的としてなされたものであり、第1実施例で説明し
た定数の変更だけであっても、第3実施例で説明した基
準距離における振動伝達時間値の変更だけであってもか
まわない。また、両者を組合わせて同時に実施してもか
まわないが、どちらか一方の実施のみでも優れた効果を
得ることができる。
【0047】なお、本発明は、複数の機器から構成され
るシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適
用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置
にプログラムを供給することによって達成される場合に
も適用できることはいうまでもない。
【0048】
【発明の効果】以上、本発明によれば、振動検出手段か
ら出力された信号波形中の所定点を検出して到達時間を
検出し、信号波形中の所定点の位置を判定した結果に基
づいて、予め設定された振動波の伝播に関する複数の定
数の中から有効な定数と、予め設定された基準距離に関
する複数の到達基準時間の中から有効な到達基準時間と
を抽出し、検出された到達時間と、抽出された定数およ
び到達基準時間とから前記座標指示手段によって指示さ
れた位置を算出する座標入力装置およびその方法を提供
でき、例えば、検出信号波形の位相周期が一定でなくて
も、極めて高精度に振動入力位置の座標を算出すること
ができる効果がある。しかも、信号波形の先頭部分を検
出点として用いることができ、座標を入力できない無効
エリアを小さくすることができ、装置を小型化すること
ができる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動センサが出力する信号波形と、それに基づ
く振動伝達時間の計測処理を説明するための図である。
【図2】信号波形処理を実行する構成を示すブロック図
である。
【図3】得られた群遅延時間tg,位相遅延時間tpとペン
−センサ間距離Lとの関係を模式的に示す図である。
【図4】本発明にかかる一実施例の座標入力装置の構成
例を示すブロック図である。
【図5】図1の演算制御回路の構成例を示すブロック図
である。
【図6】検出信号波形のレベルが高くなった場合の群遅
延時間tg,位相遅延時間tpと距離Lとの関係を模式的に
示す図である。
【図7】本実施例の座標算出処理手順の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図8】本実施例の振動伝達板上の振動ペンの座標位置
を算出する原理を説明する図である。
【図9】本発明にかかる第2実施例の位相遅延時間tpの
検出点を特定する方法を説明する図である。
【図10】測定された振動伝達時間に含まれる位相回路
遅延時間etpおよび群回路遅延時間etgを示す図である。
【符号の説明】
1 演算制御回路 2 振動子駆動回路 3 振動ペン 6a〜6d 振動センサ 7 防振材 8 振動伝達板 9 信号波形検出回路 10 ディスプレイ駆動回路 11 ディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 雄一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 時岡 正樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座標指示手段から振動伝達板へ入力され
    た弾性振動波が振動検出手段へ到達するまでに要した到
    達時間を基に、該座標指示手段によって指示された該振
    動伝達板上の位置を算出する座標入力方法であって、 前記振動検出手段から出力された信号波形中の所定点を
    検出して前記到達時間を検出するとともに、 前記信号波形中の前記所定点の位置を判定し、 その判定結果に基づいて、予め設定された前記振動波の
    伝播に関する複数の定数の中から有効な定数と、予め設
    定された基準距離に関する複数の到達基準時間の中から
    有効な到達基準時間とを抽出し、 検出された到達時間と、抽出された定数および到達基準
    時間とから前記座標指示手段によって指示された位置を
    算出することを特徴とする座標入力方法。
  2. 【請求項2】 座標指示手段から振動伝達板へ入力され
    た弾性振動波が振動検出手段へ到達するまでに要した到
    達時間を基に、該座標指示手段によって指示された該振
    動伝達板上の位置を算出する座標入力装置であって、 前記振動検出手段から出力された信号波形中の所定点を
    検出して前記到達時間を検出する到達時間検出手段と、 前記信号波形中の前記所定点の位置を判定する判定手段
    と、 前記判定手段の判定結果に基づいて、予め設定された前
    記振動波の伝播に関する複数の定数の中から有効な定数
    と、予め設定された基準距離に関する複数の到達基準時
    間の中から有効な到達基準時間とを抽出する抽出手段
    と、 前記到達時間検出手段によって検出された到達時間と、
    前記抽出手段によって抽出された定数および到達基準時
    間とから前記座標指示手段によって指示された位置を算
    出する算出手段とを有することを特徴とする座標入力装
    置。
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