JPH0717821B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0717821B2
JPH0717821B2 JP62224959A JP22495987A JPH0717821B2 JP H0717821 B2 JPH0717821 B2 JP H0717821B2 JP 62224959 A JP62224959 A JP 62224959A JP 22495987 A JP22495987 A JP 22495987A JP H0717821 B2 JPH0717821 B2 JP H0717821B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,耐溶剤性,溶融安定性及び耐候性に優れ,し
かも,耐熱性や機械的強度と柔軟性のバランスがとれた
熱可塑性樹脂組成物に関するものであり,特に成形品及
び接着剤として好適な熱可塑性樹脂組成物に関するもの
である。
(従来の技術) 熱可塑性ポリエステルエラストマーは,耐熱性があり,
機械的物性が強靭で,耐油性,耐薬品性にも優れている
ため,自動車分野,電気分野,工業用品分野のみなら
ず,スポーツ用品,生活用品関係にも用途開発が進み,
近年注目されている素材である。しかるに,従来の熱可
塑性ポリエステルエラストマーは,熱可塑性樹脂の欠点
として,耐熱性や機械的強度と柔軟性のバランスがとり
難いという欠点があった。すなわち,耐熱性や機械的強
度を上げると,柔軟性に欠け,一方,柔軟性を上げる
と,耐熱性,機械的強度のみならず,耐熱性や耐湿性ま
で低下するという欠点があり,屋外用途等には使用が困
難であって,用途が限られるという問題があった。
以上のような問題を解決するため,本発明者らは,平均
分子量約350〜6000の脂肪族長鎖グリコールを一成分と
する特定の熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー,
ゴム成分及び加硫剤からなる成形用途や接着剤用途に適
した組成物を先に出願した(特願昭61−62579号)。こ
の組成物は,機械的強度,柔軟性,耐熱水性,耐候性等
に比較的バランスのとれた性能を有するので,従来の問
題を解決し得るものであるが,その反面ゴム成分を配合
することによって耐溶剤性,溶融安定性等が低下し易
く,耐候性も自動車の特殊外装分野や特殊な建材分野等
の要求特性が厳しい分野においては十分対応できないと
いう問題があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は,上記のような問題を解決しようとするもので
あって,その目的は,耐溶剤性,溶融安定性及び耐候性
に優れ,しかも,耐熱性や機械的強度と柔軟性のバラン
スがとれた熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,このような問題を解決するため鋭意検討
の結果,特定の熱可塑性共重合樹脂組成物が上記の特徴
を有することを見出して,本発明に到達したものであ
る。
すなわち,本発明は,(a)芳香族ジカルボン酸40〜10
0モル%,分子量約250以下の脂肪族ジカルボン酸及び/
又は脂環式ジカルボン酸0〜60モル%からなる酸成分,
(b)分子量約250以下の低分子量グリコールからなる
グリコール成分及び(c)全酸成分に対して1〜30モル
%の平均分子量約300〜6000の脂肪族長鎖ジカルボン酸
及び/又は全グリコール成分に対して1〜30モル%の平
均分子量約300〜6000の脂肪族長鎖グリコールからなる
極限粘度が少なくとも0.3である熱可塑性共重合ポリエ
ステル(A)と加硫剤(B)とからなり,熱可塑性共重
合ポリエステル(A)と加硫剤(B)との割合が,熱可
塑性共重合ポリエステル(A)100重量部に対して加硫
剤(B)が0.1〜10重量部であることを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物を要旨とする。
ただし,極限粘度はフエノール:テトラクロルエタン=
1:1(重量比)の混合溶媒中20℃で測定したものであ
る。
以下,本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は,特定の熱可塑性共重合
ポリエステルを樹脂成分とし,これに加硫剤を配合した
ものであるが,まず,熱可塑性共重合ポリエステルは,
酸成分(a)として芳香族ジカルボン酸,脂肪族ジカル
ボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸を含有するもので
ある。
芳香族ジカルボン酸としては,例えば,テレフタル酸,
イソフタル酸,ナフタンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの芳香族ジカルボン酸は単独又は2種以上が用い
られる。特にテレフタル酸又はテレフタル酸とイソフタ
ル酸の混合物が好ましく用いられる。かかる芳香族ジカ
ルボン酸成分は,熱可塑性共重合ポリエステルの軟化点
を上げ,耐熱性を付与するとともに機械的強度を上げる
ことに寄与するものであるが,酸成分(a)中における
構成割合は40〜100モル%であり,好ましくは60〜95モ
ル%である。
芳香族ジカルボン酸成分の割合が40モル%未満になる
と,樹脂成分としての熱可塑性共重合ポリエステルの機
械的強度,耐熱性が低くなり,成形品の機械的強度や耐
熱性が低くなり易い。
脂肪族ジカルボン酸としては,例えば,マロン酸,コハ
ク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,コルク
酸,アゼライン酸,セバシン酸,ウンデカン二酸,ドデ
カン二酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸及び/又は分岐を
有するそれらの異性体等が挙げられ,脂環族ジカルボン
酸としては,シクロヘキサンジカルボン酸等が用いられ
る。脂肪族ジカルボン酸及び脂環族ジカルボン酸成分
は,熱可塑性共重合ポリエステルの融点や柔軟性の調製
の目的で適宜選択して使用される。また,酸成分(a)
中におけるその割合は0〜60モル%である。
次に,グリコール成分(b)としては,分子量約250以
下の低分子量グリコールが用いられる。かかる低分子量
グリコールとしては,例えば,エチレングリコール,ト
リメチレングリコール,1,4−ブタンジオール,1,5−ペン
タンジオール,1,6−ヘキサンジオール,ネオペンチルグ
リコール,1,9−ノナンジオール等の脂肪族ポリオール及
び/又はそれらの分岐を有する異性体,ジエチレングリ
コール,トリエチレングリコール等のオキシアルキレン
グリコール,シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グ
リコールが挙げられ,これらの単独又は二種以上の混合
物として用いられる。上記低分子量グリコールの分子量
は,約250以下が好ましく,それを超えると,得られる
共重合ポリエステルの軟化点が低くくなって,柔軟にな
りすぎ,反撥力がなくなり,この上耐熱性も低下し易く
なる。
さらに,本発明の熱可塑性共重合ポリエステルにおいて
は,上記酸成分(a)及びグリコール成分(b)に加え
て,平均分子量約300〜6000の脂肪族長鎖ジカルボン酸
及び/又は平均分子量300〜6000の脂肪族長鎖グリコー
ルを含有することが必要である。
平均分子量約300〜6000の脂肪族長鎖ジカルボン酸とし
ては,例えば,アイコサン二酸,ドコサン二酸等の飽和
脂肪族ジカルボン酸及び/又は分岐を有するそれらの異
性体,及び炭素数10以上の不飽和脂肪酸の二量体からな
るダイマー酸等から選ばれる一種又は二種以上が使用さ
れる。ダイマー酸の好ましい具体例としては,リノール
酸の二量体であるバーサダイム288(ヘンケル社製),Em
pol104(エメリー社)等が挙げられる。さらに,該ダイ
マー酸中の二重結合を水素添加した水添ダイマー酸は,
熱安定製にも優れ,好ましく使用することができる。さ
らに,1,2−ポリブタジエンジカルボン酸,1,4−ポリブタ
ジエンジカルボン酸又はこれらの共重合物あるいは混合
物及びこれらの水添物等が用いられる。
また,平均分子量300〜6000の脂肪族長鎖グリコールと
しては,例えば,1,2−ポリブタジエングリコール又はこ
れらの共重合物あるいは混合物及びこれらの水添物,ポ
リイソプレングリコール及びその水添物,ポリオレフイ
ングリコール等が好ましく用いられる。
平均分子量約300〜6000の脂肪族長鎖ジカルボン酸又は
脂肪族長鎖グリコールは,加硫処理による橋かけの形成
に重要な役割を演ずる。すなわち,熱可塑性共重合ポリ
エステルを加硫剤と溶融混練した状態で加硫処理する
と,その状態で橋かけが生成するため,熱可塑性を失う
ことなく樹脂組成物の加硫物の機械的強度及び耐熱性等
が向上する。
平均分子量約300〜6000の脂肪族長鎖ジカルボン酸又は
脂肪族長鎖グリコールの使用量は,それぞれ全酸成分に
対して1〜30モル%,又は全グリコール成分に対して1
〜30モル%である。したがって,上記酸成分(a)は全
酸成分に対して99〜70モル%の範囲,上記グリコール成
分(b)は全グリコール成分に対して99〜70モル%の範
囲となる。上記平均分子量約300〜6000の脂肪族長鎖ジ
カルボン酸又は脂肪族長鎖グリコールの使用量がそれぞ
れ30モル%を超えると,熱可塑性樹脂組成物の機械的強
度や耐熱性が低下し易くなる。一方,1モル%未満になる
と,熱可塑性共重合ポリエステルの自己架橋能力が乏し
くなり,熱可塑性樹脂組成物の加硫物の機械的強度や耐
熱性の向上が不十分である。脂肪族長鎖ジカルボン酸及
び脂肪族長鎖グリコールのうち,何れか一方を用いる場
合は,その割合は,平均分子量にもよるが3モル%以上
が好ましい。また,脂肪族長鎖ジカルボン酸と脂肪族長
鎖グリコールの両者を用いる場合は,合計が3〜40モル
%が好ましい。
また,上記脂肪族長鎖ジカルボン酸又は脂肪族長鎖グリ
コールの平均分子量は,それぞれ約300〜6000の範囲と
することが必要であるが,特に500〜4500が好ましい。
分子量が大き過ぎると,他の成分との相溶性が悪くな
り,熱可塑性共重合ポリエステルの重合が困難となる。
一方,300未満では,得られる熱可塑性共重合ポリエステ
ルの柔軟性が低下するとともに,加硫が困難になり易
い。
本発明における熱可塑性共重合ポリエステルの極限粘度
は,上記のように,フエノールとテトラクロルエタンの
1:1(重量比)の混合溶媒に溶解して,20℃で測定するも
のであるが,本発明の熱可塑性共重合ポリエステルは極
限粘度が少なくとも0.3であることが必要である。実用
的には,0.5〜1.6の範囲が好ましい。極限粘度が0.3未満
では,分子量が低いため,樹脂の強度が低くて脆くな
り,加硫後も組成物の強度に問題が生じるので,本発明
の熱可塑性樹脂組成物や成形用途や接着剤用途として使
用することが困難である。本発明の熱可塑性樹脂組成物
を成形用途として用いる場合いは,熱可塑性共重合ポリ
エステル樹脂の極限粘度は高い程好ましい。
本発明に用いる熱可塑性共重合ポリエステルの製造法と
しては,特に制限はなく,公知の方法が採用できる。例
えば,前記の芳香族ジカルボン酸成分と,場合によって
は脂肪族ジカルボン酸成分とを,分子量250以下の低分
子量グリコール成分及び平均分子量約300〜6000の脂肪
族長鎖ジカルボン酸及び/又は脂肪族長鎖グリコール成
分と同時に又は段階的に直接エステル化するか,あるい
はエステル交換させた後重合する方法を採用すくことが
できる。また,高分子量あるいは低分子量の共重合体ポ
リエステルと,場合によっては,平均分子量約300〜600
0の脂肪族長鎖ジカルボン酸と,平均分子量約300〜6000
の脂肪族長鎖グリコール成分をエステル交換反応させ,
場合によっては,その後重合を行う方法を採用すること
もできる。
また,ジカルボン酸成分にはエステル形成性誘導体とし
て,アルキルエステル,アリールエステル等の通常のエ
ステルを用いることもできる。
本発明に用いる加硫剤は,例えば,t−ブチルヒドロペル
オキシド,1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキ
シド,p−メンタンヒドロペルオキシド,クメンヒドロペ
ルオキシド,p−サイメンヒドロペルオキシド,ジイソプ
ロピルベンゼンヒドロペルオキシド,2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジヒドロペルオキシド,シクロヘキサノン
ペルオキシド,メチルシクロヘキサノンペルオキシド,
3,3,5−トリメチルヘキサノンペルオキシド等のペルオ
キシド類,ジ−t−ブチルペルオキシド,ジクミルペル
オキシド,t−ブチルクミルペルオキシド等のジアルキル
(アリール)ペルオキシド類,ジアセチルペルオキシ
ド,ジプロピオニルペルオキシド,ジイソブチリルペル
オキシド,ジオクタノイルペルオキシド,ジデカノイル
ペルオキシド,ジラウロイルペルオキシド,ビス−(3,
5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド,ベンゾ
イルペルオキシド,m−トルイルペルオキシド,p−クロロ
ベンゾイルペルオキシド,2,4−ジクロロベンゾイルペル
オキシド,ペルオキイコハク酸等のジアシルペルオキシ
ド類,2,2−ジ−t−ブチルペルオキシブタン,1,1−ジ−
t−ブチルペルオキシシクロヘキサン,1,1−ジ−(t−
ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン,2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキ
シ)ヘキサン,2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチル
ペルオキシ)ヘキサン−3,1,3−ジ−(t−ブチルペル
オキシイソプロピル)ベンゼン,2,5−ジメチル−2,5−
ジベンゾイルペルオキシヘキサン,2,5−ジメチル−2,5
−ジ−(ペルオキシベンソイル)ヘキシン−3,n−ブチ
ル−4,4−ビス−(t−ブチルペルオキシ)バレレート
等のペルオキシケタール類,t−ブチルペルオキシアセテ
ート,t−ブチルペルオキシイソブチレート,t−ブチルペ
ルオキシピバレート,t−ブチルペルオキシネオデカノエ
ート,t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサ
ノエート,t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート,(1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ)−
2−エチルヘキサノエート,t−ブチルペルオキシラウレ
ート,t−ブチルペルオキシベンゾエート,ジ−(t−ブ
チルペルオキシ)アジペート,2,5−ジメチル−2,5−ジ
−(ペルオキシ−2−エチルヘキサノイル)ヘキサン,
ジ−(t−ブチルペルオキシ)イソフタレート,t−ブチ
ルペルオキシマレエート,アセチルシクロヘキシルスル
フオニルペルオキシド等のペルオキシエステル類,t−ブ
チルペルオキシイソプロピルカルボナート,ジ−n−プ
ロピルペルオキシジカルボナート,ジ−sec−ブチルオ
キシジカルボナート,ジ−(イソプロピルペルオキシ)
ジカルボナート,ジ−(2−エチルヘキシルペルオキ
シ)ジカルボナート,ジ−(2−エトキシエチルペルオ
キシ)ジカルボナート,ジ−(メトキシイソプロピルペ
ルオキシ)ジカルボナート,ジ−(3−メトキシブチル
ペルオキシ)ジカルボナート,ジ−(シクロヘキシルペ
ルオキシ)ジカルボナート,ビス−(4−t−ブチルシ
クロヘキシルペルオキシ)ジカルボナート等のペルオキ
シカルボナート類,アセチルアセトンペルオキシド,メ
チルエチルケトンペルオキシド,メチルイソブチルケト
ンペルオキシド等のケトンペルオキシド類等の有機過酸
化物,ジアゾアミノベンゼン,テトラメチレンビス−
(アジドホーメート)等のアゾ化合物,ヘキサメチレン
テトラミン,アセトアルデヒドアンモニア,n−ブチルア
ルデヒドアニリン等のアルデヒド・アンモニア類,ジフ
エニルグアニジン,ジ−o−トリルグアニジン等のグア
ニジン類,2−メルカプトベンゾチアゾール,ジベンゾチ
アジルジスルフイド,2−メルカプトベンゾチアゾールの
亜鉛塩等のチアゾール類,N−シクロヘキシル−2−ベン
ゾチアジルスルフエンアミド,N−2−ブチル−2−ベン
ゾチアジルスルフエンアミド,N−オキシジエチレン−2
−ベンゾチアジルスルフエンアミド等のスルフエンアミ
ド類,テトラメチルチウラムジスルフイド,テトラエチ
ルチウラムジスルフイド等のチウラム類,ジメチルジチ
オカルバミン酸亜鉛,ジエチルジチオカルバミン酸ナト
リウム等のジチオカルバメート類,イソプロピルキサン
トゲン酸亜鉛,ブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテー
ト類,エチレンチオ尿素,N,N′−ジフエニルチオ尿素等
のチオ尿素類,P−キノンジオキム,P,P′−ジベンゾイル
キノンジオキム等のオキシム類,硫黄類,塩化硫黄,セ
レニウム,過酸化亜鉛,テルリウム等の無機加硫剤,4,
4′−ジチオジモルホリン,N,N′−ジチオ−ビス−(ヘ
キサヒドロ−2H−アゼピノン−2)等の有機硫黄化合物
等が挙げられる。また,これらの化合物の二種以上を混
合使用してもよい。
加硫剤の使用量としては,上記熱可塑性共重合ポリエス
テル100重量部に対して,加硫剤の種類に応じて0.1〜10
重量部の範囲で適宜選択される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は,上記熱可塑性共重合ポ
リエステルと加硫剤とを配合することによって得られる
が,例えば,通常,混練に使用されるニーダー,ニーダ
ールーダー,バンバリーミキサー等は勿論のこと,簡単
な溶融押出機を用いることもでき,これらに熱可塑性共
重合ポリエステル及び加硫剤を入れ,混合混練して溶融
押出しすることにより製造される。本発明の樹脂組成物
は特殊な装置を用いることなく,上記のような簡単な装
置により簡単な操作によって得ることができる。また,
好適な混練押出条件は,熱可塑性を失わない範囲で選ば
れる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形,押出成形,圧
縮成形等の成形用途として使用する場合には,本発明の
熱可塑性樹脂組成物を成形した後,加熱して加硫する方
法,又は本発明の熱可塑性樹脂組成物を予め熱可塑性を
失わない程度に加硫しておき,これを成形する方法等の
方法が採用できる。後者の方法によると,成形サイクル
や成形時間の短縮ばかりでなく,前者の方法に不可欠で
ある成形品の加熱操作を場合によっては省略できる利点
がある。一方,前者の方法では,成形後の加硫により性
能を一層向上させることができる。
以上のような本発明の熱可塑性樹脂組成物は,従来のエ
ラストマーでは適用できなかった自動車外装部品,土
木,建材等の成形品,又は金属,プラスチツク,繊維等
の接着剤として好適に適用することができる。接着剤と
して使用するときは、ホツトメルト接着剤,溶剤型接着
剤等として使用することができる。
(実施例) 以下,本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
なお,例中において「部」は「重量部」を意味する。
また,例中の特性値は次の方法によって測定したもので
ある。
(1)融点(℃) パーキンエルマー社製DSC2C型を使用し、20℃/分で昇
温し,融解ピーク温度を測定した。
(2)引張強度(kg/cm2)及び伸度(%) JIS−K−6301法により測定した。
(3)耐候性 サンシヤインウエザーメーター(スガ試験機製作所製ス
ーパーロングライフ)を用いて試料を500時間照射し,
照射後の試料の照射前の試料に対する引張強度又は接着
強度の保持率で評価した。
(4)ビカツト(Vicat)軟化点(℃) ASTM−D−1525法により測定した。
実施例1 テレフタル酸ジメチル85モル,炭素数36のダイマー酸
(米国エメリー社製;エンポール1010)15モル,1,4−ブ
タンジオール140モル,平均分子量約1300の水素添加液
状ポリブタジエングリコール(日本曹達(株)製;GI−1
000)5モルと,テトラ−n−ブニルチタネート0.01モ
ルを添加し,200℃に加熱して生成するメタノールを系外
に留去し,エステル交換反応を行った。
メタノール留去がほぼ完了してから反応生成物を撹拌機
付重量器に移し,温度240℃にて30分間で徐々に真空度
を上げながら0.1〜0.3mmHgの高真空とし,その後4時間
重縮合反応を行った。
得られた熱可塑性共重合ポリエステル樹脂は,極限粘度
0.78,融点185℃,引張強度325kg/cm2であった。この熱
可塑性共重合ポリエステル樹脂を樹脂(1)とする。
上記樹脂(1)100部と,ジクミルペルオキシド(日本
化薬(株)製カヤクミルD)2部を200℃に加熱したニ
ーダー中に入れ5分間混練した。
ニーダーから加硫物をシート状に取り出し,さらに細か
く切断してチップ状にした。この加硫物を射出成形機
((株)日本製鋼所製J−100S)にてダンベル型サンプ
ル(JIS−K−6301による)に成形し,物性測定に供し
た。その結果を第1表に示した。
実施例2 テレフタル酸ジメチル92モル,デカメチレンジカルボン
酸8モル,1,4−ブタンジオール140モル,平均分子量約1
300の水素添加液状ポリブタジエングリコール(日本曹
達(株)製;GI−1000)4モルと,テトラ−n−ブチル
チタネート0.01モルを添加し,以下実施例1と同様にし
て熱可塑性共重合ポリエステル樹脂を製造した。得ろれ
た熱可塑性共重合ポリエステル樹脂は,極限粘度0.80,
融点197℃,引張強度383kg/cm2であった。この熱可塑性
共重合ポリエステルを樹脂(II)とする。
上記樹脂(II)100部と,ベンゾキノンジオキシム(大
内新興化学(株)製VULNOC GM)0.3部を230℃に加熱し
た溶融押出装置で混練し,チップ状に払出した。以下実
施例1と同様にしてダンベル型サンプルに成形し,物性
測定に供した。その結果を第1表に示した。
比較例1 実施例1で得られた樹脂(I)を実施例1と同様の射出
成形機にて実施例1と同様のダンベル型サンプルに成形
し,物性測定に供した。その結果を第1表に示した。
比較例2 実施例2で得られた樹脂(II)を実施例1と同様の射出
成形機にて実施例1と同様のダンベル型サンプルに形成
し,物性測定に供した。その結果を第1表に示した。
比較例3 テレフタル酸ジメチル80モル,デカメチレンジカルボン
酸20モル,1,4−ブタンジオール140モルとテトラ−n−
ブチルチタネート0.01モルから,実施例1と同様にして
熱可塑性共重合ポリエステル樹脂を製造した。得られた
熱可塑性重合ポリエステル樹脂は,極限粘度0.82,融点1
80℃,引張強度311kg/cm2であつた。この熱可塑性共重
合ポリエステルを樹脂(III)とする。
この樹脂(III)100部とジクミルペルオキシド2部を20
0℃に加熱したニーダー中に入れ,5分間混練した。次い
でニーダーから加硫物をシート状に取り出し,さらに細
かく切断してチップ状にした。以下実施例1と同様にし
てダンベル型サンプルに成形し,物性測定に供した。そ
の結果を第1表に示した。
比較例4 テレフタル酸ジメチル100モル,1,4−ブタンジオール140
モル,平均分子量1000のポリオキシテトラメチレングリ
コール20モル,テトラ−n−ブチルチタネート0.01モル
を用い,実施例1と同様にして熱可塑性共重合ポリエス
テル樹脂を製造した。得られた熱可塑性共重合ポリエス
テル樹脂は,極限粘度0.80,融点190℃,引張強度420kg/
cm2であった。この熱可塑性共重合ポリエステル樹脂を
樹脂(IV)とする。
この樹脂(IV)100部とベンゾキノンジオキシム2部を2
00℃に加熱したニーダー中に入れ,5分間混練した。ニー
ダーから加硫物をシート状に取り出し,さらに細かく切
断してチップ状にした。以下実施例1と同様にしてダン
ベル型サンプルに成形し,物性測定に供した。その結果
を第1表に示した。
第1表に示すように,本発明の熱可塑性共重合ポリエス
テル樹脂及び加硫剤からなる熱可塑性樹脂組成物は,加
熱するだけで耐熱性及び機械的強度に優れ,しかも,耐
候性,可撓性に富んだエラストマー的性質を示すことが
判る。
一方,熱可塑性共重合ポリエステル樹脂のみ(比較例1,
2)では機械的強度や耐熱性が本発明の熱可塑性樹脂組
成物を加硫したものに比較して低いことが判る。また,
平均分子量約350〜6000の脂肪族長鎖ジカルボン酸又は
平均分子量約350〜6000の脂肪族長鎖グリコールの何れ
をも含まない熱可塑性共重合ポリエステル樹脂及び加硫
剤とからなる組成物(比較例3,4)では,熱可塑性共重
合ポリエステル樹脂の自己架橋が生じず,機械的強度や
耐熱性が改善されていないことが判る。
〔注)DKPはジクミルペルオキシド,BQOはベンゾキノン
ジオキシムを示す。
実施例3 テレフタル酸ジメチル80モル,イソフタル酸15モル,平
均分子量約1300の水素添加液状ポリブタジエンジカルボ
ン酸(日本曹達(株)製CI−1000)5モルと1,4−ブタ
ンジオール140モルにテトラ−n−ブチルチタネート0.0
1モルを添加し,200℃に加熱して生成するメタノールを
系外に留去し,エステル交換反応を行った。メタノール
留去がほぼ完了してから,反応生成物を撹拌機付重合器
に移し,温度240℃にて30分間で徐々に真空度を上げな
がち0.1〜0.3mmHgの高真空とし,その後4時間重縮合反
応を行った。
得られた熱可塑性共重合ポリエステル樹脂は,極限粘度
0.75,融点188℃,引張強度360kg/cm2であった。この熱
可塑性共重合ポリエステル樹脂を樹脂(V)とする。
この樹脂(V)を実施例1と同様にしてダンベル型サン
プルに成形し,強度,伸度,耐候性及びビカツト軟化点
を測定したところ,それぞれ360kg/cm2,425%,84%,135
℃であった。
上記樹脂(V)100部とジクミルペルオキシド(日本化
薬(株)製カヤクミルD)1部を200℃に加熱した溶融
押出装置でチップ状に払出した。以下実施例1と同様に
してダンベル型サンプルに成形し,強度,伸度,耐候性
及びビカツト軟化点を測定した。
その結果,強度495kg/cm2,伸度400%,耐候性88%,ビ
カツト軟化点174℃を示し,本発明の熱可塑性共重合ポ
リエステル樹脂(V)の加硫物は未加硫物に比較して優
れた耐熱性,機械的強度,耐候性を有するものであっ
た。
(発明の効果) 本発明の樹脂組成物は,上記のように平均分子量約300
〜6000の脂肪族長鎖ジカルボン酸及び平均分子量約300
〜6000の脂肪族長鎖グリコールのうち少なくとも一方を
一成分とする特定の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂と
加硫剤からなるので,耐溶剤性,溶融安定性及び耐候性
に優れ,しかも,耐熱性や機械的強度と柔軟性のバラン
スが良好である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)芳香族ジカルボン酸40〜100モル
    %,分子量約250以下の脂肪族ジカルボン酸及び/又は
    脂環族ジカルボン酸0〜60モル%からなる酸成分,
    (b)分子量約250以下の低分子量グリコールからなる
    グリコール成分及び(c)全酸成分に対して1〜30モル
    %の平均分子量約300〜6000の脂肪族長鎖ジカルボン酸
    及び/又は全グリコール成分に対して1〜30モル%の平
    均分子量約300〜6000の脂肪族長鎖グリコールからなる
    極限粘度が少なくとも0.3である熱可塑性共重合ポリエ
    ステル(A)と加硫剤(B)とからなり,熱可塑性共重
    合ポリエステル(A)と加硫剤(B)との割合が,熱可
    塑性共重合ポリエステル(A)100重量部に対して加硫
    剤(B)が0.1〜10重量部であることを特徴とする熱可
    塑性樹脂組成物。 ただし,極限粘度はフエノール:テトラクロルエタン=
    1:1(重量比)の混合溶媒中20℃で測定。
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