JPH0717902A - 高純度テレフタル酸分離母液の処理方法 - Google Patents
高純度テレフタル酸分離母液の処理方法Info
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- JPH0717902A JPH0717902A JP16338593A JP16338593A JPH0717902A JP H0717902 A JPH0717902 A JP H0717902A JP 16338593 A JP16338593 A JP 16338593A JP 16338593 A JP16338593 A JP 16338593A JP H0717902 A JPH0717902 A JP H0717902A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】高純度テレフタル酸を晶析させる際に得られる
分離母液にアルカリを加えて有機酸成分を完全に溶解さ
せた後、酸を添加して該母液中の有機酸成分を沈殿分離
する。 【効果】分離母液中のテレフタル酸、パラトイル酸およ
び安息香酸の濃度が著しく低下する。これによりテレフ
タル酸製造装置から排出液中の有機酸濃度が低下し、活
性汚泥装置の負荷が著しく低下すると共に、分離された
沈殿物を液相酸化系に投入することによりテレフタル酸
の収率が向上する。
分離母液にアルカリを加えて有機酸成分を完全に溶解さ
せた後、酸を添加して該母液中の有機酸成分を沈殿分離
する。 【効果】分離母液中のテレフタル酸、パラトイル酸およ
び安息香酸の濃度が著しく低下する。これによりテレフ
タル酸製造装置から排出液中の有機酸濃度が低下し、活
性汚泥装置の負荷が著しく低下すると共に、分離された
沈殿物を液相酸化系に投入することによりテレフタル酸
の収率が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテレフタル酸の製造法に
関し、詳しくは高純度テレフタル酸を晶析させ結晶を分
離する際に得られる分離母液の処理方法に関するもので
ある。
関し、詳しくは高純度テレフタル酸を晶析させ結晶を分
離する際に得られる分離母液の処理方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】テレフタル酸はパラキシレンなどのp−
ジアルキルベンゼン類を酸化して製造され、通常は酢酸
を溶媒として、コバルト、マンガン等の重金属触媒、ま
たはこれに臭素化合物、或いはアセトアルデヒドのよう
な促進剤を加えた触媒が用いられる。液相酸化によって
得られる粗テレフタル酸は、通常4-カルボキシベンズア
ルデヒト(4CBA)、パラトルイル酸および安息香酸
などの不純物を多量に含んでおり、このままグリコール
と反応させてポリエステルとするには適さない。
ジアルキルベンゼン類を酸化して製造され、通常は酢酸
を溶媒として、コバルト、マンガン等の重金属触媒、ま
たはこれに臭素化合物、或いはアセトアルデヒドのよう
な促進剤を加えた触媒が用いられる。液相酸化によって
得られる粗テレフタル酸は、通常4-カルボキシベンズア
ルデヒト(4CBA)、パラトルイル酸および安息香酸
などの不純物を多量に含んでおり、このままグリコール
と反応させてポリエステルとするには適さない。
【0003】このように不純物を含む粗テレフタル酸か
ら高純度テレフタル酸を製造する方法としては、粗テレ
フタル酸の水溶媒スラリーを加熱・溶解して接触処理す
る方法(特公昭49-33189号等) 、水素化還元処理を行う
方法 (特公昭41-16860号、特公昭51-32618号、特公昭51
-38698号等) 等が知られている。
ら高純度テレフタル酸を製造する方法としては、粗テレ
フタル酸の水溶媒スラリーを加熱・溶解して接触処理す
る方法(特公昭49-33189号等) 、水素化還元処理を行う
方法 (特公昭41-16860号、特公昭51-32618号、特公昭51
-38698号等) 等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】粗テレフタル酸は上記
の如き方法で処理された後、冷却することにより晶析し
た高純度テレフタル酸結晶と母液に分離される。この分
離母液は一部再循環で使用されることはあるが、大部分
は系外へ排出される。接触処理又は水素化還元処理によ
り粗テレフタル酸を精製した場合には4CBAが安息香
酸又はパラトルイル酸となるので、この母液中には残余
のテレフタル酸と、パラトルイル酸、安息香酸などの有
機物が溶解或いは一部微細な結晶として含まれている。
の如き方法で処理された後、冷却することにより晶析し
た高純度テレフタル酸結晶と母液に分離される。この分
離母液は一部再循環で使用されることはあるが、大部分
は系外へ排出される。接触処理又は水素化還元処理によ
り粗テレフタル酸を精製した場合には4CBAが安息香
酸又はパラトルイル酸となるので、この母液中には残余
のテレフタル酸と、パラトルイル酸、安息香酸などの有
機物が溶解或いは一部微細な結晶として含まれている。
【0005】排出された母液は普通、活性汚泥処理した
後に公有水域へ廃出される。この活性汚泥装置へ送られ
る母液中に溶解或いは一部微細な結晶として含まれてい
る有機物は比較的低い濃度であるが、高純度テレフタル
酸製造装置は通常数万から数十万トン/年の生産規模で
あるため、有機物総量は相当大きくなる。そのため活性
汚泥装置に対する設備投資費用および運転費用がかさむ
ことになり、高純度テレフタル酸製造上、この分離母液
の処理法の改善が強く望まれている。本発明の目的は、
テレフタル酸精製プロセスにおいて排出される分離母液
中の有機物総量を減少し、活性汚泥装置への負荷を低下
させる方法を提供することである。
後に公有水域へ廃出される。この活性汚泥装置へ送られ
る母液中に溶解或いは一部微細な結晶として含まれてい
る有機物は比較的低い濃度であるが、高純度テレフタル
酸製造装置は通常数万から数十万トン/年の生産規模で
あるため、有機物総量は相当大きくなる。そのため活性
汚泥装置に対する設備投資費用および運転費用がかさむ
ことになり、高純度テレフタル酸製造上、この分離母液
の処理法の改善が強く望まれている。本発明の目的は、
テレフタル酸精製プロセスにおいて排出される分離母液
中の有機物総量を減少し、活性汚泥装置への負荷を低下
させる方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は上記の如き課題
を有するテレフタル酸を製造する際に得られる分離母液
の処理方法について鋭意検討した結果、高純度テレフタ
ル酸を晶析させ結晶を分離する際に得られる分離母液を
アルカリ性としてこの分離母液中の有機酸成分を完全に
溶解させた後、酸性とし、濾過などの適当な方法で結晶
を分離・除去することにより、該分離母液中の有機酸成
分を著しく低下させることができることを見出し、本発
明に到達した。
を有するテレフタル酸を製造する際に得られる分離母液
の処理方法について鋭意検討した結果、高純度テレフタ
ル酸を晶析させ結晶を分離する際に得られる分離母液を
アルカリ性としてこの分離母液中の有機酸成分を完全に
溶解させた後、酸性とし、濾過などの適当な方法で結晶
を分離・除去することにより、該分離母液中の有機酸成
分を著しく低下させることができることを見出し、本発
明に到達した。
【0007】即ち本発明は、高純度テレフタル酸を晶析
させ結晶を分離した分離母液に、アルカリを加えて有機
酸成分を完全に溶解させた後、酸を添加して該母液中の
有機酸成分を沈殿分離することを特徴とする高純度テレ
フタル酸分離母液の処理方法である。
させ結晶を分離した分離母液に、アルカリを加えて有機
酸成分を完全に溶解させた後、酸を添加して該母液中の
有機酸成分を沈殿分離することを特徴とする高純度テレ
フタル酸分離母液の処理方法である。
【0008】本発明において該分離母液に予めテレフタ
ル酸を加えた後にアルカリを加えるようにすれば、トル
イル酸などの有機酸成分の沈殿量が更に増大して、テレ
フタル酸精製プロセスにおいて排出される分離母液中の
有機物が減少する。また前述の如く接触処理又は水素化
還元処理により粗テレフタル酸を精製した場合には4C
BAが安息香酸又はパラトルイル酸となるので、本発明
の方法は粗テレフタル酸を接触処理又は水素化還元処理
により精製して得られた高純度テレフタル酸を処理する
場合に有利に用いられる。以下本発明を詳細に説明す
る。
ル酸を加えた後にアルカリを加えるようにすれば、トル
イル酸などの有機酸成分の沈殿量が更に増大して、テレ
フタル酸精製プロセスにおいて排出される分離母液中の
有機物が減少する。また前述の如く接触処理又は水素化
還元処理により粗テレフタル酸を精製した場合には4C
BAが安息香酸又はパラトルイル酸となるので、本発明
の方法は粗テレフタル酸を接触処理又は水素化還元処理
により精製して得られた高純度テレフタル酸を処理する
場合に有利に用いられる。以下本発明を詳細に説明す
る。
【0009】高純度テレフタル酸製造装置から排出され
る分離母液中の有機物成分は、粗テレフタル酸中の不純
物組成、接触処理や水素化還元処理の条件、反応後の晶
析条件および結晶分離温度などによって異なるが、その
概略値は次の通りである。また各々の成分の60℃にお
ける溶解度を右欄に示す。
る分離母液中の有機物成分は、粗テレフタル酸中の不純
物組成、接触処理や水素化還元処理の条件、反応後の晶
析条件および結晶分離温度などによって異なるが、その
概略値は次の通りである。また各々の成分の60℃にお
ける溶解度を右欄に示す。
【0010】
【表1】 分離母液中の有機物組成 (有機物名) (濃度) (60℃での溶解度) テレフタル酸 200〜3000ppm 50ppm パラトルイル酸 100〜1000ppm 1000ppm 安息香酸 50〜1000ppm 1. 16% その他 数百ppm
【0011】表1における右欄の溶解度から分かるよう
に、テレフタル酸の60℃における水に対する溶解度は
非常に小さい。従って分離母液を60℃まで冷却すれば
テレフタル酸の大部分は結晶となって析出するのでテレ
フタル酸は濾過などの方法で除くことによりができる
が、残りのパラトルイル酸と安息香酸は溶解度が60℃
でも十分に高いので分離母液を60℃まで冷却しても除
けないことが分かる。
に、テレフタル酸の60℃における水に対する溶解度は
非常に小さい。従って分離母液を60℃まで冷却すれば
テレフタル酸の大部分は結晶となって析出するのでテレ
フタル酸は濾過などの方法で除くことによりができる
が、残りのパラトルイル酸と安息香酸は溶解度が60℃
でも十分に高いので分離母液を60℃まで冷却しても除
けないことが分かる。
【0012】本発明において使用される高純度テレフタ
ル酸分離母液はp−ジアルキルベンゼン類を液相酸化し
て得られた粗テレフタル酸を精製する際に得られるもの
である。粗テレフタル酸の原料となるp−ジアルキルベ
ンゼン類としては通常パラキシレンが使用されるが、置
換基はメチル基に限定する必要はなく、エチル、プロピ
ル、i−プロピル基でも良く、或は、アルデヒド、アセ
チル基の如くカルボキシル基に酸化されるものであれば
良い。また置換基の一つがカルボキシル基であってもよ
い。
ル酸分離母液はp−ジアルキルベンゼン類を液相酸化し
て得られた粗テレフタル酸を精製する際に得られるもの
である。粗テレフタル酸の原料となるp−ジアルキルベ
ンゼン類としては通常パラキシレンが使用されるが、置
換基はメチル基に限定する必要はなく、エチル、プロピ
ル、i−プロピル基でも良く、或は、アルデヒド、アセ
チル基の如くカルボキシル基に酸化されるものであれば
良い。また置換基の一つがカルボキシル基であってもよ
い。
【0013】液相酸化は、酢酸あるいは水を含む酢酸を
溶媒としてコバルトおよびマンガン等の重金属及び臭素
化合物を存在させ、温度150〜240℃、圧力10〜
30気圧で空気により行う方法が用いられる。またコバ
ルト触媒存在下、温度100〜150℃、圧力5〜20
気圧で酸素により酸化反応を行う方法も用いられ、アセ
トアルデヒドやメチルエチルケトン等の促進剤も用いら
れる。
溶媒としてコバルトおよびマンガン等の重金属及び臭素
化合物を存在させ、温度150〜240℃、圧力10〜
30気圧で空気により行う方法が用いられる。またコバ
ルト触媒存在下、温度100〜150℃、圧力5〜20
気圧で酸素により酸化反応を行う方法も用いられ、アセ
トアルデヒドやメチルエチルケトン等の促進剤も用いら
れる。
【0014】高純度テレフタル酸はこのような液相酸化
により得られた粗テレフタル酸を精製・晶析することに
より得られる。本発明は接触処理又は水素化還元処理法
により精製した高純度テレフタル酸を晶析して結晶を分
離する際に得られる分離母液の処理する場合に有利に用
いられ、上記の如くこの分離母液には多くの有機酸成分
が含まれている。
により得られた粗テレフタル酸を精製・晶析することに
より得られる。本発明は接触処理又は水素化還元処理法
により精製した高純度テレフタル酸を晶析して結晶を分
離する際に得られる分離母液の処理する場合に有利に用
いられ、上記の如くこの分離母液には多くの有機酸成分
が含まれている。
【0015】本発明において該分離母液に加えられるア
ルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ソーダ、アンモニア等が用いられる。アルカリ添加
量は該分離母液に含まれる有機酸量により異なり、該分
離母液中の有機酸を全て完全に溶解させるために、該分
離母液中の有機酸総量の化学当量より多いアルカリ添加
量とする必要がある。但し過剰のアルカリ添加は次の酸
析工程での酸添加量が増加することになるので、過剰ア
ルカリ量はできるだけ小さい方が好ましい。
ルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ソーダ、アンモニア等が用いられる。アルカリ添加
量は該分離母液に含まれる有機酸量により異なり、該分
離母液中の有機酸を全て完全に溶解させるために、該分
離母液中の有機酸総量の化学当量より多いアルカリ添加
量とする必要がある。但し過剰のアルカリ添加は次の酸
析工程での酸添加量が増加することになるので、過剰ア
ルカリ量はできるだけ小さい方が好ましい。
【0016】アルカリ添加により該分離母液中に析出し
ていた有機酸は溶けて均一溶液となり、これに酸を添加
すると、テレフタル酸が酸析によって沈澱する際に、パ
ラトルイル酸や安息香酸の一部も沈澱する(共沈現
象)。この酸析には塩酸や硫酸・などのいわゆる強酸が
用いられる。酸添加量は母液中に含まれている有機酸の
化学当量および過剰に添加したアルカリの化学当量の合
計量に相当する量とすべきであるが、実際の操作ではpH
が 2.5以下となるように添加すれば良い。
ていた有機酸は溶けて均一溶液となり、これに酸を添加
すると、テレフタル酸が酸析によって沈澱する際に、パ
ラトルイル酸や安息香酸の一部も沈澱する(共沈現
象)。この酸析には塩酸や硫酸・などのいわゆる強酸が
用いられる。酸添加量は母液中に含まれている有機酸の
化学当量および過剰に添加したアルカリの化学当量の合
計量に相当する量とすべきであるが、実際の操作ではpH
が 2.5以下となるように添加すれば良い。
【0017】アルカリを添加する際に、あらかじめ分離
母液にテレフタル酸を小量添加しておくと共沈効果は大
きくなり、分離母液から回収されるパラトルイル酸や安
息香酸が増大する。添加するテレフタル酸は高純度であ
る必要は全く無く、実質的にテレフタル酸を含んでおれ
ば良い。不純物を多く含んだテレフタル酸を使っても本
発明の効果に悪影響は生じない。湿分を含んだテレフタ
ル酸のケーキでも良いし、水中や含水酢酸中に懸濁した
テレフタル酸スラリーであっても良く、また既にアルカ
リに溶解、或いは一部溶解した状態のテレフタル酸であ
っても良い。このように実質的にテレフタル酸を含んだ
物質は、商業的な規模での高純度テレフタル酸を生産し
ているプロセスに多少なりとも存在しているケースが多
く、例えば液相酸化工程での洗浄作業で排出されるテレ
フタル酸を含んだ廃液、精製工程での洗浄廃液、或いは
精製工程での運転直後などの極めて限定された状況で生
産される不純物を多く含んだテレフタル酸等を利用する
ことができる。
母液にテレフタル酸を小量添加しておくと共沈効果は大
きくなり、分離母液から回収されるパラトルイル酸や安
息香酸が増大する。添加するテレフタル酸は高純度であ
る必要は全く無く、実質的にテレフタル酸を含んでおれ
ば良い。不純物を多く含んだテレフタル酸を使っても本
発明の効果に悪影響は生じない。湿分を含んだテレフタ
ル酸のケーキでも良いし、水中や含水酢酸中に懸濁した
テレフタル酸スラリーであっても良く、また既にアルカ
リに溶解、或いは一部溶解した状態のテレフタル酸であ
っても良い。このように実質的にテレフタル酸を含んだ
物質は、商業的な規模での高純度テレフタル酸を生産し
ているプロセスに多少なりとも存在しているケースが多
く、例えば液相酸化工程での洗浄作業で排出されるテレ
フタル酸を含んだ廃液、精製工程での洗浄廃液、或いは
精製工程での運転直後などの極めて限定された状況で生
産される不純物を多く含んだテレフタル酸等を利用する
ことができる。
【0018】この酸析は低温で処理する程その効果が大
きく、酸の添加および沈殿分離温度は90℃以下、好ま
しくは60℃以下である。また添加するテレフタル酸の
量は分離母液中に予め含まれているテレフタル酸の濃度
によって変わって来るが、テレフタル酸添加後の分離母
液中の濃度が0.1%以上になることが好ましい。テレ
フタル酸の添加量がこの水準より多くなることは共沈効
果が増大する結果になるのでかまわないが、当然、使用
するテレフタル酸が多くなる。また実施例から分かるよ
うに、母液中のテレフタル酸濃度と共沈効果の関係は直
線的でなく、テレフタル酸濃度が0.4%以上になって
も共沈効果はあまり増大しない。従って分離母液中のテ
レフタル酸濃度を0.4%以上とすることは経済的観点
から有利とはならない。
きく、酸の添加および沈殿分離温度は90℃以下、好ま
しくは60℃以下である。また添加するテレフタル酸の
量は分離母液中に予め含まれているテレフタル酸の濃度
によって変わって来るが、テレフタル酸添加後の分離母
液中の濃度が0.1%以上になることが好ましい。テレ
フタル酸の添加量がこの水準より多くなることは共沈効
果が増大する結果になるのでかまわないが、当然、使用
するテレフタル酸が多くなる。また実施例から分かるよ
うに、母液中のテレフタル酸濃度と共沈効果の関係は直
線的でなく、テレフタル酸濃度が0.4%以上になって
も共沈効果はあまり増大しない。従って分離母液中のテ
レフタル酸濃度を0.4%以上とすることは経済的観点
から有利とはならない。
【0019】本発明の方法により高純度テレフタル酸を
晶析させ、結晶を分離する際に得られる分離母液にアル
カリを加えた後に酸析することによって、該分離母液中
のパラトルイル酸および安息香酸などの有機酸成分が沈
殿するので、沈澱した有機物を濾過などの方法で除け
ば、排出母液中の有機物量を大幅に減少させることがで
き、活性汚泥装置への負担を小さくすることができる。
濾過などの方法で得られた沈殿物は液相酸化装置に戻す
ことにより、該沈殿物中のテレフタル酸が回収されると
共に、パラトルイル酸などは酸化されてテレフタル酸と
なるので、テレフタル酸の収率が向上する。
晶析させ、結晶を分離する際に得られる分離母液にアル
カリを加えた後に酸析することによって、該分離母液中
のパラトルイル酸および安息香酸などの有機酸成分が沈
殿するので、沈澱した有機物を濾過などの方法で除け
ば、排出母液中の有機物量を大幅に減少させることがで
き、活性汚泥装置への負担を小さくすることができる。
濾過などの方法で得られた沈殿物は液相酸化装置に戻す
ことにより、該沈殿物中のテレフタル酸が回収されると
共に、パラトルイル酸などは酸化されてテレフタル酸と
なるので、テレフタル酸の収率が向上する。
【0020】
【実施例】次に実施例により本発明を更に具体的に説明
する。但し本発明はこれらの実施例により制限されるも
のではない。なお各実施例の各表において用いる記号は
次の通りである。 TA:テレフタル酸、pTOL:パラトルイル酸、B
A:安息香酸
する。但し本発明はこれらの実施例により制限されるも
のではない。なお各実施例の各表において用いる記号は
次の通りである。 TA:テレフタル酸、pTOL:パラトルイル酸、B
A:安息香酸
【0021】実施例1 粗テレフタル酸を水素化還元処理し、晶析する際に得ら
れた分離母液(テレフタル酸460ppm、パラトルイ
ル酸830ppm、安息香酸320ppm、その他45
0ppm、合計2060ppm)1kgを三角フラスコ
に取り、温度調節された油浴中に入れて、母液の温度が
60℃になるように加熱した。このとき三角フラスコに
入れた攪拌子により攪拌した。この母液中には少量の白
色沈殿が見られた。この沈殿物は表1に示された溶解度
から主にテレフタル酸の結晶であることが明らかであ
る。この母液に所定量のテレフタル酸結晶を添加してか
ら24%の苛性ソーダ水溶液を、pHが10以上になる
まで少しづつ加え、白色沈殿が完全に溶解して透明な溶
液となったことを確認した。次に6規定濃度の塩酸をP
Hが2以下になるまで添加したところ、母液には再び白
色沈殿が析出した。このスラリー液を十分に温めたG3
フィルターで素早く濾過した。濾液を高速度クロマトグ
ラフィーで分析した結果を表2に示す。
れた分離母液(テレフタル酸460ppm、パラトルイ
ル酸830ppm、安息香酸320ppm、その他45
0ppm、合計2060ppm)1kgを三角フラスコ
に取り、温度調節された油浴中に入れて、母液の温度が
60℃になるように加熱した。このとき三角フラスコに
入れた攪拌子により攪拌した。この母液中には少量の白
色沈殿が見られた。この沈殿物は表1に示された溶解度
から主にテレフタル酸の結晶であることが明らかであ
る。この母液に所定量のテレフタル酸結晶を添加してか
ら24%の苛性ソーダ水溶液を、pHが10以上になる
まで少しづつ加え、白色沈殿が完全に溶解して透明な溶
液となったことを確認した。次に6規定濃度の塩酸をP
Hが2以下になるまで添加したところ、母液には再び白
色沈殿が析出した。このスラリー液を十分に温めたG3
フィルターで素早く濾過した。濾液を高速度クロマトグ
ラフィーで分析した結果を表2に示す。
【0022】
【表2】 母液1kgに対す 濾液中の有機物組成 ppmるTA投入量 TA pTOL BA その他 投入せず 20 520 200 390 0. 2g 20 330 200 380 1 g 30 250 190 380 4 g 20 60 80 350 8 g 20 50 60 350
【0023】実施例2 実施例1において母液の温度を90℃に維持しながら、
同様の実験を行った。得られた濾液の分析結果を表3に
示す。
同様の実験を行った。得られた濾液の分析結果を表3に
示す。
【0024】
【表3】 母液1kgに対す 濾液中の有機物組成 ppmるTA投入量 TA pTOL BA その他 投入せず 50 580 230 420 0. 2g 40 380 240 430 1 g 50 300 190 400 4 g 40 100 120 380 8 g 40 80 100 330
【0025】実施例3 実施例1において母液野温度を30℃に維持しながら、
同様の実験を行った。得られた濾液の分析結果を表4に
示す。
同様の実験を行った。得られた濾液の分析結果を表4に
示す。
【0026】
【表4】 母液1kgに対す 濾液中の有機物組成 ppmるTA投入量 TA pTOL BA その他 投入せず 20 400 200 380 0. 2g 10 230 180 380 1 g 20 120 140 370 4 g 20 30 60 330 8 g 20 30 60 330
【0027】比較例1 所定量のテレフタル酸および24%苛性ソーダ水溶液を
添加せずに、実施例1と同様の実験を行った。得られた
濾液の分析結果を表5に示す。
添加せずに、実施例1と同様の実験を行った。得られた
濾液の分析結果を表5に示す。
【表5】 母液1kgに対す 濾液中の有機物組成 ppmるTA投入量 TA pTOL BA その他 投入せず 40 780 310 430
【0028】比較例2 所定量のテレフタル酸、24%苛性ソーダ水溶液及び6
規定濃度の塩酸を添加せずに実施例1と同様の実験を行
った。得られた濾液の分析結果を表6に示す。
規定濃度の塩酸を添加せずに実施例1と同様の実験を行
った。得られた濾液の分析結果を表6に示す。
【表6】 母液1kgに対す 濾液中の有機物組成 ppmるTA投入量 TA pTOL BA その他 投入せず 70 800 310 430
【0029】以上の実施例より次のことが確認される。 (1)一旦アルカリ性にしてから酸析させることによっ
て、濾液中のテレフタル酸は溶解度より低い濃度となる
と共に、パラトルイル酸および安息香酸の濃度も著しく
低下する。 (2)予めテレフタル酸を添加した後に酸析を行うこと
により、濾液中のパラトルイル酸の濃度が更に低下す
る。但しテレフタル酸を一定量以上添加してもその低下
量の変化が小さくなる。 (3)少量のテレフタル酸投入では、濾液中の安息香酸
濃度が変わらないが、投入量を多くするとその濃度が低
下する。 (4)酸析の処理温度が低いほど、濾液中の各有機酸の
濃度が低下する。 (5)アルカリ添加せずに単に酸析のみの場合(比較例
1)ではテレフタル酸濃度が低下するが、パラトルイル
酸および安息香酸の濃度は酸も添加せずに単に濾過のみ
場合(比較例2)と同程度である。
て、濾液中のテレフタル酸は溶解度より低い濃度となる
と共に、パラトルイル酸および安息香酸の濃度も著しく
低下する。 (2)予めテレフタル酸を添加した後に酸析を行うこと
により、濾液中のパラトルイル酸の濃度が更に低下す
る。但しテレフタル酸を一定量以上添加してもその低下
量の変化が小さくなる。 (3)少量のテレフタル酸投入では、濾液中の安息香酸
濃度が変わらないが、投入量を多くするとその濃度が低
下する。 (4)酸析の処理温度が低いほど、濾液中の各有機酸の
濃度が低下する。 (5)アルカリ添加せずに単に酸析のみの場合(比較例
1)ではテレフタル酸濃度が低下するが、パラトルイル
酸および安息香酸の濃度は酸も添加せずに単に濾過のみ
場合(比較例2)と同程度である。
【0030】
【発明の効果】各実施例に示されるように、本発明の方
法により酸析を行うことにより、高純度テレフタル酸を
晶析する際に得られる分離母液中のテレフタル酸、パラ
トイル酸および安息香酸の濃度が著しく低下する。これ
によりテレフタル酸製造装置から排出液中の有機酸濃度
が低下し、活性汚泥装置の負荷が著しく低下する。また
酸析により分離された沈殿物を液相酸化系に投入するこ
とによりテレフタル酸の収率が向上する。
法により酸析を行うことにより、高純度テレフタル酸を
晶析する際に得られる分離母液中のテレフタル酸、パラ
トイル酸および安息香酸の濃度が著しく低下する。これ
によりテレフタル酸製造装置から排出液中の有機酸濃度
が低下し、活性汚泥装置の負荷が著しく低下する。また
酸析により分離された沈殿物を液相酸化系に投入するこ
とによりテレフタル酸の収率が向上する。
Claims (3)
- 【請求項1】高純度テレフタル酸を晶析させ結晶を分離
した分離母液に、アルカリを加えて有機酸成分を完全に
溶解させた後、酸を添加して該母液中の有機酸成分を沈
殿分離することを特徴とする高純度テレフタル酸分離母
液の処理方法 - 【請求項2】高純度テレフタル酸を晶析させ結晶を分離
した分離母液に、テレフタル酸を加えた後にアルカリを
加える請求項1の高純度テレフタル酸分離母液の処理方
法 - 【請求項3】高純度テレフタル酸が、粗テレフタル酸を
接触処理又は水素化還元処理により精製して得られたも
のである請求項1または請求項2の高純度テレフタル酸
分離母液の処理方法
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16338593A JPH0717902A (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | 高純度テレフタル酸分離母液の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16338593A JPH0717902A (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | 高純度テレフタル酸分離母液の処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0717902A true JPH0717902A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=15772889
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16338593A Pending JPH0717902A (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | 高純度テレフタル酸分離母液の処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0717902A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004060525A1 (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-22 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 晶析方法および晶析装置 |
| KR102054643B1 (ko) * | 2019-07-16 | 2020-01-22 | 강대권 | 테레프탈산 제조공정의 반응 부산물로부터 벤조산을 제조하는 방법 |
-
1993
- 1993-07-01 JP JP16338593A patent/JPH0717902A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004060525A1 (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-22 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 晶析方法および晶析装置 |
| CN100368047C (zh) * | 2002-12-27 | 2008-02-13 | 住友化学株式会社 | 结晶方法和结晶装置 |
| US7550042B2 (en) | 2002-12-27 | 2009-06-23 | Sumitomo Chemical Company Limited | Method and apparatus for crystallization |
| KR101108310B1 (ko) * | 2002-12-27 | 2012-01-25 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 결정화 방법 및 결정화 장치 |
| KR102054643B1 (ko) * | 2019-07-16 | 2020-01-22 | 강대권 | 테레프탈산 제조공정의 반응 부산물로부터 벤조산을 제조하는 방법 |
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