JPH07180068A - 耐食性及び塗料密着性に優れた樹脂クロメート処理鋼板 - Google Patents
耐食性及び塗料密着性に優れた樹脂クロメート処理鋼板Info
- Publication number
- JPH07180068A JPH07180068A JP32502493A JP32502493A JPH07180068A JP H07180068 A JPH07180068 A JP H07180068A JP 32502493 A JP32502493 A JP 32502493A JP 32502493 A JP32502493 A JP 32502493A JP H07180068 A JPH07180068 A JP H07180068A
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- Japan
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- chromate
- resin
- steel sheet
- corrosion resistance
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐食性と塗料密着性に優れた樹脂型クロメー
ト皮膜処理鋼板を得る。 【構成】 めっき鋼板の片面又は両面上に、難溶性クロ
ム酸塩微粒子を含有した有機樹脂皮膜を形成させる。難
溶性クロム酸塩としてはXCrO4 (X=Zn,Sr,
Ba,Pb)、有機樹脂としては、アクリル、エポキ
シ、ウレタン等水系及び溶剤系のいずれでもよい。 【効果】 耐食性と塗料密着性にバランスのとれたクロ
メート処理鋼板が得られる。また、従来の樹脂クロメー
トに比較して、クロム溶出が少なく、関連処理工程の処
理液を汚染せず、塗料密着性がより向上した処理鋼板と
なる。
ト皮膜処理鋼板を得る。 【構成】 めっき鋼板の片面又は両面上に、難溶性クロ
ム酸塩微粒子を含有した有機樹脂皮膜を形成させる。難
溶性クロム酸塩としてはXCrO4 (X=Zn,Sr,
Ba,Pb)、有機樹脂としては、アクリル、エポキ
シ、ウレタン等水系及び溶剤系のいずれでもよい。 【効果】 耐食性と塗料密着性にバランスのとれたクロ
メート処理鋼板が得られる。また、従来の樹脂クロメー
トに比較して、クロム溶出が少なく、関連処理工程の処
理液を汚染せず、塗料密着性がより向上した処理鋼板と
なる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家電、建材及び自動車
等に使用される耐食性と塗料密着性に優れた樹脂クロメ
ート処理鋼板に関するものである。
等に使用される耐食性と塗料密着性に優れた樹脂クロメ
ート処理鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クロメート処理皮膜は、めっき鋼
板の耐食性や塗料密着性を向上させることを目的に、亜
鉛めっきやアルミめっき鋼板等に対して広く使用されて
いる。クロメート皮膜は、文献”実用表面改質技術総覧
P121〜/1993年,産業技術サービスセンター発
行”等に述べられているように、3種に大別される。即
ち塗布型クロメート、反応型クロメート(エッチングク
ロメート)及び電解型クロメートである。
板の耐食性や塗料密着性を向上させることを目的に、亜
鉛めっきやアルミめっき鋼板等に対して広く使用されて
いる。クロメート皮膜は、文献”実用表面改質技術総覧
P121〜/1993年,産業技術サービスセンター発
行”等に述べられているように、3種に大別される。即
ち塗布型クロメート、反応型クロメート(エッチングク
ロメート)及び電解型クロメートである。
【0003】塗布型クロメートは、Cr6+イオン或いは
更にCr3+イオンを適当量含有した溶液中に鋼板を浸漬
後、絞り乾燥を行う、或いはロールコート法で直接鋼板
上に塗布後乾燥させて形成される。反応型クロメートも
それらの処理法と同様であるが、異なるのは鋼板上でク
ロメートを反応させ、未反応分を洗浄すること及び塗布
クロメートがCr6+とCr3+化合物から形成されること
に対して、Cr3+主体の化合物が形成されることであ
る。電解クロメートはCr6+イオンを含有した溶液中で
陰極電解することにより、Cr3+化合物皮膜が形成され
る。
更にCr3+イオンを適当量含有した溶液中に鋼板を浸漬
後、絞り乾燥を行う、或いはロールコート法で直接鋼板
上に塗布後乾燥させて形成される。反応型クロメートも
それらの処理法と同様であるが、異なるのは鋼板上でク
ロメートを反応させ、未反応分を洗浄すること及び塗布
クロメートがCr6+とCr3+化合物から形成されること
に対して、Cr3+主体の化合物が形成されることであ
る。電解クロメートはCr6+イオンを含有した溶液中で
陰極電解することにより、Cr3+化合物皮膜が形成され
る。
【0004】一般に、耐食性は塗布,反応,電解の順、
塗料密着性はその逆となる傾向にある。これは、クロメ
ート皮膜中に残存するCr6+イオン量によって整理でき
る。即ち、Cr6+イオン残存が多い程耐食性が良く、C
r3+イオン残存が多い程塗料密着性が良好となる。従来
は、上記クロメートの相反する特性を同時に満足するこ
とが困難であったが、特公平4−27919号公報で見
られるように、有機樹脂中にクロムイオンを含有させた
新たなクロメート処理が開発されている。クロム含有樹
脂皮膜(樹脂クロメートと仮称)は、耐食性に優れるだ
けでなく、アクリル樹脂等を使用することにより塗料密
着性向上が期待される。ところが、プレス加工後のプレ
ス油除去のために行うアルカリや溶剤脱脂工程におい
て、皮膜中のクロムが溶出することによる脱脂液の汚
染、或いは塗装後の温水浸漬塗料密着試験において充分
な塗料密着性が得られない場合がある。これは、樹脂皮
膜中に含有されたクロムイオンが充分に固定されていな
い原因にある。
塗料密着性はその逆となる傾向にある。これは、クロメ
ート皮膜中に残存するCr6+イオン量によって整理でき
る。即ち、Cr6+イオン残存が多い程耐食性が良く、C
r3+イオン残存が多い程塗料密着性が良好となる。従来
は、上記クロメートの相反する特性を同時に満足するこ
とが困難であったが、特公平4−27919号公報で見
られるように、有機樹脂中にクロムイオンを含有させた
新たなクロメート処理が開発されている。クロム含有樹
脂皮膜(樹脂クロメートと仮称)は、耐食性に優れるだ
けでなく、アクリル樹脂等を使用することにより塗料密
着性向上が期待される。ところが、プレス加工後のプレ
ス油除去のために行うアルカリや溶剤脱脂工程におい
て、皮膜中のクロムが溶出することによる脱脂液の汚
染、或いは塗装後の温水浸漬塗料密着試験において充分
な塗料密着性が得られない場合がある。これは、樹脂皮
膜中に含有されたクロムイオンが充分に固定されていな
い原因にある。
【0005】そこで、本発明者らは、耐食性と塗料密着
性を両立させ得るクロメート処理について鋭意検討した
結果、耐食性や塗料密着性がクロメート層からのCr6+
溶出速度或いはその含有量で決まる傾向が強いことに鑑
み、溶出速度の制御を試みた。即ち、Cr6+が溶出しや
すければ耐食性は良好であるが、塗装後の塗料密着性が
劣化する。またCr6+の溶出が過剰であっては耐食性確
保が長期間持続できない問題がある。また実際の腐食環
境は、アルカリ又は酸性の何れかを呈しているが、水
(中性)に不溶ではCr6+の効果が現れにくいと考え、
微量溶解してCr 6+を放出する難溶性クロム酸塩(Cr
6+イオンを含有)を選択することが必要であることを知
見した。
性を両立させ得るクロメート処理について鋭意検討した
結果、耐食性や塗料密着性がクロメート層からのCr6+
溶出速度或いはその含有量で決まる傾向が強いことに鑑
み、溶出速度の制御を試みた。即ち、Cr6+が溶出しや
すければ耐食性は良好であるが、塗装後の塗料密着性が
劣化する。またCr6+の溶出が過剰であっては耐食性確
保が長期間持続できない問題がある。また実際の腐食環
境は、アルカリ又は酸性の何れかを呈しているが、水
(中性)に不溶ではCr6+の効果が現れにくいと考え、
微量溶解してCr 6+を放出する難溶性クロム酸塩(Cr
6+イオンを含有)を選択することが必要であることを知
見した。
【0006】即ち、本発明の要旨は、両面或いは片面に
金属めっきされた鋼板上に、有機樹脂中に、難溶性クロ
ム酸塩微粒子を含有させた樹脂クロメート皮膜、または
表面を極薄膜で包覆した難溶性クロム酸塩微粒子を含有
させた樹脂クロメート皮膜を被覆した耐食性と塗料密着
性に優れた樹脂クロメート処理鋼板である。
金属めっきされた鋼板上に、有機樹脂中に、難溶性クロ
ム酸塩微粒子を含有させた樹脂クロメート皮膜、または
表面を極薄膜で包覆した難溶性クロム酸塩微粒子を含有
させた樹脂クロメート皮膜を被覆した耐食性と塗料密着
性に優れた樹脂クロメート処理鋼板である。
【0007】以下本発明について詳細に説明する。通常
のめっき用原板の製造工程を経て製造された鋼板の片面
または両面に亜鉛系めっき、例えばZn,Zn−Ni,
Fe,Co,Mo合金めっき等を施したものを下地に使
用する。これは、Znがその犠牲防食作用により耐食性
に優れるからである。次に、本発明の特徴となる樹脂中
に含有される難溶性クロム酸塩微粒子の作用について述
べる。難溶性クロム酸塩微粒子は、耐食性及び塗料密着
性に影響を及ぼすCr6+イオンを含んでおり、またCr
O3 よりも溶解度が極めて小さい。これは、CrO3 に
比べて、Cr6+イオンを確保すると同時に、その作用期
間を長く持続させることが期待される。
のめっき用原板の製造工程を経て製造された鋼板の片面
または両面に亜鉛系めっき、例えばZn,Zn−Ni,
Fe,Co,Mo合金めっき等を施したものを下地に使
用する。これは、Znがその犠牲防食作用により耐食性
に優れるからである。次に、本発明の特徴となる樹脂中
に含有される難溶性クロム酸塩微粒子の作用について述
べる。難溶性クロム酸塩微粒子は、耐食性及び塗料密着
性に影響を及ぼすCr6+イオンを含んでおり、またCr
O3 よりも溶解度が極めて小さい。これは、CrO3 に
比べて、Cr6+イオンを確保すると同時に、その作用期
間を長く持続させることが期待される。
【0008】上記粒子は各々難溶度が異なるが、どの特
性を重視するか、即ち耐食性を重視するとなれば、溶解
度の大きいZnCrO4 やSrCrO4 を選択すればよ
い。しかし、その場合は塗料密着性の劣化が懸念され
る。逆に、塗料密着性を重視する場合は、溶解度の小さ
いBaCrO4 やPbCrO4 を選定する方が望まし
い。何れにしてもどの特性を重視するかによって使用す
るクロム酸塩を選択すればよい。
性を重視するか、即ち耐食性を重視するとなれば、溶解
度の大きいZnCrO4 やSrCrO4 を選択すればよ
い。しかし、その場合は塗料密着性の劣化が懸念され
る。逆に、塗料密着性を重視する場合は、溶解度の小さ
いBaCrO4 やPbCrO4 を選定する方が望まし
い。何れにしてもどの特性を重視するかによって使用す
るクロム酸塩を選択すればよい。
【0009】また、更に粒子の溶解度或いは樹脂中への
粒子含有操作を比較的容易にするためにクロム酸塩微粒
子の表面を極薄膜で被覆(いわゆるカプセル化)した粒
子を使用することも可能である。カプセル粒子を使用す
る利点は、例えば、水系樹脂に粒子を含有させる場合、
粒子が溶解し過ぎてCr6+イオンが一定量以上発生する
と、樹脂と反応して、樹脂自体がゲル化することがあ
る。本発明の難溶性クロム酸塩粒子では顕著な現象は起
こらなかったが、実際の樹脂への粒子含有操作におい
て、カプセル粒子の方が含有させ易いことが観察され
た。
粒子含有操作を比較的容易にするためにクロム酸塩微粒
子の表面を極薄膜で被覆(いわゆるカプセル化)した粒
子を使用することも可能である。カプセル粒子を使用す
る利点は、例えば、水系樹脂に粒子を含有させる場合、
粒子が溶解し過ぎてCr6+イオンが一定量以上発生する
と、樹脂と反応して、樹脂自体がゲル化することがあ
る。本発明の難溶性クロム酸塩粒子では顕著な現象は起
こらなかったが、実際の樹脂への粒子含有操作におい
て、カプセル粒子の方が含有させ易いことが観察され
た。
【0010】ところが、難溶性クロム酸塩は微粒の粉体
であり、単独では鋼板表面に密着した処理層を形成させ
ることはできない。そのため微粒粉体のバインダー機能
を有するものとして有機樹脂を選択した。この場合、従
来の樹脂クロメートがクロムイオンを使用しているため
に水系樹脂を使用せざるを得ないのに比べれば、本発明
のように、粉体を使用する場合、使用する樹脂の選択範
囲が格段に広がる。即ち水系だけでなく溶剤系樹脂も使
用可能となる。
であり、単独では鋼板表面に密着した処理層を形成させ
ることはできない。そのため微粒粉体のバインダー機能
を有するものとして有機樹脂を選択した。この場合、従
来の樹脂クロメートがクロムイオンを使用しているため
に水系樹脂を使用せざるを得ないのに比べれば、本発明
のように、粉体を使用する場合、使用する樹脂の選択範
囲が格段に広がる。即ち水系だけでなく溶剤系樹脂も使
用可能となる。
【0011】図1に示すように、本発明の樹脂クロメー
トと特公平4−27919号公報に記載された樹脂クロ
メートの、NaOH溶液中へのクロム溶出試験結果を示
す。本発明の方が、クロム溶出が少ない、即ち処理液の
汚染回避或いは塗料密着性が確保され易いと期待でき
る。ここで言う難溶性クロム酸塩とはCaCrO4 ,Z
nCrO4 ,SrCrO4 ,BaCrO4 ,PbCrO
4 である。また該粉体を含有させる樹脂としては、アク
リル系樹脂、エポキシ系樹脂又はウレタン系樹脂等があ
る。
トと特公平4−27919号公報に記載された樹脂クロ
メートの、NaOH溶液中へのクロム溶出試験結果を示
す。本発明の方が、クロム溶出が少ない、即ち処理液の
汚染回避或いは塗料密着性が確保され易いと期待でき
る。ここで言う難溶性クロム酸塩とはCaCrO4 ,Z
nCrO4 ,SrCrO4 ,BaCrO4 ,PbCrO
4 である。また該粉体を含有させる樹脂としては、アク
リル系樹脂、エポキシ系樹脂又はウレタン系樹脂等があ
る。
【0012】ところで、難溶性クロム酸塩微粒子の大き
さ或いは樹脂塗膜厚みについては、目的用途によって使
い分ければ良い。即ち、自動車に使用されているような
有機複合鋼板への適用を考える場合は、塗膜厚み1〜3
μm、微粒子粒径は、その厚み以下が望ましい。塗膜が
厚くなりすぎると、電着塗装処理ができなくなる。ま
た、微粒子径が塗膜厚よりも大きくなりすぎると、微粒
子が塗膜外面に顔を出した形になって表面平滑性を劣化
させ、その結果、その後のプレス加工や塗装性が不十分
となり得る問題も発生してくる。また、家電や建材の場
合は、樹脂クロメート処理のまま使用することもあり、
塗膜もある程度厚くすることもできる。上限は特にない
が、コストや製造工程の関係で大凡30μmまでがよ
い。次に本発明の実験例について説明する。
さ或いは樹脂塗膜厚みについては、目的用途によって使
い分ければ良い。即ち、自動車に使用されているような
有機複合鋼板への適用を考える場合は、塗膜厚み1〜3
μm、微粒子粒径は、その厚み以下が望ましい。塗膜が
厚くなりすぎると、電着塗装処理ができなくなる。ま
た、微粒子径が塗膜厚よりも大きくなりすぎると、微粒
子が塗膜外面に顔を出した形になって表面平滑性を劣化
させ、その結果、その後のプレス加工や塗装性が不十分
となり得る問題も発生してくる。また、家電や建材の場
合は、樹脂クロメート処理のまま使用することもあり、
塗膜もある程度厚くすることもできる。上限は特にない
が、コストや製造工程の関係で大凡30μmまでがよ
い。次に本発明の実験例について説明する。
【0013】
実施例1 実験は、Zn−Ni合金めっき鋼板(20g/m2 )
に、各種クロメート処理を実施した。処理したクロメー
トは、本発明の樹脂クロメートとして、難溶性クロム酸
塩であるBaCrO4 及びZnCrO4 粒子をアクリル
樹脂中に含有させたもの、一方、比較として、従来のC
rO3 −SiO2 型塗布クロメート及びCrO3 −H2
SO4 液中で電解によって得られた電解クロメート上
に、アクリル樹脂1μmを塗装したものを使用した。そ
の評価は、耐食性を、処理した鋼板を塩水噴霧試験50
日後の錆発生率で行った。また塗料密着性は、アルキッ
ドメラミン系塗料を25μm塗装したのち、温水浸漬後
2mmゴバン目×100マス→テーピングで、その塗膜
剥離状況を評価した。
に、各種クロメート処理を実施した。処理したクロメー
トは、本発明の樹脂クロメートとして、難溶性クロム酸
塩であるBaCrO4 及びZnCrO4 粒子をアクリル
樹脂中に含有させたもの、一方、比較として、従来のC
rO3 −SiO2 型塗布クロメート及びCrO3 −H2
SO4 液中で電解によって得られた電解クロメート上
に、アクリル樹脂1μmを塗装したものを使用した。そ
の評価は、耐食性を、処理した鋼板を塩水噴霧試験50
日後の錆発生率で行った。また塗料密着性は、アルキッ
ドメラミン系塗料を25μm塗装したのち、温水浸漬後
2mmゴバン目×100マス→テーピングで、その塗膜
剥離状況を評価した。
【0014】その結果、図2(A)及び(B)に示すよ
うに、本発明の樹脂クロメートは、従来のCrO3 −S
iO2 系塗布型クロメートやCrO3 −H2 SO4 系電
解クロメートと比較して、耐食性及び塗料密着性にバラ
ンスの取れた樹脂クロメートとなっている。ところで、
本発明にとりかかった時に、難溶性クロム酸塩微粒子を
クロムイオン(Cr6+)の供給源として有効に活用でき
るかが問題であった。そこで、全pH域で微粒子の溶解
性を調査した結果、図3で示すように、全pH範囲で微
量溶解し、アルカリ性>酸性>中性の順に溶解しやすい
ことが確認できた。このことは腐食環境がアルカリ性又
は酸性域に傾くことから、本発明者らが考えたクロムイ
オン(Cr6+イオン)の効果が期待できることも確認さ
れた。
うに、本発明の樹脂クロメートは、従来のCrO3 −S
iO2 系塗布型クロメートやCrO3 −H2 SO4 系電
解クロメートと比較して、耐食性及び塗料密着性にバラ
ンスの取れた樹脂クロメートとなっている。ところで、
本発明にとりかかった時に、難溶性クロム酸塩微粒子を
クロムイオン(Cr6+)の供給源として有効に活用でき
るかが問題であった。そこで、全pH域で微粒子の溶解
性を調査した結果、図3で示すように、全pH範囲で微
量溶解し、アルカリ性>酸性>中性の順に溶解しやすい
ことが確認できた。このことは腐食環境がアルカリ性又
は酸性域に傾くことから、本発明者らが考えたクロムイ
オン(Cr6+イオン)の効果が期待できることも確認さ
れた。
【0015】実施例2 冷延・焼鈍した鋼板をアルカリ脱脂し、10%硫酸で酸
洗した後、水洗し、硫酸酸性のZn−Ni合金めっき液
中で陰極電解し、Zn−12%Ni合金めっき(20g
/m2 )を製造し、該鋼板に対して以下の処理を実施し
た。バーコート法にて、樹脂膜厚1μmを目標に処理を
行った。 BaCrO4 微粒子含有アクリル樹脂塗装 BaCrO4 含有量;1〜30wt%(非カプセル粒
子) BaCrO4 微粒子含有ウレタン樹脂塗装 BaCrO4 含有量;1〜30wt%(非カプセル粒
子) BaCrO4 微粒子含有アクリルエマルジョン樹脂塗
装(カプセル粒子) ZnCrO4 微粒子含有エポキシ樹脂塗装(カプセル
粒子)
洗した後、水洗し、硫酸酸性のZn−Ni合金めっき液
中で陰極電解し、Zn−12%Ni合金めっき(20g
/m2 )を製造し、該鋼板に対して以下の処理を実施し
た。バーコート法にて、樹脂膜厚1μmを目標に処理を
行った。 BaCrO4 微粒子含有アクリル樹脂塗装 BaCrO4 含有量;1〜30wt%(非カプセル粒
子) BaCrO4 微粒子含有ウレタン樹脂塗装 BaCrO4 含有量;1〜30wt%(非カプセル粒
子) BaCrO4 微粒子含有アクリルエマルジョン樹脂塗
装(カプセル粒子) ZnCrO4 微粒子含有エポキシ樹脂塗装(カプセル
粒子)
【0016】PbCrO4 微粒子含有ウレタン変性エ
ポキシ樹脂塗装 塗布クロメート+アクリル樹脂塗装(比較例) 電解クロメート+アクリル樹脂塗装(比較例) アクリル樹脂塗装(比較例) 以上の樹脂クロメート処理材及び比較材の特性(耐食性
と塗料密着性)を評価した結果を表1にまとめる。
ポキシ樹脂塗装 塗布クロメート+アクリル樹脂塗装(比較例) 電解クロメート+アクリル樹脂塗装(比較例) アクリル樹脂塗装(比較例) 以上の樹脂クロメート処理材及び比較材の特性(耐食性
と塗料密着性)を評価した結果を表1にまとめる。
【0017】
【表1】
【0018】なお評価条件及び評価基準は以下の通り。 (1)耐食性・・・未塗装材にクロスカットを入れ、複
合腐食条件下で赤錆発生及び孔食深さを測定した。 ◎・・・複合腐食試験200サイクル後にクロスカット
部の赤錆発生10%以下であり、孔食深さ0mm 〇・・・複合腐食試験200サイクル後にクロスカット
部の赤錆発生50%以下であり、孔食深さ0.1mm以
下 △・・・複合腐食試験200サイクル後にクロスカット
部の赤錆発生100%であり、孔食深さ0.1〜0.3
mm ×・・・複合腐食試験200サイクル後にクロスカット
部の赤錆発生100%であり、孔食深さ0.3mm以上 *複合腐食試験条件;塩水噴霧(35℃×6Hr)、乾
燥(70℃,60%×4Hr)、湿潤(49℃,>95
%×4hr)、冷凍(−20℃×4Hr)の順に行い、
これを1サイクルとする。
合腐食条件下で赤錆発生及び孔食深さを測定した。 ◎・・・複合腐食試験200サイクル後にクロスカット
部の赤錆発生10%以下であり、孔食深さ0mm 〇・・・複合腐食試験200サイクル後にクロスカット
部の赤錆発生50%以下であり、孔食深さ0.1mm以
下 △・・・複合腐食試験200サイクル後にクロスカット
部の赤錆発生100%であり、孔食深さ0.1〜0.3
mm ×・・・複合腐食試験200サイクル後にクロスカット
部の赤錆発生100%であり、孔食深さ0.3mm以上 *複合腐食試験条件;塩水噴霧(35℃×6Hr)、乾
燥(70℃,60%×4Hr)、湿潤(49℃,>95
%×4hr)、冷凍(−20℃×4Hr)の順に行い、
これを1サイクルとする。
【0019】(2)塗料密着性・・・樹脂クロメート処
理後に関西ペイント製メラミンアルキッド系塗装(25
μm厚)を実施、 1次密着性;2mmゴバン目×100マス→テーピン
グとエリクセン6mm押出し→テーピング 2次密着性;沸騰水中30分間浸漬後直ちに2mmゴ
バン目と6mmエリクセンを実施。 ◎・・・塗膜剥離評点0かつ塗膜の欠けもなし 〇・・・塗膜剥離評点0かつ塗膜の欠け10個以下 △・・・塗膜剥離評点0かつ塗膜の欠け50個以下 ×・・・塗膜剥離評点5以下
理後に関西ペイント製メラミンアルキッド系塗装(25
μm厚)を実施、 1次密着性;2mmゴバン目×100マス→テーピン
グとエリクセン6mm押出し→テーピング 2次密着性;沸騰水中30分間浸漬後直ちに2mmゴ
バン目と6mmエリクセンを実施。 ◎・・・塗膜剥離評点0かつ塗膜の欠けもなし 〇・・・塗膜剥離評点0かつ塗膜の欠け10個以下 △・・・塗膜剥離評点0かつ塗膜の欠け50個以下 ×・・・塗膜剥離評点5以下
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の実施によっ
て、耐食性と塗料密着性とのバランスのとれたクロメー
ト処理鋼板が得られる。また、従来の樹脂クロメートに
比較して、クロム溶出が少なく、関連処理工程の処理液
を汚染せず、塗料密着性がより向上した処理鋼板となる
優れた効果を奏するものである。
て、耐食性と塗料密着性とのバランスのとれたクロメー
ト処理鋼板が得られる。また、従来の樹脂クロメートに
比較して、クロム溶出が少なく、関連処理工程の処理液
を汚染せず、塗料密着性がより向上した処理鋼板となる
優れた効果を奏するものである。
【図1】アルカリ溶液中クロム溶出試験結果を示す図、
【図2】本発明と従来との塗料密着性及び錆発生率の関
係を示す図、
係を示す図、
【図3】各液pHにおける難溶性クロム酸塩粒子の溶解
性を示す図である。
性を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 両面或いは片面に金属めっきされた鋼板
上に、難溶性クロム酸塩微粒子を有機樹脂中に含有させ
た樹脂クロメート皮膜を被覆したことを特徴とする耐食
性と塗料密着性に優れた樹脂クロメート処理鋼板。 - 【請求項2】 両面或いは片面に金属めっきされた鋼板
上に、表面を極薄膜で包覆した難溶性クロム酸塩微粒子
を有機樹脂中に含有させた樹脂クロメート皮膜を被覆し
たことを特徴とする耐食性と塗料密着性に優れた樹脂ク
ロメート処理鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32502493A JPH07180068A (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 耐食性及び塗料密着性に優れた樹脂クロメート処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32502493A JPH07180068A (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 耐食性及び塗料密着性に優れた樹脂クロメート処理鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07180068A true JPH07180068A (ja) | 1995-07-18 |
Family
ID=18172296
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32502493A Withdrawn JPH07180068A (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 耐食性及び塗料密着性に優れた樹脂クロメート処理鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07180068A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997000337A1 (fr) * | 1995-06-15 | 1997-01-03 | Nippon Steel Corporation | Feuille d'acier a surface traitee pourvue d'un revetement de resine a conversion chimique et procede de fabrication de ladite feuille |
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1993
- 1993-12-22 JP JP32502493A patent/JPH07180068A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997000337A1 (fr) * | 1995-06-15 | 1997-01-03 | Nippon Steel Corporation | Feuille d'acier a surface traitee pourvue d'un revetement de resine a conversion chimique et procede de fabrication de ladite feuille |
| US5897948A (en) * | 1995-06-15 | 1999-04-27 | Nippon Steel Corporation | Surface-treated steel sheet with resin-based chemical treatment coating and process for its production |
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