JPH0718093B2 - ポリエステル含有繊維の染色法及び染色助剤 - Google Patents

ポリエステル含有繊維の染色法及び染色助剤

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JPH0718093B2
JPH0718093B2 JP1303611A JP30361189A JPH0718093B2 JP H0718093 B2 JPH0718093 B2 JP H0718093B2 JP 1303611 A JP1303611 A JP 1303611A JP 30361189 A JP30361189 A JP 30361189A JP H0718093 B2 JPH0718093 B2 JP H0718093B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリエステル繊維を分散染料を用いて、水性媒
体中、アルカリ性域で吸尽染色する際の、分散染料の分
解を防止し、再現性よく染色を行うための染色法及び該
染色法に有効な染色助剤に関するものである。
〔従来の技術〕
ポリエステル繊維の染色は、一般的に、分散染料を用い
て弱酸性(pH5〜7)の染浴で、120〜140℃温度にて実
施される。これは、分散染料がアルカリ性の染浴中では
不安定であるため、アルカリ性では染布を再現性よく同
一色調に染色することが難しいためである。
しかし、近年、ポリエステル繊維をpH8〜10のアルカリ
性域で染色できないか、との新しい技術的要求が出てき
た。この第1の理由は、ポリエステル繊維のアルカリ精
練処理と染色処理とを同じ工程で同時に実施し、染色プ
ロセスの合理化を図ることが可能となるためである。
すなわち、通常、ポリエステル繊維の染色加工に際して
は、紡糸・紡積・織布等の工程で使用されている油剤・
糊剤等に起因する染色加工への弊害を無くすため、染色
工程の前工程として、精練装置等を用い繊維から油剤・
糊剤等を除去するアルカリ性での精練処理を行うのが一
般である。これは油剤は界面活性剤による洗浄で除去で
きるものの、糊剤(ポリアクリル酸エステル系、ポリビ
ニルアルコール系等)については、アルカリでないと除
去できないためである。そこで、省エネルギー、省力化
の観点から、合理化染色法の一つとして精練処理と染色
加工を同浴で実施する、一浴精練・染色加工が染色工場
にて種々検討されている。
しかしながら、通常の精練処理は多くのアルカリを使用
しており、多量のアルカリは糊剤の除去には必要不可欠
のものであるが、この量のアルカリと分散染料が同浴に
存在すると、精練処理後の染色条件即ち、120〜140℃の
温度ではアルカリの作用により分散染料の分解が起り染
色が良好に行なわれない。
そこで、従来、これを回避する方法として、熱により酸
性物質を発生する薬剤を染色浴に存在させ、精練処理は
アルカリ性で行い、染色時には染色浴の温度を上昇させ
ることにより、染浴のpHを酸性へスライドさせ、染色条
件下で分散染料を分解することなく染色する方法及び薬
剤が提案されている(例えば、特開昭60−224884号、同
60−17183号等)。しかしながら、上述のpHスライド法
は工業的には条件の僅かな違いが酸性物質を発生する薬
剤の分散速度に影響し、染色及び精練効果の再現性が不
良であるため実用化まで到っていない。
一方、第2の理由は、ポリエステル繊維とセルロース繊
維あるいは含窒素繊維(ナイロン繊維等)との混合繊維
を分散染料及び反応染料の両方を用いて、アルカリ性媒
体中で同時に染色することが可能となるためである。
すなわち、セルロース繊維又は含窒素繊維の染色は、通
常、反応染料を用いて、pH12〜13のアルカリ性域で、60
〜100℃の温度で実施される。したがって、ポリエステ
ル繊維とセルロース繊維との染色条件は、pH及び温度の
点において、明確に区別される。そのため、両繊維の混
合繊維を染色する場合には、染色工程を2つに分け、異
なるpH域の染浴、異なる温度で染色を行う必要がある。
ところが、近年、前記混合繊維を分散染料と反応染料を
配合した一つの染浴で両繊維を同時に染色する方法が試
みられている。この方法では、染色温度は120〜140℃と
し、pHについては、両繊維の染色pHの中間であるpH8〜1
0程度を採用する。この場合分散染料として、比較的に
アルカリ性に強いものを選定し、一方、反応染料として
も、弱いアルカリ性でも反応が進行し、しかも、高温で
も安定なものを選定する必要がある。しかしながら、こ
の方法に於ても、分散染料の分解は避け固く、再現性よ
く、ポリエステル繊維を染色することは難しい。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者等は上記実情に鑑み、ポリエステル含有繊維を
分散染料を用いて、水性媒体中、アルカリ性域で吸尽染
色する際の分散染料の分解を防止し、再現性良く染色を
行うための染色法について鋭意検討した結果、染色浴中
にアミノ酸を存在させることにより良好な結果が得られ
ることを見い出し、先に特許出願を行なった(特開昭63
−145038号)。
しかしながら、ポリエステル繊維とセルロース繊維ある
いは含窒素繊維との混合繊維を分散染料と反応染料を用
いてアミノ酸の存在下アルカリ性域で吸尽染色した場合
には、ポリエステル繊維は良好に染色されるものの、セ
ルロース繊維の染色が不十分である。そこで更に検討を
重ねた結果、特定のアミノ酸誘導体を存在させた場合に
は、分散染料及び反応染料の安定化が図られ、ポリエス
テル繊維単独、あるいはこれとセルロース繊維あるいは
含窒素繊維との混合繊維のいずれも良好染色できること
を見い出した。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の要旨は、ポリエステル含有繊維を分散染料を用
いて染色するに当り、染色浴中にアミノ基の水素原子の
少なくとも1つが特定の有機基で置換されたアミノ酸誘
導体及びそのアルカリ金属塩からなるグループから選ば
れた少なくとも1種のアミノ酸類を存在させ、水媒体中
アルカリ性域で染色することを特徴とするポリエステル
含有繊維の染色法に存する。更に本発明の他の要旨は、
上記染色法を可能とする染色助剤に関し、即ち、アミノ
基の水素原子の少なくとも1つが特定の有機基で置換さ
れたアミノ酸誘導体及びそのアルカリ金属塩からなるグ
ループから選択されたアミノ酸類2〜50重量%とアルカ
リ金属化合物0.5〜10重量%を溶解した水溶液からなる
ことを特徴とするポリエステル含有繊維用染色助剤に存
する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で使用される分散染料としては、特に限定されな
いが、モノアゾ系、ジスアゾ系等のアソ系分散染料及
び、染料構造中にアルカリ性雰囲気で加水分解を受けや
すい置換基、例えば、アセチルアミノ基、芳香環に置換
したシアノ基及び−OCO−R基(但しRはC1〜3のア
ルキル基、又はフェニル基)等を有するアントラキノ
ン、フタロシアニン、銅ホルマザン等の分散染料が挙げ
られ、特に、アゾ系染料が有利に使用される。これら染
料の構造としては、通常、下記一般式で示される分散染
料が挙げられる。
(式中、X1〜X3は水素原子、低級アルキル基、ニトロ
基、シアノ基又はハロゲン原子を、Y1は水素原子、低級
アルコキシ基又は低級アルキル基を、Y2は水素原子又は
アシルアミノ基を、R1及びR2は水素原子、シアノ基、ヒ
ドロキシル基、ハロゲン原子、アルキルカルボニル基、
低級アルキルカルボニルオキシ基、フェニル基、フェノ
キシ基もしくはベンゾイルオキシ基で置換されていても
よい低級アルキル基を示す) (式〔II〕及び〔III〕中、X4〜X5は水素原子、ハロゲ
ン原子、又はニトロ基を示し、Y1、Y2、R1及びR2は前記
定義と同じ) (式中、X6は水素原子、ニトロ基、低級アルキル基又は
ハロゲン原子を、Y3は水素原子、低級アルキル基又は低
級アルコキシ基を示し、R1及びR2は前記定義と同じ) (式中、X7は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基又はア
ルコキシルカルボニルアミノ基を有し、Y1は前記定義と
同じ) (式中、Z1は水素原子又はメチル基を示し、 X6、Y1、R1及びR2は前記定義と同じ) 本発明におけるアゾ系の分散染料の代表的な具体例とし
ては、例えば、下記構造式の分散染料が挙げられる。
一方、ポリエステル含有繊維がポリエステル繊維とセル
ロース繊維あるいは含窒素繊維との混合繊維である場
合、これを染色する際に使用される反応染料としては、
例えば、ビニルスルホン型、ハロゲノトリアジン型及び
ニコチン酸類で置換されたトリアジン型などの反応基を
有する水溶性の反応染料が挙げられる。この反応染料の
母体構造としては、通常、モノアゾ系、ジスアゾ系、ア
ントラキノン系、フタロシアニン系、銅ホルマザン系な
どが挙げられる。かかる混合繊維染色用反応染料として
は、高温で安定な反応染料として既に市販されている染
料、例えば、日本化薬社、商品名Kayacelon React Seri
es等を使用することができる。
本発明におけるポリエステル含有繊維の染色法は、ポ
リエステル繊維のアルカリ精練処理を兼ねた染色法、及
び、ポリエステル繊維とセルロース繊維などとの混合
繊維を同じ染色浴で染色する方法の2つのケースを包含
する。
しかし、いずれの場合も、本発明の染色法は、水性媒体
からの吸尽染色法であり、染色浴のpHがアルカリ性域で
あることが前提である。そして、染色浴のpH条件として
は、通常、8〜11の範囲が適している。すなわち、通常
の分散染料を用いる染色法は弱酸性域で実施することが
常識であるが、本発明においては、アルカリ性域での染
色のみを対象とするものである。
pH調整剤としては、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアル
カリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等のアルカリ
金属化合物が使用できるが、好ましくは水酸化ナトリウ
ムが適している。
本発明では、かかるアルカリ性域でポリエステル含有繊
維を吸尽染色するに当り、染浴に特定のアミノ酸誘導体
及び/又はそのアルカリ金属塩を存在させることを必須
の要件とする。
本発明で対象となるアミノ酸誘導体としては、アミノ酸
中のアミノ基の水素原子の少なくとも1つが特定の有機
基で置換された化合物である。すなわち、アミノ基の水
素原子の1個又は2個、好ましくは2個が特定の有機基
によって置換された化合物である。また、アミノ基を2
つ以上有するアミノ酸については、一方のアミノ基の水
素原子の少なくとも1つが置換されていれば十分であ
る。しかし、ポリエステル繊維とセルロース繊維などと
の混合繊維の染色に用いる場合には、全てのアミノ基の
全ての水素原子が置換されていることが必要である。こ
のアミノ酸誘導体のアミノ酸部分としては、例えばグリ
シン、アラニン、アミノ酪酸、アミノカプロン酸等の中
性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性ア
ミノ酸及びリジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸が挙
げられ、好ましくは、グリシン、アラニン等の中性アミ
ノ酸及びグルタミン酸であり、更に好ましくは、グリシ
ン又はアラニン等の中性アミノ酸であり、特にグリシン
が好ましい。アミノ酸の置換基としては、アミノ酸の水
溶性を損ねることなく、また、染色浴中で悪影響を及ぼ
さないものであれば特に限定されないが、通常、アルキ
ル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、
シアノアルキル基、アシル基、アリル基、ポリアルキレ
ンオキシド基(n=2〜4)、アルキルエーテルポリア
ルキレンオキシド基(n=2〜4)、なかでも、メチル
基、エチル基、プロピル基等のC1〜C4アルキル基;メト
キシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等
のC1〜C4アルコキシC1〜C4アルキル基;ヒドロキシエチ
ル基、ヒドロキシプロピル基等のC1〜C4ヒドロキシアル
キル基;シアノメチル基、シアノエチル基等のC1〜C4
アノアルキル基;アセチル基等のアシル基;アルケニル
基等のアリル基;ポリ低級アルキレンオキシド基(n=
2〜4);低級アルキルエーテルポリ低級アルキレンオ
キシド基(n=2〜4)などが挙げられ、特にC1〜C4
ルキル基、C1〜C4ヒドロキシアルキル基、C1〜C4アルコ
キシC1〜C4アルキル基が好ましい。
アミノ酸誘導体としては、具体的にはN,N−ジメチルグ
リシン、N−メチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエ
チルグリシン及びN−メチルアラニンが好ましく、特に
N,N−ビスヒドロキシグリシンが好ましい。
なお、アミノ酸誘導体のアルカリ金属塩としては、通
常、ナトリウム塩である。本発明ではアルカリ性媒体中
にアミノ酸誘導体を添加するので、これらは系内ではア
ルカリ金属塩となって存在することとなる。
尚、ポリエステル繊維とセルロース繊維の混合繊維を同
浴で染色する場合には、アミノ基の水素原子の全てが特
定の有機基で置換されたアミノ酸誘導体及び/又はその
塩を用いる必要がある。これは、未置換のアミノ基を有
するアミノ酸類が反応染料に対して悪影響を及ぼし、そ
の結果、セルロース繊維の染色が不良になるからであ
る。混合繊維を染色する場合に有効なアミノ酸誘導体
は、上述のアミノ酸誘導体のうち、アミノ基の水素原子
の全てが特定の有機基で置換されたアミノ酸誘導体であ
れば特に限定されないが、好適なアミノ酸誘導体はN,N
−ジメチルグリシン及びN,N−ビスヒドロキシエチルグ
リシンであり、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシンが
特に好ましい。
これらアミノ酸誘導体又はその塩の使用量は、分散染料
の分解防止効果の点から染浴に対し通常、0.02〜0.8g/
l、好ましくは0.05〜0.4g/lの範囲である。
本発明染色法の対象繊維としては、ポリエステル繊維、
及びポリエステル繊維と他の繊維から成る織物、編物も
しくは不織布あるいは糸等のいずれにも適用できる。上
記他の繊維としては、コットン、麻、レーヨン等のセル
ロース繊維、ナイロン、ウール、シルク等の含窒素繊維
などが挙げられる。染色条件としては、前述の如く、ア
ルカリ性域、好ましくはpH8〜11、更に好ましくは8〜1
0で、通常、ポリエステル繊維の染色に適用する加圧
下、温度120〜140℃が採用できる。本発明の染色を実施
するには、染色浴に通常2〜50重量%の上記アミノ酸類
と0.5〜10重量%のアルカリ金属化合物、好ましくは水
酸化ナトリウムを溶解した水溶液よりなる染色助剤を、
染色浴のpH及びアミノ酸類の含有量が上述の範囲となる
様、所定量添加し、染色処理を開始するのが望ましい。
尚、本発明の染色法に於ては、通常の染色法に従って染
色した後に一般に行われている繊維に対する帯電防止加
工、柔軟加工等の後加工処理も常法に準じて実施可能で
ある。
本発明によれば、ポリエステル繊維類の染色をアルカリ
性域で行なった場合でも、染色浴にアミノ酸誘導体を存
在させた場合には分散染料の分解が起こらず、良好に染
色することができる。
かかるアミノ酸類の作用については解析不充分である
が、現時点ではアミノ酸類の持つ緩衝作用、キレート作
用等による染料分解防止効果に起因すると推定してい
る。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明は以下の記載により何等限定されるものではない。
〔実施例〕
実施例1〜10及び参考例1 下記〔A〕,〔B〕又は〔C〕で表わされる分散染料20
部をナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物40部、リグ
ニンスルホン酸ソーダ40部と水を加えスラリーとした
後、サンドミルを用いて充分に微粉砕した。次いで、ス
プレードライヤーで乾燥し、各分散染料組成物を製造し
た。
上記〔A〕、〔B〕及び〔C〕で表わされる分散染料を
含有する分散染料組成物を4:2:4(重量比)で混合した
分散染料組成物の混合物(ブラック品)を被染色物に対
して4重量%となる様使用し、染色助剤として均染剤Di
aserver LR−PSL(三菱化成社、商品名)0.5g/l、添加
剤として第1表に示したアミノ基の水素原子で置換され
たアミノ酸誘導体を第1表に記載の量使用し、かつ、第
1表に記載のアルカリで染浴のpHを9.5に調整し、未精
練ポリエステル織物、トロピカル(東レ株式会社製、商
品名)を浴比1:10、染色温度130℃で60分間染色を行っ
た。その後、常法に従い洗浄、乾燥を行い染布を得た。
又、染色布評価の基準として、アミノ酸誘導体を使用せ
ず酢酸及び酢酸ナトリウムを使用して、一般にポリエス
テル繊維の染色に採用されているpH5.0(弱酸性)に調
整した以外は、上記と同様にして染浴を調整し染色を行
なった(参考例1)。参考例1で得られた染色布を基準
として各染色布の染色結果を評価し、結果を第1表に示
した。
尚、染色布の評価方法は下記の通りである。
<評価方法> 界面濃度−染色布の反射率をマクベス社製分光光度計
(MS−2020)にて測定し、DIN6164(DIN表色系)に従っ
て、θ値を算出し、参考例1に於ける価を100とした場
合の相対値で表した。
色調差−染色布の反射率をマクベス社製分光光度系(MS
−2020)にて測定し、CIEL*a*b*から、参考例1で得ら
れた染色布に対する色相差ΔEを求めた。ΔEの数値が
大きいほど色が異なることを表し、染色物の色違いの目
安としては、ΔEが1.0以下であれば問題ない。
繊維表面状態−走査型電子顕微鏡を用いて、繊維表面に
残存している糊剤や染色時に溶出するポリエステルのオ
リゴマーの付着状態を評価した。
比較例1 染色浴のpHを9.5に維持するために、アルカリとして重
曹及びソーダ灰を用い、そして、アミノ酸誘導体を添加
しなかった以外は実施例1と同様にして染色及び染色結
果の評価を行なった。結果を第1表に示した。
比較例2 比較例1において、アルカリとして重曹/ソーダ灰の代
りに苛性ソーダを用いた以外は比較例1と同様にして染
色及び染色結果の評価を行なった。結果を第1表に示し
た。
尚、この方法では染浴の初期pHは9.5に調節したもの
の、終了時のpHは約6.0に低下していた。これは、苛性
ソーダが強アルカリであるので、初期pHを9.5に調節す
るために少量の苛性ソーダを使用しているが、この少量
のアルカリがポリエステルのオリゴマー又は糊剤などに
よって消費されたためである。
第1表の結果から明らかな様に従来、ポリエステルの染
色を行なっている弱酸性条件下で未精練ポリエステルの
染色を行なった参考例1では精練が行なわれないため、
繊維の表面状態は不良である。またアルカリ条件下で未
精練ポリエステルの染色を行なった場合、アミノ酸誘導
体を使用しない比較例1では繊維の表面状態は良好であ
るものの、染色布の表面濃度が劣り、色調差も大きい。
又、アルカリとして、実施例と同じ苛性ソーダを使用
し、アミノ酸誘導体を使用しない比較例2では、染色布
の表面濃度及び色調は参考例1とほぼ同等であるもの
の、染色中に染浴のpHが降下するため、精練処理が十分
に行なわれておらず、繊維の表面状態が不良となる。こ
れらに対し、アルカリ条件下、アミノ酸誘導体の存在下
で未精練ポリエステルの染色を行なった実施例では、染
色布の表面濃度及び色調は、参考例1と同等で、しかも
繊維の表面状態も良好であり、精練と混色が同時に行な
われたことがわかる。
実施例11〜55 実施例1における〔A〕,〔B〕又は〔C〕で表わされ
る染料に代えて第2表に示す染料を用いて実施例1と同
様にして染料組成物を製造し、これらを用いて実施例1
と同様にして染色を行なった。結果を第2表に示す。
実施例56〜57、及び比較例3及び参考例2〜3(混合繊
維の染色例) 下記構造式〔D〕で表わされる分散染料を用いて実施例
1と同様にして製造した分散染料含有組成物(オレン
ジ)と下記構造式〔d〕で表わされる反応染料(オレン
ジ)を各々、被染物に対して1重量%使用し、均染剤Di
aserver DP−Pリキッド(三菱化成社、商品名)3g/l及
び第3表に示すアミノ酸誘導体(実施例56、57)又はア
ミノ酸(比較例3)を含み、苛性ソーダによりpH9.5に
調節された染色浴200ml中にて、ポリエステル織物5g及
びコットン織物5gを染色温度130℃で60分間、染色を行
った。その後、常法に従い洗浄、乾燥を行い染布を得
た。
尚、染色布評価の基準としてアミノ酸誘導体を使用せ
ず、アルカリとしてソーダ灰を使用してpHを9.5に調整
した以外は同様にして染浴を調整しコットンの染色を行
なった(参考例2)。又、染色布評価の基準として、ア
ミノ酸誘導体を使用せず、酢酸及び酢酸ナトリウムを使
用して一般にポリエステル繊維の染色に採用されている
pH5.0(弱酸性)に調整した以外は同様にして染浴を調
整し、ポリエステルの染色を行なった(参考例3)。
参考例2及び3で得られた染色布を基準として各染色布
の染色結果実施例1と同様に評価し、結果を第3表に示
した。
第3表の実施例56及び57の結果から明らかな様に、分散
染料と反応染料の両方を用いてアミノ酸誘導体の存在
下、アルカリ性で染色を行なった場合には、ポリエステ
ルもコットンも良好に染色が行なわれ、従って混合繊維
の染色に有効であるのに対し、比較例3から明らかな様
に、アミノ酸であるグリシンの存在下同様に染色を行う
と、コットンの表面濃度が著しく低下し、即ち染着率が
大幅に低下する。従って、アミノ酸の存在下、アルカリ
性で混合繊維を染色することは、工業上実質的に不可能
であることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、染色浴中に、特定のアミノ酸誘導体及
び/又はそのアルカリ金属塩を存在させることにより、
従来弱酸性域で行なわれていたポリエステル繊維の染色
を、アルカリ性域において実施した場合でも、分散染料
の分解を防止しながら再現性よく行うことが可能であ
る。従って、従来技術では工業的に採用が困難だったポ
リエステル織物の一浴精練・混色法が可能となる。又、
ポリエステル繊維とセルロース繊維の混合繊維を分散染
料と反応染料を使用して同浴で染色する一浴染色法にも
適したものであり、染色工業上極めて重要である。
尚、アルカリ性で染色した場合には、染色条件下で繊維
内部より染浴中に析出するポリエステルオリゴマーが染
浴中で溶解するため、酸性での染色でみられた析出オリ
ゴマーに起因するトラブル(ターリング、粉ふき等)が
防止できると言うメリットもある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル含有繊維を分散染料を用いて
    染色するに当り、染色浴中にアミノ基の水素原子の少く
    とも1つがアルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロ
    キシアルキル基、シアノアルキル基、アシル基、アリル
    基、ポリアルキレンオキシド基(n=2〜4)、アルキ
    ルエーテルポリアルキレンオキシド基(n=2〜4)か
    らなる群から選ばれた有機基で置換されたアミノ酸誘導
    体及びそのアルカリ金属塩からなるグループから選ばれ
    た少くとも1種のアミノ酸類を存在させ、水媒体中アル
    カリ性域で染色することを特徴とするポリエステル含有
    繊維の染色法。
  2. 【請求項2】ポリエステル繊維とセルロース繊維又は含
    窒素繊維との混合繊維を分散染料と反応染料を用いて染
    色するに当り、染浴中にアミノ基の水素原子の全てがア
    ルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル
    基、シアノアルキル基、アシル基、アリル基、ポリアル
    キレンオキシド基(n=2〜4)、アルキルエーテルポ
    リアルキレンオキシド基(n=2〜4)からなる群から
    選ばれた有機基で置換されたアミノ酸誘導体及びそのア
    ルカリ金属塩からなるグループから選ばれた少なくとも
    1種のアミノ酸類を存在させ、水媒体中アルカリ性域で
    染色することを特徴とするポリエステル含有繊維の染色
    法。
  3. 【請求項3】アミノ基の水素原子を置換する有機基がC1
    〜C4アルキル基またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基であ
    る請求項1または2記載の染色法。
  4. 【請求項4】アミノ酸がグリシン、アラニン又はグルタ
    ミン酸である請求項1〜3のいずれかに記載の染色法。
  5. 【請求項5】アミノ基の水素原子の少なくとも1つがア
    ルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル
    基、シアノアルキル基、アシル基、アリル基、ポリアル
    キレンオキシド基(n=2〜4)、アルキルエーテルポ
    リアルキレンオキシド基(n=2〜4)からなる群から
    選ばれた有機基で置換されたアミノ酸誘導体及びそのア
    ルカリ金属塩からなるグループから選択されたアミノ酸
    類2〜50重量%とアルカリ金属化合物0.5〜10重量%を
    溶解した水溶液からなることを特徴とするポリエステル
    含有繊維用染色助剤。
  6. 【請求項6】アミノ基の水素原子を置換する有機基がC1
    〜C4アルキル基またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基であ
    る請求項5に記載の染色助剤。
  7. 【請求項7】アミノ酸がグリシン、アラニンまたはグル
    タミン酸である請求項5または6に記載の染色助剤。
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