JPH0718435A - マグネトロンスパッタ方法及び装置 - Google Patents
マグネトロンスパッタ方法及び装置Info
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- JPH0718435A JPH0718435A JP16137093A JP16137093A JPH0718435A JP H0718435 A JPH0718435 A JP H0718435A JP 16137093 A JP16137093 A JP 16137093A JP 16137093 A JP16137093 A JP 16137093A JP H0718435 A JPH0718435 A JP H0718435A
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Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 インライン式のマグネトロンスパッタ方法及
び装置において、使用するターゲットの利用効率を改善
ること、一定の膜形成速度を得ること、及び均一な膜特
性を得ること。 【構成】 ターゲットの背面に設けた永久磁石から成る
マグネトロン磁気回路を基板の搬送方向に沿って前後方
向に等速往復動させること、及び各基板上における成膜
速度が一定となるように磁気回路の移動方向に応してタ
ーゲットへ印加する放電パワーを制御すること。
び装置において、使用するターゲットの利用効率を改善
ること、一定の膜形成速度を得ること、及び均一な膜特
性を得ること。 【構成】 ターゲットの背面に設けた永久磁石から成る
マグネトロン磁気回路を基板の搬送方向に沿って前後方
向に等速往復動させること、及び各基板上における成膜
速度が一定となるように磁気回路の移動方向に応してタ
ーゲットへ印加する放電パワーを制御すること。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタ室内に配置し
たターゲットに対向した位置を通って連続的に搬送され
る基板上に連続的に薄膜を形成するインライン式のマグ
ネトロンスパッタ方法及び装置に関するものである。
たターゲットに対向した位置を通って連続的に搬送され
る基板上に連続的に薄膜を形成するインライン式のマグ
ネトロンスパッタ方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜をスパッタ法で形成する場
合、柝出速度が高く生産性に優れたマグネトロンカソー
ドが広く用いられている。一般的なマグネトロンカソー
ドでは、相反する磁極をもつ中央磁石とこの中央磁石を
取り囲む外周磁石とで構成された磁気回路がターゲット
背面に固定されている。このようなマグネトロンスパッ
タカソードにおいては中央磁石と外周磁石とによってタ
ーゲット表面に閉ループ状の磁場が形成され、この磁場
によって電子が閉込められてこの部分に高密度プラズマ
が発生され、高柝出速度のスパッタが可能となる。
合、柝出速度が高く生産性に優れたマグネトロンカソー
ドが広く用いられている。一般的なマグネトロンカソー
ドでは、相反する磁極をもつ中央磁石とこの中央磁石を
取り囲む外周磁石とで構成された磁気回路がターゲット
背面に固定されている。このようなマグネトロンスパッ
タカソードにおいては中央磁石と外周磁石とによってタ
ーゲット表面に閉ループ状の磁場が形成され、この磁場
によって電子が閉込められてこの部分に高密度プラズマ
が発生され、高柝出速度のスパッタが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
固定磁気回路を用いたマグネトロンスパッタでは、プラ
ズマの集中した部分において最もスパッタされ、部分的
にエロードされることになり、その結果深いV字状のタ
ーゲットエロージョンが進行するため、ターゲットの利
用効率が低いという問題があった。
固定磁気回路を用いたマグネトロンスパッタでは、プラ
ズマの集中した部分において最もスパッタされ、部分的
にエロードされることになり、その結果深いV字状のタ
ーゲットエロージョンが進行するため、ターゲットの利
用効率が低いという問題があった。
【0004】ところで、単にターゲットの利用効率を向
上させるだけであれば、ターゲット背面に設置したマグ
ネトロン磁気回路を基板搬送方向に対して前後方向に等
速往復運動させて放電プラズマの集中する部位を経時的
に移動させてやればよいが、インライン式のスパッタ装
置のように、連続して移動していく基板に成膜を行なう
場合、磁気回路の移動方向に応じて、ターゲット上でプ
ラズマが集中しスパッタが生じている部分に対する相対
的な基板の移動速度が異なってくる。例えば基板の搬送
速度が100 mm/分であり、磁気回路の移動速度が50mm/
分であると仮定すると、磁気回路が基板搬送方向と同方
向のときは、実質的な基板の移動速度は50mm/分とな
る。一方、磁気回路が基板搬送方向と逆方向に移動して
いるときは、実質的な基板の移動速度は150 mm/分とな
る。従って放電パワーが一定であれば、基板上に形成さ
れる薄膜の膜厚が3倍程度異なることになる。このよう
に、ターゲットに対し単に磁気回路を移動させただけで
は、基板通過成膜に対しては磁気回路の移動方向や移動
速度に応じて膜形成速度が異ってしまうことになる。ま
た、In−Sn−O系透明導電膜(以下単にITO 膜と記載す
る)をAr とO2 ガスを用いてスパッタ形成する場合の
ように、導入する反応ガス量に対して膜特性が最適値を
とるような薄膜を形成する場合には、上記のように磁気
回路の移動方向や相対移動速度が変化すると、膜厚と共
に膜特性についても均一な薄膜を得ることができなくな
る。
上させるだけであれば、ターゲット背面に設置したマグ
ネトロン磁気回路を基板搬送方向に対して前後方向に等
速往復運動させて放電プラズマの集中する部位を経時的
に移動させてやればよいが、インライン式のスパッタ装
置のように、連続して移動していく基板に成膜を行なう
場合、磁気回路の移動方向に応じて、ターゲット上でプ
ラズマが集中しスパッタが生じている部分に対する相対
的な基板の移動速度が異なってくる。例えば基板の搬送
速度が100 mm/分であり、磁気回路の移動速度が50mm/
分であると仮定すると、磁気回路が基板搬送方向と同方
向のときは、実質的な基板の移動速度は50mm/分とな
る。一方、磁気回路が基板搬送方向と逆方向に移動して
いるときは、実質的な基板の移動速度は150 mm/分とな
る。従って放電パワーが一定であれば、基板上に形成さ
れる薄膜の膜厚が3倍程度異なることになる。このよう
に、ターゲットに対し単に磁気回路を移動させただけで
は、基板通過成膜に対しては磁気回路の移動方向や移動
速度に応じて膜形成速度が異ってしまうことになる。ま
た、In−Sn−O系透明導電膜(以下単にITO 膜と記載す
る)をAr とO2 ガスを用いてスパッタ形成する場合の
ように、導入する反応ガス量に対して膜特性が最適値を
とるような薄膜を形成する場合には、上記のように磁気
回路の移動方向や相対移動速度が変化すると、膜厚と共
に膜特性についても均一な薄膜を得ることができなくな
る。
【0005】そこで、本発明は、上記の問題点を解決し
てターゲットの利用効率を向上させることができると同
時に、成膜速度及び膜特性を一定に維持できるようにし
たインライン式のマグネトロンスパッタ方法及び装置を
提供することを目的としている。
てターゲットの利用効率を向上させることができると同
時に、成膜速度及び膜特性を一定に維持できるようにし
たインライン式のマグネトロンスパッタ方法及び装置を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1の発明によれば、スパッタ室内に配
置したターゲットに対向した位置を通って連続的に搬送
される基板上に連続的に薄膜を形成するインライン式の
マグネトロンスパッタ方法において、永久磁石から成る
マグネトロン磁気回路を基板の搬送方向に対して前後方
向に等速往復運動させると共に、各基板上での成膜速度
が一定となるように磁気回路の移動方向に応してターゲ
ットへ印加する放電パワーを制御することを特徴として
いる。この第1の発明において、反応性ガスを導入しな
がら反応性スパッタを行う場合には、各基板上での成膜
速度が一定となるように磁気回路の移動方向に応してタ
ーゲットへ印加する放電パワーを制御すると同時に、膜
特性が一定となるように反応性ガスの導入量も制御され
得る。また本発明の第2の発明によれば、スパッタ室内
に処理すべき基板を連続して搬送する搬送系上の基板に
対向してターゲットを位置決めし、このターゲットに電
源から放電パワーを印加して連続的に搬送される基板上
に連続的に薄膜を形成するインライン式のマグネトロン
スパッタ装置において、ターゲットの背面に配置された
マグネトロン磁石回路を基板の搬送軸線に沿って前後に
往復動させる移動装置と、移動装置によるマグネトロン
磁石回路の移動方向及び移動速度並びに基板の搬送速度
に基いて基板上に形成される薄膜の析出速度及び膜特性
が一定となるよう電源の出力及び反応性ガスの導入量を
制御する制御装置を有することを特徴としている。
めに、本発明の第1の発明によれば、スパッタ室内に配
置したターゲットに対向した位置を通って連続的に搬送
される基板上に連続的に薄膜を形成するインライン式の
マグネトロンスパッタ方法において、永久磁石から成る
マグネトロン磁気回路を基板の搬送方向に対して前後方
向に等速往復運動させると共に、各基板上での成膜速度
が一定となるように磁気回路の移動方向に応してターゲ
ットへ印加する放電パワーを制御することを特徴として
いる。この第1の発明において、反応性ガスを導入しな
がら反応性スパッタを行う場合には、各基板上での成膜
速度が一定となるように磁気回路の移動方向に応してタ
ーゲットへ印加する放電パワーを制御すると同時に、膜
特性が一定となるように反応性ガスの導入量も制御され
得る。また本発明の第2の発明によれば、スパッタ室内
に処理すべき基板を連続して搬送する搬送系上の基板に
対向してターゲットを位置決めし、このターゲットに電
源から放電パワーを印加して連続的に搬送される基板上
に連続的に薄膜を形成するインライン式のマグネトロン
スパッタ装置において、ターゲットの背面に配置された
マグネトロン磁石回路を基板の搬送軸線に沿って前後に
往復動させる移動装置と、移動装置によるマグネトロン
磁石回路の移動方向及び移動速度並びに基板の搬送速度
に基いて基板上に形成される薄膜の析出速度及び膜特性
が一定となるよう電源の出力及び反応性ガスの導入量を
制御する制御装置を有することを特徴としている。
【0007】
【作用】このように構成された本発明の方法において
は、マグネトロン磁気回路を基板搬送方向に沿って前後
方向に等速往復運動させることにより、ターゲット上に
形成されるプラズマの集中する領域がターゲット上を移
動し、それによりエロージョン領域を拡げてターゲット
の利用効率を向上させることができる。また、磁気回路
の移動方向に応じてターゲットへの投入電力を制御する
ことにより、基板上での膜形成速度を一定に維持するこ
とができるようになる。さらに、基板上にITO 膜をAr
とO2 ガスを用いてスパッタ形成する場合のように、導
入する反応ガス量に対して膜特性が最適値をとるような
薄膜を形成する場合には、放電パワーが変化すると反応
性ガスの最適導入量も変化するため、磁気回路の移動方
向や移動速度に応じて放電パワーと共に反応性ガスの導
入量も変えることにより、膜厚と共に膜質に関しても常
に一定の特性を得ることができるようになる。また、本
発明の装置においては、磁気回路の移動方向及び移動速
度並びに基板の搬送速度に応じてターゲットの電源を出
力を制御する制御装置により予め設定されたパラメータ
に従って放電パワーを制御することができるようにな
る。
は、マグネトロン磁気回路を基板搬送方向に沿って前後
方向に等速往復運動させることにより、ターゲット上に
形成されるプラズマの集中する領域がターゲット上を移
動し、それによりエロージョン領域を拡げてターゲット
の利用効率を向上させることができる。また、磁気回路
の移動方向に応じてターゲットへの投入電力を制御する
ことにより、基板上での膜形成速度を一定に維持するこ
とができるようになる。さらに、基板上にITO 膜をAr
とO2 ガスを用いてスパッタ形成する場合のように、導
入する反応ガス量に対して膜特性が最適値をとるような
薄膜を形成する場合には、放電パワーが変化すると反応
性ガスの最適導入量も変化するため、磁気回路の移動方
向や移動速度に応じて放電パワーと共に反応性ガスの導
入量も変えることにより、膜厚と共に膜質に関しても常
に一定の特性を得ることができるようになる。また、本
発明の装置においては、磁気回路の移動方向及び移動速
度並びに基板の搬送速度に応じてターゲットの電源を出
力を制御する制御装置により予め設定されたパラメータ
に従って放電パワーを制御することができるようにな
る。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1には本発明の実施例のマグネトロンスパッタ装
置の要部を成すマグネトロンカソードの周辺部示す。こ
の実施例による装置は量産用のインライン式のスパッタ
装置であり、等速駆動されるキャリア1上に基板2が装
着され、スパッタ室内を矢印方向に連続して順次搬送さ
れる。キャリア1上の基板2の搬送軌道に対向した位置
にはカソード組立体3が配置され、このカソード組立体
3は、図示実施例ではIn2 O3 に10重量%のSnO2 を混
入したITO ターゲット4を有し、このターゲット4は水
冷されたバッキングプレート5にメタルボンディングさ
れ、絶縁用のテフロン板6を介してスパッタ室の壁7に
取付けられている。バッキングプレート5の背面側には
磁気ヨーク8に接着されたマグネトロン磁気回路9が設
けられ、このマグネトロン磁気回路9は、スパイラルギ
アを用いた移動機構10及びモータ11から成る移動装置に
より、矢印で示すように基板2の搬送方向に沿って前後
方向に1次元の移動ができるようにされている。また、
12はターゲット4へ直流電界を印加する直流電源であ
り、13はスパッタ室内へ開口したガス導入ノズルで、ス
パッタガス源を成すAr ガスボンベ14及び反応性ガス源
を成す酸素ガスボンベ15にそれぞれマスフローコントロ
ーラ16、17を介して連結され、スパッタガスとしてのA
r ガス及び酸素ガスをスパッタ室内へ導入するようにさ
れている。また、磁気回路移動用のモータ11、ターゲッ
ト4に対する直流電源12,及び反応性ガス用のマスフロ
ーコントローラ17はマイクロコンピュータから成り得る
制御装置18に接続され、予め設定されたプログラムに応
じて、それぞれの動作すなわち磁気回路9の移動方向及
び移動整度、放電パワー並びに反応性ガスの導入流量を
制御できるように構成されている。尚、本実施例では図
には示していないが、スパッタ室にはターボ分子ポンプ
が設置され、ガスの導入流量及びコンダクタンスバルブ
の開度を調整することによりスパッタ室内の圧力を調整
できるようになっている。
る。図1には本発明の実施例のマグネトロンスパッタ装
置の要部を成すマグネトロンカソードの周辺部示す。こ
の実施例による装置は量産用のインライン式のスパッタ
装置であり、等速駆動されるキャリア1上に基板2が装
着され、スパッタ室内を矢印方向に連続して順次搬送さ
れる。キャリア1上の基板2の搬送軌道に対向した位置
にはカソード組立体3が配置され、このカソード組立体
3は、図示実施例ではIn2 O3 に10重量%のSnO2 を混
入したITO ターゲット4を有し、このターゲット4は水
冷されたバッキングプレート5にメタルボンディングさ
れ、絶縁用のテフロン板6を介してスパッタ室の壁7に
取付けられている。バッキングプレート5の背面側には
磁気ヨーク8に接着されたマグネトロン磁気回路9が設
けられ、このマグネトロン磁気回路9は、スパイラルギ
アを用いた移動機構10及びモータ11から成る移動装置に
より、矢印で示すように基板2の搬送方向に沿って前後
方向に1次元の移動ができるようにされている。また、
12はターゲット4へ直流電界を印加する直流電源であ
り、13はスパッタ室内へ開口したガス導入ノズルで、ス
パッタガス源を成すAr ガスボンベ14及び反応性ガス源
を成す酸素ガスボンベ15にそれぞれマスフローコントロ
ーラ16、17を介して連結され、スパッタガスとしてのA
r ガス及び酸素ガスをスパッタ室内へ導入するようにさ
れている。また、磁気回路移動用のモータ11、ターゲッ
ト4に対する直流電源12,及び反応性ガス用のマスフロ
ーコントローラ17はマイクロコンピュータから成り得る
制御装置18に接続され、予め設定されたプログラムに応
じて、それぞれの動作すなわち磁気回路9の移動方向及
び移動整度、放電パワー並びに反応性ガスの導入流量を
制御できるように構成されている。尚、本実施例では図
には示していないが、スパッタ室にはターボ分子ポンプ
が設置され、ガスの導入流量及びコンダクタンスバルブ
の開度を調整することによりスパッタ室内の圧力を調整
できるようになっている。
【0009】このように構成した図示装置を用いて本発
明の方法をITO 膜の形成に実施した場合について説明す
る。基板3としてはコーニング#7059のガラス基板を用
い、膜成形中の基板3の搬送速度は150 mm/分とした。
また、マグネトロン磁気回路9の動きは、等速折り返し
運動とし、その移動速度は50mm/分とした。以下、マグ
ネトロン磁気回路9が基板3の搬送方向と同方向に動く
ときを順方向、逆方向に動くときを逆方向と記載するこ
とにする。Ar の流量は500 SCCMとし、スパッタガス圧
は5mTorrとした。また、必要に応じて、少量の酸素ガ
スを導入した。
明の方法をITO 膜の形成に実施した場合について説明す
る。基板3としてはコーニング#7059のガラス基板を用
い、膜成形中の基板3の搬送速度は150 mm/分とした。
また、マグネトロン磁気回路9の動きは、等速折り返し
運動とし、その移動速度は50mm/分とした。以下、マグ
ネトロン磁気回路9が基板3の搬送方向と同方向に動く
ときを順方向、逆方向に動くときを逆方向と記載するこ
とにする。Ar の流量は500 SCCMとし、スパッタガス圧
は5mTorrとした。また、必要に応じて、少量の酸素ガ
スを導入した。
【0010】図2には、マグネトロン磁気回路9が順方
向に動いているときと、逆方向に動いているときの放電
パワーと基板3上に形成されたITO 膜の膜厚との関係を
示している。例えば、放電パワーが1000Wで一定である
とすると、基板3上に形成されるITO 膜の膜厚は、マグ
ネトロン磁気回路9の移動方向が順方向のときには約12
00オングストロームであるのに対して、移動方向が逆方
向のときには、半分の約600 オングストロームまで膜厚
が低下してしまう。逆方向のときに同じ1200オングスト
ロームのITO 膜を形成するためには放電パワーを2000W
まで上げる必要があることが認められる。
向に動いているときと、逆方向に動いているときの放電
パワーと基板3上に形成されたITO 膜の膜厚との関係を
示している。例えば、放電パワーが1000Wで一定である
とすると、基板3上に形成されるITO 膜の膜厚は、マグ
ネトロン磁気回路9の移動方向が順方向のときには約12
00オングストロームであるのに対して、移動方向が逆方
向のときには、半分の約600 オングストロームまで膜厚
が低下してしまう。逆方向のときに同じ1200オングスト
ロームのITO 膜を形成するためには放電パワーを2000W
まで上げる必要があることが認められる。
【0011】図3には、マグネトロン磁気回路9の移動
方向が順方向で放電パワーが1000Wのときと、逆方向で
放電パワーが2000Wのときで、それぞれ導入酸素ガスの
導入流量を変化させたときITO 膜の抵抗率がどのように
変化するかを示している。ITO 膜をスパッタ形成する場
合、一般にITO 膜の抵抗率は酸素ガスの導入量に応じて
変化する。従って酸素ガスの導入量を調節して、ITO 膜
の抵抗率が最適値となるようにする必要がある。図3に
示すように放電パワーが異なると、この最適酸素導入量
も違ってくる。マグネトロン磁気回路9の移動方向が順
方向で放電パワーが1000Wのときには、ITO 膜の抵抗率
が最小となる最適酸素導入量は、5SCCMであるのに対し
て逆方向で2000Wのときは8SCCMまでシフトした。従っ
て、均質なITO 膜を得るためにはマグネシロン磁気回路
9の移動方向に応じて、放電パワーと酸素導入量を変化
させてやる必要があることがわかる。以上の結果より、
マグネトロン磁気回路9の移動方向が順方向のとき放電
パワー1000W、酸素導入量5SCCM、逆方向のとき、それ
ぞれ2000W、8SCCMでITO 膜形成を行ったところ、マグ
ネトロン磁気回路9の移動方向に関係なくそれぞれ膜厚
1200オングストローム、抵抗率6×10-4Ωcmの均一なIT
O 膜が得られた。また、マグネトロン磁気回路9を往復
運動させながら上記の条件で長時間連続して放電を行っ
たことろ、最終的にターゲット利用効率として従来の固
定磁気回路の約3倍に相当する55%の利用効率が得られ
た。
方向が順方向で放電パワーが1000Wのときと、逆方向で
放電パワーが2000Wのときで、それぞれ導入酸素ガスの
導入流量を変化させたときITO 膜の抵抗率がどのように
変化するかを示している。ITO 膜をスパッタ形成する場
合、一般にITO 膜の抵抗率は酸素ガスの導入量に応じて
変化する。従って酸素ガスの導入量を調節して、ITO 膜
の抵抗率が最適値となるようにする必要がある。図3に
示すように放電パワーが異なると、この最適酸素導入量
も違ってくる。マグネトロン磁気回路9の移動方向が順
方向で放電パワーが1000Wのときには、ITO 膜の抵抗率
が最小となる最適酸素導入量は、5SCCMであるのに対し
て逆方向で2000Wのときは8SCCMまでシフトした。従っ
て、均質なITO 膜を得るためにはマグネシロン磁気回路
9の移動方向に応じて、放電パワーと酸素導入量を変化
させてやる必要があることがわかる。以上の結果より、
マグネトロン磁気回路9の移動方向が順方向のとき放電
パワー1000W、酸素導入量5SCCM、逆方向のとき、それ
ぞれ2000W、8SCCMでITO 膜形成を行ったところ、マグ
ネトロン磁気回路9の移動方向に関係なくそれぞれ膜厚
1200オングストローム、抵抗率6×10-4Ωcmの均一なIT
O 膜が得られた。また、マグネトロン磁気回路9を往復
運動させながら上記の条件で長時間連続して放電を行っ
たことろ、最終的にターゲット利用効率として従来の固
定磁気回路の約3倍に相当する55%の利用効率が得られ
た。
【0012】なお、上記実施例ではITO 膜のスパッタの
例について説明してきたが、マグネトロン磁気回路の移
動方向に伴って膜形成速度が変化するのは他の全ての物
質についても言えるので本発明は他の物質のスパッタに
ついても有効である。また、上記実施例ではスパッタ電
源として直流電源を用いたが、代わりに高周波電源を用
いることもできる。
例について説明してきたが、マグネトロン磁気回路の移
動方向に伴って膜形成速度が変化するのは他の全ての物
質についても言えるので本発明は他の物質のスパッタに
ついても有効である。また、上記実施例ではスパッタ電
源として直流電源を用いたが、代わりに高周波電源を用
いることもできる。
【0013】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、インライン式のマグネトロンスパッタにおいてマグ
ネトロン磁気回路を基板搬送方向に沿って前後方向に等
速往復動させることにより、従来の磁気回路固定方式に
比べて大幅にターゲットの利用効率を向上でき、その結
果、高価なターゲットの材料コストを大幅に避けること
ができる。また、マグネトロン磁気回路の移動方向、移
動速度に応じて放電パワーを制御することにより、マグ
ネトロン磁気回路の移動方向及び速度に関係なく一定の
膜形成速度を得ることができ、基板に対する薄膜形成処
理の生産性を大幅に向上させることができると共に膜厚
のばらつきが少なくなり、歩留りよく基板を連続処理す
ることができるようになる。さらに、反応性ガスを用い
て反応性スパッタを行う場合は、放電パワーと共に反応
性ガスの導入量も制御することにより一定の膜質を得る
ことが可能となる。
ば、インライン式のマグネトロンスパッタにおいてマグ
ネトロン磁気回路を基板搬送方向に沿って前後方向に等
速往復動させることにより、従来の磁気回路固定方式に
比べて大幅にターゲットの利用効率を向上でき、その結
果、高価なターゲットの材料コストを大幅に避けること
ができる。また、マグネトロン磁気回路の移動方向、移
動速度に応じて放電パワーを制御することにより、マグ
ネトロン磁気回路の移動方向及び速度に関係なく一定の
膜形成速度を得ることができ、基板に対する薄膜形成処
理の生産性を大幅に向上させることができると共に膜厚
のばらつきが少なくなり、歩留りよく基板を連続処理す
ることができるようになる。さらに、反応性ガスを用い
て反応性スパッタを行う場合は、放電パワーと共に反応
性ガスの導入量も制御することにより一定の膜質を得る
ことが可能となる。
【図1】 本発明の一実施例によるインライン式のマグ
ネトロンスパッタ装置の要部を示す概略断面図。
ネトロンスパッタ装置の要部を示す概略断面図。
【図2】 マグネトロン磁気回路の異なる移動方向にお
ける膜厚と放電パワーとの関係を示すグラフ。
ける膜厚と放電パワーとの関係を示すグラフ。
【図3】 マグネトロン磁気回路の異なる移動方向にお
けるITO 膜の抵抗率と酸素ガス導入流量との関係を示す
グラフ。
けるITO 膜の抵抗率と酸素ガス導入流量との関係を示す
グラフ。
1:キャリア 2:基板 3:カソード組立体 4:ターゲット 5:バッキングプレート 6:絶縁用のテフロン板 7:スパッタ室の壁 8:磁気ヨーク 9:マグネトロン磁気回路 10:移動機構 11:モータ 12:直流電源 13:ガス導入ノズル 14:Arガスボンベ 15:酸素ガスボンベ 16:マスフローコントローラ 17:マスフローコントローラ 18:制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 功 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 中村 久三 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 スパッタ室内に配置したターゲットに対
向した位置を通って連続的に搬送される基板上に連続的
に薄膜を形成するインライン式のマグネトロンスパッタ
方法において、ターゲットの背面に設けられた永久磁石
から成るマグネトロン磁気回路を基板の搬送方向に沿っ
て前後方向に等速往復動させると共に、各基板上におけ
る成膜速度が一定となるように磁気回路の移動方向に応
してターゲットへ印加する放電パワーを制御することを
特徴とするマグネトロンスパッタ方法。 - 【請求項2】 スパッタ室内に配置したターゲットに対
向した位置を通って連続的に搬送される基板上に連続的
に薄膜を形成するインライン式のマグネトロンスパッタ
方法において、反応性ガスを導入しながら反応性スパッ
タを行い、ターゲットの背面に設けられた永久磁石から
成るマグネトロン磁気回路を基板の搬送方向に沿って前
後方向に等速往復動させると共に、各基板上における成
膜速度が一定となりかつ膜特性が均一となるように磁気
回路の移動方向に応してターゲットへ印加する放電パワ
ー及び反応性ガスの導入量を制御することを特徴とする
マグネトロンスパッタ方法。 - 【請求項3】 スパッタ室内に処理すべき基板を連続し
て搬送する搬送系上の基板に対向してターゲットを位置
決めし、このターゲットに電源から放電パワーを印加し
て連続的に搬送される基板上に連続的に薄膜を形成する
インライン式のマグネトロンスパッタ装置において、タ
ーゲットの背面に配置されたマグネトロン磁石回路を基
板の搬送軸線に沿って前後に往復動させる移動装置と、
移動装置によるマグネトロン磁石回路の移動方向及び移
動速度並びに基板の搬送速度に基いて基板上に形成され
る薄膜の析出速度及び膜特性が一定となるよう電源の出
力及び反応性ガスの導入量を制御する制御装置を有する
ことを特徴とするインライン式のマグネトロンスパッタ
装置。
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|---|---|---|---|
| JP16137093A JP3514488B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | マグネトロンスパッタ方法及び装置 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16137093A JP3514488B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | マグネトロンスパッタ方法及び装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0718435A true JPH0718435A (ja) | 1995-01-20 |
| JP3514488B2 JP3514488B2 (ja) | 2004-03-31 |
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ID=15733802
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|---|---|---|---|
| JP16137093A Expired - Fee Related JP3514488B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | マグネトロンスパッタ方法及び装置 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3514488B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1993
- 1993-06-30 JP JP16137093A patent/JP3514488B2/ja not_active Expired - Fee Related
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