JPH07192535A - 自動車用電線およびその製造方法 - Google Patents

自動車用電線およびその製造方法

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JPH07192535A
JPH07192535A JP35411693A JP35411693A JPH07192535A JP H07192535 A JPH07192535 A JP H07192535A JP 35411693 A JP35411693 A JP 35411693A JP 35411693 A JP35411693 A JP 35411693A JP H07192535 A JPH07192535 A JP H07192535A
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貴朗 市川
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正義 青山
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国明 紀本
Michiaki Shimizu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、軽量化と配線スペースの低減を図
りながら耐衝撃性を向上させることを目的とする。 【構成】 本発明の自動車用電線およびその製造方法
は、純銅に0.3〜2.0wt%の錫を添加した銅合金
素線を、複数本撚り合わせて所定の導体断面積とした構
成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用ワイヤーハーネ
スに使用される自動車用電線およびその製造方法に関
し、特に、軽量化と配線スペースの低減を図りながら耐
衝撃性を向上させた自動車用電線およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のワイヤーハーネスは、例えば、
エンジンルームの内部の各装置や制御機器等を電気的に
接続する電線として車両関係に広く用いられている。特
に、近年、自動車の高性能化に伴う各種制御機器の増加
により配線箇所が多くなってきており、これによりワイ
ヤーハーネスの使用量も増加している。
【0003】一方、自動車に関しては、燃費向上の観点
から車体の軽量化が、また、車両の有効空間の拡大の観
点から部品の小型化が要求されており、これに伴いワイ
ヤハーネスとしても、軽量で、且つ、配線占積空間の低
いものが要求されている。
【0004】ワイヤーハーネスに用いられる自動車用電
線として、従来はタフピッチ銅よりなる軟銅線を数本撚
り合わせた銅導体の外周に絶縁体を被覆して構成したも
のを使用しており、特に、導体断面積が0.30〜0.
50mm2 のものが主流になっていた。
【0005】そこで、上記の要求に対し、当初、電線の
軽量化を図るために絶縁体の厚さを耐熱性が損なわれな
い程度に薄くして対応を図ってきた。そして、第二段階
として導体自体の軽量化が検討された。導体を軽量化す
るということは、導体を細線化することである。ここ
で、重要なことは細線化してもそれ以前の電線と同等以
上の耐衝撃性を有していなければならないということで
ある。すなわち、ワイヤーハーネスは、コネクタを介し
て自動車の各計器に接続された後、作業者によって車体
の各部に引き回されるが、この作業はワイヤーハーネス
に衝撃力を加えることが多く、導体を細線化した場合に
は、その作業中に断線が起こり易くなり、特に、コネク
タとの接続部でそれが顕著になるため、細線化してもそ
れ以前の電線、つまり、細線化していないときの電線と
同等以上の耐衝撃性を有していなければならない。
【0006】一方、細線化しても耐衝撃性を同等,もし
くはそれ以上にする方法の一つとして、導体の強度や耐
力の向上が考えられる。その一例としてタフピッチ銅と
して硬銅線を使用することが考えられるが、実際にハー
ネス用の電線として使用してみると、ワイヤーハーネス
の引込み作業中にコネクタと電線の接続部で断線し易
い。これは硬銅線の伸び特性が1〜2%程度しかないこ
とに起因する。また、硬銅線であるためにワイヤーハー
ネス自体の剛性が増加し、取扱性が極めて悪くなるとい
う問題も生じる。
【0007】このように耐衝撃性は強度と伸びに依存し
ており、これらをバランス良く兼ね備えることにより、
細線化しても上記した状況下で断線しないだけの耐衝撃
性が得られることになる。
【0008】すなわち、導体に衝撃力を加えた場合、こ
の衝撃力は導体を塑性変形させる働きを行うが、逆に導
体は変形することによって衝撃力を吸収する。これを衝
撃吸収エネルギーとして定義すれば、その大きさは荷重
(引張強さ)と歪み(伸び)によって表わすことができ
る。
【0009】図2には、試料1〜3の荷重−歪み曲線が
示されており、この曲線で囲まれる面積で衝撃吸収エネ
ルギーを評価することができる。ここで、面積は試料1
<試料2<試料3で、衝撃吸収エネルギーは試料3が最
大である。これから細線化しても細線化する前の電線と
同等の耐衝撃性を有する導体を得るためには、それと同
等以上の衝撃吸収エネルギーを有していれば良いことが
判る。
【0010】このような背景が存在する中、従来の自動
車用電線として、例えば、強度の向上を図ったものが、
特開平1−306534号公報,特開平1−31204
号公報,及び特公昭60−30043号公報に示されて
いる。
【0011】特開平1−306534号公報,特開平1
−31204号公報に示される自動車用電線は、導体と
して銅−クロム系,銅−ジルコニウム系等の析出合金を
適用しており、従来のタフピッチ銅の約2倍の引張強さ
(40〜50kg/mm2 )を得ている。
【0012】一方、特公昭60−30043号公報に示
さされる自動車用電線は、導体としてCu−Sn,或い
はCu−Crの銅合金を適用しており、素導体の0.2
%耐力を30〜40kg/mm2 としている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の自動車
用電線によると、何れもタフピッチ銅の2倍に引張強さ
が向上しているものの、伸び率が約半分の10%程度し
かなく、衝撃吸収エネルギーとしてはタフピッチ銅で細
線化する前の導体と同等となる。従って、上記した導体
を細線化した場合には、十分な耐衝撃性が得られず、ま
た、導体の剛性が増加するので取扱性が悪くなるという
不都合がある。
【0014】従って、本発明の目的は軽量化と配線スペ
ースの低減を図りつつ耐衝撃性を向上させることができ
る自動車用電線およびその製造方法を提供することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
み、軽量化と配線スペースの低減を図りながら耐衝撃性
を向上させるため、純銅に0.3〜2.0wt%の錫を
添加した銅合金素線を複数本撚り合せて所定の導体断面
積とした自動車用電線を提供するものである。
【0016】上記銅合金素線は、伸線工程において少な
くとも1回通電アニール方式で焼鈍され、最終の線径で
再度焼鈍されることによって30%以上の伸び率を有し
ていることが好ましく、所定の導体断面積として、0.
15〜0.50mm2 を有していることが好ましい。
【0017】また、上記目的を達成する本発明の自動車
用電線の製造方法は、純銅に0.3〜2.0wt%の錫
を添加した銅合金の荒引線を製造し、荒引線を所定の線
径まで伸線すると共に、伸線の途中に、伸線中の銅合金
線を少なくとも1回通電アニール方式で焼鈍して銅合金
素線を製造し、所定の線径まで伸線された銅合金素線を
再度焼鈍し、焼鈍した銅合金素線を複数本撚り合せて所
定の導体断面積にするようにしている。
【0018】錫の濃度を0.3〜2.0wt%にした理
由は、0.3wt%未満では、タフピッチ銅の素線に対
する引張強さの向上があまりなく、衝撃吸収エネルギー
を十分に高めることができず、また、2wt%以上では
引張強さの向上がほぼ飽和状態になり、その一方で導電
率が40%IACS以下といたずらに低下するたげであ
るからである。
【0019】また、伸び率30%以上とした理由は、そ
れより小さいと導体の衝撃吸収エネルギーの向上が十分
でなくなり、細線化した場合に、細線化していないタフ
ピッチ銅の素線と同等の耐衝撃性が得られないからであ
る。
【0020】更に、導体断面積を0.15〜0.50m
2 とした理由は、0.15mm2未満では導体の有す
る衝撃吸収エネルギーが、細線化していないタフピッチ
銅の素線の有する衝撃吸収エネルギーよりもかなり小さ
くなり、耐衝撃性が悪くなるためであり、また、0.5
0mm2 以上では細径化を達成できないからである。
【0021】
【実施例】以下、本発明の自動車用電線およびその製造
方法について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】大型連続鋳造装置(SCR)を使用し、銅
がタフピッチ銅(TPC)のCu−0.7wt%Snと
Cu−1.0wt%Sn合金を外径8mmの荒引線とし
て製造した。そして、これらの荒引線を外径2.6mm
まで冷間伸線した後、通電アニーラで焼鈍した。その
後、これらの外径をそれぞれ0.32mm,0.26m
m,0.23mm,0.21mm,0.18mmまで冷
間伸線し、最後に再度、アルゴンガス中で走行焼鈍する
ことによって軟銅線(素線)とした。
【0023】次に、このようにして得た合計10本の素
線を、それぞれ7本、撚り合わせて導体を構成し、その
外周に厚さ0.20mmの絶縁体を被覆して試料1から
試料10までの本発明の自動車用電線を製造した。
【0024】一方、比較例として上記と同じ方法でCu
−0.7wt%SnとCu−1.0wt%Sn合金をそ
れぞれ外径0.16mmまで伸線し、これらをそれぞれ
撚り合わせて、絶縁体を被覆したものを試料11,試料
12とした。
【0025】また、素線の伸線中に通電アニールの焼鈍
を行わずに、以下の自動車用電線を比較例として製造し
た。
【0026】タフピッチ銅を用いて外径0.32mm,
0.26mmの素線を製造し、これらを撚り合わせて、
絶縁体を被覆したものを試料13,試料14とした。ま
た、タフピッチ銅を用いて外径0.23mmに伸線した
ものを試料15とした。
【0027】また、Cu−0.7wt%SnとCu−
1.0wt%Sn合金を、それぞれ外径0.26mm,
0.23mm,0.21mmの素線とし、これらを上記
と同様に撚り合わせて、絶縁体を被覆したものを試料1
6から試料21とした。
【0028】更に、中間波溶解炉を使用して試料22か
ら試料24を得た。すなわち、Cu−0.7wt%Sn
とCu−0.8wt%Cr合金を外径100mm,長さ
2000mmのビレットを鋳造した。続いて、これを熱
間で圧延して外径10.5mmとし、次に、これをアル
ゴンガス中で800℃,1時間の溶体化処理した後、水
中に焼き入れた。そして、Cu−0.7wt%Sn合金
については外径0.26mmまで、Cu−0.8wt%
Cr合金については外径0.26mmと0.23mmの
各線径まで冷間伸線した後、アルゴンガス中で450℃
で3時間の時効処理を行った。
【0029】次に、これらの電線(試料1から2試料
4)に対し、耐衝撃性について図2に示すような実験装
置で評価した。
【0030】ここで、実験装置は、吊り下げられた試料
(電線)2の下端に受け皿3を取り付け、受け皿3に対
して重り1を落下させるものである。また、実験方法は
重り1を高さhとして1m,0.75m,0.50m,
0.25m,0.01mから落下させ、試料(電線)2
の断線の有無によって耐衝撃性を評価した。これはワイ
ヤーハーネスと車体内の各計器等との接続中,或いは引
込み作業中に作業者によって加えられる衝撃力を模擬し
た評価であり、このとき、受け皿3はコネクタに相当す
る。高さhを変えるのは、試料に加えられる衝撃力の速
度(歪み速度)を変化させた場合の耐衝撃性を評価する
ためである。実験回数は5回行い、実験結果を表1に示
した。表1において、外径0.26mmのタフピッチ銅
で構成した導体、つまり、試料14よりも優れた耐衝撃
性を有するものには◎で、それと同等の耐衝撃性を有す
るものには○で、それより低い耐衝撃性を有するものに
は×で示した。
【0031】また、表1には各試料の導体部の構成,導
体断面積,導電率,0.2%耐力,引張強さ,伸び率,
及び衝撃吸収エネルギー(タフピッチ銅の衝撃吸収エネ
ルギーとの比)が併せて示されている。
【表1】
【0032】表1から明らかなように、本発明の試料1
から試料10のCu−0.7wt%Sn合金とCu−
1.0wt%Sn合金の電線は、試料14のタフピッチ
銅の電線に比較して耐衝撃性が向上しており、細線化し
てもタフピッチ銅の電線に比べて耐衝撃性が低下するこ
とがない。
【0033】一方、伸線中に通電加熱を行わなかった場
合には、比較例の試料13から試料24に示すように伸
び特性が悪く、耐衝撃性が十分でない。従って、これを
細線化すると断線したりする恐れがあり適用できない。
【0034】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の自動車用電
線およびその製造方法によると、純銅に0.3〜2.0
wt%の錫が添加され、伸線工程において少なくとも1
回通電アニール方式で焼鈍された銅合金素線を、複数本
撚り合せて所定の導体断面積としたため、軽量化と配線
スペースの低減を図りながら耐衝撃性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐衝撃性を評価する実験装置を示す説明図。
【図2】衝撃吸収エネルギーを表すグラフ。
【符号の説明】
1 重り 2 試料 3 受け皿
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 道晃 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 橘 康雄 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純銅に0.3〜2.0wt%の錫を添加
    した銅合金素線を、複数本撚り合せて所定の導体断面積
    としたことを特徴とする自動車用電線。
  2. 【請求項2】 前記銅合金素線は、伸線工程において少
    なくとも1回通電アニール方式で焼鈍され、最終の線径
    で再度焼鈍されることによって30%以上の伸び率を有
    する構成の請求項1の自動車用電線。
  3. 【請求項3】 前記所定の導体断面積は、0.15〜
    0.50mm2 である請求項1の自動車用電線。
  4. 【請求項4】 純銅に0.3〜2.0wt%の錫を添加
    した銅合金の荒引線を製造し、 前記荒引線を所定の線径まで伸線すると共に、伸線の途
    中に、伸線中の銅合金線を少なくとも1回通電アニール
    方式で焼鈍して銅合金素線を製造し、 前記所定の線径まで伸線された前記銅合金素線を再度焼
    鈍し、 前記焼鈍した銅合金素線を複数本撚り合せて所定の導体
    断面積にすることを特徴とする自動車用電線の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006253076A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Mitsubishi Cable Ind Ltd 自動車用電線
JP2010198872A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Sumitomo Electric Ind Ltd ワイヤーハーネス用電線導体
CN105088116A (zh) * 2015-09-02 2015-11-25 赣州西维尔金属材料科技有限公司 一种镀银铜线退火液
CN120776164A (zh) * 2025-07-29 2025-10-14 郑州新云锦特导新材料有限公司 一种高强高塑性超细铜合金丝材及制备方法和应用

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