JPH07196307A - シリコン積層体の製造方法 - Google Patents

シリコン積層体の製造方法

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JPH07196307A
JPH07196307A JP6227244A JP22724494A JPH07196307A JP H07196307 A JPH07196307 A JP H07196307A JP 6227244 A JP6227244 A JP 6227244A JP 22724494 A JP22724494 A JP 22724494A JP H07196307 A JPH07196307 A JP H07196307A
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JP
Japan
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polycrystalline silicon
silicon film
film
defects
plasma
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JP6227244A
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English (en)
Inventor
Fumitaka Tamura
文孝 田村
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体特性の改善が図れるプラズマ溶射法に
よるシリコン積層体の製造方法を提供すること。 【構成】 高温プラズマ中にシリコン粒子を導入してこ
れを溶融させこの溶融物を1400℃に加熱されたカーボン
ファイバー織布21上に供給して多結晶シリコン膜23を製
膜した後、この多結晶シリコン膜を900 ℃〜1000℃まで
急冷させてその膜内に双晶を含む格子欠陥を生じさせる
と共に、この多結晶シリコン膜を900 ℃〜1000℃に保持
して多結晶シリコン膜内に生じた双晶以外の格子欠陥
(線欠陥や点欠陥)を減少させることを特徴とする。そ
して、多結晶シリコン膜内には面欠陥としての双晶の存
在割合は高くなるが、この双晶は上記線欠陥や点欠陥に
較べて電気的に不活性な欠陥なため多結晶シリコン膜の
半導体特性に悪影響を及ぼす可能性がほとんどなく、従
って半導体特性の改善が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素系基材等耐熱性基
材とこの基材上に製膜された多結晶シリコン膜とでその
主要部が構成され、例えば、太陽電池等に適用可能なシ
リコン積層体の製造方法に係り、特に、半導体特性の改
善が図れるシリコン積層体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種のシリコン積層体の製造方法とし
ては、例えば、特開昭55−73450号公報に記載さ
れたものが知られている。
【0003】すなわち、この製造方法は、融解槽に収容
された融体シリコン内に一連の穴を備えた網状構造のカ
ーボンファイバー織布等を浸漬し、上記穴内並びに表面
に融体シリコンを充填並びに被覆すると共にこの融体を
結晶化させてシリコン積層体を求める方法である。
【0004】しかし、この方法によりシリコン積層体を
製造する場合、上記融体シリコンを保持しかつ結晶化さ
せる一連の穴を備えた網状構造のカーボンファイバー織
布等を適用することが前提となるため、この製造方法に
おいてはその表面並びに内部構造が密状態にあるシート
状基材を適用することが困難な欠点があった。
【0005】このため、従来においては、通常、熱CV
D法やプラズマCVD法等の製膜手段により耐熱性基材
上に多結晶シリコン膜を直接製膜させてシリコン積層体
を製造し、このシリコン積層体を上記太陽電池等に組込
む方法が採られている。
【0006】しかし、これ等の製造方法においても以下
のような欠点があった。
【0007】まず、熱CVD法においては適用可能なシ
リコン原料が分解され易いSiH4、Si26等のシラ
ン化合物や、SiH2Cl2 、SiHCl3等のハロゲン
化珪素に限られ、SiF4、SiCl4、Si26、及
び、SiH22等の分解され難いハロゲン化珪素や精製
処理が不十分な金属級シリコン粒子(MG・Si)等の
適用が困難な欠点があった。また、SiH4 等のシラン
化合物はその発火性が極めて高いためその取扱いに細心
の注意を払わねばならず、かつ、上記SiH4 等のシラ
ン化合物を適用するにしてもその分解率があまり高くな
いため、基材への材料供給速度が遅くなる分、多結晶シ
リコンの製膜にかなりの時間を要する欠点があった。
【0008】他方、プラズマCVD法においても適用で
きる材料の選択範囲が狭い欠点があり、かつ、シリコン
原料の分解率が低いため上記熱CVD法と同様に多結晶
シリコンの製膜に時間を要する問題点があった。また、
プラズマCVD法は低温条件下においてなされるため基
材に耐熱性が要求されない利点を有しているが、その反
面、製膜処理が低温でなされることから結晶粒径の大き
い多結晶シリコン膜が求め難い問題点があった。
【0009】このような技術的背景の下、本発明者はプ
ラズマ溶射法によるシリコン積層体の製造方法を既に創
案している。
【0010】すなわち、この製造方法は高温プラズマ中
にシリコン原料を導入してこのシリコン原料を溶融又は
分解し、この溶融又は分解物を耐熱性基材上に供給させ
て多結晶シリコン膜を製膜するものである。
【0011】このプラズマ溶射法によれば、シリコン原
料を高温プラズマ中に導入してこれを溶融又は分解して
いるため従来法では適用が困難であった分解温度の高い
シリコン原料や不純物の含まれる金属級シリコン粒子の
適用が可能となり、かつ、シリコン原料の溶融又は分解
速度が速まって上記耐熱性基材上への溶融又は分解物の
供給速度も速まるため多結晶シリコン膜の製膜速度の向
上が図れると共に、プロセス全体が従来より高温条件下
でなされるため結晶粒径の大きい多結晶シリコン膜を求
めることが可能になる等の利点を有する方法であった。
【0012】そして、このプラズマ溶射法を適用してシ
リコン積層体を製造する場合、従来においては上記耐熱
性基材をシリコンの融点直下温度(約1400℃)に加
熱すると共にこの加熱された耐熱性基材上にシリコン原
料の溶融又は分解物を供給して多結晶シリコン膜を製膜
し、かつ、この多結晶シリコン膜を例えば図3において
破線Bで示された冷却条件により徐冷してシリコン積層
体を製造する方法が採られていた。これは、製膜時にお
ける基材温度をシリコンの融点直下に設定することで製
膜直後の多結晶シリコン膜温度と基材温度との差を小さ
くし製膜時における多結晶シリコン膜のストレス低減を
図ると共に、製膜後において上記温度条件により多結晶
シリコン膜を徐冷することで冷却途上における多結晶シ
リコン膜内の格子欠陥の発生を抑制するといった設定理
由に基づいていた。
【0013】尚、図3において破線Bで示された冷却条
件は、従来の引上げ法等るつぼ外凝固法によるシリコン
の冷却条件をそのまま適用したものであった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、耐熱性基材
上に製膜された多結晶シリコン膜を徐冷した場合、耐熱
性基材とシリコンの熱膨張係数の差異に起因して冷却途
上の多結晶シリコン膜内にストレスが生じ易い。これに
対し、溶融シリコン単体を徐冷して結晶シリコンを製造
する引上げ法等るつぼ外凝固法においては上記ストレス
の原因となる基材が存在しないため、その分、上記プラ
ズマ溶射法に較べて徐冷中の溶融シリコン内にストレス
が生じ難い。従って、るつぼ外凝固法によるシリコンの
冷却条件をそのまま適用した従来法により耐熱性基材上
に製膜された多結晶シリコン膜を徐冷した場合、上記設
定理由に反してるつぼ外凝固法においてはみられなかっ
た格子欠陥が多結晶シリコン膜内に形成されてしまい、
かつ、その格子欠陥に多結晶シリコン膜の半導体特性に
悪影響を及ぼし易い点欠陥や線欠陥等が多く含まれると
いった問題点があった。
【0015】すなわち、図3の破線Bで示された冷却条
件に従って上記多結晶シリコン膜を徐冷した場合、14
00℃〜1200℃の温度領域においてはその冷却条件
が比較的緩やかでかつ高温のため耐熱性基材と多結晶シ
リコン膜間のストレスも比較的小さいことから格子欠陥
は生成され難い状態にある。しかし、1200℃以下の
温度領域においては耐熱性基材と多結晶シリコン膜間の
ストレスも大きくなることから格子欠陥が生成され易く
なり、かつ、その格子欠陥には1200℃以上の条件で
生成され易い面欠陥が少なくなり電気的に活性な点欠陥
並びに線欠陥等が多く含まれることになる。
【0016】このため、製造されたシリコン積層体にお
ける多結晶シリコン膜の半導体特性が余り良好でない問
題点があり、かつ、基材上に製膜される多結晶シリコン
膜の膜厚が薄く設定された場合に顕著であった。
【0017】尚、本発明者は、炭素系基材を適用したプ
ラズマ溶射法において上記基材と多結晶シリコン膜間の
ストレス低減を図るため、基材と多結晶シリコン膜間に
炭化シリコン(SiC)から成る中間膜を介在させた構
造のシリコン積層体を既に提案している。しかし、電気
的に活性な欠陥密度を低減させる方法としては未だ十分
ではなかった。
【0018】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れており、その課題とするところは、電気的活性な欠陥
密度を低減することにより半導体特性が改善されたシリ
コン積層体の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、基材と、この基材上に製膜された多結晶シリ
コン膜とで構成されるシリコン積層体の製造方法を前提
とし、高温プラズマ中にシリコン原料を導入してこの原
料を溶融又は分解し、かつ、この溶融又は分解物をシリ
コンの融点直下温度に加熱された基材上に供給して多結
晶シリコン膜を製膜した後、この多結晶シリコン膜を9
00℃〜1000℃まで急冷させてその膜内に双晶を含
む格子欠陥を生じさせると共に、この多結晶シリコン膜
を900℃〜1000℃に保持して多結晶シリコン膜内
に生じた双晶以外の格子欠陥を減少させることを特徴と
するものである。
【0020】そして、この製造方法においてはシリコン
原料の溶融又は分解物をシリコンの融点直下温度に加熱
された基材上に供給して多結晶シリコン膜を製膜してい
るため、従来法と同様、製膜時における多結晶シリコン
膜のストレス低減を図ることが可能となる。また、製膜
後において上記多結晶シリコン膜を900℃〜1000
℃まで急冷させてその膜内に双晶を含む格子欠陥を生じ
させると共に、この多結晶シリコン膜を900℃〜10
00℃に保持して多結晶シリコン膜内に生じた双晶以外
の格子欠陥を減少させているため、多結晶シリコン膜内
における電気的に活性な欠陥密度を低減させることが可
能となる。すなわち、シリコンの融点直下温度から90
0℃〜1000℃まで上記多結晶シリコン膜を急冷処理
した場合、この多結晶シリコン膜内には面欠陥としての
双晶や、点欠陥、線欠陥等格子欠陥が生成され易くな
り、かつ、生成された上記双晶は略1200℃以下の温
度条件下において多結晶シリコン膜内で固定され易くな
る。これに対し生成された上記線欠陥は略900℃以上
の温度条件で、また、点欠陥は略600℃以上の温度条
件で固定され難いため、上記多結晶シリコン膜を900
℃〜1000℃まで急冷させた後この多結晶シリコン膜
を900℃〜1000℃の温度条件下で所定時間保持す
ることによりこれ等点欠陥や線欠陥等の格子欠陥を減少
させることが可能となる。すなわち、多結晶シリコン膜
を900℃〜1000℃の温度条件下で所定時間保持す
ることにより生成された線欠陥や点欠陥は面欠陥として
の双晶に吸収されて消滅し易くなるため、多結晶シリコ
ン膜内における線欠陥や点欠陥の存在割合を極端に低減
させることが可能となる。
【0021】尚、多結晶シリコン膜内の面欠陥としての
双晶の存在割合は高くなるが、この双晶は線欠陥や点欠
陥に較べて電気的に不活性な欠陥なため、上記双晶の存
在が多結晶シリコン膜の半導体特性に悪影響を及ぼす可
能性はほとんどない。
【0022】次に、900℃〜1000℃の温度条件下
で多結晶シリコン膜を保持した後においては、従来と同
様の冷却条件に従って多結晶シリコン膜を徐冷しても上
記線欠陥や点欠陥の割合が極端に増大することはない。
これは、900℃〜1000℃以下の温度条件で上記線
欠陥は生成され難くなり、かつ、生成された点欠陥につ
いても面欠陥としての上記双晶に吸収されて消滅し易い
からである。尚、この冷却条件に代えて、例えば、90
0℃〜1000℃の温度から略700℃まで急冷処理す
ると共に、急冷処理後、略700℃の温度条件で多結晶
シリコン膜を所定時間保持し生成された点欠陥や線欠陥
を上記双晶に吸収させるようにした冷却条件に設定して
も同様のシリコン積層体を得ることが可能である。後者
の条件を適用した場合、製造時間の短縮が図れる利点を
有している。
【0023】このように請求項1記載の発明に係る製造
方法にて得られたシリコン積層体においては、その多結
晶シリコン膜内に電気的不活性な双晶が多量に含まれて
いるものの電気的に活性な線欠陥や点欠陥の存在割合が
低いため、多結晶シリコン膜の半導体特性を大幅に向上
させることが可能となる。
【0024】尚、多結晶シリコン膜内に上記線欠陥や点
欠陥が若干残留している場合には、水素によるパシベー
ションを行ってその不活性化を図ることによりその影響
を低減させることが可能である。
【0025】次に、請求項1に係る発明について図面を
参照して更に詳細に説明する。
【0026】まず、この製造方法に適用される装置は、
図2に示すように数千〜一万度程度の高温プラズマを発
生させる高温プラズマ発生部1と、この高温プラズマ発
生部1に隣接して設けられ上記基材2が配置された反応
室3とでその主要部が構成されている。そして、上記プ
ラズマ発生部1にシリコン原料を導入してこの原料を溶
融又は分解し、この溶融又は分解物をシリコンの融点直
下温度に設定された基材2上へ供給して多結晶シリコン
膜を製膜した後、上記基材2の温度を900℃〜100
0℃まで急冷しかつ900℃〜1000℃の温度条件を
所定時間保持する。次いで、従来の徐冷条件に従い、あ
るいは、900℃〜1000℃の温度から略700℃ま
で急冷処理しかつ急冷処理後、略700℃の温度条件を
所定時間保持してシリコン積層体を製造するものであ
る。
【0027】尚、上記反応室3の下流側には排気系4が
設けられており、シリコン原料に含まれている揮発成分
や基材2に製膜されなかったシリコン等を排出するよう
に構成されている。また、図2中、5はシリコン原料で
あるシリコン粒子6を収容する容器、7は上記基材2を
保持する基材ホルダー、8はこの基材ホルダー7内に設
けられた加熱手段をそれぞれ示している。
【0028】ここで、上記高温プラズマを発生させる手
段としては、アークプラズマを用いる直流法、誘導プラ
ズマを用いる高周波法、並びに、アークプラズマと誘導
プラズマを併用する併用法があり本発明においてはいず
れの方法も適用できる。
【0029】すなわち、上記直流法においてはDCプラ
ズマトーチ16の電極部と陰極部(共に図示せず)の間
でアーク放電を発生させ、上記電極部と陰極部のギャッ
プ間を流れるアルゴンガス、水素ガス等を分解させて高
温プラズマを発生させる。そして、高温プラズマが発生
している部位へシリコン原料を導入し、このシリコン原
料を高温のアルゴンプラズマ、水素プラズマ等により溶
融、分解させると共にこの溶融又は分解物を上記基材2
側へ輸送させて多結晶シリコン膜を形成するものであ
る。
【0030】他方、上記高周波法においてはアルゴンガ
ス、水素ガス等が供給される石英管等管13の中央にR
Fプラズマコイル14を巻回し、かつ、このRFプラズ
マコイル14により誘導プラズマを発生させるもので上
記直流法に較べ広がったプラズマフレームが形成され
る。また、上記併用法はこれ等直流法と高周波法とを組
合わせた方法である(図2参照)。
【0031】そして、直流又は高周波の投入電力、アル
ゴンガス、水素ガス等の流量、以下に述べるシリコン原
料の投入量並びにその種類等を適宜調整することにより
上記プラズマフレームの形状、シリコン原料の溶融又は
分解状態、この溶融又は分解物中に含まれるシリコン成
分の濃度並びにその流速等を制御することが可能になる
ため、これ等の条件を適宜選定することによりシリコン
膜の製膜条件を調整することが可能となる。
【0032】尚、上記高温プラズマ発生部1内における
圧力条件は、この高温プラズマ発生部1内へのシリコン
原料の供給のし易さや製造装置の構成の簡略化等を考慮
して、通常、大気圧又は大気圧近傍(数百Torr)の
条件に設定されるが、これより低い条件、例えば数十T
orrに設定しても当然のことながらよい。そして、高
温プラズマ発生部1内の圧力条件をこのように低く設定
した場合、上記プラズマフレーム(プラズマ空間)が広
がるためシリコン原料の溶融又は分解物を基材2の広い
領域へ供給することが可能となり、上記基材2上に大面
積でかつ膜質均一な多結晶シリコン膜を形成できる利点
を有している。但し、プラズマ空間が広がることからそ
の単位体積当りのエネルギー供給量が低下するため、直
流又は高周波の投入電力を増大させることを要する。ま
た、高温プラズマ発生部1内の圧力条件を低く設定した
場合、プラズマフレームが伸びて基材2が過熱されるこ
とがある。このような場合にはアルゴンガスや水素ガス
等の流量を下げることにより上記過熱現象を簡単に回避
することができる。
【0033】次に、この請求項1に係る発明において適
用できる基材としては、この基材が高温プラズマに晒さ
れる関係上耐熱性を具備していることを要し、例えば、
アルミナのようなセラミックス基材や耐熱ステンレス鋼
のような金属基材、及び炭素系基材等が挙げられる。
尚、炭素系基材の具体例としては、表面並びに内部構造
が密状態にあるグラファイト板や炭素−炭素複合材料
(例えば、カーボンファイバーと炭化された樹脂成分と
でその主要部が構成されたもの等)、及び、密に編まれ
て表面並びに内部構造が密状態にあるカーボンファイバ
ー織布等が挙げられ、更に疎に編まれた網状構造のカー
ボンファイバー織布の適用も可能である。
【0034】一方、上記高温プラズマ中に導入されて多
結晶シリコン膜を形成するシリコン原料としては、分解
され易いSiH4 、Si26 等のシラン化合物、Si
2Cl2 、SiHCl3 等のハロゲン化珪素が適用で
きると共に、SiF4 、SiCl4 、Si26 、Si2
Cl6 、SiHxy 、及び、SiHxCly 等分解され
難いガス状又は液状のハロゲン化珪素が適用でき、更
に、精製処理が不十分でかつその粒径が約200μm以
下の金属級シリコン粒子(MG・Si,例えばSi純度
が99%のもの)並びに精製処理された太陽電池級シリ
コン粒子(SOG,例えばSi純度が99.9999%
のもの)等シリコン原子を含有する粉状体についてもこ
れ等シリコン粒子中に含まれる不純物が高温加熱処理に
より揮発成分となって除去され易いためその適用が可能
となる。
【0035】尚、金属級シリコン粒子を適用した場合、
この粒子内に含まれるB(ボロン)やC(炭素)等の軽
元素を除去するため酸素(O2)ガスや水蒸気(H2O)
等を上記高温プラズマ中に供給してもよいし、上記粒子
内に含まれるTi(チタン)やFe(鉄)等の重金属を
除去するため弗化カルシウム(CaF2 )等の弗化物を
上記高温プラズマ中に供給してもよい。また、シリコン
原料投入時における反応室内の圧力変動を防止して反応
室内の圧力を略一定に保持する圧力制御弁を設けてもよ
い。
【0036】ここで、この製造方法においては、製造工
程の各段階において基材温度を制御して多結晶シリコン
膜の温度を調整することを要する。そして、上記基材の
温度を制御するには高温プラズマの出力を調整してこれ
を行う方法と、基材ホルダー内に設けられた加熱手段を
調整して行う方法が適用できる。尚、上記高温プラズマ
の出力調整と基材ホルダー内に設けられた加熱手段の調
整とを併用して上記基材の設定温度を制御してもよい。
【0037】次に、上記反応室3内に基材2を配置する
場合、プラズマ発生部1と配置された基材2間距離が近
過ぎるとプラズマ発生部1からのプラズマフレームによ
り基材2が過熱されて破損することがあり、反対に距離
を開け過ぎるとシリコン膜の製膜が困難になることがあ
る。
【0038】従って、上記プラズマ発生部1内の圧力状
態、プラズマフレームの形状、シリコン原料の溶融又は
分解状態並びに溶融又は分解物の流速等の条件に対応し
た適正距離を選定することが望ましい。
【0039】また、基材2を固定して配置した場合、上
記プラズマフレームにより基材2が局所的に過熱されて
製膜される多結晶シリコン膜の均一性が阻害されること
があるため、基材2を保持する基材ホルダー7に移動機
構を設けこの移動機構により上記基材2を水平方向へ移
動させて局所的過熱を防止することが望ましい。
【0040】尚、請求項1記載の発明に係る製造方法に
より求められたシリコン積層体の適用対象としては太陽
電池に限らず、例えば光センサ等が挙げられる。
【0041】
【作用】請求項1に係る発明によれば、高温プラズマ中
にシリコン原子が含まれるシリコン原料を導入してこの
原料を溶融又は分解し、かつ、この溶融又は分解物をシ
リコンの融点直下温度に加熱された基材上に供給して多
結晶シリコン膜を製膜しているため、製膜時における多
結晶シリコン膜のストレス低減を図ることが可能とな
る。
【0042】また、製膜後において上記多結晶シリコン
膜を900℃〜1000℃まで急冷させてその膜内に双
晶を含む格子欠陥を生じさせると共に、この多結晶シリ
コン膜を900℃〜1000℃に保持して多結晶シリコ
ン膜内に生じた双晶以外の格子欠陥を減少させているた
め、多結晶シリコン膜内における電気的に活性な欠陥密
度を低減させることが可能となる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 [実施例1]まず、この実施例に係るシリコン積層体2
0は、図1に示すようにその全域に亘り小孔を有してい
ないシート状のカーボンファイバー織布21と、このカ
ーボンファイバー織布21表面の全域に亘り形成された
炭化シリコンの中間膜22と、この中間膜22上に製膜
された多結晶シリコン膜23とでその主要部が構成され
ている。
【0044】尚、上記カーボンファイバー織布21に
は、以下の表1にその特性が示されている株式会社有沢
製作所のカーボンファイバークロス(商品名 CFS
1140)が適用されている。
【0045】
【表1】 そして、このシリコン積層体20は以下に述べるような
方法にて製造されている。すなわち、図2に示すように
アークプラズマ並びに誘導プラズマを形成できる高温プ
ラズマ発生部1と、この高温プラズマ発生部1に隣接し
て設けられ内部に基材ホルダー7を備える反応室3とで
その主要部が構成される装置内に上記カーボンファイバ
ー織布21を配置し、かつ、反応室3内を〜10-3Torr
まで真空引きを行って反応室3内の空気等を排気した
後、プラズマ点火後の急加熱や局所的過熱を防ぐため点
火に先がけ上記基材ホルダー7に設けられカーボンファ
イバー織布21を水平方向へ移動操作する移動機構(図
示せず)を作動させた。
【0046】次に、プラズマ発生部1内へアルゴンガス
と水素ガスを導入すると共にプラズマ点火を行った。電
源は最初に直流を投入しその後に高周波を投入した。
尚、高温プラズマフレームの形状はアルゴンガス、水素
ガスの流量でかなり変化するが安定した状態を比較的容
易に得ることができた。また、この装置にはアルゴンガ
スと水素ガスの導入口並びにシリコン原料の導入口に圧
力制御弁が取付けられ、かつ、反応室3の下流側には排
気系4が設けられておりこれ等機構により反応室3内の
圧力は〜550Torrに保持されている。
【0047】そして、上記カーボンファイバー織布21
を高温プラズマと基材ホルダー7内に設けられた加熱手
段8により加熱してその表面温度が十分上昇しているこ
とを放射温度計を用いてモニターし、その表面温度がシ
リコンの融点直下温度(1400℃)になった時点でシ
リコン原料の導入口から定量のシリコン粒子6を導入し
てこのシリコン粒子6を高温プラズマ中にて溶融させか
つこの溶融物をカーボンファイバー織布21上へ製膜し
た。このとき、カーボンファイバー織布21のカーボン
成分と上記溶融物のシリコン成分とが反応してこれ等界
面に炭化シリコンから成る中間膜22が形成された。
【0048】そして、この処理を2〜3分間行い所定膜
厚の多結晶シリコン膜23を製膜した後、高周波の投入
と加熱手段8を停止し多結晶シリコン膜23の表面温度
が1000℃になるまで急冷処理した(図3の実線Aで
示された冷却条件参照)。
【0049】次に、上記加熱手段8を作用させて多結晶
シリコン膜23の表面温度を1000℃に約20分間保
持した後、再度上記加熱手段8を停止させて多結晶シリ
コン膜23の表面温度が700℃になるまで急冷処理
し、かつ、上記加熱手段8を再度作用させて多結晶シリ
コン膜23の表面温度を700℃に約20分間保持し
(図3の実線Aで示された冷却条件参照)図1に示すよ
うなシリコン積層体20を製造した。
【0050】尚、基材ホルダー7に設けられた移動機構
は多結晶シリコン膜23の形成前から多結晶シリコン膜
23の冷却制御中も継続して作動させておりカーボンフ
ァイバー織布21表面への入熱の均一化を図っている。
【0051】 (製膜条件) 反応室内の圧力 〜550Torr DCプラズマ投入電力 5KW RFプラズマ投入電力 30KW アルゴンガス流量 60〜80リット
ル/min 水素ガス流量 2〜4リットル/
min シリコン粒子の粒径 75〜150μm シリコン粒子の供給量 1g/min 高温プラズマ発生部と織布間距離 10〜20cm この様にして得られた多結晶シリコン膜23についてT
EM観察を行ったところ、膜厚1mm程度でその結晶粒径
は100μm程度に達していることが確認でき、かつ、
その膜特性も均一になっていることが確認された。
【0052】また、多結晶シリコン膜23の少数キャリ
ア拡散長を測定したところ略50μmであり、以下に示
す比較例に較べてその半導体特性が改善されいることが
確認できた。次に、上記多結晶シリコン膜23について
水素によるパシベーション処理を行うと共に、この処理
後における少数キャリア拡散長を測定したところ略60
μmであった。 [実施例2]反応室内の圧力を略60Torrに設定
し、かつ、DCプラズマ投入電力を10KW、RFプラ
ズマ投入電力を50KWに設定した点を除き実施例1と
略同一の条件でシリコン積層体を製造した。
【0053】そして、このシリコン積層体の多結晶シリ
コン膜についてTEM観察を行ったところ実施例1に係
る多結晶シリコン膜と略同一の特性を有していることが
確認され、また、多結晶シリコン膜の少数キャリア拡散
長についても実施例1に係る多結晶シリコン膜と略同一
であった。 [比較例1]多結晶シリコン膜の製膜後における冷却条
件が図3の破線Bで示された条件である点を除き実施例
1と略同様の条件でシリコン積層体を製造した。
【0054】このシリコン積層体の多結晶シリコン膜に
ついてTEM観察を行ったところ、実施例1に係る多結
晶シリコン膜と同様に膜厚1mm程度でその結晶粒径は1
00μm程度に達していることが確認でき、かつ、その
膜特性も均一になっていることが確認された。
【0055】一方、多結晶シリコン膜の少数キャリア拡
散長を測定したところ略40μmであった。次に、水素
によるパシベーション処理後における少数キャリア拡散
長を測定したところ略55μmであった。 [比較例2]多結晶シリコン膜の製膜後における冷却条
件が図3の一点鎖線Cで示された条件(すなわち、14
00℃〜600℃まで継続して急冷処理した)である点
を除き実施例1と略同様の条件でシリコン積層体を製造
した。
【0056】このシリコン積層体の多結晶シリコン膜に
ついてTEM観察を行ったところ、実施例1に係る多結
晶シリコン膜と同様に膜厚1mm程度でその結晶粒径は1
00μm程度に達していることが確認でき、かつ、その
膜特性も均一になっていることが確認された。
【0057】一方、多結晶シリコン膜の少数キャリア拡
散長を測定したところ略5μmであった。次に、水素に
よるパシベーション処理後における少数キャリア拡散長
を測定したところ略30μmであった。
【0058】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、製膜時に
おける多結晶シリコン膜のストレス低減が図れ、かつ、
多結晶シリコン膜内における電気的に活性な欠陥密度を
低減させることも可能となる。
【0059】従って、薄膜でしかも半導体特性が改善さ
れたシリコン積層体を簡便にかつ経済的に大量生産でき
る効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るシリコン積層体の概略断面図。
【図2】実施例の製法に適用された装置の構成概念図。
【図3】実施例並びに比較例に係る冷却条件を示すグラ
フ図。
【符号の説明】
1 高温プラズマ発生部 2 基材 3 反応室 7 基材ホルダー 8 加熱手段 20 シリコン積層体 21 カーボンファイバー織布 22 中間膜 23 多結晶シリコン膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材と、この基材上に製膜された多結晶シ
    リコン膜とで構成されるシリコン積層体の製造方法にお
    いて、 高温プラズマ中にシリコン原料を導入してこの原料を溶
    融又は分解し、かつ、この溶融又は分解物をシリコンの
    融点直下温度に加熱された基材上に供給して多結晶シリ
    コン膜を製膜した後、この多結晶シリコン膜を900℃
    〜1000℃まで急冷させてその膜内に双晶を含む格子
    欠陥を生じさせると共に、この多結晶シリコン膜を90
    0℃〜1000℃に保持して多結晶シリコン膜内に生じ
    た双晶以外の格子欠陥を減少させることを特徴とするシ
    リコン積層体の製造方法。
JP6227244A 1993-08-31 1994-08-29 シリコン積層体の製造方法 Pending JPH07196307A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004525841A (ja) * 2000-05-16 2004-08-26 東北電力株式会社 高純度シリコンの製造方法及び装置

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JP2004525841A (ja) * 2000-05-16 2004-08-26 東北電力株式会社 高純度シリコンの製造方法及び装置

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