JPH07203776A - 植物栽培用ポットおよび植物栽培方法 - Google Patents

植物栽培用ポットおよび植物栽培方法

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JPH07203776A
JPH07203776A JP6001626A JP162694A JPH07203776A JP H07203776 A JPH07203776 A JP H07203776A JP 6001626 A JP6001626 A JP 6001626A JP 162694 A JP162694 A JP 162694A JP H07203776 A JPH07203776 A JP H07203776A
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JP
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pot
cultivation
plant cultivation
plant
planting
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JP6001626A
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Masuo Yabu
益生 藪
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Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 細かな栽培管理を必要とする植物の栽培にお
いても、育苗管理や定植作業を簡略化できる植物栽培用
ポット、およびこのポットを使用した植物栽培方法の提
供を目的とする。 【構成】 この発明の植物栽培用ポット1は、栽培用床
土6への接触により経時的に生分解される樹脂を主成分
とし、前記栽培用床土6中において30日間に30〜60%の
重量減少を生じるように設定された生分解性樹脂組成物
からなり、周壁の厚さTが0.05〜0.4 mmに形成されてな
ることを特徴とし、特に前記生分解性樹脂組成物はpH
5〜8とされたものであることが好ましい。また、この
発明の植物物栽培方法は、前記植物栽培用ポット1内で
苗木の初期育成を行い、その苗木が未だ定植に適するま
でに成長していない段階で前記植物栽培用ポット1を装
着したままで栽培用床土6に定植したのち、所定期間経
過して当該苗木が植に適する状態にまで成長した時期に
おいて、生分解が進行した前記植物栽培用ポット1の周
壁から根を貫通させるものとすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、野菜類、花卉類、樹木
等の栽培に使用される植物栽培用ポット、特にトマトを
はじめとするナス科植物の栽培に好適に使用される植物
栽培用ポットおよびこのポットを使用する植物栽培方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植物の栽培においては、ポット内で苗木
を育成した後に定植地に移植することが多い。特に、定
植後の良好な開花や結実を達成するために育苗期におけ
る根の成長を抑制する必要のある植物では、ポットによ
る育苗は不可欠である。
【0003】例えば、ナス科植物であるトマトでは、育
苗期にポット内の少量の床土、すなわち比較的養分の少
ない床土で若い苗木を育成して根の成長を抑制すること
により、チャック玉等の不良果の発生率を低下させるこ
とができるということが知られている。ここで、トマト
の栽培において従来採用されている一般的な育苗例を挙
げると、播種後約25日経過時の本葉が1乃至2枚の時
に直径9cm程度のポットに鉢上げし、さらに播種後約
50日経過時の本葉が4乃至5枚の時に直径15cm程
度のポットに鉢広げを行い、播種後約75日経過時の本
葉が10枚程度に成長したときに定植が行われている。
そして、定植後は十分に根を生育させることが必要とさ
れる。
【0004】また、鉢上げや鉢広げの時期や育苗期間が
異なるものの、ナスやピーマン等の他のナス科植物の果
菜類をはじめとして、葉菜類、根菜類、豆類等の野菜
類、果実類、ラン等の花卉類、さらには松、杉等の樹木
類においても、トマトと同様に育苗期の成長抑制が必要
な植物が多数ある。
【0005】ところで、前述のような育苗方法に限ら
ず、ポット内の苗木を移植する際にはポットから苗木を
取出して植付けられるが、このときに植物の根を傷め易
く、また移植作業も面倒であるという欠点があった。そ
こで、これらの欠点を解消するべく、移植時にポットを
装着したままで植付けることができるように、土壌中で
崩壊する材料で形成されたポットが種々提案されてい
る。例えば、実開昭60−55347号公報ではポリエ
ステルおよびポリアミドの共重合体からなるポット、実
開昭48−61045号公報ではポリビニルアルコール
(PVA)系樹脂製ポット、特公昭54−36095号
公報、特開昭61−78334号公報および特開平2−
9324号公報では紙製ポットが記載されている。ま
た、実公平4−7712号公報では発泡樹脂からなるポ
ットが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の各種ポ
ットは、いずれも単に移植時の苗木の保護と作業負担の
軽減を目的としたものにすぎず、トマトのような育苗期
から定植後に至るまで細かい栽培管理を必要とする植物
の栽培に使用すると、次のような問題点が生じることが
予想される。
【0007】実開昭60−55347号公報に記載され
ているポットは、土壌中で4か月〜5か月かかって分解
されるものであるために、根の成長が定植後長期間に亘
ってにまで抑制され、植物の成育が阻害されてしまう。
実開昭48−61045号公報に記載されているポット
は、水溶性ポリマーであるPVAを使用しているために
土壌中の水分の影響を受けやすく、分解に至る時間を厳
格にコントロールすることは極めて困難である。特公昭
54−36095号公報等に記載されている紙製のポッ
トは、吸水によってポットの保形力を低下させるもので
あるために、定植後一定期間経過すると根はポットから
突き抜けるが、化学的に分解されて土壌に同化するまで
に時間がかかるために、次の栽培に支障をきたす。ま
た、実公平4−7712号公報に記載されているポット
は、根の成長によってポットの周壁を突き破るものであ
り、全く分解されず土壌に同化しないために、ポットを
回収しなければならない。
【0008】この発明は、前述された問題点を解決する
ことを目的として、細かな栽培管理を必要とする植物の
栽培においても、育苗管理や定植作業を簡略化できる植
物栽培用ポット、およびこのポットを使用した植物栽培
方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の植物栽培用ポ
ットは、前記目的を達成するために、栽培用床土(6)
への接触により経時的に生分解される樹脂を主成分と
し、前記栽培用床土(6)中において30日間に30〜
60%の重量減少を生じるように設定された生分解性樹
脂組成物からなり、周壁の厚さ(T)が0.05〜0.
4mmに形成されてなることを特徴とするものである。
特に、前記生分解性樹脂組成物はpH5〜8とされたも
のであることことが好ましい。
【0010】また、この発明の植物栽培方法は、前記植
物栽培用ポット(1)内で苗木の初期育成を行い、その
苗木が未だ定植に適するまでに成長していない段階で前
記植物栽培用ポット(1)を装着したままで栽培用床土
(6)に定植したのち、所定期間経過して当該苗木が定
植に適する状態にまで成長した時期において、生分解が
進行した前記植物栽培用ポット(1)の周壁から根を貫
通させるものとすることを特徴とするものである。
【0011】この植物栽培方法は、育苗に使用した植物
栽培用ポット(1)を装着したまま栽培用床土(6)に
定植し、所定期間経過するまではポット(1)内の土壌
のみで根の成長を抑制しながら苗木を育成し、所定期間
経過後は生分解によって崩壊したポット(1)の周壁か
ら根を貫通させて広範囲の土壌から十分な養分を得て育
成しようというものである。前記植物栽培用ポット
(1)から根を貫通させるべき時期は植物の種類によっ
て異なるが、この発明の植物栽培用ポット(1)では、
根を貫通させる時期、言い換えれば定植した後にポット
(1)が生分解されて根が貫通する程度に崩壊する時期
を、ポット(1)の崩壊速度および周壁の厚さによって
次のように規定する。
【0012】まず、前記植物栽培用ポット(1)の崩壊
速度を制御するために、ポット材料である生分解性樹脂
組成物を規定する必要がある。すなわち、生分解性樹脂
組成物の主成分である樹脂は栽培用床土(6)に接触す
るとその中に存在する微生物によって経時的に生分解さ
れて土壌に同化するものであり、かつ生分解性樹脂組成
物が前記栽培用床土(6)中において30日間に30〜
60%の重量減少を生じるように設定されていなければ
ならない。
【0013】前記樹脂として、ポリ(3ヒドロキシブチ
レート−4ヒドロキシバリレート)等の発酵によって生
成される樹脂、変成ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、
ポリカプロラクトン等の合成樹脂を例示でき、これらの
樹脂の1種または2種以上を混合して使用できる。ま
た、前記樹脂の他に、必要に応じて崩壊速度を調整する
ための充填剤、成形性を向上させるための可塑剤、pH
調整剤等を添加しても良く、これらの添加剤は土壌に同
化するものであれば特に限定されない。例えば、前記充
填剤としては鉱物質のタルクやカオリン、炭酸カルシウ
ム、マイカ等の無機充填剤、または澱粉、小麦粉、もみ
殻、セルロース、グルテン等の有機充填剤、可塑剤とし
てはグリセリン、エチレングリコール等を使用できる。
なお、pHは使用する前記充填剤の種類および量によっ
て調整することができる。これらの添加剤は、前記生分
解性樹脂組成物に所定速度の崩壊性を発現させるととも
に、成形性を向上させかつポット(1)の未使用状態に
おける保形性を低下させないように、前記樹脂100重
量部に対してそれぞれ次の範囲内で配合することが好ま
しい。無機充填剤は0〜50重量部が好ましく、特に0
〜20重量部が好ましい。有機充填剤は0〜70重量部
が好ましく、特に0〜40重量部が好ましい。可塑剤は
0〜100重量部が好ましく、特に0〜50重量部が好
ましい。
【0014】前記生分解性樹脂組成物として崩壊速度が
上述の範囲から逸脱する組成のものを使用すると、後述
するポット(1)の周壁の厚さ(T)との組み合わせで
はこの発明の植物栽培方法に適した時期に崩壊させるこ
とが困難となる。ただし、ポット(1)の崩壊速度は生
分解性樹脂組成物の配合組成のみによって単純に決まる
ものではなく、栽培用床土(6)の種類、温度、pH、
水分、微生物の種類および量等の外的条件によって大き
く異なるため、これらの外的条件との関係において崩壊
速度を設定する必要がある。
【0015】また、前記植物栽培用ポット(1)の崩壊
時期を制御するためには、前述の崩壊速度だけでなく、
周壁の厚さ(T)を規定する必要がある。すなわち、植
物栽培用ポット(1)の周壁の厚さ(T)が0.05m
m未満では、定植後速やかに崩壊して栽培用床土(6)
に同化してしまい必要な成長抑制がなされない。また、
ポット(1)の強度も低下して破れやすくなり、扱いに
くいものとなる。一方、0.4mmを超えて厚くなる
と、崩壊時期が遅くなりすぎて必要とされる成長抑制期
間を過ぎても根がポット(1)を貫通できないために、
その後の成長が阻害されてしまう。また、これ以上に厚
さ(T)を厚くして生分解性樹脂組成物の組成調整によ
って崩壊時期を早めようとすれば、材料コストが上がっ
て好ましくない。したがって、植物栽培用ポット(1)
の周壁の厚さ(T)は,0.05〜0.4mmとする必
要があり、特に0.1〜0.3mmが好ましい。
【0016】この発明の植物栽培用ポット(1)は、前
述のようなポット(1)の崩壊速度および周壁の厚さ
(T)を組み合わせることによって、定植から約15〜
80日経過後に植物の根が貫通するものとなる。
【0017】また、この発明の植物栽培方法において
は、その植物の栽培に必要とされる成長抑制期間に応じ
て使用する植物栽培用ポット(1)を選択し、苗木を栽
培用床土(6)に定植する時期は植物栽培用ポット
(1)の崩壊時期を勘案して根を貫通させるべき時期か
ら逆算して設定すれば良い。ただし、厳密に言うと、植
物栽培用ポット(1)内で苗木を初期育成する間もポッ
ト(1)内に充填された少量の床土によって僅かではあ
るが生分解が進行しているため、特に初期育成に長期間
を要する植物では、この間の分解分を考慮して植物栽培
用ポット(1)を選択する必要がある。トマトの栽培を
例に挙げると、植物栽培用ポット(1)として周壁の厚
さ(T)が0.05〜0.3mmで40〜50%程度の
重量減少のあるものを使用し、定植後20〜40日程度
で根を貫通させるように栽培管理することが好ましい。
【0018】さらに、前記植物栽培用ポット(1)は、
必要に応じて前記充填剤を組み合わせて添加することに
よって、pHを5〜8とされた生分解性樹脂組成物から
なるものが好ましい。これは、前記植物栽培用ポット
(1)のpHが栽培用床土(6)のpHと著しく異なる
と、ポット(1)の分解によって栽培用床土(6)のp
Hが変化して植物の生育を阻害するおそれがあるためで
ある。pHを前記範囲に規制した植物栽培用ポット
(1)は、トマト、ピーマン、ナス等のナス科植物、キ
ュウリ、メロン等のウリ科植物をはじめとして多種の植
物の栽培に適する。
【0019】
【作用】この発明の植物栽培用ポット(1)は、栽培用
床土(6)への接触により経時的に生分解される樹脂を
主成分とし、前記栽培用床土(6)中において所定の速
度で崩壊するように設定された生分解性樹脂組成物から
なり、かつポット(1)の周壁の厚さ(T)が所定範囲
内に規定されている。そのため、この植物栽培用ポット
(1)を栽培用床土(6)中に埋込むと、所定期間経過
するまではポット(1)の形状は保たれているが、徐々
に生分解が進行して所定期間が経過すると形状が崩壊
し、最終的に土壌に同化する。このような植物栽培用ポ
ット(1)を用いて、次のような方法により植物を栽培
することができる。
【0020】前記植物栽培用ポット(1)内で初期育成
した苗木を未だ定植に適するまでに成長していない段階
で該ポット(1)を装着したままで栽培用床土(6)に
定植すると、ポット(1)が崩壊するまではポット
(1)内の少量の土壌のみで育成されるために、苗木は
成長抑制を受けながら成長し、かつポット(1)の分解
の進行にともなって成長抑制の度合いが徐々に低減され
ながら成長する。すなわち、従来の栽培方法においては
成長抑制期間を経て定植を行っていたが、この発明では
成長抑制期間の途中で定植地に移植することになり、定
植後も成長抑制期間が続行し、かつ鉢広げを行ったと同
じ状態となる。そして、所定期間経過して前記植物栽培
用ポット(1)が崩壊すると、根は該ポット(1)の周
壁を貫通して広い範囲から十分な養分を吸収できるよう
になり、従来の栽培方法における定植と同じ状態とな
る。
【0021】また、前記植物栽培用ポット(1)とし
て、pHを5〜8に調整した生分解性樹脂組成物からな
るものを使用すると、前記栽培用床土(6)の有するp
Hに予め調整されているため、ポット(1)が分解され
ても栽培用床土(6)を栽培植物にとって好適なpHに
保つことができる。
【0022】
【実施例】次に、この発明にかかる植物栽培用ポットお
よびこのポットを使用する植物栽培方法の具体的実施例
について説明する。
【0023】[ポットの製作]植物栽培用ポットを製作
するに際し、ポット材料として後掲の表1に示す樹脂お
よび無機充填剤を用意した。
【0024】まず、これらの材料を後掲の表2および表
3の各例に示す割合で混合して、所定のpHの生分解性
樹脂組成物を調製し、ベースシートを製作した。次い
で、このベースシートを真空成形して図1に示すような
連結状態の多数のポット(1)を製作し、各ポット
(1)間にミシン目(2)を入れるとともに、図2に示
すようにポット(1)の底部に排水孔(3)を設けた。
個々のポット(1)の外形寸法は、各例共通で開口部の
一辺(L1)が30mm、底部の一辺(L2)が25m
m、深さ(H)が40mmの逆四角錐形であり、排水孔
(2)の直径(D)は12mmである。ポット(1)の
厚さ(T)は各例によって異なり、各例10個のポット
(1)の周壁の中央部で測定した平均値を表2および表
3に示す。または、表2および表3におけるポット
(1)のpHは、ポット(1)の微粉砕品5gを純水1
00mlに浸漬して室温下で24時間攪拌し、その上澄
液について測定した値である。
【0025】[栽培試験]前述のようにして製作した各
例のポット(1)を用いて、次のような栽培方法により
トマトを栽培した。
【0026】1.栽培場所および栽培方法の概要 栽培場所は、奈良県橿原市四条町 奈良県農業試験場本
場のハウス内であり、ハウス半促成栽培法に従って19
93年1月8日に播種を行い、同年8月10日に収穫を
終えた。ハウス内温度は、栽培全期間を通じて気温10
〜20℃、地温15〜20℃とした。
【0027】2.育苗 播種 穂木としてタキイ種苗社製の桃太郎、台木として野菜試
験場製のLS−89を使用した。播種は1993年1月
8日に行い、床土としてピートモスおよびバームキュラ
イトを1:3にブレンドしたものを使用し、育苗箱内に
それぞれの種子をすじ播きした。
【0028】鉢上げ 播種後10日経過時の1月18日に、発芽した穂木およ
び台木の子葉を前述の植物栽培用ポット(1)1個に1
株ずつ移植した。前記ポット(1)は連結状態のままで
使用し、育苗用床土(4)としてヤンマー社製の野菜養
土を使用した。
【0029】接ぎ木 播種後38日経過時の2月15日に、本葉が2〜3枚に
成長した穂木を斜め接ぎ法により台木に接いだ。
【0030】上述の〜の育苗期間において、1日に
1回灌水し、5日に1回の割合で液肥を与えた。
【0031】3.定植 実施例および比較例 播種後48日経過時の2月25日に、接ぎ木部分の活着
が完了し本葉が2〜3枚に成長した苗木各10株を25
cmの定植用鉢に定植した。図3に示すように、定植は
1個の定植用鉢(5)に1株ずつ植付けることとし、実
施例1〜3および比較例2〜6については、各ポット
(1)をミシン目(2)で切り離し、ポット(1)を装
着したままで前記定植用鉢に植付けた。比較例1につい
ては、ポット(1)から苗木を取出して植付けた。な
お、定植用床土(6)は、田土76リットルおよびピー
トモス38リットルにpH調整のために苦土石灰76g
を加えて原土とし、この原土1リットルにつきロング化
学肥料(成分比 窒素:リン酸:カリ=14:12:1
4)を5.1gの割合で混合したものを使用した。
【0032】対照例 前述の苗木10株について、従来の栽培法で推奨される
2回の鉢広げの後に定植を行った。第1回の鉢広げは播
種後48日経過時の2月25日に行い、前記ポット
(1)から苗木を取出して9cm鉢に移植した。第2回
の鉢広げは播種後61日経過時の3月10日に行い、前
記9cm鉢から苗木を取出して15cm鉢に移植した。
移植用床土には育苗期と同じ野菜養土を用いた。定植は
本葉10枚で1段花房が開花する直前の4月3日(播種
後85日経過時)に行い、前記15cm鉢から苗木を取
出して定植用鉢に植え付けた。なお、定植用床土(6)
および定植用鉢(5)は、前記各実施例および比較例と
同じものを使用した。
【0033】4.定植後の栽培管理 通常の栽培管理方法に従い、ホルモン処理、追肥、摘
果、摘芯を行った。ホルモン剤および肥料の種類および
量は、各実施例、各比較例、対照例で全く同じである
が、処理時期は各テスト個体の生育状況に合わせて行っ
た。摘果は1、2段花房は4果、3段花房以上は5果と
した。摘芯は8段果房で行い、7段取りとした。
【0034】(5)評価方法 各実施例および比較例の定植後30日経過時(播種後
78日経過時)の3月28日に、テスト個体10株のう
ち5株について、定植用鉢(5)からポット(1)およ
び苗木を抜き取り、ポット(1)の崩壊度と苗木の生育
度を観察した。ポット(1)の崩壊度はテスト前のポッ
ト重量に対する重量減少率(%)および外観観察で評価
し、苗木の生育度は地上部の重量等により評価し、いず
れも5株の平均値とした。表2および表3にこれらの評
価結果を併せて示す。なお、表2に示す対照例について
は、4月5日の定植後2日経過時における生育度であ
り、5株の平均値である。
【0035】各例の残りの5株については栽培を続行
して果実を収穫をした。全ての株について収穫を終了し
た8月10日に、定植用鉢(5)からポット(1)を抜
き取って重量減少率を調べた。表2および表3に、ポッ
トの重量減少率および収穫結果を5株の平均値で示す。
【0036】
【表1】
【表2】
【表3】 表2および表3から明らかなように、この発明の植物栽
培用ポット(1)を使用した実施例1〜3は、いずれも
定植後30日経過時には根がポット(1)の周壁を貫通
して順調に成長し、品質、量ともに良好な収穫であり、
鉢広げを行った後に定植するという従来方法で栽培した
対照例に匹敵するものであった。これらの比較により、
収穫結果の点で、鉢広げの省略やポット(1)を装着し
たままの定植に何等問題がないことを確認しえた。
【0037】前記各実施例に対して、ポット(1)を除
去して定植した比較例1およびポット(1)厚さが薄い
ために崩壊が速い比較例3では、育苗期の成長抑制がな
されないために乱形果の発生率が高かった。また、定植
用床土(6)中で分解されない樹脂製のポット(1)を
用いた比較例3、および分解はするがポット(1)の周
壁が厚いために崩壊の遅い比較例4では、定植後30日
経過時でも根が貫通せず成長が阻害されたために収穫量
が悪かった。また、比較例5および比較例6のポット
は、pHがトマトの栽培に適していなかった。
【0038】
【発明の効果】以上のように、この発明の植物栽培用ポ
ットは、栽培用床土(6)への接触により経時的に生分
解される樹脂を主成分とし、前記栽培用床土(6)中に
おいて30日間に30〜60%の重量減少を生じるよう
に設定された生分解性樹脂組成物からなり、周壁の厚さ
(T)が0.05〜0.4mmに形成されてなるなるも
のであるから、栽培用床土(6)に埋めておくと分解し
て所定期間経過後には崩壊して土壌に同化する。このよ
うな植物栽培用ポット(1)は次のような植物栽培方法
に好適に使用でき、特に、pH5〜8の生分解性樹脂組
成物からなる植物栽培用ポット(1)は、ナス科植物、
ウリ科植物をはじめとする幅広い植物の栽培に好適に使
用できる。
【0039】この発明の植物栽培方法は、前記植物栽培
用ポット(1)内で苗木の初期育成を行い、その苗木が
未だ定植に適するまでに成長していない段階で前記植物
栽培用ポット(1)を装着したままで栽培用床土(6)
に定植したのち、所定期間経過して当該苗木が定植に適
する状態にまで成長した時期において、生分解が進行し
た前記植物栽培用ポット(1)の周壁から根を貫通させ
るものである。このような栽培方法によれば、定植後ポ
ット(1)が崩壊するまでは、苗木は成長抑制を受けな
がら、かつ徐々に成長抑制の度合いが低減されながら育
成され、鉢広げを行ったと同様の効果が得られる。そし
て、ポット(1)の崩壊後は、根がポット(1)を貫通
するために、苗木は広い範囲の栽培用床土(6)から養
分を得て抑制を受けることなく成長する。したがって、
育苗期に成長抑制を必要とする植物の栽培において、鉢
広げを省略でき、定植時にもポット(1)から苗木を取
出す必要がなくなって、育苗管理や定植作業が簡単にな
るとともに、定植時に苗木を傷める危険もなくなる。ま
た、前記植物栽培用ポット(1)は土壌に同化されるた
め、収穫後にポット(1)を回収する必要がなく、その
まま次の栽培に備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる植物栽培用ポットが多数連結
された状態を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II断面視図である。
【図3】この発明の植物栽培方法における定植状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1…植物栽培用ポット 6…栽培用床土(定植用床土)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】前記樹脂として、ポリ(3ヒドロキシブチ
レート−3ヒドロキシバリレート)等の発酵によって生
成される樹脂、変成ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、
ポリカプロラクトン等の合成樹脂を例示でき、これらの
樹脂の1種または2種以上を混合して使用できる。ま
た、前記樹脂の他に、必要に応じて崩壊速度を調整する
ための充填剤、成形性を向上させるための可塑剤、pH
調整剤等を添加しても良く、これらの添加剤は土壌に同
化するものであれば特に限定されない。例えば、前記充
填剤としては鉱物質のタルクやカオリン、炭酸カルシウ
ム、マイカ等の無機充填剤、または澱粉、小麦粉、もみ
殻、セルロース、グルテン等の有機充填剤、可塑剤とし
てはグリセリン、エチレングリコール等を使用できる。
なお、pHは使用する前記充填剤の種類および量によっ
て調整することができる。これらの添加剤は、前記生分
解性樹脂組成物に所定速度の崩壊性を発現させるととも
に、成形性を向上させかつポット(1)の未使用状態に
おける保形性を低下させないように、前記樹脂100重
量部に対してそれぞれ次の範囲内で配合することが好ま
しい。無機充填剤は0〜50重量部が好ましく、特に0
〜20重量部が好ましい。有機充填剤は0〜70重量部
が好ましく、特に0〜40重量部が好ましい。可塑剤は
0〜100重量部が好ましく、特に0〜50重量部が好
ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【表1】
【表2】
【表3】 表2および表3から明らかなように、この発明の植物栽
培用ポット(1)を使用した実施例1〜3は、いずれも
定植後30日経過時には根がポット(1)の周壁を貫通
して順調に成長し、品質、量ともに良好な収穫であり、
鉢広げを行った後に定植するという従来方法で栽培した
対照例に匹敵するものであった。これらの比較により、
収穫結果の点で、鉢広げの省略やポット(1)を装着し
たままの定植に何等問題がないことを確認しえた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 栽培用床土(6)への接触により経時的
    に生分解される樹脂を主成分とし、前記栽培用床土
    (6)中において30日間に30〜60%の重量減少を
    生じるように設定された生分解性樹脂組成物からなり、
    周壁の厚さ(T)が0.05〜0.4mmに形成されて
    なることを特徴とする植物栽培用ポット。
  2. 【請求項2】 前記生分解性樹脂組成物はpH5〜8と
    されたものであることを特徴とする請求項1に記載の植
    物栽培用ポット。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の植物栽培用ポ
    ット(1)内で苗木の初期育成を行い、その苗木が未だ
    定植に適するまでに成長していない段階で前記植物栽培
    用ポット(1)を装着したままで栽培用床土(6)に定
    植したのち、所定期間経過して当該苗木が定植に適する
    状態にまで成長した時期において、生分解が進行した前
    記植物栽培用ポット(1)の周壁から根を貫通させるも
    のとすることを特徴とする植物栽培方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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