JPH0720426B2 - 食品加工用醤油の製造法 - Google Patents

食品加工用醤油の製造法

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JPH0720426B2 JP62149067A JP14906787A JPH0720426B2 JP H0720426 B2 JPH0720426 B2 JP H0720426B2 JP 62149067 A JP62149067 A JP 62149067A JP 14906787 A JP14906787 A JP 14906787A JP H0720426 B2 JPH0720426 B2 JP H0720426B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、淡色で加熱増色、香りが少なく、乾燥性が良
好な食品加工用醤油の製造法に関する。
醤油は、食品に香り、風味或いはコク味を賦与するばか
りでなく、食品素材の臭みも消す作用もあるので、種々
の食品の加工、調理等に広く使用されているが、近年、
食品素材の魚や野菜等の色合を自然のまま保つことを目
的として、また調理上の必要等から、特に色沢の淡い醤
油が好んで用いられるようになってきている。
一方、醤油は、色沢の淡い醤油、濃い醤油に関係なく食
品の加工、調理等に際し加熱すると褐変を起こし、黒味
を帯びた暗い色に変化し(以下、これを「加熱増色」と
いう)、これが著しい場合は製品としての価値が低下す
る。
また、加工食品によっては、そこに醤油様又は醤油由来
の香気を望まない場合があるが、従来の醤油は香りの強
いものが多く、その使用に制約を受ける場合がある。
更にまた、近年の食生活の向上及び多種多様化に伴い、
粉末状の中華スープ、コンソメスープ、粉末つゆ類及び
粉末調味料等の需要が伸びており、これらの食品のベー
スとなる粉末醤油の消費が伸びているが、通常の醤油は
吸湿性の強い成分が多いため乾燥、粉末化が困難で、そ
の粉末化にはデキストリン等の賦形剤を多量に添加し、
しかも高温下での加熱を余儀なくされている。
そのため、出来た製品は、再び水に溶解して醤油とした
とき、色沢が濃厚化するばかりでなく、焦げ臭くなり、
味も劣るものとなり、また吸湿性、潮解性が強いためベ
トつき易く、他の粉末成分と均一に混合することが困難
となるため上記した粉末状食品の加工には適さないもの
となる欠点を有する。
そこで、本発明者らは、このような現状に鑑み、淡色で
加熱増色、香りが少なく、乾燥性が良好で各種食品の加
工又は調理に際して、上記の如き不都合を生じない多目
的用途に使用可能な食品加工用醤油を得べく種々検討を
重ねた結果、遂に本発明を完成した。
即ち、本発明は醤油麹に、加温した食塩水を仕込んで
品温37〜43℃、食塩濃度8〜12%の醤油諸味を調製し、
この仕込と同時又は直後に該醤油諸味1g当たり105個以
上となるように醤油酵母を混和し、該品温で5〜20日保
持することを特徴とする食品加工用醤油の製造法であ
り、また本発明は醤油麹に、変性した蛋白質原料と加
温した食塩水を仕込んで品温37〜43℃、食塩濃度8〜12
%の醤油諸味を調製し、この仕込と同時又は直後に該醤
油諸味1g当たり105個以上となるように醤油酵母を混和
し、該品温で5〜20日保持することを特徴とする食塩加
工用醤油の製造法である。
上記本発明によれば淡色で加温増色、香りが少なく、
醤油成分中、乳酸含量が0.1%以下と非常に少なく、乾
燥性の良好な醤油が得られ、本発明によれば、色沢、
加熱増色及び香りが更に少なく、また醤油成分中、乳酸
含量ばかりでなく糖、及びグリセリンの含量も非常に少
ない、乾燥性の著しく良好な醤油が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる醤油麹としては、蛋白質原料及び炭
水化物原料を変性処理し、これに種麹菌を接種培養して
得られた醤油麹が挙げられる。
ここに用いられる蛋白質原料としては、大豆、脱脂大豆
(脱脂加工大豆)、脱皮大豆、大豆蛋白ミール、小麦グ
ルテン、トウモロコシグルテン等が、また炭水化物原料
としては、小麦、大麦、米、トウモロコシ等が挙げられ
る。
次に、本発明の醤油諸味調製時に添加される変性した蛋
白質原料とては、大豆、脱脂大豆等の蛋白質原料を通常
の変性処理、即ち蒸煮したり飽和水蒸気あるいは過熱水
蒸気で加圧加熱し膨化したり、あるいはエクストルーダ
ーにより加熱加圧混練し膨化することにより得られたも
の等が挙げられる。
そして、その添加量は、醤油麹に用いた蛋白質原料(未
変性原料)比で0.1〜1.5重量倍、特に0.2〜1.2倍が好ま
しい。添加量が1.5倍を越え、相対的に未製麹原料の割
合が増大すると、製品に豆臭が出たり、原料利用率が低
下したりする。
このように、変性した蛋白質原料を添加すると、添加し
ない場合に比べて色沢、加熱増色及び香りが少なくなる
ばかりでなく、乾燥性も著しく向上する。
次に、醤油の個々の成分が及ぼす醤油の乾燥性への影響
について実験例を挙げて説明する。
実験例 市販の濃口醤油(食塩16.9%、総窒素1.5%)単独、お
よびこの醤油に下記第1表記載の添加物をそれぞれ1〜
10%(W/V)加えて、80℃に加温溶解後、モーゼル・マ
イサー型噴霧乾燥機(ニト・アトマイザー社製)を使用
して、入口温度135〜140℃、出口温度83〜86℃、流量8.
2ml/分、アトマイザー回転数30,000r.p.mの条件で粉末
化し、乾燥性、即ち以下の計算式により醤油の回収率に
ついて調べたところ、第1表に示す如き結果が得られ
た。
但し、Rは乾燥装置のサイクロン捕集器に直接排出され
た粉末と乾燥塔に残留した乾燥粉末の合計量。Sは比重
をカール・フィッシャー法で求めた水分量より算出した
原料の固形重量。
第1表の結果から、醤油の成分として、澱粉類、アミノ
酸類、分離大豆蛋白水解物および食塩は濃度を上げると
乾燥性が良好になるのに対し、グルコース、乳酸および
グリセリンは反対に乾燥性が悪くなることが判る。
本発明者らは、変性した蛋白質原料を添加すると、グル
コース、乳酸およびグリセリンが非常に少ない醤油が得
られ、従って非常に乾燥性の良好な醤油が得られること
を知った。
次に、本発明に用いられる加温した食塩水としては、仕
込直後の諸味品温が37〜43℃、食塩濃度が8〜12%の範
囲となるような温度、食塩濃度、汲水量とすることが必
要である。温度が37℃未満では乳酸菌、その他の雑細菌
が旺盛に繁殖を始めるので好ましくなく、反対に43℃よ
り高いと酵母菌の繁殖、発酵が阻害されるので好ましく
ない。食塩濃度が8%未満では、腐造する危険性が極め
て高く、反対に12%を越えると発酵所要期間が長びくの
で好ましくない。
次に、本発明に用いられる醤油酵母としては、通常の醤
油諸味から分離される耐塩性の醤油酵母、例えばサッカ
ロミセス・ルーキシが挙げられる。
また、その添加量は、仕込直後の醤油諸味1g当たり105
個以上とすることが重要で、これより少ないと腐造或い
は発酵不良になる危険性が極めて高くなる。
また、その添加時期は、仕込と同時(即ち醤油諸味調製
時)又は仕込直後(即ち仕込終了後数時間以内)とする
ことが必要で、仕込後1日経過した後に添加する場合に
は、醤油諸味が低食塩濃度でしかも腐敗菌の生育に好適
な温度で保持されるため、たちどころに腐敗する危険性
を有し、また最も重要なことであるが、出来た製品醤油
の乾燥性が悪くなるので、本発明の目的が達成されな
い。
次に、以上の方法により調製された諸味は、37〜43℃特
に39〜41℃で5〜20日保持する。本発明においてこのこ
とも重要であて、温度が37℃未満では醤油麹や醸造場か
ら混入する乳酸菌、雑細菌により醤油諸味が腐敗する危
険性が極めて高く、反対に43℃を越えると酵母によるア
ルコール発酵が阻害されるので好ましくない。
また保持期間が5日未満では、アルコール発酵が充分で
なく、成分の溶出も不充分である。反対に20日を越える
と諸味液汁が次第に褐変し、また製品醤油の加熱増色が
大きくなるので好ましくない。尚、保持期間中、時々攪
拌することは言うまでもない。
このようにして得られた醤油諸味は、そのまま又は補塩
をした後常法により圧搾濾過し、そのまま又は火入をし
た後、引き等を行なって、本発明の醤油を得る。
以上の説明から明らかなように、伝統的な手法で製造さ
れた醤油は、普通の調理条件では良い香りと良い味をも
つ大変優れた調味料である。しかし、以前は加熱条件も
せいぜい100℃位であったが、今日では調理品の長期保
存を目的として110〜120℃で加熱殺菌をしたり、高温で
粉末化(乾燥)することがある。伝統的な手法で製造さ
れた醤油には、このような過酷な処理条件は考慮されて
いないため、出来上った調理品の色が増色して黒くな
り、嗜好が低下したり、せっかくの醤油の良い香りが失
われたりしてしまう危険性がある。しかるに本発明によ
れば、上記不都合のない、以下に示すような新しい特徴
を有する食品加工用醤油が得られる。
普通の醤油に比べて加熱増色(色度の濃厚化)が極
めて遅く、醤油をそのまま加熱(100℃)した場合のそ
れは、普通の濃口醤油の0.5〜0.8倍である。多くの調理
品では醤油は、希釈された状態で加熱されるのでこの差
は更に拡大する。
色度は淡口醤油に近く、No.24〜28である。
総窒素は濃口醤油(本醸造JAS特級)と同じで旨味
も変わらない。
香りは、濃口醤油に比べて淡く、また濃口醤油特有
の強い香りがない。
初発の色が淡色なうえに、加熱による増色も少ない
ので、調理品の色調は淡色に仕上がる。
吸湿性成分が少ないので、乾燥粉末化が容易であ
る。
加熱に対して色が安定なので、淡色の粉末醤油が得
られる。また得られた粉末醤油はベトつき、ブロッキン
グが少ないので、作業性が向上する。
加熱に対して安定性があるので、缶詰、レトルトな
ど高温で長時間処理される調理食品に適している。佃煮
など長時間煮込む場合でも、煮上りの色調が良好であ
る。
惣菜を煮上げた場合淡色なので、素材の色が損なわ
れず鮮やかな色に仕上がる。
本発明により、乳酸、糖、及びグリセリンの含量が
それぞれ少ない醤油が得られるが、特にそれらの含量が
0.1%以下、1%以下、1%以下である醤油は、非常に
淡色で、加熱増色、香りが少なく、著しく乾燥性が良好
である。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。
実施例1 脱脂加工大豆と小麦を、下記第2表記載の如く用いて醤
油麹を得、これに加熱変性した脱脂加工大豆(乾燥品)
をそれぞれ同表記載の如く加え、42℃に加温した11.7%
食塩水1.4lに仕込み、品温40℃、食塩濃度9%の醤油諸
味を調製した。この仕込と同時に種醤油酵母を加え(仕
込直後の醤油酵母数5×105個/諸味g)、時々攪拌し
て、40℃で10日間保ち、食塩170gを添加(補塩)溶解し
た後圧搾し、色沢が非常に淡く、第2表記載の如き加熱
増色を示す食品加工用醤油を得た。
尚、比較のため、対照として脱脂加工大豆と小麦を用い
て醤油麹を作り、これを23%食塩水1.3lに仕込み、28℃
にて6ケ月間、時々攪拌しながら保持した後圧搾し、醤
油を得た。
これらの醤油を食塩17%、総窒素1.6%に規格調製した
後火入、引きして、製品醤油を得、これを100℃、2
時間加熱して、色沢の変化を調べたところ、第2表に示
す如き結果が得られた。尚、色沢は液層1mmの550nmの吸
光度を測定して求めた。
第2表の結果から、本発明の食品加工用醤油はいずれの
区分も、対照の醤油と比べて色沢が非常に淡く、また加
熱増色も対照の醤油と比べて0.5〜0.75倍と低いことが
判る。また、醤油諸味に加熱変性した脱脂加工大豆を加
えると加熱増色が非常に少なくなることが判る。
実施例2 脱脂加工大豆1kgを常法により蒸煮変性したものと、小
麦1kgを常法により炒熬割砕したものを混和し、市販の
醤油用種麹を接種して製麹し、醤油麹を得た。この醤油
麹に蒸煮変性した脱脂加工大豆1.3kg(蛋白質原料比で
1.3倍)と醤油酵母(サッカロミセス・ルーキシ)と、4
2℃、845gの食塩を含む水6.5lを仕込み(仕込直後の醤
油酵母数1×106個/諸味g)、40℃の品温で、時々攪
拌しながら10日保持した。
次いで加温を止め、食塩700gを添加混合し、翌日圧搾し
て、下記第3表に示す如き成分分析値を有し、色沢が非
常に淡く(醤油標準色26番)香りも低い、頗る味の濃厚
な食品加工用醤油を得た。
次に、上記で得られた本発明の食品加工用醤油の乾燥性
について、市販の濃厚醤油を対照として比較検討した。
尚、比較検討は、窒素成分を同一濃度に調製した下記第
4表に示す醤油について行なった。
上記の2つの醤油に賦形剤としてデキストリンを25重量
%添加し、80℃に加熱溶解し、常温に冷却してから、モ
ーゼル・マイナー型噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥を行な
った。乾燥条件は入口温度165〜170℃、出口温度100〜1
05℃、流量8.0ml/分、アトマイザ回転数20,000r.p.mと
した。このようにして得られた粉末醤油の回収率を実験
例1と同様にして求めたところ対照の醤油を原料とした
ときは90.1%であるのに対し、本発明の醤油を原料とし
たときは99.6%と非常に高い値が得られ、本発明の醤油
は乾燥性が非常に良いことが判った。
次に、上記で得られた2種類の粉末醤油の平衡水分量と
そのときの状態を比較検討した。
即ち、2種類の粉末醤油を、45℃、12時間15mmHg下で減
圧乾燥したものを、温度25℃の室温で、相対湿度が、そ
れぞれ32.8%、52.9%、75.3%を保つデシケーター容器
内に放置し、該粉末醤油が平衡水分量となるまで入れて
おき、そのときの吸湿水分量と粉末の状態を観察した。
尚、デシケーター内の相対湿度32.8%、52.9%、75.3%
はそれぞれ水酸化マグネシウム6水塩、硝酸マグネシウ
ム6水塩および塩化ナトリウムを用いる塩類飽和溶液に
よる調湿法〔高分子学会・高分子と吸湿委員会編;「材
料と水分ハンドブック」(共立出版)P240〜260参照〕
により調製した。
第5表の結果から、本発明の醤油から得た粉末醤油は、
対照の醤油から得たそれと比較して、吸湿性、潮解性が
少なく、低湿度(相対湿度35%以下)領域では、サラサ
ラして、粉末としての流動性が良いことが判る。従っ
て、他の粉末食品との混合性も良好で、製造工程で吸湿
によるトラブルが少なく、大巾に作業性も改善されるの
で、粉末状の中華スープ、コンソメスープ、粉末つゆ及
び粉末調味料等のベースとして適し、有効に使用するこ
とができることが判る。
実施例3 脱脂加工大豆と小麦をほぼ等量用いた通常の醤油麹480g
に、加熱変性した脱脂加工大豆(蛋白質原料比1.3重量
倍)を加え、42℃の11.7%食塩水1.4lを仕込んで、品温
40℃食塩濃度9.0%の醤油諸味を調製した。更に、仕込
と同時に種醤油酵母を加え(仕込直後の醤油酵母数5×
105個/諸味g)、種乳酸菌(2×107個/g)を下記第6
表に示す如く加えて、時々攪拌しながら40℃で10日間保
ち、食塩100gを添加溶解した後、圧搾して生醤油を得
た。
次いで、このようにして得られた生醤油の成分分析値、
官能検査、及び乾燥性(粉末醤油の回収率)について調
べたところ、第6表に示す如き結果が得られた。
尚、官能検査は、識別能力を有する訓練されたパネル20
名により、5段階評点法〔5(最上級)←→1(最下
級)〕で行ない、そのスコアをを示すと共に、種乳酸菌
の添加量が同一である本発明の醤油と比較例の醤油につ
いて、どちらが良いかについて有意差検定を行なった。
尚、比較例は、上記の本発明の醤油の製造法において、
種醤油酵母を仕込の翌日に加える以外は全く同様にして
得られたものである。
以上の結果から、種醤油酵母を仕込の翌日に添加する比
較例の区分は、醤油諸味が酸敗又はそれに近い状態とな
り、官能検査の結果も悪くなると共に、乾燥性も悪くな
るが、種醤油酵母を仕込日に添加する本発明の区分は、
乳酸菌の存在下であっても諸味が酸敗することもなく、
健全に酵母発酵が営まれ、官能検査の結果も良好で、更
に乾燥性の良好な醤油が得られることが判る。
実施例4 脱脂加工大豆と小麦をほぼ等量用いた通常の醤油麹520g
に、加熱変性した脱脂加工大豆210g(蛋白質原料比1.1
重量倍)を加え、下記第7表に記載の如き食塩を含む温
水1.3lを加えて、仕込を行ない、醤油諸味を調製した。
仕込と同時に、種醤油酵母を加え(醤油酵母数1×106
個/諸味g)、更に種乳酸菌(2×107個/g)1gを加
え、時々攪拌して、第7表記載の如き諸味品温で6日間
保ち、次いで圧搾して生醤油を得た。
次いで、このようにして得られた醤油について実施例3
と同様にして成分分析値、及び官能検査について調べた
ところ第7表に示す如き結果が得られた。
以上の結果から、諸味品温を35〜36℃に保持する比較例
の区分は、醤油諸味が酸敗又はそれに近い状態となり、
官能検査の結果も悪くなるが諸味品温40〜41℃に保持す
る本発明の区分は、乳酸菌の存在下で、しかも食塩濃度
が低くても諸味が酸腐することもなく、健全に酵母発酵
が営まれ、官能検査の結果も良好な醤油が得られること
が判る。
実施例5 (仕込直後の醤油諸味1g当たりの醤油酵母濃度と製品の
品質の関係) 脱脂加工大豆と小麦をほぼ等量用いた通常の醤油麹520g
に、加熱変性した脱脂加工大豆210gを加え、42℃に加温
した11.7%の食塩水1.3リットルを加えて仕込を行い、
品温40℃、食塩濃度約9%の醤油諸味を調製した。次い
で、仕込と同時に種醤油酵母を第8表に示す各濃度とな
るように加え、更に種醤油乳酸菌(2×107個/g)1gを
加え、時々攪拌しながら諸味品温40℃で10日間保持し、
次いで圧搾して生醤油を得た。
次いで、このようにして得られた生醤油の乳酸含量を調
べ、官能検査を実施したところ、第8表に示す如き結果
を得た。
第8表の結果から醤油酵母濃度は仕込み直後の醤油諸味
1g当たり105個以上とすることが重要で、それ未満では
比較例に示されるように、乳酸菌の存在下では該乳酸菌
が旺盛に繁殖を始めるので諸味が酸敗し、酸敗臭や酸味
を有する製品となる欠点を有するが、105個以上では本
発明の区分に示されるように、乳酸菌の繁殖が抑制さ
れ、諸味が酸敗することもなく健全に酵母発酵が行わ
れ、その結果風味良好な製品が得られることが判る。
実施例6 (仕込後醤油諸味を保持する品温と製品の品質の関係) 脱脂加工大豆と小麦をほぼ等量用いた通常の醤油麹520g
に、加熱変性した脱脂加工大豆210gを加え、各温度に加
温した11.7%の食塩水1.3リットルを加えて、仕込を行
い、食塩濃度約9%の醤油諸味を調製した。
次いで仕込と同時に種醤油酵母を加え(醤油酵母数5×
105個/諸味g)、更に種乳酸菌(2×107個/g)1gを加
え、時々攪拌しながら第9表に記載の如き醤油諸味の品
温で10日間保持し、圧搾して生醤油を得た。
次いで、このようにして得られた生醤油の乳酸含量を調
べ、官能検査を実施したところ、第9表に示す如き結果
を得た。
第9表の結果から、仕込後に保持する醤油諸味の品温は
37〜43℃とすることが重要で、諸味品温を37℃未満に保
持する比較例は、乳酸菌の存在下では、該乳酸菌が旺盛
に繁殖を始めるので醤油諸味が酸敗し、酸敗臭や酸味を
有する製品となり、また反対に43℃を越える比較例は酵
母菌の繁殖、発酵が阻害されて、製品が異臭(原料臭、
麹臭)を有する欠点を有するが、醤油諸味の品温を37〜
43℃に保持する本発明の区分は、乳酸菌の存在下であっ
ても酸敗することもなく健全に酵母発酵が行われ、その
結果風味良好な製品が得られることが判る。
実施例7 (仕込後の醤油諸味の食塩濃度と最終製品の品質の関
係) 脱脂加工大豆と小麦をほぼ等量用いた通常の醤油麹520g
に、加熱変性した脱脂加工大豆210gを加え、加温した各
種濃度の食塩水1.3リットルを加えて仕込を行い、第10
表に記載の如き各食塩濃度の醤油諸味を調製した。
次いで仕込と同時に種醤油酵母を加え(仕込直後の醤油
酵母数5×105個/諸味g)、更に種乳酸菌(2×107
/g)1gを加え時々攪拌しながら40℃の品温で10日間保持
し、圧搾して生醤油を得た。
次いで、このようにして得られた生醤油の乳酸含量を調
べ、官能検査を実施したところ、第10表に示す如き結果
を得た。
第10表の結果から、仕込後の醤油諸味の食塩濃度は8〜
12%とすることが重要で、8%未満に保持する比較例の
区分は乳酸菌が存在すると、乳酸菌が旺盛に繁殖を始め
るので醤油諸味が酸敗し、酸敗臭や酸味を有する製品と
なる欠点を有し、また反対に12%を越える比較例の区分
では酵母菌の繁殖、発酵が抑制されて、製品が異臭(原
料臭、麹臭)を有する欠点を有するが、8〜12%とする
本発明の区分は、乳酸菌の存在下であっても、酸敗する
こともなく健全に酵母発酵が営まれ、その結果風味良好
な製品が得られることが判る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】醤油麹に、加温した食塩水を仕込んで品温
    37〜43℃、食塩濃度8〜12%の醤油諸味を調製し、この
    仕込と同時又は直後に該醤油諸味1g当たり105個以上と
    なるように醤油酵母を混和し、該品温で5〜20日保持す
    ることを特徴とする食品加工用醤油の製造法。
  2. 【請求項2】醤油麹に、変性した蛋白質原料と加温した
    食塩水を仕込んで品温37〜43℃、食塩濃度8〜12%の醤
    油諸味を調製し、この仕込と同時又は直後に該醤油諸味
    1g当たり105個以上となるように醤油酵母を混和し、該
    品温で5〜20日保持することを特徴とする食品加工用醤
    油の製造法。
  3. 【請求項3】変性した蛋白質原料を、醤油麹に用いた蛋
    白質原料比で0.1〜1.5重量倍添加する特許請求の範囲第
    2項記載の食品加工用醤油の製造法。
  4. 【請求項4】食品加工用醤油が粉末醤油用醤油である特
    許請求の範囲第1項又は第2項記載の食品加工用醤油の
    製造法。
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Cited By (1)

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