JPH0720451A - 超微粒子膜およびこの超微粒子膜を用いた反射/帯電防止性透明板 - Google Patents

超微粒子膜およびこの超微粒子膜を用いた反射/帯電防止性透明板

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JPH0720451A
JPH0720451A JP5162420A JP16242093A JPH0720451A JP H0720451 A JPH0720451 A JP H0720451A JP 5162420 A JP5162420 A JP 5162420A JP 16242093 A JP16242093 A JP 16242093A JP H0720451 A JPH0720451 A JP H0720451A
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film
ultrafine
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JP5162420A
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Katsumi Obara
克美 小原
Hiromitsu Kawamura
啓溢 河村
Yoshifumi Tomita
好文 富田
Masahiro Miyasaki
正広 宮▲さき▼
Takao Kawamura
孝男 河村
Kiju Endo
喜重 遠藤
Masahiko Ono
雅彦 小野
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Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 対汚れ付着性に優れた帯電防止,可視光反射
防止に有効な超微粒子膜とこの超微粒子膜を備えた基板
を得る。 【構成】 基板の表面に、超微粒子群とこの超微粒子群
を構成する各超微粒子の間隔を充填するバインダとによ
って形成される膜を少なくとも一層以上有し、その最外
層に撥水層または撥油層の少なくとも一方を形成してな
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超微粒子膜とこれを用
いた透明板に係り、特に画像表示板等の反射と帯電を防
止し、かつその表面の撥水および/または撥油性を有す
る超微粒子膜とこれを用いた反射/帯電防止性透明板に
関する。
【0002】
【従来の技術】透明性板表面の反射光を低減する膜,所
謂反射防止膜は古くから研究されており、カメラ,顕微
鏡,双眼鏡などの光学機器に利用されてきた。現在で
は、ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル(VDT)
の反射光を低減するための反射防止フィルタなどに用い
られている。
【0003】このような反射防止膜として様々なものが
提案されているが、現在利用されているものは主として
多層膜と不均質膜である。多層膜は透明性板表面に低屈
折率物質と高屈折率物質とを交互に少なくとも三層積層
した構造であり、各層間での光学的干渉作用の総合効果
により反射防止を図るものである。
【0004】なお、この種の多層膜に関しては、「フィ
ジックス・オブ・シン・フィルム第2巻」、1964
年、242頁〜284頁(”Physics of Thin Films
2”1964.pp.242〜284)に論じられている。ま
た、膜厚方向に屈折率分布をもつ不均質膜は、透明性板
表面を多孔質化したものが一般的である。
【0005】ガラス表面に島状の金属蒸着膜を形成後、
スパッタエッチングにより微細な凹凸を形成して不均質
膜を作り、反射率を低減する方法が、「アプライド・フ
ィジックス・レター 36号」1980年、727頁〜
730頁(”Applied Physics Letter,36”1980.pp.72
7 〜730 )において論じられている。一方、ブラウン管
などの陰極線管(CRT)においては、ガラス面の帯電
防止のために導電性膜を形成すると共に、反射防止の工
夫も要求されている。
【0006】図9は本発明を適用する1対象例である陰
極線管の概略構造を説明する模式図であって、91は陰
極線管本体、92は前面パネル(画像表示面)、93は
前面パネルの内面、94は蛍光体、95はアルミニウム
膜である。図示したような陰極線管は、その前面パネル
92の内面93に塗布された蛍光体94を覆って均一な
厚さでアルミニウム膜95が蒸着されている。陰極線管
の動作時には、このアルミニウム膜95に高電圧が印加
され、電子銃から発射される電子ビームに対して陽極を
構成する。
【0007】この高電圧の印加時および遮断時には、前
面パネル92の表面に静電誘導によって静電気が帯電す
る。画像表示面に帯電される静電気の帯電を防止し、さ
らに当該画像表示面の反射を防止する方法としては、例
えば特開昭61−51101号公報に開示されたような
ものが知られている。この公報の方法は、前面パネル9
2を構成するガラス基板に真空蒸着法やスパッタリング
法などの物理的気相法あるいは化学的気相法などにより
導電性膜を形成し、その上に反射防止膜を形成するもの
である。
【0008】一方、前面パネル92を構成するガラス表
面に汚れが付着するのを防止するために、撥水性処理す
ることが行われる。このような撥水性処理方法について
は、例えば特開平4−124047号公報に開示されて
いる。上記公報に開示の撥水性処理は、まず、ゾルゲル
法等によりガラス基板上に金属酸化物被膜を作成し、そ
の表面に微細な凹凸を作り、さらにその上に撥水性処理
剤をコーティングする方法を採用している。
【0009】しかし、このような方法では、強固な金属
酸化物を形成するために、500°C程度の高温で焼成
する必要がある。このため、撥水剤との官能基である表
面の水酸基(OH)が減少し、密着強度が弱くなるの
で、表面に微小凹凸を形成してアンカー効果を持たせ、
密着強度を高めるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術における
反射防止膜の形成方法は、スパッタリング法、真空蒸着
法に限られ、かつ膜厚の高精度制御が必要であるため、
コストが高く、大面積の基板への適用が困難であるとい
う問題点があった。この場合の反射防止膜は、基本的に
はガラス表面に屈折率の異なる物質を何層か蒸着したも
のであり、各層間での光学的干渉作用により反射防止効
果を奏するものである。
【0011】ここで、最も単純な単層蒸着膜を例として
反射防止機構を考察する。屈折率Ngのガラス表面に、
ガラスよりも低い屈折率Nfをもつ物質を厚さdでコー
ティングした場合、この表面に入射する光の反射挙動
は、フレネルの公式によって導くことができ、反射率R
は下記の(1),(2)式で表される。 Nf×d=λ/4 ・・・・・(2) 上式より、Nf=√NgでR=0となり、波長λの光に
対しては全く反射光がない状態となる。
【0012】最も一般的なソーダガラスではNg=1.
52であるので、Nf=1.23の物質をコーティング
すれば膜厚dによって決まる波長λにおける理想的な反
射防止膜となる。しかしながら、このような低い屈折率
をもつ物質は実在せず、現在のところ利用できる物質の
中ではNf=1.38のフッ化マグネシウム(Mg
2 )が最も低い屈折率を有する。この場合の反射率
は、R=1.3%となる。
【0013】また、単層膜の反射防止条件は(1),
(2)式にから明らかなように、ある特定の波長λに対
するものであり、λの前後の波長で反射率は大きくな
る。このため、可視光領域全域(400〜700nm)
で反射を低減するためには、屈折率の異なる物質を、膜
厚を厳密に制御しながら何層も重ねる必要があった。一
方、膜厚方向に屈折率分布をもつ不均質膜によっても、
表面の反射を低減することができる。
【0014】図10は屈折率連続変化モデルの説明図で
あって、いま、ガラス表面が同図に示したような凹凸を
もつ場合、この層の深さ方向の座標をxとすると、屈折
率(nF(x))は(3)式で表すことができる。 nF(x)=ng×V(x)+〔1−V(x)〕×n0 ・・・(3) ここで、ngはガラスの屈折率、V(x)は座標xでの
ガラスの占める体積、n0 は空気の屈折率である。
【0015】図11は屈折率分布モデルの説明図であっ
て、上記屈折率連続変化モデルの場合、空気と膜との界
面および膜とガラス基板との界面では、同図に示したよ
うに、不連続に屈折率が変化するので、この点における
屈折率をそれぞれn1 、nとすると、この層の反射率
Rは(4)式で表すことができる。 図12は上記(4)式において、n0 =1.0(空気の
屈折率)、n1 =1.1、n2 =1.47、ng=1.
53(ガラスの屈折率)として可視光波長での反射率を
求めた反射率に及ぼす表面凹凸深さの影響の説明図であ
って、凹凸の深さxが30nm,100nm,500n
mの場合について示してある。
【0016】同図において、最も低い反射率が得られる
のは、表面の凹凸が100nm(0.1μm)程度であ
ることが分かる。しかし、この大きさの凹凸を規則正し
くガラス表面に設けることは困難であり、エッチング法
をもちいた形成では多くの時間を要する。本出願人は、
以前に、上記の凹凸を超微粒子によって形成することに
より、三層蒸着膜に匹敵する低反射特性を有する膜を提
案した。この提案によれば、得られた反射率は約0.2
〜0.3%であった。この超微粒子の凹凸による反射防
止膜は、反射防止特性に止まらず、解像度,コントラス
ト共に三層蒸着膜に匹敵した特性が得られえる。
【0017】しかし、指紋などの汚れが付着した場合に
は、この凹凸のなかに汚れが入り込んで取れ難いという
問題があった。そこで、さらに鋭意研究した結果、この
凹凸の表面にクロルシラン化合物,アルコキシシラン化
合物およびフルオロアルキルシラン化合物からなる群か
ら選ばれたシリル化合物を含有した撥水性および/また
は撥油性処理剤を極薄く、好ましくは一分子層を施し、
上記超微粒子の凹凸を残すことにより、光学的特性,お
よび電気的特性を損なうことなく、対汚れの付着を大幅
に向上させることができることを見出した。
【0018】本発明の第1の目的は、低コストで汚れが
付き難く、かつ大面積に適用できる可視光反射防止/帯
電防止および/または赤外線反射機能をもつ超微粒子膜
を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、
上記超微粒子膜を用いた反射/帯電防止性透明板を提供
することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明は、基板表面に超微粒子と、超微粒子
群を構成する各超微粒子の間隔を充填するバインダーと
によって形成される膜を少なくとも一層以上形成し、そ
の最外層に撥水および/または撥油処理剤を施したこと
を特徴とする。
【0020】上記可視光反射防止用超微粒子は二酸化珪
素(SiO2 ),フッ化マグネシウム(MgF2 )の群
から、そして帯電防止用超微粒子は二酸化スズ(SnO
2 ),SnO2 +酸化アンチモン(Sb2 3 ),酸化
インジウム(In2 3 ),In2 3 +SnO2 の群
から、さらに赤外線反射用超微粒子はSnO2 ,SnO
2 +Sb2 3 ,In2 3 ,In2 3 +SnO2
酸化チタン(TiO2),酸化ジルコニウム(Zr
2 )の群から選ばれる。
【0021】そして、上記第2の目的を達成するため
に、本発明は、透明基板の表面に、帯電防止用超微粒子
または赤外線反射用超微粒子の少なくとも一方を含有す
る層と、可視光反射防止用超微粒子を含有する層を含む
多層からなる反射/帯電防止性透明板としたことを特徴
とする。上記透明基板がガラスのとき、バインダとして
Si(OR)4 (Rはアルキル基)を使用する。また、
透明基板がプラスチックのときは、バインダとしてSi
(OR)4 (Rはアルキル基)とプラスチックに対する
官能基を有するカップリング剤を使用し、さらにアルカ
リおよび/またはフッ酸で基板を前処理するのが望まし
い。
【0022】上記カップリング剤は、プラスチックがア
クリル樹脂の場合はγ−メタクリルオキシプロピルトリ
メトキシシランとし、プラスチックがエポキシ樹脂の場
合はγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランと
するのがよい。超微粒子膜は基板の両面に形成しても、
また片側にのみ形成してもよよい。そして、可視光反射
防止用超微粒子は粒径40nm〜200nmのSiO2
超微粒子からなるもの、帯電防止用超微粒子は粒径10
nm以下の酸化スズ化合物からなるものが好ましい。
【0023】さらに、上記の方法により超微粒子膜を形
成する基板は透明板とし、この透明板を液晶パネル,自
動車用窓ガラス、あるいは展示用保護板に備えてもよ
い。また、透明基板に上記の方法により超微粒子を形成
して画像表示板や画像表示保護板としてもよく、さら
に、この画像表示板や画像表示保護板を陰極線管(ブラ
ウン管)に備えてもよい。
【0024】なお、上記で説明した基板は、平板状のも
のに限らず、超微粒子膜を形成する表面を有する曲面そ
のたの非平板状のものも含まれる。シリル化合物として
は、クロロシラン化合物,アルコキシシラン化合物およ
びフルオロアルキルシラン化合物の内の少なくとも1種
以上が含有された処理剤を用いる。
【0025】上記クロロシラン化合物としては、例えば
CH3 SiCl3 ,(CH3 )HSiCl2 ,(C
3 2 SiCl2 ,(CH3 3 SiClなどを挙げ
ることができる。また、アルコキシシラン化合物として
は、例えばCH3 Si(OCH33 ,(CH3 2
i(OCH3 2 ,CH3 Si(OC26 3 ,(C
32 Si(OC2 5 2 などを挙げることができ
る。
【0026】そして、フルオロアルキルシラン化合物と
しては、例えばCF3 CH2 CH2Si(OC
3 3 ,CF3 CH2 CH2 SiCl3 ,CF3 (C
2 7 CH2 CH2 SiCH3 Cl2 などを挙げるこ
とができる。超微粒子とバインダとによって形成された
前記超微粒子膜の上に上記シリル化合物を処理する場
合、超微粒子およびバインダ共、その表面には多量の水
酸基を保有しているので、特別の前処理を施さなくとも
容易に反応させシロキサンを結合させることができる。
【0027】処理方法は、クロルシラン化合物の(CH
3 2 SiCl2 のように発煙性溶剤の場合には、その
蒸気を超微粒子膜に当てるだけでよい。また、アルコキ
シシラン化合物、フルオロアルキルシラン化合物は超微
粒子膜を施した基板に通常の塗布方法、例えばスプレー
法,スピンコート法,ディッピング法などを用いても処
理できる。
【0028】さらに、フルオロアルキルシラン化合物で
クロルを含有したものは、減圧することにより発生した
蒸気を超微粒子膜に当てることにより処理することもで
きる。上記のようにして得られた超微粒子膜は、良好な
反射防止特性と帯電防止特性を有すると共に、優れた耐
汚れ付着性をも有する。
【0029】上記本発明の構成を整理すると、下記のよ
うになる。 (1)基板表面に超微粒子群とこの超微粒子群を構成す
る各超微粒子の間隔を充填するバインダとによって形成
される膜を少なくとも1層以上形成し、その最外層に撥
水および/または撥油処理剤を施したことを特徴とす
る。 (2)前記(1)における超微粒子膜の最外層表面が前
記超微粒子による凹凸を形成していることを特徴とす
る。 (3)前記(2)において、前記超微粒子と超微粒子間
に形成される表面凹凸の谷の深さが20〜100nmで
あることを特徴とする。 (4)前記(1)〜(3)における超微粒子膜を構成す
る超微粒子として、可視光反射防止用超微粒子を用いる
ことを特徴とする。 (5)前記(1)〜(3)における超微粒子膜を構成す
る超微粒子として、可視光反射防止用超微粒子と、帯電
防止用超微粒子および/または赤外線反射用超微粒子を
用いることを特徴とする。 (6)前記(4),(5)における超微粒子膜を構成す
る前記可視光反射防止用超微粒子は、二酸化ケイ素(S
iO2 ),フッ化マグネシウム(MgF2 )の群から選
ばれることを特徴とする。 (7)前記(5)における超微粒子膜を構成する前記帯
電防止用超微粒子は、二酸化スズ(SnO2 ),SnO
2 +酸化アンチモン(Sb2 3 ),酸化インジウム
(In2 3 ),In2 3 +SnO2 の群から選ばれ
ることを特徴とする。 (8)前記(5)における超微粒子膜を構成する前記赤
外線反射用超微粒子は、SnO2 ,SnO2 +Sb2
3 ,In2 3 ,In2 3 +SnO2 ,酸化チタン
(TiO2 ),酸化ジルコニウム(ZrO2 )の群から
選ばれることを特徴とする。 (9)前記(5)における超微粒子膜の基板に隣接する
一層目が、前記帯電防止用超微粒子または前記赤外線反
射用超微粒子を含有することを特徴とする。 (10)前記(4),(5)における超微粒子膜を構成
する最外層が、前記可視光反射防止用超微粒子を含有す
ることを特徴とする。 (11)前記(1)〜(10)における超微粒子膜の撥
水および/または撥油処理剤が、クロルシラン化合物,
アルコキシシラン化合物およびフルオロアルキルシラン
化合物からなる群から選ばれたシリル化合物でシリル化
するものであることを特徴とする。 (12)前記(1)〜(11)の超微粒子膜において、
前記基板の両面に前記超微粒子膜を形成することを特徴
とする。 (13)前記(1)〜(11)の超微粒子膜において、
前記基板の片面にのみ前記超微粒子膜を形成することを
特徴とする。 (14)前記(4)〜(6)の超微粒子膜において、前
記可視光反射防止用超微粒子が粒径40〜200nmの
SiO2 超微粒子であることを特徴とする。 (15)前記(5)または(7)に記載の超微粒子膜に
おいて、前記帯電防止用超微粒子が粒径10nm以下の
酸化スズ化合物であることを特徴とする。 (16)透明基板の表面に、帯電防止用超微粒子または
赤外線反射用超微粒子を含有する層と可視光反射防止用
超微粒子を含有する層を含む多層からなる超微粒子膜を
備えたことを特徴とする透明板。 (17)透明基板側の一層目に帯電防止用超微粒子また
は赤外線反射用超微粒子を含有した多層の超微粒子膜を
表面に備えたことを特徴とする透明板。 (18)透明基板の表面に超微粒子膜を備える透明板で
あって、前記超微粒子膜が多層からなり、当該多層の超
微粒子膜の最外層が可視光反射防止用超微粒子を含有す
ることを特徴とする透明板。 (19)透明基板の表面に超微粒子膜を備える画像表示
板であって、前記超微粒子膜が帯電防止用超微粒子また
は赤外線反射用を含有する層と可視光反射防止用超微粒
子を含有する層を含む多層からなることを特徴とする。 (20)透明基板の表面に超微粒子膜を備える画像表示
板であって、前記超微粒子膜が多層からなり、前記透明
基板側の一層目が帯電防止用超微粒子または赤外線反射
用超微粒子を含有することを特徴とする。 (21)透明基板の表面に超微粒子膜を備える画像表示
板であって、前記超微粒子膜が多層からなり、その最外
層が可視光反射防止用超微粒子を含有することを特徴と
する。 (22)透明基板の表面に超微粒子膜を備える画像表示
保護板であって、前記超微粒子膜が帯電防止用超微粒子
または赤外線反射用超微粒子を含有する層と可視光反射
防止用超微粒子を含有する層を含む多層からなることを
特徴とする。 (23)透明基板の表面に超微粒子膜を備える画像表示
保護板であって、前記超微粒子膜が多層からなり、前記
透明基板側の一層目が帯電防止用超微粒子または赤外線
反射用超微粒子を含有することを特徴とする。 (24)透明基板の表面に超微粒子膜を備える画像表示
保護板であって、前記超微粒子膜が多層からなり、その
最外層が可視光反射防止用超微粒子を含有することを特
徴とする。 (25)前記(16)または(17)の透明板であっ
て、前記帯電防止用超微粒子は、二酸化スズ(Sn
2 ),SnO2 +酸化アンチモン(Sb2 3 ),酸
化インジウム(In2 3 ),In2 3 +SnO2
群から選ばれることを特徴とする。 (26)前記(16)または(17)の透明板であっ
て、前記赤外線反射用超微粒子は、SnO2 ,SnO2
+Sb2 3 ,In2 3 ,In2 3 +SnO2の群
から選ばれることを特徴とする。 (27)前記(16)または(17)の透明板であっ
て、前記可視光反射防止用超微粒子は、二酸化ケイ素
(SiO2 ),フッ化マグネシウム(MgF2 )の群か
ら選ばれることを特徴とする。 (28)前記(19)または(20)の画像表示板であ
って、前記帯電防止用超微粒子は二酸化スズ(Sn
2 ),SnO2 +酸化アンチモン(Sb2 3 ),酸
化インジウム(In2 3 ),In2 3 +SnO2
群から選ばれることを特徴とする。 (29)前記(19)または(20)の画像表示板であ
って、前記赤外線反射用超微粒子は、SnO2 ,SnO
2 +Sb2 3 ,In2 3 ,In2 3 +SnO2
群から選ばれることを特徴とする。 (30)前記(19)または(20)の画像表示板であ
って、前記可視光反射防止用超微粒子は、二酸化ケイ素
(SiO2 ),フッ化マグネシウム(MgF2 )の群か
ら選ばれることを特徴とする。 (31)前記(22)または(23)の画像表示保護板
であって、前記帯電防止用超微粒子は二酸化スズ(Sn
2 ),SnO2 +酸化アンチモン(Sb2 3),酸
化インジウム(In2 3 ),In2 3 +SnO2
群から選ばれることを特徴とする。 (32)前記(22)または(23)の画像表示保護板
であって、前記SnO2,SnO2 +Sb2 3 ,In
2 3 ,In2 3 +SnO2 ,酸化チタン(Ti
2 ),酸化ジルコニウム(ZrO2 )の群から選ばれ
ることを特徴とする。 (33)前記(22)または(24)の画像表示保護板
であって、前記可視光反射防止用超微粒子は、二酸化ケ
イ素(SiO2 ),フッ化マグネシウム(MgF 2 )の
群から選ばれることを特徴とする。 (34)前記(19)〜(21),(28)〜(30)
の画像表示板を備えてなることを特徴とする陰極線管。 (35)前記(22)〜(24),(31)〜(33)
の画像表示保護板を備えてなることを特徴とする陰極線
管。 (36)前記(34)または(35)の陰極線管を備え
てなることを特徴とする画像表示装置。 (37)前記(16)〜(18),(25)〜(27)
のいずれかの透明板、前記(19)〜(21),(2
8)〜(30)のいずれかの画像表示板、および前記
(22)〜(24),(31)〜(33)のいずれかの
画像表示保護板のいずれかを備えてなることを特徴とす
る液晶パネル。 (38)前記(37)の液晶パネルを備えてなることを
特徴とする画像表示装置。 (39)前記(16)〜(18),(25)〜(27)
のいずれかの透明板を備えれなることを特徴とする自動
車用窓ガラス。 (40)前記(39)の自動車用窓ガラスを備えてなる
ことを特徴とする自動車。 (41)前記(16)〜(18),(25)〜(27)
のいずれかの透明板を備えてなることを特徴とする展示
品保護板。
【0030】
【作用】一般に、超微粒子を混合していない塗布溶液を
用い、ディッピング法により膜形成を行った場合、膜厚
tと引上げ速度vとの間には下記(5)式が成り立つこ
とが知られている。 t=k(ηv/ρg)0.5 ・・・・・(5) ここに、ηは溶液の粘性、ρは溶液の密度、gは重力加
速度、kは定数である。
【0031】一方、本出願の発明者等は、反射防止用の
比較的大きな超微粒子(40〜200nm)を混合した
塗布液を一定速度で基板表面上を上昇あるいは下降させ
た場合、基板の材質あるいは基板表面の状態によって超
微粒子の配列の形態が大きく異なることを見出した。例
えば、同じ市販の板ガラスでも、表と裏とでは配列の形
態が異なり、反射特性が変わる。この種の板ガラスの表
面状態をX線光電子分光分析装置(XPS)等の表面分
析計で分析すると、片側の表面から酸化スズ(Sn
2 )が多く検出された。これは、板ガラスを製造する
工程でスズ浴上を溶融ガラスが通過する際にスズがガラ
スに付着することによるものと考えられる。
【0032】この付着したSnO2 はガラス洗浄の前処
理を行っても取り除くことが困難である。このような、
表面状態の基板に超微粒子混合溶液を塗布した場合に
は、ぬれ性が良好のため、通常の表面状態に比べると薄
く塗布できることを見出した。言い換えれば、同じ膜厚
を得ようとするならば、式(5)から塗布速度を速くす
ればよいことが分る。塗布速度が速ければ、塗布時間は
当然短くなるので製造コストは低くなる。
【0033】また、前記したように、基板の材質が異な
ると表面状態も異なるために、ぬれ性が変わり超微粒子
膜の膜厚が変化する。したがって、同一の膜厚,超微粒
子の配列状態を得ようとする場合には、その都度塗布条
件を変化させなければならない。特に、ガラスとプラス
チックとでは表面状態が異なるので、前処理の工程から
考慮する必要がある。
【0034】しかし、本発明では、予め帯電防止および
/または赤外線反射用超微粒子としてSnO2 ,酸化イ
ンジウム(In2 3 )などの小さな酸化物超微粒子
(10nm以下)を塗布するので、基板の表面状態ある
いは基板材質が異なっていても常に一定の表面状態を得
ることができる。したがって、同様の塗布条件で同一の
特性が得られる。このとき、粒径10nm程度の小さな
超微粒子を混合した溶液の場合でも、基板の表面状態の
違いによる超微粒子の配列状態は変化するが、反射防止
用超微粒子膜のように規則正しく配列されている必要が
ないので、同様の前処理でもほぼ一定の特性(帯電防
止、または赤外線反射特性)が得られる。
【0035】また、本発明の超微粒子膜のように表面に
凹凸がある場合、水と表面との接触角が90°未満のと
きにはさらに親水性を示してぬれ易くなる。ところが、
接触角が90°以上になると見かけの接触角は大きくな
って撥水性が顕著になる。このため、撥水性処理を施し
て接触角を90°以上にすると通常の平板よりも優れた
撥水性を示すようになる。このとき、油などを含んでい
る指紋などのよごれに対しても効果がある。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、その前に、まず、本発明の構成要件について分説
する。 〔超微粒子〕超微粒子の機能は、透明性,透光性に支障
のない限り特に限定されないが、サブミクロンの平均粒
径のものをいう。代表的な機能は可視光反射防止,帯電
防止および/または赤外線反射である。
【0037】反射防止用超微粒子は、二酸化ケイ素(S
iO2 )、好ましくは空隙を有するSiO2 超微粒子ま
たはMgF2 の群から選ぶことが望ましい。帯電防止用
超微粒子はSnO2 ,SnO2 +酸化アンチモン(Sb
2 3 ),In2 3 ,In2 3 +SnO2 の群から
選ぶことが望ましい。また、赤外線反射超微粒子は、I
2 3 ,In2 3 +SnO2 ,酸化チタン(TiO
2 ),酸化ジルコニウム(ZrO2 )の群から選ぶこと
が望ましい。
【0038】上記反射防止用超微粒子の平均粒径は40
〜200nmが望ましい。40nmより小さい粒径の超
微粒子では形成された膜の最外表面が平坦になり過ぎて
十分な反射防止効果が得られない。一方、200nmよ
り大きな粒径の超微粒子では反射防止効果は十分得られ
るが、拡散反射が大きくなる。その結果、白濁すると同
時に解像度が低下する恐れがあるからである。
【0039】したがって、反射防止用超微粒子の粒径は
40〜200nmが好ましい。このことから、超微粒子
間で形成される谷の深さは20〜100nmが好まし
い。なお、SiO2 やMgF2 などの反射防止用超微粒
子材料は、いずれもその屈折率が1.50以下である。
帯電防止用超微粒子の平均粒径は10nm以下が望まし
い。また、帯電防止用超微粒子は2種以上併用してもよ
い。平均粒径が10nm以下の超微粒子を塗布液に混合
した場合には、基板の表面状態が異なっていても比較的
均一な膜が得られる。また、かなり厚く塗布しても透過
率の低下および白濁を招く恐れが比較的少ない。
【0040】透明導電性機能あるいは赤外線反射機能も
しくは電磁遮断機能を有する超微粒子としては、SnO
2 ,In2 3 ,TiO2 ,ZrO2 などの金属酸化物
あるいはこれらの混合物などが挙げられる。この中で、
SnO2 +10重量%Sb23 、あるいはIn2 3
+5重量%SnO2 は、導電特性と赤外線反射特性が優
れているので好ましい。膜厚は0.1〜0.5μm、粒
径は5〜50nmが望ましい。
【0041】透明導電性の機能を有する金属酸化物ある
いはこれらの混合物は、エネルギーバンドギャップが3
eV以上あるため、可視光域で高い透過性を示すと同時
に、化学量論組成からのずれ、および不純物添加による
高い自由電子濃度を有するために高導電性を示す。 〔透光性基板〕透光性基板としては、ガラス板でもプラ
スチックス板でも、またプラスチックスフィルムでも差
支えない。
【0042】プラスチック材としては、主成分が例え
ば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ウレタン,アクリ
ル,フェノール,エポキシ,メラニン,ナイロン,ポリ
イミド,ポリカーボネート,ブチル,エポキシフェノー
ル,塩化ビニル,ポリエステルなどを挙げることができ
る。なお、基板の超微粒子形成面は平板状はもちろんの
こと、ブラウン管のフェースパネルのように曲率を有し
ていてもよい。また、超微粒子形成面は片面でも差支え
ない。 〔前処理〕基板とのぬれ性を考慮するならば、アルカリ
処理やフッ酸処理等の前処理が好ましい。また、プラス
チックス基板の場合には、中性洗剤等による前処理も有
効である。 〔塗布方法〕塗布液で基板などの被塗布物を覆った後露
出させる速度は10mm/s以下が望ましい。また 、
この速度は被塗布物の形状により一定速度で変化させる
ようにしてもよい。
【0043】基板は塗布用の容器内に設置するか、ある
いはこれに代えて当該容器の側面部に開けた穴から基板
面を露出させて塗布を行ってもよい。後者の方法は、陰
極線管などのように製品の形状がほぼ出来上がっている
ものに超微粒子膜を形成するのに適している。塗布面の
加熱処理としては、炉中で50〜200°Cで焼成する
のが実用的であるが、高圧水銀灯などを用いて紫外線に
より短時間に焼成してもよい。
【0044】以上はディッピング方法を例としての説明
であるが、プラスチックス基板への塗布方法や膜表面の
均一さを問わないならば、このディッピング法に限ら
ず、他のディッピング法やスピンコート法、スプレー
法、あるいはこれらの組合せ、またはこれらとディッピ
ング法との組合せも有効である。 〔塗布溶液〕本発明の超微粒子膜の形成には、所定量の
超微粒子に、バインダや、必要に応じてカップリング
剤、その他の添加物を加えた塗布溶液を用いる。
【0045】透光性板がガラス体のときは、バインダと
してSi(OR)4 (ただし、Rはアルキル基)を使用
することが望ましく、透光性板がプラスチックスの場合
はバインダとしてSi(OR)x (x=2〜4、好まし
くは3)を使用することが望ましい。さらに、透光性板
がプラスチックスのときは、このプラスチックス材に対
する官能基を有するカップリング剤を併用することが望
ましい。
【0046】透光性板がガラス体である場合には、Si
(OR)4 (ただし、Rはアルキル基)を溶解したアル
コール溶液に、透光性板がプラスチックスの場合には、
この高分子体と容易に反応する官能基とSi(OR)x
(x=2〜4、好ましくは3)を保有するシランカップ
リング剤、あるいは上記Si(OR)4 とシランカップ
リング剤との混合溶液を溶解したアルコール溶液に超微
粒子を分散させる。
【0047】この基板を透光性板上に前記方法により塗
布した後、この塗布面を加熱(あるいは焼成)して膜形
成を行う。この加熱処理によりSi(OR)4 あるいは
シランカップリング剤は分解してSiO2 などそれぞれ
超微粒子と基板との接着剤としての役目を果たす。Si
(OR)4 のRとしては、一般に炭素数1〜5のアルキ
ル基が好ましい。一方、シランカップリング剤は透光性
板の高分子材料によって適宜選択する必要がある。
【0048】例えば、主成分がポリエチレン,ポリプロ
ピレン,ウレタン,アクリルなどの場合には、ビニルト
リエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリ
メトキシシラン等のシランカップリング剤が有効であ
る。また、フェノール,エポキシ,メラニン,ナイロ
ン,ポリイミド,ポリカーネートの場合には、γ−アミ
ノプロピルエトキシシラン,γ−グリシドオキシプロピ
ルトリメトキシシシランなどのシランカップリング剤が
有効である。
【0049】さらに、ブチル,エポキシフェノール,塩
化ビニル,ポリエステルの場合には、β,3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン,γ−グ
リシドオキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカ
ップリング剤が有効である。また、Si(OR)4 ある
いはシランカップリング剤を溶解させるためのアルコー
ルは、上記Rの炭素数の増加と共に混合アルコール溶液
の粘性が高くなるので作業性を考慮して粘性が高くなり
過ぎないように適宜のアルコールを選択すればよい。一
般に、炭素数が1〜5のアルコールが使用可能である。
【0050】さらに、Si(OR)4 が加水分解するた
めに水および触媒として、鉱酸,例えば硝酸などを加え
て塗膜溶液を調整してもよい。 〔撥水,撥油処理剤〕撥水,撥油処理剤は、シリル化合
物が低粘度の場合にはそのまま処理剤として用いること
ができる。また、高粘度の場合には前記塗布溶液と同様
に調合して用いることができる。処理方法は、前記塗布
方法と同様にディッピング法やスピンコート法、スプレ
ー法を用いることができる。
【0051】また、蒸発性の処理剤の場合には、この蒸
気が充満した容器中に超微粒子膜を施した基板を一定時
間入れるだけでよい。以下、本発明をブラウン管(陰極
線管)の前面パネル表面(ガラス面板)に適用した実施
例について説明する。図1は本発明による超微粒子膜形
成の1実施例を説明する工程図であって、1は前処理工
程、2は導電性膜形成工程(工程1)、3は反射防止膜
形成工程(工程2)、4は撥水,撥油処理工程(工程
3)である。
【0052】超微粒子膜の形成は、まず、ブラウン管の
表面をアルカリ洗浄し、純水で水洗後、水滴の跡が残ら
ないように窒素ガス等でブローする。・・・前処理工
程。 次に、このブラウン管を導電性膜形成のための塗布装置
に装着し、導電性超微粒子を混合した塗布液を塗布す
る。
【0053】
【表1】
【0054】上記の塗布後、所定時間放置したあと、ブ
ラウン管を塗布装置から脱着し、窒素ガスで乾燥させ
る。この乾燥は、ガスあるいはクリーンエアによる冷風
乾燥、熱風乾燥、もしくは炉中乾燥等、適宜の手段を用
いる。 ・・・工程2。 乾燥した後、同一仕様の別途塗布装置にブラウン管を装
着し、反射防止用超微粒子を混合した塗布溶液を塗布す
る。塗布後、ブラウン管を脱着し、前記と同様の方法で
乾燥する。 ・
・・工程3。
【0055】次に、乾燥したブラウン管をクロルシラン
化合物の蒸気が充満した密閉容器に所定時間入れ、撥水
・撥油処理する。その後、ブラウン管を炉中で160°
C、30分焼成する。この焼成は、炉中加熱の他、紫外
線あるいは赤外線による加熱でもよい。この焼成によ
り、超微粒子がブラウン管に強固に接着する。
・・・工程4。
【0056】このときの混合塗布溶液組成、撥水・撥油
処理剤および塗布条件の1例を表1に示す。以上の各工
程を経ることにより、帯電防止/反射防止膜および撥水
/撥油膜が形成されたブラウン管を得ることができる。
図2は本発明による上記実施例に用いられる導電性膜お
よび反射防止膜塗布装置の構成を説明する概略構成図で
あって、21はブラウン管、22は塗布液槽、23は塗
布溶液、24は溶液供給用バルブ、25は引抜き用バル
ブ、26は定量ポンプ、27は溶液タンク、28は溶液
供給加圧バルブ、29はリーク用バルブである。
【0057】上記構成において、ブラウン管21の前面
パネルを塗布液槽22内に露呈する如く当該塗布液槽2
2に装着される。この塗布装置の塗布液槽22のブラウ
ン管取付け面には、塗布工程で塗布液および加圧ガスが
漏れないようにパッキンあるいはO−リングが施されて
おり、かつ作業性を考慮してブラウン管を押し当てるだ
けで密着封止が行われるシール構造になっている。
【0058】ブラウン管21を装着後、超微粒子が混合
された塗布溶液を塗布液槽22とブラウン管表面との間
に形成された空間に導入する。この塗布溶液の導入は、
まず引抜きバルブ25およびリーク用バルブ29を閉に
し、溶液供給用バルブ24および溶液供給加圧バルブ2
8を開にする。この操作により、溶液タンク27に充填
されている塗布溶液23を加圧してブラウン管の表面上
に満たす。次に、溶液供給用バルブ24および溶液供給
加圧バルブ28を閉にした後、引抜きバルブ25とリー
ク用バルブ29を開にし、定量ポンプ26を起動するこ
とにより、ブラウン管21の前面パネル表面に満たされ
ている塗布溶液23は所定の速度で溶液タンク27に戻
される。このとき、定量ポンプ26の液送給速度を適宜
変えることにより、塗布溶液23がブラウン管の前面パ
ネル上を下降する速度を調整することができる。
【0059】以下、上記の塗布溶液の混合方法について
説明する。まず、一層目に塗布する帯電防止用塗布溶液
は、エチルシリケート〔Si(OC2 5 4 〕をエタ
ノールに溶解し、さらに加水分解のためのH2 Oと、触
媒としてのHNO3 とを添加した溶液を作り、この溶液
に粒径6nmのSnO2 超微粒子を重量%で2%添加す
る。
【0060】また、二層目に塗布する反射防止用塗布溶
液は、エチルシリケート〔Si(OC2 5 4 〕をエ
タノールに溶解し、さらに加水分解のためのH2 Oと、
触媒としてのHNO3 とを添加した溶液を作り、この溶
液に粒径120nmのSiO2 超微粒子を重量%で5%
添加する。このとき、超微粒子が充分に分散するように
溶液のPHを調整する。さらに撥水処理剤としては、ク
ロロシラン化合物溶液を用いる。
【0061】次に、この帯電防止膜用塗布溶液を前記方
法によりブラウン管表面に満たし、満たされた上記帯電
防止膜用塗布溶液を3.0mm/sの速度でブラウン管
表面を降下させて塗布を行った。塗布後は、冷風によっ
て強制乾燥させた。乾燥後に得られた帯電防止膜の上に
反射防止用塗布溶液を同様の方法で塗布した。このとき
の塗布速度は2.5mm/sである。
【0062】上記で形成した反射防止膜の表面に、クロ
ロシラン化合物を用いて撥水,撥油処理を施し、160
°C、30分間空気中で焼成し、エチルシリケートを分
解した。溶液に添加したSnO2 およびSiO2 超微粒
子は、分解してできたSiO2がバインダの役目を果た
し、ブラウン管の前面パネル表面に強固に接着,固定さ
れる。
【0063】また、一層目の表面はSnO2 超微粒子が
均一に分散、塗布されているので、ぬれ性が良好かつ均
一である。したがって、二層目のSiO2 超微粒子は均
一に配列されて連続的な凹凸を形成する。さらに、撥
水,撥油剤のクロロシラン化合物は、超微粒子およびバ
インダ表面の水酸基と反応してシリル化し、一分子層が
強固に接着し、最外層はCH3 基のみとなるため撥水性
となる。
【0064】このとき、クロロシラン〔(CH3 2
iCl2 〕のSiと超微粒子膜表面の水酸基(OH)と
が反応して超微粒子側にSiO2 基が配列し、最外層は
CH3 基が並び、撥水性を有するようになる。この反応
は、基本的には一分子層のみが強固に接着される反応で
ある。したがって、超微粒子と超微粒子とで形成される
谷の深さは、処理前の深さと比べてほとんど変化しな
い。このため、前記したように、反射防止効果は変化し
ない。
【0065】図3はブラウン管と同材質のガラス板に上
記実施例で形成したものと同様の膜を被覆し、それを破
断してその断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観
察した結果を模式的に表した(a)斜視図、(b)
(a)に対応する模式断面図であって、31はガラス
板、32は一層目、35は二層目である。図示したよう
に、ガラス板31に略々均一の膜厚で形成された一層目
の導電性膜32上に粒径120nmのSiO2 超微粒子
35が一層配列している。一部超微粒子が欠落している
箇所があるが、この大きさは超微粒子2〜3個分、すな
わち240〜360nm程度の距離であり、可視光の波
長よりも充分に小さいため、反射特性に大きな影響はな
い。
【0066】図4は上記超微粒子膜を形成したブラウン
管の表面に入射角5°で光を入射させ、反射率を測定し
た結果の説明図であって、横軸に光波長(nm)を、縦
軸に正反射率(%)を取り、aは本実施例のブラウン管
の反射率を、bは比較例として従来のブラウン管の反射
率を示す。同図に示されたように、本実施例では波長5
50nmにおいて0.3%の低反射率が得られることが
判る。
【0067】図5は上記超微粒子膜の帯電防止特性図で
あって、aは本実施例のブラウン管の帯電減衰特性を、
bは比較例として従来のブラウン管(無処理)の帯電減
衰特性を示す。同図において、本実施例aの表面抵抗値
は約108 Ω/□であり、従来例b(無処理)と比べて
殆ど帯電しないことが判った。このとき、導電性超微粒
子の間には薄い絶縁性のバインダが存在することになる
が、SnO2 等の物質はトンネル効果によって電子が移
動することが知られており、この作用により導電性の機
能が発揮される。
【0068】また、本実施例に帯電防止性/低反射性超
微粒子膜を消しゴム(ライオン社製、50−30タイ
プ)を用いて1kgの荷重で50回擦ったところ、反射
率は0.1%程度変化しただけで膜品質上は全く問題が
なかった。そして、指を強く膜に押しつけて指紋を付着
させた後、エチルアルコールを含ませた布で拭き取った
結果、指紋は全て除去することができた。
【0069】このようにな帯電防止/反射防止膜を形成
するプロセスでは、完成したブラウン管に直接膜を形成
することができ、また既存のSi(OR)4 アルコール
溶液にSnO2 超微粒子あるいはSiO2 超微粒子とを
混合して塗布、焼成するだけで良く、品質一定で低コス
トで製造することができる。また、上記実施例では、S
i(OR)4 としてRがエチル基の例を示したが、前述
のとおりR=Cn m (m=2n+1)としたとき、n
=1〜5の範囲で実施可能であり、nが大きくなる場
合、溶液の粘性が少し高くなるので溶媒としては作業性
を考慮してそれに応じたアルコールを選択すればよい。
【0070】以上のように、本実施例によれば、反射防
止効果に優れ、かつ帯電防止機能を有する膜を形成した
画像表示板が簡単な装置と簡便な塗布工程で形成するこ
とができ、量産性に好適で、耐環境汚染性にも優れてい
る。次に、本発明の他の実施例につき説明する。図6は
本発明の他の実施例を説明する塗布装置の概略構成の説
明図であって、図2と同一と同一符号は同一部分に対応
し、61は透明基板、62は治具である。
【0071】同図において、透明基板61は前記実施例
ではガラス板であったものに対しここではプラスチック
ス板である。この透明基板61の複数枚を治具62に保
持して塗布液層22内に納める。塗布液層22には治具
62および被塗布物(透明基板)を出し入れするための
図示しない出入口が設けられるが、この出入口には塗布
工程で塗布液および加圧ガスが漏れないようにパッキン
あるいはO−リングが施され、塗布液層22の内部は密
閉状態となるようにされる。
【0072】透明基板61を治具62に保持して塗布液
層22内に納めた後、超微粒子が混合された塗布溶液を
塗布液層22の空間に導入する。この塗布液の導入に
は、先ず、引抜きバルブ25およびリーク用バルブ29
を閉とし、溶液供給用バルブ24および溶液供給加圧バ
ルブ28を開にする。この操作により溶液タンク27に
充填されている塗布溶液23を加圧して塗布液層22内
に充たす。
【0073】次に、溶液供給用バルブ24および溶液供
給加圧バルブ28を閉にした後、引抜きバルブ25とリ
ーク用バルブ29を開として定量ポンプ26を起動させ
ることにより、塗布液層22に充たされている塗布溶液
23は溶液タンク27に戻される。このとき、定量ポン
プ26の送給速度を適宜変えることにより、塗布溶液2
3が複数枚の透明基板61の各表面上を所定の速度で下
降するように速度調整することができる。
【0074】本実施例の塗布工程は前記図1と略々同様
であるが、ブラウン管装着作業が治具62を塗布液槽2
2に収納する作業に、またブラウン管脱着作業が治具6
2を塗布液槽22から引上げる作業になる。また、三層
塗布の場合には異なる三種類の塗布液、同一仕様の塗布
装置を三台用いて塗布を行う。
【0075】以下、上記の塗布溶液の混合方法について
説明する。まず、一層目に塗布する帯電防止用塗布溶液
は、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン
を含むエチルシリケート〔Si(OC2 5 3 〕をエ
タノールに溶解し、さらに加水分解のためのH2 Oと、
触媒としてのHNO3 とを添加した溶液を作り、この溶
液に粒径6nmのSnO2 超微粒子を重量%で2%添加
する。
【0076】次に、二層目に塗布する反射防止用塗布溶
液は、エチルシリケート〔Si(OC2 5 4 〕をエ
タノールに溶解し、さらに加水分解のためのH2 Oと、
触媒としてのHNO3 とを添加した溶液を作り、この溶
液に粒径40nmのSiO2超微粒子を重量%で5%添
加する。このとき、充分分散するように溶液のPHを調
整する。さらに撥水,撥油処理剤としてアルコキシシラ
ン化合物を用いる。
【0077】上記の三種類の塗布溶液を順次図6の塗布
装置を用いて前記した手順で塗布を行った。表2はこの
ときの塗布条件である。
【0078】
【表2】
【0079】三回の塗布工程を終了した後は、プラスチ
ックスの種類に応じて50〜120°Cの焼成を行う。
図7は本発明の他の実施例の超微粒子膜を被覆した基板
を破断し、その断面を走査型顕微鏡(SEM)で観察し
た結果を示す断面模式図であって、71は基板、72は
一層目の帯電防止層、73はバインダ層、74は反射防
止層、75は撥水/撥油層である。
【0080】同図に示したように、基板71の表面に帯
電防止層72が、その上に反射防止層74がほぼ均一の
厚さでバインダ層73により固定され、反射防止機能も
ガラス基板と同等である。そして、最外層にアルコキシ
シラン化合物が反応して前記と同様にCH3 が均一に薄
くオーバコートされて撥水/撥油層が形成されている。
【0081】これにより、反射防止機能、帯電防止機能
および耐摩耗性、耐久性並びに汚れ除去性に優れた膜が
形成される。なお、本実施例においては、三層構成から
なる超微粒子について説明したが、四層以上の超微粒子
膜も上記の塗布工程を追加することでを形成することが
できる。
【0082】図8は本発明による超微粒子膜をTFT型
液晶表示装置に適用した例を説明する要部斜視図であっ
て、80aは反射防止膜、80bは偏光板、80cは上
ガラス基板、80dはカラーフィルタ層、80eは共通
電極、80d−1はカラーフィルタ、80d−2はブラ
ックマトリクス、81は液晶、82は画素電極、83は
TFT素子、84はデータ線、85は走査線、86はガ
ラス下基板、87は偏光板である。
【0083】同図において、液晶81を上下から挟ん
で、それぞれ偏光板80b,上ガラス基板80c,カラ
ーフィルタ層80d,共通電極80e、ガラス下基板8
6、偏光板87が配置されている。偏光板80bの表面
上には 反射防止膜80aが施されている。従来の液晶
表示装置の表面には、例えばミクロンオーダの凹凸を設
けて表面の反射を拡散させていた。このような反射防止
対策では、反射光による結像は無くなるが、拡散反射に
よって本来の画像がぼやけて解像度が低下するという問
題があり、このことが目の疲労の一因となっていた。こ
れに対し、本発明を適用した液晶表示装置では、上記の
ような問題は生じない。従来の液晶表示装置ではバーチ
ャート法による解像度評価で65〜70本/cmの解像
度しか人間の目に感知できないのに対し、本例では人間
の目の解像度の限界とされている85本/cm感知でき
る。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低コストで汚れが付き難く、かつ大面積に適用できる可
視光反射防止/帯電防止および/または赤外線反射機能
をもつ超微粒子膜と、上記超微粒子膜を用いた反射/帯
電防止性透明板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超微粒子膜形成の1実施例を説明
する工程図である。
【図2】本発明による上記実施例に用いられる塗布装置
の構成を説明する概略構成図である。
【図3】ブラウン管と同材質のガラス板に上記実施例で
形成したものと同様の膜を被覆し、それを破断してその
断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した結果
を模式的に表した(a)斜視図、(b)(a)に対応す
る模式断面図である。
【図4】超微粒子膜を形成したブラウン管の表面に入射
角5°で光を入射させ、反射率を測定した結果の説明図
である。
【図5】超微粒子膜を形成したブラウン管の帯電減衰特
性を測定した帯電防止特性図である。
【図6】本発明の他の実施例を説明する塗布装置の概略
構成の説明図である。
【図7】本発明の他の実施例の超微粒子膜を被覆した基
板を破断し、その断面を走査型顕微鏡(SEM)で観察
した結果を示す断面模式図である。
【図8】本発明による超微粒子膜をTFT型液晶表示装
置に適用した例を説明する要部斜視図である。
【図9】本発明を適用する1対象例である陰極線管の概
略構造を説明する模式図である。
【図10】屈折率連続変化モデルの説明図である。
【図11】屈折率分布モデルの説明図である。
【図12】可視光波長での反射率を求めた反射率に及ぼ
す表面凹凸深さの影響の説明図である。
【符号の説明】
1 前処理工程 2 導電性膜形成工程 3 反射防止膜形成工程 4 撥水,撥油処理工程 21 ブラウン管 22 塗布液槽 23 塗布溶液 24 溶液供給用バルブ 25 引抜き用バルブ 26 定量ポンプ 27 溶液タンク 28 溶液供給加圧バルブ 29 リーク用バルブ 31 ガラス板 32 一層目 35 二層目 61 透明基板 62 治具 71 基板 72 一層目の帯電防止層 73 バインダ層 74 反射防止層 75 撥水/撥油層 80a 反射防止膜 80b 偏光板 80c 上ガラス基板 80d カラーフィルタ層 80e 共通電極 80d−1 カラーフィルタ 80d−2 ブラックマトリクス 81 液晶 82 画素電極 83 TFT素子 84 データ線 85 走査線 86 ガラス下基板 87 偏光板。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮▲さき▼ 正広 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 河村 孝男 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 遠藤 喜重 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 小野 雅彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板表面に、超微粒子群とこの超微粒子群
    を構成する各超微粒子の間隔を充填するバインダとによ
    って形成される膜を少なくとも一層以上有し、その最外
    層に撥水層または撥油層の少なくとも一方を形成してな
    ることを特徴とする超微粒子膜。
  2. 【請求項2】透明基板の表面に、帯電防止用超微粒子ま
    たは赤外線反射用超微粒子の少なくとも一方を含有する
    層と、可視光反射防止用超微粒子を含有する層を含む多
    層からなる反射/帯電防止性透明板。
JP5162420A 1988-09-09 1993-06-30 超微粒子膜およびこの超微粒子膜を用いた反射/帯電防止性透明板 Pending JPH0720451A (ja)

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KR1019940008173A KR0169514B1 (ko) 1993-04-20 1994-04-19 초미세입자막, 그 제조방법, 투명판 및 화상표시판
US08/230,252 US5742118A (en) 1988-09-09 1994-04-20 Ultrafine particle film, process for producing the same, transparent plate and image display plate

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100458073B1 (ko) * 2001-08-02 2004-11-20 청화 픽처 튜우브스 리미티드 음극선관 디스플레이 스크린을 위한 높은 콘트라스트,방습 정전기 방지/반사 방지 코팅
JP2007163873A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Optrex Corp 汚染物質の除去方法

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