JPH07206701A - ヒトt細胞白血病ウィルス感染・増殖抑制剤 - Google Patents
ヒトt細胞白血病ウィルス感染・増殖抑制剤Info
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Abstract
いは分解物を有効成分とするヒトT細胞白血病ウィルス
感染・増殖抑制剤。鉄結合性たんぱく質としては、ラク
トフェリン、トランスフェリン等が、化学修飾物として
は塩基性アミノ酸含有ペプチド、あるいはポリアミンを
結合させて細胞親和性を向上させたものが用いられる。
また分解物は酵素分解物あるいは化学分解物が用いられ
る。 【効果】 副作用を低減してヒトT細胞白血病の発症を
防止し、治療を行うことができる。
Description
鉄結合性たんぱく質の化学修飾物、および鉄結合性たん
ぱく質の分解物よりなる群から選択される少なくとも1
種を有効成分とする、ヒトT細胞白血病ウィルスの感染
・増殖抑制剤に関する。
は、成人性T細胞白血病(ATL)と呼ばれる特異な白
血病を発症させる。この白血病は、九州や四国など日本
の西南部において40歳以上の成人に多発している予後
不良の疾患であり、ヘルパーTリンパ球の腫瘍である。
ATLの発症は、そのウイルスキャリアーのうち100
0〜2000人に1人であると言われているが、地域に
よっては成人の40〜50%がキャリアーであることも
珍しくない。日本では現在約100万人のHTLVキャ
リアーがいると言われており、日本の他、カリブ海沿岸
やアフリカにおいて多発地帯が見られる。HTLVの感
染経路は、母乳による母子感染、性交渉による夫から妻
への感染、輸血による感染などが考えられている。感染
予防の方法としては、母親がキャリアーの場合人工乳に
よる保育を行うなどの処置がとられているが、これまで
特に有効な予防法や治療法は確立されていない。現在、
ウィルスに対する化学療法剤が盛んに研究されている。
しかし、ウィルスは宿主の細胞内で増殖し、その増殖の
ための機能のほとんどを細胞に依存しているために、ウ
ィルスの増殖を抑制する化学物質の多くは宿主の細胞に
対しても毒性を示すという問題がある。これに対して、
ウィルスの感染や増殖を抑制する手段の一つに吸着阻害
剤を用いる方法がある。これは感染の最も初期の段階で
あるウィルスの標的細胞への吸着を阻害することにより
個体にウィルスを感染させない、あるいは生体内でウィ
ルスの伝播を抑えることによりウィルスの増殖を抑制す
るものである。このような方法を採用するためには、個
々のウイルスに特異的な吸着阻害剤を見出す必要があ
る。これまで、HTLVに対する吸着阻害剤を用いて感
染・増殖を抑制したという報告はない。
LVによる感染や増殖を効率よく阻止することを目的と
してなされたものである。本発明者らは、ラクトフェリ
ンやトランスフェリンなど鉄結合性のたんぱく質が、サ
イトメガロウィルス(ヘルペスウィルス科)、インフル
エンザウィルス(オルソミクソウィルス科)、ヒト免疫
不全ウィルス(レトロウィルス科)の吸着阻害剤として
作用することを見出した(特開平2−233619、特
願平4─220635)。また、特開平1−23322
6にも鉄結合性の乳たんぱく質を有効成分とする抗ウィ
ルス剤について記載されており,単純ヘルペスウィルス
(ヘルペスウィルス科),サイトメガロウィルス,ラブ
ドウィルス(ラブドウイルス科)に対する抗ウィルス効
果が例示されている.しかし,HTLVに対する感染防
御効果についてはこれまで報告がなく、同じレトロウィ
ルス科のウィルスであっても、ヒト免疫不全ウィルスの
場合は、その感染メカニズムが分子レベルで解明されて
おり、その吸着阻害剤をスクリーニングする上で有効な
情報が明らかとなっている。一方、HTLVの場合はこ
の様な感染メカニズムの解明が十分でなく、ヒト免疫不
全ウィルスの場合の様にその感染メカニズムに基づいて
HTLVの吸着阻害剤をデザインし、スクリーニングす
ることはできなかった。本発明者らは、再現性のよいH
TLVウィルス感染判定系を用い、種々の天然成分のス
クリーニングを行った結果、脊椎動物由来の鉄結合性た
んぱく質その化学修飾物あるいは分解物にHTLV感染
・増殖抑制作用が存在することを見出して本発明を完成
するに至った.すなわち、本発明は,鉄結合性たんぱく
質、鉄結合性たんぱく質の化学修飾物、または鉄結合性
たんぱく質の分解物を有効成分とする、ヒトT細胞白血
病ウィルスの感染・増殖抑制剤を提供することを課題と
する。
ぱく質、鉄結合性たんぱく質の化学修飾物、またはその
分解物を有効成分とするHTLVの感染および増殖抑制
剤に関する。本発明の鉄結合性たんぱく質としては、ラ
クトフェリン、トランスフェリン、オボトランスフェリ
ンを用いることができる。ラクトフェリンは哺乳類の乳
汁や分泌液等から、トランスフェリンは動物血液や組織
等から、オボトランスフェリンは鳥類の卵等から、それ
ぞれ公知の方法によって調製することができる。代表的
な鉄結合性たんぱく質であるラクトフェリンは哺乳類の
乳から分離されるが、本発明の実施にあたってはどのよ
うな種、由来のものでも差し支えない。また必要に応じ
て、遺伝子組み換えにより生産することもできる。また
現在最も安価でかつ容易に入手できるものとしては牛乳
より分離したものである。牛乳より分離する場合は、特
開昭61─145200号公報に開示された抗ラクトフ
ェリン抗体を使用する方法が採用しうる。
含まれる分子量77,000〜87,000の糖たんぱ
く質でラクトフェリンに良く似た鉄結合性のたんぱく質
である。オボトランスフェリンを得るためには、公知の
クロマトグラフィー等の分離精製が可能である。例え
ば、カルボキシメチルセルロースによる方法(ギャリア
ン他「ジャーナル・オブ・フードサイエンス」45巻4
60頁、1980年)、金属固定化親和クロマトグラフ
ィーを用いる方法(アルーマシキ他「アグリカルチャル
バイオロジカル ケミストリー」51巻、2881〜
2887頁、1987年)等の方法を採用し得る。また
トランスフェリンについても血液等の材料からクロマト
操作により回収精製することができる。また、これらの
たんぱく質の分解処理は、トリプシン、ペプシン、パパ
イン、サーモライシン、サブチリシンンなどのたんぱく
質分解酵素によって、あるいは塩酸、硫酸、水酸化ナト
リウムなどの化学物質によって行うことができる。
化カルシウムを含む0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH
8.2)に1%濃度に溶解し、トリプシンを1:50の
割合で加え、37℃で4時間加水分解することによっ
て、ラクトフェリンを限定酵素分解することができる。
これを10%酢酸中でゲル濾過することにより、分子量
3万および5万の断片を得ることができる(Legrand
等,バイオケミカ エト バイオフィジカ アクタBioc
himica et Biophysica Acta , 787巻,90〜96
頁,1984年を参照)。また、80mgのラクトフェ
リンを8mlの水に溶解し、pHを濃塩酸で1.4とし
た後、1.6mgのペプシンで37℃、6時間加水分解
した後、煮沸して酵素を失活させた後、凍結乾燥させて
ペプシン分解物とすることができる(Tani等,アグリカ
ルチャー バイオロジカル ケミストリAgric. Biol. C
hem. ,54巻,1803〜1810頁,1990
年)。さらに、水に5%溶液となるよう溶解したラクト
フェリンを濃塩酸でpH2に調整し、これを120℃で
15分間加熱することによって、ラクトフェリンの酸加
水分解ペプチドを得ることができる(Saito 等,ジャー
ナル オブ デイリー サイエンスJ. Dairy Sci. ,7
4巻,3724〜3730頁,1991年)。
100号公報に開示された方法により、ラクトフェリン
分子中のアミノ基にアミジン化、グアニジル化などの化
学修飾やアルギニン、リジンなどの塩基性アミノ酸を含
有するペプチドをペプチド結合させたり、あるいは特開
平2─211386号公報に開示された方法によりアミ
ノ基、またはカルボキシル基にスペルミンやスペルミジ
ンなどを導入し修飾され、細胞親和性が向上したものを
用いることもできる。これら鉄結合性たんぱく質あるい
はその分解物は、単独で使用してもよいし混合して用い
てもよい。例えばウシラクトフェリンおよびヒトラクト
フェリンを混合して用いてもよいし、ヒトラクトフェリ
ンとウシラクトフェリン分解物の混合物を使用する場合
もある。このようなHTLV感染、増殖防御剤は,様々
な形態で投与することができる。経口投与用、注射用、
皮膚科用、眼科用、耳鼻科用、膣灌注剤用、口内洗浄用
などの用途に、乾燥粉末、錠剤、溶液、ゼリー、クリー
ムなど、種々の形態の製剤とすることができる。また、
性交時のHTLV感染予防のため、避妊具等へ塗布する
こともできる。通常、感染予防、増殖防御のためには成
人一人あたり、ラクトフェリンまたはオボトランスフェ
リンとして1mg〜1000mgを1日1ないし3回投
与することができる。また効果・症状により投与量は増
減させることができる。本発明に係る鉄結合性たんぱく
質であるラクトフェリン、オボトランスフェリン、トラ
ンスフェリンはそれぞれ、乳、卵白、血液に含まれてお
りその安全性も確認されている。
し、実施例実験例により詳細に説明する。
サイエンス」20巻、752〜759頁(1987年)
に開示された抗ウシラクトフェリン抗体アフィニティー
カラムを用い牛乳より調製した。脱脂乳を抗ウシラクト
フェリンモノクローナル抗体アフィニティーカラムに負
荷し、ウシラクトフェリンを吸着させ、次いでpH7.
3のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で十分洗浄した。
その後、0.5M食塩を含むpH7.3のPBSで洗浄
し、さらに0.2M酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.
7、0.15M食塩を含む)でカラムに吸着したラクト
フェリンを溶出した。溶出後pHを中性付近に調整し、
脱イオン水に対して3日間透析した後凍結乾燥し、ラク
トフェリンを得た。得られたウシラクトフェリンは電気
泳動により純度を確認した。
カラムを用い、人乳より調製した。脱脂人乳をヘパリン
─セファロースCL6Bカラムに負荷し、ヒトラクトフ
ェリンを吸着させ、次いでpH7.3の0.01Mリン
酸緩衝液で十分洗浄した。その後、1.0M食塩を含む
pH7.3の0.01Mリン酸緩衝液でカラムに吸着し
たラクトフェリンを溶出した。溶出後pHを中性付近に
調整し、脱イオン水に対して3日間透析した後凍結乾燥
し、ラクトフェリンを得た。得られたヒトラクトフェリ
ンは電気泳動により純度を確認した。
を沈殿させた。遠心により沈殿を集め、pH6.0の
0.01Mリン酸緩衝液に再溶解させ、ジエチルアミノ
エチルセルロースカラムに負荷した。卵白中のオボトラ
ンスフェリンをカラムに吸着させた後、pH6.0の
0.01Mリン酸緩衝液で洗浄しついで、0.1Mの食
塩を含むpH6.0のリン酸緩衝液でオボトランスフェ
リンを溶出した。溶出後pHを中性付近に調整し、脱イ
オン水に対して3日間透析した後凍結乾燥し、オボトラ
ンスフェリンを得た。得られたオボトランスフェリンは
電気泳動により純度を確認した。
ることのできた鉄結合性たんぱく質の注射製剤の生産例
を示す。 (1)ウシラクトフェリン 100mg ヒト血清アルブミン 100mg 上記組成をpH7.0の0.01MのPBSで溶解し、
全量を20mlに調整し、滅菌後、バイアル瓶に2ml
ずつ分注し、凍結乾燥密封した。 (2)ヒトラクトフェリン 100mg ツイーン80 1mg ヒト血清アルブミン 1mg 上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20ml
に調整し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍
結乾燥密封した。 (3)オボトランスフェリン 100mg ツイーン80 2mg ソルビトール 4g 上記組成をpH7.0の0.01MのPBSで溶解し、
全量を20mlに調整し、滅菌後、バイアル瓶に2ml
ずつ分注し、凍結乾燥密封した。 (4)ウシラクトフェリン 4g ツイーン80 2mg グリシン 2g 上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20ml
に調整し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍
結乾燥密封した。 (5)ヒトラクトフェリン 4g ツイーン80 1mg ソルビトール 1g グリシン 1g 上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20ml
に調整し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍
結乾燥密封した。 (6)オボトランスフェリン 4g ソルビトール 4g ヒト血清アルブミン 50mg 上記組成をpH7.0の0.01MのPBSで溶解し、
全量を20mlに調整し、滅菌後、バイアル瓶に2ml
ずつ分注し、凍結乾燥密封した。
トフェリンの分解をおこなった。 (1)トリプシン処理 ラクトフェリン100mgを10mlの25mM塩化カ
ルシウムを含む0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.
2)に溶解し,トリプシン(シグマ社)2mgを加えて
37℃で4時間インキュベートした.トリプシンは2倍
量の大豆トリプシンインヒビターで不活性化した後,1
0%酢酸で平衡化したバイオゲルP−30(バイオラド
社)による分子ふるいクロマトグラフィーによって脱塩
し凍結乾燥することにより凍結乾燥粉末60mgを得
た。 (2)ペプシン処理 ラクトフェリン100mgを10mlの0.01M塩酸
に溶解し、pHを1.4に調整した後、ペプシン(シグ
マ社)を2mg加え37℃で6時間インキュベートし
た。加水分解終了後、水酸化ナトリウムでpHを7.0
として反応を停止させた。この処理によって,高度に加
水分解されたラクトフェリン9mgが得られた。分解物
中の低分子画分(6%トリクロロ酢酸可溶性画分)は約
60%であった。 (3)酸処理 ラクトフェリン1gを20mlの水に溶解し,濃塩酸
(12N)でpHを2.0に調整した。この溶液を耐圧
性ガラス容器に密封し、オートクレーブで120℃、1
5分間加熱した。加熱後ただちにオートクレーブの蒸気
を排出し、ラクトフェリン溶液の温度を常温に戻した。
不純物を10000×g、20分間の遠心分離により除
き、上清を凍結乾燥することにより0.6gのラクトフ
ェリン酸加水分解ペプチドを得た。
て、テトラペプチドを導入し、細胞親和性を高めたヒト
ラクトフェリンを調製した。下記の配列を有するペプチ
ドについてC末端アミノ酸のカルボキシル基をNヒドロ
キシスクシンイミドで活性化しN末端アミノ酸のアミノ
基をメチルスルホニルエチルオキシカルボニル(MSC
O)で保護したものを用いた。 Gly-Arg-Arg-Gly Gly-Arg-Arg-Arg-Arg-Gly Gly-Arg-Lys-Gly Gly-Lys-Lys-Gly ヒトラクトフェリン1モルに対して200〜1000等
量の上記ペプチドを添加し、0〜10℃で一晩攪拌し、
ペプチドを導入した。反応終了後、0.1N水酸化ナト
リウムでpH12に調整し、さらに0.1N塩酸でpH
を5〜6に下げることによりアミノ基の保護基をはずし
た。さらにpH7.3のPBSに対して3日間透析し、
遊離のペプチドを除去した。ラクトフェリン1分子当た
りに導入されたペプチドの分子数は,化学修飾ラクトフ
ェリンを6N塩酸で加水分解後,アミノ酸分析し,天然
のラクトフェリンと比べて増加したGly の量から計算し
た。各ペプチドをラクトフェリン1分子当たりに10〜
15分子導入し、細胞親和性の向上したラクトフェリン
を調製した。
製 特開平4─95100号公報に開示された方法に従っ
て、ポリアミンを導入し、細胞親和性を高めたヒトラク
トフェリンを調製した。スペルミン4塩酸塩348mg
(1mM)又はスペルミジン3塩酸塩(1mM)を用
い、これをジメチルホルムアミド(DMF)3mlに溶
かし、氷冷下トリエチルアミン(Et3N)0.56mlを加
えた。これにさらに2( メチルスルホニル)エチルNサ
クシミジルカーボネート(Msco OSu)266mgを氷冷下
30分間ごとに3回に分けて加えた。6時間後Nヒドロ
キシコハク酸イミド115mg1エチル3(3ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩180mgを加
え室温で8時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮し残渣と
して目的の化学修飾試薬を得た。この試薬を脱イオン水
1mlに溶かし保存した。ヒトラクトフェリン8mgを
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.8)1mlに溶かし、
氷冷下、上記試薬200μl を加え12時間攪拌した。
反応後、反応液を0.1M水酸化ナトリウムでpH12
に調整し、その後直ちに0.1M塩酸でpH5〜7とす
ることで保護基を除去した。さらにpH7.3のリン酸
緩衝生理食塩水(PBS)に対して3日間透析し遊離の
修飾剤を除去し、ポリアミン化ラクトフェリンを得た。
ラクトフェリン1分子当たりに導入されたポリアミンの
分子数は,化学修飾ラクトフェリンを6N塩酸で加水分
解後、アミノ酸分析を行うことでポリアミンを定量する
ことにより決定した。
病ウイルス感染・増殖抑制剤の活性を実験により確認し
た。
リンの抗HTLV活性の測定 (方法)HTLV−1の持続感染株であるILF−8M
2細胞から、ヒトリンパ球細胞であるMOLT−4c
l.8細胞へのHTLVの感染に対する阻止効果につい
て検討した。培養したMOLT−4cl.8細胞(1×
106 Cells/ml,0.25ml)をあらかじめ
サンプルと30分間プレインキュベートし、これにIL
F−8M2細胞(1×106 Cells/ml,0.2
5ml)を添加した。20時間混合後、生細胞から結果
を判定した。なお陽性コントロールとして試料を加えな
いもの、陰性コントロールとしてILF−8細胞を加え
ないものも同時に行った。 (結果)実験結果を表1に示す。結果はHTLV感染に
よる巨細胞形成抑制率で示した。ラクトフェリンは、1
mg/mlでHTLVの感染を完全に阻害した。ウシト
ランスフェリンおよびオボトランスフェリンもラクトフ
ェリンより弱いながら、HTLVに対して阻害効果を示
した。
限定トリプシン分解物、ペプシン分解物、および酸加水
分解物の抗HTLV活性を測定した。それぞれの添加濃
度は1mg/mlである。 (結果)表2に結果を示す。結果はHTLV感染による
巨細胞形成抑制率で示した。ラクトフェリンの分解物に
ついては、いずれの分解物も抗HTLV活性を保持して
おり、分解物の中に抗HTLV活性のあるフラグメント
が含まれることを示唆している。
ンの抗HTLV活性を測定した。 (結果)実験結果を表3に示す。結果はHTLV感染に
よる巨細胞形成抑制率で示した。化学修飾ラクトフェリ
ンは、いずれも天然のラクトフェリン以上の活性を示
し、本化学修飾はラクトフェリンの抗HTLV活性を向
上させることが明らかとなった。
を示す。
殖抑制剤が提供される。本発明によるHTLV感染・増
殖抑制効果を要約すると、次のとおりである。 (1)HTLVの感染を防ぐことができ、また、既感染
者に対しては、体内でさらにウィルスが増殖して感染細
胞が増加することを防ぐことができる。 (2)すでに通常食品として摂取している成分を有効成
分とする組成であるため、投与することによる副作用の
心配が少ない。 (3)原料が比較的大量に存在するため、従来の抗HT
LV製剤に比べて製造コストが非常に安い。 (4)従来の抗HTLV製剤に比べて比較的容易に、し
かも大量に調製できるため、特定の患者の治療に使用が
限定されることがなく、広くHTLV感染・ウィルス増
殖を予防することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 鉄結合性たんぱく質、鉄結合性たんぱく
質の化学修飾物、および鉄結合性たんぱく質の分解物よ
りなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とす
る、ヒトT細胞白血病ウィルス感染・増殖抑制剤。 - 【請求項2】 鉄結合性たんぱく質が、ラクトフェリ
ン、トランスフェリン、オボトランスフェリンである請
求項1記載の抑制剤。 - 【請求項3】 鉄結合性たんぱく質の分解物が、たんぱ
く質の酵素分解物、または化学分解物である請求項1記
載の抑制剤。 - 【請求項4】鉄結合性たんぱく質の化学修飾物がラクト
フェリンに塩基性アミノ酸を含有するペプチドを結合さ
せるか、ポリアミンの結合により細胞親和性を向上させ
たものである請求項1記載の抑制剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01585194A JP3677054B2 (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | ヒトt細胞白血病ウィルス感染・増殖抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01585194A JP3677054B2 (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | ヒトt細胞白血病ウィルス感染・増殖抑制剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07206701A true JPH07206701A (ja) | 1995-08-08 |
| JP3677054B2 JP3677054B2 (ja) | 2005-07-27 |
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ID=11900326
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP01585194A Expired - Lifetime JP3677054B2 (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | ヒトt細胞白血病ウィルス感染・増殖抑制剤 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3677054B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015224327A (ja) * | 2014-05-29 | 2015-12-14 | 花王株式会社 | 繊維製品用洗浄剤組成物 |
-
1994
- 1994-01-14 JP JP01585194A patent/JP3677054B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015224327A (ja) * | 2014-05-29 | 2015-12-14 | 花王株式会社 | 繊維製品用洗浄剤組成物 |
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| JP3677054B2 (ja) | 2005-07-27 |
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