JPH07215905A - 光学活性ケトジシクロペンタジエンの製造法 - Google Patents

光学活性ケトジシクロペンタジエンの製造法

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JPH07215905A
JPH07215905A JP3203694A JP3203694A JPH07215905A JP H07215905 A JPH07215905 A JP H07215905A JP 3203694 A JP3203694 A JP 3203694A JP 3203694 A JP3203694 A JP 3203694A JP H07215905 A JPH07215905 A JP H07215905A
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exo
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ketodicyclopentadiene
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JP3203694A
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Seiichi Takano
誠一 高野
Kuniro Ogasawara
國郎 小笠原
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Original Assignee
Chisso Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C49/00Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
    • C07C49/587Unsaturated compounds containing a keto groups being part of a ring
    • C07C49/613Unsaturated compounds containing a keto groups being part of a ring polycyclic
    • C07C49/617Unsaturated compounds containing a keto groups being part of a ring polycyclic a keto group being part of a condensed ring system
    • C07C49/643Unsaturated compounds containing a keto groups being part of a ring polycyclic a keto group being part of a condensed ring system having three rings

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、安価かつ低毒性の酸化剤を
用い、高収率下に光学活性ケトジシクロペンタジエンを
得ることができる改良された合成法を提供することであ
る。 【構成】 ジシクロペンタジエン (I) の酸化により得
たエキソ−3−アセトキシジシクロペンタジエン (II)
を光学分割処理して光学活性エキソ−3−ヒドロキシジ
シクロペンタジエン (III) とし、これらを更に酸化す
ることを特徴とする光学活性ケトジシクロペンタジエン
(IV) の製造法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【効果】 本発明の製造法により、種々の生理活性物質
の合成中間体として有用な光学活性ケトジシクロペンタ
ジエンを、低毒性で安価な酸化剤の使用下に高収率で製
造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の生理活性物質の
合成中間体として有用な光学活性ケトジシクロペンタジ
エンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性ケトジシクロペンタジエンは、
種々の天然物や生理活性物質の合成中間体として広範に
利用できる有用な化合物である。例えば、本発明者らは
光学活性ケトジシクロペンタジエンを出発物質としてエ
ストロゲンステロイドホルモンの一種である(+)-エキレ
ニン(J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1990, 1544) や
(+)-エストロン(Tetrahedron Lett., 33, 1909 (199
2))を合成しているが、これらは経口避妊薬として有望
である。また、麻酔・鎮痛作用を示すモルフィン系アル
カロイド、(-)-アファノルフィン(J. Chem. Soc., Che
m. Commun., 1990,290)、中枢神経興奮作用を有するこ
とからアルツハイマー症への応用も期待される(-)-フィ
ソベニン(J. Org. Chem., 56, 5982 (1991))等の生理
活性物質も光学活性ケトジシクロペンタジエンから効率
良く合成することが出来る。更に新規なインドールアル
カロイド、(-)-ゴニオミチン(J. Chem. Soc., Chem. C
ommun., 1991, 462)やセスキテルペンの一種である(+)
-α-クパレノン(J. Chem. Soc., Chem. Commun., 198
9, 272)、(+)-β-クパレノン、(-)-アプリシン(Tetrah
edron Lett., 33, 329 (1992)) 等の天然物のキラル中
間体としても有用である。かかる光学活性ケトジシクロ
ペンタジエンの製造法として、例えばシクロペンタジエ
ンとベンゾキノンの反応により得られるカルボン酸エス
テルをブタ肝臓エステラーゼを用いて不斉加水分解し、
次いで脱炭酸する方法(Klunderら、Tetrahedron Lett,
27, 2543 (1986)) が知られている。しかしながらブタ
肝臓エステラーゼは非常に高価であるため実用性が低
い。また最近の例として、シクロペンタジエンと2-シク
ロペンテノンのジールス・アルダー付加により得られる
ケトンをマグネシウムエノラートとした後に、光学活性
メンチル-p-トルエンスルフィネ−トと反応させて光学
活性β-ケトスルホキシドとし、次いで熱脱離させる方
法(Edwardsら、Tetrahedron Lett, 34, 5341 (1993))
が報告されているが、この方法はマグネシウムエノラー
トを過剰量必要とする点が難点であり、生成物の光学純
度も79%eeとそれほど高くない。
【0003】本発明者らは、先にジシクロペンタジエン
を二酸化セレンで酸化(第1段)して得られるラセミ体
のエキソ−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン、また
はこのものをアセチル化したエキソ−3−アセトキシジ
シクロペンタジエンをリパーゼの存在下で光学分割する
ことにより光学活性エキソ−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンを得、次いでこのものをクロム酸酸化(第2
段)することにより後記式(IV)で表される光学活性ケ
トジシクロペンタジエンを製造する方法を開発した(J.
Chem. Soc., Chem. Commun., 1989, 271;Synlett, 19
91, 636)。この方法は光学分割を効率的に行なうことに
より(+)-体及び(-)-体の両対掌体を光学純度良く得るこ
とができるという点で光学活性体の製造法として優れて
いる。しかしながら、第1段の酸化工程で用いられる酸
化剤の二酸化セレンは高価である上に極めて毒性が高
く、また第2段の酸化工程で用いられる酸化剤のクロム
酸化合物も毒性が高く廃棄物処理に問題がある上、この
工程での収率はそれほど高くない等の問題があり、これ
ら二つの酸化工程が量産化の障害となることは明らかで
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した従来技術の欠点を解消し、ジシクロペンタジエンと
光学活性エキソ-3-ヒドロシジシクロペンタジエンの酸
化を安価かつ低毒性の酸化剤を用い、しかも高収率下に
行うことができる工業的に優れた光学活性ケトジシクロ
ペンタジエンの製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は以下を構成とする。 (1) 式(I)
【0006】
【化9】
【0007】で表されるジシクロペンタジエンを、無機
塩の存在下、酢酸マンガン(III)を用いて酸化すること
により、式(II)
【0008】
【化10】
【0009】で表されるエキソ−3−アセトキシジシク
ロペンタジエンを得、続いてこれを加水分解し、次いで
光学分割処理することにより、式(III)
【0010】
【化11】
【0011】で表される光学活性エキソ−3−ヒドロキ
シジシクロペンタジエンとし、次いでこれらを二酸化マ
ンガン(IV)を用いて酸化することを特徴とする式(IV)
【0012】
【化12】
【0013】で表される光学活性ケトジシクロペンタジ
エンの製造法。 (2) 式(I)
【0014】
【化13】
【0015】で表されるジシクロペンタジエンを、無機
塩の存在下、酢酸マンガン(III)を用いて酸化すること
により、式(II)
【0016】
【化14】
【0017】で表されるエキソ−3−アセトキシジシク
ロペンタジエンを得、これを続いて光学分割処理するこ
とにより、式(III)
【0018】
【化15】
【0019】で表される光学活性エキソ−3−ヒドロキ
シジシクロペンタジエンとし、次いでこれらを二酸化マ
ンガン(IV)を用いて酸化することを特徴とする式(IV)
【0020】
【化16】
【0021】で表される光学活性ケトジシクロペンタジ
エンの製造法。以下、下記フローを参照しながら本発明
をさらに詳しく説明する。
【0022】
【化17】
【0023】上記フローにおいて、式(II)で表される
化合物は、ジシクロペンタジエン(I)を無機塩の存在
下、酢酸マンガン(III)で酸化することにより得ること
が出来る。酢酸マンガン(III)は、酢酸マンガン(II)四
水和物、過マンガン酸カリウム及び無水酢酸の混合物
を、酢酸中でおだやかに加熱還流することにより調製で
きる(例えば日本化学会編、第4版実験化学講座23 有
機合成V、p35、丸善(1992))。この酢酸マンガン(III)
は単離して用いてもよいが、より簡便にはin situで用
いることもできる。酢酸マンガン(III)は基質に対して
1〜5当量用いることが出来るが、特に好ましくは1.1
〜1.5当量である。無機塩としては例えば塩化リチウ
ム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、
臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭
化カリウム、ヨウ化カリウム等を挙げることができる。
無機塩は基質に対して0.01〜1当量用いることが出来る
が、特に好ましくは0.1〜0.2当量である。上記の酸化反
応は一般に溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては酢酸
を用いることが出来る。反応温度は室温〜130℃が適当
であり、特に好ましくは70℃付近である。
【0024】次に、式(III)で表される化合物は、式
(II)で表される化合物を一旦加水分解することにより
容易に得られるエキソ−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエン(III')とし、これを公知の光学分解処理、例え
ばリパーゼの存在下に脂肪酸ビニルとエステル交換反応
させることにより光学活性なアルコール体とエステル体
の混合物を得、これを例えばシリカゲルカラムクロマト
グラフィー等の分離操作に賦して両対掌体を分離し、そ
の際得られる光学活性なエステル体についてはさらに加
水分解を行うこと等によりそれぞれ得ることができる
(Synlett, 1991,636)。
【0025】上記のリパーゼとして市販のものが広く適
用可能であり、その例として下表のものを示すことがで
きる。
【0026】
【表1】
【0027】これらの他にエステル交換能を有するリパ
ーゼを産生する微生物であれば、その種類を問わずにそ
のリパーゼを使用することができる。かかる微生物の例
として、シュウドモナス(Pseudomonus)属、クロモバ
クテリウム(Chromobacterium)属、アルスロバクター
(Arthrobacter)属、アクロモバクター(Acromobacte
r)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アスペルギ
ルス(Aspergilius)属、カンジダ(Candida)属、ムコ
ール(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属、等に属す
るものが挙げられる。これらの中でも特にシュウドモナ
ス属由来のものが好ましい。また上記脂肪酸ビニルとし
ては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、ラウリン酸ビニル等が挙げられる。エステル交換
反応は一般に溶媒の存在下で行われる。その際の溶媒と
しては、ヘプタン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、トル
エン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒が代表的なも
のであるが、リパ−ゼ活性を阻害しない有機溶媒であれ
ば広く用いることができる。反応温度は10℃〜100℃が
適当であり、特に好ましくは20℃〜45℃である。反応時
間は1〜1000時間であり、好ましくは20〜300時間であ
る。
【0028】式(III)で表される化合物は、化合物(I
II')を経由することなく化合物(II)から直接得るこ
ともできる。すなわち、化合物(II)を直接公知の光学
分割処理、例えばリパーゼと緩衝溶液の存在下に加水分
解反応させることにより光学活性なアルコール体とエス
テル体の混合物を得、これを例えばシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー等の分離操作に付して両対掌体を分離
し、その際得られる光学活性なエステル体についてはさ
らに加水分解を行うこと等によりそれぞれ得ることがで
きる(J. Chem. Soc.,Chem. Commun. 1989, 271)。
【0029】上記のリパーゼとしては、前記のエステル
交換反応時に用いられるものに準ずるが、特に望ましく
はカンジダ属由来のものである。加水分解反応を行うに
当って、反応系中のpHは用いられるリパーゼの至適pHに
依存するが、一般に4〜10の範囲であることが好まし
い。pHの調整には緩衝溶液を用いることが好適である。
また、反応溶媒として、上述の緩衝溶液中にアセトン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノ
ール等のアルコール類等や水と混和する有機溶媒を混合
して用いることもできる。反応温度は10℃〜100℃が適
当であり、特に好ましくは20℃〜45℃である。反応時間
は1〜1000時間であり、好ましくは20〜300時間であ
る。
【0030】次に、式(IV)で表される化合物は、式
(III)で表される化合物を一般に反応溶媒の存在下、
二酸化マンガン(IV)で酸化することにより得ることが出
来る。二酸化マンガン(IV)は基質に対して1〜30当量用
いることが出来るが、特に好ましくは5〜10当量であ
る。反応溶媒としてはペンタン等の炭化水素系溶媒、ト
ルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハ
ロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン及びエーテル等から
選ばれるものを用いることが出来る。反応温度は0〜100
℃が適当であり、特に好ましくは40℃付近である。
【0031】以上の操作により、光学純度の高い光学活
性ケトジシクロペンタジエンを効率的に製造することが
出来る。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、種々の生理活性物質等
の合成中間体としてより広範な利用が期待できる光学活
性ケトジシクロペンタジエンを、低毒性で安価な酸化剤
の使用下に高収率で得ることができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって制限さ
れるものではない。 実施例1 (+)-ケトジシクロペンタジエンの合成 工程1:(±)-エキソ−3−アセトキシジシクロペンタ
ジエンの合成 酢酸マンガン(II)四水和物(10.0g、40.8mmol)を酢酸
(40ml)に溶解し、無水酢酸(15ml)を加えて20分間加
熱、還流した。この熱溶液(〜110℃)に過マンガン酸
カリウム(1.61g、10.2mmol)を少量ずつ加えて30分間
加熱、還流した。反応物を70℃に冷却後、ジシクロペン
タジエン(4.9ml、36mmol)と臭化カリウム(730mg、6.
2mmol)を加え、マンガン(IV)イオンの色(ダークブラ
ウン)が消失するまで約1時間、同温度で攪拌を続け
た。冷却後、反応混合物をセライトで濾過し、水で希釈
した後、ヘキサンで抽出した。この抽出液を5%重曹水、
水、食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥
後、濾過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液: エーテル−ヘキサン1:20v/
v)により精製し、無色オイル状の(±)-エキソ−3−
アセトキシジシクロペンタジエン(3.43g)を得た。収
率71%。
【0034】bp:66-69℃/0.04torr IR(neat):ν 1732cm-1 1 H-NMR(CDCl3):δ 6.06 (1H, dd, J=5.4, 2.4Hz),
5.84-5.89 (1H, m),5.83(1H, dd, J=5.4, 2.4Hz), 5.5
5 (1H, dt, J=5.9, 1.8Hz),4.92-4.95 (1H, m), 3.33-
3.40 (1H, m),3.88(1H, brs),2.80(1H, brs),2.57
(1H, dq, J=6.9, 2.2Hz),2.01(3H, s), 1.57 (1H,
d, J=8.4Hz),1.38(1H, d, J=8.4Hz) MS:m/z 190(M+), 66 (100%) Anal:Calcd. C12H14O2(190.2): C 75.76, H 7.42 Foumd: C 75.42, H 7.27 HRMS:Calcd. C12H14O2:190.0993 Found:190.1009 上記の物性値及び各スペクトルデータは標品のものに一
致した。
【0035】本願の酢酸マンガンを用いる酸化反応は従
来の二酸化セレンを用いる酸化反応(比較例 (1)参照)
に比べ収率的に優っている。また使用酸化剤が安価かつ
低毒性であるため工業的に有利である。 工程2:光学活性エキソ−3−ヒドロキシジシクロペン
タジエンの合成 工程1で得た(±)-エキソ−3−アセトキシジシクロペ
ンタジエン (3.90g、20.5mmol)をメタノール(120ml)
中、炭酸カリウム(14.2g、103mmol)と反応させること
により、(±)-エキソ−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエン(2.96g)に変換した。
【0036】(±)-エキソ−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエン(2.96g、20mmol)、酢酸ビニル(18.45ml、
200mmol)、及びリパ−ゼPS(2.0g、天野製薬)の混合
物をベンゼン(125ml)に懸濁し、28℃で63時間攪拌し
た。反応混合物をセライトで濾過した後、減圧濃縮して
エキソ−3−アセトキシジシクロペンタジエンとエキソ
−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの混合物を得
た。これらをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶
出液:酢酸エチル−ヘキサン 1/10v/v→1/5v/v)を用い
て分離し、オイル状の(-)-エキソ−3−アセトキシジシ
クロペンタジエン(1.88g、49.4%)と結晶状の(+)-エキ
ソ−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン(1.25g、42.
2%)を得た。(+)-エキソ−3−ヒドロキシジシクロペン
タジエンをヘキサンから2回再結晶して光学的に純粋な
生成物(約0.7g)を得た。 mp:72-72.5℃ 〔α〕D +99±1゜(CHCl3)
【0037】一方、(-)-エキソ−3−アセトキシジシク
ロペンタジエンをメタノール(60ml)中、炭酸カリウム
(6.84g、49.5mmol)と反応させることにより、結晶状
の(-)-エキソ−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン
(1.43g、97.4%)を得た。このものをヘキサンから2回
再結晶し、光学的に純粋な生成物(約0.7g)を得た。m
p:72-72.5℃ 〔α〕D -99±1゜(CHCl3)
【0038】工程3:(+)-ケトジシクロペンタジエンの
合成 工程2で得た(+)-エキソ−3−ヒドロキシジシクロペン
タジエン(2.01g、13.6mmol)と二酸化マンガン(IV)(1
0.0g、115mmol)を塩化メチレン(20ml)に懸濁し、38
℃で24時間攪拌した。冷却後、反応混合物をセライトで
濾過し、減圧濃縮して(+)-ケトジシクロペンタジエンを
得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液:酢酸エチル−ヘキサン 1:10v/v) により精製
し、無色プレート状の(+)-ケトジシクロペンタジエン
(1.87g)を得た。収率94%。HPLCで分析した結果、この
ものの光学純度は99%eeであることが判明した(Chiralc
el OB、iso-プロパノール−ヘキサン 1:9v/v)。
【0039】mp:76.0℃ 〔α〕D 27 +139.5゜(c 0.94, MeOH) IR(neat):ν 1690cm-1 1 H-NMR(CDCl3):δ 7.37(1H, dd, J=5.5, 2.2Hz),
5.95 (1H, dd, J=5.5,1.6Hz),5.93(1H, dd, J=5.5,
2.9Hz), 5.77 (1H, dd, J=5.5, 2.9Hz),3.38-3.44(1H,
m), 3.40(1H, brs),2.96(1H, brs),2.79(1H, t,
J=5.1Hz), 1.74 (1H, t J=8.4Hz), 1.61 (1H, d, J=8.4
Hz) MS:m/z 146(M+), 66(100%) Anal:Calcd. C10H10O(146.1):C 82.16, H 6.90 found:C 82.06, H 6.88 HRMS:Calcd. C10H10O:146.0731 Found:146.0733
【0040】上記の物性値及び各スペクトルデータは標
品のものに一致した。本願の二酸化マンガンを用いる酸
化反応は従来のクロム酸化合物を用いる酸化反応(比較
例 (2)参照) に比べ収率的に優っている。また使用酸化
剤が安価かつ低毒性であるため工業的に有利である。
【0041】実施例2 (+)-ケトジシクロペンタジエンの合成 工程1:光学活性エキソ−3−ヒドロキシジシクロペン
タジエンの合成 実施例1の工程1で得た(±)-エキソ−3−アセトキシ
ジシクロペンタジエンとリパ−ゼMY(20%w/w、名糖産
業)の混合物を、0.1Mリン酸緩衝液−アセトン(10:1V/
V)混合液中、室温で5日間攪拌した。常法に従って処
理し、エキソ−3−アセトキシジシクロペンタジエンと
エキソ−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの混合物
(約2:1)を得た。これらをシリカゲルカラムクロマト
グラフィーを用いて分離し、(-)-エキソ−3−アセトキ
シジシクロペンタジエンと(+)-エキソ−3−ヒドロキシ
ジシクロペンタジエンを得た。(+)-エキソ−3−ヒドロ
キシジシクロペンタジエンをヘキサンから3回再結晶し
て光学的に純粋な生成物を得た。収率30%。
【0042】mp:72-72.5℃ 〔α〕D 25 +99.1゜(c 0.98, CHCl3) 一方、(-)-エキソ−3−アセトキシジシクロペンタジエ
ンを1,4−ジオキサン−水混合液に溶解し、水酸化カ
リウム(1.5当量)を加えて室温で12時間攪拌した。常
法に従って処理し、(-)-エキソ−3−ヒドロキシジシク
ロペンタジエンを得た。このものをヘキサンから5回再
結晶し、光学的に純粋な生成物を得た。収率22%。 mp:72-72.5℃ 〔α〕D 25 -98.5゜(c 0.95, CHCl3)
【0043】工程2:(+)-ケトジシクロペンタジエンの
合成 出発物質である(+)-エキソ−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンを上記工程1で得られるものに替える以外は
実施例1の工程3と同様に処理し、(+)-ケトジシクロペ
ンタジエン(1.87g)を得た。収率94%。HPLCで分析した
結果、このものの光学純度は99%eeであることが判明し
た(Chiralcel OB、iso-プロパノール−ヘキサン 1:9v/
v)。このものの物性値及び各スペクトルデータは標品の
ものに一致した。
【0044】比較例 (1) (±)-エキソ−3−ヒドロキシジシクロペンタジエ
ンの合成 ジシクロペンタジエン(350g、2.65mol)、二酸化セレン
(IV)(160g、1.44mol)、リン酸二水素カリウム(40g、
0.23mol)、1,4−ジオキサン(1000ml)、水(100m
l)の混合物を4時間加熱還流した。反応混合物を濾過
後、有機相を分離し、飽和食塩水で洗浄した。水相をエ
ーテルで抽出し、抽出液を5%水酸化ナトリウム水溶液、
飽和食塩水で順次洗浄した。これを上記有機相に合わ
せ、次いでセライトで濾過した後、更に飽和食塩水で洗
浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、減圧濃縮し
た。残渣を減圧蒸留した後ペンタンから再結晶し、(±)
-エキソ−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン(90.0
g)を得た。収率61%。
【0045】本反応は、使用した二酸化セレンが高価で
ある上に極めて毒性が強いため工業的に不利である。ま
た本願発明の酢酸マンガンを用いる酸化反応(実施例1
の工程1)に比べ収率的に劣ることは明らかである。
【0046】(2) (+)-ケトジシクロペンタジエンの合成 実施例1の工程2で得た(+)-エキソ−3−ヒドロキシジ
シクロペンタジエン(15g、100mmol)を塩化メチレン
(500ml)に溶解し、これに0℃にてピリジニウムクロ
ロクロメート(PCC) (32.7g、150mmol)を少量ずつ加
え、同温度で30分、更に室温で2.5時間攪拌した。反応
混合物をシリカゲルで濾過し、減圧濃縮して(+)-ケトジ
シクロペンタジエンを得た。このものをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出液:エーテル−ヘキサン 1:
2v/v) により精製し、(+)-ケトジシクロペンタジエン
(11.75g)を得た。収率80%。HPLCで分析した結果、こ
のものの光学純度は98%eeであることが判明した(Chira
lcel OJ、iso-プロパノール−ヘキサン)。
【0047】mp:76.5-77.0℃ 〔α〕D 25 +140.3゜(c 0.95, MeOH) 本反応は、使用ピリジニウムクロロクロメート(PCC)
が高毒性であるため廃棄物処理に問題があり、工業的に
不利である。また本願発明の二酸化マンガンを用いる酸
化反応(実施例1の工程3)に比べ収率的に劣ることが
知られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表されるジシクロペンタジエンを、無機塩の存在下、
    酢酸マンガン(III)を用いて酸化することにより、式(I
    I) 【化2】 で表されるエキソ−3−アセトキシジシクロペンタジエ
    ンを得、続いてこれを加水分解し、次いで光学分割処理
    することにより、式(III) 【化3】 で表される光学活性エキソ−3−ヒドロキシジシクロペ
    ンタジエンとし、次いでこれらを二酸化マンガン(IV)を
    用いて酸化することを特徴とする式(IV) 【化4】 で表される光学活性ケトジシクロペンタジエンの製造
    法。
  2. 【請求項2】 式(I) 【化5】 で表されるジシクロペンタジエンを、無機塩の存在下、
    酢酸マンガン(III)を用いて酸化することにより、式(I
    I) 【化6】 で表されるエキソ−3−アセトキシジシクロペンタジエ
    ンを得、続いてこれを光学分割処理することにより、式
    (III) 【化7】 で表される光学活性エキソ−3−ヒドロキシジシクロペ
    ンタジエンとし、次いでこれらを二酸化マンガン(IV)を
    用いて酸化することを特徴とする式(IV) 【化8】 で表される光学活性ケトジシクロペンタジエンの製造
    法。
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