JPH0722622B2 - 上下送り本縫いミシンにおける縫い不良防止方法 - Google Patents

上下送り本縫いミシンにおける縫い不良防止方法

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JPH0722622B2
JPH0722622B2 JP63304753A JP30475388A JPH0722622B2 JP H0722622 B2 JPH0722622 B2 JP H0722622B2 JP 63304753 A JP63304753 A JP 63304753A JP 30475388 A JP30475388 A JP 30475388A JP H0722622 B2 JPH0722622 B2 JP H0722622B2
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信男 大石
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株式会社ボンニー
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、上下送り本縫ミシンに関し、パッカリング、
縫いずれ等の縫い不良を防止するにある。
〔従来の技術〕
一般に薄生地、それにベルベット等の生地は、縫い不良
を生じやすく、これらの縫着には熟練技能を要する。そ
のため、一定の縫製品質を確保するには、縫製工の技能
に頼らざるを得ず、非熟練者によるライン生産方式を採
る場合に、縫製品質を犠牲にするか、不良率が異常に増
えることを前提にせざるを得なかった。
例えばベルベットのような特殊生地を縫うのに、専用の
ミシンがない訳ではない。しかし、かかる特殊ミシンを
用いても、誰しもが熟練技術者と同等の縫製品質を確実
に得ることは困難である。ミシン自体が特殊構造である
ため、他の用途に転用できず汎用性に欠け、高価に付く
不利もあった。
縫い不良、とくに縫いずれを防ぐ従来技術として、例え
ば特開昭62−16786号公報がある。
これは基本的に下送りミシンであって、生地送り時に押
え金を上昇させ、生地に押え金の摩擦抵抗が作用するの
を防止する点に特徴を有する。なお、生地送りのため
に、下送り歯の一部には上向きに突出する下針が設けら
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ベルベットにおいてパッカリングや縫いずれが同時に生
じる原因は、縫着よって起毛部が横倒し状に傾斜し、こ
れが縫着後に徐々に起立復帰することによる。
また、薄生地や皺加工が施された生地の縫着時、とくに
異なる材質の生地どうしを縫着する場合は、パッカリン
グを頻繁に生じるが、これは縫糸の引締力に生地が対抗
できず、縫目間の生地が引締められてしまうことによ
る。
いずれも縫糸の張力や、押え金の押圧力の調整等によっ
てある程度までは改善できるが、現状のミシンではこれ
らの縫い不良を根本的に解消できなかった。
ところで、従来の一般的なミシンでは、送り方式の如何
にかかわらず、生地を押え金で常に押え付けて生地送り
時のずれ防止を図っており、これがベルベット等の起毛
生地において縫いずれを生じる要因となる。先に従来例
はこの点を解消するにあり、これでは縫いずれを解消で
きたとしても、パッカリングまでは防止し切れない。縫
糸の引締めによって生地基部が引き寄せられて起毛部が
依然として傾倒するからである。
以上のように従来のミシンでは、総合的に縫い不良を防
止する考え方は見られず、生地の厚みや編組構造あるい
はすべり特性等に応じて特殊ミシンが用意されてはいる
ものの、充分な縫製品質を容易にしかも安定的に得るこ
とはできなかった。
本発明は、かかる実情に着目して提案されたものであ
り、パッカリングや縫いずれに代表される縫い不良を確
実に防止し、薄生地やベルベットに代表される縫製困難
な生地を熟練を要することなく高品質に縫製できるよう
にすることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、生地Wを上下に挟持して、針落点Pから遠
ざかる側へ送り操作する上送り歯5および下送り歯6
と、針板7の上面側に配置される押え金4とを備えてい
る上下送り本縫ミシンを適用対象とする。
針落点Pより生地送り方向下手順に位置する上下の両送
り歯5・6の挟持面5a・6aが、生地Wを上下に挟持した
状態で、前回の縫着動作で形成され、かつ天びんで引き
締め固定される前の仮縫目Sの一端と生地Wとを同時に
挟持するよう調整する。
生地押え姿勢に切り換えられた状態における押え金4と
針板7との上下間隔Hを、縫着しようとする生地Wの自
由状態における合計厚みと同じか、これより僅かに大き
くするなるよう調整する。
上記の調整状態で生地Wの縫着を行う。
〔作用〕
縫着時に、押え金4は常に生地Wの合計厚み分だけ針板
7から離れた高さ位置にあり、生地Wを針板7に押し付
けず、しかも生地Wの送り移動を一切妨げない。また、
生地Wは上下の送り歯5・6で挟持されて引っ張り移動
される。
引締め固定される前の状態の仮縫目Sを上下の送り歯5
・6で挟持して生地送りを行っている。この生地送り工
程の終端寄りで、天びんによって縫糸の引締めが行われ
るが、この際に仮縫目Sは生地素材とともに両送り歯5
・6で移動不能に挟み固定されている。
なお、仮縫目Sは上下の送り歯5・6に捕捉された状態
で、天びんによる引締力に対抗する。従って、上糸の張
力は従前と同様に下糸に作用し、下糸を生地合わせ面ま
で引き上げるので、仮縫目Sを完全な縫目とすることが
できる。
押え金4は常に針板7から離れている。従って押え金4
は省略できるかにみえる。しかし、押え金4を省略した
ときは、生地Wの前後を手でつかんで生地を前後にピン
と張って縫製しなければならなくなる。この際、縫い始
端での生地の手による保持は極めて困難になることは言
うまでもない。しかるに、本発明の押え金4は縫針3を
生地Wから抜き上げる際に、生地Wが縫針3に同行する
のを防ぐのに有効に作用する訳で、押え金4これ自体の
存在は有意義である。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明では、押え金4による生地W
の押圧保持を縫製作業中は一切行わず、押え金4の生地
Wに対する送り時の有害摩擦や、生地押圧による起毛部
の傾倒等を一掃し、しかも上下の送り歯5・6で生地W
を挟持し、これを引っ張り操作することによって生地送
りを行う方式とした。従って、上下の生地素材が生地送
り方向にずれ動いたり、その一方が遅滞することを解消
して縫いずれが発生することを確実に防止できる。
生地送り時には、引締め固定される前の状態の仮縫目S
を上下の送り歯5・6で挟持し、天びんによる縫糸の引
締力に対抗して縫目を送るようにしたので、仮縫目Sの
糸が縫針3側に引き戻されて生地を縫い縮めることを確
実に防止でき、あらゆる生地質の生地Wを縫着するにつ
いて、パッカリングの発生を完全に解消できる。
従って本発明によれば、縫いずれ、パッカリング等の縫
い不良を総合的に解消することができ、あらゆる素材か
らなる生地が熟練を必要とすることなく、高品位に縫製
できる。
また、例えば薄生地や起毛生地等の生地質とは無関係
に、常に縫い不良を生じることなく高品位の縫製を行う
ことができるので、一台のミシンだけであらゆる生地質
の縫製を統一的に行える。
〔実施例〕
第1図ないし第4図は本発明に係る上下送り本縫ミシン
の実施例を示す。
第2図において、1は上送り駆動機構、2は針棒、3は
縫針、4は押え金、5は上送り歯、6は下送り歯、7は
針板である。
上送り駆動機構1は、上送り歯5に上下動作を与える上
下動手段1Aと、上送り歯5に前後動作を与える前後動手
段1Bと、上送り歯5および押え金4を下降付勢するプレ
ッシャ手段1Cとを含む。これら各手段1A・1B・1Cの協同
作用で上送り歯5は楕円状の軌跡に沿って駆動される。
上下動手段1Aは、上下レバー9と上中間リンク10と、ベ
ルクランク状のフォークレバー11などを含む。押え棒12
の下端のブラケット13にピン14を介して揺動可動に支持
したフォークレバー11が、上中間リンク10を介して上下
レバー9で上下操作される。フォークレバー11の一端に
操作フォーク15を有する。
前後動手段1Bは、前後動レバー17と、下中間リンク18
と、上歯ホルダ19と、ブラケット13に揺動可能に支持し
た支えレバー20などを含む。下中間リンク18、上歯ホル
ダ19および支えレバー20は、ピン21を共通軸にして連結
する。上歯ホルダ19の突端上部に一対のブラケットを立
設し、両ブラケット間にローラ22を遊転自在に支持し、
これを前記フォークレバー11の操作フォーク15で相対移
動可能に係合支持する。かくして、上下動手段1Aの動作
は操作フォーク15からローラ22を介して上歯ホルダ19に
伝わり、その下面に固定した上送り歯5の姿勢を前後動
手段1Bの出力動作と協同して制御する。
プレッシャ手段1Cはアーム24の固定壁に支持した縦長の
ブッシュ25と、ブッシュ25内に通した前記押え棒12と、
押え棒12の内部下端に昇降自在に支持したタペット体26
と、押え棒12内に挿通されてタペット体26に連接するプ
ッシュロッド27と、これらを付勢するばね手段などで構
成する。
押え棒12はブッシュ25に昇降自在に支持されており、図
外の操作レバーを切換え操作することで上方の待機姿勢
と下降した作動姿勢とに手動で切換え操作できる。この
押え棒の下端に押え金4が装着されている。押え金4の
手動切換え手段は図示省略したが公知のそれと同じであ
る。
作動姿勢において押え金4を下向きに移動付勢するため
に、押え棒12の上端にはアーム24側に上下摺動自在に支
持したばね受腕28を固定し、これを押え金ばね29で下向
きに押し下げ付勢しておく。このばね29のばね圧はアー
ム24の上壁に装着した調節ねじ30で調節できる。押え金
4の押圧力は従来一般に5〜6kgfに設定されていたが、
ここでは作動姿勢に下降操作したときの押え金4と針板
7との上下間隔Hが、縫着しようとする生地Wの合計厚
みと同じになるように設定し、無圧状態になるようにし
た。
具体的には、ブッシュ25を上方に僅かに上昇した後、こ
れをアーム24の固定壁に固定する。あるいは上歯ホルダ
19の押え棒12に対する固定位置を上方にずらす。なお、
第1図および第4図においては図が繁雑化するのを避け
るために、生地Wと押え金4および針板7は意図的に分
離して描いてある。
上送り歯5に適切な挟持圧力を付与するために、ブッシ
ュロッド27の上端に、片持ち支持した板ばね31の先端が
接当作用している。この板ばね31のばね圧も調節ねじ32
で調整できる。本発明では上下の送り歯5・6だけで生
地送りを行う必要上、この板ばね31は通常よりやや大き
なばね力を生じるよう設定しておく。
前記板ばね31とは別に、タペット体26を押し下げ付勢す
る同調ばね33を備えている。この同調ばね33は押え棒12
の内部に仕込んであり、タペット体26の上端を、押え棒
12の上端にねじ込み固定したプラグ34との間に介装す
る。この同調ばね33は操作フォーク15をローラ22に圧接
させ、操作フォーク15の上下動作にタペット体26を確実
に追随させる役目を果たす。
下送り歯6はベッド36に内蔵した公知の駆動機構で楕円
軌跡に沿って駆動され、上送り歯5と協同して生地Wを
送り操作する。上送り歯5が下送り歯6に生地Wを介し
て接当した後、送り操作が終了するまでの間、上送り歯
5は下送り歯6側の楕円軌跡に追従するよう動く。つま
り、生地送り動作中は上送り歯5は下送り歯6に突き上
げられた状態となり、このとき上送り歯5に作用する板
ばね31および同調ばね33のばね圧によって生地Wを強固
に挟み固定する。
第3図において、下送り歯6の上面には、生地送り方向
と平行な2個の長い挟持面6b・6bと、これら両挟持面6b
・6bの中央で生地送り方向下手側に位置する短寸の挟持
面6aとが設けられている。
生地Wの挟持および送り動作は、実質的に短寸の挟持面
6aと上送り歯5の挟持面5aとで行う。両者の挟持面5a・
6aは、第4図に示すごとく針落点Pより生地送り方向下
手側で、しかも針落点Pにできるだけ近い位置に配置
し、両挟持面5a・6aが天びんによって引締められる前の
状態の仮縫目Sを挟持できるようにしている点が注目さ
れるべきである。
針板7の板面には、下送り歯6の挟持面6a・6bに対応す
る送り窓37・37・38を開けてあり、更に中央の送り窓38
と隣接する位置に針通し孔39を開けてある。
この針通し孔39の生地送り方向下手側における上面開口
縁部分には、第4図に示すごとく縫目側からベッド36の
内部のカマ側に向かって下り傾斜状に傾く下糸ガイド溝
40を形成し、生地送り時の下糸の摺接抵抗による糸締ま
りを防止している。
押え金4の針孔41にも同趣旨の上糸ガイド溝42を形成す
る。具体的には、縫目側から縫針3側に向かって上り傾
斜状に傾くよう上糸ガイド溝42を形成する。第4図にお
いて符号43は押え金4に形成された上送り歯5の遊嵌用
の動作溝である。
生地Wの縫着時に、押え金4は針板7から常に浮き離れ
た状態に維持する。この状態で縫針3が生地Wを突き抜
いて下糸を捕捉し、反転上昇する。平行して天びんはカ
マ側に引き込まれた上糸を引き戻し、縫針3が生地Wか
ら抜け出て一定距離だけ上昇した後に、上下の両送り歯
5・6で生地送りを開始する。
第1図に示すように、生地送り開始時点において、上下
の両送り歯5・6は前回の生地送り動作によって動作溝
43側に引き戻された個所を含んで生地Wを挟持してい
る。この個所には生地送りに先行する縫針3の動作によ
って縫目が仮形成されており、両送り歯5・6の挟持面
5a・6aは、この仮縫目Sを挟持した状態で生地送り方向
下手側に向かって生地Wを送る。生地送り工程の終端寄
りにおいて天びんの上昇で糸締めが図られる。この糸締
めは天びんが上死点に達する直前から開始され、上死点
に達すると終了する。
上記の糸締め動作によって上糸に張力が作用するが、仮
縫目Sは上下の生地素材と共に両送り歯5・6で強固に
挟着されているので、引締力に対抗して生地Wの表面に
沿った状態を維持し続ける。従って、仮縫目Sを形成す
る糸が縫針3側に引き寄せられることはなく、生地質が
軟弱であってもここに縫い縮みが生じない。上糸に作用
する張力によって、下糸が生地Wの下面側から生地合わ
せ面に引き上げられるので、この時点で仮縫目Sは縫目
として完成され、縫目が不完全になることもない。な
お、上糸の張力は、縫着する生地質にもよるが、天びん
を経た直後において30〜50g、現実には40g前後に調整
し、下糸の張力もそれに適合させておく。
縫着時には上下の送り歯5・6で上下の生地素材を挟持
し、両者を同時に引き寄せて生地送りを行う。押え金4
は常に針板7から浮き離れた位置にあり、生地Wを押し
付けることなくガイドしている。従って、生地送り時に
は上下の生地素材を確実に等量ずつ移行させることがで
き、両者間に縫いずれが生じることを確実に防止する。
とくにベルベット等の起毛生地の場合は、押え金4の押
付動作で起毛部が一定方向に傾倒し、縫いずれを生じる
ことがあるが、これも確実に防止できる。
次に上記の上下送り本縫ミシンを用いて種々の生地質の
縫着を行った実施例を挙げる。
実施例1 生地質 (絹と絹) 合計生地厚み (1mm) 上糸張力 (40gf) これによるときはパッカリングの発生が皆無であった。
実施例2 生地質 (ナイロンと絹) 合計生地厚み (1.2mm) 上糸張力 (43gf) これによるときもカッパリングの発生は皆無であった。
実施例3 生地質 (ベルベットとベルベット) 合計生地厚み (1.8mm) 上糸張力 (35gf) これによるときは縫いずれおよびカッパリングの発生が
皆無であった。
実施例4 生地質 (アクリルとアクリル) 合計生地厚み (1.2mm) 上糸張力 (40gf) この例ではバイアス地縫いを行った。その場合に生地送
り動作に伴う縫い伸びに対応できるか否かを確認したも
のであるが、生地Wと化縫目Sとが同時に送られるた
め、縫い伸びを生じることなく、縫製後に生地を伸張操
作しても糸切れを招かなかった。
実施例5 生地質 (いずれもアクリルの編生地と編生地) 合計生地厚み (1.8mm) 上糸張力 (40gf) これによるときも、第4実施例と同様であった。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明に係る上下送り本縫ミシン
の実施例を示しており、 第1図は主に上下の送り歯を含む要部の拡大縦断側面
図、 第2図は一部切り欠き側面図、 第3図は針板まわりの平面図、 第4図は生地送り終了状態における第1図相当の縦断側
面図である。 4……押え金、5……上送り歯、 6……下送り歯、7……針板、 P……針落点、S……仮縫目、 W……生地。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生地(W)を上下に挟持して、針落点
    (P)から遠ざかる側へ送り操作する上送り歯(5)お
    よび下送り歯(6)と、針板(7)の上面側に配置され
    る押え金(4)とを備えている上下送り本縫ミシンにお
    いて、 針落点(P)より生地送り方向下手側に位置する上下の
    両送り歯(5・6)の挟持面(5a・6a)が、生地(W)
    を上下に挟持した状態で、前回の縫着動作で形成され、
    かつ天びんで引き締め固定される前の仮縫目(S)の一
    端と生地(W)とを同時に挟持するよう調整されてお
    り、 生地押え姿勢に切り換えられた状態における押え金
    (4)と針板(7)との上下間隔(H)が、縫着しよう
    とする生地(W)の自由状態における合計厚みと同じ
    か、これより僅かに大きくなるよう調整されており、 上記の調整状態で生地(W)の縫着を行うことを特徴と
    する上下送り本縫ミシンにおける縫い不良防止方法。
JP63304753A 1988-11-30 1988-11-30 上下送り本縫いミシンにおける縫い不良防止方法 Expired - Lifetime JPH0722622B2 (ja)

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