JPH07228563A - 高純度アセトニトリルの製造法 - Google Patents

高純度アセトニトリルの製造法

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JPH07228563A
JPH07228563A JP4184094A JP4184094A JPH07228563A JP H07228563 A JPH07228563 A JP H07228563A JP 4184094 A JP4184094 A JP 4184094A JP 4184094 A JP4184094 A JP 4184094A JP H07228563 A JPH07228563 A JP H07228563A
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hydrogen cyanide
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JP4184094A
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Kazuyoshi Hayashida
一良 林田
Tomohiro Ito
智博 伊藤
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
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Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アセトニトリルを液体クロマトグラフ用試薬
として使用する際、正確な分析が阻害される原因となる
含有不純物のシアン化水素を実質的に完全に除去したシ
アン化水素不含液体クロマトグラフ用アセトニトリルの
工業的に容易に実施し得る製造法の提供。 【構成】 シアン化水素含有アセトニトリルをバナジウ
ム、クロム、マンガン、タリウム、鉛、周期律表Ib
族、IIb族及びVIII族から成る群から選ばれた金属元素
の化合物で、又はこれと多孔性吸着剤とで処理し、次い
で蒸留することを特徴とするシアン化水素を実質的に含
有しない液体クロマトグラフ用高純度アセトニトリルの
製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、対象とした微量成分
を分離精製もしくは高感度に分離分析する際の液体クロ
マトグラフ用試薬として使用されるアセトニトリル中に
混在するシアン化水素を実質的に完全に除去したシアン
化水素不含液体クロマトグラフ用高純度アセトニトリル
の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アセトニトリルは、液体クロマトグラフ
分析において溶離液調製用溶媒として汎用されている。
従来液体クロマトグラフ用アセトニトリルは、吸光度が
低いことが最も重要な品質項目であった。しかし、近年
種々の分野における技術の著しい進歩に伴い、液体クロ
マトグラフ用アセトニトリルは吸光度が低いことだけで
はなく分析試料と反応する可能性のある微量の不純物を
も除去した高純度品であることが必要となってきた。即
ち、微量でも反応性不純物を含有していると、その不純
物が分析対象の微量成分と反応して成分濃度を低下させ
たり、異種ピークを出現させたりして正確な分析に大き
な妨害を生じてしまう。通常、液体クロマトグラフ用ア
セトニトリルは工業的に製造されているアセトニトリル
(以下、工業用アセトニトリルという。)から各種の精
製法によって製造されている。しかし、工業用アセトニ
トリルはプロピレン等のアンモオキシデーション反応で
アクリロニトリルを製造する際の副生成物であることか
ら、アクリロニトリル、アリルアルコール、アセトン、
シアン化水素等の多種類の不純物を含有している。この
工業用アセトニトリルを精製して液体クロマトグラフ用
アセトニトリルとする方法としては、これまでに種々の
技術が提案されている。しかし、これらの方法で得られ
たアセトニトリルはアクリロニトリル、アリルアルコー
ル、アセトン等の不純物はほぼ完全に除去されており、
液体クロマトグラフ用として一応使用可能ではあるが、
シアン化水素は完全には除去されず微量残留しているこ
とから、特殊な分析や高感度、高精度分析に使用する際
にはこの残留シアン化水素が妨害となる難点があった。
【0003】即ち、シアン化水素は活性が高く種々の化
合物と反応する性質を有しているため、分析対象の成分
がシアン化水素と反応すると液体クロマトグラフ分析に
おいて目的ピーク以外に反応で生成した異種ピークがク
ロマトグラム上に出現するからである。このような事情
から、液体クロマトグラフ用アセトニトリルとしては吸
光度に影響を与える物質を含まないだけでなくシアン化
水素も含まない高純度品が強くもとめられている。従
来、アセトニトリル中のシアン化水素の除去法としては
アルカリ水溶液による処理法や蒸留法が提案されてい
る。しかし、アルカリ水溶液による処理法は高濃度のシ
アン化水素を微量にまで低減するには有効であるが、微
量のシアン化水素の除去には効果的ではないばかりでな
くアセトニトリルの加水分解を引き起こし、それにより
生成したアンモニア及び酢酸アンモニウムが液体クロマ
トグラフ分析に悪影響を与える難点があった。また、蒸
留法は比較的容易にシアン化水素を除去できる方法であ
るが、通常の蒸留条件ではアセトニトリルとは良好に分
離しない。シアン化水素とアセトニトリルとを完全に分
離するためには蒸留を繰り返して行う必要があるが、そ
れでは作業能率や生産効率が低くなる問題がある。ま
た、多段精留では莫大な設備費用を要する難点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アセトニト
リルを液体クロマトグラフ用試薬として使用する際、含
有不純物のシアン化水素によって正確な分析が阻害され
るのを防止するためになされたものであり、工業的に容
易な方法によってシアン化水素を実質的に完全に除去し
得るシアン化水素不含液体クロマトグラフ用アセトニト
リルの新規な製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は下記の構成から成る。 「(1)シアン化水素含有アセトニトリルをバナジウ
ム、クロム、マンガン、タリウム、鉛、周期律表Ib
族、IIb族及びVIII族から成る群から選ばれた金属元素
の化合物(以下、「本発明に係る金属化合物」と略記す
る。)で処理し、次いで蒸留することを特徴とするシア
ン化水素を実質的に含有しない液体クロマトグラフ用高
純度アセトニトリルの製造法。 (2)シアン化水素含有アセトニトリルを本発明に係る
金属化合物と多孔性吸着剤とで処理し、ついで蒸留する
ことを特徴とするシアン化水素を実質的に含有しない液
体クロマトグラフ用高純度アセトニトリルの製造法。」
【0006】即ち、本発明者らは上記目的を達成すべく
鋭意研究を重ねた結果、バナジウム、クロム、マンガ
ン、タリウム、及び鉛、並びに周期律表Ib族、IIb
族、及びVIII族の金属元素はアセトニトリル中において
も水溶液における場合と同様にシアン化水素と速やかに
反応して安定な陰イオン性の金属シアン化物錯体を形成
すること、また、この陰イオン性錯体は多孔性吸着剤に
容易に吸着されることを見出し、シアン化水素含有アセ
トニトリルからシアン化水素を短時間で極めて効率良く
且つ特別な設備や条件設定を必要とせずに分離除去し得
る本発明の製造方法を完成させるに到った。
【0007】本発明で用いられる、本発明に係る金属化
合物としては、バナジウム、クロム、マンガン、タリウ
ム、鉛、周期律表Ib族の金属元素、即ち、銅,銀,
金、周期律表IIb族の金属元素、即ち亜鉛,カドミウ
ム,水銀、及び周期律表VIII族の金属元素、即ち鉄,コ
バルト,ニッケル,ルテニウム,ロジウム,パラジウ
ム,オスミウム,イリジウム,白金等の金属元素の化合
物が挙げられる。これら金属元素の化合物の金属化合物
としての形態としては、例えば、ハロゲン化物(例えば
塩化物,臭化物等)、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、カ
ルボン酸塩(例えばギ酸塩,酢酸塩,高級脂肪酸塩等)
等、塩の形になっているものが好ましいものとして挙げ
られるが、勿論これらに限定されるものではなく、塩の
形になっていないものでも充分使用可能である。
【0008】本発明に係る金属化合物の具体例として
は、例えば、塩化バナジウム、塩化マンガン、塩化第二
銅、塩化亜鉛、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化パ
ラジウム、塩化オスミウム、塩化イリジウム、硝酸タリ
ウム、硝酸鉛、硝酸クロム、硝酸銀、硝酸カドミウム、
硝酸第二水銀、硝酸第二鉄、硝酸コバルト、硝酸パラジ
ウム、硫酸マンガン、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄ア
ンモニウム、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、過塩素酸
銀、ギ酸タリウム、酢酸マンガン、酢酸鉛、酢酸銅、酢
酸銀、酢酸コバルト、酢酸パラジウム、ステアリン酸マ
ンガン、酸化硫酸バナジウム、塩化金酸、塩化白金酸等
が挙げられるが、これらに限定されるものでないことは
言うまでもない。尚、これら本発明に係る金属化合物の
中で特に好ましいのは錯形成定数の大きい銀化合物及び
パラジウム化合物である。
【0009】これらの金属化合物の使用量は、金属化合
物の種類や原料アセトニトリル中のシアン化水素含有量
によっても自から異なるが、通常アセトニトリルに対し
0.0001〜0.01重量%程度、好ましくは0.0002〜0.005重
量%程度が用いられる。尚、これ以下の使用量では除去
効果が著しく減少するし、また、これ以上の量を使用し
ても除去効果の増大が期待できないと同時に多孔性吸着
剤の使用量が著しく増加してしまうという難点がある。
これらの金属化合物は、アセトニトリルに均一に溶解さ
せて溶液状態として使用しても、アセトニトリルと均一
に混合する少量の溶媒に溶解させて使用しても、また、
これらの金属化合物をアセトニトリルに懸濁させた状態
で使用しても良く、いずれの方法においてもシアン化水
素の除去効果の点では相違は見られない。これら金属化
合物による処理時間、即ち、金属化合物とアセトニトリ
ル中のシアン化水素との反応時間は金属元素の種類や使
用方法等で異なるが、例えばパラジウム化合物をアセト
ニトリルに均一に溶解させて溶液状態として使用した場
合では30秒〜120分程度、好ましくは5〜60分程度、撹
拌して反応させれば良い。また、アセトニトリルに懸濁
させた硫酸銀を使用した場合においても同様に5〜60分
程度撹拌することで足りる。
【0010】処理温度は特に限定されず、従って加温、
冷却等何れの必要もなく、また、不活性ガス置換などの
特別な条件設定の必要もない。即ち、室温下に大気中で
反応処理すれば良い。かくして、シアン化水素を安定な
金属シアン化物錯体に変換せしめた後は、これを例えば
低温、高真空度下で蒸留すれば金属シアン化物錯体は分
解せずに、シアン化水素を実質的に含有しない液体クロ
マトグラフ用高純度アセトニトリルが容易に得られる
が、蒸留条件(温度、真空度等)に左右されずに目的と
する高純度アセトニトリルを得ようとする場合には、反
応で生成した安定な陰イオン性の金属シアン化物錯体を
吸着剤に吸着させた後、蒸留するのが好ましい。アセト
ニトリル中から該金属シアン化物錯体を吸着分離するに
は、金属化合物との反応終了後に例えば活性アルミナ、
活性炭、シリカゲル、ゼオライト、イオン交換樹脂等の
多孔性吸着剤と接触させ処理しても良いし、また、これ
らの多孔性吸着剤の存在下に本発明に係る金属化合物で
処理しても良い。
【0011】金属化合物との反応終了後に多孔性吸着剤
で処理する場合には、金属シアン化物錯体を含有するア
セトニトリル中に多孔性吸着剤を投入攪拌するバッチ法
でこれを行っても、また多孔性吸着剤を充填したカラム
に金属シアン化物錯体を含有するアセトニトリルを通液
するカラム法でこれを行っても、何れにても可である。
また、多孔性吸着剤の存在下に金属化合物で処理する場
合は、シアン化水素含有アセトニトリル中に多孔性吸着
剤と本発明に係る金属化合物を同時に投入しても、前者
を先に後者を後に投入しても、後者を先に前者を後に投
入しても或はまた、金属化合物を担持した多孔性吸着剤
を用いても何れの方法でも良く、何れの方法でもシアン
化水素の除去効果に差は認められない。
【0012】多孔性吸着剤の使用量は、多孔性吸着剤の
種類や、金属シアン化物錯体の量によっても異なるが、
通常アセトニトリルに対し0.1〜20重量%程度、好まし
くは1〜10重量%程度であり、バッチ法の場合は投入後
0.5〜120分程度、好ましくは5〜60分程度攪拌するのが
望ましい。カラム法について言えば、処理流速は金属化
合物の種類や使用量及び充填剤の種類や量等により異な
るが、例えば10gの活性アルミナを充填した場合では0.
5〜50ミリリットル/分程度で通液することが好まし
く、特に10〜30ミリリットル/分程度の処理流速が適し
ている。多孔性吸着剤としては先に挙げた何れのもので
も使用可能であるが、中でも活性アルミナが特に好適に
使用し得る。尚、イオン交換樹脂を使用する場合は、陽
イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を併用するのが好ま
しい。
【0013】この多孔性吸着剤との接触処理では金属シ
アン化物錯体のみならずハロゲンイオン、硝酸イオン、
硫酸イオン、過塩素酸イオン、酢酸イオン等の陰イオン
や過剰未反応の金属イオンも吸着除去され、活性アルミ
ナ、シリカゲル、ゼオライト等を多孔性吸着剤として用
いた場合には、更に水分も吸着されるため、固液分離操
作のみでシアン化水素を実質的に含有しない高純度なア
セトニトリルを製造することができるが、多孔性吸着剤
から極微量の不揮発性物質が混入する場合があるので多
孔性吸着剤による接触処理後に、常圧もしくは減圧蒸留
して不揮発性物質を除去するのが望ましい。蒸留の条件
等は、従来この種の精製方法に使用されている通常の方
法でこれを行うことで足りる。尚、多孔性吸着剤による
処理をバッチ法で行った場合、蒸留に際し固液分離操作
は必ずしも必要ではない。
【0014】本発明に係る金属化合物及び多孔性吸着剤
で処理する本発明に係るシアン化水素の除去方法は、工
業用等のアセトニトリルを液体クロマトグラフ用高純度
アセトニトリルに精製する際のどの工程に適用しても差
支えない。即ち、工業用アセトニトリルから、公知の方
法によって液体クロマトグラフ用高純度アセトニトリル
に精製した後であっても、或いは公知の方法で液体クロ
マトグラフ用高純度アセトニトリルに精製するどの工程
であってもよい。本発明のシアン化水素除去方法を工業
用アセトニトリルを原料とした液体クロマトグラフ用ア
セトニトリルの製造工程に組み込むことによって、原料
中に含有されているシアン化水素を容易に短時間に且つ
少ない労力で実質的に完全に除去することができ、シア
ン化水素を実質的に含有しない高純度液体クロマトグラ
フ用アセトニトリルを得ることができる。
【実施例】以下に実施例及び参考例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例、参考例に
より何ら限定されるものではない。
【0015】実施例 1 シアン化水素濃度が0.1ミリモル/リットルのアセトニ
トリル 200ミリリットルに塩化パラジウムをその濃度が
夫々0、0.01、0.015、0.02、0.025、0.03、0.04、0.0
6、0.08及び0.1ミリモル/リットルとなるように添加し
たものを用意し、これらを15分間撹拌して反応させた
後、夫々100ミリリットルずつに等分した。その後、等
分した一方の反応液の各々には活性アルミナを1gずつ
投入し、30分間撹拌したのち吸引濾過で活性アルミナを
濾別して濾液を得た。また他方の反応液の各々には活性
アルミナを投入せず、そのまま30分間静置した。得られ
た濾液及び静置した反応液中のシアン化水素含有量をピ
リジン−ピラゾロン法で測定した。その結果を図1に示
す。図1から、アセトニトリル中のシアン化水素濃度
は、添加した塩化パラジウム濃度が増加すると共に減少
する傾向にあること、また、この際、活性アルミナが共
存すると濾液中に残存するシアン化水素濃度は、0.1ミ
リモルのシアン化水素に対し塩化パラジウム 0.025ミリ
モル以上の添加でシアン化水素濃度は検出下限となるこ
とが判った。このときの反応モル比はHCN:Pd=
4:1であることから、アセトニトリル中のシアン化水
素は水溶液中の場合と同様にパラジウムと反応してテト
ラシアノパラジウム(II)酸イオン,Pd(C
N)4 2-,を生成していることが判る。さらに、活性ア
ルミナはこの錯体を容易に吸着して錯体の生成速度を加
速させ、短時間でアセトニトリル中のシアン化水素を検
出下限にまで低減させ得ることが判る。尚、ピリジン−
ピラゾロン法の検出下限は0.05ppmであり、従って、図
中の0は0.05ppm以下であったことを意味する。
【0016】実施例 2 シアン化水素を含有する工業用アセトニトリル 1リッ
トルに、硝酸パラジウム50mgを添加して15分間撹拌し
た。ついで、活性アルミナ 20gを投入し、10分間撹拌
後に吸引濾過して活性アルミナを除去した。その濾液 9
50ミリリットルを減圧蒸留し精製アセトニトリル 800ミ
リリットルを得た。工業用アセトニトリル、活性アルミ
ナ処理後の濾液及び蒸留後のアセトニトリルについて、
シアン化水素、パラジウム、アルミニウムの含有量及び
波長210nmと230〜240nmにおける紫外部の吸光度を測定
した。その結果を表1に示す。尚、パラジウム、アルミ
ニウムの測定は検出下限が各々1ppb,2ppbのフレーム
レス原子吸光法で行った。
【0017】
【表1】
【0018】実施例 3 シアン化水素を含有する工業用アセトニトリル 500ミリ
リットルに、表2に記載の各金属化合物を夫々表中に記
載した量添加し、30分間室温下に撹拌した。ついでこれ
らに表2に記載の各多孔性吸着剤を表中に記載した量添
加した。この時フラスコの空間は特に不活性ガスで置換
することなく空気が存在する状態のままにした。15分間
室温下に撹拌した後、吸引濾過で得た濾液を減圧蒸留し
精製アセトニトリルを夫々400ミリリットルずつ得た。
この時の工業用アセトニトリルと精製アセトニトリルに
ついて、シアン化水素含有量と波長210nm及び230〜240n
mにおける紫外部の吸光度を測定した。その結果を表2
に示す。
【0019】
【表2】
【0020】実施例 4 活性アルミナ 10gを充填した直径2cmのガラスカラム
に硝酸銀 10mgを添加した工業用アセトニトリル 1リッ
トルを10ミリリットル/分の流速で通液し、流出液を10
0ミリリットルずつの10フラクション(Fr.1〜Fr.10)
に分画した。各フラクション中のシアン化水素含有量及
び波長210nm及び230〜240nmにおける紫外部の吸光度を
測定した。その結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】表1、表2及び表3の結果から明らかなよ
うに、シアン化水素含有アセトニトリルを本発明に係る
金属化合物及び多孔性吸着剤とバッチ法もしくはカラム
法で処理することにより、高速液体クロマトグラフ(H
PLC)用として要求される他の測定項目に悪影響を与
えることなくシアン化水素を完全(検出下限以下)に除
去し得ることが判る。
【0023】実施例 5 シアン化水素を含有する工業用アセトニトリル 1リッ
トルに、硫酸銅 100mgを溶解したアセトニトリル 10ミ
リリットルとシリカゲル 20gを同時に投入した。30分
間室温下に撹拌した後、吸引濾過で得た濾液を減圧蒸留
し精製アセトニトリル 800ミリリットルを得た。この精
製品中のシアン化水素含有量は0.05ppm以下であった。
【0024】実施例 6 シアン化水素を含有する工業用アセトニトリル 500ミリ
リットルに、活性炭 20gを投入し10分間撹拌した後、
硫酸第一鉄アンモニウム 20mgを投入し室温下に30分間
撹拌した。吸引濾過で活性炭を除去し得られた濾液を減
圧蒸留して精製アセトニトリル 400ミリリットルを得
た。この精製品中のシアン化水素含有量は0.05ppm以下
であった。
【0025】参考例 HPLC分析に適用した例 アセトニトリルと50ミリモル/リットルのリン酸緩衝液
とを、体積比で55:45に混合してHPLC分析用の溶離
液を調製した。この際、アセトニトリルとしては本発明
で得たシアン化水素を検出下限以下までに精製した高純
度品と微量のシアン化水素を含有している市販のHPL
C用アセトニトリルとを使用し、農薬のチウラムを測定
波長210nm及び272nmで常法によりHPLC分析を行っ
た。その結果を図2に示す。図2のA−(1)及びA−
(2)から明らかなように、本発明の方法で得られた高
純度アセトニトリルで調製した溶離液を用いると、クロ
マトグラム上にはチウラムの主ピークのみが明確に記録
されている。一方、図2のB−(1)及びB−(2)か
ら明らかなように市販のHPLC用アセトニトリルで調
製した溶離液を用いると、クロマトグラム上にはチウラ
ムとシアン化水素との反応生成物であるモノチウラムと
ジメチルジチオカルバミン酸のピークが記録され、チウ
ラムの分析が著しく妨害されていることが判る。上記の
結果から、本発明の方法で精製して得られるアセトニト
リルは、高純度に精製されており液体クロマトグラフ用
試薬として非常に有用であることが明らかである。
【0026】
【効果】以上述べたごとく、本発明はアセトニトリル中
に存在するppmオーダーという極微量のシアン化水素の
除去に卓越した効果を示すものであり、本発明によれば
従来は完全には除去することが極めて困難であったアセ
トニトリル中のシアン化水素を特別な設備を必要とせず
に工業的に簡便且つ安価な方法によって実質的に完全に
除去することができることから、近年種々の分野に多用
されている液体クロマトグラフ分析おいて、その分析感
度及び分析精度の向上に寄与するところ極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られた結果を示し、−●−
は実施例1において反応液に活性アルミナを投入した場
合の、また、−○−は反応液に活性アルミナを投入しな
い場合のシアン化水素濃度を夫々測定した結果を示す。
但し、縦軸はシアン化水素濃度(ppm)を表わし、横軸
は塩化パラジウム濃度(ミリモル/リットル)を表わ
す。
【図2】図2は参考例で得られた結果を示し、Aは本発
明の方法で得られた高純度アセトニトリルをチウラムの
分析に使用した場合の液体クロマトグラムであり、A−
(1)は272nmで、A−(2)は210nmで測定したクロマ
トグラムである。Bは市販HPLC用アセトニトリルを
使用した場合の結果を示し、B−(1)は272nmで、B
−(2)は210nmで測定したクロマトグラムである

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアン化水素含有アセトニトリルをバナ
    ジウム、クロム、マンガン、タリウム、鉛、周期律表I
    b族、IIb族及びVIII族から成る群から選ばれた金属元
    素の化合物(以下、「本発明に係る金属化合物」と略記
    する。)で処理し、次いで蒸留することを特徴とするシ
    アン化水素を実質的に含有しない液体クロマトグラフ用
    高純度アセトニトリルの製造法。
  2. 【請求項2】 本発明に係る金属化合物がバナジウム、
    クロム、マンガン、タリウム、鉛、周期律表Ib族、II
    b族及びVIII族からなる群から選ばれた金属元素のハロ
    ゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩又はカルボン酸
    塩の1種以上である請求項1に記載の製造法。
  3. 【請求項3】 シアン化水素含有アセトニトリルを本発
    明に係る金属化合物と多孔性吸着剤とで処理し、ついで
    蒸留することを特徴とするシアン化水素を実質的に含有
    しない液体クロマトグラフ用高純度アセトニトリルの製
    造法。
  4. 【請求項4】 本発明に係る金属化合物がバナジウム、
    クロム、マンガン、タリウム、鉛、周期律表Ib族、II
    b族及びVIII族からなる群から選ばれた金属元素のハロ
    ゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩又はカルボン酸
    塩の1種以上である請求項3に記載の製造法。
  5. 【請求項5】 前記多孔性吸着剤が、活性アルミナ、活
    性炭、シリカゲル、ゼオライト及びイオン交換樹脂から
    なる群から選ばれた1種以上である請求項3又は4に記
    載の製造法。
  6. 【請求項6】 シアン化水素含有アセトニトリルを本発
    明に係る金属化合物で処理した後、多孔性吸着剤と接触
    させて処理する請求項3〜5の何れかに記載の製造法。
  7. 【請求項7】 シアン化水素含有アセトニトリルを多孔
    性吸着剤の存在下に本発明に係る金属化合物で処理する
    請求項3〜5の何れかに記載の製造法。
  8. 【請求項8】 シアン化水素含有アセトニトリルを、本
    発明に係る金属化合物を担持した多孔性吸着剤で処理す
    る請求項3〜5の何れかに記載の製造法。
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