JPH07231870A - 清拭除塵布およびその製造方法 - Google Patents

清拭除塵布およびその製造方法

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JPH07231870A
JPH07231870A JP2570594A JP2570594A JPH07231870A JP H07231870 A JPH07231870 A JP H07231870A JP 2570594 A JP2570594 A JP 2570594A JP 2570594 A JP2570594 A JP 2570594A JP H07231870 A JPH07231870 A JP H07231870A
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Kisaburo Hayashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の塗装面等を拭うことにより被清拭面
から発生する発塵を有効に粘着し、作業環境上および環
境保全上問題はなく、さらに優れた粘着性能を備えるよ
うにする。 【構成】 ポリブテン樹脂のエマルジョン若しくはポリ
イソブチレン樹脂のエマルジョン、または上記両エマル
ジョンの混合物からなる基剤1に、粘着力向上兼硬化剤
2としてのロジン樹脂エマルジョンを混入した樹脂組成
物10を調製し、その後この樹脂組成物10を樹脂成分
重量の1倍〜10倍の水で稀釈した稀釈混合液Mを調製
し、この稀釈混合液Mを織布、不織布または編製物から
なる基布4に含浸させ、この稀釈混合液Mが含浸された
基布を脱水し、脱水された基布を強制乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に自動車の塗装面等
の清拭に用いられる清拭除塵布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、織布あるいは不織布等の可撓性を
有する基布に水分や油分あるいは樹脂分を予め付与して
おき、拭き取った埃を上記水分や油分に付着させて埃が
空中に飛散しないように加工された磨き布が知られてい
る。水分を含ませた磨き布は、長時間外気中に放置する
と水分が蒸発して埃を付着させる効力が消失するため、
現在では密封状態のお手拭き等一回きりの使い捨ての用
途以外には適用されておらず、従って自動車等の被塗装
面を事前清浄化するような工業的な用途には油分や樹脂
分が含浸された磨き布が適用される。
【0003】そして従来工業的規模で用いられる磨き布
としては、樹脂分からなる粘着剤を基布の表面に付与し
たもの(実開昭54−172574号公報)、樹脂分と
しての長鎖状炭化水素からなる高分子化合物と油脂分と
しての変性天然樹脂と添加物としての油脂ワックスとを
基布に含浸させたもの(特公昭58−3693号公
報)、樹脂分として分子量が500〜10000の粘稠
性合成樹脂(ポリブテン、ポリブチレン等)を基布に含
浸させたもの(実開昭59−171665号公報)等が
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記実開昭54−172574号公報に開示されたもの
は、基布の表面に分厚く粘着剤層が形成されているた
め、埃の捕捉には適しているが、粘着剤層が厚いため基
布の可撓性が損なわれ、被除塵面等を効果的に拭うこと
ができないとともに、基布の表面から被除塵面に粘着剤
が移行するという問題点を有している。
【0005】また、上記特公昭58−3693号公報に
開示されたものは、基布に上記高分子化合物、変性天然
樹脂および油脂ワックスを含浸させる目的で上記三者の
混合物が塩素系のトリクロロエタン等からなる炭化水素
溶剤に溶解され、この溶液に基布を浸漬することが行わ
れるため、浸漬工程においてトリクロロエタンが揮散
し、作業者の健康上および環境保全上好ましくない。な
お、トリクロロエタンは地球を取りまくオゾン層を破壊
させる元凶の一つとして挙げられている。
【0006】さらに、上記実開昭59−171665号
公報に開示されたものについても分子量が500〜10
000である粘稠性合成樹脂を一旦トリクロロエタン等
の塩素系の溶剤に溶解し、この溶液中に基布を浸漬して
上記粘稠性合成樹脂を含浸させるものであるため、上記
同様の問題点を有している。
【0007】そこで、粘着性を有する樹脂をエマルジョ
ンにして水に溶けるようにし、これに若干の添加剤を混
入したものを基布に含浸させるようにしたものが考えら
れる。このように溶媒として水を用いることによって、
従来のようにトリクロロエタンのような有害な有機溶剤
を用いることなく、上記エマルジョン中に基布を浸漬す
ることで容易に粘着性を有する樹脂を基布に含浸させる
ことができ、作業環境上および環境保全上好都合であ
る。
【0008】しかしながら、上記のようにアクリル系、
酢酸ビニル系、アクリル酢酸ビニル共重合体系の樹脂を
エマルジョンにし、基布に塗布した状態では、上記エマ
ルジョンが空気に触れて硬化し、その結果有効に粘着性
能を発揮することができなくなるという新たな問題点が
提起される。
【0009】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、作業環境上および環境保全
上問題はなく、さらに優れた粘着性能を有する清拭除塵
布を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
清拭除塵布は、織布、不織布または編製物からなる基布
に、基剤と粘着力向上兼硬化剤とが混合されて形成した
樹脂組成物が含浸されてなる清拭除塵布であって、上記
基剤は、ポリブテン樹脂のエマルジョン若しくはポリイ
ソブチレン樹脂のエマルジョン、または上記両エマルジ
ョンの混合物であり、上記粘着力向上兼硬化剤は軟化点
が60℃〜150℃の熱可塑性樹脂のエマルジョンであ
ることを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項2記載の清拭除塵布は、請
求項1記載の清拭除塵布において、上記基剤100重量
部に対して5重量部〜100重量部の上記粘着力向上兼
硬化剤が添加されていることを特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項3記載の清拭除塵布の製造
方法は、ポリブテン樹脂のエマルジョン若しくはポリイ
ソブチレン樹脂のエマルジョン、または上記両エマルジ
ョンの混合物からなる基剤に、粘着力向上兼硬化剤とし
ての軟化点が60℃〜150℃の熱可塑性樹脂のエマル
ジョンを混入した樹脂組成物を調製し、その後この樹脂
組成物を樹脂成分重量の1.0倍〜10倍の水で稀釈し
た稀釈混合液を調製し、この稀釈混合液を織布、不織布
または編製物からなる基布に含浸させ、この稀釈混合液
が含浸された基布を脱水し、脱水された基布を乾燥する
ことを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項4記載の清拭除塵布の製造
方法は、請求項3記載の清拭除塵布の製造方法におい
て、上記脱水された基布の乾燥を70℃〜180℃で行
うことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】上記請求項1記載の清拭除塵布によれば、エマ
ルジョン状態にしても粘着性の衰えない非乾燥性および
非硬化性を備えかつ粘稠なポリブテン樹脂やポリイソブ
チレン樹脂が基剤として適用されているため、樹脂の粘
着性を損なわない状態で水を溶剤として適用することが
でき、従来のような有機系の溶剤を使用することによる
弊害が回避されるとともに、上記樹脂組成物にさらに粘
着力向上兼硬化剤として軟化点が60℃〜150℃の熱
可塑性樹脂のエマルジョンが付与されているため、樹脂
組成物中の粘着成分の粘着性は向上し、このような粘着
成分が含浸された清拭除塵布で被除塵面を清拭すること
によって埃を空中に飛散させることなく良好に粘着除去
することが可能になる。
【0015】また、粘着性は優れているが硬化すること
のないポリブテン樹脂やポリイソブチレン樹脂に、常温
では硬化性を発揮する上記熱可塑性樹脂が付加されて粘
結成分が形成されているため、基布上の粘結成分の非除
塵面への移行が有効に抑止され、その結果基布上の粘結
成分は、粘結性と非移行性とが兼ね備わったものにな
る。
【0016】上記請求項2記載の清拭除塵布によれば、
粘着力向上兼硬化剤が添加量が5重量部以上であるた
め、基剤および粘着力向上兼硬化剤に含まれる樹脂組成
物が軟らかくなり過ぎて移行性が生じることはなくなる
とともに、同100重量部以下であるため、上記樹脂組
成物が硬たくなり過ぎることもなく、適当な粘着性を保
持して移行性がなくかつ良好に被除塵面を清拭すること
ができる。
【0017】上記請求項3記載の清拭除塵布の製造方法
によれば、非乾燥・非硬化性を有しかつ粘稠な樹脂から
なる基剤と、粘着力向上兼硬化剤とからなる樹脂組成物
が、樹脂成分重量の1倍〜10倍の水で稀釈された稀釈
混合液が調製され、この稀釈混合液を基布に含浸させる
ため、水が上記樹脂成分量の1倍以下であれば稀釈混合
液の粘度が粘稠に過ぎ、樹脂組成物の基布への含浸を均
一に行うことができないという不都合は回避されるとと
もに、水が樹脂成分量の10倍を越えると、稀釈混合液
中の樹脂成分量があまりにも稀薄になり、樹脂成分が有
効に基布に含浸されなくなるという不都合が回避され、
樹脂組成物が適切に基布に含浸される。
【0018】そして、基布への樹脂組成物の含浸が完了
すれば、基布の脱水および乾燥が行われるため、水分の
揮散によって基布は確実に粘結成分を保持した状態にな
る。
【0019】上記請求項4記載の清拭除塵布の製造方法
によれば、脱水された基布の乾燥が70℃〜180℃で
行われるため、この温度範囲による加熱によって樹脂組
成物中の熱可塑性樹脂成分が軟化溶融し、基布と溶融合
される。つまり、ポリブテン樹脂やポリイソブチレン樹
脂と硬化性に優れた粘着力向上兼硬化剤とが溶融状体で
一体化され、移行性が有効に抑止された粘着力が生ま
れ、その結果、樹脂組成物が確実に基布に含浸される。
【0020】
【実施例】図1は、本発明に係る清拭除塵布の製造方法
を例示する説明図であり、(イ)は基布への樹脂組成物
の含浸工程、(ロ)は上記含浸工程後の基布の脱水工
程、(ハ)は上記脱水工程後の基布の乾燥工程をそれぞ
れ示している。この図に示すように、本発明において
は、予め粘結性を有する複数の樹脂のエマルジョンが混
合された基剤1の所定量が、(イ)に示すように、混合
槽5内に装填される。また、この混合槽5内に所定量の
粘着力向上兼硬化剤2が装填され、基剤1と粘着力向上
兼硬化剤2とで樹脂組成物10が形成される。その後こ
の樹脂組成物10にさらに稀釈用として所定量の水3が
混合槽5内に混入されて稀釈混合液Mとされる。
【0021】そして、それぞれ所定量の基剤1、粘着力
向上兼硬化剤2および水3が混合槽5内に装入された状
態で、混合槽5内に付設された混合羽根51が回転駆動
され、上記三者(稀釈混合液M)は充分に均一になるま
で撹拌される。稀釈混合液Mが充分に撹拌されてから混
合羽根51の回転駆動は停止される。この稀釈混合液M
の撹拌時の槽内の温度は常温のままとされている。
【0022】上記混合槽5内の稀釈混合液Mが均一に混
合されたら、混合羽根51の回転駆動を一旦停止し、稀
釈混合液M中に基布4が浸漬される。この基布4の稀釈
混合液M内への浸漬については、一枚づつ行ってもよい
し複数枚を重ねた状態で行ってもよい。ただし、あまり
多くの基布4が重ねられると真中の基布4に稀釈混合液
Mがとどき難くなるため、高々数枚が限度にしておくこ
とが好ましい。なお、稀釈混合液Mを基布4に充分含浸
させるために、混合羽根51の回転駆動を継続させても
よい。
【0023】そして、所定時間の基布4への稀釈混合液
Mの含浸操作が完了すると、含浸済み基布4aは混合槽
5から取り出され、(ロ)に示すように、一対のローラ
6間を通過させ、ローラ6間で押圧する脱水処理が施さ
れて脱水済み基布4bになる。その後この脱水済み基布
4bは、(ハ)に示すように、適宜の熱風乾燥機7に装
填され、70℃〜180℃の熱風が供給されて乾燥さ
れ、本発明に係る清拭除塵布4cになる。上記のように
熱風が供給されることによって、脱水済み基布4bに付
与された粒径が略0.4μmの樹脂成分を溶融させて繊
維の中にまで浸透させることが可能になる。
【0024】なお、本実施例においては、基布4への基
剤1および粘着力向上兼硬化剤2の供給は、混合槽5内
に充填された稀釈混合液M内に基布4を浸漬させること
によって行われるようになっているが、本発明の清拭除
塵布の製造方法はこのような基布4の浸漬処理に限定さ
れるものではなく、稀釈混合液Mを基布4に散布するよ
うにしてもよい。
【0025】また、本実施例においては、脱水処理は、
含浸済み基布4aを一対のローラ6間を通過させること
によって行うようにしているが、本発明はこのようなロ
ーラ6を用いた脱水処理に限定されるものではなく、例
えば遠心分離やヒートプレスによって脱水するようにし
てもよい。なお、遠心分離で含浸済み基布4aの脱水を
行った場合には、樹脂成分を溶融させて確実に基布の繊
維の中に充分に侵入させるために脱水済み基布4bの加
熱処理が別途必要になる。
【0026】さらに、本実施例においては、(イ)に示
す基布への樹脂組成物の含浸工程、(ロ)に示す上記含
浸工程後の基布の脱水工程、および(ハ)に示す上記脱
水工程後の基布の乾燥工程のそれぞれが相互に独立した
バッチ処理の例を示しているが、本発明の清拭除塵布4
cの製造方法はこのようなバッチ処理に限定されるもの
ではなく、帯状の基布を順次稀釈混合液M内に供給して
順次引き上げ、連続的にローラに供給し、さらに連続的
に熱風乾燥機に供給するような連続処理を行ってもよ
い。
【0027】そして、本発明においては、上記基布とし
ては、天然繊維または合成樹脂繊維、あるいはこれらの
混紡糸が織製された織布や、織製されないで布状を呈し
た不織布等が適用される。また、不織布以外に編製物を
基布4として適用してもよい。
【0028】また、本発明においては、粘着性を有する
樹脂のエマルジョンからなる上記基剤1として、ポリブ
テン樹脂のエマルジョン若しくはポリイソブチレン樹脂
のエマルジョン、または上記両エマルジョンの混合物が
適用される。
【0029】上記ポリブテン樹脂は、イソブチレンを主
体とした平均分子量が250〜3000の化学的に安定
な低重合の粘稠樹脂であり、通常、電気絶縁材料、接着
剤、潤滑剤、防水剤、粘度向上剤、ゴムや樹脂の変性剤
等の用途に供されるものである。また上記イソブチレン
樹脂は高純度のイソブチレンの低重合体であり、その内
の液状のポリイソブチレン樹脂は末端に1個の不飽和2
重結合を有するものである。ポリイソブチレン樹脂の分
子量はポリブテン樹脂の分子量よりも相当大きい。ポリ
イソブチレン樹脂の性状および用途はポリブテン樹脂と
略同じである。
【0030】そして、本発明においては、上記のような
ポリブテン樹脂およびイソブチレン樹脂のそれぞれに界
面活性剤等の添加剤が混入された水が適量添加され、撹
拌されてポリブテン樹脂およびポリイソブチレン樹脂の
エマルジョンとされる。このようなポリブテン樹脂エマ
ルジョンとポリイソブチレン樹脂エマルジョンとが混合
され、あるいはそれぞれが単独で本発明に係る基剤1と
される。
【0031】このような基剤1に粘着力向上兼硬化剤2
としてのロジン樹脂のエマルジョンが添加されて本発明
に係る混合液が形成される。ロジン樹脂は松に含まれて
いる樹脂酸(いわゆる松脂)を精製した淡黄色の物質で
あって、通常常温で固体状である。このロジン樹脂は、
軟化点は70℃〜150℃であり、この軟化点によって
種々のグレードが設定されている。軟化点が高くなるほ
ど硬質的な粘結力が発揮され、移行性の少ない粘着力向
上兼硬化剤2になる。なお、本発明においては、上記温
度範囲の軟化点を有するロジン樹脂のすべてが適用可能
であるが、軟化点に比例して脱水済み基布4bの乾燥温
度を上昇させる必要がある。
【0032】このロジン樹脂を加熱溶融状態にし、アル
コールや界面活性剤等の添加剤の加えられた水が付加さ
れ、撹拌されてロジン樹脂エマルジョンとされる。上記
混合液に界面活性剤等の添加剤が加えられた水3が混入
されて本発明に係る稀釈混合液Mが形成されるのであ
る。
【0033】なお本実施例においては、粘着力向上兼硬
化剤2としてロジン樹脂のエマルジョンが適用されてい
るが、本発明の粘着力向上兼硬化剤2は、のロジン樹脂
のエマルジョンに限定されるものではなく、軟化点が6
0℃〜150℃の樹脂であれば、天然樹脂あるいは合成
樹脂を問わずエマルジョンの原料として適用可能であ
る。天然樹脂の場合は、炭素数が18以上のアルカン系
の飽和炭化水素がエマルジョンの原料として挙げられ、
具体的には例えばカルナウバ椰子から得られるカルナウ
バロウなどが好適である。合成樹脂の場合は、軟化点が
上記範囲の合成ワックスや低分子量のポリエチレン等を
挙げることができる。
【0034】そして、本発明においては、基剤1と粘着
力向上兼硬化剤2との混合割合は、基剤1の100重量
部に対して粘着力向上兼硬化剤2の5重量部〜100重
量部の添加が目安として採用される。このような目安
は、通常基剤1および粘着力向上兼硬化剤2に含まれる
樹脂成分量はそれ程大きな変動はなく、所定の樹脂成分
量となっているため、基剤1に対して粘着力向上兼硬化
剤2を上記の重量割合の範囲内で混入すれば、常に適切
に樹脂組成物10を調製することができるからである。
【0035】そして、粘着力向上兼硬化剤2の基剤1へ
の混入割合が5重量部未満の場合には、清拭除塵布4c
に付与された樹脂成分が少なく、その結果樹脂成分が互
いに集合して固まることがないため清拭すると被除塵面
に樹脂成分が移行するという不都合が生じる。また、粘
着力向上兼硬化剤2の混入割合が100重量部を越える
と、基布4上で硬く固まり、基布4の可撓性が乏しくな
り、清拭除塵布4cをとして使用することができなくな
ってしまう。
【0036】従って、基剤1の100重量部に対する粘
着力向上兼硬化剤2の混入割合は5〜100重量部が好
適である。その理由は、この範囲の混入割合であれば、
清拭除塵布4cの樹脂成分の被除塵面への移行は全く起
こらないとともに、清拭除塵布4c上で樹脂成分が硬く
固化することもなく、清拭除塵操作を有効に行うことが
できるからである。上記範囲内でも粘着力向上兼硬化剤
2としてロジンのエマルジョンが用いられる場合には、
10〜20重量部が特に好適である。
【0037】そして、このように調製された基剤1およ
び粘着力向上兼硬化剤2からなる樹脂組成物10に水3
が混入されて稀釈混合液Mが調製されるが、このときの
水3の混入割合は、樹脂組成物10中の樹脂成分量の1
倍〜10倍とされる。このように設定される理由は、水
3が上記樹脂成分量の1倍以下であれば稀釈混合液Mの
粘度が粘稠に過ぎ、樹脂組成物10の基布4への含浸を
均一に行うことができないからであり、また、水3が樹
脂成分量の10倍を越えると、稀釈混合液M中の樹脂成
分量があまりにも稀薄になり、水3ばかりが基布4に浸
透し、樹脂成分が有効に基布4に含浸されなくなるから
である。
【0038】以下基剤1、粘着力向上兼硬化剤2、およ
び水3の混入割合を例示する。基剤1中の樹脂成分量が
30重量部、粘着力向上兼硬化剤2中の樹脂成分量が4
0重量部であったとする。そして、基剤1の100重量
部に対して15重量部の粘着力向上兼硬化剤2が混入さ
れて樹脂組成物10が形成されたとすると、100重量
部の樹脂組成物10中には、樹脂成分は、 {(100×0.3)+(15×0.4)}÷(100
+15)=0.31 となり、31重量部が含まれていることになる。そし
て、31重量部の樹脂成分を含有している樹脂組成物1
0に対しては、その1.2〜4倍の水3が混入されるの
であるから、その混入量は、下限が{(100+15)
×0.31×1.2}=43、上限が{(100+1
5)×0.31×4}=143になる。すなわち樹脂組
成物10の115重量部に対して43〜143重量部の
範囲内の水3が混入されることになる(樹脂組成物の1
00重量部に対して水は37〜124重量部)。そし
て、水3の混入量については、基布4の浸漬条件、脱水
条件、乾燥条件等の種々の操業条件が勘案されて適切な
値が設定されるのである。
【0039】このように、本発明においては、基剤1に
対する粘着力向上兼硬化剤2の混入割合の指針が示さ
れ、さらに基剤1と粘着力向上兼硬化剤2とで形成され
た樹脂組成物10に対する水3の添加割合についても、
樹脂組成物10に含まれる樹脂成分量を基準にして設定
することができるようになっているため、これらの基準
に則って基剤1、粘着力向上兼硬化剤2および水3の配
合を設定することにより、失敗することなく、常に適正
に稀釈混合液Mを調製することができ、ひいては常に適
正に本発明に係る清拭除塵布4cを製造することが可能
になる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の清拭除塵布
は、織布、不織布または編製物からなる基布に、基剤と
粘着力向上兼硬化剤とが混合されて形成した樹脂組成物
が含浸されてなる清拭除塵布であって、上記基剤とし
て、ポリブテン樹脂のエマルジョン若しくはポリイソブ
チレン樹脂のエマルジョン、または上記両エマルジョン
の混合物が適用され、上記粘着力向上兼硬化剤は軟化点
が60℃〜150℃の熱可塑性樹脂のエマルジョンが適
用されてなるものである。
【0041】従って、エマルジョン状態にしても粘着性
を有するポリブテン樹脂やポリイソブチレン樹脂が基剤
として適用されているため、樹脂組成物中の粘着成分の
粘着性を損なうことなく水を溶剤として適用することが
でき、従来のような有機系の溶剤を使用することによる
作業環境上および大気汚染上の弊害が回避されるととも
に、上記樹脂組成物にさらに粘着力向上兼硬化剤として
軟化点が60℃〜150℃の熱可塑性樹脂のエマルジョ
ンが付与されているため、樹脂成分の粘着性はさらに向
上し、このような粘着成分が含浸された清拭除塵布で被
除塵面を清拭することにより埃を空中に飛散させること
なく良好に粘着除去することが可能になり好都合であ
る。
【0042】また、粘着性は優れているが硬化すること
のないポリブテン樹脂やポリイソブチレン樹脂に、常温
では硬化性を発揮する上記熱可塑性樹脂が付加されて粘
結成分が形成されているため、基布上の粘結成分の非除
塵面への移行が有効に抑止され、その結果基布上の粘結
成分は、粘結性と非移行性とが兼ね備わったものにな
る。
【0043】上記基剤の100重量部に対して5重量部
〜100重量部の粘着力向上兼硬化剤を添加するように
すれば、5重量部以下の場合に起こる基剤と粘着力向上
兼硬化剤との混合物が軟らかくなり過ぎて被除塵面への
樹脂成分の移行が生じるという不都合が回避されるとと
もに、同100重量部以上の場合の粘結成分が硬たくな
り過ぎることによる清拭操作の困難性が回避され、適当
な粘着性を保持して移行性がなくかつ良好に被除塵面を
清拭することができるようになる。
【0044】本発明の清拭除塵布の製造方法は、上記基
剤に、上記粘着力向上兼硬化剤を混入した樹脂組成物を
調製し、その後この樹脂組成物を樹脂成分重量の1倍〜
10倍の水で稀釈した稀釈混合液を調製し、この稀釈混
合液を織布、不織布または編製物からなる基布に含浸さ
せ、この稀釈混合液が含浸された基布を脱水し、脱水さ
れた基布を強制乾燥するように構成されてなるものであ
る。
【0045】従って、水が上記樹脂成分量の1倍以下で
あれば稀釈混合液の粘度が粘稠に過ぎ、樹脂組成物の基
布への含浸を均一に行うことができないという不都合は
回避されるとともに、水が樹脂成分量の10倍を越える
と、稀釈混合液中の樹脂成分量があまりにも稀薄にな
り、樹脂成分が有効に基布に含浸されなくなるという不
都合が回避され、基布への組成物の含浸を確実に行うこ
とが可能になり確実な含浸処理を行う上で好都合であ
る。そして、基布への樹脂組成物の含浸が完了すれば、
基布の脱水および乾燥によって基布は確実に粘結成分を
保持した状態になり、優れた清拭除塵布を得ることがで
きる。
【0046】脱水された基布の乾燥を70℃〜180℃
で行うようにすれば、この温度範囲による加熱によって
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂成分が軟化溶融し、基布と
溶融合される。つまり、ポリブテン樹脂やポリイソブチ
レン樹脂と硬化性に優れた粘着力向上兼硬化剤とが溶融
状体で一体化され、移行性が有効に抑止された粘着力が
生まれ、その結果、樹脂組成物が確実に基布に含浸され
好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る清拭除塵布の製造方法を例示する
説明図であり、(イ)は基布への樹脂組成物の含浸工
程、(ロ)は上記含浸工程後の基布の脱水工程、(ハ)
は脱水工程後の基布の乾燥工程をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1 基剤 2 粘着力向上兼硬化剤 10 樹脂組成物 3 水 M 稀釈混合液 4 基布 4a 含浸済み基布 4b 脱水済み基布 4c 清拭除塵布 5 混合槽 51 混合羽根 6 ローラ 7 熱風乾燥機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織布、不織布または編製物からなる基布
    に、基剤と粘着力向上兼硬化剤とが混合されて形成した
    樹脂組成物が含浸されてなる清拭除塵布であって、上記
    基剤は、ポリブテン樹脂のエマルジョン若しくはポリイ
    ソブチレン樹脂のエマルジョン、または上記両エマルジ
    ョンの混合物であり、上記粘着力向上兼硬化剤は軟化点
    が60℃〜150℃の熱可塑性樹脂のエマルジョンであ
    ることを特徴とする清拭除塵布。
  2. 【請求項2】 上記基剤100重量部に対して5重量部
    〜100重量部の上記粘着力向上兼硬化剤が添加されて
    いることを特徴とする請求項1記載の清拭除塵布。
  3. 【請求項3】 ポリブテン樹脂のエマルジョン若しくは
    ポリイソブチレン樹脂のエマルジョン、または上記両エ
    マルジョンの混合物からなる基剤に、粘着力向上兼硬化
    剤としての軟化点が60℃〜150℃の熱可塑性樹脂の
    エマルジョンを混入した樹脂組成物を調製し、その後こ
    の樹脂組成物を樹脂成分重量の1倍〜10倍の水で稀釈
    した稀釈混合液を調製し、この稀釈混合液を織布、不織
    布または編製物からなる基布に含浸させ、この稀釈混合
    液が含浸された基布を脱水し、脱水された基布を乾燥す
    ることを特徴とする清拭除塵布の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記脱水された基布の乾燥を70℃〜1
    80℃で行うことを特徴とする請求項3記載の清拭除塵
    布の製造方法。
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