JPH07233065A - ピリリウム塩又はピリリウム類似塩を含む光化学治療薬 - Google Patents
ピリリウム塩又はピリリウム類似塩を含む光化学治療薬Info
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- JPH07233065A JPH07233065A JP6250848A JP25084894A JPH07233065A JP H07233065 A JPH07233065 A JP H07233065A JP 6250848 A JP6250848 A JP 6250848A JP 25084894 A JP25084894 A JP 25084894A JP H07233065 A JPH07233065 A JP H07233065A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来の癌に対する光化学治療薬における問題
を改善し、治療用照射光として600〜1000nm程
度と長波長のものが利用でき、かつ光吸収強度も高く、
効率良い治療を可能とする光化学治療薬を提供するこ
と。 【構成】 ピリリウム、チオピリリウム、セレノピリリ
ウム及びテルルピリリウム等のピリリウム系化合物、ま
たはこれらの塩を光化学治療薬の有効成分として用い
る。
を改善し、治療用照射光として600〜1000nm程
度と長波長のものが利用でき、かつ光吸収強度も高く、
効率良い治療を可能とする光化学治療薬を提供するこ
と。 【構成】 ピリリウム、チオピリリウム、セレノピリリ
ウム及びテルルピリリウム等のピリリウム系化合物、ま
たはこれらの塩を光化学治療薬の有効成分として用い
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピリリウム、チオピリ
リウム、セレノピリリウム及びテルルピリリウム(以下
ピリリウム系と称する)化合物、並びにこれらの塩から
選択された化合物を有効成分として含む光化学治療薬に
関する。
リウム、セレノピリリウム及びテルルピリリウム(以下
ピリリウム系と称する)化合物、並びにこれらの塩から
選択された化合物を有効成分として含む光化学治療薬に
関する。
【0002】
【従来の技術】医薬の分野において、癌の治療は重要な
課題の一つであることは言をまたないところである。癌
の治療法の一つとして光化学治療がある。光化学治療に
関しては比較的早くから研究が行われており、既に19
76年には臨床での応用が為されている。光化学治療に
関する文献や特許も数多く出されており、例えば、Mi
chael J.Manyaらの総説(J.Clin.
Oncology,6,1988,380−391)が
ある。
課題の一つであることは言をまたないところである。癌
の治療法の一つとして光化学治療がある。光化学治療に
関しては比較的早くから研究が行われており、既に19
76年には臨床での応用が為されている。光化学治療に
関する文献や特許も数多く出されており、例えば、Mi
chael J.Manyaらの総説(J.Clin.
Oncology,6,1988,380−391)が
ある。
【0003】これらの文献や特許によれば、これまで光
化学治療薬として研究され、また、臨床応用されてきた
のはポルフィリン系の化合物がほとんどで、特に臨床応
用されている例としてはヘマトポルフィリン誘導体(H
PD)や、ジマトポルフィリン(DHE)があげられ
る。なお、日本では、DHEは日本レダリーからフォト
フィリンの商品名で販売される予定がある。
化学治療薬として研究され、また、臨床応用されてきた
のはポルフィリン系の化合物がほとんどで、特に臨床応
用されている例としてはヘマトポルフィリン誘導体(H
PD)や、ジマトポルフィリン(DHE)があげられ
る。なお、日本では、DHEは日本レダリーからフォト
フィリンの商品名で販売される予定がある。
【0004】これらポルフィリン系の薬剤を用いた光化
学治療法について次に説明する。癌患者(外科的手法を
伴わない場合、原理的に皮膚癌等、体表面近傍の癌に限
られる)に薬剤を投与し、数日(48〜72時間)経る
と、正常細胞においては薬剤は大部分代謝されるのに対
して、癌細胞に取り込まれた薬剤はそのまま癌細胞内に
残留したままとなる。この際、残留量の差は数倍から数
十倍である。次に、600〜700nmの光を癌細胞
(及びその周辺の細胞)に照射すると、薬剤が残留して
いる癌細胞だけが特異的に死滅し、正常細胞は影響を受
けない。すなわち、副作用の少ない癌細胞特異的な治療
が可能となる。上記ポリフィリン系の薬剤を用いた光化
学治療において、これらの薬剤が癌細胞にのみ残留する
理由は十分には明らかでないが、癌細胞と正常細胞との
血流状態の差、あるいは、リンパ細胞等、免疫系の活性
の差によるものと考えられている。また、光照射によっ
て薬剤が残留している癌細胞が死滅する理由についても
十分には明らかでないが、光照射によって活性化された
薬剤からのエネルギー移動により周辺の酸素が細胞毒性
の強い一重酸素に変化するための考えられている。
学治療法について次に説明する。癌患者(外科的手法を
伴わない場合、原理的に皮膚癌等、体表面近傍の癌に限
られる)に薬剤を投与し、数日(48〜72時間)経る
と、正常細胞においては薬剤は大部分代謝されるのに対
して、癌細胞に取り込まれた薬剤はそのまま癌細胞内に
残留したままとなる。この際、残留量の差は数倍から数
十倍である。次に、600〜700nmの光を癌細胞
(及びその周辺の細胞)に照射すると、薬剤が残留して
いる癌細胞だけが特異的に死滅し、正常細胞は影響を受
けない。すなわち、副作用の少ない癌細胞特異的な治療
が可能となる。上記ポリフィリン系の薬剤を用いた光化
学治療において、これらの薬剤が癌細胞にのみ残留する
理由は十分には明らかでないが、癌細胞と正常細胞との
血流状態の差、あるいは、リンパ細胞等、免疫系の活性
の差によるものと考えられている。また、光照射によっ
て薬剤が残留している癌細胞が死滅する理由についても
十分には明らかでないが、光照射によって活性化された
薬剤からのエネルギー移動により周辺の酸素が細胞毒性
の強い一重酸素に変化するための考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たポリフィリン系の薬剤を用いた光化学治療はいくつか
の問題点を有する。問題点の一つとして、薬剤を構成す
る化合物自身の吸収波長と治療に用いる光の波長との関
係がある。
たポリフィリン系の薬剤を用いた光化学治療はいくつか
の問題点を有する。問題点の一つとして、薬剤を構成す
る化合物自身の吸収波長と治療に用いる光の波長との関
係がある。
【0006】すなわち、治療に用いる光の波長として
は、600nmから近赤外領域の波長が適当とされる。
その第1の理由は生体組織への浸透が必要とされるから
である。例えば、皮膚癌の場合では表面から数mmの光
の浸透が必要とされる。600nmより短い波長の光で
は生体内の物質による散乱、吸収によって必要な深さま
で光は到達できない。第2の理由として特に赤血球のヘ
モグロビンに対する影響を排除するためである。ヘモグ
ロビンは酸化型で540nmと577nm、還元型で5
55nmに吸収極大を示す。光化学治療に用いる光のエ
ネルギーはかなり強いので500〜600nmの光照射
では、ヘモグロビンによって吸収されてしまうだけでな
く、赤血球自体にダメージを与えてしまう。なお、12
00nm程度以上に長い赤外領域の波長では光そのもの
による発熱を伴うので望ましくない。
は、600nmから近赤外領域の波長が適当とされる。
その第1の理由は生体組織への浸透が必要とされるから
である。例えば、皮膚癌の場合では表面から数mmの光
の浸透が必要とされる。600nmより短い波長の光で
は生体内の物質による散乱、吸収によって必要な深さま
で光は到達できない。第2の理由として特に赤血球のヘ
モグロビンに対する影響を排除するためである。ヘモグ
ロビンは酸化型で540nmと577nm、還元型で5
55nmに吸収極大を示す。光化学治療に用いる光のエ
ネルギーはかなり強いので500〜600nmの光照射
では、ヘモグロビンによって吸収されてしまうだけでな
く、赤血球自体にダメージを与えてしまう。なお、12
00nm程度以上に長い赤外領域の波長では光そのもの
による発熱を伴うので望ましくない。
【0007】このように、およそ600〜1000nm
の波長の光が光化学治療に必要とされるにもかかわら
ず、上記従来技術に挙げた、例えばDHEの最大吸収極
大は363nmにあり、600nm以上の波長領域に最
大吸収極大のわずかに2〜3%の吸収(ε630nm=
3.6×103 l/mol・cm:W.Robert
sら、J.Natl.Cancer Inst.,8
0,1988,330−336)を示すごく小さな吸収
ピークがあるだけである。従って、現実には非常に効率
の悪い光化学治療を行うことになり、その分薬剤の投与
量を増やしたり、光の照射量を増やす必要が生じ、結果
として副作用が増加したり、装置のコストが上がったり
することになる。
の波長の光が光化学治療に必要とされるにもかかわら
ず、上記従来技術に挙げた、例えばDHEの最大吸収極
大は363nmにあり、600nm以上の波長領域に最
大吸収極大のわずかに2〜3%の吸収(ε630nm=
3.6×103 l/mol・cm:W.Robert
sら、J.Natl.Cancer Inst.,8
0,1988,330−336)を示すごく小さな吸収
ピークがあるだけである。従って、現実には非常に効率
の悪い光化学治療を行うことになり、その分薬剤の投与
量を増やしたり、光の照射量を増やす必要が生じ、結果
として副作用が増加したり、装置のコストが上がったり
することになる。
【0008】これらの問題点を解決するために様々な研
究が行われている。例えば、特開平1−275528号
公報にはポルフィリン系の化合物に各種の修飾を施し、
吸収を長波長化し、かつ、吸収強度を増大させる方法が
記載されている(最大吸収強度を有する化合物でε63
0nm=2.24×104 l/mol・cm、この特
許には別に吸収強度のさらに強い化合物の合成方法も記
載されているが具体的な抗腫瘍特性についての記載はな
い)。W.Robertsらの文献にもε630nm=
3.8×104 l/mol・cmの最大吸収強度を有
する化合物の合成方法が記載されている。
究が行われている。例えば、特開平1−275528号
公報にはポルフィリン系の化合物に各種の修飾を施し、
吸収を長波長化し、かつ、吸収強度を増大させる方法が
記載されている(最大吸収強度を有する化合物でε63
0nm=2.24×104 l/mol・cm、この特
許には別に吸収強度のさらに強い化合物の合成方法も記
載されているが具体的な抗腫瘍特性についての記載はな
い)。W.Robertsらの文献にもε630nm=
3.8×104 l/mol・cmの最大吸収強度を有
する化合物の合成方法が記載されている。
【0009】しかしながら、より効果的な光化学治療の
ために、更に長波長領域に吸収を有し、また、吸収強度
の強い薬剤の開発が望まれていた。
ために、更に長波長領域に吸収を有し、また、吸収強度
の強い薬剤の開発が望まれていた。
【0010】また、他の研究として、例えば、日本石油
化学でモノアスバルチルクロリン、浜理薬品工業でフェ
オフォーバイト、旭化成工業でジンクフィリン等につい
ての研究が行われているとの報道等もあるが、いずれも
まだ研究段階であり、また、これらの研究を含むほとん
どのものがポルフィリン系の化合物についての研究であ
り、従って、癌細胞に対する作用機序もほぼ同一であ
る。そのために、癌細胞に対する作用機序の異なる新し
いタイプの薬剤として、光触媒として一般的である二酸
化チタンを光化学治療に応用しようとする研究もある
が、どのように癌細胞に特異的に取り込ませるか、ある
いは、必要とする光が紫外領域であるという難点があ
る。
化学でモノアスバルチルクロリン、浜理薬品工業でフェ
オフォーバイト、旭化成工業でジンクフィリン等につい
ての研究が行われているとの報道等もあるが、いずれも
まだ研究段階であり、また、これらの研究を含むほとん
どのものがポルフィリン系の化合物についての研究であ
り、従って、癌細胞に対する作用機序もほぼ同一であ
る。そのために、癌細胞に対する作用機序の異なる新し
いタイプの薬剤として、光触媒として一般的である二酸
化チタンを光化学治療に応用しようとする研究もある
が、どのように癌細胞に特異的に取り込ませるか、ある
いは、必要とする光が紫外領域であるという難点があ
る。
【0011】本発明の目的はこれら従来技術の持つ課題
を解決するための全く新しいタイプの光化学治療薬を提
供することにある。
を解決するための全く新しいタイプの光化学治療薬を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光化学治療薬
は、下記一般式[I]で表わされる化合物を有効成分と
して含むことを特徴とする。
は、下記一般式[I]で表わされる化合物を有効成分と
して含むことを特徴とする。
【0013】
【化10】 上記一般式[I]において、
【0014】
【化11】 は、複素環を示し、XはO、S、SeまたはTeであ
る。該複素環としては、ピリリウム環もしくはピリリウ
ム類似環のような5員環及び6員環のものを挙げること
ができる。
る。該複素環としては、ピリリウム環もしくはピリリウ
ム類似環のような5員環及び6員環のものを挙げること
ができる。
【0015】R1及びR2は、それぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、スチリ
ル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シ
アノ基、置換もしくは未置換低級アルキル基、置換もし
くは未置換アリール基、置換もしくは未置換低級アルア
ルキル基または置換もしくは未置換シクロアルキル基を
示す。
子、ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、スチリ
ル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シ
アノ基、置換もしくは未置換低級アルキル基、置換もし
くは未置換アリール基、置換もしくは未置換低級アルア
ルキル基または置換もしくは未置換シクロアルキル基を
示す。
【0016】R3は、−Aまたは−L−Aである。L
は、−L1−、−L2−L3−または−L 4−L5−L6−で
あり、L1〜L6はそれぞれ独立して、−(CH=CH)
−、置換もしくは未置換アリール基から誘導される2価
の基、置換もしくは未置換低級アルキレン基または−C
H=R4−(R4はオキソ基を有する環構造を示す)を表
わす。置換もしくは未置換アリール基から誘導される2
価の基としては、例えばフェニレン基等を挙げることが
でき、オルト、メタ、パラのいずれの位置で結合するも
のでもよい。低級アルキレン基としては、炭素数が1〜
4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を挙げること
ができ、その置換基としては、例えば−L−Aで示され
る基を挙げることができる。オキソ基を有する環構造と
しては、複素環、芳香環、脂肪族環等で少なくともオキ
ソ基を有するものを挙げることができる。
は、−L1−、−L2−L3−または−L 4−L5−L6−で
あり、L1〜L6はそれぞれ独立して、−(CH=CH)
−、置換もしくは未置換アリール基から誘導される2価
の基、置換もしくは未置換低級アルキレン基または−C
H=R4−(R4はオキソ基を有する環構造を示す)を表
わす。置換もしくは未置換アリール基から誘導される2
価の基としては、例えばフェニレン基等を挙げることが
でき、オルト、メタ、パラのいずれの位置で結合するも
のでもよい。低級アルキレン基としては、炭素数が1〜
4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を挙げること
ができ、その置換基としては、例えば−L−Aで示され
る基を挙げることができる。オキソ基を有する環構造と
しては、複素環、芳香環、脂肪族環等で少なくともオキ
ソ基を有するものを挙げることができる。
【0017】−L−としては、下記一般式[II]、
[III]、[IV]、[V]または[VI]で表わさ
れる基を好ましいものとして挙げることができる。
[III]、[IV]、[V]または[VI]で表わさ
れる基を好ましいものとして挙げることができる。
【0018】
【化12】 (上記一般式[II]中、Zは水素原子または置換もし
くは未置換低級アルキル基を表し、nは0、1または2
である。)なお、Zがアルキル基である場合のその置換
基としては、例えば上述の−L−Aで定義される基を挙
げることができる。
くは未置換低級アルキル基を表し、nは0、1または2
である。)なお、Zがアルキル基である場合のその置換
基としては、例えば上述の−L−Aで定義される基を挙
げることができる。
【0019】
【化13】 (上記一般式[III]中、nは0、1または2であ
り、Φは置換もしくは未置換o−、m−またはp−フェ
ニレン基を表わす。)
り、Φは置換もしくは未置換o−、m−またはp−フェ
ニレン基を表わす。)
【0020】
【化14】 (上記一般式[IV]中、Φは置換もしくは未置換o
−、m−またはp−フェニレン基を表わす。)
−、m−またはp−フェニレン基を表わす。)
【0021】
【化15】
【0022】
【化16】 上記一般式中のフェニレン基の置換基としては先に例示
したものを挙げることができる。
したものを挙げることができる。
【0023】一般式[I]のR3におけるAは、置換も
しくは未置換アリール基、−CH=R5(R5は、置換も
しくは未置換複素環、置換もしくは未置換のシクロアル
キル基または置換もしくは未置換芳香環を示す)を表わ
す。R5の複素環としては、
しくは未置換アリール基、−CH=R5(R5は、置換も
しくは未置換複素環、置換もしくは未置換のシクロアル
キル基または置換もしくは未置換芳香環を示す)を表わ
す。R5の複素環としては、
【0024】
【化17】 (M及びNは、それぞれ独立して酸素原子、イオウ原子
または窒素原子を、Y-はアニオンを表わす)等から誘
導された基を挙げることができ、その置換基としては、
例えば、置換もしくは未置換アリール基などを挙げるこ
とができる。また、置換もしくは未置換シクロアルキル
基とは、飽和のものでも、不飽和のものでもよく、例え
ば
または窒素原子を、Y-はアニオンを表わす)等から誘
導された基を挙げることができ、その置換基としては、
例えば、置換もしくは未置換アリール基などを挙げるこ
とができる。また、置換もしくは未置換シクロアルキル
基とは、飽和のものでも、不飽和のものでもよく、例え
ば
【0025】
【化18】 等の共鳴系を構成し得るものから誘導された基を挙げる
ことができる。また、置換もしくは未置換芳香環として
はアズレン環を挙げることができる。これらの基の置換
基としては低級アルキル基、置換もしくは未置換アリー
ル基等を挙げることができる。
ことができる。また、置換もしくは未置換芳香環として
はアズレン環を挙げることができる。これらの基の置換
基としては低級アルキル基、置換もしくは未置換アリー
ル基等を挙げることができる。
【0026】Xを含むピリリウム環もしくはその類似環
のR1、R2、R3が結合していない炭素原子に結合して
いる水素原子は、ハロゲン原子、スルホネート基、アミ
ノ基、スチリル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボ
キシル基、シアノ基、置換もしくは未置換低級アルキル
基、置換もしくは未置換アリール基または置換もしくは
未置換低級アルアルキル基で置換されていても良い。
のR1、R2、R3が結合していない炭素原子に結合して
いる水素原子は、ハロゲン原子、スルホネート基、アミ
ノ基、スチリル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボ
キシル基、シアノ基、置換もしくは未置換低級アルキル
基、置換もしくは未置換アリール基または置換もしくは
未置換低級アルアルキル基で置換されていても良い。
【0027】Y-はアニオンを示し、該アニオンとして
は、例えばBF4 -、過塩素酸イオン、HO3SCH2CO
O-、あるいは塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオ
ン、フッ素イオン等のハロゲンイオン、又は、脂肪族炭
化水素や芳香族スルホネート等のようなアニオン機能を
有する化合物、更には、Zn、Ni、Cu、Pt、C
o、Pd等の遷移金属の錯体イオンなどを挙げることが
できる。
は、例えばBF4 -、過塩素酸イオン、HO3SCH2CO
O-、あるいは塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオ
ン、フッ素イオン等のハロゲンイオン、又は、脂肪族炭
化水素や芳香族スルホネート等のようなアニオン機能を
有する化合物、更には、Zn、Ni、Cu、Pt、C
o、Pd等の遷移金属の錯体イオンなどを挙げることが
できる。
【0028】以上挙げた各種の置換基に更に置換される
基がハロゲン原子の場合には、該ハロゲン原子として
は、Cl、Br、I等を挙げることができる。また、低
級アルキル基は、直鎖状でも分岐状のものでもよく、そ
の炭素数としては1〜4程度のものが好ましい。アリー
ル基としては、例えば、フェニル基等を挙げることがで
きる。アリール基やフェニレン基の置換基としては、例
えば低級アルキル基で置換されたアミノ基(低級アルキ
ルアミノ基)等を挙げることができる。なお、この低級
アルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチ
ルアミノ基等がパラ位で置換しているものが好ましい。
低級アルアルキル基としては、上記の置換もしくは未置
換アリール基で置換された低級アルキル基を挙げること
ができる。
基がハロゲン原子の場合には、該ハロゲン原子として
は、Cl、Br、I等を挙げることができる。また、低
級アルキル基は、直鎖状でも分岐状のものでもよく、そ
の炭素数としては1〜4程度のものが好ましい。アリー
ル基としては、例えば、フェニル基等を挙げることがで
きる。アリール基やフェニレン基の置換基としては、例
えば低級アルキル基で置換されたアミノ基(低級アルキ
ルアミノ基)等を挙げることができる。なお、この低級
アルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチ
ルアミノ基等がパラ位で置換しているものが好ましい。
低級アルアルキル基としては、上記の置換もしくは未置
換アリール基で置換された低級アルキル基を挙げること
ができる。
【0029】一般式[I]の化合物の中では、Xを含む
複素環が、置換もしくは未置換アリール基の2以上で置
換されたものが好ましい。例えばXを含む複素環が6員
環の場合のそのような化合物としては、(1)Xを含む
6員環の2位と4位が置換もしくは未置換アリール基で
置換され、3位、5位及び6位のいずれかがR3で置換
されているもの、(2)該6員環の3位と5位が置換も
しくは未置換アリール基で置換され、2位、4位及6位
のいずれかがR3で置換されているもの、(3)該6員
環の2位と6位が置換もしくは未置換アリール基で置換
され、3位、4位及び5位のいずれかがR3で置換され
ているもの、などを挙げることができる。
複素環が、置換もしくは未置換アリール基の2以上で置
換されたものが好ましい。例えばXを含む複素環が6員
環の場合のそのような化合物としては、(1)Xを含む
6員環の2位と4位が置換もしくは未置換アリール基で
置換され、3位、5位及び6位のいずれかがR3で置換
されているもの、(2)該6員環の3位と5位が置換も
しくは未置換アリール基で置換され、2位、4位及6位
のいずれかがR3で置換されているもの、(3)該6員
環の2位と6位が置換もしくは未置換アリール基で置換
され、3位、4位及び5位のいずれかがR3で置換され
ているもの、などを挙げることができる。
【0030】一般式[I]の化合物の具体例としては、
例えば後述の表1に示すものを挙げることができる。更
に、特に好ましい化合物としては、下記一般式[VI
I]
例えば後述の表1に示すものを挙げることができる。更
に、特に好ましい化合物としては、下記一般式[VI
I]
【0031】
【化19】 (上記一般式[VII]中、XはOまたはSを表わし、
Y-はアニオンを表わす)で表わされる化合物や、下記
一般式[VIII]
Y-はアニオンを表わす)で表わされる化合物や、下記
一般式[VIII]
【0032】
【化20】 (上記一般式[VIII]中、XはOまたはSを表わ
し、Y-はアニオンを表わす)で表わされる化合物を挙
げることができる。
し、Y-はアニオンを表わす)で表わされる化合物を挙
げることができる。
【0033】上述のように、本発明の光化学治療薬の有
効成分として用いられる化合物は、ピリリウム系化合物
の塩である。ピリリウム系の化合物に関する研究は早く
も二十世紀初頭から行われてきいる。当初は合成法や色
素としての特性についての研究が主であったが、近年に
なってその特異な電子移動特性が注目され、電気光導電
性組成物における増感剤としての研究が行われてきてい
る。また、最近では全く別の分野への応用として抗癌剤
としての研究が行われてきている。例えば、特開昭64
−52715号公報には、2位、4位及び6位の三置換
型ジメチルアミノフェニル−ピリジル−チオピリリウム
塩が抗癌剤として記載されている。また、特開平1−1
53683号公報には、2,4,6−トリフェニルピリ
リウム、またはチオピリリウム塩のフェニル基のうち少
なくとも二個がジアルキルアミノ基を有している構造物
がやはり抗癌剤として記載されている。なお、特開平1
−153683号公報に新規化合物として記載されてい
る一般式に合致する化合物は既にR.Wizinger
らによって合成されている(Helv.Chim.Ac
ta.,39,5,1965)。しかしながら、これら
の公開公報のいずれにも光照射による抗癌活性について
の記載はない。
効成分として用いられる化合物は、ピリリウム系化合物
の塩である。ピリリウム系の化合物に関する研究は早く
も二十世紀初頭から行われてきいる。当初は合成法や色
素としての特性についての研究が主であったが、近年に
なってその特異な電子移動特性が注目され、電気光導電
性組成物における増感剤としての研究が行われてきてい
る。また、最近では全く別の分野への応用として抗癌剤
としての研究が行われてきている。例えば、特開昭64
−52715号公報には、2位、4位及び6位の三置換
型ジメチルアミノフェニル−ピリジル−チオピリリウム
塩が抗癌剤として記載されている。また、特開平1−1
53683号公報には、2,4,6−トリフェニルピリ
リウム、またはチオピリリウム塩のフェニル基のうち少
なくとも二個がジアルキルアミノ基を有している構造物
がやはり抗癌剤として記載されている。なお、特開平1
−153683号公報に新規化合物として記載されてい
る一般式に合致する化合物は既にR.Wizinger
らによって合成されている(Helv.Chim.Ac
ta.,39,5,1965)。しかしながら、これら
の公開公報のいずれにも光照射による抗癌活性について
の記載はない。
【0034】本発明の光化学治療薬の有効成分として利
用される一般式[I]の化合物の代表例を後述の表1に
示した。また、その中の更に代表的な化合物についての
吸収波長特性を表2に示した。
用される一般式[I]の化合物の代表例を後述の表1に
示した。また、その中の更に代表的な化合物についての
吸収波長特性を表2に示した。
【0035】表2に示した化合物のほぼ全ては、核酸存
在下において、600nm以上に最大吸収波長を有し、
またモル吸光係数も5.0〜8.5×104 l/mo
l・cmと大きいので効率の良い光化学治療が可能とな
る。唯一、核酸存在下における最大吸収波長が600n
m以下である化合物1に関しても600nmにおいて十
分な吸収強度を有しているためにその治療効率が問題と
なることはない。
在下において、600nm以上に最大吸収波長を有し、
またモル吸光係数も5.0〜8.5×104 l/mo
l・cmと大きいので効率の良い光化学治療が可能とな
る。唯一、核酸存在下における最大吸収波長が600n
m以下である化合物1に関しても600nmにおいて十
分な吸収強度を有しているためにその治療効率が問題と
なることはない。
【0036】また、本発明の光化学治療薬においては、
その化学構造における環構造や共鳴構造を変えることに
より吸収波長特性を1000nm程度まで自由に変化さ
せることができるので、生体組織のより深部までの治療
にも対応できる。
その化学構造における環構造や共鳴構造を変えることに
より吸収波長特性を1000nm程度まで自由に変化さ
せることができるので、生体組織のより深部までの治療
にも対応できる。
【0037】本発明で利用されるピリリウム系化合物塩
の光化学治療における作用機序は未だ解明されていない
が、本発明者らは既に一般式[I]の化合物が二本鎖核
酸と相互作用し、それによって核酸染色、細胞染色が可
能であることを発見しており、この二本鎖核酸との相互
作用が一般式[I]の化合物の光化学治療における作用
機序に関係を持っていると推定される。従って、一般式
[I]の化合物は、従来のポルフィリン系の化合物とは
本質的に異なる作用機序による癌に対する光化学治療効
果を有するものと考えられる。これは本発明の薬剤がポ
ルフィレン系の化合物とは異なるタイプの癌に対して治
療効果を有する可能性を示している。
の光化学治療における作用機序は未だ解明されていない
が、本発明者らは既に一般式[I]の化合物が二本鎖核
酸と相互作用し、それによって核酸染色、細胞染色が可
能であることを発見しており、この二本鎖核酸との相互
作用が一般式[I]の化合物の光化学治療における作用
機序に関係を持っていると推定される。従って、一般式
[I]の化合物は、従来のポルフィリン系の化合物とは
本質的に異なる作用機序による癌に対する光化学治療効
果を有するものと考えられる。これは本発明の薬剤がポ
ルフィレン系の化合物とは異なるタイプの癌に対して治
療効果を有する可能性を示している。
【0038】本発明の光化学治療薬を生体(ヒト、及
び、動物)に投与する方法は種々の形態が考えられる。
ひとつの方法は一般式[I]の化合物を薬学的に許容さ
れる溶剤に溶解させて得た溶液を注射する方法である。
溶剤としては、生理食塩水やその他適当な緩衝液等の水
性溶媒、ジメチルスルホキシド、エタノール等の一般式
[I]の化合物が可溶な水溶性有機溶媒、あるいは水性
溶媒と水溶性有機溶媒との混合液などを用いることがで
きる。混合液の場合における水溶性有機溶媒の混合比
は、注射液としての特性や安全性を損なわない範囲で、
一般式[I]の化合物の溶解性や投与部位等を考慮して
適宜選択すれば良い。例えば、5〜50容量%の割合で
水溶性有機溶媒を含む水性溶媒との混合液が利用でき
る。注射による投与は、静脈、動脈、腹腔、皮下、腫瘍
部等に行うことができる。ただし、水溶性有機溶媒のみ
からなる溶剤を用いた場合は、静脈や動脈以外の部位を
利用する。溶剤中に配合する一般式[I]の化合物の濃
度は、その溶解性、注射方法、注射部位、投与量によっ
て種々異るが、例えば、0.1mg/ml〜10mg/
mlの範囲とすることができる。なお、投与量は治療対
象としての生体の病状、治療目的などに応じて適宜選択
される。
び、動物)に投与する方法は種々の形態が考えられる。
ひとつの方法は一般式[I]の化合物を薬学的に許容さ
れる溶剤に溶解させて得た溶液を注射する方法である。
溶剤としては、生理食塩水やその他適当な緩衝液等の水
性溶媒、ジメチルスルホキシド、エタノール等の一般式
[I]の化合物が可溶な水溶性有機溶媒、あるいは水性
溶媒と水溶性有機溶媒との混合液などを用いることがで
きる。混合液の場合における水溶性有機溶媒の混合比
は、注射液としての特性や安全性を損なわない範囲で、
一般式[I]の化合物の溶解性や投与部位等を考慮して
適宜選択すれば良い。例えば、5〜50容量%の割合で
水溶性有機溶媒を含む水性溶媒との混合液が利用でき
る。注射による投与は、静脈、動脈、腹腔、皮下、腫瘍
部等に行うことができる。ただし、水溶性有機溶媒のみ
からなる溶剤を用いた場合は、静脈や動脈以外の部位を
利用する。溶剤中に配合する一般式[I]の化合物の濃
度は、その溶解性、注射方法、注射部位、投与量によっ
て種々異るが、例えば、0.1mg/ml〜10mg/
mlの範囲とすることができる。なお、投与量は治療対
象としての生体の病状、治療目的などに応じて適宜選択
される。
【0039】本発明の光化学治療薬を経口投与すること
も可能である。経口用としては、公知の種々の形態が利
用でき、例えば、適当な溶剤、基材または賦型剤等を用
いて、溶液、シロップ、錠剤、カプセル剤等の形態で提
供することができる。これらの経口用剤の製造にも公知
の方法を利用できる。経口用剤中に配合する一般式
[I]の化合物の量もまた治療対象としての生体の病
状、治療目的などに応じて適宜選択されるが、例えば1
〜50重量%、なかでも5〜20重量%が望ましい。
も可能である。経口用としては、公知の種々の形態が利
用でき、例えば、適当な溶剤、基材または賦型剤等を用
いて、溶液、シロップ、錠剤、カプセル剤等の形態で提
供することができる。これらの経口用剤の製造にも公知
の方法を利用できる。経口用剤中に配合する一般式
[I]の化合物の量もまた治療対象としての生体の病
状、治療目的などに応じて適宜選択されるが、例えば1
〜50重量%、なかでも5〜20重量%が望ましい。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】
【表10】
【0050】
【表11】
【0051】
【表12】
【0052】
【表13】
【0053】
【表14】
【0054】
【表15】
【0055】
【表16】
【0056】
【表17】
【0057】
【表18】
【0058】
【表19】
【0059】
【表20】
【0060】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
する。 合成例1 無水酢酸100mlと濃硫酸30mlとを冷却しながら
混合し、得られた混合液をウォーターバスで80℃に保
ちながら3時間加温した。そこに無水酢酸20ml、p
−ジメチルアミノアセトフェノン30mlを室温下で加
え、その後45℃に温度を上昇させて24時間攪拌し反
応させた。この反応液に等量のエタノールを加え、冷却
し、更にヨウ化カリウム水溶液を加えると粗結晶が析出
した。この粗結晶を濾過により回収し、エタノール/エ
ーテルの混合系(容量比、1:4)で再結晶させて、2
−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミ
ノフェニル)ピリリウム アイオダイド(表1の化合物
1(ただしYはIである))の緑色の結晶を得た。 得られた化合物1(Y:I)の分析結果 融点:254〜257℃ UV/可視(CH3CN ε×10-4)λmax :444
nm(2.43)、550nm(8.24) NMR(1H、DMSO)δppm:8.3737(1H、
s)、8.2729(1H、d、J=9.0Hz)、
8.1795(1H、d、J=9.0Hz)、7.88
64(1H、s)、6.9117(4H、t、JAB=J
BC=9.77)、3.1829(6H、s)、3.13
40(6H、s)、2.6809(3H、s) FAB mass m/z 333 IR(KBr)νcm-1:1645、1610(s
h)、1580(s)、1490(s)、1270、1
200、1160 更に、ヨウ化カリウム水溶液の代わりに過塩素酸水溶液
を用いる以外は上記と同様にして2−メチル−4,6−
ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリ
ウムの過塩素酸塩(化合物1(Y:CIO4))を得
た。
する。 合成例1 無水酢酸100mlと濃硫酸30mlとを冷却しながら
混合し、得られた混合液をウォーターバスで80℃に保
ちながら3時間加温した。そこに無水酢酸20ml、p
−ジメチルアミノアセトフェノン30mlを室温下で加
え、その後45℃に温度を上昇させて24時間攪拌し反
応させた。この反応液に等量のエタノールを加え、冷却
し、更にヨウ化カリウム水溶液を加えると粗結晶が析出
した。この粗結晶を濾過により回収し、エタノール/エ
ーテルの混合系(容量比、1:4)で再結晶させて、2
−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミ
ノフェニル)ピリリウム アイオダイド(表1の化合物
1(ただしYはIである))の緑色の結晶を得た。 得られた化合物1(Y:I)の分析結果 融点:254〜257℃ UV/可視(CH3CN ε×10-4)λmax :444
nm(2.43)、550nm(8.24) NMR(1H、DMSO)δppm:8.3737(1H、
s)、8.2729(1H、d、J=9.0Hz)、
8.1795(1H、d、J=9.0Hz)、7.88
64(1H、s)、6.9117(4H、t、JAB=J
BC=9.77)、3.1829(6H、s)、3.13
40(6H、s)、2.6809(3H、s) FAB mass m/z 333 IR(KBr)νcm-1:1645、1610(s
h)、1580(s)、1490(s)、1270、1
200、1160 更に、ヨウ化カリウム水溶液の代わりに過塩素酸水溶液
を用いる以外は上記と同様にして2−メチル−4,6−
ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリ
ウムの過塩素酸塩(化合物1(Y:CIO4))を得
た。
【0061】合成例2 硫化ナトリウム9水和物20gをイオン交換水に溶解さ
せ全量を50mlとした。この溶液に炭酸水素ナトリウ
ム7gを加え溶解させた後、氷冷下、50mlのエタノ
ールを更に加えてから、室温で30分間攪拌した。析出
した炭酸ナトリウムを濾別し、25mlのエタノールで
洗浄し、濾液と洗液を合わせ、約125mlの水硫化ナ
トリウムの水・エタノール溶液を得た。
せ全量を50mlとした。この溶液に炭酸水素ナトリウ
ム7gを加え溶解させた後、氷冷下、50mlのエタノ
ールを更に加えてから、室温で30分間攪拌した。析出
した炭酸ナトリウムを濾別し、25mlのエタノールで
洗浄し、濾液と洗液を合わせ、約125mlの水硫化ナ
トリウムの水・エタノール溶液を得た。
【0062】次に、実施例1で得た2−メチル−4,6
−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリ
リウム アイオダイドの0.92gを20mlのDMS
Oに溶解させ、得られた溶液に先に調製した水硫化ナト
リウムの水・エタノール溶液の5mlを加え、室温下で
5分間攪拌した。攪拌後、ヨウ化水素酸0.75mlを
加え、更に5分間攪拌した。以下、常法に従って、ジク
ロロメタン抽出、シリカゲルカラム精製を行った後、エ
タノール/エーテル混合液(容量比、1:4)で再結晶
させて、0.7gの2−メチル−4,6−ビス−(4−
N,N−ジメチルアミノフェニル)チオピリリウム ア
イオダイドの結晶(表1の化合物2(ただし、YはIで
ある))を得た。 得られた化合物2(Y:I)の分析結果 融点:246〜248℃ UV/可視(CH3CN ε×10-4)λmax :495
nm(2.50)、587nm(4.95) NMR(1H、DMSO)δppm:8.5679(1H、
s)、8.4323(1H、s)、8.2436(2
H、d、J=9.27Hz)、7.9786(2H、
d、J=9.28)、6.8959(4H、t、JAB=
JBC=9.28)、3.1756(6H、s)、3.1
157(6H、s)、2.8323(3H、s) FAB mass m/z 349 IR(KBr)νcm-1:1600(s)、1560
(s)、1460(s)、1430(s)、1370
(s)、1260(s)、1160(s) 更に、ヨウ化水素酸の代わりに過塩素酸水溶液を用いる
以外は上記と同様にして2−メチル−4,6−ビス−
(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)チオピリリウ
ムの過塩素酸塩(化合物2(Y:CIO4))を得た。
更に、表1に示す化合物3〜55をそれぞれ用意した。
表1において、Φはp−フェニレン基:
−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリ
リウム アイオダイドの0.92gを20mlのDMS
Oに溶解させ、得られた溶液に先に調製した水硫化ナト
リウムの水・エタノール溶液の5mlを加え、室温下で
5分間攪拌した。攪拌後、ヨウ化水素酸0.75mlを
加え、更に5分間攪拌した。以下、常法に従って、ジク
ロロメタン抽出、シリカゲルカラム精製を行った後、エ
タノール/エーテル混合液(容量比、1:4)で再結晶
させて、0.7gの2−メチル−4,6−ビス−(4−
N,N−ジメチルアミノフェニル)チオピリリウム ア
イオダイドの結晶(表1の化合物2(ただし、YはIで
ある))を得た。 得られた化合物2(Y:I)の分析結果 融点:246〜248℃ UV/可視(CH3CN ε×10-4)λmax :495
nm(2.50)、587nm(4.95) NMR(1H、DMSO)δppm:8.5679(1H、
s)、8.4323(1H、s)、8.2436(2
H、d、J=9.27Hz)、7.9786(2H、
d、J=9.28)、6.8959(4H、t、JAB=
JBC=9.28)、3.1756(6H、s)、3.1
157(6H、s)、2.8323(3H、s) FAB mass m/z 349 IR(KBr)νcm-1:1600(s)、1560
(s)、1460(s)、1430(s)、1370
(s)、1260(s)、1160(s) 更に、ヨウ化水素酸の代わりに過塩素酸水溶液を用いる
以外は上記と同様にして2−メチル−4,6−ビス−
(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)チオピリリウ
ムの過塩素酸塩(化合物2(Y:CIO4))を得た。
更に、表1に示す化合物3〜55をそれぞれ用意した。
表1において、Φはp−フェニレン基:
【0063】
【化21】 またはフェニル基を表わす。
【0064】なお、これらの化合物は以下の公知の方法
により合成した。なお、具体的な反応操作は常法に従っ
た。
により合成した。なお、具体的な反応操作は常法に従っ
た。
【0065】化合物7は、W.Foerstらの「New Methods
of Preparative Organic Chemistry」、Acad. Press(1
964)に記載の方法に従って、化合物[i]
of Preparative Organic Chemistry」、Acad. Press(1
964)に記載の方法に従って、化合物[i]
【0066】
【化22】 を合成した後、これと
【0067】
【化23】 (p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド)とを
反応させて得られた化合物に更に所望のアニオンを反応
させて得た。化合物17は、化合物[i]と
反応させて得られた化合物に更に所望のアニオンを反応
させて得た。化合物17は、化合物[i]と
【0068】
【化24】 (p−ジエチルアミノスチリルベンツアルデヒド)とを
反応させて得られた化合物に更に所望のアニオンを反応
させて得た。また、化合物[i]を水硫化ナトリウムと
反応させることにより化合物[ii]
反応させて得られた化合物に更に所望のアニオンを反応
させて得た。また、化合物[i]を水硫化ナトリウムと
反応させることにより化合物[ii]
【0069】
【化25】 を得た後、この化合物[ii]を化合物7、17と同様
にして化合物8、18を合成した。
にして化合物8、18を合成した。
【0070】R. WizingerらのHelv. chim. Acta、39、2
17 (1956)に記載の方法に従い、アセトフェノンとアセ
トアルデヒドから以下に示すルート
17 (1956)に記載の方法に従い、アセトフェノンとアセ
トアルデヒドから以下に示すルート
【0071】
【化26】 を経て、化合物[iii]
【0072】
【化27】 を合成した。この化合物[iii]を原料として、p−
ジメチルアミノベンズアルデヒドとの反応から得られた
化合物に更に所望のアニオンを反応させて化合物5を、
p−ジエチルアミノスチリルベンツアルデヒドとの反応
から同様にして化合物15を、p−ジメチルアミノ桂皮
アルデヒドとの反応から同様にして化合物9を、
ジメチルアミノベンズアルデヒドとの反応から得られた
化合物に更に所望のアニオンを反応させて化合物5を、
p−ジエチルアミノスチリルベンツアルデヒドとの反応
から同様にして化合物15を、p−ジメチルアミノ桂皮
アルデヒドとの反応から同様にして化合物9を、
【0073】
【化28】 との反応から同様にして化合物11をそれぞれ得た。ま
た、化合物[iii]を水硫化ナトリウムと反応させる
ことにより化合物[iv]
た、化合物[iii]を水硫化ナトリウムと反応させる
ことにより化合物[iv]
【0074】
【化29】 を得た後、化合物[iii]に代えて化合物[iv]を
用いる以外は、化合物5、15、9及び11の合成の場
合と同様の方法で、化合物6、16、10及び12をそ
れぞれ得た。
用いる以外は、化合物5、15、9及び11の合成の場
合と同様の方法で、化合物6、16、10及び12をそ
れぞれ得た。
【0075】更に、原料のアセトアルデヒドをp−ジメ
チルアミノベンズアルデヒドに代える以外は、化合物
[iii]の合成の場合と同様にして、化合物3のカチ
オン部分を得た後、これに硫化ナトリウムを反応させて
得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させ、化合
物4を得た。また、同様にしてp−メチルベンズアルデ
ヒとアセトフェノンから化合物[v]
チルアミノベンズアルデヒドに代える以外は、化合物
[iii]の合成の場合と同様にして、化合物3のカチ
オン部分を得た後、これに硫化ナトリウムを反応させて
得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させ、化合
物4を得た。また、同様にしてp−メチルベンズアルデ
ヒとアセトフェノンから化合物[v]
【0076】
【化30】 を得た後、それを水硫化ナトリウムと反応させて化合物
[vi]
[vi]
【0077】
【化31】 を得た。更に、化合物[v]及び[vi]をそれぞれp
−ジメチルアミノベンズアルデヒドと反応させ、得られ
た化合物に更に所望のアニオンを反応させて化合物13
及び14を得た。
−ジメチルアミノベンズアルデヒドと反応させ、得られ
た化合物に更に所望のアニオンを反応させて化合物13
及び14を得た。
【0078】化合物19、20及び21は、化合物
[i]または[ii]と、化合物1または2のカチオン
部分とを
[i]または[ii]と、化合物1または2のカチオン
部分とを
【0079】
【化32】 と反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反
応させて得た。化合物22、23及び24は、化合物
[i]または[ii]と化合物1または2のカチオン部
分とを、
応させて得た。化合物22、23及び24は、化合物
[i]または[ii]と化合物1または2のカチオン部
分とを、
【0080】
【化33】 と反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反
応させて得た。化合物25及び26は、化合物[i]ま
たは[ii]を
応させて得た。化合物25及び26は、化合物[i]ま
たは[ii]を
【0081】
【化34】 と反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反
応させて得た。化合物27、28及び29は、化合物
[i]または[ii]と化合物1または2のカチオン部
分とを、トリエトキシメタン[HC(OC2H5)3]と
反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反応
させることにより合成した。化合物30、31及び32
は化合物[iii]または[iv]と、[iii]と
[iv]と同様の方法によりp−ジメチルアミノアセト
フェノンから合成した化合物[iii]と[iv]のジ
メチルアミノ誘導体と、トリエトキシメタンとを反応さ
せ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させる
ことにより合成した。
応させて得た。化合物27、28及び29は、化合物
[i]または[ii]と化合物1または2のカチオン部
分とを、トリエトキシメタン[HC(OC2H5)3]と
反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反応
させることにより合成した。化合物30、31及び32
は化合物[iii]または[iv]と、[iii]と
[iv]と同様の方法によりp−ジメチルアミノアセト
フェノンから合成した化合物[iii]と[iv]のジ
メチルアミノ誘導体と、トリエトキシメタンとを反応さ
せ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させる
ことにより合成した。
【0082】化合物33〜55は以下の各反応によりそ
れぞれ合成した。 化合物33の合成
れぞれ合成した。 化合物33の合成
【0083】
【化35】 化合物34の合成
【0084】
【化36】 化合物35の合成
【0085】
【化37】 化合物36の合成
【0086】
【化38】 化合物37の合成
【0087】
【化39】 化合物38の合成
【0088】
【化40】 化合物39の合成
【0089】
【化41】 化合物40は、化合物36の合成で原料を
【0090】
【化42】 から
【0091】
【化43】 に変更して合成した。
【0092】化合物41は、化合物37の合成で原料を
【0093】
【化44】 から
【0094】
【化45】 に変更して合成した。
【0095】化合物42は、化合物38の合成で原料を
【0096】
【化46】 から
【0097】
【化47】 に変更して合成した。
【0098】化合物43は、化合物39の合成で原料を
【0099】
【化48】 から
【0100】
【化49】 に変更して合成した。 化合物44の合成
【0101】
【化50】 化合物45の合成
【0102】
【化51】 化合物46の合成
【0103】
【化52】 化合物47の合成
【0104】
【化53】 化合物48は、化合物44の合成で原料を
【0105】
【化54】 から
【0106】
【化55】 に変更して合成した。
【0107】化合物49は、化合物45の合成で原料を
【0108】
【化56】 から
【0109】
【化57】 に変更して合成した。
【0110】化合物50は、化合物46の合成で原料を
【0111】
【化58】 から
【0112】
【化59】 に変更して合成した。
【0113】化合物51は、化合物47の合成で原料を
【0114】
【化60】 から
【0115】
【化61】 に変更して合成した。化合物52の合成
【0116】
【化62】 化合物53の合成
【0117】
【化63】 化合物54の合成
【0118】
【化64】 化合物55の合成
【0119】
【化65】
【0120】実施例1 マウス由来の代表的な培養癌化細胞であるL−929細
胞を106個/dish(20ml)となるようにE−
MEM+10%FCS培地に蒔いた。その後、37℃で
36時間培養し、化合物1(Y=I)を表3の濃度にな
るように添加した後、蛍光顕微鏡を用いて化合物1の吸
収波長に最適な波長範囲560〜610nmを有する光
を速やかに表3に示す時間照射した。次いで、12時間
培養を継続した後、細胞の状態を顕微鏡で観察した。表
3に各条件(濃度及び照射時間)における細胞の致死率
を示す。
胞を106個/dish(20ml)となるようにE−
MEM+10%FCS培地に蒔いた。その後、37℃で
36時間培養し、化合物1(Y=I)を表3の濃度にな
るように添加した後、蛍光顕微鏡を用いて化合物1の吸
収波長に最適な波長範囲560〜610nmを有する光
を速やかに表3に示す時間照射した。次いで、12時間
培養を継続した後、細胞の状態を顕微鏡で観察した。表
3に各条件(濃度及び照射時間)における細胞の致死率
を示す。
【0121】
【表21】 表3から化合物1は薬剤濃度0.1〜0.5μg/m
l、光照射時間1〜5分の範囲で効率良く癌細胞を死滅
させることができることがわかる。また、癌細胞への取
り込みも極めて早い。なお、光を照射しなかった細胞、
および薬剤を投与せずに光照射のみ行った細胞について
は死滅は見られず、継続して培養が可能であった。
l、光照射時間1〜5分の範囲で効率良く癌細胞を死滅
させることができることがわかる。また、癌細胞への取
り込みも極めて早い。なお、光を照射しなかった細胞、
および薬剤を投与せずに光照射のみ行った細胞について
は死滅は見られず、継続して培養が可能であった。
【0122】実施例2 化合物1の代わりに化合物2(Y=I)を用い、薬剤濃
度を下記表4に記載の濃度に変更した以外は実施例1と
同様にして薬剤投与と光照射による試験を行い、細胞の
致死率を求めた。照射光の波長範囲は化合物2の吸収波
長範囲のなかから最適な範囲600〜650nmを選択
した。結果を表4に示す。
度を下記表4に記載の濃度に変更した以外は実施例1と
同様にして薬剤投与と光照射による試験を行い、細胞の
致死率を求めた。照射光の波長範囲は化合物2の吸収波
長範囲のなかから最適な範囲600〜650nmを選択
した。結果を表4に示す。
【0123】
【表22】 表4から化合物2は化合物1よりも低濃度で効率良く細
胞死を惹起することがわかる。なお、光を照射しなかっ
た細胞及び薬剤を投与せずに光照射のみを行った細胞に
ついては実施例1の化合物1の場合と同様に死滅は見ら
れず、継続して培養が可能であった。
胞死を惹起することがわかる。なお、光を照射しなかっ
た細胞及び薬剤を投与せずに光照射のみを行った細胞に
ついては実施例1の化合物1の場合と同様に死滅は見ら
れず、継続して培養が可能であった。
【0124】実施例3 化合物16(Y=I)について実施例1、実施例2と同
様の薬剤投与及び光照射試験を行い、細胞の致死率を求
めた。結果を表5に示す。なお、光照射の波長範囲は7
00〜750nmである。
様の薬剤投与及び光照射試験を行い、細胞の致死率を求
めた。結果を表5に示す。なお、光照射の波長範囲は7
00〜750nmである。
【0125】
【表23】 表5から化合物16は化合物2とほぼ同様の細胞死効果
を示すことがわかる。また、720nm付近の波長の光
によっての光化学治療効果が示された。なお、光照射し
なかった細胞、及び薬剤を投与せずに光照射のみ行った
細胞については実施例1、2と同様に死滅は見られず、
継続して培養が可能であった。
を示すことがわかる。また、720nm付近の波長の光
によっての光化学治療効果が示された。なお、光照射し
なかった細胞、及び薬剤を投与せずに光照射のみ行った
細胞については実施例1、2と同様に死滅は見られず、
継続して培養が可能であった。
【0126】製剤例1 化合物1(Y=I)を、生理食塩水に1mg/mlの濃
度で溶解させて注射剤を得た。 製剤例2 化合物2(Y=I)を、生理食塩水80容量%とエタノ
ール20容量%の混合液に、5mg/mlの濃度で溶解
させて注射剤を得た。
度で溶解させて注射剤を得た。 製剤例2 化合物2(Y=I)を、生理食塩水80容量%とエタノ
ール20容量%の混合液に、5mg/mlの濃度で溶解
させて注射剤を得た。
【0127】参考例1(急性毒性試験) 体重200g〜400gのヌードラットに表1の化合物
1(Y=I)、及び化合物2(Y=I)の生理食塩水溶
液を1mg/kgの投与量となるように下腿静脈より注
射した(それぞれの化合物について2匹のラットを使
用)。注射後、これらのラットを飼育観察したところ、
特に異常は認められず、継続して飼育が可能であった。
1(Y=I)、及び化合物2(Y=I)の生理食塩水溶
液を1mg/kgの投与量となるように下腿静脈より注
射した(それぞれの化合物について2匹のラットを使
用)。注射後、これらのラットを飼育観察したところ、
特に異常は認められず、継続して飼育が可能であった。
【0128】参考例2(急性毒性試験) 体重200g〜400gのヌードラットに表1の化合物
1(Y=I)、及び化合物2(Y=I)のジメチルスル
ホキシド溶液を1mg/kg、5mg/kg及び25m
g/kgの投与量となるように腹腔に注射した(それぞ
れの化合物及び条件について2匹のラットを使用)。注
射後、これらのラットを飼育観察したところ、特に異常
は認められず、継続して飼育が可能であった。以上のと
おり、これらの化合物には急性毒性はみられなかった。
1(Y=I)、及び化合物2(Y=I)のジメチルスル
ホキシド溶液を1mg/kg、5mg/kg及び25m
g/kgの投与量となるように腹腔に注射した(それぞ
れの化合物及び条件について2匹のラットを使用)。注
射後、これらのラットを飼育観察したところ、特に異常
は認められず、継続して飼育が可能であった。以上のと
おり、これらの化合物には急性毒性はみられなかった。
【0129】実施例4 体重200g〜400gのヌードラットを5群(A〜E
群:各群2匹)に分け、AからD群のラットには背中の
中央部にヒト胃ガン由来の培養細胞KATOIIIを接
種した。その後10日間これらのラットを飼育したとこ
ろ、ガン部分の外周部の大きさは平均すると約5mm×
約5mm×約3mm(縦×横×周辺部分からの高さ)と
なった。この時点で、A、B、E群のラット(E群は正
常ラット)に1mg/kgの投与量となるように表1の
化合物1(Y=I)の生理食塩水溶液を下腿静脈より注
射した。次いで、A、C群のラットのガン部分全体、及
びE群ラットの背中の部分(直径5mm)に紫外部(4
00nm以下)及び赤外部(1000nm以上)をフィ
ルターでカットした白色光を照射した(照射量50
J)。その後の各群のラットのガン部分の大きさ(E群
に関しては正常皮膚の状態)の経時変化を観察した。そ
の結果を表6に示す。
群:各群2匹)に分け、AからD群のラットには背中の
中央部にヒト胃ガン由来の培養細胞KATOIIIを接
種した。その後10日間これらのラットを飼育したとこ
ろ、ガン部分の外周部の大きさは平均すると約5mm×
約5mm×約3mm(縦×横×周辺部分からの高さ)と
なった。この時点で、A、B、E群のラット(E群は正
常ラット)に1mg/kgの投与量となるように表1の
化合物1(Y=I)の生理食塩水溶液を下腿静脈より注
射した。次いで、A、C群のラットのガン部分全体、及
びE群ラットの背中の部分(直径5mm)に紫外部(4
00nm以下)及び赤外部(1000nm以上)をフィ
ルターでカットした白色光を照射した(照射量50
J)。その後の各群のラットのガン部分の大きさ(E群
に関しては正常皮膚の状態)の経時変化を観察した。そ
の結果を表6に示す。
【0130】
【表24】
【0131】実施例5 体重200g〜400gのヌードラットをA’〜E’群
(各2匹)に分け、表1の化合物1の代わりに化合物2
(Y=I)を用いる以外は実施例4と同様にして各ラッ
トの経時変化を観察した。得られた結果を表7に示す。
(各2匹)に分け、表1の化合物1の代わりに化合物2
(Y=I)を用いる以外は実施例4と同様にして各ラッ
トの経時変化を観察した。得られた結果を表7に示す。
【0132】
【表25】
【0133】実施例4、5から化合物1(Y=I)及び
化合物2(Y=I)の光化学治療における有効性が示さ
れた。また、これら化合物を投与した正常ラットに光照
射した場合に異常が観察されなかったことから、これら
の化合物と腫瘍細胞との間の親和性と正常(皮膚)細胞
との間の親和性には何らかの差があることが示唆され
た。
化合物2(Y=I)の光化学治療における有効性が示さ
れた。また、これら化合物を投与した正常ラットに光照
射した場合に異常が観察されなかったことから、これら
の化合物と腫瘍細胞との間の親和性と正常(皮膚)細胞
との間の親和性には何らかの差があることが示唆され
た。
【0134】実施例6 体重200g〜400gのヌードラット4匹(X、Y群
各2匹)の背中の中央部分に実施例4、5と同様にヒト
胃ガン由来の培養細胞を接種した。約3週間飼育を続
け、定着したガンの大きさが平均で約13mm×約13
mm×約8mm(縦×横×周辺部からの高さ)となった
ところで、X群のラットには化合物1(Y=I)の生理
食塩水溶液を、Y群のラットには化合物16(Y=I)
の生理食塩水溶液を、各々1mg/kgの投与量となる
ように下腿静脈より注射した。その後、X群のラットに
はフィルターで580nm(半値幅20nm)に分光し
た光を、また、Y群のラットには同様に720nm(半
値幅20nm)に分光した光をそれぞれ照射した。な
お、照射量はそれぞれ10Jであった。照射後1日飼育
を続けた後、腫瘍の壊死の深さを測定した。その結果を
表8に示す。
各2匹)の背中の中央部分に実施例4、5と同様にヒト
胃ガン由来の培養細胞を接種した。約3週間飼育を続
け、定着したガンの大きさが平均で約13mm×約13
mm×約8mm(縦×横×周辺部からの高さ)となった
ところで、X群のラットには化合物1(Y=I)の生理
食塩水溶液を、Y群のラットには化合物16(Y=I)
の生理食塩水溶液を、各々1mg/kgの投与量となる
ように下腿静脈より注射した。その後、X群のラットに
はフィルターで580nm(半値幅20nm)に分光し
た光を、また、Y群のラットには同様に720nm(半
値幅20nm)に分光した光をそれぞれ照射した。な
お、照射量はそれぞれ10Jであった。照射後1日飼育
を続けた後、腫瘍の壊死の深さを測定した。その結果を
表8に示す。
【0135】
【表26】 表8の結果から本発明の化合物中の吸収波長の長い化合
物による、より深部までの光化学治療の可能性が示され
た。
物による、より深部までの光化学治療の可能性が示され
た。
【0136】
【発明の効果】本発明により従来のポルフィリン系の薬
剤とは全く異なるタイプの薬剤を用いての癌細胞の光化
学治療が可能となった。また、本発明の薬剤の有効成分
として、600〜1000nmの波長範囲に最大吸収波
長範囲を有し、かつ、吸収強度も強いピリリウム系化合
物塩を用いることで、効率のよい治療が可能である。更
に、本発明で用いるピリリウム系化合物塩は生体組織に
対する浸透性も良いので、この点においてもより効率的
な治療が可能となる。また、本発明の光化学治療薬にお
いては、上記の波長範囲の種々の波長に最大波長を設定
することが可能であるので、治療に用いる光源の選択に
も有利である。
剤とは全く異なるタイプの薬剤を用いての癌細胞の光化
学治療が可能となった。また、本発明の薬剤の有効成分
として、600〜1000nmの波長範囲に最大吸収波
長範囲を有し、かつ、吸収強度も強いピリリウム系化合
物塩を用いることで、効率のよい治療が可能である。更
に、本発明で用いるピリリウム系化合物塩は生体組織に
対する浸透性も良いので、この点においてもより効率的
な治療が可能となる。また、本発明の光化学治療薬にお
いては、上記の波長範囲の種々の波長に最大波長を設定
することが可能であるので、治療に用いる光源の選択に
も有利である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 345/00
Claims (19)
- 【請求項1】 下記一般式[I] 【化1】 (上記一般式[I]において、 【化2】 は、複素環を示し、XはO、S、SeまたはTeであ
り、ピリリウム環もしくはピリリウム類似環を示し、 R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
子、スルホネート基、アミノ基、スチリル基、ニトロ
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、置換
もしくは未置換低級アルキル基、置換もしくは未置換ア
リール基、置換もしくは未置換低級アルアルキル基また
は置換もしくは未置換シクロアルキル基を示し、 R3は、−Aまたは−L−Aであり、 Lは、−L1−、−L2−L3−または−L4−L5−L6−
であり、L1〜L6はそれぞれ独立して、−(CH=C
H)−、置換もしくは未置換アリール基から誘導される
2価の基、置換もしくは未置換低級アルキレン基または
−CH=R4−(R4はオキソ基を有する環構造を示す)
を表わし、 Aは、置換もしくは未置換アリール基、−CH=R
5(R5は、置換もしくは未置換複素環、置換もしくは未
置換シクロアルキル基または置換もしくは未置換芳香環
を示す)を表わし、 Xを含むピリリウム環もしくはその類似環のR1、R2、
R3が結合していない炭素原子に結合している水素原子
は、ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、スチリ
ル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シ
アノ基、置換もしくは未置換低級アルキル基、置換もし
くは未置換アリール基または置換もしくは未置換低級ア
ルアルキル基で置換されていても良く、 Y-はアニオンを示す。)で表わされる化合物を有効成
分として含むことを特徴とする光化学治療薬。 - 【請求項2】 R1およびR2がともに置換もしくは未置
換アリール基である、請求項1に記載の光化学治療薬。 - 【請求項3】 Xを含む複素環が、6員環である請求項
1または2に記載の光化学治療薬。 - 【請求項4】 Xを含む複素環の2位と4位が置換もし
くは未置換アリール基で置換され、3位、5位及び6位
のいずれかがR3で置換されている請求項3に記載の光
化学治療薬。 - 【請求項5】 Xを含む複素環の3位と5位が置換もし
くは未置換アリール基で置換され、2位、4位及6位の
いずれかがR3で置換されている請求項3に記載の光化
学治療薬。 - 【請求項6】 Xを含む複素環の2位と6位が置換もし
くは未置換アリール基で置換され、3位、4位及び5位
のいずれかがR3で置換されている請求項3に記載の光
化学治療薬。 - 【請求項7】 少なくとも2以上の置換もしくは未置換
アリール基がXを含むピリリウム環もしくはその類似環
に一つおきに置換されている請求項1〜6のいずれかに
記載の光化学治療薬。 - 【請求項8】 −L−が、下記一般式[II]、[II
I]、[IV]、[V]または[VI]で表わされる基
である請求項1〜7に記載の光化学治療薬。 【化3】 (上記一般式[II]中、Zは水素原子または置換もし
くは未置換低級アルキル基を表し、nは0、1または2
である。) 【化4】 (上記一般式[III]中、nは0、1または2であ
り、Φは置換もしくは未置換o−、m−またはp−フェ
ニレン基を表わす。) 【化5】 (上記一般式[IV]中、Φは置換もしくは未置換o
−、m−またはp−フェニレン基を表わす。) 【化6】 【化7】 - 【請求項9】 一般式[I]で表わされる化合物が、下
記一般式[VII] 【化8】 (上記一般式[VII]中、XはOまたはSを表わし、
Y-はアニオンを表わす)で表わされる化合物である請
求項1に記載の光化学治療薬。 - 【請求項10】 一般式[I]で表わされる化合物が、
下記一般式[VIII] 【化9】 (上記一般式[VII]中、XはOまたはSを表わし、
Y-はアニオンを表わす)で表わされる化合物である請
求項1に記載の光化学治療薬。 - 【請求項11】 Xを含むピリリウム環もしくはその類
似環の置換基に更に親水性基が導入されている請求項1
〜10のいずれかに記載の光化学治療薬。 - 【請求項12】 薬学的に許容される担体を含む請求項
1〜11に記載の光化学治療薬。 - 【請求項13】 薬学的に許容される担体が溶剤である
請求項12に記載の光化学治療薬。 - 【請求項14】 一般式[I]で表わされる化合物を
0.1mg/ml〜10mg/mlの濃度で含む請求項
13に記載の光化学治療薬。 - 【請求項15】 溶剤が生理食塩水である請求項13ま
たは14に記載の光化学治療薬。 - 【請求項16】 溶剤が、水溶性有機溶媒である請求項
13または14に記載の光化学治療薬。 - 【請求項17】 溶剤が、水と水溶性有機溶媒の混合液
を含む請求項13または14に記載の光化学治療薬。 - 【請求項18】 溶剤が、水溶性有機溶媒を5%〜50
容量%含む生理食塩水である請求項17に記載の光化学
治療薬。 - 【請求項19】 水溶性有機溶媒が、ジメチルスルホキ
シドまたはエタノールである請求項16〜18のいずれ
かに記載の光化学治療薬。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6250848A JPH07233065A (ja) | 1993-12-27 | 1994-10-17 | ピリリウム塩又はピリリウム類似塩を含む光化学治療薬 |
| EP94309453A EP0659407B1 (en) | 1993-12-27 | 1994-12-16 | Pharmaceutical compositions containing pyrylium compounds, pyrylium salts and process for manufacturing a medicament containing the aforesaid compounds |
| DE69426865T DE69426865T2 (de) | 1993-12-27 | 1994-12-16 | Pharmazeutische Zusammensetzungen enthaltend Pyryliumverbindungen, Pyryliumsalze und Verfahren zur Herstellung eines Medikaments enthaltend diese Verbindungen |
| SG1996007812A SG55140A1 (en) | 1993-12-27 | 1994-12-16 | Pharmaceutical compositions containing pyrylium compounds pyrylium salts and process for manufacturing a medicament containing the aforesaid compounds |
| DK94309453T DK0659407T3 (da) | 1993-12-27 | 1994-12-16 | Farmaceutiske præparater, der indeholder pyryliumforbindelser, pyryliumsalte og fremgangsmåde til fremstilling af et medika |
| US08/878,125 US6124342A (en) | 1993-12-27 | 1997-06-18 | Pharmaceutical compositions containing pyrylium compounds, pyrylium salts and process for manufacturing a medicament containing the aforesaid compounds |
| US09/343,941 US6242477B1 (en) | 1993-12-27 | 1999-06-30 | Pharmaceutical compositions containing pyrylium compounds, pyrylium salts and process for manufacturing a medicament containing the aforesaid compounds |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33056193 | 1993-12-27 | ||
| JP5-330561 | 1993-12-27 | ||
| JP6250848A JPH07233065A (ja) | 1993-12-27 | 1994-10-17 | ピリリウム塩又はピリリウム類似塩を含む光化学治療薬 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07233065A true JPH07233065A (ja) | 1995-09-05 |
Family
ID=26539943
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6250848A Pending JPH07233065A (ja) | 1993-12-27 | 1994-10-17 | ピリリウム塩又はピリリウム類似塩を含む光化学治療薬 |
Country Status (6)
| Country | Link |
|---|---|
| US (2) | US6124342A (ja) |
| EP (1) | EP0659407B1 (ja) |
| JP (1) | JPH07233065A (ja) |
| DE (1) | DE69426865T2 (ja) |
| DK (1) | DK0659407T3 (ja) |
| SG (1) | SG55140A1 (ja) |
Families Citing this family (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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