JPH07233204A - グラフト、転相および架橋を制御したabsグラフトコポリマー製造用多段塊状プロセス - Google Patents

グラフト、転相および架橋を制御したabsグラフトコポリマー製造用多段塊状プロセス

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JPH07233204A
JPH07233204A JP6300055A JP30005594A JPH07233204A JP H07233204 A JPH07233204 A JP H07233204A JP 6300055 A JP6300055 A JP 6300055A JP 30005594 A JP30005594 A JP 30005594A JP H07233204 A JPH07233204 A JP H07233204A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレンタ
イプの熱可塑性樹脂の連続塊状重合法が提供される。 【構成】 この方法では、ビニリデン芳香族モノマー、
不飽和ビニルニトリルモノマーおよびこれらに溶解して
いる合成ブタジエンポリマーを含む液体供給材料をグラ
フト反応器に装入して液塊を予備的に反応させてグラフ
トされたゴム連続相ポリマー性生成物を形成する。次
に、このグラフト反応器から出た生成物を転相反応器に
装入する。この転相反応器では、モノマー中に溶けた遊
離の剛性コポリマーが唯一の連続相であり、吸蔵された
剛性コポリマーとモノマーを伴うグラフトされたゴムの
分散粒子が、グラフト反応器の生成物から即座に形成さ
れる。次いで、転相反応器から出た第二の重合生成物を
仕上反応器に装入する。この仕上反応器では材料がさら
に重合して第三の重合生成物を形成する。この第三の生
成物はその後揮発分を除去して最終の熱可塑性組成物に
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴムで強化されたコポ
リマーの製造方法に係り、特に、塊状重合によってゴム
状基材上にグラフトされたモノビニリデン芳香族モノマ
ーと不飽和ニトリルモノマーからなるゴム変性グラフト
コポリマーを製造する方法に係る。
【0002】
【従来の技術】スチレンのようなモノビニリデン芳香族
とアクリロニトリルのような不飽和ニトリルを含み、コ
ポリマー性マトリックス全体に渡って分散しているゴム
(通常はアルカジエンゴム)の粒子を有するゴム変性グ
ラフトコポリマー(一般にABS樹脂といわれる)は、
包装、冷蔵庫のライニング、自動車部品、家具、家庭用
品および玩具のような広範囲の商業用途に用いられてい
る。よく知られているように、室温と低温の両方におけ
るABS樹脂の物理的性質、たとえば靭性(すなわち、
伸びと衝撃強さの組み合わせ)は、ゴム基材にグラフト
したスチレン‐アクリロニトリルコポリマーの影響を受
け、また分散したゴム粒子の粒径、組成および形態(ま
たは形態学)および/またはゴムで強化されたコポリマ
ー中のゴム基材の濃度の影響を受ける。たとえば、多く
の用途で必要とされる物理的性質のバランスを達成する
には、ゴム粒子をコポリマーマトリックス全体に通常
0.5〜5ミクロンの相対粒径で分散させなければなら
ず、すると一般に、ゴム粒径が平均粒度として少なくと
も0.4ミクロン、より一般的には0.5ミクロンより
大きいため低光沢の製品となる。
【0003】いろいろな塊状ABS重合法の中によく知
られている製造法が2つある。ひとつはマルチゾーン連
続プラグ流れプロセスであり、もうひとつは塊状/懸濁
法である。このマルチゾーンプラグ流れ塊状HIPS/
ABSプロセスは、初期には米国特許第2,646,4
18号、第2,694,692号、第2,727,88
4号および第3,243,481号に、またその後他の
多くの特許、たとえば米国特許第4,874,815
号、第4,785,051号、第4,713,420
号、第4,640,959号、第4,612,348
号、第4,387,179号、第4,315,083
号、第4,254,236号、第4,417,030
号、第4,277,574号、第4,252,911
号、第4,239,863号、第4,221,883
号、第4,187,260号、第3,660,535
号、第3,243,481号に記載されている。以上の
特許はすべて引用により本明細書に含まれているものと
する。
【0004】マルチゾーンプラグ流れ塊状プロセスは、
互いに連続して連結されて複数の反応ゾーンを提供する
一連の重合容器(または塔)を含んでいる。ブタジエン
(BD)ゴム(立体規則性)をスチレン(ST)または
スチレン/アクリロニトリル(ST/AN)に溶解した
後、そのゴム溶液を反応系に供給する。重合は熱的にも
化学的にも開始することができ、反応混合物の粘度は次
第に上昇する。反応の進行中ゴムはST/ANポリマー
でグラフトされ(グラフト化SAN)、ゴム溶液中では
塊状のSAN(遊離SANまたはマトリックスSANま
たは非グラフト化SANともいう)も形成される。遊離
のSAN(すなわち非グラフト化SAN)をゴム溶液の
単一の連続「相」内に「保持」することができなくなる
と時点で、SAN相のドメインが形成され始める。する
と、重合混合物は二相系になる。重合が進行するにつれ
て、より多くの遊離SANが形成され、この成長し続け
る遊離SANのマトリックス中にゴム相自体が粒子(ゴ
ム領域)として分散し始める。最終的にはこの遊離SA
Nが連続相になる。これは実際、油中油型乳濁系の形成
である。マトリックスSANもいくらかはゴム粒子の内
部に吸蔵される。この段階は通常転相といわれている。
プレ転相とは、ゴムが連続相であり、ゴム粒子が形成さ
れていないことを意味し、ポスト転相とは、実際上すべ
てのゴム相がゴム粒子に変換され、連続したSAN相が
あることを意味している。転相後、より多くのマトリッ
クスSAN(遊離SAN)が形成され、おそらくゴム粒
子はより多くのグラフト化SANを獲得する。望ましい
モノマー変換率レベルと所望の分子量分布のマトリック
スSANが得られたら、それ以前の重合温度より高い温
度で反応混合物を「クッキング(熱処理)」する。最後
に、揮発性残渣を除去した後ペレタイザーから塊状のA
BSペレットを得る。
【0005】塊状/懸濁法については、米国特許第3,
509,237号、第4,141,933号、第4,2
12,789号、第4,298,716号にこれらのプ
ロセスが記載されている。ゴム基材のモノマー溶液を反
応器に仕込み、重合を実施して、転相が生起する所与の
固形分レベルを得る。転相後重合混合物を反応器に移
し、水/懸濁剤/界面活性剤と混合する。その後この懸
濁系で重合を完了する。
【0006】さらに、米国特許第3,511,895号
には、「三段階」反応器系を使用して押出しグレードの
ABSポリマーについて制御可能な分子量分布とミクロ
ゲル粒度が得られる連続塊状ABSプロセスが記載され
ている。第一の反応器では、激しく掻き混ぜながらゴム
溶液を反応混合物中に装入して、架橋が認められる前に
離散したゴム粒子を反応器中の塊全体に渡って均一に沈
殿させる。第一、第二および第三の反応器の固形分レベ
ルは、分子量が望ましい範囲内に入るように注意して制
御する。
【0007】連続攪拌タンク型反応器を使用する連続塊
状重合法は、耐衝撃性の変性ポリスチレンの製造に使わ
れている。たとえば、第一のステップが連続攪拌タンク
型反応器であり、第二のステップが連続攪拌タンク型反
応器であり、第三のステップがプラグ流れ型反応器であ
る3つの反応ステップを含む方法がある。このような系
では、第一の連続攪拌タンク型反応器にスチレンモノマ
ーとその中に溶けたポリブタジエンポリマーを仕込み、
スチレンモノマーとポリブタジエンポリマーを転相が起
こるまで充分に反応させる。転相時にはばらばらの粒子
のゴム相がポリスチレンとスチレンモノマーの第二の相
から分離して来る。次いで、この転相した生成物を第二
の連続攪拌タンク型反応器に仕込んでモノマー変換をさ
らに進行させた後、この第二の連続攪拌タンク型反応器
から出た生成物をプラグ流れ型反応器内で反応させて最
終的な変換を起こさせる。連続攪拌タンク型反応器は反
応器内の温度と熱伝達を制御する能力に優れているため
これをABSタイプのグラフトコポリマーの塊状重合に
使用することが望まれている。しかし、本出願人の発見
したところでは、転相が生起する連続攪拌タンク型反応
器を使った第一の工程を使用すると、ゴムの均一なグラ
フト化が起こらず、ゴムへの高レベルのグラフトが達成
される前にゴム粒子の望ましくない沈殿が起こってしま
うのである。グラフト化が不十分であると衝撃強さが低
下するといったように製品の性能が劣ることになる。
【0008】さらに、いろいろなABS製造プロセスで
得られる最終ABS製品の性質は異なっている。そのよ
うな性質のひとつは最終製品の表面光沢であり、種々の
光沢要件を満たすABS材料を製造する技術開発はAB
S産業でいまだに存在する課題である。ABS製品の光
沢は、部分的には、その製品を製造する際の成形条件に
基づいている。しかし、所与の成形条件に対しては、A
BS材料のゴム粒度(直径)が光沢に関係する主因であ
る。一般に(常にではないが)、乳濁法で得られるAB
S材料は製造されるゴム粒子の粒径が小さい(約0.0
5〜約0.3ミクロン)。したがって、高光沢の製品は
乳濁ABS材料から製造されることが多い。一方、塊状
法で得られるABS材料は通常形成されるゴム粒子の粒
径が大きい(約0.5〜5ミクロン)。したがって、低
光沢製品は塊状ABS材料を用いて製造することが多
い。塊状法を用いて小さい粒子を製造することは可能で
あるが、光沢と衝撃強さのバランスをとるのは困難であ
る。
【0009】乳濁ABS材料と塊状ABS材料で得られ
る利点を組み合わせて光沢と衝撃強さのバランスを良く
するために、これら2つのタイプのABS材料をいろい
ろな割合でブレンドして、モードが2つある粒度分布を
得ている。たとえば、米国特許第3,509,237号
と第4,713,420号にはこの種の技術が示されて
おり、高い表面光沢と良好な衝撃強さが達成されてい
る。
【0010】また、米国特許第4,254,236号に
記載されているように、モードが2つある粒度分布を有
し光沢値の読みが80〜99%になるABS材料が、塊
状法によって直接得られた。この種の塊状ABSを作る
ために2つの供給流を同時に反応系に装入した。一方の
供給流は、ゴム基材、モノマーおよびこれらモノマーか
らなる上層部(マトリックスポリマー)を含有する混合
物であり、他方はゴム基材のモノマー溶液である。別の
米国特許第3,511,895号には、反応混合物中に
ポリマー性ブタジエンゴムを分散させばらばらの液滴と
して沈殿させることによってゴム粒子を形成して、高光
沢の塊状ABSを得る塊状法が記載されている。このよ
うなプロセス条件ではゴム粒子の望ましい「セル」形態
がほとんど得られず、その結果衝撃強さが低くなった。
さらに別の米国特許第4,421,895号には、塊状
ABSの比較的小さい粒径(平均で0.5〜0.7ミク
ロン)のゴム粒子を得る連続法が記載されている。しか
し、これらの平均粒度は塊状ABS材料にとって珍しく
なく、高光沢性能に寄与するのに充分な程小さくはな
い。しかしながら、欧州特許出願公開第0376232
A2号に記載されているように、転相後に粒子分散機を
使用して塊状法でより小さい粒径のゴム粒子を製造する
努力が払われている。平均の粒度は体積平均直径で0.
4ミクロンまで下げることができた。しかし、個別の光
沢値は89%であり、これは通常の塊状ABSの「低」
光沢範囲の上限であるに過ぎない。
【0011】総体的には、上記した現在の技術では、モ
ードが1つの粒度分布を有し平均粒度が数平均直径で
0.3ミクロン未満である「セル」形態のゴム粒子のA
BS材料を、耐衝撃性に影響することなく塊状法のみで
製造することは不可能である。高性能のABSポリマー
を塊状法で合成するには多くの要件の中で以下の3つが
重要である。すなわち、転相前のゴム基材のグラフト
化、転相中の粒子の形成、および塊状ABS重合の完了
点におけるゴム粒子の架橋である。しかし、上記の塊状
ABSプロセスはグラフト化、転相および架橋の制御・
調節という点で多かれ少なかれ充分ではない。したがっ
て、所望のゴム形態を得ると共にグラフト化を最大限に
することにより所与の特性性能のレベルに対してゴムの
使用量を最小限にする連続塊状重合法を提供することが
望まれている。また、低光沢または高光沢のABS樹脂
を製造することができる塊状プロセスを提供することが
望まれている。
【0012】
【発明の概要】本発明により、プラグ流れ型グラフト反
応器内でビニリデン芳香族モノマー、不飽和ニトリルモ
ノマーおよびゴム状合成ブタジエンポリマーを含む液体
供給材料組成物を転相が生起する前の時点まで反応さ
せ、そこから得られる第一の重合生成物を連続攪拌タン
ク型反応器内で反応させて転相した第二の重合生成物を
得、次いでこれを仕上反応器内でさらに反応させた後揮
発分を除去して所望の最終生成物を得ることができる多
段塊状法が提供される。本方法によると、セル状であ
り、高光沢と高い衝撃強さを合わせて示し得るゴム形態
を有する高光沢の塊状製品の製造が可能である。
【0013】
【発明の詳細な開示】理論的にいって、ゴム転相が起こ
り始めるのは、塊状重合溶液が、遊離SAN相の容積と
グラフトされたゴム相の容積とが等しい点(等相容積
点)に達した時である。この時点では、連続した遊離S
AN相の生成(または分散した遊離SAN相の消失)と
分散したグラフト化ゴム相の生成(または連続したグラ
フト化ゴム相の消失)とが平衡している。しかし、実際
問題として、この平衡を、グラフトされたゴム相を分散
相に反転させる方向に押しやる駆動力は、遊離のSAN
の相容積を増大させる遊離SAN重合である。現在の塊
状ABSプロセスはほとんどすべて、ゴムがSANポリ
マーで充分にグラフトされるならば、塊状形態(セル形
態)のゴム粒子を得るためにこの期間を経なければなら
ない。
【0014】逆に、本発明の方法では転相のためにこの
「平衡」期間は必要ないし、出現しない。溶解したゴム
はまず最初にグラフト反応器内でグラフト化が実際上最
大レベルに達するのに十分な時間処理される。次いで、
このグラフトされたゴムの溶液は重合溶液に移される
が、この重合溶液中に存在する連続相は遊離SANのモ
ノマー溶液である。充分な攪拌の下、「セル」形態のゴ
ム粒子が連続した遊離SAN相内で生成し始める。言い
換えると、本発明によって、グラフトされたゴムの転相
を等相容積点をはるかに越える時点で実施する新しい技
術が開発されたのである。したがって、グラフト反応器
内でグラフトしたSANの分子量を変えることによっ
て、また存在する遊離SAN連続相内に存在する遊離S
ANの分子量を変えることによって、ゴムの粒度分布を
変更し制御することができる。そこで本発明によると、
ゴムの粒度を自由に制御して、低光沢用の大きい粒度分
布の塊状ABSと高光沢用の小さい粒度分布の塊状AB
Sの両方をいずれも良好な衝撃特性をもたせて製造する
ことができる。従来の低光沢塊状ABSプロセスでは、
衝撃特性を損なわないでこのような自由度を達成するこ
とはほとんど不可能である。すなわち本発明には、従来
の塊状ABSプロセスと比較して、ゴム粒子生成制御技
術の点で根本的な違いがある。
【0015】本発明は、ゴムで変性されたグラフトコポ
リマーとグラフトされてない(非グラフト化)剛性ポリ
マー(遊離の剛性ポリマーともいう)を含む熱可塑性ポ
リマー組成物を製造するための連続塊状重合法(塊重合
プロセスともいう)に係わる。その生成物は、低光沢特
性に対応する粒度をもたせることもできるし、あるいは
高光沢特性に対応する小さい粒度をもたせることもでき
る。好ましいひとつの生成物は、0.3ミクロン未満の
数平均粒度、モードがひとつの粒度分布、および「セ
ル」形態の粒子を有しており、高い光沢、高い耐衝撃特
性を示す。この「セル」形態は、球の内部空間に充填さ
れた剛性ポリマー(SAN)を吸蔵している球面のゴム
膜網状組織とも説明できる。また、この「セル」形態で
は、グラフト化剛性ポリマー(SAN)はゴム膜の両
側、すなわちゴム粒子の外部と内部の両方でグラフトさ
れる。本発明の方法では、ビニル芳香族モノマー、不飽
和ニトリルモノマー、およびこれらに溶けている合成ブ
タジエンポリマーを含む液体供給材料をグラフト反応器
に供給して、ジエンポリマーにグラフトしたグラフトビ
ニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマーを生成させる。
このグラフト化ビニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマ
ーの量と平均分子量は調節・制御することができる。ま
た、同じ反応条件下では、グラフト化ビニル芳香族‐不
飽和ニトリルコポリマーの分子量と同程度の分子量を有
する非グラフト化ビニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリ
マーもグラフト反応器内で形成される。グラフト反応器
はプラグ流れ型の反応器が好ましい。さらに、この段階
で転相が起こらないように反応条件を設定する。このグ
ラフト反応器では、この段階でのモノマー変換率が供給
材料中のモノマーの合計重量に対して5〜25重量%の
レベルである第一の重合生成物が生成する。この第一の
重合生成物をグラフト反応器から連続的に取り出し、転
相反応器に連続的に装入する。この転相反応器は連続攪
拌タンク型反応器が好ましい。ここで転相が起こって、
モノマー変換率がもともとの液体供給材料中のモノマー
の合計重量に対して10〜60重量%のレベルである転
相した第二の重合生成物が得られる。転相は、グラフト
反応器から入って来る第一重合生成物が転相反応器内で
反応塊と混合されると生起し始める。第二の重合生成物
を転相反応器から連続的に取り出し、好ましくは沸騰タ
イプのプラグ流れ型反応器である仕上げ反応器に連続的
に装入する。ここでは、モノマー変換率が液体供給材料
中のモノマーの合計重量に対して70〜95重量%のレ
ベルである第三の重合生成物が生成する。次いで、この
第三の重合生成物を連続的に取り出し、揮発分除去器に
連続的に装入して揮発性物質を除去し、所望の熱可塑性
組成物を得る。本方法では、連続攪拌タンク型反応器を
使用して温度を制御すると共に転相中の熱伝達を制御す
ることが可能であるが、高いグラフト効率を達成するた
めに転相前に別の反応器を使用して高レベルのグラフト
化を達成することも可能である。
【0016】本発明によって提供される塊状重合法で
は、対応するそれぞれの段階で上に述べた対象に対して
期待される化学が生起し得、高性能の生成物が得られ
る。また本発明により、種々のグレードのゴム変性グラ
フトコポリマーの融通性のある(フレキシブルな)製造
法も提供される。製造される物は通常透明ではなく、一
般に不透明である。しかし、この物の不透明度はほとん
どの場合乳濁ABSの不透明度より相対的に低い。本発
明は低光沢と高光沢のABS材料の新規な塊状プロセス
技術を提供する。本方法による好ましい製品のひとつで
は、数平均直径が0.3ミクロン未満という小さい粒度
とモードがひとつの粒度分布とを有する「セル」形態の
ゴム粒子を製造することによって、高光沢で耐衝撃性の
高いABSを得ることができる。すなわち、本発明によ
って、乳濁粒子の粒径に近い大きさをもちビニル芳香族
‐不飽和ニトリル(SAN)ポリマーが十分にグラフト
され吸蔵されているゴム粒子を塊状プロセスで製造し、
したがって塊状ビニル芳香族‐不飽和ニトリル‐アルカ
ジエン(ABS)材料に対し高い表面光沢と良好な耐衝
撃性を得る技術が提供される。
【0017】一般に(しかし重要なことに)、本発明に
よると、広範囲に変化する光沢と良好な耐衝撃性バラン
スをもった塊状ABSを製造する際に望まれるように広
い範囲内で粒度を制御する技術が提供される。本発明
は、モノビニリデン芳香族モノマー、不飽和ニトリルモ
ノマー、および任意成分として場合によって含まれる1
種以上の他のコモノマーからなるゴムで変性されたグラ
フトコポリマーを含む熱可塑性ポリマー組成物を製造す
るための(図1に概略を示したような)連続塊状重合プ
ロセスを含む。モノビニリデン芳香族モノマー、不飽和
ニトリルモノマー、およびこれらの中に溶けているゴム
状ブタジエンポリマー、ならびに場合によって含まれる
任意の溶媒からなる液体供給材料組成物(12)をグラ
フト反応器(14)に仕込む。この反応器では、液体供
給材料の反応成分が重合して、ブタジエンポリマー上に
グラフトしたビニル芳香族‐不飽和ニトリルからなるグ
ラフトされたブタジエンポリマーと、グラフトしてない
(すなわち、遊離またはマトリックスの)ビニル芳香族
‐不飽和ニトリルコポリマーとを含む第一の重合生成物
(16)が生成する。グラフトされたブタジエンポリマ
ーとグラフトしてないポリマーは未反応モノマーの溶液
になっており(グラフトされたブタジエンポリマーが連
続相である)、モノマー変換率のレベルは液体供給材料
組成物中のモノマーの合計重量に対して5〜25重量
%、好ましくは6〜20重量%、最も好ましくは7〜1
5重量%である。グラフト反応器の生成物(16)(第
一の重合生成物(16)ともいう)を、次に転相反応器
(18)に仕込む。これは連続攪拌タンク型反応器(1
8)が好ましい。この反応器は、転相を経ておりモノビ
ニリデン芳香族モノマー、不飽和ニトリルモノマーおよ
びこれらの非グラフト化コポリマーからなる第一の連続
相と、ブタジエンポリマー上にグラフトしたモノビニリ
デン芳香族‐不飽和ニトリルコポリマーを有するグラフ
トコポリマーの離散した粒子からなる第二の分散相とを
含有する反応塊(20)を収容している。この転相反応
器(18)から出る生成物は第二の重合生成物(22)
である。この生成物は転相を受けており、モノマー変換
率レベルは液体供給材料組成物中のモノマーの合計重量
に対して10〜60重量%、好ましくは20〜55重量
%、最も好ましくは30〜45重量%である。この転相
反応器(18)から出た第二の重合生成物(22)を、
次に仕上反応器(24)に仕込む。この反応器は沸騰型
プラグ流れ反応器(24)が好ましい。ここで重合が続
き、この仕上反応器(24)から出る生成物(26)の
モノマー変換率レベルが液体供給材料中のモノマーの合
計重量に対して70〜95重量%、好ましくは80〜9
5重量%、最も好ましくは85〜90重量%になるまで
重合が進行する。この仕上反応器(24)から出た生成
物(26)(第三の重合生成物(26)という)は、そ
の後揮発分除去器(28)に仕込むことができ、ここ
で、残留しているモノマー(30)と残留している溶媒
(30)を除去して最終的な不揮発性の熱可塑性ポリマ
ー組成物(32)を生成させることができる。モノマー
変換率は、固形分に変換されたモノマーの、液体供給材
料組成物中のモノマーの合計重量を基準にした重量パー
セントと定義され、未反応モノマーを定量的に気化させ
ることで測定し、(総固形分重量−初期ゴム重量)を供
給材料中のモノマーの初期重量で除算して計算できる。
【0018】グラフト反応器(14)では、ブタジエン
ポリマー基材が、望ましい量のモノビニル芳香族‐不飽
和ニトリルコポリマーグラフト部分をもってグラフトさ
れる上、望ましい分子量をもつ。グラフト反応器(1
4)(これはプラグ流れ型反応器(14)が好ましい)
内で転相が起こる前の時点までグラフトさせることによ
って、グラフトされなかったゴム粒子やグラフト化の低
いゴム粒子の望ましくない沈殿やゴムのゲル形成が起こ
らなくなる。さらに、グラフト反応器(14)内で生成
する非グラフト化モノビニル芳香族‐不飽和ニトリルコ
ポリマー(SAN)も、グラフトされたブタジエンポリ
マーのビニル芳香族‐不飽和ニトリルグラフト部分の分
子量と「同程度の」分子量をもっている。グラフト反応
器(14)内の反応は開始剤によって制御され、非グラ
フト化モノビニル芳香族‐不飽和ニトリル(好ましくは
スチレン‐アクリロニトリル)コポリマーの生成速度に
比較して、グラフトされたブタジエンポリマーのグラフ
ト部分を形成するモノビニル芳香族‐不飽和ニトリルコ
ポリマー(好ましくはスチレン‐アクリロニトリルコポ
リマー)の生成速度の方が優先的に速くなる。最後に、
グラフト反応器(14)から得られる第一の重合生成物
(16)の全体としての粘度は、グラフト反応器の生成
物の分子量分析と転相反応器の生成物の分子量分析によ
って立証されるように、転相反応器(18)内の反応塊
(20)の粘度に極めて近いと期待される。低光沢の製
品を製造する場合グラフト反応器の生成物の望ましい重
量平均分子量は、グラフトしたおよびしてないいずれの
ビニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマーについても約
150,000〜250,000の範囲である。転相反
応器の生成物として望ましい重量平均分子量はグラフト
してないビニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマーに関
して約100,000〜200,000の範囲である。
高光沢の製品を製造する場合グラフト反応器の生成物と
して望ましい重量平均分子量はグラフトしたおよびグラ
フトしてないいずれのビニル芳香族‐不飽和ニトリルコ
ポリマーについても約200,000〜350,000
の範囲である。転相反応器の生成物の望ましい重量平均
分子量はグラフトしていないビニル芳香族‐不飽和ニト
リルコポリマーに対して約150,000〜200,0
00の範囲である。上記のように分子量を制御すると、
グラフトされたゴムの転相による望ましい粒径のゴム粒
子の生成が転相反応器内で急速に起こるが、即時または
瞬時に起こるわけではない。
【0019】連続攪拌タンク型反応器(18)の形態の
転相反応器(18)を用いると、転相が生起しゴム粒子
が形成される反応条件に関して、転相の間プラグ流れ型
反応器を用いて達成される均一性よりも高い均一性が得
られる。理論的にいって、転相反応器では、入って来る
グラフト化ゴム連続相が転相段階を経て、連続した非グ
ラフト化ビニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマー相
(これはゴムの転相の前に形成されている)内で「セ
ル」形態の分散したゴム粒子が形成されるような作動条
件が提供される。グラフト反応器(14)内の反応は開
始剤によって制御され、非グラフト化スチレン‐アクリ
ロニトリルコポリマーの生成速度と比較して、グラフト
されたブタジエンポリマーのグラフトビニリデン芳香族
‐不飽和ニトリルポリマー部分の生成速度の方が優先的
に速くなる。転相反応器(18)内で作用する反応機構
は熱的または化学的開始機構であることができる。それ
によると、グラフト反応器(14)内で生成した非グラ
フト化ビニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマーの分子
量よりも低い分子量のものが生成し、その結果グラフト
反応器(14)の第一の重合生成物(16)と転相反応
器(18)内の反応塊(20)との粘度が一致するよう
になる。転相反応器(18)の重合温度は120〜15
0℃が好ましい。ゴム状の合成ブタジエンポリマーはブ
タジエンホモポリマーまたはスチレン‐ブタジエンブロ
ックコポリマーとすることができる。スチレン‐ブタジ
エンブロックコポリマーの場合、このブロックコポリマ
ーが示し得る利点のひとつは、ポリスチレンブロックが
開始剤に対する「貯蔵」機構として働くことができ、そ
のためブロックコポリマーにグラフトさせるグラフト反
応器内での反応速度がブタジエンホモポリマーの場合よ
り大きくなり得るということである。さらに、高光沢A
BS用に小さい粒径のゴム粒子を製造するためにはグラ
フト反応器内で達成しなければならない追加の重要な条
件がある。すなわち、前に述べたように、グラフト反応
器で形成する非グラフト化モノビニル芳香族‐不飽和ニ
トリルコポリマーの重量平均分子量は、第二重合生成物
の場合より第一重合生成物の方が実質的に高くなければ
ならないのである。
【0020】本方法で使用することができるビニリデン
芳香族モノマーの例は、スチレン、α‐アルキルモノビ
ニルモノ芳香族化合物(たとえば、α‐メチルスチレ
ン、α‐エチルスチレン、α‐メチルビニルトルエンな
ど)、環が置換されたアルキルスチレン(たとえば、ビ
ニルトルエン、o‐エチルスチレン、p‐エチルスチレ
ン、2,4‐ジメチルスチレンなど)、環が置換された
ハロスチレン(たとえば、o‐クロロスチレン、p‐ク
ロロスチレン、o‐ブロモスチレン、2,4‐ジクロロ
スチレンなど)、環がアルキルとハロで置換されたスチ
レン(たとえば、2‐クロロ‐4‐メチルスチレン、
2,6‐ジクロロ‐4‐メチルスチレンなど)である。
所望であれば、このようなビニリデン芳香族モノマーの
混合物を使用してもよい。
【0021】ビニルデン芳香族モノマーは、少なくとも
1種の不飽和ニトリルモノマー(アルケニルニトリルモ
ノマーともいう)、たとえばアクリロニトリル、メタク
リロニトリルおよびエタクリロニトリルと組み合わせて
使用する。液体供給材料組成物の全重量を基準にして5
0〜90重量%のモノビニリデン芳香族モノマー(好ま
しくはスチレン)、8〜48重量%の不飽和ニトリルモ
ノマー(好ましくはアクリロニトリル)を含み、これら
に溶けている2〜15重量%のブタジエンポリマーを有
する液体供給材料組成物(12)は本方法で連続的に塊
状重合することができ、ビニリデン芳香族‐ブタジエン
‐不飽和ニトリルグラフトコポリマーと非グラフト化ビ
ニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマーとのポリブレン
ドが得られる。このようなポリブレンドは、モノビニリ
デン芳香族モノマーと不飽和ニトリルモノマーとを重量
で約90:10〜50:50、好ましくは80:20〜
70:30の重量比で含有する液体供給材料組成物から
形成することができる。重合するモノマーに加えて組成
物は、必要に応じて開始剤と、その他所望の成分(たと
えば、連鎖移動剤または分子量調節剤、安定剤など)を
含有することができる。
【0022】重合は熱的モノマー性のフリーラジカルで
開始させることができるが、本発明を実施する際にはい
かなるフリーラジカル発生開始剤も使用できる。従来の
モノマー可溶性有機過酸化物系開始剤、たとえばペルオ
キシジカーボネート、ペルオキシエステル、ジアシルペ
ルオキシド、モノペルオキシカーボネート、ペルオキシ
ケタールおよびジアルキルペルオキシド、またはアゾ系
開始剤が使用できる。
【0023】一般に開始剤は、主として存在するモノマ
ーに応じて、液体供給材料組成物の0.001〜0.5
重量%の範囲内、好ましくは0.005〜0.7重量%
程度で含ませる。よく知られているように、α‐メチル
スチレンダイマー、メルカプタン、ハライドおよびテル
ペンのような分子量調節剤を比較的少量で、すなわち液
体供給材料組成物の0.001〜1.0重量%程度配合
するのが望ましいことが多い。また、高い変換率で粘度
を制御すると共に多少分子量調節もするために、エチル
ベンゼン、トルエン、エチルキシレン、ジエチルベンゼ
ンまたはベンゼンのような希釈剤を2〜20%液体供給
材料組成物に含ませてもよい。さらにまた、常用のアル
キル化フェノールのような酸化防止剤または安定剤を比
較的少量含ませるのが望ましいこともある。また、これ
らの安定剤は重合中またはその後に添加してもよい。液
体供給材料組成物はまた、適切かつ分散可能な可塑剤、
潤滑剤、着色剤および非反応性予備形成ポリマー性材料
のような他の添加剤も含有することができる。
【0024】好ましい合成ゴム状ジエンポリマーは供給
材料組成物のモノマーに溶解することができるブタジエ
ンポリマー(ブタジエンポリマーの混合物も含む)、す
なわち、1種以上の共役1,3‐ジエン、たとえばブタ
ジエン、イソプレン、2‐クロロ‐1,3‐ブタジエ
ン、1‐クロロ‐1,3‐ブタジエン、ピペリレンなど
の任意のゴム状ジエンポリマー(ASTM試験法D−7
46−52Tで測定した二次転移温度が0℃以下、好ま
しくは−20℃以下であるゴム状ポリマー)である。そ
のようなジエンポリマーとしては、共役1,3‐ジエン
と、等重量までの1種以上の共重合可能なモノエチレン
性不飽和モノマー、たとえば、モノビニリデン芳香族モ
ノマー(たとえば、スチレン、アルキルスチレン、たと
えばo‐、m‐およびp‐メチルスチレン、2,4‐ジ
メチルスチレン、エチルスチレン、p‐tert‐ブチ
ルスチレンなど、α‐メチルスチレン、α‐エチルスチ
レン、α‐メチル‐p‐メチルスチレンなど、ビニルナ
フタレン、など)、アリールハロモノビニリデン芳香族
モノマー(たとえば、o‐、m‐およびp‐クロロスチ
レン、2,4‐ジブロモスチレン、2‐メチル‐4‐ク
ロロスチレンなど)、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリル酸アルキル(たとえば、アクリル酸メ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2‐エチルヘキシ
ルなど)、対応するメタクリル酸アルキル、アクリルア
ミド類(たとえば、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N‐ブチルアクリルアミドなど)、不飽和ケトン
(たとえば、ビニルメチルケトン、メチルイソプロピル
ケトンなど)、α‐オレフィン(たとえば、エチレン、
プロピレンなど)、ピリジン類、ビニルエステル(たと
えば、酢酸ビニル、ステアリン酸ビニルなど)、ハロゲ
ン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデン(たとえば、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデ
ンなど)、などとのコポリマーとブロックコポリマーが
ある。ジエンポリマーはまた上記共重合可能なモノマー
を含まなくてもよい。
【0025】このジエンポリマーが架橋されているとゴ
ムをグラフト重合反応用のモノマーに溶解する際に問題
を生じ得る。したがって、供給材料組成物中のジエンポ
リマーは架橋してない線状のポリマーが好ましい。ジエ
ンポリマーの好ましい一群は、1,3‐ブタジエンの重
合によって生成する立体規則性ポリブタジエンポリマー
である。これらのゴムはシス異性体含量がゴムの全重量
に対して30〜98重量%、トランス異性体含量が70
〜2%であり、通常は1,4‐付加によって生成するポ
リブタジエンが少なくとも約85%で1,2‐付加が約
15%以下である。ジエンポリマーのムーニー(Mooney)
粘度(ML−4,212°F)は約20から70までの
範囲であることができ、一方ASTM試験法D−746
−52Tで測定した二次転移温度は約−50℃から−1
05℃までである。最も好ましいジエンポリマーはスチ
レン‐ブタジエンブロックコポリマーとブタジエンホモ
ポリマーである。
【0026】本明細書中でプロセスの第一段階、第二段
階、第三段階というときは、それぞれグラフト反応器
(14)、転相反応器(18)、仕上反応器(24)を
指すものとする。詳細には、本プロセスの第一段階はゴ
ムのグラフト化用反応器(14)、好ましくはプラグ流
れ型反応器(14)であり、ここではビニリデン芳香族
モノマーおよび不飽和ニトリルモノマー(好ましくはア
クリロニトリルモノマーとスチレンモノマー)に溶解し
たブタジエンポリマー(たとえば、ジブロックスチレン
/ブタジエンポリマー)ならびに架橋抑制剤および分子
量調節剤(たとえばα‐メチルスチレンダイマー)およ
び禁止剤(たとえばペルオキシエステル)を含有するエ
チルベンゼン希釈剤からなる液体供給材料組成物(1
2)が重合を開始する。この反応はまた熱的に開始させ
ることもできる。アルキルチオール/アリールチオール
のような連鎖移動剤を使用してもよい。その他の非チオ
ール型連鎖移動剤も使用できる。
【0027】グラフト反応器(14)での反応条件は注
意深く制御して、供給材料組成物中のスチレンモノマー
とアクリロニトリルモノマーがグラフト反応してジエン
ポリマーにグラフトしたスチレン‐アクリロニトリルコ
ポリマーグラフト部分を生成する反応が速度論的に優先
的に起こるようにする。その間、そのグラフト反応器
(14)内での反応中ジエンポリマーからゴムのゲルま
たはゴムの沈殿を生じる架橋反応ができるだけ起こらな
いようにする。一方、液体供給材料組成物(12)のモ
ノマー(スチレンとアクリロニトリル)が共重合して非
グラフト化スチレン‐アクリロニトリルコポリマー(遊
離のSANともいう)を生成する反応速度は所与の反応
条件下で遅くなる。したがって、反応したモノマーのう
ち比較的少ない部分が非グラフト化SANポリマーにな
る。すなわち、プレ転相グラフト反応器(14)(好ま
しくはプラグ流れ反応器(14))を使用することによ
って全体として高いグラフト効率とグラフト収率を達成
することができる。
【0028】本プロセスのこの第一段階(14)でグラ
フトされたジエンポリマーはまだ連続した液相中に溶解
しているが、非グラフト化ビニル芳香族‐不飽和ニトリ
ルポリマーはジエンゴム溶液中で小さい非グラフト化ビ
ニル芳香族‐不飽和ニトリルポリマー領域として存在す
る。この第一段階(グラフト反応器)では転相そしてゴ
ム粒子の生成が起こらないように制御する。液体供給材
料組成物(12)はグラフト反応器(14)(第一段
階)に連続的に供給され、一方第一の重合生成物(1
6)はグラフトされたジエンポリマー溶液としてグラフ
ト反応器(14)から連続的にポンプで取り出されて転
相反応器(18)(本プロセスの第二段階)に送られ
る。グラフト反応器(14)(第一段階)の温度は約8
0〜120℃が好ましく、(モーター(36)によって
駆動される攪拌機(34)による)攪拌は30〜150
rpmの範囲が好ましい。グラフト反応器(14)内の
滞留時間は0.5〜10時間が好ましい。
【0029】本発明による反応条件では、グラフト反応
器中で非グラフト化ビニル芳香族‐不飽和ニトリルポリ
マー(非グラフト化SANポリマー)よりグラフトした
ビニル芳香族‐不飽和ニトリル(グラフトコポリマーの
グラフト化SANポリマー部分)がはるかに優先的に生
成する。しかし、グラフト反応器内の滞留時間が長くな
るにつれてグラフトしたSANの量の増大率は次第に低
下して最終的にはゼロに近づく。一方、ビニル芳香族モ
ノマーと不飽和ニトリルモノマーは大量に存在するため
グラフト反応器中の非グラフト化SANポリマーの量は
次第に増え続ける。しかし、グラフト反応器(14)で
はこの非グラフト化SANポリマーを生成する反応は好
ましくないので制御しなければならない。グラフトした
SANポリマー部分の合計量が非グラフト化SANポリ
マーの合計量に等しく、かつグラフト効率が正確に50
重量%でこの時点でのそれぞれのグラフト収率が実際上
最大のレベルに達すると期待され、そして前にも述べた
通りこの時点より後のグラフト収率がほとんど上昇しな
い時点が存在し得るであろう。この点を「クロスポイン
ト」といい、この時点を越えるとグラフト効率がもはや
増大することはなくて逆に低下し、グラフト収率はこの
時点から以後ほとんど変化しない。
【0030】したがって、グラフト反応器(14)中で
グラフトしたSANポリマー部分と非グラフト化SAN
ポリマーを生成する重合条件はこの「クロスポイント」
に極めて近接して作動するように設定するのが好まし
い。理論的にいってこの反応器でのグラフト効率は約5
0重量%に近く、最高のグラフト収率が達成される。グ
ラフト反応器(14)内での重合は、転相が起こらない
総固形分レベルまで実施する。
【0031】グラフト反応器(14)はプラグ流れ型反
応器(14)が好ましく、反応器の大きさは所望の操作
速度で滞留時間が好ましくは2〜3時間となるような大
きさである。プラグ流れ型グラフト反応器(14)は、
反応器の底(40)にある供給材料入口(38)からグ
ラフト反応器(14)の頂部(44)にある出口(4
2)へ向かう垂直の流れに満たされた液体充満状態で作
動する。グラフト反応器(14)全体で所望の温度分布
を制御するために別々の異なる温度制御ゾーンがあるの
が好ましい。熱伝達媒体としては熱油が好ましい。好ま
しくは約60rpmの速度で半径方向の攪拌を実施する
のが好ましいが、攪拌速度は反応器の大きさに依存す
る。
【0032】液体供給材料組成物(12)を、モノマー
性ビニリデン芳香族モノマー、エチレン性不飽和ニトリ
ルモノマー、合成ブタジエンポリマー、希釈剤、および
生成した中間のグラフト化ポリマー性物質(グラフトさ
れたブタジエンポリマー)を含む液塊(46)でほぼ満
たされた縦に細長いグラフト反応器(14)(プラグ流
れ型反応器(14))の底(40)に装入する。この液
塊(46)はモノマー性材料が次第に重合されるにつれ
て粘稠になっていく。言い換えると、液塊(46)は細
長いグラフト反応器(14)を通ってプラグ流れとして
連続的に前進し、重合温度になると共に穏やかな非乱流
攪拌を受けるにつれて、この液塊(46)が含有してい
るポリマー性固形分の量が次第に増大し、モノマーが次
第に重合される。攪拌は液塊(46)のチャネリング傾
向に実質的に打ち勝つには充分であるが、グラフト反応
器(14)内で液塊の逆混合を最小限にするように充分
非乱流である。グラフト反応器(14)中の粘稠な液塊
(46)はグラフト反応器(14)全体で連続したゴム
溶液であり、グラフト反応器(14)中でゴム溶液の転
相が生起するレベルまで充分に重合することはない。こ
のグラフト反応器(14)から得られる第一の重合生成
物(16)はモノマー変換率が液体供給材料組成物(1
2)中のモノマーの合計重量に対して5〜25重量%、
より好ましくは6〜20重量%、最も好ましくは7〜1
5重量%である。グラフト反応器(14)の重合温度は
120℃未満、好ましくは90〜110℃とするのが好
ましい。
【0033】グラフト反応器(14)の出口から第一の
重合生成物(16)を連続的に取り出し、転相反応器
(18)に連続的に装入する。この反応器は沸騰型の連
続攪拌タンク型反応器(18)が好ましい。本重合法の
転相反応器(18)は、すでに転相を受けており、その
ためグラフトされたジエンコポリマーの離散した粒子が
生成している反応塊(20)を収容している。またこの
重合法の転相反応器(18)はモノマー、非グラフト化
剛性コポリマーおよび任意成分としての溶媒からなる連
続相を収容している。転相反応器(18)で反応塊(2
0)が充分に加熱されて反応塊(20)が沸騰するよう
になる。ここで放出される蒸気は転相反応器(18)の
頂部(48)で凝縮させた後反応塊(20)中に再導入
される凝縮物を形成する。反応塊はスターラー(50)
によって充分に攪拌するのが好ましい。このスターラー
はモーター(52)によって駆動されていて、転相反応
器内で実質的な逆混合を起こし、より重要なことには望
ましい大きさのゴム粒子を形成するのに役立つ。この転
相反応器(18)内でのモノマーの重合度はその中で転
相が生起するように十分高く、第二の重合生成物(2
2)(これは転相反応器の底(54)にある出口(5
6)を介して抜き出すのが好ましい)のモノマー変換率
は液体供給材料組成物(12)中のモノマーの合計重量
に対して10〜60重量%である。
【0034】詳細にいうと、第二の重合生成物(22)
を転相反応器(18)からポンプにより(ポンプ(5
8)を介して)仕上反応器(24)中に連続的に導入す
る。この第二の重合生成物(22)の全固形分レベルは
この第二重合生成物(22)の全重量に対して20〜5
5重量%の範囲であるのが好ましく、反応塊(20)の
温度は120〜140℃であるのが好ましい。
【0035】転相反応器(18)中の反応塊(20)は
モノマー変換率がグラフト反応器(14)より高いの
で、転相反応器(18)内でグラフト反応器(14)の
生成物(16)からモノマーがすぐに消費され、その結
果ゴム相の容積が減少する。こうして、入って来るゴム
溶液の転相が起こり始める。転相反応器では連鎖移動剤
(および任意成分としての他の添加剤)を使用して非グ
ラフト化ビニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマーの分
子量を調節することができ、その結果所望の大きさのゴ
ム粒子が生成する。さらに、温度と総固形分および攪拌
によって与えられる剪断力もこの段階で調節することが
できる。転相反応器(18)内の滞留時間は転相を確実
に完了させるために約1〜10時間の範囲であるのが好
ましい。攪拌は、グラフトされたジエンポリマーが分散
するのに充分な剪断力が得られるように約20〜200
rpmとするのが好ましい。
【0036】反応塊(20)の粘度は転相反応器全体に
渡って比較的に一定であるので、得られるゴム粒子は比
較的狭い粒度分布をもつことが期待される。さらに、グ
ラフトしたSANはゴム粒子内部に充分に吸蔵されたS
ANポリマーと共に、反応塊(20)中でのゴム粒子の
安定性を良好にする。したがって、グラフト反応器と転
相反応器とは、ゴムグラフトとゴム粒度をそれぞれさま
ざまに調節、変更、制御することができる別個であるが
結果的には依存している2つの工程を提供する。すなわ
ち、制御可能なゴムグラフトと制御可能なゴム粒度は本
発明の必須で重要な2つの特徴である。同様に狭い粒度
分布は本発明の別の重要な結果である。
【0037】第二の重合生成物(22)を、次に、仕上
反応器(24)(本方法の第三段階)に連続的に装入す
る。この反応器はグラフトしたコポリマー、非グラフト
化コポリマーおよびモノマーを含有するポリマー塊を収
容している。仕上反応器(24)のポリマー塊(62)
は本方法で与えられた反応条件下で沸騰するのが好まし
く、発生した蒸気は凝縮して凝縮物を形成し、その後こ
れをポリマー塊(62)に再導入する。仕上反応器内の
ポリマー塊(62)は(モーター(66)によって駆動
される攪拌デバイス(64)によって)充分に攪拌し、
多少は逆混合するのが好ましい。この仕上反応器(2
4)から出る第三の重合生成物(26)をこの反応器の
出口から抜き出す。仕上反応器は、モノマー変換率が液
体供給材料組成物(12)中のモノマーの合計重量に対
して70〜95重量%である生成物が得られるように充
分な温度・滞留時間とする。第三段階の生成物(26)
(第三重合生成物(26))を仕上反応器(24)から
抜き出し、(ポンプ(68)によって)揮発分除去器
(28)に装入する。ここで、仕上反応器の生成物から
揮発分(30)(主として残留するモノマーと溶媒)を
蒸発させて本方法の最終熱可塑性ポリマー組成物(3
2)を生成する。
【0038】この仕上反応器(24)で非グラフト化ビ
ニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマーの重合が完了す
る。ブタジエンポリマーはこの仕上反応器で架橋されて
架橋したジエンゴムを生成する。非グラフト化SANの
分子量は、機械的特性の点から充分に高い分子量である
が材料加工の点から都合のよい粘度になるように調節す
る。この段階またはこれ以後の段階で、熱安定性、酸化
安定性、耐候性および粘度調整用の添加剤を組み合わせ
て反応混合物に添加することができる。仕上反応器の重
合温度は約150℃より高いのが好ましい。
【0039】架橋したゴムを形成するためのグラフトさ
れたジエンポリマーの架橋は、熱的に開始させるか、ま
たはペルオキシ系フリーラジカル開始剤によって化学的
に開始させ、ある程度の堅牢度と保全性をゴム粒子に付
与する。揮発分除去の間にゴム粒子の架橋がさらにある
程度進むことを指摘しておかなければならない。望まし
くない程度のゴムの架橋が起こってしまうかもしれな
い。したがって、仕上反応器で架橋程度を制御して、得
られるゴム粒子の架橋程度を単に十分な程度にし揮発分
除去段階でさらに架橋が起こる余地をもたせるようにす
るべきである。いずれにしても、ゴム粒子の架橋し過ぎ
は塊状ABS製品に悪い影響を与える。仕上反応器では
温度を高め(約150〜180℃)にして全モノマー変
換率を液体供給材料組成物の合計重量に対して約70〜
95重量%、好ましくは80〜95重量%にする。仕上
反応器の滞留時間は約2〜10時間が好ましく、攪拌は
約5〜50rpmが好ましい。
【0040】本発明の実施の際、供給材料溶液は、ビニ
ル芳香族モノマー、エチレン性不飽和ニトリル、共役
1,3‐ジエンの合成ジエンポリマーまたはコポリマー
たとえばブロックコポリマー、および希釈剤から調製す
るのが好ましい。転相前にゴムの架橋が起こるのを防ぐ
ためにゴム架橋抑制剤をさらに液体供給材料組成物に添
加してもよい。
【0041】使用できる熱安定性添加剤としては、オク
タデシル3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキ
シフェニル)プロピオネートや2,6‐ジ‐t‐ブチル
‐4‐メチルフェノールなどのような酸化防止剤があ
る。EBSワックス(N,N′‐エチレンビス(ステア
ラミド))などのような流動促進剤が液体供給材料組成
物中に存在していてもよい。エチルベンゼンのような希
釈剤は、液体供給材料組成物中に、この供給材料組成物
の合計重量に対して50重量%まで、好ましくは5〜3
0重量%、より好ましくは15〜25重量%の割合で存
在することができる。
【0042】
【実施例の記載】実施例1 :グラフト反応器を使用する重要性 本例では、連続攪拌タンク型反応器における転相の前に
グラフト反応器を使用することの重要性を概観する。こ
のプロセスの実験は上記した反応系を使用してパイロッ
トスケール(処理量125ポンド/時)とベンチスケー
ル(処理量2ポンド/時)で実施した。反応条件と生成
物の機械的性質を次の表に示す。中間の反応器サンプル
と仕上がったABSペレットの特性は、異なった方法、
たとえば光学顕微鏡、透過型電子顕微鏡(TEM)、相
分離、オゾン分解、GPC(ゲル透過クロマトグラフィ
ー)による分子量、FT−IRなどで分析した。
【0043】分析結果は、グラフト反応器でグラフト収
率を調節・制御して高いグラフトレベルを達成すること
ができるということを示している。グラフトレベルが高
いと、次いで、転相反応器で粒度を制御しつつ転相した
塊(本質的に油中油型の安定なエマルション)を形成す
ることによってゴム粒子の安定性が達成される。グラフ
ト反応器が存在することにより、仕上がったABS製品
の機械的(衝撃)特性が良好になる。転相反応器より前
にゴム混合物をグラフト化しないと仕上がったABSの
機械的特性は悪くなる。 表 1 供給材料組成物 12 pbwのSBRゴム 66.0pbwのスチレン 22.0pbwのアクリロニトリル 20 pbwのエチルベンゼン(希釈剤) pbw:重量部 表 2 反応温度および変換率 第一反応器 第二反応器 第三反応器 出口 温度℃ TS% 温度℃ TS% 温度℃ TS% グラフト反応器あり 102.2 15.3 119.4 38.1 164.4 70 グラフト反応器なし 122.7 42.5 165 71 TS%:総固形分(重量%) 表 3 反応器によるグラフトおよび仕上りABSの機械的特性 グラフト アイゾット 収率% 溶融粘度 衝 撃 落槍衝撃 グラフト反応器あり 33% 2038 4.0 29 グラフト反応器なし 0% 2054 1.7 6 グラフト収率%はアセトン相分離分析によって得た。グ
ラフト収率%は(グラフトしたSANの重量)/(ゴム
で変性したグラフトコポリマーの重量)を意味する。溶
融粘度はASTMのD3835に従って測定した。単位
はポイズであり、450°F、1000/sで測定した
ものである。アイゾット衝撃強さ(フィート・ポンド/
インチ)はASTMのD256法Aに従って測定した。
槍衝撃強さ(フィート・ポンド)はASTMのD303
9に従って測定した。実施例2 実施例2では、本プロセスの融通性、たとえ
ば平均粒度が0.3ミクロン未満(高光沢)の塊状AB
Sまたは低光沢の塊状ABSの製造の容易さを立証す
る。
【0044】ABSの光沢が粒度に関係していることは
すでに示されている。粒度が大きくなると光沢が低下す
る傾向がある。以上に説明した本プロセスは同じABS
組成で高光沢と低光沢の両方の製品を製造できる程の融
通性がある。これを達成するには、重合するSANコポ
リマーの分子量を異なる段階で異なるレベルに調節する
ようにしてグラフト反応器と転相反応器の条件を別々に
制御する。
【0045】高光沢の塊状アクリロニトリル‐ブタジエ
ン‐スチレングラフトコポリマーの製造用の供給材料組
成物は、SBRゴムが12.5重量部、アクリロニトリ
ルが21.9重量部、スチレンが65.6重量部、エチ
ルベンゼン(希釈剤)が20重量部、そしてペルオキシ
系開始剤が0.02重量部であった。 表 4 高光沢塊状ABS用の反応条件 グラフト反応器 頂 部 中央部 底部 転相反応器 仕上反応器 温度℃ 109.4 77.2 65 111.8 161.7 攪拌rpm 60 60 60 30 10 総固形分% 25 38 グラフト反応器の出口における混合物は、ゴム相がまだ
連続相であり遊離のSANが分散相である反応材料であ
る。この時点でのゴム基材はすでにSANでグラフトさ
れているが、転相(ゴム粒子の生成)はこの混合物を転
相反応器に導入するまで起こらない。 表 5 グラフト反応器出口分子量 「高光沢」ABS 「低光沢」ABS グラフトMw 306,000 181,000 剛性Mw 336,000 239,000 「低光沢」ABSの製造中グラフト反応器で生成するS
ANの分子量は適切な連鎖移動剤(たとえば、供給材料
組成物に対して0.20重量部のα‐メチルスチレンダ
イマー)を添加して調節することができる。
【0046】ゴムはジブロックブタジエン‐スチレンコ
ポリマーであるので、グラフトしたSANの分子量(数
平均と重量平均の両方、すなわちMnとMw)はゴムの
スチレンブロックにより平均値、特にMn値が下がる。
しかし、遊離SANの分子量は平均して下がらず、グラ
フトしたSANの分子量に極めて近い。 表 6 高光沢ABSの光沢、衝撃およびゴム粒度に関するデータ 光沢* 衝撃強さ** ゴム粒度*** %、60° アイゾット 落槍 平 均 93.00 4.80 30 0.2338* 鏡面光沢データは射出成形した試験片で得た。** アイゾット衝撃に対する単位はフィート・ポンド/イ
ンチであり、落槍の単位はフィート・ポンドである。*** 平均ゴム粒度は統計計算用コンピュータープログラ
ムを用いてTEM光顕微鏡から直接求めた。このゴム粒
度(直径)はミクロンで表わした数平均(直径)粒度で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラグ流れ型グラフト反応器、連続攪拌タンク
型転相反応器、沸騰型プラグ流れ仕上反応器および揮発
分除去器を含む本発明による方法の概略図である。
【符号の説明】 12 液体供給材料、 14 グラフト反応器、 16 第一の重合生成物、 18 転相反応器、 20 反応塊、 22 第二の重合生成物、 24 仕上反応器、 26 第三の重合生成物、 28 揮発分除去器、 30 残留モノマー・溶媒、 32 熱可塑性ポリマー組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート・コーク アメリカ合衆国、ウエスト・バージニア 州、パーカーズバーグ、15ティーエイッ チ・ストリート、1519番 (72)発明者 ジョン・エドワード・ペイス アメリカ合衆国、ウエスト・バージニア 州、ワシントン、ベッセル・プレイス、51 番 (72)発明者 グレゴリー・ライアン・プリンス アメリカ合衆国、ウエスト・バージニア 州、サンディービル、アールティー3・ボ ックス5エー (番地なし)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム変性グラフトコポリマーおよび非グ
    ラフト化剛性ポリマーを含む熱可塑性組成物を製造する
    ための連続塊状重合法であって、 (a)(i)少なくとも1種の重合性ビニリデン芳香族
    モノマー、(ii)少なくとも1種の重合性不飽和ニトリ
    ルモノマー、および(iii )これ等のモノマーに溶解さ
    れたゴム状合成ブタジエンポリマーを含む液体供給材料
    組成物をグラフト反応器中に供給し、 (b)前記グラフト反応器内で前記液体供給材料組成物
    を転相前の時点まで反応させて、その液体供給材料組成
    物中のモノマーの合計重量を基準にしたモノマー変換率
    が5〜25重量%である第一の重合生成物を生成させ、 (c)第一の重合生成物をグラフト反応器から連続的に
    取り出し、 (d)第一の重合生成物を転相反応器に連続的に装入
    し、 (e)転相反応器内で第一重合生成物のゴム連続相を分
    散相に反転させると共に転相反応器内で第一重合生成物
    を転相後の時点まで反応させて、液体供給材料組成物中
    のモノマーの合計重量を基準にしたモノマー変換率が1
    0〜60重量%である第二の重合生成物を生成させ、 (f)第二の重合生成物を転相反応器から連続的に取り
    出し、 (g)第二の重合生成物を仕上反応器に連続的に装入
    し、 (h)仕上反応器内で第二の重合生成物を反応させて、
    液体供給材料組成物中のモノマーの合計重量を基準にし
    たモノマー変換率が70〜95重量%である第三の重合
    生成物を生成させ、 (i)第三の重合生成物を仕上反応器から連続的に取り
    出し、 (j)第三の重合生成物を揮発分除去器に装入し残留揮
    発分を除去して熱可塑性組成物を生成させることを含む
    方法。
  2. 【請求項2】 前記液体供給材料がスチレンモノマーお
    よびアクリロニトリルモノマーを含んでいる、請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記合成ブタジエンポリマーが、スチレ
    ン‐ブタジエンブロックコポリマーおよびブタジエンホ
    モポリマーより成る群の中から選択される、請求項2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 前記グラフト反応器がプラグ流れ型反応
    器であり、前記転相反応器が連続攪拌タンク型反応器で
    あり、前記仕上反応器が沸騰プラグ流れ型反応器であ
    る、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ブタジエンポリマーが前記仕上反応
    器内で架橋を受け、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレ
    ングラフトコポリマーおよび非グラフト化スチレン‐ア
    クリロニトリルコポリマーを含む熱可塑性ポリマー組成
    物を製造するための連続塊状重合法であって、(a)ス
    チレン、アクリロニトリル、および合成ブタジエンポリ
    マーを含む液体供給材料組成物をグラフト反応器の入口
    に供給し(ここで、前記グラフト反応器は、スチレンモ
    ノマー、アクリロニトリルモノマー、合成ブタジエンポ
    リマー、ならびに、前記スチレン、アクリロニトリルお
    よびブタジエンポリマー間の付加反応の生成物を含む中
    間ポリマー性物質を含むグラフト化ゴム連続相液塊で実
    質的に満たされる)、前記液塊を重合温度にし(ここ
    で、液塊がグラフト反応器中をグラフト反応器の入口か
    ら出口に向かって移動するにつれて液塊が含有する中間
    ポリマー性物質の量が次第に増大し)、前記液塊を充分
    に重合させて、液体供給材料組成物中のモノマーの合計
    重量を基準にしたモノマー変換率が5〜25重量%のレ
    ベルであるゴム連続相生成物を有する第一の重合生成物
    を生成させ(ただし、グラフト反応器内の前記モノマー
    変換率のレベルは液塊の転相を生起させるには不十分で
    ある)、(b)前記第一の重合生成物をグラフト反応器
    の前記出口から連続的に取り出し、(c)スチレン、ア
    クリロニトリルおよびスチレン‐アクリロニトリルコポ
    リマーを含む連続相ならびに複数の離散粒子の形態のグ
    ラフトされたジエンポリマーを含む分散相を含む転相を
    受けた反応塊を含有する連続攪拌タンク型反応器に第一
    の重合生成物を連続的に装入し、前記反応塊を充分に加
    熱して反応塊の重合を生起させて第二の重合生成物を形
    成すると共に反応塊を沸騰させることによって蒸気を発
    生させ、前記蒸気を凝縮させて凝縮物を形成し、この凝
    縮物を再度反応塊中に導入し、(d)液体供給材料組成
    物中のモノマーの合計重量を基準にしたモノマー変換率
    が10〜60重量%のレベルである第二の重合生成物
    を、前記連続攪拌タンク型反応器から連続的に取り出
    し、(e)第二の重合生成物をポリマー塊を含有する沸
    騰プラグ流れ型反応器中に連続的に装入し、沸騰プラグ
    流れ型反応器を充分に加熱してポリマー塊の重合を生起
    させて第三の重合生成物を形成すると共にポリマー塊を
    沸騰させて蒸気を発生させ、ポリマー塊から出た蒸気を
    凝縮させて凝縮物を形成し、前記凝縮物を再度前記ポリ
    マー塊中に導入し、(f)液体供給材料組成物中のモノ
    マーの合計重量を基準にしたモノマー変換率が70〜9
    5重量%である第三の重合生成物を前記沸騰プラグ流れ
    型反応器から連続的に取り出し、(g)第三の重合生成
    物を揮発分除去器に装入して残留揮発分を除去して前記
    熱可塑性ポリマー組成物を生成させることを含む方法。
  7. 【請求項7】 前記グラフト反応器の重合温度が120
    ℃未満であり、前記連続攪拌タンク型反応器の重合温度
    が120〜150℃であり、前記沸騰プラグ流れ反応器
    の重合温度が150℃より高い、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記液体供給材料組成物が、本質的に、
    スチレンモノマー、アクリロニトリルモノマー、合成ゴ
    ム状ポリブタジエンゴム、開始剤および連鎖移動剤から
    構成される、請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ポリブタジエンコポリマーがスチレ
    ン‐ブタジエンコポリマーまたはブタジエンホモポリマ
    ーである、請求項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記スチレン‐ブタジエンコポリマー
    がポリスチレンブロックを含んでいる、請求項9記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 本質的に、前記工程(a)、(b)、
    (c)、(d)、(e)、(f)および(g)から構成
    されている、請求項6記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記工程(a)、(b)、(c)、
    (d)、(e)、(f)および(g)から構成されてい
    る、請求項6記載の方法。
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