JPH07238331A - 摺動部材 - Google Patents
摺動部材Info
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- JPH07238331A JPH07238331A JP6028415A JP2841594A JPH07238331A JP H07238331 A JPH07238331 A JP H07238331A JP 6028415 A JP6028415 A JP 6028415A JP 2841594 A JP2841594 A JP 2841594A JP H07238331 A JPH07238331 A JP H07238331A
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- particles
- hardness
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐摩耗性に優れ相手材料への攻撃性の少ない
粒子分散型複合材料からなる摺動部。 【構成】 金属マトリックス、例えばアルミニウム合金
(AC8A)中に硬質粒子、例えばSiC、Si3N4、
NbC、TaC等が分散された金属基複合材料におい
て、前記硬質粒子表面にマトリックスと硬質粒子の中間
の硬度を有する材料、例えばMi−Pめっき、Ni−B
めっき、Feスパッタリング、Cuスパッタリング等を
被覆した。この被覆材料によって硬質粒子部での応力集
中が緩和され、硬質粒子が金属マトリックスからの脱落
が防止できる。その結果、摺動部材の耐摩耗性が向上す
ると共に、相手材の摩耗量の少なくすることができる。
特に、CuまたはNiを被覆材料として被覆した場合、
金属マトリックスであるAlとの間で金属間化合物が形
成され、硬質粒子の脱落防止性がさらに向上し、耐摩耗
性および相手攻撃性がさらに改善される。
粒子分散型複合材料からなる摺動部。 【構成】 金属マトリックス、例えばアルミニウム合金
(AC8A)中に硬質粒子、例えばSiC、Si3N4、
NbC、TaC等が分散された金属基複合材料におい
て、前記硬質粒子表面にマトリックスと硬質粒子の中間
の硬度を有する材料、例えばMi−Pめっき、Ni−B
めっき、Feスパッタリング、Cuスパッタリング等を
被覆した。この被覆材料によって硬質粒子部での応力集
中が緩和され、硬質粒子が金属マトリックスからの脱落
が防止できる。その結果、摺動部材の耐摩耗性が向上す
ると共に、相手材の摩耗量の少なくすることができる。
特に、CuまたはNiを被覆材料として被覆した場合、
金属マトリックスであるAlとの間で金属間化合物が形
成され、硬質粒子の脱落防止性がさらに向上し、耐摩耗
性および相手攻撃性がさらに改善される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分散した硬質粒子の脱落
がなく、耐摩耗性に優れ、かつ相手材料に対する攻撃性
の少ない、粒子分散型金属基複合材料からなる摺動部材
に関する。
がなく、耐摩耗性に優れ、かつ相手材料に対する攻撃性
の少ない、粒子分散型金属基複合材料からなる摺動部材
に関する。
【0002】
【従来の技術】金属基複合材料からなる摺動部材とし
て、比較的硬度が低くかつ軽量で耐摩耗性を向上させた
ものとしては、Al基金属複合材料が知られている。例
えば、Al基金属複合材料をピストンリング溝材料に適
用した例として、特開昭58−93835、特開昭58
−93836、特開昭58−93838号公報等があ
り、いずれもアルミナ−シリカ繊維40〜55%を強化
材とし、AlまたはMgをマトリックス金属とする複合
材料で構成されており、相手材料のピストン材料には、
硬質Crめっき、鋳鉄+リュブライト処理、Hv250
以上の鋼を用いている。
て、比較的硬度が低くかつ軽量で耐摩耗性を向上させた
ものとしては、Al基金属複合材料が知られている。例
えば、Al基金属複合材料をピストンリング溝材料に適
用した例として、特開昭58−93835、特開昭58
−93836、特開昭58−93838号公報等があ
り、いずれもアルミナ−シリカ繊維40〜55%を強化
材とし、AlまたはMgをマトリックス金属とする複合
材料で構成されており、相手材料のピストン材料には、
硬質Crめっき、鋳鉄+リュブライト処理、Hv250
以上の鋼を用いている。
【0003】また、特開昭58−93843号公報の繊
維強化型金属基複合材料の発明では、強化繊維の表面に
鉛、亜鉛、錫、銅のごとき減摩物質を蒸着し、自らも耐
摩耗性を向上し、且つ相手材に対する摩擦摩耗特性に優
れた繊維強化型金属基複合材料を得ている。
維強化型金属基複合材料の発明では、強化繊維の表面に
鉛、亜鉛、錫、銅のごとき減摩物質を蒸着し、自らも耐
摩耗性を向上し、且つ相手材に対する摩擦摩耗特性に優
れた繊維強化型金属基複合材料を得ている。
【0004】また、繊維強化型金属基複合材料を形成す
る際、鋳造時のAlまたはMg溶湯とセラミックス繊維
とのなじみ性を向上させることを目的として、セラミッ
クス繊維表面にTiNコーティングを施した先願があ
る。この技術では、セラミックス繊維の硬さ(HV15
00)とTiNコーティング(セラミックス皮膜)の硬
さ(Hv1500〜2000)は、ほぼ等しいか、むし
ろTiNコーティングの方が硬い。
る際、鋳造時のAlまたはMg溶湯とセラミックス繊維
とのなじみ性を向上させることを目的として、セラミッ
クス繊維表面にTiNコーティングを施した先願があ
る。この技術では、セラミックス繊維の硬さ(HV15
00)とTiNコーティング(セラミックス皮膜)の硬
さ(Hv1500〜2000)は、ほぼ等しいか、むし
ろTiNコーティングの方が硬い。
【0005】一方、最近の燃焼改善を目的としたエンジ
ン燃焼温度向上や、近年のピストンリング張力増大傾向
によりシリンダボアとの摺動で摩耗が増大するため、ピ
ストンリング材料の硬度向上により、リング溝の摩耗が
増大している。この対策として、リング溝MMC上にア
ルマイト処理を実施した例(特開昭53−88262号
公報)や、MMCに対してMMC繊維よりさらに硬度の
高いセラミックス粒子(硬質粒子)を添加する方法が容
易に類推できる。
ン燃焼温度向上や、近年のピストンリング張力増大傾向
によりシリンダボアとの摺動で摩耗が増大するため、ピ
ストンリング材料の硬度向上により、リング溝の摩耗が
増大している。この対策として、リング溝MMC上にア
ルマイト処理を実施した例(特開昭53−88262号
公報)や、MMCに対してMMC繊維よりさらに硬度の
高いセラミックス粒子(硬質粒子)を添加する方法が容
易に類推できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粒子分
散型金属基複合材料において、単純に硬質粒子を分散さ
せた場合、マトリックスとなる基材との硬度差が非常に
大きく、このため硬質粒子部で応力集中が生じ、基材と
の界面で剥離が生じ、硬質粒子の脱落が生じ易くなる。
脱落した硬質粒子は、排出されない場合、研磨粉として
作用するため、摺動部材の摩耗が大きくなる。
散型金属基複合材料において、単純に硬質粒子を分散さ
せた場合、マトリックスとなる基材との硬度差が非常に
大きく、このため硬質粒子部で応力集中が生じ、基材と
の界面で剥離が生じ、硬質粒子の脱落が生じ易くなる。
脱落した硬質粒子は、排出されない場合、研磨粉として
作用するため、摺動部材の摩耗が大きくなる。
【0007】この現象は、例えば、 1)硬質粒子としてセラミックス粒子を添加した鍛造材
料 2)硬質粒子としてセラミックス粒子を添加した焼結材
料 3)硬質粒子として金属粉および樹脂繊維を添加した樹
脂コート材料および樹脂成形体 4)硬質粒子としてセラミックス粒子を添加しためっき
層 で発生する。セラミックス系粒子を単純に添加した場合
には、基材との密着強度は低い。これは硬質粒子と金属
と冶金的に結合していないためである。
料 2)硬質粒子としてセラミックス粒子を添加した焼結材
料 3)硬質粒子として金属粉および樹脂繊維を添加した樹
脂コート材料および樹脂成形体 4)硬質粒子としてセラミックス粒子を添加しためっき
層 で発生する。セラミックス系粒子を単純に添加した場合
には、基材との密着強度は低い。これは硬質粒子と金属
と冶金的に結合していないためである。
【0008】本発明は硬質粒子を基材に分散した粒子分
散強化型金属基複合材料の摺動部材の前記のごとき問題
点を解決するためになされたものであって、摺動部材自
体も硬質粒子の脱落がなく耐摩耗性に優れると共に相手
材料に対する摩耗性の少ない摺動部材を提供することを
目的とする。
散強化型金属基複合材料の摺動部材の前記のごとき問題
点を解決するためになされたものであって、摺動部材自
体も硬質粒子の脱落がなく耐摩耗性に優れると共に相手
材料に対する摩耗性の少ない摺動部材を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者等は金属基複合材
料に分散した硬質粒子が摺動部材として使用中に基材か
ら脱落する原因が、マトリックスとなる基材とセラミッ
クス硬質粒子の硬度に著しい差があることが原因である
ことに鑑み、セラミックス硬質粒子をより硬度の低い材
料で被覆することを着想した。この着想に基づきセラミ
ックス硬質粒子を被覆する材料等についてさらに研究を
重ね、硬質粒子表面にマトリックスと硬質粒子の中間の
硬度を有する材料を被覆することにより本発明を完成し
た。
料に分散した硬質粒子が摺動部材として使用中に基材か
ら脱落する原因が、マトリックスとなる基材とセラミッ
クス硬質粒子の硬度に著しい差があることが原因である
ことに鑑み、セラミックス硬質粒子をより硬度の低い材
料で被覆することを着想した。この着想に基づきセラミ
ックス硬質粒子を被覆する材料等についてさらに研究を
重ね、硬質粒子表面にマトリックスと硬質粒子の中間の
硬度を有する材料を被覆することにより本発明を完成し
た。
【0010】本発明の請求項1の摺動部材は、金属マト
リックス中に硬質粒子が分散された金属基複合材料にお
いて、前記硬質粒子表面にマトリックスと硬質粒子の中
間の硬度を有する材料が被覆されていることを要旨とす
る。また、本発明の請求項2の摺動部材は、請求項1の
摺動部材において、金属基複合材料は鋳物材料であるこ
とを要旨とする。
リックス中に硬質粒子が分散された金属基複合材料にお
いて、前記硬質粒子表面にマトリックスと硬質粒子の中
間の硬度を有する材料が被覆されていることを要旨とす
る。また、本発明の請求項2の摺動部材は、請求項1の
摺動部材において、金属基複合材料は鋳物材料であるこ
とを要旨とする。
【0011】本発明の請求項3の摺動部材は、請求項1
の摺動部材において、金属基複合材料はめっきにより形
成されたものであることを要旨とする。また、本発明の
請求項4の摺動部材は、請求項1乃至請求項3の摺動部
材において、硬質粒子に被覆される中間硬度の材料は被
覆が2層以上施されていることを要旨とし、本発明の請
求項5の摺動部材は、請求項1乃至請求項4の摺動部材
において、硬質粒子に被覆される中間硬度の材料は金属
マトリックスとの間で金属間化合物を生成していること
を要旨とする。
の摺動部材において、金属基複合材料はめっきにより形
成されたものであることを要旨とする。また、本発明の
請求項4の摺動部材は、請求項1乃至請求項3の摺動部
材において、硬質粒子に被覆される中間硬度の材料は被
覆が2層以上施されていることを要旨とし、本発明の請
求項5の摺動部材は、請求項1乃至請求項4の摺動部材
において、硬質粒子に被覆される中間硬度の材料は金属
マトリックスとの間で金属間化合物を生成していること
を要旨とする。
【0012】金属マトリックス中に分散される硬質粒子
は金属でもセラミックスでもいずれでも良い。金属粉で
あれば例えばAl粉、ステンレス鋼粉等を用いることが
でき、セラミックス粉であれば例えば、SiC、Nb
C、TaC等の炭化物、Si3N4、AlN、TiN等の
窒化物、Al2O3、ZrO2等の酸化物を用いることが
できる。
は金属でもセラミックスでもいずれでも良い。金属粉で
あれば例えばAl粉、ステンレス鋼粉等を用いることが
でき、セラミックス粉であれば例えば、SiC、Nb
C、TaC等の炭化物、Si3N4、AlN、TiN等の
窒化物、Al2O3、ZrO2等の酸化物を用いることが
できる。
【0013】金属マトリックスに添加する硬質粒子の割
合は5〜30容量%とすることが好ましい。添加量が5
%未満では充分な耐摩耗性が得られず、添加量が30%
を越えると相手材(ピストンリング)に対する攻撃性が
大きく、本件発明をピストンに使用した場合、ブローバ
イの増加、オイル消耗の悪化が認められるからである。
合は5〜30容量%とすることが好ましい。添加量が5
%未満では充分な耐摩耗性が得られず、添加量が30%
を越えると相手材(ピストンリング)に対する攻撃性が
大きく、本件発明をピストンに使用した場合、ブローバ
イの増加、オイル消耗の悪化が認められるからである。
【0014】さらに、金属マトリックスに添加する硬質
粒子の粒度は1〜5μmとすることが好ましい。硬質粒
子の粒径が1μm未満であると充分な耐摩耗性が得られ
ず、5μmを越えると相手材料に対する攻撃性が大きく
なり、この時に生じた摩耗粉により、摩耗量が増大する
からである。
粒子の粒度は1〜5μmとすることが好ましい。硬質粒
子の粒径が1μm未満であると充分な耐摩耗性が得られ
ず、5μmを越えると相手材料に対する攻撃性が大きく
なり、この時に生じた摩耗粉により、摩耗量が増大する
からである。
【0015】硬質粒子表面にマトリックスと硬質粒子の
中間の硬度を有する材料を被覆する方法は、真空蒸着、
スパッタリング、イオンプレーティング等のPVD法、
プラズマCVD、MOCVD、スプレー法等のCVD
法、電着法または無電解めっき等の化学めっき法等を用
いることができる。また、被覆する材料としては、F
e、Ni、Cu、Pb、Sn等の金属単体およびその合
金、NiP、NiB等のNi化合物のほか、CrN、A
lN等のPVD法またはCVD法によるセラミック薄膜
も含まれる。
中間の硬度を有する材料を被覆する方法は、真空蒸着、
スパッタリング、イオンプレーティング等のPVD法、
プラズマCVD、MOCVD、スプレー法等のCVD
法、電着法または無電解めっき等の化学めっき法等を用
いることができる。また、被覆する材料としては、F
e、Ni、Cu、Pb、Sn等の金属単体およびその合
金、NiP、NiB等のNi化合物のほか、CrN、A
lN等のPVD法またはCVD法によるセラミック薄膜
も含まれる。
【0016】硬質粒子表面に被覆する被覆層の厚さは3
5μm以下とすることが好ましい。被覆層の厚さが35
μmを越えると、金属基複合材料を成形する際に割れが
発生する場合があるからである。また、被覆層と基材と
の間で金属間化合物を生成させる場合は、初期皮膜とし
て少なくとも15μmの厚さが必要である。15μm以
下では殆どの皮膜部が金属間化合物を作ってしまう場合
があるために、応力緩和の役割を果たさなくなるからで
ある。
5μm以下とすることが好ましい。被覆層の厚さが35
μmを越えると、金属基複合材料を成形する際に割れが
発生する場合があるからである。また、被覆層と基材と
の間で金属間化合物を生成させる場合は、初期皮膜とし
て少なくとも15μmの厚さが必要である。15μm以
下では殆どの皮膜部が金属間化合物を作ってしまう場合
があるために、応力緩和の役割を果たさなくなるからで
ある。
【0017】
【作用】摺動部材の金属マトリックス中に分散した硬質
粒子表面にマトリックスと硬質粒子の中間の硬度を有す
る材料を被覆したので、この被覆材料によって硬質粒子
部での応力集中が緩和され、硬質粒子が金属マトリック
スからの脱落が防止できる。その結果、摺動部材の耐摩
耗性が向上すると共に、相手材の摩耗量の少なくするこ
とができる。また、被覆材料と金属マトリックスとの間
で金属間化合物を形成させると、硬質粒子の脱落防止性
はさらに向上する。
粒子表面にマトリックスと硬質粒子の中間の硬度を有す
る材料を被覆したので、この被覆材料によって硬質粒子
部での応力集中が緩和され、硬質粒子が金属マトリック
スからの脱落が防止できる。その結果、摺動部材の耐摩
耗性が向上すると共に、相手材の摩耗量の少なくするこ
とができる。また、被覆材料と金属マトリックスとの間
で金属間化合物を形成させると、硬質粒子の脱落防止性
はさらに向上する。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を比較例および従来例と比較
しつつ説明し、本発明の効果を明らかにする。 (実施例1)表1の実施例1−1〜1−5に示すよう
に、硬質粒子として表1に示す粒径のSiC粒子(硬度
Hv3000)、Si3N4粒子(硬度Hv2500)、
NbC粒子(硬度Hv2000)、TaC粒子(硬度H
v1800)に、被覆材料として表1に示すNi−Pめ
っき(硬度Hv400)、Ni−Bめっき(硬度Hv8
00)、Feスパッタリング(硬度Hv300)、Cu
スパッタリング(硬度Hv250)を、表1に示す被覆
膜厚で被覆し、この硬質粒子を基材であるJISアルミ
ニウム合金(AC8A)溶湯に表1に示す添加量を分散
添加して、試験片を作製した。なお、比較のために、比
較例1−6、1−7として、被覆材料を被覆しなかった
表1に示す粒径の硬質粒子SiC粒子とTaC粒子を、
表1に示す添加量を添加して、基材であるJISアルミ
ニウム合金(AC8A)溶湯に表1に示す添加量を分散
添加して、試験片を作製した。
しつつ説明し、本発明の効果を明らかにする。 (実施例1)表1の実施例1−1〜1−5に示すよう
に、硬質粒子として表1に示す粒径のSiC粒子(硬度
Hv3000)、Si3N4粒子(硬度Hv2500)、
NbC粒子(硬度Hv2000)、TaC粒子(硬度H
v1800)に、被覆材料として表1に示すNi−Pめ
っき(硬度Hv400)、Ni−Bめっき(硬度Hv8
00)、Feスパッタリング(硬度Hv300)、Cu
スパッタリング(硬度Hv250)を、表1に示す被覆
膜厚で被覆し、この硬質粒子を基材であるJISアルミ
ニウム合金(AC8A)溶湯に表1に示す添加量を分散
添加して、試験片を作製した。なお、比較のために、比
較例1−6、1−7として、被覆材料を被覆しなかった
表1に示す粒径の硬質粒子SiC粒子とTaC粒子を、
表1に示す添加量を添加して、基材であるJISアルミ
ニウム合金(AC8A)溶湯に表1に示す添加量を分散
添加して、試験片を作製した。
【0019】(実施例2)表1の実施例2−1〜2−4
に示すように、硬質粒子として表1に示す粒径のSiC
粒子(硬度Hv3000)、Si3N4粒子(硬度Hv2
500)、NbC粒子(硬度Hv2000)、TaC粒
子(硬度Hv1800)に、被覆材料として表1に示す
Ni−Pめっき(硬度Hv400)、Ni−Bめっき
(硬度Hv800)、Feスパッタリング(硬度Hv3
00)を表1に示す被覆膜厚で被覆した。この硬質粒子
を基材となるAl−15%SiおよびCu粉末に表1に
示す添加量を混合し、Al−Cu−Si焼結体(Hv1
50)を作製した。なお、比較のために、比較例2−
5、2−6として、被覆材料を被覆しなかった表1に示
す粒径の硬質粒子SiC粒子とSi3N4粒子を、基材と
なるAl−15%SiおよびCu粉末に表1に示す添加
量を混合し、Al−Cu−Si焼結体(Hv150)を
作製した。
に示すように、硬質粒子として表1に示す粒径のSiC
粒子(硬度Hv3000)、Si3N4粒子(硬度Hv2
500)、NbC粒子(硬度Hv2000)、TaC粒
子(硬度Hv1800)に、被覆材料として表1に示す
Ni−Pめっき(硬度Hv400)、Ni−Bめっき
(硬度Hv800)、Feスパッタリング(硬度Hv3
00)を表1に示す被覆膜厚で被覆した。この硬質粒子
を基材となるAl−15%SiおよびCu粉末に表1に
示す添加量を混合し、Al−Cu−Si焼結体(Hv1
50)を作製した。なお、比較のために、比較例2−
5、2−6として、被覆材料を被覆しなかった表1に示
す粒径の硬質粒子SiC粒子とSi3N4粒子を、基材と
なるAl−15%SiおよびCu粉末に表1に示す添加
量を混合し、Al−Cu−Si焼結体(Hv150)を
作製した。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例3)表2の3−1〜3−12に示
すように、硬質粒子として表2に示す粒径のSiC粒子
(硬度Hv3000)を用意し、PVD処理によりCr
N(硬度Hv2000)およびAlN(硬度Hv120
0)を順次表2に示す膜厚で被覆した。次に基材として
アルミニウム合金(AC8A)からなる試験片に、この
硬質粒子を表2に示す割合で混合したNi−Pめっき
(実施例3−1、3−2、硬度Hv400)、Ni−B
めっき(実施例3−5、3−6、硬度Hv800)およ
びCrめっき(実施例3−9、3−10、硬度Hv80
0)を施した。なお、比較のために同じ基材としてアル
ミニウム合金(AC8A)からなる試験片に、被覆を施
さなかった表2に示す粒度のSiC粒子を表2に示す割
合で混合したNi−Pめっき(比較例3−3、3−
4)、Ni−Bめっき(比較例3−7、3−8)、Cr
めっき(比較例3−11、3−12)を施した。
すように、硬質粒子として表2に示す粒径のSiC粒子
(硬度Hv3000)を用意し、PVD処理によりCr
N(硬度Hv2000)およびAlN(硬度Hv120
0)を順次表2に示す膜厚で被覆した。次に基材として
アルミニウム合金(AC8A)からなる試験片に、この
硬質粒子を表2に示す割合で混合したNi−Pめっき
(実施例3−1、3−2、硬度Hv400)、Ni−B
めっき(実施例3−5、3−6、硬度Hv800)およ
びCrめっき(実施例3−9、3−10、硬度Hv80
0)を施した。なお、比較のために同じ基材としてアル
ミニウム合金(AC8A)からなる試験片に、被覆を施
さなかった表2に示す粒度のSiC粒子を表2に示す割
合で混合したNi−Pめっき(比較例3−3、3−
4)、Ni−Bめっき(比較例3−7、3−8)、Cr
めっき(比較例3−11、3−12)を施した。
【0022】(実施例4)表2の4−1〜4−3に示す
ように、硬質粒子として表2に示す粒径のAl粉を用意
し、表2に示す被覆膜厚のSnめっきを施した。次に基
材としてアルミニウム合金(AC8A)からなる試験片
に、このAl粉を表2に示す割合で混合した樹脂コーテ
ィング(ポリアミドイミド樹脂)を施した。なお、比較
例4−3はAl粉にSnめっきを施さなかったものであ
る。
ように、硬質粒子として表2に示す粒径のAl粉を用意
し、表2に示す被覆膜厚のSnめっきを施した。次に基
材としてアルミニウム合金(AC8A)からなる試験片
に、このAl粉を表2に示す割合で混合した樹脂コーテ
ィング(ポリアミドイミド樹脂)を施した。なお、比較
例4−3はAl粉にSnめっきを施さなかったものであ
る。
【0023】
【表2】
【0024】(耐摩耗性の評価)以上の実施例に対して
摩耗試験を行い、耐摩耗性について評価した。先ず、大
きさが16×6×10mmであり、その一つの面(16
×6)を試験面とする試験片を作製した。この時、実施
例3および4については、上記形状の試験片をAC8A
にて作製し、該当面に対して試験を行った。試験に際し
ては、比較のために、硬質粒子を被覆しないでそのまま
添加した場合、および全く添加しない場合も併せて供試
した。
摩耗試験を行い、耐摩耗性について評価した。先ず、大
きさが16×6×10mmであり、その一つの面(16
×6)を試験面とする試験片を作製した。この時、実施
例3および4については、上記形状の試験片をAC8A
にて作製し、該当面に対して試験を行った。試験に際し
ては、比較のために、硬質粒子を被覆しないでそのまま
添加した場合、および全く添加しない場合も併せて供試
した。
【0025】摩耗試験の相手材料は、外径35mm、幅
10mmの球状黒鉛鋳鉄(FCD70)製の円筒試験片
の組み合わせて摩耗試験を実施した。この時の試験条件
を次に示す。 実施例1〜3 実施例4 試験雰囲気温度 150℃ 100℃ 潤滑 有り(キャッスルモータオイル5W−30) 同左 押付力 60kgf 3kgf 回転数 160rpm 20rpm 試験時間 60分 30分 試験機 LFW−1摩耗試験機 同左 試験結果は表1および表2に併せて示した。また、硬質
粒子を全く添加しない場合については表3に示した。
10mmの球状黒鉛鋳鉄(FCD70)製の円筒試験片
の組み合わせて摩耗試験を実施した。この時の試験条件
を次に示す。 実施例1〜3 実施例4 試験雰囲気温度 150℃ 100℃ 潤滑 有り(キャッスルモータオイル5W−30) 同左 押付力 60kgf 3kgf 回転数 160rpm 20rpm 試験時間 60分 30分 試験機 LFW−1摩耗試験機 同左 試験結果は表1および表2に併せて示した。また、硬質
粒子を全く添加しない場合については表3に示した。
【0026】
【表3】
【0027】表1の実施例1から明らかなように、比較
例1−6および1−7の摩耗量は硬質粒子を添加したに
もかかわらず、被覆層がなかったので、115〜55μ
mであって、特にTaCを被覆せずに添加した場合は、
かえって表3に示したAC8Aよりも耐摩耗性が劣る。
これは、上述したように、高面圧によりTaCが摺動面
より脱落し、研磨材の役目を果たすからである。また、
このときの相手材FCD70の摩耗量も極端に増大す
る。これに対して本発明の実施例1−1〜1−5は、中
間硬度の材料を被覆したため、摩耗量が30〜42μm
であって、本発明の効果が確認された。
例1−6および1−7の摩耗量は硬質粒子を添加したに
もかかわらず、被覆層がなかったので、115〜55μ
mであって、特にTaCを被覆せずに添加した場合は、
かえって表3に示したAC8Aよりも耐摩耗性が劣る。
これは、上述したように、高面圧によりTaCが摺動面
より脱落し、研磨材の役目を果たすからである。また、
このときの相手材FCD70の摩耗量も極端に増大す
る。これに対して本発明の実施例1−1〜1−5は、中
間硬度の材料を被覆したため、摩耗量が30〜42μm
であって、本発明の効果が確認された。
【0028】実施例2についても、表1から明らかなよ
うに、中間硬度の材料を被覆しなかった比較例2−5お
よび2−6は摩耗量が70〜79μmであるのに対し
て、本発明の実施例2−1〜2−4は摩耗量が30〜4
9μmであって、実施例1と同様に本発明の効果が確認
された。また、被覆材料としてNi−Bを被覆した実施
例2−1、2−2と被覆材料としてFeスパッタリング
を施した実施例2−3、2−4とを比較すると、Feス
パッタリングを施した場合の方が、耐摩耗性は良好であ
る。これはFe元素が基材のAlと金属間化合物を生成
するため、脱落に対して有利になるからである。この様
に硬質粒子の最外層に基材と金属間化合物を生成する元
素を配置させることにより、さらに耐摩耗性の向上が可
能であることが判明した。
うに、中間硬度の材料を被覆しなかった比較例2−5お
よび2−6は摩耗量が70〜79μmであるのに対し
て、本発明の実施例2−1〜2−4は摩耗量が30〜4
9μmであって、実施例1と同様に本発明の効果が確認
された。また、被覆材料としてNi−Bを被覆した実施
例2−1、2−2と被覆材料としてFeスパッタリング
を施した実施例2−3、2−4とを比較すると、Feス
パッタリングを施した場合の方が、耐摩耗性は良好であ
る。これはFe元素が基材のAlと金属間化合物を生成
するため、脱落に対して有利になるからである。この様
に硬質粒子の最外層に基材と金属間化合物を生成する元
素を配置させることにより、さらに耐摩耗性の向上が可
能であることが判明した。
【0029】さらに、この場合、製形後に硬質粒子と基
材の間の中間硬さ部を残存させるためには、初期皮膜と
して15μm以上の膜厚が必要である。15μm以下で
は殆どの皮膜が金属間化合物を作ってしまうため、応力
集中の緩和の役割を果たさなくなる。このため、金属間
化合物部で割れ、亀裂の発生が見られ、耐摩耗性も悪く
なる傾向が認められる。
材の間の中間硬さ部を残存させるためには、初期皮膜と
して15μm以上の膜厚が必要である。15μm以下で
は殆どの皮膜が金属間化合物を作ってしまうため、応力
集中の緩和の役割を果たさなくなる。このため、金属間
化合物部で割れ、亀裂の発生が見られ、耐摩耗性も悪く
なる傾向が認められる。
【0030】実施例3については、表2から明らかなよ
うに、被覆材料なしで単に硬質粒子のみを配合してNi
−Pめっきを施した比較例3−3、3−4の摩耗量は4
0〜46μmであって、表3の単純にNi−Pめっきを
施したものの摩耗量42μmと比較して、同等かそれ以
下の耐摩耗性であった。これに対して本発明の実施例3
−1および3−2は摩耗量が19〜25μmであって、
本発明の効果が確認された。
うに、被覆材料なしで単に硬質粒子のみを配合してNi
−Pめっきを施した比較例3−3、3−4の摩耗量は4
0〜46μmであって、表3の単純にNi−Pめっきを
施したものの摩耗量42μmと比較して、同等かそれ以
下の耐摩耗性であった。これに対して本発明の実施例3
−1および3−2は摩耗量が19〜25μmであって、
本発明の効果が確認された。
【0031】Ni−Bめっきを施した実施例3について
は、表2から明らかなように、被覆材料なしで単に硬質
粒子のみを配合してNi−Bめっきを施した比較例3−
7、3−8の摩耗量は35〜40μmであって、表3の
単純にNi−Bめっきを施したものの摩耗量30μmと
比較して、耐摩耗性が劣った。これに対して本発明の実
施例3−5および3−6はCrNおよびAlNを被覆し
たので、摩耗量が18〜20μmであって、本発明の効
果が確認された。
は、表2から明らかなように、被覆材料なしで単に硬質
粒子のみを配合してNi−Bめっきを施した比較例3−
7、3−8の摩耗量は35〜40μmであって、表3の
単純にNi−Bめっきを施したものの摩耗量30μmと
比較して、耐摩耗性が劣った。これに対して本発明の実
施例3−5および3−6はCrNおよびAlNを被覆し
たので、摩耗量が18〜20μmであって、本発明の効
果が確認された。
【0032】Crめっきを施した実施例3については、
表2から明らかなように、被覆材料なしで単に硬質粒子
のみを配合してCrめっきを施した比較例3−11、3
−12の摩耗量は30〜32μmであって、表3の単純
にCrめっきを施したものの摩耗量35μmと比較し
て、耐摩耗性の向上が僅かであった。これに対して本発
明の実施例3−9および3−10はCrNおよびAlN
を被覆したので、摩耗量が20μmであって、本発明の
効果が確認された。
表2から明らかなように、被覆材料なしで単に硬質粒子
のみを配合してCrめっきを施した比較例3−11、3
−12の摩耗量は30〜32μmであって、表3の単純
にCrめっきを施したものの摩耗量35μmと比較し
て、耐摩耗性の向上が僅かであった。これに対して本発
明の実施例3−9および3−10はCrNおよびAlN
を被覆したので、摩耗量が20μmであって、本発明の
効果が確認された。
【0033】樹脂コーティングを施した実施例4につい
ては、表2から明らかなように、被覆材料なしで単に硬
質粒子のみを配合して樹脂コーティングを施した比較例
4−3の摩耗量は15μmであって、表3の単純に樹脂
コーティングを施したものの摩耗量25μmと比較し
て、僅かに耐摩耗性の向上が見られた。これに対して本
発明の実施例4−1および4−2は硬質粒子にSnめっ
きを被覆したので、摩耗量が5〜6μmであって、耐摩
耗性が向上し、本発明の効果が確認された。
ては、表2から明らかなように、被覆材料なしで単に硬
質粒子のみを配合して樹脂コーティングを施した比較例
4−3の摩耗量は15μmであって、表3の単純に樹脂
コーティングを施したものの摩耗量25μmと比較し
て、僅かに耐摩耗性の向上が見られた。これに対して本
発明の実施例4−1および4−2は硬質粒子にSnめっ
きを被覆したので、摩耗量が5〜6μmであって、耐摩
耗性が向上し、本発明の効果が確認された。
【0034】(実施例5)次に、エンジン用ピストンと
ピストンリングとの組み合わせに対し、適用された本発
明による部材の組み合わせの具体的実施例について説明
する。ピストントップリング溝材料の本発明の実施例と
して、繊維系3μmのアルミナシリカ繊維(55%Al
2O3、45%SiO2)を嵩密度0.16g/cm3にて
無作為に配合した繊維成形体にSiC粒子(1〜10μ
m、Hv2500)およびSi3N4粒子(1〜10μ
m、Hv2500)にCuスパッタリング(Hv25
0)を30μmの被覆を施し、それぞれ10vol%添
加したアルミニウム合金AC8Aをマトリックスとする
2種類の複合材料として作製した。また、比較材として
前記と同じ繊維成形体に前記と同じ硬質粒子にCuスパ
ッタリングを施さないものを同量添加したアルミニウム
合金AC8Aをマトリックスとする2種類の複合材料と
してピストントップリング溝材料を作製した。
ピストンリングとの組み合わせに対し、適用された本発
明による部材の組み合わせの具体的実施例について説明
する。ピストントップリング溝材料の本発明の実施例と
して、繊維系3μmのアルミナシリカ繊維(55%Al
2O3、45%SiO2)を嵩密度0.16g/cm3にて
無作為に配合した繊維成形体にSiC粒子(1〜10μ
m、Hv2500)およびSi3N4粒子(1〜10μ
m、Hv2500)にCuスパッタリング(Hv25
0)を30μmの被覆を施し、それぞれ10vol%添
加したアルミニウム合金AC8Aをマトリックスとする
2種類の複合材料として作製した。また、比較材として
前記と同じ繊維成形体に前記と同じ硬質粒子にCuスパ
ッタリングを施さないものを同量添加したアルミニウム
合金AC8Aをマトリックスとする2種類の複合材料と
してピストントップリング溝材料を作製した。
【0035】得られたピストントップリング溝材料とピ
ストンリングを組み合わせ実機摩耗量試験を行った。試
験条件は下記に示す通りである。 使用エンジン: 4気筒4サイクルディーゼルエン
ジン シリンダボア径: 90mm ストローク: 86mm 圧縮比: 21.5 排気量: 2188cc シリンダ材質: ねずみ鋳鉄 (JIS規格FC25) 使用燃料: 軽油 エンジン回転数: 5200rpm エンジン負荷: フルロード 試験時間: 500時間
ストンリングを組み合わせ実機摩耗量試験を行った。試
験条件は下記に示す通りである。 使用エンジン: 4気筒4サイクルディーゼルエン
ジン シリンダボア径: 90mm ストローク: 86mm 圧縮比: 21.5 排気量: 2188cc シリンダ材質: ねずみ鋳鉄 (JIS規格FC25) 使用燃料: 軽油 エンジン回転数: 5200rpm エンジン負荷: フルロード 試験時間: 500時間
【0036】図1に本発明例および比較例の実機摩耗量
を示す。図1に示したように、硬質粒子にCuスパッタ
リングを施さなかった比較例は、いずれも硬質粒子の脱
落によりリング溝下面の摩耗量が40〜47μmと大き
くなっており、これに伴って相手材であるピストンリン
グ下面の摩耗量も25〜35μmと大きかった。これに
対して本発明の実施例は、硬質粒子の表面に中間硬度の
Cuスパッタリング層を被覆し、かつ、このスパッタリ
ング層の一部がマトリックス相のAlとCu−Alの金
属間化合物を形成したため、リング溝下面の摩耗量が9
〜11μmと大幅に減少し、ピストンリング下面の摩耗
量も7〜8μmと大幅に減少し、本発明の摺動部材が耐
摩耗性に優れると共に、相手材料に対する攻撃性の少な
いことが判明した。
を示す。図1に示したように、硬質粒子にCuスパッタ
リングを施さなかった比較例は、いずれも硬質粒子の脱
落によりリング溝下面の摩耗量が40〜47μmと大き
くなっており、これに伴って相手材であるピストンリン
グ下面の摩耗量も25〜35μmと大きかった。これに
対して本発明の実施例は、硬質粒子の表面に中間硬度の
Cuスパッタリング層を被覆し、かつ、このスパッタリ
ング層の一部がマトリックス相のAlとCu−Alの金
属間化合物を形成したため、リング溝下面の摩耗量が9
〜11μmと大幅に減少し、ピストンリング下面の摩耗
量も7〜8μmと大幅に減少し、本発明の摺動部材が耐
摩耗性に優れると共に、相手材料に対する攻撃性の少な
いことが判明した。
【0037】(実施例6)図2のセラミックス硬質粒子
の断面図に示すように、表4に示す粒度のセラミックス
粒子(SiC;Hv3000、Si3N4;Hv250
0、Al2O3;Hv2000)に、第1被覆層として表
4に示す膜厚の無電解Ni−Bめっき層および第2被覆
層として表4に示す膜厚の無電解Ni−Pめっき層を施
した。
の断面図に示すように、表4に示す粒度のセラミックス
粒子(SiC;Hv3000、Si3N4;Hv250
0、Al2O3;Hv2000)に、第1被覆層として表
4に示す膜厚の無電解Ni−Bめっき層および第2被覆
層として表4に示す膜厚の無電解Ni−Pめっき層を施
した。
【0038】なお、第1被覆層の無電解Ni−Bめっき
は、膜厚2μm未満では安定的なめっき層の成長が達成
できず、5μmを越えるとコスト高となり実際的でな
い。一方、第2被覆層の無電解Ni−Pめっきは、膜厚
5μm未満では安定的なめっき層の成長が達成できず、
またセラミックス粒子の被覆後の径が40μmを越える
と、複合材料の成形時に、割れ等が生じるので、第2被
覆層の厚さは30μm以下とすることが好ましい。
は、膜厚2μm未満では安定的なめっき層の成長が達成
できず、5μmを越えるとコスト高となり実際的でな
い。一方、第2被覆層の無電解Ni−Pめっきは、膜厚
5μm未満では安定的なめっき層の成長が達成できず、
またセラミックス粒子の被覆後の径が40μmを越える
と、複合材料の成形時に、割れ等が生じるので、第2被
覆層の厚さは30μm以下とすることが好ましい。
【0039】次いで、得られた被覆セラミックス粒子を
吸引成形し、外径100mm、内径80mm、高さ15
mmの寸法を有し、被覆セラミックス粒子が均一に分散
された体積率10〜30%のAl基粒子形成体を形成し
た。次いで、このAl基粒子形成体を400℃に予熱し
た後、主型内に750℃のアルミニウム合金(AC8
A、融点535℃)の溶湯を注湯し、1ton/cm2
の加圧を行って、成形体中に溶湯を浸透させ完全に凝固
するまで保持した。次いで、T7処理および機械加工に
よりピストンを形成した。
吸引成形し、外径100mm、内径80mm、高さ15
mmの寸法を有し、被覆セラミックス粒子が均一に分散
された体積率10〜30%のAl基粒子形成体を形成し
た。次いで、このAl基粒子形成体を400℃に予熱し
た後、主型内に750℃のアルミニウム合金(AC8
A、融点535℃)の溶湯を注湯し、1ton/cm2
の加圧を行って、成形体中に溶湯を浸透させ完全に凝固
するまで保持した。次いで、T7処理および機械加工に
よりピストンを形成した。
【0040】得られたピストンの耐摩耗性について、実
機評価を行った。なお、比較例としてこの実機評価の中
に未被覆のセラミックス粒子も同様に添加したものにつ
いても、同じ条件で併せて評価した。実機評価条件を下
記に示す。 使用エンジン ; 4気筒4サイクル、ディーゼルエンジン ボア径: 90mm、 排気量: 2188cc ストローク長: 86mm、 シリンダ材質: ねずみ鋳鉄FC25 圧縮比; 21.5 条件 燃料: 軽油 エンジン回転数: 5200rpm エンジン負荷: フルロード 試験時間: 500時間 実機評価の結果は表4に示す。
機評価を行った。なお、比較例としてこの実機評価の中
に未被覆のセラミックス粒子も同様に添加したものにつ
いても、同じ条件で併せて評価した。実機評価条件を下
記に示す。 使用エンジン ; 4気筒4サイクル、ディーゼルエンジン ボア径: 90mm、 排気量: 2188cc ストローク長: 86mm、 シリンダ材質: ねずみ鋳鉄FC25 圧縮比; 21.5 条件 燃料: 軽油 エンジン回転数: 5200rpm エンジン負荷: フルロード 試験時間: 500時間 実機評価の結果は表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】表4に示したように、セラミックス硬質粒
子に被覆を施さなかった比較例7〜9はSiCおよびS
i3N4粒子が脱落し、研磨材の役割を果たし、リング溝
下面の摩耗量が30〜45μm、リング下面摩耗量が2
0〜32μmと大きくなっている。比較例10は被覆膜
厚が35μm以上となったので、成形時に割れを発生し
たので、実機試験が不能であった。比較例11〜14は
セラミックス硬質粒子の粒径が10μmと大きかったの
で、ピストンリングに対する相手攻撃性が大きくなり、
この時生じた摩耗粉により、リング溝下面およびリング
下面共に摩耗量が増大している。
子に被覆を施さなかった比較例7〜9はSiCおよびS
i3N4粒子が脱落し、研磨材の役割を果たし、リング溝
下面の摩耗量が30〜45μm、リング下面摩耗量が2
0〜32μmと大きくなっている。比較例10は被覆膜
厚が35μm以上となったので、成形時に割れを発生し
たので、実機試験が不能であった。比較例11〜14は
セラミックス硬質粒子の粒径が10μmと大きかったの
で、ピストンリングに対する相手攻撃性が大きくなり、
この時生じた摩耗粉により、リング溝下面およびリング
下面共に摩耗量が増大している。
【0043】これに対して本発明の実施例1〜6は、セ
ラミックス硬質粒子の粒径が1〜5μmであり、第1被
覆層のNi−Bめっき厚さが2〜5μm、第2被覆層の
Ni−Bめっきの厚さが5〜30μmであったので、硬
質粒子部での応力集中が緩和され、硬質粒子が金属マト
リックスからの脱落が防止されたため、リング溝下面摩
耗量が10〜15μm、リング下面摩耗量が3〜6μm
であって、本発明の摺動部材は耐摩耗性に優れると共
に、相手材料に対する攻撃性の少ないことが確認され
た。なお、本実施例において、第2被覆層の上にさらに
CuまたはNiの被覆を施すと、基材との間に金属間化
合物が形成されるため、セラミックス粒子と基材との密
着性はさらに向上する。
ラミックス硬質粒子の粒径が1〜5μmであり、第1被
覆層のNi−Bめっき厚さが2〜5μm、第2被覆層の
Ni−Bめっきの厚さが5〜30μmであったので、硬
質粒子部での応力集中が緩和され、硬質粒子が金属マト
リックスからの脱落が防止されたため、リング溝下面摩
耗量が10〜15μm、リング下面摩耗量が3〜6μm
であって、本発明の摺動部材は耐摩耗性に優れると共
に、相手材料に対する攻撃性の少ないことが確認され
た。なお、本実施例において、第2被覆層の上にさらに
CuまたはNiの被覆を施すと、基材との間に金属間化
合物が形成されるため、セラミックス粒子と基材との密
着性はさらに向上する。
【0044】
【発明の効果】本発明の摺動部材は以上詳述したよう
に、金属マトリックス中に硬質粒子が分散された金属基
複合材料において、前記硬質粒子表面にマトリックスと
硬質粒子の中間の硬度を有する材料が被覆されているこ
とを特徴とするものであって、この被覆材料によって硬
質粒子部での応力集中が緩和され、硬質粒子が金属マト
リックスからの脱落が防止できる。その結果、摺動部材
の耐摩耗性が向上すると共に、相手材の摩耗量の少なく
することができる。特に、被覆材料と金属マトリックス
との間で金属間化合物を形成させると、硬質粒子の脱落
防止性がさらに向上し、耐摩耗性および相手攻撃性がさ
らに改善される。
に、金属マトリックス中に硬質粒子が分散された金属基
複合材料において、前記硬質粒子表面にマトリックスと
硬質粒子の中間の硬度を有する材料が被覆されているこ
とを特徴とするものであって、この被覆材料によって硬
質粒子部での応力集中が緩和され、硬質粒子が金属マト
リックスからの脱落が防止できる。その結果、摺動部材
の耐摩耗性が向上すると共に、相手材の摩耗量の少なく
することができる。特に、被覆材料と金属マトリックス
との間で金属間化合物を形成させると、硬質粒子の脱落
防止性がさらに向上し、耐摩耗性および相手攻撃性がさ
らに改善される。
【図1】実機試験におけるリング溝下面およびピストン
リング下面の本発明の実施例と比較例の摩耗量を示す図
である。
リング下面の本発明の実施例と比較例の摩耗量を示す図
である。
【図2】本発明の実施例であるセラミックス硬質粒子の
断面図である。
断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 金属マトリックス中に硬質粒子が分散さ
れた金属基複合材料において、前記硬質粒子表面にマト
リックスと硬質粒子の中間の硬度を有する材料が被覆さ
れていることを特徴とする摺動部材。 - 【請求項2】 前記金属基複合材料は鋳物材料であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。 - 【請求項3】 前記金属基複合材料はめっきにより形成
されたものであることを特徴とする請求項1に記載の摺
動部材。 - 【請求項4】 前記硬質粒子に被覆される中間硬度の材
料は被覆が2層以上施されていることを特徴とする請求
項1乃至請求項3のいずれかに記載の摺動部材。 - 【請求項5】 前記硬質粒子に被覆される中間硬度の材
料は金属マトリックスとの間で金属間化合物を生成して
いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか
に記載の摺動部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6028415A JPH07238331A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 摺動部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6028415A JPH07238331A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 摺動部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07238331A true JPH07238331A (ja) | 1995-09-12 |
Family
ID=12248029
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6028415A Pending JPH07238331A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 摺動部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07238331A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005256063A (ja) * | 2004-03-10 | 2005-09-22 | Ulvac Japan Ltd | 水崩壊性Al複合材料、この材料からなるAl膜、Al粉及びこれらの製造方法、並びに成膜室用構成部材及び成膜材料の回収方法 |
| JP2014167141A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Toyota Motor Corp | 焼結合金配合用合金粉末及びこれを用いた焼結合金の製造方法 |
| WO2021182423A1 (ja) | 2020-03-10 | 2021-09-16 | 大同メタル工業株式会社 | 摺動部材及びその製造方法並びに硬質物の製造方法 |
-
1994
- 1994-02-25 JP JP6028415A patent/JPH07238331A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005256063A (ja) * | 2004-03-10 | 2005-09-22 | Ulvac Japan Ltd | 水崩壊性Al複合材料、この材料からなるAl膜、Al粉及びこれらの製造方法、並びに成膜室用構成部材及び成膜材料の回収方法 |
| US7951463B2 (en) | 2004-03-10 | 2011-05-31 | Ulvac, Inc. | Water collapsible aluminum film |
| JP2014167141A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Toyota Motor Corp | 焼結合金配合用合金粉末及びこれを用いた焼結合金の製造方法 |
| WO2021182423A1 (ja) | 2020-03-10 | 2021-09-16 | 大同メタル工業株式会社 | 摺動部材及びその製造方法並びに硬質物の製造方法 |
| JP2021143355A (ja) * | 2020-03-10 | 2021-09-24 | 大同メタル工業株式会社 | 摺動部材及びその製造方法並びに硬質物の製造方法 |
| KR20220133931A (ko) | 2020-03-10 | 2022-10-05 | 다이도 메탈 고교 가부시키가이샤 | 슬라이딩 부재 및 그 제조 방법 및 경질물의 제조 방법 |
| EP4119701A4 (en) * | 2020-03-10 | 2024-03-27 | Daido Metal Company Ltd. | SLIDING ELEMENT, METHOD FOR MANUFACTURING SAME AND METHOD FOR MANUFACTURING HARD MATERIAL |
| US12000051B2 (en) | 2020-03-10 | 2024-06-04 | Daido Metal Company Ltd. | Sliding member, method for manufacturing same, and method for manufacturing hard material |
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